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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

商4条1項各号

最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、裁判所がおもしろそうな(?)意見を述べている判例を集めてみました。
内容的には詳細に検討していませんので、詳細に検討してみると、検討に値しない案件の可能性があります。
日付はアップロードした日です。

平成28(行ケ)10003  商標登録取消決定取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成28年6月23日  知的財産高等裁判所

 「ももいちご」が周知商標であるとして異議申し立てがなされました。知財高裁は、周知商標であるとした審決を維持しました。
 申立人ら商品1は,本件商標の登録出願日である平成21年11月24日の時点において,販売開始から約15年が経過し,毎年の出荷量も数十トン程度とほぼ安定した状況にあり,また,この間,関西地域において,テレビCMが7年間にわたって放送されたほか,ラジオCM等の各種宣伝広告も多数行われ,更には,申立人ら商品1の粒の大きさや甘さ,特定の地域でしか生産されない希少性,一粒1000円にもなる高価さなど が話題となり,テレビ番組,雑誌,新聞,インターネット上の情報記事等で 繰り返し紹介され,これらの宣伝や紹介の際には,常に引用商標1が使用さ れてきたことが認められる。 これらの事実を総合すると,引用商標1は,本件商標の登録出願日当時に おいて,これがいちごに使用された場合,申立人らが生産,販売する申立人 ら商品1を表示するものとして,少なくとも関西地域及び徳島県における取 引者,需要者の間において広く認識されていたものと認めることができる。 ・・・ JA徳島市らによるテレビCMやラジオCM等の宣伝・広告は行われていな いものの,平成25年初めころまでは,新聞記事等で引用商標1とともに紹 介されている事実が認められるほか,申立人ら商品2を紹介するテレビ番組, 新聞記事等において,申立人ら商品2の前身となるブランドのいちごとして, 引用商標1とともにたびたび紹介されている事実が認められるのであり,こ れらを総合すれば,引用商標1の周知性は,本件商標の登録査定時である平 成25年10月9日当時においても,なお維持されていたものと認めること ができる。 ・・・ 原告らは,申立人ら商品1が「あまおう」などの他の高級いちご と比べて,出荷量が圧倒的に少ない事実を指摘する。 しかし,申立人ら商品1は,そもそも徳島県佐那河内村の特定の農家の みが生産するいちごであるから,「あまおう」などの一般的な品種のいち ごに比べて,その生産・出荷量が圧倒的に少ないことは当然である。そし て,申立人ら商品1は,上記のような希少性が一つの理由となって話題を インターネット上の 情報記事等で繰り返し紹介されてきたものであり,その結果,引用商標1 が周知性を獲得するに至ったのであるから,申立人ら商品1の出荷量が他 の高級いちごに比べて少ない点は,引用商標1の周知性を否定する事情と なるものではない。 また,申立人ら商品1の平成15年から平成25年3月までの年度ごと の出荷量の推移は,・・年まで約69トンから約95トンの間で推移した後,平成21年には約55トン,平成22年には約47トンと徐々に減少傾向が見られるようにな っている。しかし,申立人ら商品1は,本件商標の登録査定時(平成25 年10月9日)の直近である平成24年12月から平成25年3月までの 出荷シーズンにおいても,約38トンの出荷量を確保しているのであるか ら,本件商標の登録査定時までに申立人ら商品1の流通量が著しく減少し たとまではいえず,この程度の減少傾向の存在が,引用商標1の周知性の 喪失に直ちに結びつくものとはいえない。

◆判決本文

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平成27(行ケ)10246  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟  平成28年5月18日  知的財産高等裁判所

 「Photomaker Pro」と「Photomaker」が類似すると判断された審決が維持されました。
 本願商標の外観は,横一行で,「Photomaker」と「Pro」の各部分 の間に半角分の間隔を空け,「Photomaker」の各文字は灰色の輪郭のみ で,「Pro」の各文字は黒色で書された文字を灰色で縁取りすることで表されて\nいる。また,「P」の文字は,いずれも右部の弧状の部分が直線で示され,「t」の 文字は,通常の書体では左側に突き出る部分が削除され,「m」の文字は,通常の 書体では左上に突き出る部分が削除され,「a」の文字は,通常の書体では右下に 突き出る部分が削除され,上部の弧状の部分も直線で示され,「e」の文字は,そ の書き出し部分を左斜め上方向へ傾斜させ,「r」の文字は,いずれも通常の書体 では左上に突き出る部分が削除されるなどのデフォルメがされている。 そして,本願商標の全体からは「フォトメーカープロ」との呼称が生じる。また, 「Photo」は「写真」を,「maker」は「作る人」を意味し(乙3,4), 上記のとおり「Pro」の部分は,「より熟練者を対象とした」,又は「より高い機 能を備えた」という意味で理解されるのであるから,本願商標の全体からは,「写\n真を作る専門家」という観念を生じる。 また,上記(1)のとおり,本願商標の構成から「Photomaker」の部分\nを抽出して対比することも許されるところ,同部分からは「フォトメーカー」との 称呼を生じる。そして,同部分からは「写真を作る人」という観念を生じる。 したがって,本願商標は,その全体から「フォトメーカープロ」,「写真を作る専 門家」との称呼,観念を生じるほか,「Photomaker」の部分から「フォ トメーカー」,「写真を作る人」との称呼,観念を生じる。

◆判決本文

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平成27(行ケ)10246  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟  平成28年5月18日  知的財産高等裁判所

 「Photomaker Pro」と「Photomaker」が類似すると判断された審決が維持されました。
 本願商標の外観は,横一行で,「Photomaker」と「Pro」の各部分 の間に半角分の間隔を空け,「Photomaker」の各文字は灰色の輪郭のみ で,「Pro」の各文字は黒色で書された文字を灰色で縁取りすることで表されて\nいる。また,「P」の文字は,いずれも右部の弧状の部分が直線で示され,「t」の 文字は,通常の書体では左側に突き出る部分が削除され,「m」の文字は,通常の 書体では左上に突き出る部分が削除され,「a」の文字は,通常の書体では右下に 突き出る部分が削除され,上部の弧状の部分も直線で示され,「e」の文字は,そ の書き出し部分を左斜め上方向へ傾斜させ,「r」の文字は,いずれも通常の書体 では左上に突き出る部分が削除されるなどのデフォルメがされている。 そして,本願商標の全体からは「フォトメーカープロ」との呼称が生じる。また, 「Photo」は「写真」を,「maker」は「作る人」を意味し(乙3,4), 上記のとおり「Pro」の部分は,「より熟練者を対象とした」,又は「より高い機 能を備えた」という意味で理解されるのであるから,本願商標の全体からは,「写\n真を作る専門家」という観念を生じる。 また,上記(1)のとおり,本願商標の構成から「Photomaker」の部分\nを抽出して対比することも許されるところ,同部分からは「フォトメーカー」との 称呼を生じる。そして,同部分からは「写真を作る人」という観念を生じる。 したがって,本願商標は,その全体から「フォトメーカープロ」,「写真を作る専 門家」との称呼,観念を生じるほか,「Photomaker」の部分から「フォ トメーカー」,「写真を作る人」との称呼,観念を生じる。

◆判決本文

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平成27(行ケ)10224  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成28年4月27日  知的財産高等裁判所

 「MAGGIE MILANO」が「MAGGIE」と類似するとした審決が維持されました。指定商品は被服です。「MILANO」がファッション業界では著名といえる地名というのが理由のようです。
 本願商標においては,「MAGGIE」と「MILANO」との間に1文字分に満 たないスペースが設けられていることから,「MAGGIE」と「MILANO」と の2つの単語からなるものであると認識し得る。 前半の「MAGGIE」の欧文字部分は,「『マギー』という女性の名又は愛称」 ほどの意味を有するといえる。そして,後半の「MILANO」の欧文字部分は, 「イタリア北部の都市」を指称する語(甲24,乙8)として広く一般に知られて いるものであり,かつ,ミラノにおいては,毎年,世界中から注目されるデザイナ ーズ・コレクションが開かれており(乙9),ファッション性の高いイメージを有す る都市として周知されているから,本願商標を本願指定商品である衣服や靴,洋品 小物などに使用する場合は,それに接する取引者,需要者は,当該「MILANO」 の欧文字を,イタリア国ミラノでデザイン等された商品であることを表す部分,す\nなわち,当該各商品の品質を表示した部分と認識するものとみるのが相当である。\nしたがって,本願商標は,その構成中,後半の「MILANO」の欧文字が,商\n品の品質を表示した部分として,格別の自他商品識別力を有しないのに対し,前半\nの「MAGGIE」の欧文字は,固有の名称であって,出所識別標識として強く支 配的な印象を与えるものであるから,当該欧文字のみを抽出し,他人の商標と比較 して商標としての類否を判断することが許されるというべきである。
イ 称呼について
(ア) 以上のことからすれば,本願商標は,その全体から「マギーミラノ」 の称呼が生じるほか,「マギー」との称呼をも生じるものと認められる。
(イ) これに対して,原告は,本願商標は,「マギー」と「ミラノ」に区切 って発音すると不自然であるから,「マギーミラノ」のみの称呼が生じると主張する。 しかし,本願商標の外観は,「MAGGIE」と「MILANO」との間にスペー スがあることから,2語から構成されるものと看取され,「マギー」と「ミラノ」と\nに区切って発音することに特段の困難も見い出せない。 原告の主張には,理由がない。 ウ 観念について
(ア) 本願商標は,その全体から「イタリアのミラノという都市の『マギー』 という女性の名又は愛称」の観念が生じるほか,上記アのとおり,その構成中「M\nAGGIE」の欧文字が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるから,「『マ ギー』という女性の名又は愛称」の観念を生じる。
(イ) これに対して,原告は,「ミラノ」は人の姓としても採択されている から,とある外国人の姓名又は愛称としての「マギーミラノ」という観念が生じる こともあり,また,本願商標では,ファッションブランドの一般的な表記とは異な\nり,「MILANO」を発祥地として小さく付記したものではないから,「MILA NO」は商標中の不可分な構成要素であると主張する。しかし,「ミラノ」が人の姓として使用されることがある(甲27,48)としても,これが我が国において,イタリアの都市名としての「ミラノ」を観念する(このことは,原告も認める。)よりも,優先して観念されるとは認められない。また,ファッションブランドがその発祥地を示す場合に,発祥地を小さく付記することがあるとは認められるが(甲41,乙10〜16),当該発祥地を商標中の他の部分と同程度の大きさで表\示することがないとまではいえない(なお,原告主張によれば,本願商標に係るブランドは,もともと,イタリアの「Maggie Jeans」というジーンズブランドであったとされるから,本願商標については,「MILANO」が発祥地を示すことを意図したものであるとも考えられる。)。

◆判決本文

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平成27(行ケ)10153  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成28年4月13日  知的財産高等裁判所

 歴史と伝統を備えた超高級ブランドであるとして特異性を主張しましたが、日本における著名性が認められず、類似と判断されました。
 原告は,歴史と伝統を備えた超高級ブランドについて,十分な知識と経験を備え\nた超富裕層である需要者の間では,「CIFONELLI」ブランドは,「チフォネ リ」の称呼のもと,最高級の紳士スーツについて広く認識された存在となっている から,本願商標と引用商標との類否判断に当たっては,かかる取引実情を考慮すべ きと主張する。 しかし,原告が日本に進出したのは,2000年秋であり(甲7),原告商品が取 り扱われている百貨店は,東京の新宿伊勢丹(甲11),大阪の阪急メンズ大阪(甲 12),東京の銀座三越(甲13)及び東京の日本橋三越(甲14)等の数か所にす ぎない。また,原告の紹介記事等は,2000年8月ころ(甲7)及び2009年 春ころ(甲8)にファッション雑誌に掲載され,2010年2月16日公開のファ ッション情報ウェブサイトに掲載された(甲10)ほかは,原告商品を取り扱う百 貨店のパンフレット(甲9,11〜15)に記載されているだけであり,ウェブサ イト上の質問コーナーの回答中に原告商品への言及(甲16)が認められるにすぎ ない。一般に広く需要者が閲覧する雑誌及びウェブサイトへの記事掲載が,証拠上, 2000年以降現在までわずか4回にすぎないこと,百貨店のパンフレットのうち, 甲9は2011年春物の紹介であるから配布期間が短く手に取る者は限定されてい たであろうし,甲14は紳士服オーダーサロンにおける春のオーダー会の紹介とし て,原告ブランドが他のブランドと並んで紹介されているにすぎず,掲載期間及び 需要者がアクセスした期間は限定されており,甲15は伊勢丹新宿店のウェブペー ジであって,他の取り扱いブランドと同様に原告商品の仕立て料金等を表示してい\nるにすぎず,甲11〜甲13は,百貨店のフロアガイドであって,他のブランドと 同等に原告ブランドが記載されているにすぎず,ウェブサイト上の質問コーナー(甲 16)を閲覧した者が相当多数であったと認めるに足りる証拠もない。原告の日本 における売上げは,2013年及び2014年の3月〜9月(7か月分)で700 0万円近くと認められる(甲32)ものの,かかる金額が,紳士服の1ブランドの 売上げとしてその周知著名性を基礎付けるほど多額であると認めるに足りる証拠も ない。 上記の事実を総合考慮すれば,本願商標が,原告の扱う最高級の紳士服を示すも のとして,本願指定商品の需要者である男性の間で周知又は著名となっていたとは 認められない。したがって,本願商標に係る需要者層が富裕層の男性に限られ,本 願商標に係る商品が高級な男性用スーツ等に限られるとする原告の主張には,理由 がない。

◆判決本文

◆関連事件です。平成27(行ケ)10154

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平成27(ネ)10063  商標権侵害差止等請求控訴事件  商標権  民事訴訟 平成28年3月31日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 バイクのインディアンに関する商標について、権利濫用とした1審判決が維持されました。
 上記(ア)ないし(ウ)のとおりの控訴人の本件各商標の登録出願の経緯,出願 当時の認識及び本件各商標の使用状況ないし控訴人の宣伝広告等の内容を総合考慮 すると,控訴人による本件各商標の商標登録出願は,控訴人が,平成3年頃から旧 インディアン社によるインディアンブランドの潜在的周知性に着目し,旧インディ アン社と控訴人とは関わりがないにもかかわらず,同社との関連性を強調して我が 国でインディアン関連商品の販売をすることを意図し,被控訴人がその頃我が国で 先行してインディアンブランド事業を開始しているのをみて,自らもそのような被 控訴人の事業展開や宣伝広告に便乗するとともに,被控訴人による事業展開を妨げ る目的で行われたものであると認めるのが相当である。
イ 本件各商標に化体された信用性について
前記のとおり,控訴人は,本件各商標についてこれと同一の商標を商品や宣伝広 告に使用したことは全くないのであるから,そもそも本件各商標自体には,控訴人 の独自の信用が化体されているとはいえない。また,前記のとおり,控訴人は, 「Indian」ロゴや本件商標2と類似するカナダインディアン社の商標を使用した商 品を販売していたが,これらについても,自らとは関わりがない旧インディアン社 との関係を強調した宣伝広告を行っていたものである。控訴人のこのような商標の 使用は,自己の商品に係る業務について,旧インディアン社の承継人ないしはライ センシーの業務であるかのような混同を生じさせるものであり,商標法が商標の出 所表示機能\を保護するものであることからすれば,同法上,このような商標の出所 表示機能\は本来保護されるべき性質のものとはいい難く,このような商標の使用に よって形成された控訴人の信用は,控訴人独自のものとはいえず,本件各商標と類 似した商標が使用されることによって,本件各商標の出所表示機能\が実質的に害さ れるものとはいえない。
ウ 控訴人片仮名商標に基づく侵害訴訟との関係について
さらに,本件各商標は,前記1のとおり,被控訴人標章1と類似するものである ところ,そもそも被控訴人の代表者であるCは,被控訴人標章1(Indian/Motocyc le商標)と同一の商標について,本件各商標の登録出願(平成6年9月21日)よ りも先立つ平成4年2月6日の時点で,商標登録出願をしていたものであり,被控 訴人は,平成7年9月29日に被控訴人標章1に係る商標登録がされた後,その商 標権を譲り受けていたものである。 そして,同商標登録は,控訴人が請求した無効審判において,控訴人片仮名商標 と類似し,商標法4条1項11号に違反することを理由として無効審決がされ,平 成14年12月27日,同審決を維持する内容の東京高等裁判所の判決がされ,平 成15年6月12日に同審決は確定したため,遡及的に無効となったものであるけ れども,一方で,同時期に係属していた,控訴人の被控訴人に対する控訴人片仮名 商標に係る商標権に基づく商標権侵害差止等請求訴訟においては,同年12月26 日,控訴人が被控訴人らに対して同商標権に基づいて禁止権を行使することは,商 標権の濫用に当たるものとして許されないとの一審判決が言い渡され,さらに,平 成16年12月21日,前記イと同様の理由により,控訴人片仮名商標に係る商標 権の行使が権利の濫用であるとして,その控訴を棄却する控訴審判決がされ,同判 決が確定したものである。 そうすると,本件片仮名商標は,これに係る商標登録自体は有効であるものの (なお,控訴人片仮名商標に係る商標登録が商標法4条1項7号に違反するとして 被控訴人が請求した無効審判については,上記侵害訴訟の控訴審判決とほぼ同時期 である平成16月12月8日に,同号違反を否定する審決を維持する内容の判決が, 同控訴審判決とは別の裁判体によってされた。),その商標権は,被控訴人に対し ては行使できないものであるところ,仮に控訴人片仮名商標に係る商標登録がされ なければ,商標法4条1項11号違反を理由として被控訴人標章1に係る商標登録 が無効とされることはなく(なお,被控訴人標章1についての商標法4条1項7号 違反を理由とする無効理由は,別の審決取消訴訟において理由がないものと判断さ れている。),むしろ,被控訴人標章1よりも後願である本件各商標(被控訴人標 章1と類似する。)についての商標登録の方が認められなかったはずであり,また, 被控訴人標章2(「Indian」ロゴ商標)も,本件各商標と類似しているとして,商 標法8条1項違反を理由として無効審決が維持されたものであるから,同様に,控 訴人片仮名商標に係る商標登録がなければ,無効とされることはなかったはずのも のである。 そうすると,被控訴人と控訴人との間では,控訴人片仮名商標に係る商標権に基 づく権利行使が許されないとの判決が確定しているにもかかわらず,控訴人片仮名 商標が登録されていることを唯一の理由として商標登録が無効とされた商標と同一 の標章である被控訴人標章1及び2について,被控訴人標章1よりも後に出願され た本件各商標との類似性を理由として本件各商標権に基づく権利行使を認めること は不合理である。

◆判決本文

◆1審はこちらです。平成25(ワ)13862

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平成27(行ケ)10219  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成28年4月12日  知的財産高等裁判所

パロディーの「フランク三浦」が「フランクミュラー」から無効理由あるかが争われました。知財高裁は、類似するとした審決を取り消しました。侵害事件ではありません。
(ア) 本件商標と引用商標1を対比すると,本件商標より生じる「フラン クミウラ」の称呼と引用商標1から生じる「フランクミュラー」の称呼 は,第4音までの「フ」「ラ」「ン」「ク」においては共通するが,第 5音目以降につき,本件商標が「ミウラ」であり,引用商標1が「ミュ ラー」であって,本件商標の称呼が第5音目と第6音目において 「ミ」「ウ」であり,語尾の長音がないのに対して,引用商標1におい ては,第5音目において「ミュ」であり,語尾に長音がある点で異なっ ている。しかし,第5音目以降において,「ミ」及び「ラ」の音は共通 すること,両者で異なる「ウ」の音と拗音「ュ」の音は母音を共通にす る近似音である上に,いずれも構成全体の中間の位置にあるから,本件\n商標と引用商標1をそれぞれ一連に称呼する場合,聴者は差異音 「ウ」,「ュ」からは特に強い印象を受けないままに聞き流してしまう 可能性が高いこと,引用商標1の称呼中の語尾の長音は,語尾に位置す\nるものである上に,その前音である「ラ」の音に吸収されやすいもので あるから,長音を有するか否かの相違は,明瞭に聴取することが困難で あることに照らすと,両商標を一連に称呼するときは,全体の語感,語 調が近似した紛らわしいものというべきであり,本件商標と引用商標1 は,称呼において類似する。
他方,本件商標は手書き風の片仮名及び漢字を組み合わせた構成から\n成るのに対し,引用商標1は片仮名のみの構成から成るものであるか\nら,本件商標と引用商標1は,その外観において明確に区別し得る。 さらに,本件商標からは,「フランク三浦」との名ないしは名称を用 いる日本人ないしは日本と関係を有する人物との観念が生じるのに対 し,引用商標1からは,外国の高級ブランドである被告商品の観念が生 じるから,両者は観念において大きく相違する。 そして,本件商標及び引用商標1の指定商品において,専ら商標の称 呼のみによって商標を識別し,商品の出所が判別される実情があること を認めるに足りる証拠はない。 以上によれば,本件商標と引用商標1は,称呼においては類似するも のの,外観において明確に区別し得るものであり,観念においても大き く異なるものである上に,本件商標及び引用商標1の指定商品におい て,商標の称呼のみで出所が識別されるような実情も認められず,称呼 による識別性が,外観及び観念による識別性を上回るともいえないか ら,本件商標及び引用商標1が同一又は類似の商品に使用されたとして も,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるとはいえない。 そうすると,本件商標は引用商標1に類似するものということはでき ない。
(イ)a これに対し,被告は,本件商標は,著名ブランドとしての「フラ ンク ミュラー」の観念を想起させる場合があることから,著名ブラ ンドとしての「フランク ミュラー」の観念を生じる引用商標1と は,観念において類似し,称呼においても類似するから,両者は類似 の商標である旨主張する。 確かに,前記(2)アのとおり,被告使用商標ないしは引用商標1が,被 告商品を表示するものとして,本件商標の登録査定時に,我が国にお\nいて,需要者の間に広く認識され,周知となっていたのであるから,前 記(ア)のとおり,本件商標と引用商標1の称呼が類似することと相ま って,本件商標に接した需要者が,本件商標の称呼から,称呼の類似 する周知な被告使用商標ないしは引用商標1を連想することはあり得 るものと考えられる。 しかしながら,本件商標は,その中に「三浦」という明らかに日本 との関連を示す語が用いられており,かつ,その外観は,漢字を含ん だ手書き風の文字から成るなど,外国の高級ブランドである被告商品 を示す引用商標1とは出所として観念される主体が大きく異なるもの である上に,被告がその業務において日本人の姓又は日本の地名に関 連する語を含む商標を用いていることや,そのような語を含む商標な いしは標章を広告宣伝等に使用していたことを裏付ける証拠もないこ とに照らすと,本件商標に接した需要者は,飽くまで本件商標と称呼 が類似するものの,本件商標とは別個の周知な商標として被告使用商 標ないしは引用商標1を連想するにすぎないのであって,本件商標が 被告商品を表示すると認識するものとは認められないし,本件商標か\nら引用商標1と類似の観念が生じるものともいえない。

◆判決本文

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平成27(行ケ)10174  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成28年3月23日  知的財産高等裁判所

「チャッカマン」は周知ではあるが、「チャッカボー」と非類似、また、混同もなしとした審決が維持されました。
本件商標と原告使用商標とが非類似の商標であって,両商標において共通する「チ ャッカ」の文字部分も,本件指定商品及び原告商品との関係において,その需要者 に「着火」の語を直ちに想起させるものであって,格別に独創性が高いものではな いから,本件商標は,これに接する需要者をして,原告使用商標を連想させて商品 の出所について誤認,混同を生じさせるおそれある商標とはいえず,かつ,フリー ライド又はダイリューションを招くとまでもいえない。

◆判決本文

◆関連判決はこちち。平成27(行ケ)10173

◆関連判決はこちち。平成27(行ケ)10172

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平成27(行ケ)10134  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成28年2月17日  知的財産高等裁判所

 新聞をにぎわしたタニタとオムロンヘルスケアの争いです。商標「dualscan」について、知財高裁は、類似群コードは異なるけれども、類似する商品と判断し、無効理由なしとした審決を取り消しました。
   商標法施行令は,商標法6条2項に係る区分を定める政令別表において,\n第10類として「医療用機械器具及び医療用品」を挙げているところ,省令別表で\nは,第10類の項目において,「医療用機械器具」が,「手術用キャットガット」や 「人工鼓膜用材料」,「医療用手袋」等とともに列挙されているから,第10類の「医 療用機械器具」とは,本来,医療行為に供することが予定されている商品を指すも\nのと解される。 そうすると,引用商標の指定商品である「体脂肪測定器,体組成計」とは,医療 行為に供する程度の品質,性能を保有することが予\定されている体脂肪率,筋肉量, 基礎代謝量等の体組成の測定機器を指すものというべきである。 確かに,省令別表の第10類には,「おしゃぶり」,「哺乳用具」,「綿棒」,「指サッ\nク」,「業務用美容マッサージ器」,「家庭用電気マッサージ器」や「耳かき」なども 列挙されており,医師による診断,治療の場面以外での使用が想定されているもの や,小型で安価で個人でも入手可能であり,病院以外に家庭での使用が想定されて\nいるもの,機能的に高度とはいえないものが含まれている。しかしながら,これら\nの物品は,いずれも美容,健康に関連する商品という意味において,医療行為の範 ちゅうに属する行為ないし医療行為に関連する行為に供されるものと認められるし, 高度な機能が不要であるとしても,医療行為に供されること,そのために必要な品\n質,性能が求められていることは同様であるから,当該物品に関する省令別表\の分 類は,上記判断を左右しない。
ウ これに対し,政令別表では,第9類として「科学用,航海用,測量用,\n写真用,音響用,映像用,計量用,信号用,検査用,救命用,教育用,計算用又は 情報処理用の機械器具,光学式の機械器具及び電気の伝導用,電気回路の開閉用, 変圧用,蓄電用,電圧調整用又は電気制御用の機械器具」が列挙されているところ, 省令別表では,第9類の項目において,「測定機械器具」として,温度計,圧力計,\n金属材料圧縮試験機,気象観測用機械等の種々のものが列挙されているものの,い ずれも,医療行為に供することを予定したものではないから,省令別表\の「測定機 械器具」が属する第9類の「測量用・・・の機械器具」は,元々,医療行為に供す ることが予定されていない商品を指すものと解される。\nそうすると,本件商標の指定商品である「脂肪計付き体重計,体組成計付き体重 計,体重計」とは,体脂肪率,筋肉量,基礎代謝量等の体組成や体重の測定機器を 指すというべきである。そして,測定の対象自体は引用商標の指定商品と重なる部 分があるが,医療行為に供することが予定されていないという意味において,医療\n行為に供する場合よりも,品質や性能が劣るものを予\定しているというべきである。 エ なお,原告は,第9類への帰属と第10類への帰属が択一関係にあるこ とを否定すべき旨主張する。しかしながら,商標法6条1項及び2項が,商標登録 出願の際に商品の指定をすること,同商品の指定は,政令で定めた区分に従って行 うことを要求し,これに基づいて政令別表が作成されていること,政令別表\はニー ス協定の規定した国際分類に即して作成されているが,国際分類でも類別表又はア\nルファベット順の一覧表において,多数の多種多様な商品及びサービスが概括的,\n網羅的に記載されていること,政令別表を再区分化した省令別表\では,別表に商品\n名の記載がない場合を例外的な場合と取り扱っていることからすると,政令別表は,\n指定商品を指定するに当たって,可能な限りその中から選択できるように,世上存\nする多数の商品を全て列挙することを目指すものであり,そのうち,同種企業が取 り扱う可能性のある商品の類型ごとに1つの区分を設けたと考えられる。\nしたがって,省令別表は,特定の商品が多数の類型に同時に属することを,本来,\n予定していないと解するのが相当というべきである。「商品及び役務の区分解説」(乙\n3,4)においても,医院又は病院で専ら使用される電子応用の機械器具は,例外 的に,第9類の電子応用機械器具及びその部品に含まれないこと,第9類の「測定 機械器具」に該当する器具でも,専ら医療用に使用する測定機械器具については, 第10類の「医療用機械器具」に含まれることが記載されており,第9類と第10 類の商品を区別し,いずれかに分類できることを前提としている。 確かに,特定の商品がどの分類に属するかが不明な場合があることや,特定の分 類に属していた商品が,品質向上に伴って他の分類の属すると評価するのが相当な ことはあり得るといえるが,上記の指定商品の区分を設けた趣旨からして,同時に 複数の類型に帰属することは予定されていないとの前記解釈が左右されるものでは\nない。よって,本件商標の指定商品は,第9類に属するとされている以上,第10 類にも属するとの前提に立つことはできない。
・・・
確かに,「医療用機械器具」に属する具体的な商品では,大型で高額であり,医師 等の専門家でなければ入手し,使用することができないようなものが多く,このよ うな商品については,一般的な消費者が自ら購入することは考えにくく,上記推定 が及ぶものと解される。もっとも,「医療用機械器具」に属する具体的な商品の中に は,上記のような多種多様なものが含まれ,必ずしも一般消費者には入手困難とは いえない類型のものも存在するし,今後,技術革新や取引形態の変化によって,高 性能の低価格帯の製品が普及し,一般消費者も,医療用として使用されている機械\n器具を購入し,使用するようになれば,事後的に,出所について誤認混同するおそ れが生じ得ることになるから,実際に商標が使用されている具体的な商品の使用状 況,取引の実情等によっては,上記推定を及ぼすことが相当でない場合もあるとい うべきである。「類似商品・役務審査基準」において,商取引,経済界等の実情の推 移から,類似と推定した場合でも非類似と認められること,基準上は類似とならな い場合であっても類似と認められることがあると注記しているのも(甲64),例外 を許容する趣旨と解され,上記見解と整合するものである。 (2) 体脂肪計,体組成計,体重計の取引状況
そこで,以下,本件商標の指定商品とこれに関連した引用商標の指定商品の取引 の実情を,具体的に検討することにする。
・・・
以上によれば,本件査定時において,本件商標と引用商標の指定商品に関連する 体脂肪計,体組成計,体重計等の取引の実情に関し,次のことがいえる。
ア まず,業務用として販売されている体組成計及び体重計は,医療用とし て使用することを想定した機能や性能\を有し,医療用製品に該当するといえるとこ ろ,家庭用の体組成計及び体重計のシェアが極めて高い原告と被告は,医療用製品 の製造者でもある。また,医療用の体組成計しか製造していないメーカーが存在す る一方,医療用の体組成計を製造していない家電メーカーも存在し,家庭用の製品 と医療用の製品に関し,シェアが一致しているとは認められない。
イ 次に,メーカーによって,販売用のカタログの種類,掲載対象は異なる が,家庭用の体組成計や体重計のシェアが高い被告は,家庭用と業務用の両方を掲 載したカタログを用意している。また,多数の医療機器販売メーカーのカタログに おいて,小型の体脂肪計,体組成計,体重計が掲載され,販売されているが,その 中には,原告や被告の製品で,業務用のものと家庭用のものの両方が含まれている ため,医療関係者は,医療用機器の購入時に家庭用機器も併せて購入対象として検 討することになる。 小売店における体脂肪計,体組成計,体重計の販売では,業務用の大型のものは 展示されていないが,健康意識の向上に伴い,血圧計や体温計といったヘルスケア に関する製品と一緒に展示されており,一般消費者は,家庭用体組成計,体脂肪計 及び体重計を,健康維持や病気予防の目的で使用できる製品と近い性質のものと認\n識し得る。 また,近時は,ネット販売の増加もうかがわれるところ,体脂肪計,体組成計, 体重計のネット販売は,家電メーカー,医療機器メーカーに限られず,オフィス用 品取扱会社などにおいても取り扱われており,医療関係者の購入を前提とし,医療 用製品を主に取り扱うウェブサイトもあれば,一般消費者の購入を前提とし,家庭 用製品を主に取り扱うウェブサイトもある。前者では,医療用機器として大型の体 重計,体組成計以外に小型の製品も掲載され,医療用に限定されず,家庭用の体組 成計,体重計が販売されていることが多いため,主たる需要者である医療関係者に とって,医療用機器と同様に,家庭用機器が購入検討対象となる。しかも,医療用 製品を主として取り扱うウェブサイトであっても,一般消費者がアクセスすること 自体に制限はなく,購入も禁止されていないため,一般消費者も需要者となること があり,その場合の購入対象は,家庭用機器に必ずしも限られず,医療用機器も候 補となる。他方,一般消費者向けのウェブサイトであっても,業務用体重計が販売 される場合もあり,医療用製品が購入候補になることもあるし,リンクが貼られた\n業務用製品販売通販サイトへアクセスすることで,他の医療用製品等が購入候補と なることもある。
ウ さらに,医療用と家庭用の体脂肪計,体組成計,体重計において,そ の品質及び価格は様々であるが,医療用と同程度の品質及び価格が用意されている 業務用のものは,医療現場以外の学校やフィットネスクラブ等でも使用され,学生 やフィットネスクラブの会員である一般消費者が,直接接する場合がある。 具体的には,医療現場に設置されることが多いと考えられる業務用の製品は,価 格が100万円を超えるものや,一般住宅内での設定が想定できないほど大型のも のがあるが,一方,業務用の体重計であっても,価格が3万円程度で,一般家庭で の購入が十分可能\な製品もある(被告のWB−260A)。 他方,家庭用の体脂肪計,体組成計,体重計であっても,多数の機能が付加され\nていることが通常であり,1万円を超えることも珍しくない。これらの家庭用の体 重計等は,家庭用計量器の基準しか満たさないものとはいえ,その測定対象や測定 単位が医療用のものと同様のことがあり,医療関係の研究論文で使用される程度の 精度を備えていて,医療現場で購入される場合もある。
エ このように,家庭用の体重計の需要者である一般消費者は,医療用の 体組成計,体重計も入手可能な状況となっていたといえる上に,医療用の体組成計,\n体重計は,医療現場での利用に限定されず,学校やフィットネスクラブ,企業等で も利用されるから,その需要者は,医療関係者に限定されず,学校関係者やフィッ トネス関係会社,企業の物品購入部門,健康管理部門の従業員も含まれる。そして, 医療用の体組成計及び体重計のシェアの正確な数値は不明であるが,被告の医療用 の体組成計の販売台数は相当数に及び,販売シェアも小さくないから,これらの需 要者は,家庭等で被告の家庭用の体組成計を目にするだけでなく,学校やフィット ネスクラブ等で被告の医療用の体組成計を目にする機会もあることが推認される。 また,一般消費者の一部を構成する医療従事者は,一般消費者よりも高い注意力\nをもって商品を観察するとはいえ,医療用と家庭用の両方の製品を製造し,家庭用 のシェアの大半を占める原告と被告の製品に日常的に接することになるから,医療 用製品の出所について,家庭用製品の出所と区別して認識することが困難な状況と いえる。 さらに,その他の学校関係者,フィットネス関係会社や企業の物品購入部門,健 康管理部門の従業員には,一般的な消費者も含まれており,しかも,医療用と家庭 用の体重計,体組成計の測定対象は同じであり,性能等が近づきつつあるといえる\n上に,精度の違いは一般消費者には識別し難い場合があることから,性能による明\n確な区別も困難である。
オ よって,本件査定時においては,医療用の「体脂肪測定器,体組成計」 と家庭用の「脂肪計付き体重計,体組成計付き体重計,体重計」は,誤認混同のお それがある類似した商品に属するというべきである。したがって,審決の指定商品 の類否判断の誤りをいう原告の取消事由3は,理由がある。

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平成27(行ケ)10180  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成28年2月9日  知的財産高等裁判所

 指定商品「サプリメント」商標「宮古養命草」について、「養命酒」及び「養命」から4条1項15号違反に認定されました。ただ、欠席裁判です。
(1) 被告は,適式の呼出を受けながら,本件口頭弁論期日に出頭しないし,答弁 書その他の準備書面も提出しないから,原告の主張(請求原因事実)を自白したも のとみなされる。 したがって,15号引用商標の「養命酒」及び「養命」の語は,本件商標の登録 出願時及び査定時において,原告商品の名称として周知著名であり,日本全国にお いて,ユニークな造語として広く一般需要者に認識されていたこと,「養命酒」及び 「養命」の語は,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な 印象を与えるものであり,本件商標の要部は「養命」の部分であること,原告は, 原告商品のほか「養命水」の商標を使用したミネラルウォーターや,サプリメント 等を販売していること,本件商標の指定商品「サプリメント」と原告商品である薬 用酒とは,いずれも広い意味でセルフメディケーションの用途で飲用,食用される 商品であり,需要者を共通にするものであることが認められる。
(2) 以上の事実によれば,被告が取引者及び需要者を原告商品と共通する本件商 標を指定商品に使用した場合,これに接した取引者,需要者は,高い周知著名性の ある「養命酒」,「養命」の表示を連想し,原告の出所に係るものであると誤信する\nか,少なくとも,当該商品が原告との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な 営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある\n営業主の業務に係る商品であると誤信させるおそれがあり,商品の出所につき誤認 を生じさせるものと認められる。 そうすると,本件商標は,商標法4条1項15号所定の「混同を生ずるおそれが ある商標」に当たると解される。本件商標が商標法4条1項15号に該当しないと した審決の判断には誤りがある。

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平成27(行ケ)10132  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成28年2月9日  知的財産高等裁判所

 商標法4条1項7号(公序良俗)違反なしとした審決が維持されました。
 前記認定のとおり,被告は,本件商標が登録されるまで,日本国内において 製造・販売するゴルフクラブに「KAMUI」単体商標を使用することはなかった ことが認められるものの,他方で,原告と被告は,共同企業体であるカムイクラフ トを設立し,製造したゴルフクラブに「KAMUIPRO」の名称を付して販売し ていたこと(「KAMUIPRO」の商標権は原告と被告の共有である。),カムイク ラフト解消後,被告は,ゴルフクラブの名称をカムイプロからカムイツアー(KA MUITOUR)に改めることとしてゴルフクラブの製造販売を継続したこと(「K AMUITOUR(標準文字)」についても商標登録されている。),一時期は,被告 のゴルフクラブが「カムイ」のゴルフクラブとして紹介されることもあったこと, 本件商標の登録出願時においても,「KAMUITOUR」,「カムイツアー」等の標 章を使用してゴルフクラブを販売しており,上記のゴルフクラブの売上本数や売上 高についても原告と同程度のものであったことなどが認められ,被告としても,当 初から,「KAMUI」と文字を共通にする上記各標章をゴルフクラブに付して販売 等しており,継続的に相応の売上げがあったものということができる。 また,前記認定のとおり,原告と被告は,共同企業体であるカムイクラフトを解 消するに当たり,カムイの新製品については,それぞれが権利を有することを合意 したことが認められるものの,この合意のみをもって,被告が原告に対し,原告が 「KAMUI」単体商標の権利を有することを約束したものとはいい難く,本件商 標の登録出願が,原告と被告との間の上記合意に反するとは認められない。その他, カムイクラフト解消後においても,被告が原告に対し「KAMUI」単体商標に関 して法的義務を負う関係にあったということもできず,本件商標の登録出願につき, 被告に何らかの義務違反があるとも認められない。 以上のような経緯等によれば,前記認定の韓国における原告と被告の「KAMU I」に係る商標に関する紛争も契機として,被告が本件商標権に基づく先行訴訟に 至ったことを考慮しても,本件商標について,直ちに本件商標の登録出願の経緯に 著しく社会的妥当性を欠くものがあり,登録を認めることが到底容認し得ないよう な事情があるとは認められない。

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平成27(行ケ)10171  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成28年1月28日  知的財産高等裁判所

 商標「i:na」と「e−na」について、審決では類似すると判断されましたが、知財高裁は「称呼は同じだが、外観において明らかに相違しその相違の程度が顕著である」として、類似しないと判断しました。
 そこで,本願商標の「i:na」と引用商標の「e−na」を対比す ると,いずれも欧文字3字と1つの記号(「:」又は「−」)からなり,後 半の2文字が「na」である点において共通するが(引用商標中の「a」は 「a」にアクサン記号が付されたもの),冒頭の1文字及び記号はいず れも異なる。特に,引用商標においては,冒頭の「e」の文字が他の文 字よりも大きく表記され,最も看者の注意を惹きやすい文字といえると\nころ,これと本願商標の冒頭の「i」の文字とは,その外観が明らかに 異なる。 また,本願商標の「i:na」の欧文字は,同じ大きさのデザイン化 された太い筆記体の文字が横一列に並べられたもので,全体として整然 とした印象を受けるのに対し,引用商標の「e−na」の欧文字は,手書 き風のややくだけた活字体の書体であることに加え,文字の大きさが統 一されておらず,「n」の文字が他の文字よりやや低い位置に表記され,各\n文字が横一列に整然と並べられていないことから,全体としてやや雑然 とした印象を受けるものといえる。 なお,本願商標の下段部分と引用商標は,欧文字に近接してその読み を表記する片仮名又は平仮名が表\記されている点において共通する が,いずれも欧文字部分に比して極めて小さな表記にすぎないから,こ\nの点は,外観の類否に特段の影響を与えないものというべきである。 (エ) 以上のとおり,本願商標の下段部分と引用商標は,それぞれを構成\nする欧文字3字中の2字を共通にするものの,看者の注意を惹きやすい 冒頭の文字が異なる上,文字の書体,配列等の構成も異なっており,全\n体として受ける印象においても相違することによれば,本願商標の下段 部分と引用商標は,外観において明らかに相違し,その相違の程度は顕 著であるものと認められる。
・・・
エ 取引の実情について
本願商標の指定商品である「ティッシュペーパー,トイレットペーパ ー,その他の紙類」に係る取引又は引用商標の指定役務中の「紙類の小売 等役務」及び「壁紙の小売等役務」に係る取引において,本件審決当時,商 標の称呼のみによって取引が行われる実情があることをうかがわせる証拠 はない。 かえって,ティッシュペーパー,トイレットペーパー等の商品について は,スーパーマーケット,ホームセンター,ドラッグストア等の小売店舗 において,展示販売され,商品に付された商標の外観を確認し得る態様で 販売されることが通常であると考えられるところであり,このことは,本 件審決当時,原告が本願商標を使用して製造・販売するティッシュペーパ ー及びトイレットペーパーについても,これらの小売店舗において広く販 売されている事実(甲2,5,19)からも裏付けられる。また,インタ ーネット販売においても,商品名,商品の画像等から,商品に付された商 標の外観を確認し得るのが通常であるといえる。
オ 小括
以上のとおり,本願商標の要部である下段部分と引用商標は,「イーナ」の 称呼が生じる点では共通するものの,観念において比較することができな い上,外観において明らかに相違し,その相違の程度は顕著であること,さ らに,前記エ認定の取引の実情を総合考慮すると,本願商標及び引用商標 が本願商標の指定商品と同一又は類似する商品に使用されたとしても,取 引者,需要者において,その商品の出所について誤認混同を生ずるおそれ があるものといえないから,本願商標と引用商標とは全体として類似して いるものと認めることはできない。 したがって,本願商標が引用商標に類似する商標であるとは認められな いから,本願商標の指定商品と引用商標の指定役務の類否について判断す るまでもなく,本願商標が商標法4条1項11号に該当するとした本件審 決の判断には誤りがある。

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平成27(行ケ)10058  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成28年1月28日  知的財産高等裁判所

 「Enoteca Italiana」が「ENOTECA」と類似するかが争われました。特許庁審決では類似しないと判断されましたが、知財高裁は類似するとしてこれを取り消しました。
 以上のとおり,本件商標は,「Enoteca」の文字部分と「I taliana」の文字部分とから構成される結合商標であるが,その\n外観上,それぞれの文字部分を明瞭に区別して認識することができるこ と,それぞれの文字部分から別異の観念が生じることに鑑みると,本件 商標の「Enoteca」の文字部分と「Italiana」の文字部 分は,それを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほ ど不可分的に結合しているものと認められないというべきである。 イ 本件商標の登録査定当時には,「ENOTECA」又は「エノテカ」は,原 告及び原告が行うワインの輸入販売,小売,卸売等の事業ないし営業を表\n示するものとして,日本国内において,取引者,需要者である一般消費者 の間に,広く認識され,周知となっていたこと,本件商標の「Enote ca」の文字部分から,取引者,需要者において,原告の周知の営業表示\nとしての「ENOTECA」又は「エノテカ」の観念が生じることは,前 記ア(イ)認定のとおりである。 他方で,前記ア(ウ)認定のとおり,本件商標の「italiana」の 文字部分から「イタリアの」という観念を生じるが,本件商標の指定役務 との関係においては,本件商標の「italiana」の文字部分は,そ の役務の提供の場所,提供の用に供される物等がイタリアに関連すること を示すものと認識されるにとどまるものといえる。 以上を総合すると,本件商標が「ワインの小売又は卸売の業務について 行われる顧客に対する便益の提供」の役務及びワインに関連する役務に使 用された場合には,本件商標の構成中の「Enoteca」の文字部分は,取\n引者,需要者に対し,上記各役務の出所識別標識として強く支配的な印象 を与えるものと認められ,独立して役務の出所識別標識として機能し得る\nものといえる。 そうすると,本件商標から「Enoteca」の文字部分を要部として 抽出し,これと引用商標とを比較して商標そのものの類否を判断すること も,許されるというべきである。 ウ これに対し,被告らは,本件商標は,外観が不可分一体で,称呼も一連 一体であり,観念についても,その構成全体から,ワインを販売・提供す\nる店舗の名称あるいは被告会社の周知な店舗名を表すものであること,本\n件商標の構成中の「Enoteca」の文字部分は強く支配的な印象を与\nえるものはいえないことなどからすると,本件商標から「Enotec a」の文字部分のみを要部として抽出することはできない旨主張する。 しかしながら,被告らの主張は,以下のとおり理由がない。 (ア) 被告らは,本件商標は,縁取りして統一的に図案化されたワインレ ッド色の「Enoteca Italiana」の文字をまとまりよく一 体的に表してなるロゴタイプの商標であり,本件商標から「エノテカイ\nタリアーナ」の一連の称呼がよどみなく生じるから,本件商標は,色彩 や形態によって外観が不可分一体であり,称呼も一連一体である旨主張 する。 しかしながら,前記ア(ア)認定のとおり,本件商標は,その構成全体\nから「エノテカイタリア−ナ」の称呼が生じるが,一方で,本件商標は,そ の構成中の「Enoteca」の文字部分と「Italiana」の文\n字部分との間に空白があること,それぞれの文字部分の冒頭の文字が大 文字で,冒頭以外の文字が小文字であることからすると,本件商標の外 観上,「Enoteca」の文字部分と「Italiana」の文字部 分とを明瞭に区別して認識することができるから,本件商標の外観が不 可分一体であるということはできない。 また,本件商標の構成全体から「エノテカイタリア−ナ」の称呼が自\n然に生じることからといって直ちに本件商標から「Enoteca」の 文字部分を要部として抽出することができないとはいえない。 したがって,被告らの上記主張は,本件商標から「Enoteca」の 文字部分のみを要部として抽出することはできないことの根拠となるも のではない。

◆判決本文

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平成27(行ケ)10159  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成28年1月20日  知的財産高等裁判所

 「Reebok」の文字の下段に極小さく表示した「ROYAL FLAG」から構成された結合商標について、先行商標「ROYAL FLAG」と類似するのかが争われました。知財高裁は、分離できるとした審決を取り消し、非類似と判断しました。判決文の最後に、本件商標があげられています。
 しかしながら,本願商標は,その外観上,「Reebok」の文字部分,図 形部分及び「ROYAL FLAG」の文字部分を組み合わせて成る結合商標であ ると認められるが,前記(1)のとおり,右側に鋭角の頂点を有する黒地の三角形の左 端に縦に白線を表し,当該三角形全体を左から右に波打つように旗状に表\\した図形 を中央に大きく配し,その上段に,「Reebok」の文字を図案化された特徴の ある書体で表し,図形の下段に「ROYAL」及び「FLAG」の各文字を1文字\n程度の間隔を空けて,上段の文字部分よりも小さく,かつ細いゴシック体で表して\n成るものであり,全体としてまとまりよく表されている。これに加え,中央に配さ\nれた図形の大きさ及びその形状並びにその上段に配された「Reebok」の文字 の大きさ及びその図案化された特徴のある書体に比べ,図形部分の下段に配された 「ROYAL FLAG」の文字部分は,小さく,すなわち「ROYAL FLA G」の冒頭の「R」と「Reebok」の冒頭の「R」の文字の大きさを比べると, 前者は後者の10分の1程度の大きさしかなく,かつ細い文字で表され,しかも,\nゴシック体という一般的な書体であるから,その外観上,「ROYAL FLA G」の文字部分だけが独立して見る者の注意をひくように構成されているというこ\nとはできない。
ウ また,「ROYAL FLAG」という一連の語は,既成語として辞書に掲 載されているものではないが,「ROYAL」及び「FLAG」は,我が国にお ける英語の普及率に照らせば,いずれも一般的な英単語であって,格別のものでは ないこと,「ロイヤル(royal)」が国語辞典に掲載されているだけでなく (甲50),これを付した複合語(例えば,「ロイヤル・ウェディング(roya l wedding)」,「ロイヤル・スマイル(royal smile)」, 「ロイヤル・ファミリー(Royal Family)」,「ロイヤルブルー(r oyal blue)」,「ロイヤル・ボックス(royal box)」,「ロ イヤル・ミルク・ティー(royal milk tea)」など)も,カタカナ ・外来語辞典等に数多く掲載されていること(甲51,52),「フラッグ(f lag)」が国語辞典に掲載されているだけでなく(甲35,41),これと他の 語との複合語(例えば,「チェッカー フラッグ(checker flag)」, 「チャンピオン フラッグ(champion flag)」,「ナショナル フ ラッグ(national flag)」,「ナショナル フラッグ キャリアー (national flag carrier)」,「フラッグ・ショップ(f lag shop)」など)も,外来語辞典等に複数掲載されていること(甲37 〜40,44),「ROYAL」又は「FLAG」の英単語を含む商標登録も数 多く存在すること(甲56〜59)等に照らせば,一般的な英単語をつないだもの にすぎないというべきである。そして,「ROYAL FLAG」の文字部分は, それ自体が自他商品を識別する機能が全くないというわけではないものの,商品の\n出所識別標識として強く支配的な印象を与える「Reebok」の文字部分との対 比においては,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印 象を与えるものであるということはできず,本件全証拠によるも,このようにいえ るだけの事情を認めるに足りない。 エ したがって,本願商標の構成のうち「ROYAL FLAG」の文字部分だ けを抽出して,引用商標と比較して類否を判断することは相当ではない。

◆判決本文

◆関連事件です。平成27(行ケ)10158
こちらは「REEBOK ROYAL FLAG」と標準文字にて横一行で表した結合商標です。\n

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平成27(行ケ)10096  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成28年1月13日  知的財産高等裁判所

 特許庁の審査基準では、備考類似の商品役務については、第三者から申立があった場合に、判断されます。「プログラムの提供等」と「プログラム」が類似関係にあると判決も認めました。
 本件において,引用商標の指定商品「電子応用機械器具及びその部品」には,「電 子計算機用プログラム」が含まれるところ,遅くとも本件商標の出願時には,電子 計算機用プログラムは,記録媒体に記録された電子計算機用プログラムとして店頭 にて販売されていたのみならず,インターネットを通じたダウンロードにより流通 されており,さらには,インターネット等の通信回線を通じ,サーバ上に保管され た電子計算機用プログラムを使用させる役務として提供されていたものと認められ る(甲132)。 一方,本件商標の指定役務中「ウェブログの運用管理のための電子計算機用プロ グラムの提供等」の役務で提供される内容は,いずれも「電子計算機用プログラム」 であるから,商品「電子計算機用プログラム」の製造・販売者がかかる役務の提供 を行うことも少なくないものと考えられる。また,商品「電子計算機用プログラム」 の需要者と,役務「電子計算機用プログラムの提供」の需要者は,いずれも,コン ピュータ等を用いて電子計算機用プログラムを使用する者であるから,共通すると いえる。さらに,上記認定のとおり,電子計算機用プログラム自体の流通と,電子 計算機用プログラムの提供とは,共にインターネット等の通信回線を通じて行われ ることもあると解されるから,取引形態も共通する。そして,これらの事情は,電 子計算機用プログラムの用途の内容,例えば,ウェブログの運用管理,オンライン によるブログ作成,インターネット上の情報閲覧などに限られるか否かによって異 なるものとは認められない。 したがって,商品「電子計算機用プログラム」と役務「ウェブログの運用管理の ための電子計算機用プログラムの提供等」とに同一又は類似の商標を使用する場合 は,同一営業主の製造若しくは販売又は提供に係る商品又は役務と誤認されるおそ れがあると認められる関係があるといえる。
(2) これに対して,原告は,引用商標の指定商品「電子応用機械器具及びその 部品」に含まれる「電子計算機用プログラム」はあくまでも電子応用機械器具の部 品としてのプログラムに限られるから,ウェブサイト上でのコンピュータプログラ ムの提供などとは類似しない,と主張する。 しかし,仮に,特定分野の電子計算機用プログラムが商品としてのみ流通してお り,ウェブサイト上などでは提供されてはいないという状況があったとしても,一 般的には,前記認定のとおり,電子計算機用プログラムが,インターネット等を通 じてダウンロードにより流通されると同時に,サーバ上に保管された電子計算機用 プログラムをインターネット等の通信回線を通じて使用させる役務として提供され ていたものと認められる。商品としてのみ流通している電子計算機用プログラムと, ウェブサイト上などでも電子計算機用プログラムが提供されている場合とで,その 製造・販売・提供者や商品・役務の内容,それぞれの需要者が異なると認めるに足 りる証拠はない。したがって,商品「電子計算機用プログラム」と役務「ウェブロ グの運用管理のための電子計算機用プログラムの提供等」とに同一又は類似の商標 を使用する場合は,同一営業主の製造若しくは販売又は提供に係る商品又は役務と 誤認されるおそれがあると認められる関係があるといえる。

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平成27(行ケ)10084  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成27年12月24日  知的財産高等裁判所

 我が国おいて周知か否かが争われました。知財高裁は、「周知である」とした審決を取り消しました。
 商標法4条1項10号にいう「広く認識されている」とは,業務に係る商品等と これと競合する商品等とを合わせた市場において,その需要者又は取引者として想 定される者に対して,当該業務に係る商品等の出所が周知されていることであり, その周知の程度は,全国的に知られているまでの必要性はないものの,通常,一地 方,すなわち,一県の全域及び隣接の数県を含む程度の地理的範囲で知られている 必要があると解される。 ところで,前記第3の1及び第4の1によれば,本訴当事者間においては,本件 電子瞬間湯沸器の需要者又は取引者として想定すべき者は,電気を熱源とする瞬間 湯沸器の需要者又は取引者に限られるものではなく,ガスを熱源とするものも含む 家庭用の壁掛型の瞬間湯沸器全体の需要者又は取引者であることで争いがないとこ ろ,電気を熱源とする瞬間湯沸器とガスを熱源とする瞬間湯沸器とは,同じ用途に 使用され,熱源の相違によって利用者が異なるとする事情は認められないから,上 記当事者の主張のとおり解すべきものである。また,本件電子瞬間湯沸器が特定の 地方で集中的に又は専属的に販売されるものであるとする事情はないから,引用商 標が,全国のいずれかの地域において,上記に説示した地理的範囲において周知で あるか否かを考慮することになる。 イ 検討 そこで,上記を前提に検討するところ,上記(1)の認定のとおり,被告が本件電子 瞬間湯沸器の販売を開始したと認められる平成7年5月から,本件商標の登録査定 がされた平成17年8月までの間においては,1)被告が,自ら引用商標と共に本件 電子瞬間湯沸器の宣伝広告をしたのは,わずかに2回であること,2)引用商標と共 に本件電子瞬間湯沸器が新聞・雑誌及びテレビ放送に取り上げられたことは8回で あって,必ずしも多数といえないばかりか,それらは,平成6年〜平成9年と平成 14年〜平成16年の2つに分かれるなど,離散して取り上げられたにすぎないこ と,3)被告が引用商標と共に本件電子瞬間湯沸器の実演展示をしたことは31回あ るものの,これは,年平均では約3回にすぎず,その場所もおおむね西日本各地に 散在していること,4)被告による当該期間における本件瞬間湯沸器の販売台数は, 全く明らかにされておらず,新聞記事等から推測される販売台数は年間数百台程度 であり((1)エ1)は,被告の取引先の社内報であり,客観的裏付けを欠くものと解さ れる。),需要者又は取引者の範囲を家庭用の壁掛型の瞬間湯沸器の需要者又は取引 者とした場合,一見して僅少であること(なお,本件電子瞬間湯沸器には,「Eem aX」との引用商標と類似する標章が付されていたことは推認できる。),また,そ の納入先も全国に散在しているとみられ,特定の傾向はないこと,5)被告により開 示された広告宣伝費及び展示会費は,引用商標を付した本件電子瞬間湯沸器に係る 費用に限定されない会社全体としての宣伝広告費及び展示会費である上,金額も, 前者は百万円台,後者は百万円以下が多く,壁掛型瞬間湯沸器という全国的な市場 において需要者又は取引者に印象を残すための費用としては,明らかに少ないもの であること,以上の事実を導くことができる。 そうすると,本件証拠上,被告自身による引用商標に関する宣伝広告等は活発と はいえない上,新聞・雑誌等によりこれが報道された機会も少ないと認められる一 方,引用商標を付した本件電子瞬間湯沸器の販売台数等は明らかではなく,全国的 規模の市場に対する販売実績は極めて少ないものと推測される。このような宣伝広 告及び販売実績等を考慮すると,家庭用の壁掛型の瞬間湯沸器又は電気を熱源とす る同瞬間湯沸器の市場規模を子細に確定するまでもなく,いずれの引用商標も,本 件商標の登録査定時において周知性を有していたとは認め難い。なお,被告が自社 ホームページで宣伝活動をしたことは,ホームページを開設することが誰でも直ち に行える以上,それのみで周知性を裏付けるものとはならない。そのほか被告のる る主張するところも,採用することはできず,上記適示した証拠以外の証拠も,上 記認定を左右するものではない。

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平成27(行ケ)10111  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成27年11月19日  知的財産高等裁判所

 審決は、LLが重なり表示されている部分について、Lと認識されるとして先願と類似すると判断しましたが、知財高裁は、当該部分は、LLと認識するとして、審決を取り消しました。判決の最後に本件商標が添付されています。
 ・・・本願上段中央文字についても,その2本のL字状の線から成る形態と相まって,下段の文字部分の「Life」,「Learning」の各頭文字「L」,「L」を連想させることに鑑みると,下段の文字部分は,見る者に,あたかも上段の文字部分のルビとして付さ れたものという印象を与えるということができる。以上に加え,複数の単語から構成される英語の熟語や名称については,その略称として,各単語の頭文字の大文字を並べたものを用いることが多いことに鑑みると,上段の文字部分は,下段の文字部分を構\成する各英単語の頭文字である「G」「L」「L」「C」を意味するものとして認識されるというべきである。

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平成27(行ケ)10074  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成27年10月29日  知的財産高等裁判所

 商標「養命青汁」が,「養命酒」と出所混同生ずるか(4条1項15号)が争われました。知財高裁は、混同するとした審決を維持しました。
 引用商標の外観は,前記第2,1のとおり,「養命酒」を漢字で横書きにしたやや デザイン化された毛筆体から成るものであるが,一語一語は同じ大きさの同一書体 である。この構成中の「酒」は,普通名称としての酒(薬用のものを含む。)を示す\nものとして認識され,この「酒」部分の自他商品の出所識別力は乏しく,出所識別 標識として支配的な印象を与えるものではない。一方,引用商標中の「養命」の部 分は,その漢字の意義から,「命を養う」との意味合いを生じさせるものであり,「養 命酒」が薬用酒の中でも極めて著名なブランドとして通用していたことに照らすと, 引用商標中の「養命」部分は,商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印 象を与えるものと認められる。そうすると,引用商標が,「養命酒」として著名であ って,「養命」として著名性を獲得しているものでないとしても,引用商標が一連一 体の「養命酒」(ヨウメイシュ)としてのみ観念されるとはいえず,「養命」部分を 基幹部分として認識するものと認められる。したがって,「ヨウメイシュ」のほかに 「ヨウメイ」との称呼も生じる。 他方,本件商標について見ると,本件商標は,漢字横書きの標準文字から成るも のである。「青汁」との語は,「緑色の生野菜をしぼった汁」(広辞苑第6版,株式会 社岩波新書)を意味する普通名称として親しまれたものであり,本件商標中の「青 汁」の部分は,指定商品である,野菜又は野菜及び茶を主原料とする液状の加工食 品,調理用野菜ジュース,飲料用野菜ジュースにおいて使用される際には,単に, 指定商品そのものを示す普通名称であると捉えられ,第5類の野菜を主原料とする 粉状,ゼリー状等の加工食品,サプリメントや,第29類の「乳製品,冷凍野菜…」 や,第32類の「ビール,清涼飲料,果実飲料…」等に用いられた場合には,品質 (原材料)を示すものと捉えられるのであるから,単なる普通名称,あるいは,商 品の品質,性状を示すにすぎないものであって,自他商品の出所識別力は乏しく, 出所識別標識として支配的な印象を与えるものではない。また,簡易迅速性を重ん ずる商品取引の実際においては,その商品に付された商標の一部分だけによって簡 略に呼称,観念することがあるから,本件商標においても,「養命」部分を呼称,観 念することもあり得るものである。 そうすると,本件商標は,「養命」の文字と商品の普通名称の文字によって構成さ\nれるものとして把握され,このような商標に接する取引者,需要者は,本件商標の 全体をもって取引に資するほか,前半の「養命」の文字部分に着目することが少な くない。したがって,「ヨウメイアオジル」のほか,「ヨウメイ」との称呼も生じる。 そうすると,本件商標と引用商標とは,その基幹部分である「養命」において, 外観上実質的に同一であり,称呼「ヨウメイ」においても同一の商標であるといえ る。そして,「養命」の観念においては,「養生」や「健康」を連想させる「命を養 う」との観念が生ずるほか,後記のとおり,被告商品と関連性のある指定商品に用 いられた場合には,極めて著名な薬用酒である「養命酒」と同一又は緊密な関係に ある営業主の業務に係る商品との観念も生ずるものと解される。 以上によれば,引用商標と本件商標は,冒頭の2文字を上記のとおり基幹部分と いえる「養命」が占める点で共通し,この冒頭の「養命」部分は,引用商標では3 文字の漢字のうち2文字,本件商標では4文字の漢字のうち,半分の2文字を占め る点で,看者に強い印象を与え,外観において近似した印象を与える。称呼につい ては,「ヨウメイ」部分の称呼が共通しているが,末尾に付された語は「シュ」と「ア オジル」と差異があるものであり,全体の称呼として,必ずしも類似するとはいえ ない。しかし,引用商標は「命を養う酒」,本件商標は「命を養う青汁」という観念 が生じ,両商標とも「命を養う」飲料のイメージで共通し,上記のとおり,極めて 著名な引用商標の基幹部分を含んでいることから,本件商標について,「養命酒」と 同一又は緊密な関係にある事業主の製造販売に係る青汁,又は,緑の野菜を原料と した飲料といった観念が生じ,観念においても近似するといえる。 したがって,引用商標と本件商標は,ある程度類似しているといえる。
(2) 本件商標の指定商品等には,野菜又は野菜及び茶を主原料とする液状の加 工食品,飲料用野菜ジュース,ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース などの飲料となるものが含まれる一方,被告商品は,薬草等を原料とする薬用酒で あり,健康志向の飲料という点において共通しており,また,本件商標の指定商品 のうちには青汁を原料とする加工品が含まれ,健康維持に関心のある者を需要者層 とするものであって,これらの商品は,薬局や,薬品を中心に雑貨などを取り扱う ドラッグストアにおいて取り扱われる商品であるから,取引者層を共通にするもの であって,本件商標の指定商品と被告商品とは密接な関係を有するといえる。 そして,これらの商品の購入者が,特別な専門的知識経験を有しない一般消費者 であることからすると,当該商品を購入するに際して払われる注意力は,さほど高 いものではない。 以上のとおり,本件商標は,引用商標の基幹部分である「養命」をその構成の一部\nに含むものであり,当該部分の自他商品識別機能が高いと認められる一方,「養命」\n部分の末尾に普通名称が付加されたにすぎないことに照らすと,前記のとおり,原 告が取引者及び需用者を被告商品と共通する本件商標を指定商品に使用した場合, これに接した取引者,需要者は,極めて高い著名性を有する「養命酒」の表示を連\n想し,「青汁」という飲料,原料に用いられる「養命青汁」が,著名な養命酒に配合 された生薬と同一の成分が含有されているなどの養命酒の姉妹商品として,被告の 出所に係るものと誤認するか,あるいは,当該商品が被告との間にいわゆる親子会 社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグル\nープに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信され,商品の出所に つき誤認を生じさせるものと認められる。

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平成27(行ケ)10064  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成27年9月29日  知的財産高等裁判所

 商標は「Kami No Suna」(第21類「愛玩動物用排泄物処理材」)について、先登録商標「紙の砂」と類似するとした審決が維持されました。
 ・・・商品の原材料の一つとして用いられている「紙」の語,格助詞の「の」及び商品の性状を比喩的に表した「砂」の語を容易に連想,想起し,その構\成全体をもって,「紙の砂」の日本語の音を欧文字を用いてローマ字表記してなるものと理解,認識するといえる。\n

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平成27(行ケ)10025  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成27年9月15日  知的財産高等裁判所

 商4条1項15号違反なしとした審決が取り消されました。理由は「赤帽」が著名であることによりただ乗りやその希釈化を招くという結果を生じ兼ねないというものです。
 他方,上記認定のとおり,原告の前身団体が,昭和50年5月12日か ら,「赤帽」の標章を貨物軽自動車に付し,運送事業を開始し,昭和51年7月には, 赤帽軽自動車運送共同組合を設立し,その後,全国の京都府を含む各都道府県ごと に,会員組合を設立した上で,昭和53年には各会員組合を連合会組織にして原告 が成立し,その組合員に運送業のノウハウを提供する一方,「赤帽」の文字よりなる 商標を会員組合員の貨物自動車運送事業のサービスマークとして使用することを許 諾する方式の営業を行ってきており,本件商標出願前である平成19年12月には, 原告の組合員数は約1万5000名,車両台数は1万8000台となり,平成22 年8月ころ以降,組合員数1万3000名程度,車両台数1万5000台程度とな った。また,近年においては,原告は,「赤帽」商標の外に,平仮名の「あかぼう」, キャラクターの「あかぼうくん」及び欧文字の「Akabou」をデザイン化した 商標も用いているが,原告ないし原告の営業を簡略に表示する場合には「赤帽」の\n語が用いられ(甲30ないし34),原告の組合員の屋号には「赤帽」の語が冠され るのが通常である。そうすると,「赤帽」商標は,原告の営業を示すものとして,我 が国の貨物自動車及び軽自動車等による輸送の役務において,その取引者及び需要 者の間に広く認識されているものであって,周知著名性の程度が高い表示である。\nもっとも,「赤帽」の語は,造語ではなく,赤い帽子又は駅において乗降客の荷物 を運ぶ人の意味があり,駅において乗降客の荷物を運ぶ人の意味は,本件商標の指 定役務である貨物運送業と関連するといえるから,「赤帽」商標の独創性の程度は, 造語による商標に比して,低いとも考えられる。しかしながら,駅において乗降客 の荷物を運ぶ人を「赤帽」と称することがほとんど見られなくなった現在では,前 記認定の事実に照らせば,「赤帽」といえば駅において乗降客の荷物を運ぶ人より原 告を想起すると考えられるから,「赤帽」の語が,本件商標の指定役務との関係で識 別力が低いとはいえない。そうすると,本件商標の本号該当性の判断をする上で, 「赤帽」商標の独創性の程度が低いことを重視するのは相当でないというべきであ る。
ウ 本件商標を構成する「赤帽」の語以外の部分のうち,「京都」は,地名と\nしての京都府や京都市との観念を生じ,「舞妓図形」及び「舞妓マークの」は,京都 の「舞妓さん」を想起させるものである。そして,原告を構成する組合は,京都府\n にも存在する。 さらに,「赤帽」商標の周知著名性の程度の高さや,本件商標と「赤帽」商標とに おける役務の同一性並びに取引者及び需要者の共通性に照らすと,本件商標が指定 役務に使用されたときは,その構成中の「赤帽」部分がこれに接する取引者及び需\n要者の注意を特に強く引くであろうことは容易に予想できるのであって,本件商標\nからは,原告又は原告と緊密な関係にある営業主の業務に係る役務であるとの観念 も生ずるということができる。 この点につき,被告は,被告の顧客が,原告の営業と被告の営業とを混同したこ とはない旨を証明した「証明願」と題する文書を複数提出する(乙17ないし44)。 しかしながら,これら文書は,被告と取引関係のある顧客のみが被告の依頼に基づ いて提出したものであって,被告と特定の取引のない一般の顧客の認識を証明する ものではないから,上記認定を左右するに足りない。
(3) 以上のとおり,本件商標は,「赤帽」商標と同一の部分をその構成の一部\nに含む結合商標であって,その外観,称呼及び観念上,この同一の部分がその余の 部分から分離して認識され得るものであることに加え,「赤帽」商標の周知著名性の 程度が高く,しかも,本件商標の指定役務と「赤帽」商標の使用されている役務と が重複し,両者の取引者及び需要者も共通している。これらの事情を総合的に判断 すれば,本件商標は,これに接した取引者及び需要者に対し「赤帽」商標を連想さ せて役務の出所につき誤認を生じさせるものであり,その商標登録を維持する場合 には,「赤帽」商標の持つ顧客吸引力へのただ乗りやその希釈化を招くという結果を 生じ兼ねないと考えられる。そうすると,本件商標は,商標法4条1項15号にい う「混同を生ずるおそれがある商標」に当たると判断するのが相当であって,「赤帽」 商標の独創性の程度が造語による商標に比して低いことや,原告が「赤帽」商標以 外の標章も使用していることは,この判断を左右するものでないというべきである (最(二)判平成13年7月6日,裁判集民事202号599頁参照)。

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平成26(行ケ)10268  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成27年8月6日  知的財産高等裁判所

 審決は、「オルガノ」は薬品業界では、著名ではないと判断しました。これに対して、知財高裁は、水処理関連事業には薬品事業が伴うものと認識されていたとして、審決を取り消しました。
 (1) 原告は,昭和21年に株式会社日本オルガノ商会として設立され,同41 年に現商号である「オルガノ株式会社」に商号変更した。原告は,純水製造装置, 超純水製造装置,排水処理装置,発電所向けの復水脱塩装置,官公需向けの上下水 設備等の製造,納入,メンテナンスといった水処理装置事業と,水処理薬品,イオ ン交換樹脂,食品添加物等の製造,販売といった薬品事業を主に行っており(甲7, 8),本件商標の登録出願時(平成20年)には資本金が約82億円に達し,該期の 売上高は735億9200万円(そのうち,水処理装置事業が581億7200万 円,薬品事業が154億2000万円)に及ぶ(甲10)。特に,超純水製造装置は, 水処理事業の主力商品であり,市場シェアの3割以上を占める(甲15)。また,原 告は,多数の子会社,孫会社を有しており,これら子会社,孫会社のほとんどがそ の商号中に「オルガノ」の文字を含んでいる(甲7)。 原告発行にかかる総合カタログ及び個別商品カタログには,いずれの表紙にも,\n図形と「ORGANO」又は「オルガノ」の文字との組合せからなる標章が表示さ\nれている(甲30ないし79)。そして,かかる図形と「ORGANO」又は「オル ガノ」の文字とは,常に不可分一体のものとして認識し把握されるべき格段の理由 は見いだし難いから,それぞれが独立して出所識別標識としての機能を果たし得る\nものといえる。 昭和39年から現在に至るまで50年以上にわたり,新聞の題字広告(1面の新 聞紙名の真下に表示される広告)として「オルガノ」の文字からなる使用商標が,\n「総合水処理・イオン交換装置」,「純水装置・排水処理装置」,「水の高度処理全シ ステム」,「すべての水は資源」,「水のプラントメーカー」,「水のトータルエンジニ アリング」,「工場の節水支援 排水処理・水リサイクル技術」,「心と技で水の価値 を創造する」等の語句とともに定期的に掲載されており,近年では朝日新聞,読売 新聞及び日本経済新聞の3紙に掲載されている(甲80ないし83)。 図形と「ORGANO」又は「オルガノ」の文字との組合せからなる標章を表示\nした原告の企業広告が,昭和51年頃から平成24年頃まで,日本経済新聞,朝日 新聞等に不定期に掲載されているが,これらは,原告の薬品事業やその製造販売に 係る薬品に限定された広告ではなく,原告の水処理関連技術,装置ないしシステム や,原告の事業全体を抽象的に広告したものと認められる(甲89ないし91)。そ して,原告の広告は,日本工業新聞広告大賞(日本工業新聞),日本産業広告賞(日 刊工業新聞)を度々受賞している(甲86,87)。 原告については,各種雑誌,新聞等の記事に取り上げられ,多くは「オルガノ」 として紹介され,中には,図形と「ORGANO」又は「オルガノ」の文字との組 合せからなる標章を表示した広告が共に掲載されているものもある(甲99ないし\n127)。これらは主に,原告の水処理関連事業ないし装置に言及したものであるが, 超純水の製造には薬剤が使用される場合があるとされ(甲106),また,大手水処 理メーカーとして原告と並び称される栗田工業が,超純水システムを販売した顧客 とメンテナンスや薬品販売で長期関係を築くと紹介される(甲114)など,水処 理事業には薬品販売が伴うものであると認識されていたものと認められる。その他, 2007年に社団法人日本産業機械工業会主催の「第33回優秀環境装置表彰」に\nおいて,原告の電子部品洗浄用機能水製造装置が経済産業大臣賞を受賞し,そのこ\nとが新聞報道された(甲130ないし132)。 以上より,引用商標及び使用商標は,本件商標登録出願時には,原告及び原告の 事業ないし商品・役務を示すものとして相当程度周知となっており,原告の事業は 水処理関連事業であるが,これには薬品事業が伴うものと認識されていたものと認 められる。
(2) これに対して被告は,1)原告ないし原告の関連会社以外を権利者とする, 「オルガノ」を含む登録商標が複数存在し,「ORGANO GOLD」が原告の登 録商標を理由に拒絶通知されておらず,「オルガノ」を含む商標・商号は,ネット上 で原告ら以外も使用しており,これを「有機」の意味で使用しているものもあるこ と,2)特許庁電子図書館の日本国内周知著名商標に,「オルガノ」は含まれておらず, 「オルガノ」が防護標章登録されていないこと,3)原告の国内関連会社7社のうち, 3社の社名は「オルガノ」が付されておらず,原告は,「オルガノ」を含まない商標 も多く登録していること,4)最終需要者が日常触れないような製品を提供している 原告や被告は,衣料品などの会社に比べて周知度は低く,原告の薬品事業の年商を 凌駕する企業は多々あること,5)原告の水処理薬品は,水処理装置と相互に密接に 関連するから,水処理技術に秀でた原告の事業としては,薬品事業は周知著名とは いえないこと,6)新聞等の印刷物の記載は,興味のあるものしか目に入らないもの であるから原告の題字広告によって原告が周知著名であるとはいえないことから, 引用商標及び使用商標は周知著名商標ではないと主張する。 しかし,被告の上記各主張は,以下のとおり,いずれも理由がなく,前記(1)の証 拠に基づく認定事実を左右するに足りるものではない。すなわち,1)第三者の「オ ルガノ」を含む登録商標の存在,それらが原告の登録商標を理由に拒絶査定されて いないことや,第三者の「オルガノ」を含む商標・商号の使用は,それ自体では引 用商標及び使用商標の周知性を否定するものではなく,その周知性の有無は,前記 (1)に認定とおり,引用商標及び使用商標の具体的な使用の程度,内容に基づいて判 定されなければならない。また,「オルガノ」を「有機」の意味で使用することがあ るとしても,後に認定のとおり(第5の2(2)),本件商標登録出願時に「有機」の 意味での使用が一般に浸透していたとは認められない。2)特許庁電子図書館の日本 国内周知著名商標に「オルガノ」が含まれていないこと,及び,「オルガノ」が防護 標章登録されていないことは,それのみでは,引用商標の周知性を認定する妨げと はならない。3)原告は,引用商標ないし使用商標以外の商標も登録しており,また, 使用しているが,これらの登録商標の使用により,引用商標及び使用商標の周知性 が減殺されていると認めるに足る証拠はない。4)薬品事業や水処理事業を営む企業 が,幅広い需要者を有する衣料品などを取り扱う企業より,一般市民に対して相対 的に周知著名性が低くなることはあり得るが,このことが,当該企業の商品又は役 務の需要者に対する周知著名性を否定する根拠となるものではない。原告の年商を 上回る企業が多々あるとしても,原告の年商は相当程度大きく,また,このことが, 引用商標及び使用商標の周知性を否定する理由とはならない。5)原告の水処理事業 が著名であるとしても,上記認定のとおり,そのことにより,薬品事業の周知性が 否定されるものではない。6)印刷物について興味があるものしか目に入らないとす る主張は,印刷物を利用した宣伝効果を否定するものであって,採用できない。原 告による引用商標及び使用商標についての永年にわたる題字広告は,本件商標の指 定商品及び指定役務の取引者・需要者のみならず,一般の消費者に対しても一定の 宣伝効果を有したものと推認される。 (3) したがって,引用商標ないし使用商標は,原告の薬品事業を含む原告の事 業ないし商品・役務を示すものとして相当程度周知であったものと認められる。
2 取消事由1(商標法4条1項11号該当性についての判断の誤り)について (1) 上記のとおり,引用商標「オルガノ」は,本件商標登録出願当時,相当程 度周知であったものと認められる。 (2) 本件商標「オルガノサイエンス」は,「オルガノ」と「サイエンス」の結 合商標と認められるところ,その全体は,9字9音とやや冗長であること,後半の 「サイエンス」が科学を意味する言葉として一般に広く知られていること,前半の 「オルガノ」は,「有機の」を意味する「organo」の読みを表記したものと解\nされるものの,本件商標登録出願時の広辞苑に掲載されていない(甲133)など, 「サイエンス」に比べれば一般にその意味合いが十分浸透しているものとは考えら\nれないことが認められ,さらに,上述のような引用商標の周知性からすれば,本件 商標のうち「オルガノ」部分は,その指定商品及び指定役務の取引者,需要者に対 し,商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められ, 他方,「サイエンス」は,一般に知られている「科学」を意味し,指定商品である化 合物,薬剤類との関係で,出所識別標識としての称呼,観念が生じにくいと認めら れる(最(二)判平成20年9月8日,裁判集民事228号561頁参照。)。した がって,本件商標については,前半の「オルガノ」部分がその要部と解すべきであ る。 (3) 本件商標の要部「オルガノ」と,引用商標とは,外観において類似し,称 呼を共通にし,一般には十分浸透しているとはいえないものの,いずれも「有機の」\nという観念を有しているものと認められる。したがって,両者は,類似していると 認められる。 (4) 本件商標の指定商品と,引用商標の指定商品とは,いずれも「化学剤」を 含んでいる点で共通している。
3 したがって,原告の主張する取消事由1は理由があるから,その余の点を判 断するまでもなく,原告の請求には理由がある。

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平成27(行ケ)10023  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成27年8月3日  知的財産高等裁判所

 周知商標の更新をライセンサーが失念した場合に、ライセンシーが同じ商標を登録しました。審決は4条1項7号(公序良俗)違反ではないとしましたが、知財高裁は、出願の目的が不当な利益を得ることにあるとして、公序良俗に反すると判断しました。
 以上のとおり,原告チェーン店のフランチャイジーである夢の郷社の 実質的経営者として,原告使用商標の法的な裏付けとなる旧A商標に係る 商標権を尊重し,原告及びAによる当該商標権の保有・管理を妨げてはな らない信義則上の義務を負う立場にある被告が,旧A商標の存続期間が満 了するタイミングに合わせて,原告に重大な営業上の不利益をもたらし得 る本件出願を行い,しかもそのことを原告側に秘匿し続けたという本件出 願に係る経緯からすれば,被告が本件出願を行った目的については,他に 合理的な説明がつかない限りは,何らかの不正な目的によるものであるこ とが強く疑われるというべきである。特に,本件出願が行われた平成23 年9月の直前である同年6月から8月ころの時期においては,原告と夢の 郷社との間で,三国ヶ丘店における本件食材代金等債務の支払遅延が問題 となっており,Aと被告との間でその回収に向けた話し合いが行われてい たことからすれば,被告がこのような原告との金銭的な交渉を想定し,自 己に有利な交渉材料とする目的で本件出願を行うことも,十分考え得るこ\nとといえる。
・・・・
エ まとめ
以上の諸事情を総合考慮すれば,被告による本件出願の目的が,被告 が主張するような第三者による原告使用商標に係る商標登録の取得を防止 するためなどではなく,原告との金銭的な交渉において本件出願又はこれ に基づく商標登録の事実を自己に有利な交渉材料として利用し不当な利益 を得ることにあったことは,優にこれを認定することができる。 (2) 公序良俗違反の有無について
以上のとおり,被告による本件出願は,原告チェーン店のフランチャイジ ーである夢の郷社の実質的経営者として,旧A商標に係る商標権を尊重し, 原告による当該商標権の保有・管理を妨げてはならない信義則上の義務を負 う立場にある被告が,旧A商標に係る商標権が存続期間満了により消滅する ことを奇貨として本件出願を行い,原告使用商標に係る商標権を自ら取得し, その事実を利用して原告との金銭的な交渉を自己に有利に進めることによっ て不当な利益を得ることを目的として行われたものということができる。 そして,このような本件出願の目的及び経緯に鑑みれば,被告による本件 出願は,原告との間の契約上の義務違反となるのみならず,適正な商道徳に 反し,著しく社会的妥当性を欠く行為というべきであり,これに基づいて被 告を権利者とする商標登録を認めることは,公正な取引秩序の維持の観点か らみても不相当であって,「商標を保護することにより,商標の使用をする 者の業務上の信用の維持を図り,もって産業の発達に寄与し,あわせて需要 者の利益を保護する」という商標法の目的(同法1条)にも反するというべ きである。 してみると,本件出願に係る本件商標は,本件出願の目的及び経緯に照ら し,商標法4条1項7号所定の「公の秩序又は善良な風俗を害するおそれが ある商標」に該当するものといえる。

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◆関連事件です。平成27(行ケ)10022

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平成26(行ケ)10247  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成27年7月9日  知的財産高等裁判所

 審決は、地方の元気再生事業における名称について、一飲食店が取得するのは、公序良俗違反と判断し、知財高裁もこれを維持しました。
「激馬かなぎ」とする本願商標と激馬かなぎカレーの名称(「激馬かなぎカレー」) とを対比すれば,後者の要部が「激馬かなぎ」との部分と認められる以上,両者が 類似することは明らかであるところ,上記(1)に認定のとおり,1)本件事業は,地域 活性化という公益目的を有する事業の1つとして選定されたものであり,少なから ぬ公費が投入されたものであること,2)激馬かなぎカレーの開発及びその命名は, 本件事業の成果として得られたものであること,3)激馬かなぎカレーとその名称は, 新聞報道がされたほか,公的機関又は公益団体が,イベント,ガイドブック,ウェ ブサイトなどにおいて,五所川原市又は同市金木町区域の特産品として宣伝広告が され,広く知られるに至ったこと,4)原告は,激馬かなぎカレーを提供する店舗を 経営するものであり,上記広報活動でも,激馬かなぎカレーを提供する店として紹 介され,その便益を十分に受けていること,のみならず,原告は,激馬かなぎカレ\nーが,五所川原市金城町区域の特産品として開発されたことを十分に知っており,\nその上で,本願商標の登録出願をした者であること,5)原告は,別件商標について, かなぎ元気倶楽部に対し,有償の通常使用権を設定することを主張したことが認め られる。 そうであれば,上記認定事実からみて,原告は,五所川原市金木町区域の活性化 を図るという公益的な施策に便乗して,公費の投入や公的機関等の広報活動によっ て広く知られるに至った地方特産品との位置付けである「激馬かなぎカレー」の標 章につき,そこから得られる利益の独占を図ろうとする者と同視され,本願商標は, 公正な競業秩序を害するものであって,公序良俗に反するものというべきである。

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平成26(行ケ)10266  商標登録取消審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成27年6月18日  知的財産高等裁判所

 審決は、商標「こんぴら製麺」が、「宗教法人金刀比羅宮」の「略称」であるので、4条1項8号違反と認定しました。知財高裁はこの判断を維持しました。
 原告は,「宗教法人金刀比羅宮」の「略称」は,「金刀比羅宮」又は「こん ぴらさん」であって,「こんぴら」は,「宗教法人金刀比羅宮」の「略称」の略称, すなわち,俗称,通称,愛称にすぎないから,商標法4条1項8号の「他人の名称」 の「略称」に該当しない旨主張する。 しかし,前記1において述べたとおり,同号の趣旨からすれば,人の名称等の略 称が同号にいう「著名な略称」に該当するか否かを判断するには,その略称が本人 を指し示すものとして一般に受け入れられているか否かを基準とすべきものである。 そして,商標法上「略称」を定義する規定はなく,一般的な意義に従うべきである ところ,略称とは,広辞苑第6版によれば「名前を省略して呼ぶこと。また省略し て呼ぶ名前。」(乙41)を指す。そうすると,「宗教法人金刀比羅宮」の「略称」は, 「金刀比羅宮」のみに定まるものではなく,仮に,俗称,通称,愛称に該当するも のであっても,「宗教法人金刀比羅宮」を指し示すものとして一般に受け入れられて いる呼称については,略称に当てはまるものである。そして,前記1に述べたとお り,「こんぴら」は,「宗教法人金刀比羅宮」を指し示すものとして一般に受け入れ られているものである以上,「著名な略称」に該当する。したがって,原告の上記主 張は採用できない。
(2) 原告は,名称に地名を含む神社を省略する場合,必ず敬称を付して「こん ぴらさん」や「こんぴら様」のように使用するのが通常であり,敬称を付さない場 合には,単に地名を示すものと認識される旨主張する。 しかし,前記1のとおり,「こんぴら」の語は,多数の辞書,辞典において「金刀 比羅宮」を意味するものと説明されている上,「ことひらぐう【金刀比羅宮】」の見 出しの下に,「こんぴら。」(甲246)と記載されたものがあり,また,金刀比羅宮 の門前には,「こんぴら 参拝入口」との看板が掲げられる(乙22)など,「こん ぴらさん(様)」のように接尾語を使用せず,「こんぴら」との語のみで,「金刀比羅 宮」を指し示すことは明らかである。 しかも,地名としてではなく,宗教法人あるいは宗教団体・財産としての「金刀 比羅宮」を指し示す意味で「こんぴら」と用いられたと認められる例として,「こん ぴらの美」(乙15),「こんぴら展」(乙16,21),「こんぴらに里帰り」,「こん ぴら信仰」(乙17),「こんぴらの宝」(乙18),「こんぴら,行く年見る年『金刀 比羅宮 書院の美』あすから後期公開【大阪】」(乙19),「こんぴらのパリ展」(乙 20)がある。また,金刀比羅宮に参詣することを示して,「こんぴら参(まい)り」 (乙12,19,25〜29),「こんぴら詣で」(乙30〜33),「こんぴら参拝」 (乙34〜36),「こんぴら参詣」(乙37),「こんぴら門前町」(乙38)と用い る例が多数認められ,その他,辞書においても,「こんぴらまいり【金毘羅参】」,「こ んぴらまつり【金毘羅祭】」(乙5)など,地名としてではなく,「金刀比羅宮」を示 すものとして「こんぴら」が用いられることが明らかである。 そうすると,接尾語「さん」,「様(さま)」などを付さずに「こんぴら」と用いる 場合であっても,必ずしも地名を意味するものではなく,原告主張のように「こん ぴら」が地名を指す場合があるとしても,そのことは,「こんぴら」が「宗教法人金 刀比羅宮」の略称に該当することを排斥するものではない。
(3) 原告は,仮に,「こんぴら」の語が,「宗教法人金刀比羅宮」を指し示すも のであるとしても,被告は,「こんぴら」の語が「宗教法人金刀比羅宮」のみを指し 示すことを何ら立証していないと主張する。 しかし,商標法4条1項8号は,「他人の名称」等について,その「他人」が「名 称」等について排他的な独占を有することを要件としておらず,同じ名称を複数人 が有する場合や,他の意味合いをも併有する場合においても,その該当性を否定す るものではない。本件で,例えば,「こんぴら」が「地名」のみしか認識し得ないた めに,宗教法人金刀比羅宮の「略称」であり得ないという場合であれば格別,本件 においてはそのような事情はなく,「こんぴら」は,「宗教法人金刀比羅宮」を指し 示すものとして一般に受け入れられていると認められるのであるから,原告の上記 主張は失当である。
なお,原告は,「こんぴら」が仮に「地名」だけでなく宗教法人「金刀比羅宮」を 表すとしても,2つの観念が混在する語であるから,どちらか一方の観念のみに限\n定して解釈するのは誤りであると主張するが,審決及び被告は,「こんぴら」が「宗 教法人金刀比羅宮」の略称に該当することを述べるのみであって,地名の観念が生 ずることを否定しているわけではなく,どちらか一方の観念のみに限定して解釈し たものではないから,原告の主張は,審決等を正解しないものであって,採用でき ない。

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◆関連事件です。平成26(行ケ)10267

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平成26(行ケ)10264  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成27年6月11日  知的財産高等裁判所

 商標「RUNE」と「René」が類似するかが争われました。知財高裁は非類似であるとした審決を維持しました。
 商標法4条1項11号に係る商標の類否は,同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が,その外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して,その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきであり,しかも,その商品又は役務の取引の実情を明らかにし得る限り,その具体的な取引の実情に基づいて判断すべきものである(前記最高裁昭和43年判決参照)。 原告は,三点観察システムについて,三点のうち一点で類似すると解される以上,類似商標と判断されるべきであるとして,最高裁昭和43年判決の判断基準を批難するが,原告が主張する判断基準は,商標法4条1項11号に係る商標の類否の判断基準としては,狭きに失するものであり,採用できない。 そこで,前記の観点から,本件商標と引用商標の類否について検討する。
・・・
本件商標と引用商標とは,いずれも「ルネ」の称呼を生じる場合がある点では共通である。 また,引用商標から「ルネ」の称呼を生じる場合,前記3(3)記載のとおり,引用商標から「ルネなる男の名」との観念が生じるといえるが,本件商標からは,前記2(3)記載のとおり,必ずしも特段の観念が生じるとはいえないから,本件商標と引用商標とは,観念において類似するとは認められない。 これに対し,外観については,本件商標と引用商標とが,ともに欧文字4文字を横一行に書してなり,語頭が「R」(大文字)から始まる点で共通するが,これに続く3文字は,本件商標では「UNE」であるのに対し,引用商標では「ené」であって,本件商標が全て大文字で表記されているのに対し,引用商標では全て小文字で表\記され,かつ,末尾の「e」の上にはアクセント記号が付されている点で相違しており,本件商標と引用商標とは,外観上明確に相違するといえる。 (2) そして,本件商標と引用商標とで共通する指定商品である「布製身の回り品」,「被服」及び「履物」の取引においては,取引者,需要者は,店頭販売,通信販売及びインターネットを介した販売において,商品の外観を見て購入するのが通常であり,その際に,商品,値札,カタログ,商品情報等に 付された商標の外観や製造販売元を見て商品の出所について相応の注意を払って購入することが多いと考えられ,取引者,需要者が商標の称呼のみをもって商品の出所を識別して商品を購入するとは考えにくい。 (3) 以上検討したところによれば,本件商標と引用商標とは,「ルネ」との称呼が同一である場合が生ずるものの,外観上明確に相違するものであること,観念において類似するとはいえないこと,前記(2)のような取引の実情を踏まえると,取引者,需要者が商品の出所を誤認混同するおそれがあるとはいえない。 したがって,本件商標が引用商標と類似する商標であるとは認められず,これと同旨の本件審決の判断に誤りはないというべきである。
・・・
加えて,本件商標と引用商標とで共通する指定商品である「布製身の回り品」,「被服」及び「履物」の取引においては,取引者,需要者が商標の称呼のみをもって商品の出所を識別して商品を購入するとは考えにくいことは,前記(2)記載のとおりである。原告は,本件商標と引用商標とで比較すべき指定商品が同一である場合には,取引の実情を考慮するまでもないかのように主張するが,商標法4条1項11号に係る商標の類否を判断するに当たっては,取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきであり,しかも,取引の実情を明らかにし得る限り,その具体的な取引の実情に基づいて判断すべきものであることは,前記1記載のとおりである。 そうすると,本件商標と引用商標とは,「ルネ」との称呼が同一である場合が生ずるものの,外観上明確に相違するものであること,観念において類 似するとはいえないこと,共通の指定商品に係る取引の実情を踏まえると,取引者,需要者が商品の出所を誤認混同するおそれがあるとはいえないから,原告の上記主張は理由がない。

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平成25(行ケ)10011  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成27年5月14日  知的財産高等裁判所

 「DHC ディープクレンジングオイル」は周知であっても「ディープクレンジングオイル」は他社からの販売されていたので、周知性なしとした審決が維持されました。なお、被告は,答弁書その他の準備書面も提出しなかったので、(1)特許庁における手続の経緯等,(2)本件審決の内容の各事実は自白と認められたものの、法的評価は審決のままでした。
 前記(2)のとおり,原告は,平成7年12月に,「DHC ディープクレンジングオイル」という商品名の本件商品を,包装容器の上部に引用商標1を付して販売を開始して以降,通信販売,ホテル等への出荷,全国各地の小売店等で販売を継続し,販売数量については,平成7年12月から平成24年2月までの累計が7935万8050本であったこと,全国紙である日刊新聞への広告の掲載,女性向け雑誌への広告の掲載,原告の販売製品の愛用者向けの月刊会報誌への広告の掲載,新聞への折り込みチラシによる広告や街頭配布のチラシ広告,テレビコマーシャル,電車内の中吊り広告・広告用ステッカー,渋谷駅,名古屋駅及び梅田駅構内の広告等により,大量かつ継続的に本件商品の宣伝広告を行ない,平成11年以降平成21年までの間,継続的に新聞広告に多額の費用をかけ,殊に平成16年以降平成21年までの間のテレビコマーシャルについては,年度によっては数億円単位の広告費用をかけていること,化粧品業界における各化粧品メーカーのディープクレンジングオイルを含むクレンジングの販売について,原告は平成12年以降平成20年に至るまで販売実績及びシェアにおいて第1位であったこと,本件\n 商品は平成15年以降平成20年まで女性向け雑誌の読者が選ぶランキング等において,クレンジング部門で第1位に度々選ばれていることなど,原告による本件商品の販売実績及び宣伝広告実績並びにこれらを通じて得られた知名度によれば,本件商品の商品名を表す引用商標と社会通念上同一と認められる「DEEP CLEANSING OIL」及び「ディープクレンジングオイル」の各商標は,本件商品の販売開始以来,平成13年以降に他の多数の化粧品メーカーが相次いで「ディープクレンジングオイル」を製品名とし,又は製品名に含むクレンジングオイル商品を多数市場に投入するまでは,原告の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていた(周知となっていた)といえる余地がある。
しかしながら,前記(3)のとおり,遅くとも平成13年2月頃から平成22年1月5日までの間に,本件商標及び引用商標に係る指定商品である「クレンジングオイル」を取り扱う化粧品業界において,「ディープクレンジングオイル」の語は,少なくとも他の11社の化粧品メーカーから13以上のブランドで,「主に毛穴の汚れを落としたり余分な角質を取り除いたりするクレンジングオイル」の製品名又は製品名に含まれる語として使用され,これら「ディープクレンジングオイル」の商標を使用したクレンジングオイル商品が市場に出回り続けている。しかも,このように「ディープクレンジングオイル」の商標を使用したクレンジングオイル商品が他の化粧品メーカーから販売され,多数,市場に出回ることについて,本件商標登録の出願時(平成21年11月6日)及び査定時(平成22年7月6日)に至るまで,原告から他の化粧品メーカーに対して,自己の権利を侵害するものとしてその使用の中止を求めたり,権利侵害である旨の警告をしたとの主張立証はなく,また,原告自ら商標登録出願をしたこともなかったのである。その結果,前記(2)ウのとおり,化粧品業界における原告を含めた各メーカーのクレンジングの販売実績及びシェアにおいて,平成17年頃までは原告の販売高は9 0億円前後であるものの,化粧品業界におけるシェアとしては20%に届かず,その後,平成18年以降は販売高及びシェアも漸減し,本件商標登録の査定がされた平成22年は,販売高が64億5000万円,化粧品業界におけるシェアも12.8%にすぎない。また,前記(1)のとおり,もともと「DEEP CLEANSING OIL」及び「ディープクレンジングオイル」は,その用語からして,「皮膚の深部又は深いところからきれいにするクレンジングオイル」という程度の意味合いを有する語として,取引者・需要者によって一般に認識され得るものであるから,上記のように多数の化粧品メーカーから「ディープクレンジングオイル」の商標を使用したクレンジングオイル商品が市場に出回ることにより,クレンジングオイルの取引者・需要者において,当該商標が原告の業務に係る商品を表示するものというよりも,「皮膚の深部又は深いところからきれいにするクレンジングオイル」という上記程度の意味合いを有する商品一般を指すものと認識するに至ることも自然なことというべきである。\nこのように,原告が平成7年12月に本件商品の販売を開始して以降,他の多数の化粧品メーカーが相次いで「ディープクレンジングオイル」を製品名とし,又は製品名に含むクレンジングオイル商品を多数市場に投入するまでは,「DEEP CLEANSING OIL」及び「ディープクレンジングオイル」の各商標は,原告の業務に係る商品を表示するものとして周知となっていたといえる余地があるものの,平成13年以降,多数の化粧品メーカーがクレンジングオイル市場に参入し,「ディープクレンジングオイル」を製品名又は製品名に含むクレンジングオイル商品が多数市場に出回り,これに対して原告から化粧品メーカーに対して,差止請求及び権利侵害の警告等をすることなく,また,同商標について商標登録出願をすることもなく推移することによって,本件商標登録の出願時(平成21年11月6日)及び査定時(平成22年7月6日)においては,「ディープクレンジングオイ\nル」及び「DEEP CLEANSING OIL」の各商標は,クレンジングオイルの取引者・需要者の間において,「皮膚の深部又は深いところからきれいにするクレンジングオイル」というクレンジングオイル商品の品質ないし用途を表示するものとして認識され使用されていたものというべく,そうすると,本件商標登録の出願時及び査定時においては,もはや,「ディープクレンジングオイル」又は「DEEP CLEANSING OIL」の商標の使用された商品に接した取引者・需要者にとって,それが原告の業務に係る商品を表示するものとして周知されていたとまでいうことはできず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。\n

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平成26(行ケ)10217 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成27年2月26日 知的財産高等裁判所

 商標「Le Verger」が「Verger」と類似するとした審決が維持されました。
 本件商標は,別紙1商標目録記載のとおりの外観であって,1)オレンジ色の横長長方形の中央部分に,該長方形の長辺の約半分の直径の白色の真円を配し,2)該白色の真円内の中央部分に,「Le Verger」の欧文字を,オレンジ色の筆記体で,ほぼ該真円の直径と同じ幅の横書きにし, 3)該白色の真円内で,かつ該欧文字中の「ger」の文字の上部に,「ル・ヴェルジェ」の片仮名を,該欧文字に比して相当小さいオレンジ色の文字で横書きにして成るものである。 本件商標の構成態様に鑑みると,本件商標の各構\成部分(上記1)ないし2)の構成部分)は,それぞれこれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとまではいえない。
本件商標の構成部分のうち文字部分は,「Le Verger」の欧文字部分と「ル・ヴェルジェ」の片仮名部分とから成るが,「Le Verger」の欧文字が白色の真円内の中央部分に,真円の直径とほぼ同じ幅で表されているのに対し,「ル・ヴェルジェ」の片仮名は,該欧文字のうち「ger」の文字,すなわち,末尾3字の小文字の上部に,該小文字に比して相当小さな文字で表\されていることなど,「Le Verger」の欧文字部分と「ル・ヴェルジェ」の片仮名部分の文字の大きさやその配置に照らし,「Le Verger」の欧文字部分は,その外観上,見る者の注意を最も強く引く部分であると認められる。他方で,「ル・ヴェルジェ」の片仮名部分は,「Le Verger」の欧文字部分の読みがなを示したものと認められるものであり,その外観上,見る者の注意を引く部分であるとは認められない。 そして,「Le Verger」の欧文字部分は,「L」と「V」の文字は筆記体の大文字で表されているのに対し,それ以外の文字は小文字の筆記体で表\されていること,小文字の「e」と大文字の「V」との間にはやや間隔が空いていることに照らし,視覚上,「Le」と「Verger」との二語から成るものと看取され,しかも,「Le」は,フランス語では定冠詞であって,それ自体に格別の意味がないものであるから,取引者,需要者は,欧文字部分のうち「Verger」の文字部分を出所を示す識別標識として顕著な部分と認識し,これから生ずる称呼をもって取引に当 たる場合も少なくないものと推認し得る。 これに対し,本件商標の構成部分のうち上記1)の図形部分は,オレンジ色の横長長方形の中央部分に,該長方形の長辺の約半分の直径の白色の真円を配したというものであり,格別特徴のある図形ではないから,取引者,需要者に対して商品又は役務の出所を示す識別標識として機能する部分であるとは認められない。\nイ 以上によれば,取引者,需要者は,本件商標を常に一体的に認識するだけでなく,外観上,見る者の注意を最も強く引く部分であり,かつ,より強い出所識別力を有する「Verger」の文字部分をもって,商品又は役務の出所を示す識別標識としてとらえる場合も少なくないものと認められるから,「Verger」の文字部分が,取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。 したがって,「Verger」の文字部分を本件商標の要部として抽出し,本件商標と引用商標との類否を判断することができるというべきである。

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平成26(行ケ)10112  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成26年12月8日  知的財産高等裁判所

 「軽井沢浅間高原ビール」が「軽井沢浅間ビール」と混同生ずる(商4条1項15号)とした審決が維持されました。当事者の一方が星野リゾートです。
 以上の認定事実からすると,平成9年に発売を開始した被告商品は,1)少なくとも,新聞の地方紙又は全国紙地方版にたびたび取り上げられたこと,2)地域雑誌や全国を販域とする雑誌にもたびたび紹介されていたこと,3)平成18年時点で,軽井沢を訪れた観光客の77%に認知されており,その観光客の29%が雑誌から被告商品を知ったこと,4)地ビールとしては相当量の販売実績があり,長野県内のみならず主として関東地方を中心に相応の販売実績があったことが認められる(なお,前記2(2)に認定のとおり,引用商標2は専ら文字として識別される商標であるから,刊行物に被告商品の名称のみが引用されている場合であっても,称呼のみならず,外観も直ちに引用商標2が想起される関係にあるといえる。)。 そうすると,被告商品に付された引用商標2は,被告ヤッホーの業務に係るビー ルを表示するものとして,遅くとも,本件商標登録出願前には,長野県内及び関東地方の取引者,需要者の間に広く認識されていたものといえ,その周知性は,本件商標の登録査定時においても継続していたものといえる。\n
・・・
原告商品は,全国で店頭販売されているものであるから,当然の結果,被告商品の主たる販売地域である軽井沢町及びその周辺地域において(甲7),取引者・需要者を共通にする。 のみならず,軽井沢は,関東地方からを中心に(約7〜8割)毎年800万人近くもの観光客が全国から訪れている日本有数の観光地であり(乙239,240),1)被告商品が長野県内で広く取り扱われていること(甲7,乙237),2)前記(2)アd(c)に認定のとおり,被告商品が1kℓ以上出荷された長野県外の業者の所在地が,福島県,群馬県,茨城県,埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県,山梨県にわたっていること,3)被告ヤッホーが,被告商品をインターネットを利用して宣伝し,インターネットを通じて被告商品を販売していること(甲6,84,乙93,248)などにかんがみると,少なくとも,長野県内及び関東地方において,原告商品と被告商品とは,取引者・需要者を共通にしているといえる。
・・・
(4) 混同のおそれ
以上(1)〜(3)のとおり,1)本件商標と引用商標2とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても近似し,また,2)用商標2は,被告ヤッホーの業務に係るビールを表示するものとして,長野県内及び関東地方の取引者・需要者の間に広く認識されていたものといえ,さらに,3)本件商標の指定商品と被告商品とは同一であって,4)長野県内及び関東地方において,本件商標の指定商品と被告商品とは取引者・需要者を共通としているといえる。 以上の事情に照らせば,本件商標をその指定商品に使用するときは,その取引者・需要者において,同商品が被告ヤッホーの業務に係る商品と混同を生じるおそれがあるというべきである。

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平成26(行ケ)10094  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成26年10月29日  知的財産高等裁判所

 一部を構成する「peace」が抽出されて認識されるかが争われました。裁判所は、抽出可能\との審決を維持しました。
   ア(ア) 原告は,本願商標は,ピースマークを含む本願文字部分,図形部分及び黒,白,灰色の色彩を融合させた一体的なロゴマークとして看取されるものであり,構成全体が一体不可分の商品出所識別標識として認識,理解されるものであり,本願上下段文字部分が,強く支配的な印象を与えるものということはできない旨主張する。\n
・・・
b しかしながら,ロゴマークに該当する商標がすべて,外観上,常に一体不可分のものとして認識されるとは限らない。前述したとおり,本願商標においては,本願上段文字及び本願下段文字が,それぞれ,白抜き文字よりも相当に大きく,線も太く,本願商標の面積の半分近くを占めており,白抜き文字に比して強い存在感を醸し出すものといえる。また,本願上段文字及び本願下段文字は,図形部分の上に力強く浮き上がっている印象を与える。 以上に鑑みると,本願上下段文字部分は,本願商標のその余の構成部分である白抜き文字部分及び図形部分に比して,外観上,顕著なものであり,強く看者の注意を引くものといえることから,本願商標の構\成中,突出して強く支配的な印象を与えることは否定し難いというべきである。この結論は,図形部分の一部に黒色の影が付いており,いわゆるシャドウ体(影を付けて立体的な表現を取ったもの〔甲40〕)が用いられていることなど原告指摘の点を考慮しても,左右されるものではない。\nしたがって,原告の前記主張は採用できない。 イ 原告は,「PEACE」の文字は,「平和」を意味する外来語「ピース」として一般に親しまれているものであり,商品の出所識別標識として格別に強い印象を与えるものではない旨主張する。 しかしながら,出所識別力の有無は,当該指定商品又は役務との関係において考えるべきであり,前記のとおり,本願商標中,本願上段文字部分の「PEACE」の文字から生じる称呼及び意味合いは,ありふれたものであるが,本願指定商品の品質等に関わるものではないことなどから,同商品については,一定の出所識別力を有するものと認められ,原告の上記主張は採用できない。
ウ(ア)a 原告は,白抜き文字部分につき,1)その地色及び配置から,看者の 視覚を瞬時にとらえられる顕著な存在といえること,2)我が国においては,「アイスコーヒー(ice coffee)」という呼び方が一般に親しまれており,これを「アイスト・コーヒー(iced coffee)」と呼ぶことはないことから,上記文字部分は,必ずしも本願指定商品の品質表示として直感されるものとはいえない旨主張する。\nb しかしながら,確かに,白抜き文字は,地色が白く,図形部分の中央辺りに存在するものの,前記のとおり,上記文字よりも相当に大きく,より太い黒線で書かれた本願上段文字と本願下段文字との間に挟み込まれるように配置されていることから,あまり目立つとはいえず,看過される可能性も否定しきれない。\n また,辞典類には,外来語である「アイスコーヒー」につき,「ice coffee」と表記するもの(甲41から甲43)があるものの,他方,後述するとおり,「ICED COFFEE」等の文字を「アイスコーヒー」という文字と併記するコーヒー飲料の宣伝広告も存在する。加えて,「iced」は,それ自体,「凍らせた」を意味する比較的平易な英単語であり,また,本願指定商品はコーヒーに関する飲料類であるから,白抜き文字,すなわち,「ICED」の文字に接した取引者,需要者は,直ちに上記英単語を想起し,冷たい飲料類を連想するものと推認できる。 以上によれば,白抜き文字部分は,本願指定商品の品質を表示するものとして理解されるといえ,原告の前記主張は採用できない。
(イ) また,原告は,仮に,白抜き文字部分が本願指定商品の品質表示として認識される場合があるとしても,本願指定商品が含まれる飲料及び食品の分野においては,商品の普通名称や品質表\示等に該当し,一般には出所識別力が弱いと考えられる文字部分についても,同文字部分を含めた構成文字全体が商標(製品名)として機能\し,認識されている例が多く見受けられ,殊更に一部の文字部分を捨象したものが商品出所識別標識として認識される場面は,想定し難く,この理は,本願商標についても当てはまる旨主張する。 しかしながら,原告が掲げる実例(甲134から甲144)を参照しても,本願商標のように,視覚上分離して看取され得るものであり,称呼及び観念においても,常に全体が一体不可分のものとして認識されるものとはいえない結合商標につき,外観上,文字の大きさ,配置等により他の構成部分に比して明らかに印象の弱い構\成部分まで含め,常にすべての構成部分が一体のものとして認識されるとは限らない。特に,後述するとおり,本願指定商品の分野における取引者,需要者には,広く一般の消費者も含まれており,また,簡易,迅速な取引が求められることに鑑みると,本願商標に接する取引者,需要者は,その構\成中,強く看者の注意を引く本願上下段文字部分又は本願上段文字部分をもって,取引に当たる場合も少なくないものというべきである。 以上によれば,原告の前記主張は,採用できない。
⑸ 小括
以上に鑑みると,本願商標に接する取引者,需要者は,本願上下段文字部分及び白抜き文字部分を常に一体的に認識するだけでなく,外観上,強く看者の注意を引く本願上下段文字部分,又は,そのうち出所識別力を有する本願上段文字部分をもって,商品の出所識別標識としてとらえる場合もあるものと認められ,したがって,本願上下段文字部分又は本願上段文字部分が,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるから,本願上下段文字部分又は本願上段文字部分を本願商標の要部として抽出し,他人の商標と比較して類否を判断することができるというべきである。

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平成26(行ケ)10122  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成26年10月27日  知的財産高等裁判所

「VIA」と「SOLUTIONS」の結合商標について、「VIA」が要部であると判断され、後願の「VIA」が拒絶した審決が維持されました。
 「VIA」の文字部分は,上段中央に太いゴシック体で大きく表わされているのに対し,「SOLUTIONS」の文字部分は,「VIA」の文字部分よりも低い位置にあり,同文字部分に比して,線が細く,小さい。また,「VIA」の文字部分は,引用図形と比べると,全体的に色が濃く,線も太い。以上の点から,引用商標を構\\成する構成部分のうち,外観上,「VIA」の文字部分が,単独で最も強く看者の注意を引くものと認められる。\n
・・・
「SOLUTIONS」の文字部分からは,その構成文字に相応した「ソ\\リューションズ」の称呼を生じ,その英単語の「SOLUTION」は,「問題解決又はその方法」を意味する(乙4)。そして,1)「現代用語の基礎知識」(平成25年1月自由国民社発行,乙5)には,「ソリューション〔solution〕1)解決(法)。問題解決。(中略)新しい情報システムやビジネスモデルによる企業の問題解決。」と記載されていること,2)「標準パソコン用語事典 最新2009〜2010年版」(平成21年株式会社秀和システム発行,乙6)には,「ソリューション solution 様々な問題解決の蓄積などから,考えられる問題点と,それに対する解決法をユーザーに提出し,実現すること。」と記載されていること,3)複数の企業が,自社の開発に係る医療関連のシステム等を紹介,宣伝する際,顧客の要望等に係る課題の解決手段を提供するという趣旨で,「ソリューション」又は英単語の「solution」を使用していること(乙7から乙9,乙16)が認められ,これらの事実によれば,上記英単語は,外来語として我が国の日常生活にかなり浸透しており,「SOLUTIONS」は,同英単語の語尾に「S」の文字を付した複数形を表すものとして,広く一般に認識されているものと認めることができる。c 引用図形については,称呼は生じず,また,それ自体としても,両引用文字部分の両方又はいずれか一方と組み合わせても,特に何かを連想させるものとはいえない。d なお,引用商標において,両引用文字部分及び引用図形を常に一体不可分なものと認識しなければならないような称呼上の理由及び意味合い上の関連性は見出せない。(イ) 出所識別力について本願商標の指定商品は,主として歯科用の医療器具であり(甲2),外科用の医療器具を主とする引用商標の指定商品(甲1)と同一又は類似の商品を含むものであるところ,前述したとおり,複数の企業が,自社の開発に係る医療関連のシステム等を紹介,宣伝する際,顧客の要望等に係る課題の解決手段を提供するという趣旨で「医療ソリューション」(乙7),「メディカルソ\\リューション」(乙8),「Solutions」(乙9),「血液管理ソリューション」(乙16)という用語を使っていることに鑑みれば,「SOLUTIONS」の文字部分は,本願商標の指定商品との関係においては,当該商品又はこれに関連する医療システム,医療機器を表\\したものにすぎないと理解され,出所識別力が弱いものといえる。他方,「VIA」の文字部分に係る称呼及び意味合いは,前記のとおりであるところ,いずれも上記指定商品の形状,性質に関わるものではなく,また,日常生活上使われることのない造語として印象的といえるから,上記文字部分は,「SOLUTIONS」の文字部分よりも,上記指定商品との関係における出所識別力を有するものということができる。ウ 小括以上に鑑みると,引用商標に接する取引者,需要者は,両引用文字部分を常に一体的に認識するだけでなく,外観上,単独で最も強く看者の注意を引き,かつ,両引用文字部分のうちより強い出所識別力を有する「VIA」の文字部分をもって,商品の出所識別標識としてとらえる場合もあるものと認められ,したがって,同文字部分が,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるから,同文字部分を引用商標の要部として抽出し,他人の商標と比較して商標の類否を判断することができるというべきである。

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平成26(行ケ)10092  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟  平成26年9月11日  知的財産高等裁判所

 審査段階では、「東京維新の会を本願の指定役務(第41類技芸・スポーツ又は知識の教授等)に使用した場合には,一私人である出願人が政治団体と何らかの関係があるが如く需要者が誤認をするおそれがあり,かつ,商取引の秩序を害するおそれがあるから,本願商標は,商標法4条1項7号に該当する」として拒絶されました。
出願人は審判を請求をしましたが、「東京維新の会」という地域政党が設立され、審判では4条1項6号違反を通知して、拒絶審決がなされました。出願人は、6号に該当するかは査定時であるべきとのして取り消しを求めました。知財高裁は、審決を維持しました。
 これを,本件についてみると,特許庁における手続の経緯は,次のとおりである。 本願に対して,審査官は起案日を平成24年5月10日,発送日を同月18日とする拒絶理由通知(甲2)を発した。その拒絶の理由は,東京維新の会を本願の指定役務(第41類技芸・スポーツ又は知識の教授等)に使用した場合には,一私人である出願人が政治団体と何らかの関係があるが如く需要者が誤認をするおそれがあり,かつ,商取引の秩序を害するおそれがあるから,本願商標は,商標法4条1項7号に該当するというものであった。同年8月16日起案,同月24日発送の拒絶査定における理由も同様であった(甲4)。 そこで,原告が不服審判を申し立てたところ,審判体は,平成25年4月9日を起案日,同月12日を発送日とする拒絶理由通知を発し(商標法55条の2,15条の2。甲6),拒絶の理由は,本願商標は商標法4条1項6号に該当するというものであった。これに対し,原告は,同年5月21日,意見書を提出したが(甲7),本件審決に至った。\nこの手続の経緯からみれば,審査官は商標法4条1項7号の拒絶理由通知を発していたのに対し,審判体は同条1項6号という拒絶査定の理由とは異なる新たな拒絶の理由を発見し,新たな拒絶理由通知を発した上で,異なる拒絶の理由に基づいて審決をしたものである。 そうすると,審査官においては商標法4条1項6号の拒絶理由の存否については全く判断をしておらず,審決において初めて同号の拒絶理由の存否について判断したものであるから,このような場合,審査官の拒絶査定において全く判断の対象とならなかった商標法4条1項6号の判断について,査定時を判断の基準時とする合理性はない。むしろ,同号について初めて特許庁としての判断が示された審判時をもって,判断の基準時とするのが合理的である。 そうすると,審査と拒絶査定不服審判とは続審の関係にあり,本件のように審判において新たな拒絶理由通知が発せられ,審査とは異なる拒絶理由について判断されることもあることを考慮すると,拒絶査定不服審判の審決における商標法4条1項6号の判断の基準時は審決時となるというべきである。本件において審決時を基 準時とすべきであるとした審決の判断に誤りはない。

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◆関連事件です。平成26(行ケ)10090
 

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平成25(行ケ)10298  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟  平成26年8月7日  知的財産高等裁判所

 アラビア語とカタカナの2段併記の商標について、カタカナ部分で類似するとした審決が維持されました。
 以上によれば,本願商標と引用商標1及び3ないし8は,いずれも同一ないし類似の称呼及び観念が生じるものである。そして,本願商標と引用商標1及び3ないし8の外観は類似するとまではいえないが,本願商標と引用商標8の外観は近似するし,引用商標1及び3ないし7は,いずれも本願商標の上段部分の欧文字表記と同じ称呼の片仮名又は欧文字表\示に変更した表記から成る商標又は同表\記部分が需要者の目を惹きやすい構成から成る商標であり,全体として,その書体に,本願商標との差異を取引者,需要者に特段印象づけるほどの著しい特徴があるものではないから,外観の差異は,称呼及び観念の同一性ないし類似性をしのぐものではない。\nしたがって,本願商標とこれらの引用商標とは,互いに商品の出所につき誤認混同が生じるおそれのある類似する商標に当たるものと認められる。 (2) 以上に対し,原告は,1)アラビア文字部分を含めた本願商標全体と引用商標とを比較すれば,両者が外観上相紛れるおそれは全くないし,両者の観念も著しく相違し,称呼における類似性を凌駕しているから,日本の銀座マギーに関連する引用商標と,外国発祥のブランドと認識される本願商標との間で出所混同のおそれが生じることは現実的にはあり得ない,2)アパレル業界における取引の実情として,称呼の一部又は全部が共通することは少なくないが,実際の需要者がこれらのブランドについてその出所を混同することはなく,需要者は,商品の外観上の差異や取扱商品の傾向の違い,需要者層の違いによって,個々のブランドを異なるものとして把握するということを考慮すれば,称呼が共通していることのみをもって需要者等が出所混同することはあり得ないと主張する。 しかし,1)については,本願商標においては,下段部分のアラビア文字が需要者の注意を惹く部分ということはできず,上段部分が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであることは前記のとおりであるから,アラビア文字部分を含めた本願商標全体と引用商標1及び3ないし8とが外観上相紛れるおそれが全くなく,称呼における類似性を凌駕している旨をいう原告の主張は理由がない。 また,原告は,引用商標のみから日本の銀座マギーとの観念が生じることを前提として,本願商標と引用商標との観念が相違する旨主張する。この点,前記3認定に係る取引の実情等によれば,引用商標の商標権者である株式会社銀座マギーのブランド名である「銀座マギー」やその略称である「maggy(マギー)」は,本願商標の査定時には,少なくともいわゆる熟年層世代の需要者には広く知られていたものと認められる。このような取引の実情等を考慮すると,「ギンザマギー」や「マギー」との称呼や,前記認定の観念が生じ得る引用商標3,4,7のみならず,「マギー」との称呼や前記認定の観念が生じる引用商標1,5,6,8も,いずれも「銀座マギー」あるいはその略称である「maggy(マギー)」ブランドを想起させる商標であるといえる。一方で,本願商標も,同じく「マギー」との称呼や前記認定の観念を生じさせるから,「銀座マギー」あるいはその略称である「maggy(マギー)」ブランドを想起させる商標であるといえる。そうすると,上記取引の実情等を考慮しても,本願商標とこれらの引用商標とは類似するものであり,出所識別標識として区別することは困難である。原告の主張は採用することができない。 また,2)については,称呼が同一又は類似である場合にも,商品の取引の実情によって,需要者等が出所の誤認混同を生じるおそれがない場合には類似性が否定されることは原告の主張するとおりであるけれども,前記3(1)認定の取引の実情のとおり,本願商標は,未だ日本において店舗における被服販売に一切利用されておらず,我が国においては,本願商標が特定の需要者層に向けて使用された事実や,需要者によって特定の被服の趣向や価格帯と関連付けて認識されているという事実は認められないし,仮に本願商標に係る若い女性向けのカジュアルファッションブランドを展開する予定であるとしても,株式会社銀座マギーにおいてもインターネット上において1,2万円前後の価格帯の女性向け商品を販売しており,双方の対象とする需要者層がまったく異なるとも認められない。そうすると,アパレル業界における需要者が商品を選択,購入する際に払う注意力を前提としても,称呼及び観念が同一ないし類似であり,外観が顕著に異なっているわけでもない本願商標について,引用商標1及び3ないし8との関係において,商品の出所の誤認混同を生じるおそれがないということはできない。したがって,この点についての原告の主張も採用することができない。\n(3) 以上によれば,本願商標は引用商標1及び3ないし8と類似する。そして,本願商標の指定商品と引用商標1及び3ないし8の指定商品又は指定役務とが類似することは当事者間に争いがないから,本願商標は,商標法4条1項11号に該当する。

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平成25(行ケ)10336 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成26年06月25日 知的財産高等裁判所

 判断自体は注目するようなものではないかもしれませんが、被告である特許庁長官に補助参加人がついてるというのが興味深いです。拒絶査定不服審判の審取に補助参加人がついたという判決は珍しいと思います。被告補助参加人はどうやってこの事件を知ったんでしょうか?、もしかしたら別途無効審判とかが提起されているのかもしれませんね。
第5 被告補助参加人の主張
1 引用商標の周知性に係る識別の対象について
(1) ラーメン店「三代目月見軒」の営業状況
ア 被告補助参加人がラーメン店「三代目月見軒」の経営に携わった経緯は,以下のとおりである。昭和33年に創業されたラーメン店「月見軒」が,二代目であるBの体調不良により20年余り休業した後,Dがレシピを受け継ぎ,平成5年頃,「三代目月見軒」という名称でラーメン店を再開した。同人は,長男である原告月見軒代表者と共に同店を経営してきたが,借金が増えて営業の継続が困難になった。他方,被告補助参加人代表\者は,平成15年5月16日に被告補助参加人を設立し,上記のとおりラーメン店「三代目月見軒」が経営難に陥っていたので,被告補助参加人において同年7月1日付けで同店の営業をDから譲り受けた。なお,甲3号証,すなわち,Dがアルコール離脱せん妄状態のために平成15年8月8日から入院治療を受けた旨が記載された証明書は,上記営業譲渡の当時においてDが常時せん妄状態で意思能力を欠いていたことを示すものではない。以後,現在に至るまで,被告補助参加人は,ラーメン店「三代目月見軒」の経営,広告・宣伝活動,物産展等デパートの催事への出展,お土産ラーメンの販売等の営業活動に継続的に従事し,自らが主体となって「三代目月見軒」の商標を使用しており,商域は日本全国に及ぶ。なお,被告補助参加人は,デパートにおける催事に関し,原告月見軒代表\者に対して催事手数料という名目で金員を支払っていたが,これは当該催事に備えた仕込み等の作業の対価である。イ ラーメン店「三代目月見軒」には,本店(札幌),札幌駅北口店,東京店及び平成17年出店の京都駅ビル店があり,本店,東京店及び京都駅ビル店は被告補助参加人の直営であるが,札幌駅北口店については原告アイズが営業に従事している。原告アイズが同店の営業に携わるようになった経緯は,以下のとおりであり,創業者一族からののれん分けによるものではない。すなわち,平成15年7月頃,被告補助参加人は,原告アイズの元代表者に対し,被告補助参加人による「三代目月見軒」営業の傘下に入ることを条件に,前述の営業譲渡により取得した「三代目月見軒」の商標及びレシピを使用してラーメン店を開業することを許諾した。その後,原告アイズの元代表\者は原告アイズを設立し,前記条件に従って札幌駅北口店を開業した。被告補助参加人は,開業に際して開店広告掲載の手続を行うとともに費用も負担し,また,原告アイズに生めんなどを卸していた。・・・

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平成25(行ケ)10322 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成26年06月18日 知的財産高等裁判所

 商標「Tivoli」が先行商標「チボリ」と類似するかが争われました。知財高裁は、類似するとした審決を維持しました。
 原告は,「Tivoli」の文字は一義的に「ティボリ」と称呼される旨を主張する。しかしながら,そもそも国語辞典にすら「Tivoli」が「チボリ」と称呼されることが記載されているほか(甲33),「Tibet(チベット)」「ticket(チケット)」「Timor(チモール)」「tin(チン〔すず〕)」「tip(チップ)」など一々枚挙するまでもなく,外来語において「Ti」又は「ti」を「チ」と読む例は多数あるのであり,我が国において,「Ti」又は「ti」を「ティ」と発音するか,「チ」と発音するか,いずれかを断定すべき合理的な根拠はない。したがって,少なくとも,「Tivoli」の文字が,一義的に「ティボリ」とのみ称呼されるといい得ないことは明らかである。したがって,原告の上記主張は,採用することができない。以上から,「Tivoli」の文字から「チボリ」の称呼も生じるとした審決の認定には,誤りはない。
3 取消事由2−1(称呼の類似性判断の誤り)について
原告は,「Tivoli」の称呼である「ティボリ」と引用商標の「チボリ」との称呼が類似しない旨を主張する。上記2に認定のとおり,「Tivoli」が原告は,「Tivoli」の称呼である「ティボリ」と引用商標の「チボリ」との称呼が類似しない旨を主張する。上記2に認定のとおり,「Tivoli」が「チボリ」と称呼され得る以上,本件商標の要部である「Tivoli」と引用商標の「チボリ」は称呼を同一にするものであるから,上記主張は,両商標が称呼上類似するとの審決の結論を左右するものではないが,いずれにせよ,「ティ」の音は一音で発音され,かつ,「チ」と母音(イ)を同じくする近似音であるために,「ティボリ」と「チボリ」をそれぞれ一連に称呼するときは,その語調語感が互いに近似し,発音上は3文字分しかないごく短いものであるから,これらを互いに聴き誤るおそれがあることは明らかである。したがって,原告の上記主張は,採用することができない。以上から,「Tivoli」の称呼である「ティボリ」と引用商標の「チボリ」との称呼が類似するとした審決の判断には,誤りはない。

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平成26(行ケ)10029 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成26年06月18日 知的財産高等裁判所 

 商標「粋」が、2段併記の「宝焼酎 粋」とは非類似と判断した審決が維持されました。
 上記イ認定事実によれば,一般に,焼酎を含めた酒類の商品には,漢字一文字の商品名や銘柄を有するものが多数存在し,また,焼酎を含めた酒類を取り扱う業界においては,商品取引において,商品名や銘柄を出所の識別標識として重視するものといい得る。しかしながら,原告が,引用商標を使用した焼酎の商品や「粋」との商品名で識別される焼酎の商品を実際に販売していたことを認めるに足りる証拠はない。加えて,上記イ認定事実によれば,原告の関連会社である宝酒造株式会社は,「宝焼酎」と冠した焼酎の商品については,取引者,需用者に対し,「宝焼酎「純」」,「極上〈宝焼酎〉」,「宝焼酎」,「特撰宝焼酎「マイルド」」と表示紹介していたのであり,これらの商品を,その商品名の一部である「純」,「」,あるいは,「マイルド」などと表\示紹介していたことを認めるに足りる証拠はない。したがって,原告又はその関連会社である宝酒造株式会社の取り扱う商品取引において,「宝焼酎」と冠した焼酎の商品に関し,「宝焼酎」以外の部分のみをその出所の識別標識として使用していたとの事情は認められない。
ウ 以上の検討を総合すると,まず,引用商標の構成中の「宝焼酎」の部分が,上記のとおり,焼酎を取り扱う業界において周知性を有し,取引者,需用者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるから,それとの対比において,「粋」の部分は,自他商品の識別標識としての機能\は弱いものといえる。そして,酒類については,漢字一字の商品が多数存在することが認められるが,「宝焼酎」を冠した焼酎の商品については,「宝焼酎」を冠して表示しており,「宝焼酎」以外の部分のみをその出所の識別標識として使用していたとの事情は認められないことからすると,引用商標の構\成中の「粋」の部分のみでは,出所の識別標識としての称呼,観念を生じることはないというべきである。
4 本件商標と引用商標との類否について
外観について
引用商標は,上段の「宝焼酎」と下段の「粋」とが全体としてまとまりのある外観を呈しており,これを全体として本件商標の「粋」と対比すると,両商標が外観上相違することは明白であるといえる。また,引用商標の「宝焼酎」の文字部分は,焼酎を取り扱う業界において,周知性を有し,取引者,需用者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分であることに照らすと,引用商標に接した取引者,需用者は,上段の「宝焼酎」のみを記憶に留めることが考えられ,その場合には,引用商標の上段の「宝焼酎」と本件商標の「粋」とを対比することになるが,この場合にも両商標が外観上相違することは明白であるといえる。
称呼及び観念について
引用商標からは,その全体から「タカラショウチュウスイ」又は「タカラショウチュウイキ」という一連の称呼及び「宝焼酎粋」との観念が生じるほか,「宝焼酎」の部分から「タカラショウチュウ」という称呼及び「宝焼酎」との観念も生じ得る。これに対し,本件商標からは,「イキ」又は「スイ」の称呼を生じ,「粋」の観念を生じる。両商標は,「宝焼酎」の有無により,称呼及び観念上も相違するといえる。

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平成25(行ケ)10342 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成26年06月11日 知的財産高等裁判所 

「B:MING」と「LIFE STORE」が上下に記載された商標が分離解釈できるのかが争われました。知財高裁は、分離できるとした審決を維持しました。
 以上によれば,本願商標の上段部分である「B:MING」の文字と下段部分である「LIFE STORE」の文字は,少し離れた位置に配置され,青色と赤色という明確な色の違いがある上,その態様も直立と円弧状とで異なっているほか,書体も異なり,上段部分と下段部分には明らかな違いがあること,上段部分である「B:MING」は大きく表示されており見る者の注意を相当程度引く一方で,下段部分である「LIFE STORE」も十分認識できる大きさで,目立つ色,態様で表\示されていること,「B:MING」も「LIFE STORE」も造語であって観念的なつながりはなく,「B:MING」は特定の観念を生じないが,「LIFE STORE」は「生活の店」程度の観念を生じ,いずれも相当程度の識別力を有すると考えられること等に照らすと,上段部分である「B:MING」と下段部分である「LIFE STORE」を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているということはできない。そうすると,本願商標においては,上段部分である「B:MING」と下段部分である「LIFE STORE」は,分離して観察することが可能というべきである。\n

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平成25(行ケ)10345 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成26年05月21日 知的財産高等裁判所   

 「maximum」の文字部分は右に90度回転させて表され「COTTON」をその下部に横書きした商標から、「maximum」を分離解釈できるかが争われました。\n知財高裁は、分離するとした審決を維持しました。
 「COTTON」の文字部分は,「maximum」とほぼ同じ大きさで配されており,リボン状の図形内に配置されていることもあって,外観上は,目をひくものである。しかし,上記のとおり,「maximum」の文字部分が横書きの文字を右に90度回転させた横向きの状態で配されているのに対し,それ以外の部分は,通常の横書きで配されているため,その構成上,「maximum」の文字部分とそれ以外とは分離して看取されるものである。そして,「COTTON」の文字部分からは,「コットン」,「綿」,「木綿」との観念が生じ(乙4),その下の花実様の絵図部分も,「COTTON」の文字と合わせて見た場合,綿花を連想させる絵図であることから,これを本願指定商品である「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」に使用した場合,これらに接する取引者,需要者は,単に指定商品の材質である「木綿」(製品)を表\したものと認識することが一般的であると推測される。そうすると,「maximum」の文字部分は,「COTTON」の文字部分及び花実様の絵図部分とは,構成上も,その意味の上からも,分離して看取,把握され,本願商標に接した取引者,需要者は,上段に大きく記載された印象的な部分であり,自他識別機能\を有する部分である「maximum」の文字部分を強く意識することが多いものと認められ,この部分が,本願商標の要部をなすというべきである。したがって,本願商標は,「maximum」の文字部分が強く支配的な印象を与えるものとして,本願商標と引用商標との類否判断の際に,本願商標のうち該部分だけを引用商標と比較した審決の判断に誤りがあるとはいえない。

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平成25(行ケ)10233 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成26年03月26日 知的財産高等裁判所 

 商標「遠山の金さん」の登録が公序良俗に反するかが争われました。裁判所は、該当しないとした審決を維持しました。
 上記認定事実によれば,被告は,「遠山の金さん」という名称をタイトル名ないし主人公名として初めて使用した者とはいえないが,昭和25年以降,「遠山の金さん」と呼ばれる主人公が登場する映画を多数作成し,昭和45年以降は,同名のテレビ番組を長期間にわたって多数制作してきたものと認められ,「遠山の金さん」の呼称やイメージを一般大衆に広めることに一定の寄与をした立場にあるといえる。したがって,被告は,遠山景元と血縁関係を有する者の関連する会社や同人の生育地と地縁を有する団体に当たるものではないが,本件商標の登録出願を剽窃的に行ったものということはできない。
イ 「遠山の金さん」の利用状況と本件商標による影響
「遠山の金さん」という呼称自体は,被告以外の同業他社によりテレビドラマのタイトルや台詞の中で利用されるほか,歌舞伎や講談等においても台詞等で利用され,地方公共団体が遠山景元に関する史跡や文化財において同人を紹介する際に「遠山の金さん」を引き合いに出すことがあるのは,上記認定事実のとおりである。しかしながら,そもそも,「遠山の金さん」がテレビ番組のタイトル名ないし主人公名にすぎないことからすると,本件指定商品における本件商標の使用によって,「遠山景元」という歴史上の人物の名前を独占できるかという公益性のある社会的問題が生じる余地はなく,本件商標によって失われる公益は想定し難い。また,同業他社との関係でいえば,新たな時代劇の制作や放送は,本件指定商品の範囲外であり(商標法施行規則別表第38類,第41類参照),類似商品又は役務に当たるとも考えにくく,直ちに影響があるとはいえない上に,作品制作に関連して行われる,本件指定商品に属する物品の販売等に関する制約は,同業他社に対する経済的活動の制約にすぎず,あくまでも私的な影響にとどまるものといわざるを得ない。歌舞伎等における影響についても,遠山政談物の上演が本件指定商品との関係で当然に禁止されると解することは困難である(同第41類参照)。なお,原告らとの関係では,パチンコ遊技機における本件商標の使用の有無に関して紛争が生じているが,これは私的な領域に関するものであり,公益性と関連のないことは多言を要しない。以上のとおり,現状の「遠山の金さん」の使用状況にかんがみても,本件商標の出願及び使用によって,公益が損なわれることは想定し難いといえる。\n
ウ 本件出願の経緯,目的,理由
上記イのとおり,本件指定商品を前提とする本件商標の登録出願及び使用により公益性が損なわれるものでないということは,被告の登録出願の目的が,公益事業を不当に制約することにあったわけではないことをうかがわせるものといえる。また,被告が「遠山の金さん」シリーズの映画やテレビ番組の制作や配給をしてきたのは上記認定事実のとおりであって,「遠山の金さん」という語を商標登録出願することにより,形成してきたその信用や顧客吸引力を保護しようとすること自体は,商標制度の本質からして非難できるものでもない。なお,被告以外の同業他社も,「遠山の金さん」というタイトル名をつけた時代劇を制作しており原告と同様の立場であると認められ,「遠山の金さん」という文字を商標として登録出願する機会があったといえるから,かかる点においても,被告による本件商標の登録出願につき,先願主義の原則や公正な競争原理から見て,著しく不当と評価されるような側面は見出し難い。
エ 遺族の名誉感情,国民感情
本件商標「遠山の金さん」があくまでも遠山景元をモデルとして作り出された主人公名にすぎないことは,繰り返し述べてきたとおりであるから,そもそも遠山景元の遺族感情や同人に関する国民感情を問題にする余地はない(なお,仮にモデルとなった人物である遠山景元の遺族感情を問題とするとしても,本件においては,遠山景元の遺族の有無は明らかにされていない上に,遺族感情に関する証拠は何ら提出されていない。加えて,国民が「遠山の金さん」について庶民の味方であるヒーローというイメージを抱いているとしても,そのことが直ちに本件商標を被告が登録出願したことに関して反対する意向であることには結び付かないし,本件では被告の本件商標保持に関する国民感情に関する証拠は何ら提出されていない。)。
オ 本件商標の禁止権の範囲
被告が本件商標を登録したことによる法的,社会的影響については,公益的事業において歴史上実在した遠山景元を紹介するに当たって,通称として「遠山の金さん」の表現が併記されることがあるとしても,それは本件指定商品の範囲外で,類似する商品・役務に当たるともいえないから,公益的事業自体に支障が生じるとは考えにくい。確かに,本件商標が標準文字からなることや本件指定商品の種類からすると,遠山景元と関連のある公的機関・団体などが「遠山の金さん」という標章を付しておもちゃ・人形等の土産物や観光物品を作成することについては,一定の支障が生じるおそれは否定できないが,公益性ある文化事業に付随した営業行為に当然に公益性があるとはいえないし,上記のとおり,史跡での紹介等への利用自体は本件指定商品からすれば除外されており,加えて,本件指定商品に含まれる土産物や観光物品に「遠山景元」という歴史上の人物の名称を使用することまで制約されるわけではない。したがって,公益的事業等への影響は,限定的なものにとどまるというほかない。\n

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平成25(行ケ)10226 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成26年03月13日 知的財産高等裁判所

ゴルフクラブ「KAMUI」について、周知性が否定されました。特許庁は同一証拠ではないとして10号の無効理由ありと判断しましたが、裁判所は同一事実同一証拠に基づくとして、審決を取り消しました。理由は一事不再理の適用誤りです。侵害事件では、本件被告に先使用権が認められています。
 そうすると,無効審判請求においては,「同一の事実」とは,同一の無効理由に係る主張事実を指し,「同一の証拠」とは,当該主張事実を根拠づけるための実質的に同一の証拠を指すものと解するのが相当である。そして,同一の事実(同一の立証命題)を根拠づけるための証拠である以上,証拠方法が相違することは,直ちには,証拠の実質的同一性を否定する理由にはならないと解すべきである。このような理解は,平成23年法律第63号による特許法167条の改正により,確定審決の第三者効を廃止することとし,他方で当事者間(参加人を含む。)においては,紛争の一回的解決を実現させた趣旨に,最も良く合致するものというべきである。
・・・・
(3) 判断
ア 同一事実について
本件商標が商標法4条1項10号に該当するとの事項についての被告の主張事実は,被告が使用する商標は,本件商標登録の出願時には,被告がゴルフクラブに使用する商標として,日本国内の取引者・需要者に広く認識されており,その状態は本件商標の登録査定時においても継続していること,本件商標は被告が使用する商標と類似すること,本件商標の指定商品は被告の商標が使用されているゴルフクラブと類似することであり,その主張事実は,前審判及び本件審判において同一であると評価できる。なお,本件審判では,周知であるとの被告の主張に係る商標が,以下の1)ないし3)のいずれであるか必ずしも明確ではない。1)「KAMUI」単体商標のみ2)「KAMUI」単体商標及び「K∧MUI+くさび図形」商標3)1)又は2)に「KAMUIPRO」,「TYPHOONPRO」及び「KAMUITYPHOONPRO」の各文字からなる商標を含むしかし,本件審判において被告が周知であると主張する商標が上記のいずれであっても,それらは,前審判において判断の対象とした商標に含まれるというべきである。すなわち,1)「KAMUI」単体商標は,前審判における別紙前審判引用商標目録1,2及び4記載の商標に含まれる。2)「K∧MUI+くさび図形」商標は,前審判における別紙前審判引用商標目録4記載の商標に図形を付加した商標である。3)「KAMUIPRO」及び「KAMUI TYPHOONPRO」の各文字からなる商標について原告が周知であると主張する部分は,いずれも「KAMUI」部分であると合理的に解される(「TYPHOONPRO」の文字からなる商標は,本件審決の判断の当否に直接関連するものではない。)。以上によれば,前審判と本件審判とでは,被告が周知性を有すると主張する被告使用の商標は,互いに同一と評価できる。(なお,本件審決は,前審判における無効理由が商標法4条1項10号及び19号該当性であるのに対して,本件審判における無効理由が同項7号又は10号該当性であるから,前審判と本件審判とは「同一の事実」に基づく審判請求ではないと判断する。しかし,同項10号所定の無効理由の存否について判断した審決が確定した後に,それと異なる無効理由を追加さえすれば,同項10号所定の無効理由の存否について判断した審決の確定効がなくなると解する審決の判断が,誤った理解に基づくことは明らかである。)
イ 同一証拠について
前記のとおり,前審判と本件審判とでは,被告が使用する商標の周知性を裏付ける主張事実は,ほとんど同一であり,周知性を立証するための証拠は,そのほとんどが同一である。なお,本件審判では,前審判とは異なり,「被告の2000年版商品カタログ」(甲10),「カムイ社の出荷明細」(甲11−1−1ないし11−1−9),「カムイ社の平成15年度ないし平成18年度の決算報告書」(甲11−2ないし11−5),「使用プロ一覧表」(甲11−31)が,証拠として提出されている。そこで,上記各証拠の性質につき,念のため検討する(なお,本件審判で新たに提出された上記以外の証拠は,商標法4条1項10号該当性に関連するものではない。)。(ア) 「被告の2000年版商品カタログ」(甲10)前審判において,被告は,他のカタログ(甲53,54)を提出したが,前審決において,提出に係る当該カタログは作成年月日が確認できないとされたことから(甲112),本件審判において,作成年月日の確認ができるカタログを提出したと解される。(イ) 「カムイ社の出荷明細及び決算報告書」(甲11−1−1ないし11−1−9,11−2ないし11−5)前審判において,被告は,カムイ社が販売した被告ゴルフクラブの本数の表(甲11−1)を提出したが,前審決において,販売数の裏付けがないことなどから同表\に記載された本数が採用されなかったため,本件審判において,同表の信憑性を裏付けるために提出された証拠と解される。(ウ) 「使用プロ一覧表」(甲11−31)前審判において,被告は,使用プロ一覧表\(甲40)を提出したが,本件審判において,その形式を変更し,被告ゴルフクラブを使用するプロゴルファーの氏名等を追加記載したものを証拠として提出したと解される。上記によれば,本件審判で提出された上記各証拠は,前審決における被告の主張を排斥した判断に対し,同判断を蒸し返す趣旨で提出された証拠の範囲を超えるものではない。
ウ 小括
 以上によると,前審判と本件審判とでは,商標法4条1項10号違反の根拠として主張されている事実において同一であり,また,これを立証するために提出された証拠も実質的に同一であると評価できる。したがって,本件審判における本件商標が同項10号に該当することを理由とする無効審判請求は,前審決の確定効に反するものとして許されないというべきである。本件商標が同項10号に該当するとして本件商標登録が無効であるとした本件審決には,上記の点における誤りがある。なお,被告は,本件商標が同項7号に該当しないとした審決の判断に対して誤りがある旨を指摘する。しかし,この点については取消事由とされておらず,判断しない。

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◆侵害事件はこちらです。平成22(ワ)32483

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平成25(行ケ)10127 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟  平成26年02月05日 知的財産高等裁判所

 商標無効審判における一事不再理が争われました。裁判所は、一事不再理の原則に必ずしも反するものではないと判断しました。また、先頭文字Mを図案化してMとは認識できないとして非類似と判断しました。
 改正前特許法167条を準用した改正前商標法56条1項の趣旨は,商標権者における応訴の繰返しによる煩わしさを避けるとともに,訴訟経済の観点から蒸し返し請求を防止し,無効審判をする者の利益と商標権の安定を図る点にあるところ,本件では,本件審判請求の請求人である原告が第一次審判請求の請求人である明治製菓株式会社の承継人であり実質的に前件と当事者が同一であるという事実関係が認められるから,第三者による再度の審判請求の場合と比較してみると,相対的には,蒸し返し請求防止の要請がより重視され,事実や証拠の同一性についてある程度緩和して解釈されてもやむを得ないというべきである。そうすると,本件審判請求が改正前商標法56条1項に反しないものとして,新たな「証拠」に基づく適法な審判請求といえるためには,形式的に第一次無効審判請求で提出されたものと異なる証拠が提出されてさえいれば許されることとなるわけではなく,新たに提出された証拠が,実質的に見て,これまでの無効原因を基礎付ける事情以外の新たな事実関係を証明する価値を有する証拠といえる必要があるというべきである。以上を前提に本件につき検討するに,本件審判請求では,第一次審判請求で提出なされなかった甲7,8,23ないし27が新たに提出されているところ(弁論の全趣旨),それ以外の大半の証拠は共通しているといわざるを得ない。しかしながら,追加された証拠は,本件商標中の「『二つのだ円形をハート型に重ねた形状に図案化され』た部分」である本件図形がローマ字「M」と認定できるかに関わる証拠(甲7),被告が明治パン株式会社の新工場が設立されることを契機として,そこで使用する伝票や名刺,封筒などに記載される商標として本件商標をデザインし,登録出願したという本件商標の称呼に関わる証拠(甲8)や本件商標の実際の使用態様を明らかにする証拠(甲23ないし27)であるから,実質的には,第一次無効審判請求において商標法4条1項11号,同15号該当性を基礎付けていた事情とは異なる,新たな事実関係を証明する価値を有する証拠が提出されたと評価できるものといえる。したがって,本件証拠関係に鑑みれば,本件審判請求は一事不再理の原則に必ずしも反するものではないというべきであり,本件審決の判断は結論において正当である。被告の主位的な主張は理由がない。
・・・
本件商標は,オレンジ色に彩色した三つの半円をドームのように模した図形の下に,青色に彩色した二つのだ円形をハート型に重ねた本件図形と,その左側に同色に彩色した「eiji」の欧文字とを配した構成態様からなるが,伝票や名刺,封筒にマークとして使用することがあるものの,商品に直接付することはなく,これ自体に発音はない。本件商標を構\成する本件図形は,青色に彩色した二つのだ円形をハート型に重ねて表現した独創的なものと認識し,いずれかの字形を表\現したものかなどと推測して取引に当たるものともいい難く,本件商標からは直ちに「メイジ」の称呼を生じるものということはできない。本来的には発音はないが,強いていえば,普通の書体で表された「eiji」の文字部分から自然に「エイジ」の称呼が生じる。原告は,ローマ字「M」をハート型に図案化することは,図案化の態様として普通に用いられる手法の一つであると主張するが,原告提出の証拠によれば,東京メトロ(甲38)とエムハートツーリスト(甲39)の二例にすぎず,このことのみをもって,図案化の態様として普通に用いられる手法とはいえない。さらに,東京メトロの図形は,ウサギや猫などの動物の耳をモチーフにした図形にも見えるとことから,原告の主張のように,「M」や「ハート」を直ちに看取することはできず,甲37の3頁目の中段の「シンボルマーク」に関する説明書きによって,「メトロ(METRO)」の頭文字「M」をハート型に図案化したものと理解できる程度にすぎない。また,甲39の公報の【ウィーン分類(参考情報)】には,「27.5.1.13」以外にも複数の図形コードが複数付与されている。そうすると,原告が主張するように,当該図形商標から直ちに,ローマ字「M」をハート型に図案化することが,図案化の態様として普通に用いられる手法の一つであるということはできない。したがって,本件商標に接する取引者・需要者は,下段部分を一連の文字列であると理解するのが最も自然であるとはいえず,本件図形は「M」を図案化したものであると比較的容易に理解されることは決してない。

◆判決本文

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平成25(行ケ)10113 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成26年01月27日 知的財産高等裁判所

 商標「CST方式」と「CST」の類似が争われました。裁判所は、「方式」については識別力がないかあってもきわめて弱いので、「CST」という要部が抽出できるとした審決を維持しました。
 引用商標は,「CST方式」の文字を横書きして成るところ,構成中「CST」と「方式」の文字とは,書体が相違し,視覚上分離して看取し得るものであること,構\成前半の「CST」の欧文字が上記のとおり特定の観念を生じないのに対し,構成後半の「方式」の文字は,「一定の形式または手続」(広辞苑第6版),「〔何かをする上での〕決まった形式・やり方」(乙3)を意味する日常語で,何人も容易に意味を理解でき,コンピュータ関連分野では他の語と組み合わせた複合語が多く用いられ,複合語を形成した場合に「方式」の文字を省略してもよい場合もあること(乙4〜13)からすると,構\成前半の「CST」の欧文字部分が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるのに対し,構成後半の「方式」の文字部分は,自他商品の識別標識としての機能\を果たさないか,又はその機能が極めて弱く,引用商標の取引者・需要者は,構\成前半の「CST」の欧文字部分に着目し,当該文字部分をもって取引する場合も少なくないものということができる。したがって,引用商標は,「CST」の欧文字部分をもって要部と認めるのが相当である。そうすると,引用商標は,その全体から「シーエスティーホウシキ」の称呼を生じるほか,「CST」の欧文字部分から「シーエスティー」の称呼をも生じるということができる。

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平成25(行ケ)10165 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年12月18日 知的財産高等裁判所 

 本件商標は、「RAFFINE」、引用商標1は、「ら・フィネ」の文字を,下段に「LA・FINE」の文字を二段書きに配して成る商標、引用商標2は,「LA FINE」の文字と図形から成る商標、引用商標3は,上段に「LA・FINE」の文字を,下段に「ラ・フィネ」の文字を二段書きに配した商標でした。 裁判所は、引用商標と類似する(4条1項11号)とした審決を維持しました。
   引用商標を構成する語のうち,欧文字の「LA・FINE」及び「LAFINE」の部分については,イタリア語で,「la」が子音で始まる女性名詞単数の前に付けられる定冠詞であり,「fine」が「終わり,終点,最後,結果,結末」などを意味する女性名詞であるから(なお,男性名詞として用いられる場合,「目的,意図」などの意味で用いられる。以上につき,小学館「伊和中辞典」,白水社「新伊和辞典」参照),「その終わり,最後,結末」との意味を有することとなる。しかし,引用商標の「LA・FINE」ないし「LA FINE」は,イタリア語であるため,我が国において一般的に知られた語であるとはいえない。そのため,引用商標からは,特段の観念は生じない。もっとも,引用商標1の「ら・フィネ」の部分及び引用商標3の「ラ・フィネ」の部分については,これらに併記された「LA・FINE」の部分がイタリア語で「ラ・フィネ」と発音されることに照らすと,いずれも「LA・FINE」の部分の読みを表したものと解され,その結果,引用商標1及び引用商標3からは,「ラフィネ」という称呼が生じるということができる。かかる読みが併記されていない引用商標2についても,上記のイタリア語の称呼が生じ得るといえる。ただし,「la」の語がフランス語の定冠詞とも理解され,「fine」の語が英語で「みごとな,完成された」などの意味を有する(研究社「リーダーズ英和辞典」参照)ことからすると,これらの語を組み合わせた造語と捉えることもでき,この場合には,「ラファイン」という称呼も生じ得ると考えられる。\n3 本件商標と引用商標の類否について 以上を踏まえ,本件商標と引用商標とを比較すると,両者はいずれも「ラフィネ」の称呼を生じる点では同一であり,また,どちらも我が国において一般的に知られた語ではないため,必ずしも特段の観念が生じるとはいえず,観念上区別することは困難であると考えられる。一方,外観については,本件商標が「R」から始まる一続きの欧文字を一段書きにして成るものであるのに対し,引用商標は,欧文字部分については綴りが「L」から始まり「F」の重複がない上,「・」やスペースによって「LA」の部分と「FINE」の部分とに区分されている点で明確に相違するため,それぞれの欧文字の意味が不明であるとしても,両者は明らかに異なる語として認識される。また,引用商標1及び引用商標3については日本語の文字とともに二段書きにされ,引用商標2については文字部分の下に図形部分が存在するとの差異もある。このように,本件商標と引用商標との間には,外観上顕著な差異があり,取引者及び需要者が引用商標の外観から受ける視覚上の印象は本件商標のそれと明確に異なるものということができる。また,指定商品である化粧品の取引の実情については,取引者及び需要者は,店頭販売,通信販売,あるいはインターネットを介した化粧品の販売においては,商品の外観を見て購入するのが通常であり,その際に商品に付された商標の外観や製造販売元を見て商品の出所について相応の注意を払って購入することが多いと考えられる。また,化粧品については,既に商品自体ないしその出所等を認識している場合には,電話等による取引をすることが考えられるものの,この場合も,取引者及び需要者が商標の称呼のみをもって商品の出所を識別して商品を購入するとは考えにくい。上記のとおり,本件商標と引用商標とは,称呼が同一であるものの,外観上顕著な差異があることや指定商品に係る上記のような取引の実情を踏まえると,取引者及び需要者が商品の出所を誤認混同するおそれがあるとはいえないから,互いに類似するものということはできない。これと同旨の審決の判断に誤りはない。

◆判決本文

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◆平成25(行ケ)10065

◆平成25(行ケ)10167

◆平成25(行ケ)10044

◆平成25(行ケ)10042

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平成25(行ケ)10158 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年12月17日 知的財産高等裁判所

 商標「LADY GAGA」を指定商品「レコードなど」に使用する場合、識別性が無いとした審決が維持されました。出願人はアーチスト自身の会社ですので、4条1項8号は問題になっていません。
 以上によれば,「LADY GAGA」(レディ(ー)・ガガ)は,アメリカ合衆国出身の女性歌手として,我が国を含め世界的に広く知られており,「LADY GAGA」の欧文字からなる本願商標に接する者は,上記歌手名を表示したものと容易に認識することが認められる。そうすると,本願商標を,その指定商品中,本件商品である「レコード,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」に使用した場合,これに接する取引者・需要者は,当該商品に係る収録曲を歌唱する者,又は映像に出演し歌唱している者を表\示したもの,すなわち,その商品の品質(内容)を表示したものと認識するから,本願商標は,自他商品の識別標識としての機能\を果たし得ない。したがって,本願商標は,商標法3条1項3号に該当する。また,本願商標を,本件商品である「レコード,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」のうち「LADY GAGA」(レディ(ー)・ガガ)が歌唱しない品質(内容)の商品に使用した場合,「LADY GAGA」(レディ(ー)・ガガ)が歌唱しているとの誤解を与える可能性があり,商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。したがって,本願商標は,商標法4条1項16号に該当する。\n

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平成25(行ケ)10126 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年10月10日 知的財産高等裁判所

 商標「きょロッケ」は「ギョロッケ」は非類似した審決が維持されました。
 本件商標を一連・全体として見て,これを引用商標と対比すると,両者は外観が著しく異なることが明らかであり,本件商標は特定の観念が生じないものであるのに対し,引用商標は魚に関するものという観念が生ずるか,または特定の観念を生じないものであるから,両者は観念において相違するかあるいはこれを比較することができないものである。また,称呼は構成音及び構\成音数が明らかに相違し,一連に称呼した場合,両者は全く異なるといえる。次に,本件商標の要部たる「きょロッケ」の文字部分と引用商標とを対比すると,「きょロッケ」の文字部分と,引用商標とは,綴り,書体,色,上下2段に表示されているか否かなどの構\成が異なり,外観において相違する。また,「きょロッケ」の文字部分は特定の観念が生じないものであるのに対し,引用商標は魚に関するものという観念が生ずるか,または特定の観念を生じないものであるから,両者は観念において相違するかあるいはこれを比較することができないものである。もっとも,「きょロッケ」はその文字部分に相応する「きょろっけ」の称呼を生じ,引用商標は,その構成文字に相応する「ぎょろっけ」の称呼を生ずるものであるから,両者の称呼は,「きょ」と「ぎょ」において相違するだけであり,比較的近似するものであるといえる。しかし,語頭音である「きょ」と「ぎょ」の称呼上の差異は清音と濁音の違いであり,比較的容易に認識できるものであるといえる。さらに,取引の実情として,外観や観念よりも称呼によって商品の出所を識別しているなど,称呼上の識別性が外観及び観念上の識別性を上回っているような特段の事情も認められない。そうすると,本件商標の要部たる「きょロッケ」の文字部分と引用商標とは,外観が異なる上,観念については相違するかまたは比較することができないものであって,称呼においても上記の程度に区別できるから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合判断すると,両商標を取り違えて商品の出所の誤認混同を生ずるおそれは考えられず,両者は類似しないものというべきである。\n

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平成25(行ケ)10122 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年09月24日 知的財産高等裁判所

 商標法4条1項10号に該当するとした拒絶審決が維持されました。
 上記(1)ア,イによれば,1)引用商標2を付して電磁的方法により広告が提供されていたファベ社製の枕は,本願商標出願日前から,相当数のウェブサイトで高い人気を得た売れ筋商品として取り上げられていたことが認められ,これによれば,引用商標2は,これらウェブサイトを通じて多数の需要者の目に触れられたものと推認され,また,2)引用商標1を付された同枕は(乙1,2),原告以外の大手通販業者内で販売される寝具類の中での販売ランキングで上位を占め多数の者がこれを購入したものと認められ,これによれば,引用商標1は直接多数の需要者の目に触れられたものと推認される。したがって,引用商標は,遅くとも本願商標出願日までにはファベ社製の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されていた商標であると認めるのが相当である。\n
イ 本願商標出願日後の周知性につき
ひとたび周知性を得た商標は,短期間のうちにその周知性を喪失することはないのが通常であるところ,上記(1)ウのとおり,引用商標を付されたファベ社製の枕は,本願商標出願日後も相当数のウェブサイトで高い人気を得た売れ筋商品として取り上げられ続け,また,大手通販業者内で販売される寝具類の中での販売ランキングでも上位を占めている。したがって,引用商標は,現在においてもファベ社製の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているものと認められる。
・・・
 原告は,真正商品にのみ本願商標を使用すれば出所の誤認混同を生じない旨を主張するが,当該真正商品を扱う複数の者がその商品についての同一又は類似の商標を自己の商標として使用すれば,特段の取引事情のない限り,誤認混同を生じるおそれが生じ,商標の出所識別機能が害されることは明らかであるところ,そのような特段の取引事情のあることについての主張立証はない。また,原告は,本願商標が商標登録されても真正商品の並行輸入ができる旨を主張するが,真正商品の並行輸入の可否は,当該商標が非登録事由が認められないとして登録された後における商標権の効力の問題であり,非登録事由の存否についての審査において考慮すべきことではない。さらに,原告は,真正商品を取り扱っている業者に対しては権利行使をしない旨を明らかにすれば商標法4条1項10号の非登録事由が回避されると解される主張をするが,独自の見解であって採用することはできない。引用商標1と引用商標2とを二段に併記して成る商標の登録出願をしたファベ社と本願商標を登録出願した原告との間では,現に深刻な紛争が生じている(甲19〜21)。\n

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平成25(行ケ)10030 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年07月18日 知的財産高等裁判所

 「SAMURAI JAPAN」の下段にすこし小さく「Tudo:para futsal」と表示した商標について、「SAMURAI JAPAN」と図形が組み合わされた商標が類似するとした審決が維持されました。
 本願商標は,「SAMURAI JAPAN」の欧文字と「Tudo:parafutsal」の欧文字とを上下2段に書してなる結合商標である。そして,本願商標の構成中,上段の「SAMURAI JAPAN」の文字部分は,全て大文字であって,下段の「Tudo:para futsal」の文字部分と比べて,1文字1文字が大きく,太く表されており,外観上,下段の「Tudo:para futsal」の文字部分と明瞭に区別することができる。また,「SAMURAI」,「JAPAN」の語が広く一般に使用されており,「SAMURAI JAPAN」の文字部分から,「サムライジャパン」の称呼及び「日本の侍」の観念が自然に生じるのに対し,「tudo」,「para」の語は,いずれもポルトガル語であって(甲3),「SAMURAI」,「JAPAN」の語のように広く一般に使用されているものとはいえず,「Tudo:para futsal」の文字部分から,「トゥードパラフットサル」の称呼や,「フットサルのためのあらゆるものごと」といった観念が自然に生じるものとはいい難い。以上によると,本願商標を構成する「SAMURAI JAPAN」の文字部分と「Tudo:para futsal」の文字部分とは,それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえず,本願商標においては,「SAMURAI JAPAN」の文字部分が取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえるから,これを要部と認めるのが相当である。この点に関し,原告は,本願商標は,上段・下段とも使用されている書体が同じで,上段・下段の幅がほぼ同じであり,全体として,まとまりよく一体のものであり,視覚上も一体不可分のものとして看取されるものであること,「SAMURAI JAPAN」あるいは「サムライ ジャパン」の語は,スポーツ業界では親しみやすいことばであって,識別力が弱く,本願商標の上段の「SAMURAI JAPAN」の文字部分も識別力が弱いことからすると,上記文字部分は,本願商標の指定商品との関係において,取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものではないなどと主張する。しかしながら,前記のとおり,本願商標の構成中,上段の「SAMURAI JAPAN」の文字部分と下段の「Tudo:para futsal」の文字部分とは明瞭に区別することができるものであって,これらが視覚上一体不可分のものであるとはいえないし,また,「SAMURAI JAPAN」の文字部分は取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえる。なお,商品の出所識別標識としての機能は,当該商品の指定商品との関係において検討すべきであるところ,「SAMURAI JAPAN」あるいは「サムライ ジャパン」の語が,スポーツ業界では親しみやすいことばであるからといって,本願商標の指定商品(「フットサル用の運動用特殊衣服,フットサル用の運動用特殊靴」)に使用された場合に,商品の出所識別標識としての機能が弱いということはできない。\n

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◆関連事件はこちらです。平成25(行ケ)10029

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平成25(行ケ)10008 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年06月27日 知的財産高等裁判所

 図形商標について、類似するとした審決が維持されました。問題となった商標はドクロマークです。
 上記(2)に認定判断のとおり,本件商標と引用商標とが「正面を向いた頭蓋骨と扁平に交差させた2本の骨を組み合わせた図形をシルエット風(黒塗り)に表した構\図」として共通する一方で両商標における構成上の差異が微差の範囲にとどまる以上,相違点は個々に又は総体として考慮しても上記共通点に凌駕されるものであり,両者を同一又は類似の商品に使用した場合には,需要者がその出所について誤認混同するおそれがあるというべきである。本件商標は引用商標に類似するものと認めるのが相当であり,これと同旨の審決の判断に誤りはない。原告は,本件商標と引用商標とがそれぞれ与える印象に顕著な差異がある旨の主張をするが,上記判断のとおりの共通点を有する両商標が取引者及び需要者に与える印象に,差異があるものとは認められない。\n

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平成24(行ケ)10454 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年06月27日 知的財産高等裁判所 

 pumaのパロディ商標について、4条1項15号(出所混同)違反、および同7号違反の審決が維持されました。
 原告は日本観光商事社のライセンス管理会社であるが(弁論の全趣旨),日本観光商事社は,本件商標以外にも,欧文字4つのロゴにピューマの代わりに馬や豚を用いた商標や,他の著名商標の基本的な構成を保持しながら変更を加えた商標を多数登録出願し(甲4,5,14),商品販売について著作権侵害の警告を受けたこともあること(甲15,16)が認められる。これらの事実を総合考慮すると,日本観光商事社は引用商標の著名であることを知り,意図的に引用商標と略同様の態様による4個の欧文字を用い,引用商標のピューマの図形を熊の図形に置き換え,全体として引用商標に酷似した構\成態様に仕上げることにより,本件商標に接する取引者,需要者に引用商標を連想,想起させ,引用商標に化体した信用,名声及び顧客吸引力にただ乗り(フリーライド)する不正な目的で採択・出願し登録を受け,原告は上記の事情を知りながら本件商標の登録を譲り受けたものと認めることができる。そして,本件商標をその指定商品に使用する場合には,引用商標の出所表示機能\が希釈化(ダイリューション)され,引用商標に化体した信用,名声及び顧客吸引力,ひいては被告の業務上の信用を毀損させるおそれがあるということができる。そうすると,本件商標は,引用商標に化体した信用,名声及び顧客吸引力に便乗して不当な利益を得る等の目的をもって引用商標の特徴を模倣して出願し登録を受けたもので,商標を保護することにより,商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り,需要者の利益を保護するという商標法の目的(商標法1条)に反するものであり,公正な取引秩序を乱し,商道徳に反するものというべきである。

◆判決本文

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平成25(行ケ)10028 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年05月30日 知的財産高等裁判所

 商標「御用邸」が公序良俗違反であるとした審決が維持されました。
 甲4,甲5及び弁論の全趣旨によれば,「御用邸」とは皇室の別邸を意味し,天皇又は皇族の静養等に用いられるもので,現在,那須御用邸,葉山御用邸,須崎御用邸の3つがあること,御用邸は国有財産であって,行政財産のうち皇室用財産に属し,宮内庁が管理するものであることが認められる。「御用邸」が皇室の別邸であることは広く知られており,「御用邸」の文字には,皇室と関係があるかのように感じさせる効果があり,顧客誘因力がある(甲6,22)。そうすると,皇室と何らの関係もない者が,自己の業務のために指定商品について「御用邸」の文字を独占使用することは,皇室の尊厳を損ね,国民一般の不快感や反発を招くものであり,相当ではない。このことは,本件商標の登録査定時である平成7年11月16日においても,現在でも同様である。したがって,本件商標は,その登録査定時において既に,指定商品について使用することが社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反するものであったと認めることかできる。そうすると,本件商標は,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標であり,その登録は,7号に違反してされたものであるから,商標法46条1項1号により登録を無効とした審決に誤りはない。原告は,一般国民は「御用邸」が「皇室の別荘」と理解しても,それが現存する三つの御用邸の総称とまでの理解はないと主張するが,「御用邸」が皇室の別邸を意味することは広く知られていて誰でもが理解することであるから,理由がない。原告は,他にも「御用邸」の文字からなる商標や「御用邸」の文字を含む商標が登録されていること,「御所」の文字からなる商標や「御所」の文字を含む商標が登録されていることを主張するが,それらの商標登録に瑕疵があるか否かは,本件の判断とは別論であるから,理由がない。原告は,原告が経営する株式会社庫やでは,本件商標を用いて永年に亘りチーズケーキ等を製造販売し,那須土産として相当数の販売量を誇る人気商品となって,メディアでも取り上げられているが,皇室の尊厳を損ねる等のクレームを受けたことがないと主張するが,原告が指定商品について「御用邸」の文字を独占していることが国民一般に知られているとはいえないし,そもそもその独占自体が相当でないから,理由がない。

◆判決本文

 

◆関連事件です。平成25(行ケ)10026

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平成24(行ケ)10336 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年04月24日 知的財産高等裁判所

 商標「NINA L’ELIXIR」は「ELIXIR」と混同しないとした審決が維持されました。
 これを本件商標についてみると,外観上,本件商標を構成する各文字の大きさ及び書体は同一の全角で,等間隔でまとまりよく一体的に表\されており,「NINA」と「L’ELIXIR」の間に空白部分があるものの,その広さは,半角程度にすぎず,全体として横に一行でまとまりよく表されているものであり,「L’ELIXIR」の文字部分だけが独立して見る者の注意をひくように構\成されているということはできず,まして,「ELIXIR」の文字部分だけが独立して見る者の注意をひくように構成されているということはできない。
・・・・
 原告は,本件商標「NINA L’ELIXIR」を構成する12文字のうち,「ELIXIR」の文字列が占める割合は半分の6文字にも及ぶことから,「ELIXIR」の部分が「L’ELIXIR」の部分の一部にすぎないものとして捉えられるとは考え難く,さらに,「ELIXIR」の文字列の前部に「’」の記号が配されていることも考慮すると,簡易迅速を尊ぶ取引の場においては,視覚的に「L」との結合性が否定され,「ELIXIR」の部分のみが印象付けられやすいと主張する。しかし,本件商標における「ELIXIR」の文字は,エリジオンにより,一つの語として認識される「L’ELIXIR」の一部に埋没しているものであるから「L’ELIXIR」の部分の一部にすぎないし,「L」のアルファベットとの結合性が否定され「ELIXIR」の部分のみが印象付けられるということもない。簡易迅速を尊ぶ取引の場においては,むしろ無理に分断することなく,1語として理解し一体に把握されるものである。
 イ 原告は,本件商標の実際の使用態様をみると,「NINA」と「L’ELIXIR」の文字とを分離して2段書きにするのに加え,下段の部分を「L’ELIXIR」の全て大文字ではなく,「L’Elixir」と表記していることを根拠として,本件商標が「ELIXIR」を構\成中に含んでいると実際の取引において容易に把握され,本件商標の使用者もその事実を自覚していると主張する。しかし,本件商標が実際の使用態様において,「NINA」と「L’ELIXIR」の文字を2段書きにしているからといって,「NINA」と「L’ELIXIR」に分離して看取されるものではない。また,本件商標における「ELIXIR」の文字は,1つの語として認識される「L‘ELIXIR」の一部に埋没しているものであるから,本件商標が「ELIXIR」を構成中に含んでいると実際の取引において容易に把握されるなどということはなく,まして,本件商標の使用者がその事実を自覚しているなどということもない。このことは,「L’ELIXIR」の全てを大文字ではなく,「L’Elixir」と表\記していても同じことである。

◆判決本文

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平成24(行ケ)10360 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年04月18日 知的財産高等裁判所

 商標「INTEL」は、半導体以外の分野で著名だとは認められないとして、商標「インテルグロー」には商標法4条違反はないとした審決が維持されました。
 原告の略称である「インテル」が,原告の業務に係る商品(半導体・集積回路等)の取引者・需要者を始めとして、相当に広い範囲にわたり知られるに至っていたことは,審決認定のとおりである(甲13〜18,20〜51)。これに対し,本件商標は,「インテルグロー」の片仮名を標準文字で同書,同大,等間隔に書され外観視覚上極めてまとまりよく一体に表され,これより生ずると認められる「インテルグロー」の称呼も冗長でなく無理なく一気一連に称呼し得るものであるから,一体不可分の造語として理解されるとみるのが相当である。したがって,本件商標は,その構\成文字中に「インテル」の文字を有するけれども,一体不可分のものとして認識されるものであるから,「インテル」の文字は,本件商標全体の中に埋没していて,それのみが独立して把握されるものではない。したがって,本件商標は,原告を想起させるものではなく,8号の「他人の略称を含む商標」には当たらないとした審決の判断に誤りはない。原告は,表示「インテル」又は「INTEL」が原告の略称として著名であるから,一般世人は本件商標から原告の著名な略称である「インテル」又は「INTEL」を容易に想起すると主張するけれども,集積回路又は半導体以外の商品分野において,表\示「インテル」又は「INTEL」が原告の略称として著名であるとは認められない。防護標章登録の事実から,当該標章が著名であることを推認することもできない。原告はまた,本件商標における「グロー」が「成長する」を意味する英単語として一般人になじみの深い語であることをもって,「インテル」の部分を「グロー」と分離して認識するというが,「成長する」に対応する英単語“grow”の発音が「グロウ」であることは一般人にとって常識であって(甲55),後記のとおり,被告が「グロー」に「成長」の意味を込めたとしても,「インテルグロー」から「インテル」が「グロウ」すると認識するものとは,一般的には推測しにくい。いずれにしても,「インテルグロー」が一気一連に称呼されるものであることは上記認定のとおりである。本件商標が8号に違反して登録されたものということはできないとの審決の判断に誤りはなく,取消事由1には理由がない
・・・
本件商標と引用商標とが非類似であることは上記1で判示したとおりであるが,引用商標に係る商品の取引実態についてみる。甲2〜54,56,57によれば,原告は,半導体・集積回路等の世界最大の製造販売業者であって,その略称でもある商標「インテル」や「INTEL」が,半導体・集積回路等の取引者・需要者の間では著名であり,他方,原告の業務に係る商品を組み込んだパソコン,サーバや,それらの広告に「intel inside」ロゴを表示するマーケティング手法によって,一般消費者へも認知度を高めており,本件商標の登録出願時において既に,上記商標が半導体・集積回路等の分野での原告商標であるものとして相当に広い範囲にわたり知られるに至っていたことを認めることができる。しかし,原告の業務に係る商品(半導体・集積回路等)は,電子機器の部品であり,ブランド構\築の難易度が高い業界に属し,「intel inside」プログラム等のマーケティング的努力によって,商標「インテル」,「INTEL」が,半導体・集積回路等や,パソコン,サーバの取引分野において,これら商標のブランド力を浸透させるのに成功したことは優に認めることができるものの(甲49など),これらの取引分野を超えて,著名となっていることまで認めるに足りる証拠はない。原告が住宅設備機器・建材商品の販売・施工を行っているとは認められず,原告主張の防護標章登録の事実からは,これら商標が防護標章登録の商品,役務の分野において著名となっていることを推認することはできない。(2) 本件商標の指定商品又は役務は,原告の上記商標「インテル」,「INTEL」が使用して取引される商品又は役務と異なり,商標「インテル」,「INTEL」が,半導体・集積回路等や,パソコン,サーバ以外の取引分野においても著名であるとは認められない。そして,本件商標は前記のとおり「インテルグロー」と一連に称呼されるものであり,イタリアのサッカーチーム「InternazionaleMilano(インターナショナル・ミラノ)が我が国において「インテル」の略称で有名であることは当裁判所にも顕著であり,我が国における一般消費者がパソコン,サーバ以外の取引分野において「インテル」の音を聞いたときに,原告の商標「インテル」,「INTEL」を想起すると限らないものと認められる。これらを合わせ考慮すると,本件商標が指定商品又は役務に使用されることによって,原告又はこれと営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのように,出所について混同を生じるおそれがあるとは認められない。

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平成24(行ケ)10403 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年03月28日 知的財産高等裁判所

審決では、商標「ボロニアジャパン」は無効理由無しと判断されましたが、裁判所は、フリーライドやダイリューションを招くので、商4条1項15号違反として、審決を取り消しました。
 本件商標は,「ボロニアジャパン」の片仮名からなり,「ボロニア」と「ジャパン」からなる結合商標である。本件商標の構成中「ジャパン」の部分は,我が国の国名「日本」を表\す語であって,日本と何らかの関係性がある会社や商品であることを示すために,商号や商標の一部に含めることが広く一般的に行われており(甲53,54),自他商品の出所識別力は乏しく,出所識別標識として支配的な印象を与えるものではない。他方,本件商標の構成中「ボロニア」の部分は,イタリアの地方・都市名であり,ボロニア地方が起源とされている「ボロニアソ\ーセージ」(ボロニヤソーセージ)が知られている(甲72〜75)。本件商標を構\成する「ボロニア」及び「ジャパン」は,上記のとおりいずれもよく知られた概念であり,簡易迅速性を重んずる取引の実際においては,その一部分のみによって簡略に表記ないし称呼されることもあり得るものである。(イ) 後記イのとおり,「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示は,原告又は原告商品を示すものとして一定の周知性を有している。なお,原告の「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」は,「ボロニヤソ\\ーセージ」の「ボロニヤ」に由来するものであり,イタリアの地方・都市名である(甲8,9)。(ウ) そうすると,本件商標「ボロニアジャパン」を,指定商品のうち「パン」に使用した場合は,「ボロニアジャパン」のみならず,「ボロニア」という称呼・観念も生じることもあり得る。そして,その場合には,原告又は原告商品を示すものとして周知な「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」と類似性を有するものということができる。
イ 「BOLONIYA」及び「ボロニヤ」の周知著名性及び独創性の程度(ア) 前記1(1)認定のとおり,「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示は,原告が元々はソ\\ーセージの名称「ボロニヤソーセージ」に用いられていた「ボロニヤ」をパン屋の屋号として採択したものである。そして,「ボロニヤソ\\ーセージ」の「ボロニヤ」は,イタリアの地方・都市名であって,これをソーセージではなくパンに用いる場合には,独創性がないとはいえない。(イ) 前記1(1)認定の事実を総合すれば,平成10年頃までには,原告及びそのフランチャイジーが製造販売するデニッシュ食パンは,「元祖デニッシュ食パン」などとして,全国的に周知となったことが認められる。そして,原告商品には,「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示が使用されていたものであり,「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表\示は,当時,原告又は原告商品を示すものとして周知性を有していたものと認められる。前記1(2)認定のとおり,その後,株式会社ボロニヤによるフランチャイズ契約が解消された結果,店舗数が減少し,株式会社ボロニヤの清算や株式会社東京ボロニヤの破産等があって売上げが低下した時期もあったが,原告は,平成20年9月以降,毎年1億円以上の売上げを上げ,平成22年頃からは再び「伝説のパン」「京都祇園ボロニヤの元祖デニッシュ」などとして雑誌等にも採り上げられ,インターネット販売等でも売上げランキング1位を獲得するなど,「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示は,近時も,原告又は原告商品を示すものとして周知性を有しているものと認められる。そして,「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表\示が,一旦,原告又は原告商品を示すものとして周知性を獲得し,近時も周知性を有していることに照らすと,特段の事情がない限り,その間の期間においても,周知性が継続していたものと推認されるところ,店舗数が減少し売上げが低下した時期もあったものの,インターネットによる通信販売等もあって原告の売上げ自体が大幅に減少したものでもないから,本件商標の登録出願の時点及び登録査定の時点においても,一定の周知性があったものと認められる。
ウ 商品の関連性本件指定商品等には,「パン」が含まれ,原告を示す表示として周知性のある「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の「デニッシュ食パン」を包含するものである。よって,原告商品と本件商標の指定商品は,取引者及び需要者が共通する。
エ 本件商標の使用態様と取引の実情前記1(3)のとおり,被告は,「BOLONIA.JP」というドメインネームを取得して,「BOLONIAJAPAN」(ボロニアジャパン)というウェブサイトにおいて「京都祇園生まれのデニッシュ食パン」と記載した上で,デニッシュパン等を販売し,楽天市場でも,「BOLONIAJAPAN」について「京都祇園生まれのデニッシュ食パン」「京都祇園ボロニア ジャパン」「BOLONIAデニッシュ」などと記載した上で,デニッシュパン等を販売しており,被告のレシートにおいては,「BOLONIA」と大きく記載され,その下に小さく「JAPAN」と記載されている。なお,本件商標の指定商品が日常的に消費される性質の商品であることや,その需要者が特別な専門的知識経験を有しない一般大衆であることからすると,これを購入するに際して払われる注意力はさほど高いものでない。上記のような被告の本件商標の使用態様及び需要者の注意力の程度に照らすと,被告が本件商標を指定商品に使用した場合,これに接した需要者は,かつて周知性を有していた「京都祇園ボロニヤの元祖デニッシュ」や現在も一定の周知性を有する「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示を連想する可能\性がある。
オ まとめ前記のとおり,1)本件商標を,指定商品のうち「パン」に使用した場合は,原告又は原告商品を示すものとして周知な「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」と類似性を有すること(前記ア),2)「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示は,独創性が高いとはいえないものの,「デニッシュ食パン」の分野では,原告又は原告商品を示すものとして一定の周知性を有していること(前記イ),3)本件商標の指定商品は,「デニッシュ食パン」を包含するから,原告商品と取引者及び需要者が共通すること(前記ウ),4)被告の本件商標の使用態様及び需要者の注意力等に照らし,被告が本件商標を指定商品に使用した場合,これに接した需要者が,「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示を連想する可能\\性があること(前記エ)を総合的に判断すれば,本件商標を,指定商品のうち「パン」に使用した場合は,これに接した取引者及び需要者に対し,原告使用に係る「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示を連想させて,当該商品が原告との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表\\示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信され,商品の出所につき誤認を生じさせるとともに,原告の表示の持つ顧客吸引力へのただ乗り(いわゆるフリーライド)やその希釈化(いわゆるダイリューション)を招くという結果を生じかねない。そうすると,本件商標は,商標法4条1項15号にいう「混同を生ずるおそれがある商標」に当たると解するのが相当である。\n

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平成24(行ケ)10290 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年03月21日 知的財産高等裁判所

 3段分離表示された商標「Baby Mon chouchou」が、「Mon chouchou」と類似するとした審決が維持されました。
 本件商標は,飾り文字で表してなる「Baby」,「Mon」及び,これらよりわずかに小さく表\される「chouchou」の各欧文字を3段に配したものの左側にバラのつぼみの図形を配し,「Baby」の欧文字の左斜め上側に羽根のような図形及び交差部を太く表してなる十\字図形を配してなるものである。この構成態様に照らせば,本件商標は,各欧文字と各図形とを組み合わせてなる結合商標であり,各図形部分は,いずれも飾りとして認識され,出所識別標識としての称呼,観念を生じることはないとみるのが相当である。そうすると,本件商標の構\成中の「Baby」,「Mon」及び「chouchou」の欧文字部分は,これに接する者をして,その構成中の各図形部分から分離して看取,把握され得るものと認めるべきである。\n

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平成24(行ケ)10363 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年03月21日 知的財産高等裁判所

 「Augusta Club」と表示した商標が、4条1項15号違反ではないとした審決が取り消されました。
 本件商標は,その構成中にゴルフスイングをする人物を描いた図形が表\示されていること,「Augusta Club」の欧文字部分が顕著に大きく表されていること,「Club」の語が「政治・社交・娯楽,あるいは学校の課外活動で,共通の目的によって集まった人々の団体。また,その集合所。(会員制の)バー・娯楽場。」を意味すること(広辞苑第六版),「Club」の語が,上記の意味において,片仮名表\記だけでなくアルファベット文字としてもよく知られた英語であって,自他役務の識別機能を有しないか,極めて弱いものといえるものであることに照らすと,本件商標は,全体として,看者に対し,「Augusta Club」という名称のゴルフに関する団体又はバーないし娯楽場(ゴルフの関係ではゴルフ場)を想起させるものであり,また,上記のとおり,「Augusta Club」の欧文字部分は顕著に大きく表されていることに照らすと,本件商標は,そのうちの「Club」以外の「Augusta」の文字部分が独立して識別力を有するものである。
2 「Augusta National Golf Club」(オーガスタナショナル・ゴルフ・クラブ)が,マスターズ・トーナメントが開催されるゴルフ場であって,「Augusta」(オーガスタ)がオーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブの略称として著名であるかについて判断する。
・・・
上記によれば,「オーガスタ」の語は,本件商標の登録出願時及び査定時において,マスターズ・トーナメントが開催される米国ジョージア州オーガスタ所在の被告が経営するゴルフ場である「オーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブ」の略称として,また,マスターズ・トーナメントなど,被告経営の上記ゴルフ場において提供される被告の業務に係る役務を表すものとして,日本のゴルフに関連する商品又は役務の取引者・需要者の間で広く認識されるに至っていたものと認めることができる。原告は,「Augusta」(オーガスタ)はマスターズ・トーナメントが開催される土地の名称であって,オーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブの略称として周知著名であったものではないなどと主張する。しかし,「Augusta」(オーガスタ)が土地の名称であること,ジョージア州オーガスタに被告経営のゴルフ場以外に「Augusta」の語を冠したゴルフ場や新聞が存在すること,日本国内及び海外に「Augusta」又は「オーガスタ」の語を含むゴルフ・トーナメント,不動産会社,飲食店,医療クリニック等が存在すること(甲1〜42)は上記認定を左右するものではない。原告が援用する判例は,被告の役務が著名でない場合にその適用が問題となりうるのであり,被告の役務が著名である以上,その適用は問題外である。
3 本件商標の指定役務と被告の業務に係る役務は,いずれもゴルフに関連する役務であるから,役務の内容,質,用途,提供の用に供する物等を共通にする関連性が高いものであって,かつ,その取引者,需要者を共通にするものと認めることができる。
4(1)前記認定によれば,「オーガスタ」及びその英語表記である「Augusta」の語は,本件商標の登録出願時及び査定時において,被告が経営するゴルフ場であるオーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブの略称として,また,被告の主催するマスターズ・トーナメントを意味するものとして,日本の取引者・需要者の間で広く認識されるに至っていたものと認められる。そして,本件商標は,全体として,「Augusta Club」という名称のゴルフに関する団体又はバーないし娯楽場(ゴルフ場)を想起させるものであって,その構成中,「Augusta」の欧文字部分が独立して着目され得るものであるところ,本件商標の指定役務と被告の業務に係る役務がいずれもゴルフに関するものであるという高い関連性及び取引者,需要者の共通性等に照らせば,商標権者が本件商標をその指定役務に使用した場合,これに接する者に,「Augusta」の文字部分から,被告が経営するオーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブを連想させ,当該役務を被告自身あるいは被告と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように,役務の出所について混同を生じさせるおそれがあるものということができる。n

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平成24(行ケ)10392 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年03月21日 知的財産高等裁判所

  「ROSEO’NEILLKEWPIE」の欧文字と「ローズオニールキューピー」の片仮名文字を2段に横書きした商標について、「キユーピー」と類似すると認めました。
 以上によれば,原告(キユーピー株式会社)は,本件商標の出願日及び登録査定日当時,我が国の食品関係の取引者及び一般消費者の間で,マヨネーズを中心とする調味料や加工食品を製造・販売するほか,飲食物の料理方法を教授する会社として著名であり,引用商標1ないし3は,当該分野における役務の提供について,原告を出所として識別させる商標として著名であったものと認められる。さらに,我が国においては,前記1ウに認定のとおり,食品製造会社がそのブランド名と同一又は類似する店舗名の飲食店を経営している例が多数見られることを併せ考えると,引用商標1ないし3は,加工食品の製造・販売及び飲食物の料理方法の教授という役務と密接に関連する「飲食物の提供」という役務においても,取引者,需要者である食品関係の取引者及び一般消費者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。このことは,前記1オに認定のとおり,本件商標が飲食店の名前として使われた場合に多くの者が原告又は原告の主要商品を製造する会社を想起したとのアンケート調査の結果によっても裏付けられる。そして,本件商標の指定役務は,前記第2の1に記載のとおり,第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」であるところ,本件商標がこれらのうち「飲食物の提供」に使用される場合,「KEWPIE/キューピー」の部分は,上記のとおり,取引者,需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える引用商標1ないし3と称呼及び観念が同一のものであるから,当該部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものというべきである。カ 他方,キューピーのキャラクターは,前記1に認定のとおり,その創作後から高い人気を博しており,原告及び被告を含む複数の企業が広告や商品販売等に使用し続けるなどしてきたものであるところ,引用商標1ないし7は,本件商標の指定役務のうち「飲食物の提供」を除く各役務については,取引者,需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるという事情を認めるに足りる証拠はない。また,本件商標のうち「ROSEO’NEILL/ローズオニール」の部分は,本件商標の構成の半分以上を占めるものであって,「KEWPIE/キューピー」の部分に密接に関連する一般的ないし普遍的な文字であると直ちにいうこともできないから,出所識別標識としての称呼,観念が生じないとまでは認められない。\n
キ よって,本件商標は,それが指定役務のうち「飲食物の提供」に使用される場合には,本件商標のうち「KEWPIE/キューピー」の部分だけを他の商標と比較することで類否を判断することができるものというべきであり,この場合,「キューピー」との称呼及びキューピーのキャラクターとの観念を生じるが,上記のような場合でない限り,原則として,その全体をもって他の商標との類否を判断する必要があり,この場合,「ローズオニールキューピー」との称呼及び「ローズ・オニール(という女性)のキューピー」との観念を生じるものというべきである。
・・・・
また,本件全証拠によっても,本件商標の指定役務のうち「飲食物の提供」以外の役務に係る取引に当たり,取引者,需要者が,「ROSEO’NEILL/ローズオニール」との部分が付加された本件商標と,「キューピー」との称呼及び観念が生じる引用商標とで出所について混同を生じる実情があるとは認められない。よって,本件商標は,指定役務のうち「飲食物の提供」以外の役務に使用する場合,引用商標1ないし7とは非類似の商標であるといえる。
・・・・
原告は,本件商標が冗長であり,我が国において広く認識されている3語の名称を結合させたものであるばかりか,本件商標がキャラクターの「キューピー」等と無関係に使用されることがなく,また,訴外会社が本件商標のうち「KEWPIE/キューピー」の部分を強調して使用しているから,当該部分が強い印象を与えることが多々あるほか,アンケート調査の結果がこれを裏付けているとして,本件商標のうち「KEWPIE/キューピー」の部分のみを引用商標1ないし7と比較すべきであると主張する。しかしながら,キャラクターの「キューピー」が我が国で周知である以上,訴外会社が「Rose O’Neill Kwepie」とのロゴの入った商品を販売するに当たり,「Kewpie」の部分を強調したロゴを使用することは,それ自体何ら不自然ではない。また,上記アンケート調査は,前記1オに認定のとおり,専ら本件商標が飲食店の名前として使われた場合を想定しているにとどまるから,「飲食物の提供」以外の役務において「KEWPIE/キューピー」の部分が取引者,需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えることを直ちに裏付けるものではない。
・・・・
被告は,本件商標について行われたアンケート調査の結果に証拠能力がなく,また,当該結果からは,「飲食物の提供」という役務において本件商標から「キューピー」の称呼及び観念が生じるとはいえないと主張する。しかしながら,上記アンケート調査の結果は,「飲食物の提供」という役務において本件商標がどのような印象を与えるかを調査したものであって,審判に提出されていないからといって直ちに証拠能\力が否定されるものではないし,前記1オに認定の調査結果に照らせば,「飲食物の提供」という役務に関する限り,「キューピー」との名称が取引者,需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えることを裏付けるに足りるものというべきである。

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◆関連事件はこちらです。平成24(行ケ)10394

◆関連事件はこちらです。平成24(行ケ)10393

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平成24(行ケ)10338 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年03月25日 知的財産高等裁判所

 「Monolith Tower」と「Monolith」は非類似とした審決が維持されました。
 本件商標のうち「タワー」の部分は,本件における商標登録の無効審判請求の対象とされている指定役務「宿泊施設の提供,飲食物の提供,会議・集会のための施設の提供」との関係では,直接的な意味を有するものでない。また,「モノリス」及び「Monolith」の部分が,取引者,需要者にとって,出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる証拠もない。さらに,片仮名の「モノリスタワー」は,同じ大きさ及び同じ間隔で,標準文字により表記されていること,「モノリスタワー」や「Monolith Tower」の称呼は「モノリスタワー」と6音で短いことからすると,取引者や需要者は,本件商標における「モノリスタワー」や「Monolith Tower」を一連一体のものと認識するといえる。そうすると,本件商標が上記指定役務に使用された場合,その出所識別機能を有する部分は,「モノリス」及び「Monolith」のみに限られるものではなく,「タワー」及び「Tower」の部分を含めた全体であるというべきである。以上によると,本件商標と引用商標との類否の判断をするに当たっては,「モノリスタワー」及び「Monolith Tower」のそれぞれと引用商標とを対比すべきである。「モノリスタワー」及び「Monolith Tower」のそれぞれと引用商標とを対比すると,上記のとおり,外観,表したものと認識するものといえる。したがって,被告標章は,「na」,本件図形1,称呼,観念のいずれにおいても相違し,本件商標は,引用商標とは類似しない。したがって,本件商標は商標法4条1項11号に該当しない。
(2) 原告の主張に対して原告は,一般に,「親しまれた語」と「親しまれていない語」との組合せからなる商標においては,「親しまれた語」は自他役務の識別力がないか極めて弱いが,「親しまれていない語」は需要者の注意を引き,役務の出所表示として,強く機能\するとして,本件商標のうち需要者の注意を引く部分は,「モノリス」及び「Monolith」の部分のみであると主張する。しかし,結合商標等を構成する部分が「親しまれた語」であったとしても,指定商品又は指定役務の品質(質)や用途等との関連性を欠く場合には,「親しまれた語」は,格別,自他役務等の識別力がないか又は極めて弱いとはいえない。したがって,原告の主張は,主張自体失当である。\n

◆判決本文

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平成24(行ケ)10273 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年02月06日 知的財産高等裁判所

 被告による「数検」の使用が公序良俗に反する(商4条1項7号)かが争われました。裁判所は無効理由ありとした審決を取り消しました。
 ア 上記(1) 認定の事実によれば,本件商標又はこれに類似する標章は,被告が財団法人として認可を受ける前にも,任意団体である日本数学検定協会の数学検定試験に使用されており,財団法人(被告)の設立年度には受検者数が約9万4000人(団体受験校2500校)に達していたこと,被告の設立後,被告の実用数学検定試験の受検者数が大幅に増加し,本件商標もより広く知られるようになったが,原告は,平成22年1月21日に退任するまで被告の理事(理事長)であったこと,原告と被告とは,平成11年,平成21年及び平成23年に商標のパテント料に関する契約を締結し,被告が原告に対し,パテント料の支払(本件商標登録前の分も含む。)を行ったこと,原告が被告の理事を退任した後も,被告が,合意書や誓約書において,原告が本件商標権を有することを前提としていることが認められる。すなわち,本件商標は,当初,原告によって使用されており,被告の設立後,被告によって使用されるようになったが,被告は,上記誓約書を作成した平成23年4月ころまでは原告が本件商標権を有することを前提としており,その後,被告が本件商標権を取得したとか,被告に対し本件商標に関する専用使用権が設定されたとの事実は認められない。上記の事情からすると,被告の設立後,本件商標の周知著名性が高まった事実があるとしても,本件商標が被告によって使用されるべき性格の商標になったということはできない。
 イ また,上記(1) 認定の事実によれば,本件商標権のパテント料支払に関する契約の有効性等につき原告と被告との間に見解の相違があること,本件商標に係るパテント料支払について文部科学省から改善を要する事項について通知を受けたこと,実用数学技能検定事業に関し,原告と被告とが同時期に同様な検定を実施したことから受検者等に混乱が生じた経緯があることが認められる。しかし,上記のような当事者間の民事上の紛争や受検生等の混乱は,もっぱら当事者間の反目や当事者による本件商標の使用態様その他の行動に起因して発生したものというべきであり,本件商標登録によって生じたとは認められない。そうすると,仮に,被告の実用数学技能\\検定事業が何らかの公的性格を有するとしても,民事上の紛争等が発生していることを根拠として,本件商標が被告によって使用されるべき性格の商標になったとか,社会通念に照らして著しく妥当性を欠き,公益を害するようになったということはできない。加えて,本件商標の構成自体も社会的妥当性を欠くとはいえない。したがって,本件商標登録が,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると認めることはできない。\n

◆判決本文

◆こちらは関連事件です。平成24(行ケ)10274

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平成24(行ケ)10334 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年01月31日 知的財産高等裁判所

 商標法4条1項11号違反に該当せずとした審決が取り消されました。
 本件商標は,片方を尖らせた楕円様の青色の輪郭線を左右に2つずつバランスよく組み合わせ,その内の3つに若草色を施した構成からなる図形部分(本件図形部分)の右側に接着して,本件図形部分の下半分を占める高さで,「eams」との欧文字を青色の筆記体で横書きして配置した構\成からなるものである。  イ 本件商標のうち,本件図形部分は,それ自体に着目した場合,これが文字であるとは直ちにいえず,例えば単に植物の葉を図案化したものとみることも可能である。したがって,このように本件図形部分を植物の葉等の何らかの物体を図案化したものと把握した場合,本件商標からは,文字部分に対応する「イームス」又は「イーエーエムエス」との称呼が生じるほか,当該文字部分に対応する英語又は日本語は,直ちに想起し難いから,特定の観念が生じないとみる余地も,ないではない。しかしながら,英語では固有名詞を書き表\す際などに頭文字のみを大文字で書く場合があることは,我が国でも周知であるところ,本件商標の上記文字部分は,いずれも欧文字の小文字で書かれており,本件図形部分の下半分を占める高さで本件図形部分に接着して配置されている。しかも,本件図形部分は,上記文字部分と接着する右側部分が,主に片方をとがらせた2つの楕円様の青色の輪郭線で構成され,その左側部分よりも大きく描かれ,かつ,左側部分とはわずかに離れて配置されているばかりか,本件図形部分の輪郭線及び当該文字部分は,いずれも同じ青色で構\成されている。以上のような本件図形部分と文字部分(「eams」)との配置関係や本件図形部分の構成及び配色に照らすと,本件図形部分は,当該文字部分と一連一体となって,「Beams」という「梁」又は「光線」を意味するものとして我が国でも周知の英単語を書き表\すために,欧文字の大文字である「B」を筆記体ふうに図案化したものであるとみることができる。したがって,このように本件図形部分を欧文字の大文字である「B」を図案化したものと把握した場合,本件商標からは,「ビームス」との称呼が生じるほか,その英語の意味に従い,「梁」又は「光線」との観念が想起されるというべきである。  ウ 以上によれば,本件商標からは,「イームス」又は「イーエーエムエス」との称呼が生じ,特定の観念が生じないとみる余地もあるが,同時に,「ビームス」との称呼が生じ,「梁」又は「光線」との観念が想起されるものと認められる。

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平成24(行ケ)10293 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年01月15日 知的財産高等裁判所

 類似および混同判断について、一連称呼した審決の判断が維持されました。
本件商標は,「Deep Sea Driver」の欧文字を上段に,これより若干小さな「ディープシードライバー」の片仮名文字を下段に,それぞれ横書きで配したものであり,上段の「Deep Sea Driver」部分は,「Deep」,「Sea」及び「Driver」のそれぞれの間に,半角文字分の間隔が空けられている。ここで,下段の「ディープシードライバー」部分が上段の「Deep Sea Driver」部分の日本語表記であることは,その音に照らして明らかであるところ,「Deep Sea Driver」部分と「ディープシードライバー」部分のそれぞれが,普通にある字体で同じ大きさの文字により表記されていること,上段の「Deep Sea Driver」部分については,「Deep」と「Sea」,「Sea」と「Driver」との間に間隔が設けられているものの,2つの間隔は共に英単語を区切るスペース程度のものであって,「Deep Sea」と「Driver」に分けて観察される態様とはなっておらず,全体としてまとまり良く配されていること,また,各英単語は共通して日本人にもなじんでいるもので,特定の単語が特別の印象を持つものでないこと,そして,下段に並記された「ディープシードライバー」部分は全体が一体として表記されていることからすると,本件商標に接した需要者は,少なくとも「Deep Sea Driver」部分と「ディープシードライバー」部分をそれぞれに一体として認識するものと認められる。また,本件商標からは「ディープシードライバー」の称呼を生じるが,この程度であれば冗長であるとはいえず,一気に発音し得るものである。さらに,「Deep」,「Sea」及び「Driver」のそれぞれの部分からは,「深い」,「海」,「運転者」等の観念が生じ得るが,いずれも日本人にもなじみのある一般的な名詞又は形容詞であって,いずれかの部分が需要者に特に強い印象を与えるものではないし,その中の単語が格別に指定商品との関係で識別力の強弱を有するものでもない。なお,原告が主張するように,「Deep Sea」部分から「深海」,「Driver」部分から「運転者」の観念が生じ得るとした場合であっても,これらはいずれも一般的な語にすぎないから,「Deep Sea」部分のみが需要者に強い印象を与えるものとはいえないし,「Driver」部分を除外して識別力を生じるということもできない。以上検討したところを総合すると,本件商標は,少なくとも「Deep SeaDriver」部分及び「ディープシードライバー」部分がそれぞれに一体のものとして認識されるというべきであるから,それらの部分をそれぞれ全体として他の商標と対比すべきであり,その一部である「Deep Sea」あるいは「ディープシー」部分のみを抽出して要部となし,これを他の商標と対比するのは相当でない。
・・・
取消事由2に関する原告の主張は,本件商標と「ROLEX DEEPSEA」の欧文字からなる先願商標の双方について,「ディープシー」の称呼が生じることから,両商標は類似するというものである。しかしながら,取消事由1で説示したとおり,本件商標からは「ディープシードライバー」の称呼が生じるのであって,本件商標の一部を抽出して,そこから「ディープシー」の称呼が生じるとするのは相当でない。したがって,先願商標から「ディープシー」の称呼が生じるかどうかについて検討するまでもなく,両者が「ディープシー」の称呼において類似する旨の原告の主張は理由がない。3 取消事由3(法4条1項15号に関する判断の当否)について証拠(甲7,8,10〜69,71〜121)によれば,審決認定のとおり,本件商標の出願前において,原告使用商標のいずれか,すなわち,「OYSTER PERPETUAL SEA DWELLER DEEPSEA」,「オイスター パーペチュアル シードゥエラー ディープシー」,「SEA−DWELLER DEEPSEA」又は「シードゥエラー ディープシー」が付された,原告の製造又は販売する商品「腕時計」が,多数の雑誌又は新聞の記事で紹介され,あるいは広告として掲載された事実が認められる。他方で,「ディープシー」の語のみによって原告の腕時計が紹介された記事は,甲9,70のわずか2つにすぎない。そのほかに,記事中で「ディープシー」の語が単体で使用されている証拠として,甲26,36,53,61,62,65,66,80が挙げられるが,これらについては,高級時計を紹介するに際して「ディープシー」あるいは「DEEPSEA」の語を含む原告使用商標を商品名として記載した上で,説明記事中で「ディープシー」の語が使用されるにとどまる。さらに,上記の証拠(甲7,8,10〜69,71〜121)によれば,原告使用商標は,全体として同じ字体,同じ大きさの文字で表記され,「DEEPSEA」及び「ディープシー」部分を強調する態様にはなっていないことが認められる。このように,大多数の記事や広告において,原告の腕時計の商品名としては,複数の語の組み合わせからなる原告使用商標が記載されているだけであり,「DEEPSEA」及び「ディープシー」の標章単体で説明されているのは一部だけであるし,商品名についてみても,原告使用商標のうち「DEEPSEA」及び「ディープシー」部分が特に強調される態様にはなっていないのであるから,単体としての「DEEPSEA」又は「ディープシー」標章が,原告の商品に係る商標として需要者に広く認識されていたとは認められない。この点について,原告は,原告使用商標のうち,「DEEPSEA」及び「ディープシー」以外の部分は従来から原告製の製品に使用されていたことから,需要者の注意を惹くのはもっぱら「DEEPSEA」及び「ディープシー」部分であるなどと主張する。しかしながら,原告使用商標が付された腕時計が,1220メートルの深さの潜水に対応可能\な腕時計の後継機であるとする原告の主張に照らすと,当該商品との関係からして,潜水に関係する「深海」を意味し,日本人にとってもこの意味を容易に理解する「DEEPSEA」及び「ディープシー」部分の識別力は,原告使用商標に含まれる他の語との対比において低いというべきであり,この部分のみが原告使用商標の要部として需要者の注意を惹くとする原告の主張は採用することができない。また,原告は,原告使用商標は冗長であるから,「DEEPSEA」及び「ディープシー」部分が要部と認識されるなどと主張する。しかしながら,上記説示のとおり,「DEEPSEA」及び「ディープシー」部分は,原告使用商標が付された商品との関係で識別力が低いというべきであるから,たとえ原告使用商標の称呼が冗長であるとしても,このうち「DEEPSEA」及び「ディープシー」部分のみが,原告の商品を表示する商標として需要者に広く認識されていたとは認められず,原告の上記主張も採用することができない。以上のとおり,「DEEPSEA」及び「ディープシー」が原告の業務に係る商品を表\示する商標として需要者に広く認識されていたとは認められないから,「DEEPSEA」及び「ディープシー」が需要者に広く認識されていたことを前提とする取消事由3も理由がない。

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平成24(行ケ)10267 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年12月19日 知的財産高等裁判所

 公序良俗違反(商標法4条1項7号)とした審決が維持されました。
本件商標は,「シャンパンタワー」なる商標であるところ,そのうち「シャンパン」の語が,上記のとおり,「フランスのシャンパーニュ地方で作られる発泡性ぶどう酒」を意味するものとして,周知著名であり,当該表示には多大な顧客吸引力が備わっていることに照らすと,本件商標からは,「シャンパンタワー」のみならず「シャンパン」という称呼及び観念も生ずるということができる。(3) そして,フランスの法律に基づいて設立された被告は,INAOとともに,「シャンパン」表示が有する上記のような周知著名性や信頼性を損なわないよう,シャンパーニュ地方のぶどう生産者やぶどう酒製造業者を厳格に管理・統制し,厳格な品質管理・品質統制を行ってきた。このような,被告を始めとするシャンパーニュ地方のぶどう生産者やぶどう酒製造業者らの努力により,「シャンパン」表\示の周知著名性が蓄積・維持され,それに伴って高い名声,信用,評判が形成されているものであり,「シャンパン」という表示は,シャンパーニュ地方のみならず,フランス及びフランス国民の文化的所産というべきものになっている。そして,前記1(4)に掲記の証拠によれば,「シャンパン」という表示は,我が国においても,ぶどう酒という商品分野に限られることなく一般消費者に対しても高い顧客吸引力が化体するに至っていることが認められる。
(4) 以上のような,本件商標の文字の構成,指定役務の内容並びに本件商標のうちの「シャンパン」の表\示がフランスにおいて有する意義や重要性及び我が国における周知著名性等を総合考慮すると,本件商標を飲食物の提供等,発泡性ぶどう酒という飲食物に関連する本件指定役務に使用することは,フランスのシャンパーニュ地方における酒類製造業者の利益を代表する被告のみならず,法律により「CHAMPAGNE」の名声,信用,評判を保護してきたフランス国民の国民感情を害し,我が国とフランスの友好関係にも影響を及ぼしかねないものであり,国際信義に反するものといわざるを得ない。よって,本件商標は,商標法4条1項7号に該当するというべきである。\n

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平成24(行ケ)10253 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年12月26日 知的財産高等裁判所

 周知(商標法4条1項10号)違反とは認められないとした審決が取り消されました。
 前記認定事実によれば,カレンダーの製造・販売業界においては,販売代理店がカレンダーの流通に当たって重要な役割を果たしているから,カレンダーについては,販売代理店が第一次的な取引者又は需要者であるといえるところ,原告は,平成11年4月頃から,「カラーラインメモ」の片仮名を標準文字で表してなる使用商標について,自社の製造・販売に係るカレンダー(原告カレンダー)の名称として自社商品のカタログに記載して販売代理店に対する頒布という形で使用を開始し,本件商標出願時(平成22年8月2日)及び登録査定時(同年11月1日)に至る約11年間にわたって,原告カレンダーの販売に当たり,毎年使用商標を自社商品のカタログに記載し,販売代理店に対する請求書にも原告カレンダーを意味するものとして使用商標を記載してきたものである。また,原告が上記カタログを頒布し,原告カレンダーを販売した販売代理店は,全国に所在しており,その数も毎年数百箇所に及んでいるばかりか,販売代理店に頒布された当該カタログの数は,毎年おおむね4万冊前後であり,販売代理店に販売された原告カレンダーの数も,平成13年に25万6448部であったものがその後順調に増加を続け,本件商標出願時及び登録査定時の属する平成22年には,合計115万7090部という大部数に及んでいるのであって,これは,全国連合会に所属する会社の中で最大規模である原告が販売する全カレンダー(合計283種類)の中でも,売上げ部数が5番目に多いものであるから,かなりの数量であるといえる。しかも,「カラーラインメモ」との語は,英語の「カラー(色,色彩)」,「ライン(線)」及び「メモ(書き付け,備忘)」を複合した造語であって,カレンダーの名称として使用された場合,強いていえば「色彩」,「線又は線による区切り」及び「メモ余白の存在」を想像させるが,それ以上に特定の観念又はカレンダーとしての構\成を想像させるものではなく,一定の特異性が認められるものであるところ,原告が,平成12年(平成13年版)以降,一貫しておおむね類似した構成の意匠を備えたカレンダー(原告カレンダー)の名称として「カラーラインメモ」との語を使用しており,かつ,「カラーラインメモ」との名称をカレンダー又はこれに類似する商品に付して販売した者が,平成22年まで,原告以外には存在しなかったことは,前記認定のとおりである。
 以上の事情を総合すると,使用商標(「カラーラインメモ」)は,本件商標出願時及び登録査定時において,原告が製造・販売する特定の商品(原告カレンダー)を表示するものとして,全国に所在する多数の販売代理店の間に広く認識されており,原告カレンダーの販売期間,販売数量及び原告以外に「カラーラインメモ」との名称をカレンダー等に使用した者が存在しなかったことなどに照らすと,当該販売代理店を通じてカレンダーを入手する全国の最終消費者の間においても,特定の業者が製造・販売する特定の商品(原告カレンダー)を表\示するものとして広く認識されていたものと認めるのが相当である。

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平成24(行ケ)10143 商標登録取消決定取消請求事件  商標権 行政訴訟 平成24年11月29日 知的財産高等裁判所

 「ECO MINI」が「MINI」から混同を生ずるとして拒絶した審決が維持されました。
 前記1で認定したとおり,引用商標(「MINI」)は,少なくとも自動車に使用された場合,需要者において,BMWの業務に係る本件自動車を表示するものとして,広く認識されている。
エ 類否の判断
引用商標は,需要者の間で,本件自動車及びその出所を表すものとして広く認識されているということができるから,「MINI」の文字からなる標章が自動車に使用された場合には,需要者は,本件自動車及びその出所を認識すると認められる。本件商標は,「ECO」部分と「MINI」部分とに分断して看取することもできるところ,本件商標を指定商品である自動車に使用した場合には,「ECO」部分からは「環境に優しい,環境に配慮した自動車」との観念が生じるにすぎず,「ECO」部分の自他識別力は弱い。そうすると,上記のような「MINI」の文字からなる標章に,自他識別力の弱い「ECO」部分を結合させた本件商標を自動車に使用した場合,これに接した需要者は,本件商標中の「MINI」部分から,本件自動車及びその出所を想起し得ると認められる。以上に加え,原告は,これまで約40年間,本件自動車やその部品・付属品の販売等を行ってきたことも考慮すると(乙4),原告が本件商標を指定商品である自動車に使用した場合には,これに接した需要者が,BMWの業務に係る本件自動車であると誤認し,その出所につき混同を生じるおそれがあると認められる。よって,本件商標は引用商標に類似する商標であるといえる。
(2) 原告の主張に対して
原告は,これまでに,日本国内において,「自動車」を指定商品とする「MINI」又は「ミニ」の文字を含む商標は,90件以上登録されており,それは,それらの商標が引用商標と「MINI」又は「ミニ」の語を共通にするとしても,他の語句との結合により,引用商標とは区別することができるからであると主張する。しかし,他に「MINI」又は「ミニ」の語を含む商標が登録されている例があることをもって,本件商標が引用商標と類似しないということはできない。
(3) 小括
以上のとおり,本件商標は,引用商標と類似する。そして,引用商標は,BMWの業務に係る自動車を表示するものとして,需要者に広く認識されているところ,本件商標の指定商品は「自動車並びにその部品および付属品」であり,引用商標が使用されている商品である「自動車」と同一又は類似する。したがって,本件商標は商標法4条1項10号に該当する。\n

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平成24(行ケ)10069 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年11月15日 知的財産高等裁判所

  商標「漢検」について、後発的に公序良俗違反とした審決が維持されました。原告(商標権者)が元々、「漢検」を開催していました。
 商標法4条1項7号は,「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」について,不登録事由としているところ,「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」とは,当該商標の構成に,非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字,図形等を含む場合のほか,そうでない場合であっても,当該商標を指定商品又は指定役務について使用することが,法律によって禁止されていたり,社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳的観念に反していたり,特定の国若しくはその国民を侮辱したり,国際信義に反することになるなど特段の事情が存在するときには,当該商標は同法4条1項7号に該当すると解すべき余地がある。そして,商標法46条1項5号は,商標登録がされた後,当該登録商標が同法4条1項7号に掲げる商標に該当するものとなったことを登録無効事由として規定しているところ,商標登録後であっても,当該商標を指定商品又は指定役務について使用することが,社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳的観念に反するなどの特段の事情が生じた場合には,当該商標は同法4条1項7号に該当すると解すべき余地があるといえる。
・・・
上記認定事実によれば,「日本漢字能力検定」は,もともと原告によって創設され,その内部機関である旧協会によって実施されていたものであるが,原告の代表\取締役であったD自身が設立代表者となって,公益法人である被告が設立され,その後,被告が「日本漢字能\力検定」の実施の主体となったこと,「日本漢字能力検定」は,被告設立と共に,文部省(現・文部科学省)の認定(民間技能\審査事業認定制度廃止後は後援)を受け,公的資格と見なされるようになったことなどから,志願者数が急増し,平成5年度には約24万人,平成9年度には約106万人,平成14年度には約204万人,平成20年度には約289万人に達し,我が国有数の検定試験になったことが認められる。また,「日本漢字能力検定」の志願者が増加するのに伴い,被告の名称の一部である「日本漢字能\力検定協会」や,「日本漢字能力検定」の略称である「漢検」は,被告ないし被告の提供する役務を表\すものとして,社会一般に広く知れ渡っているものと認められる。他方,原告は,被告設立後,「日本漢字能力検定」の主体ではなくなっていたにもかかわらず,平成12年ころまで,被告の名称や「日本漢字能\力検定」に係わる商標を出願し,その後も,被告名義で出願した商標(本件商標を含む。)について出願人名義を原告に変更するなどして,商標権者となっていたことが認められる(なお,平成18年ころまで,原告の内部組織である振興会が,小学校1年ないし3年生を対象とした漢字能力検定の主催者とされていたことは認められるものの,乙1,3【6,7頁】,11によれば,実際に上記検定に係る業務を行っていたのは被告の職員であり,振興会は名目上の主催者にすぎなかったものといえる。)。上記のとおり,被告は,文部大臣(当時)による許可を受けて設立された公益法人であり,文部省(現・文部科学省)の認定ないし後援を受けて「日本漢字能\力検定」を実施していたのであるから,これに係わる商標の登録出願も自ら行うべきものであったといえる。にもかかわらず,当時原告の代表取締役であり,被告の理事長でもあったDは,被告理事会の承認等を得ることなく,本件商標を含む,被告の名称ないし「日本漢字能\力検定」に係わる商標を,原告名義で出願したり,出願人名義を被告から原告に変更するなどしていたものであって,そのこと自体,著しく妥当性を欠き,社会公共の利益を害すると評価する余地もある(この点,原告は,被告の資産が乏しかったため,原告名義で上記商標登録出願をしたと主張するが,上記のとおり,被告設立当時,既に「日本漢字能力検定」は相当数の受検者がおり,受検料等による収入が見込まれていたこと,Dは,被告設立直後のみならず,平成12年ころまで,被告の名称ないし「日本漢字能\力検定」に係わる商標を原告名義で出願し続けていたことなどからすれば,上記主張は採用することができない。また,被告の名称や「日本漢字能力検定」に係わる商標権自体が,相当な財産的価値を有するものといえるから,原告が被告に対して無償の商標使用を許諾していたことや,商標権の取得・維持費用を負担していたことがあるとしても,そのことをもって,上記行為を正当化することはできない。)。このような経緯に加えて,Dは,被告に対して文部科学省による行政指導がなされ,新聞報道等で被告と原告関連4社との利益相反取引等が糾弾され,Eと共に背任罪で起訴された上,被告から多額の損害賠償請求訴訟が提起された後,本件商標の登録名義を原告からAらに移転したり,被告に対して被告の名称や「日本漢字能\力検定」に係わる商標等の使用差止請求訴訟を提起したりするに至ったものである。さらに,DないしEは,本件商標等について,権利の取得・維持の実費相当額での被告への譲渡を拒み,これらを原告自ら使用する可能性に言及するなどしている。上記事情に照らすと,原告の前代表\取締役D及び現代表取締役Eは,商標権者等の業務上の信用の維持や需要者の利益保護という商標法の目的に反して,自らの保身を図るため,原告が有する被告の名称ないし「日本漢字能\力検定」に係わる商標を利用しているにすぎず,原告が,本件商標を指定役務について使用することは,被告による「日本漢字能力検定」の実施及びその受検者に対し,混乱を生じさせるものであり,社会通念に照らして著しく妥当性を欠き,社会公共の利益を害するというべきである。\n

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◆関連事件です。平成24(行ケ)10064

 

◆平成24(行ケ)10070

◆平成24(行ケ)10068

◆平成24(行ケ)10067

◆平成24(行ケ)10066

◆平成24(行ケ)10065

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平成24(行ケ)10258 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年11月21日 知的財産高等裁判所

 商標「モンテローザ」について公序良俗違反なしとした審決が維持されました。
 原告は,本件商標は外国の著名な地名であるモンテローザ高峰や外国の著名な商標である「Monte Rosa」の信用,名声,顧客吸引力等にフリーライドしたものであり,このような商標の登録を認めることは,国際信義に反するものであると主張するので,以下検討する。ア モンテローザ高峰の周知,著名性について前記1(2)のとおり,モンテローザ高峰は,アルプス山脈第2の高峰であり,マッターホルン,リンプィッシュホルン,アルプフーベル,ドームなどを含めてモンテ・ローザ山群と呼ばれることがあるものであるから,アルプス山脈のあるスイスやイタリアにおいては,周知,著名な地名であるということができる。しかしながら,本件商標について登録査定がされた平成7年頃までの日本国内においては,モンテローザ高峰については,本件証拠上,百科事典における記載や,大正15年あるいは昭和13年に発行された新聞記事での記載,スイスやイタリアを紹介した旅行用の書籍中での記載,昭和41年に公開された映画の舞台の一部として使用されたことなどが確認されるにとどまるから,スイスやイタリアを訪れる日本人旅行者には知られている地名であったとしても,広く一般の需要者にも知られていたと認めることはできない。
 イ 「Monte Rosa」ホテルの周知,著名性について 前記1(3)で認定したとおり,ツェルマットの「Monte Rosa」ホテルやキアヴァリの「Monte Rosa」ホテルは,いずれも創業から数十年以上の長い歴史を有するものであるから,「Monte Rosa」の語は,本件商標の登録出願当時,少なくともスイスやイタリアでは,ホテルの名称として,周知,著名であったといえる。また,日本国内においても,昭和55年当時,ツェルマットの「Monte Rosa」ホテルは,日本から電話で宿泊等の予約をすることができるホテルとして旅行雑誌に紹介されていたのであるから,海外への旅行者には同ホテルを知る者があったということはできる。しかしながら,上記旅行雑誌の記載のほかに,本件証拠上,本件商標の登録出願時やその登録査定時において,「Monte Rosa」ホテルの名称が日本国内で紹介,宣伝等されていたことをうかがわせる事情は見当たらないから,その当時,これらのホテルの名称が日本国内において周知,著名であったと認めることはできない。
 ウ 以上のとおり,本件商標の登録出願や登録査定の当時,日本国内において,モンテローザ高峰や「Monte Rosa」ホテルの名称は,いずれも周知,著名なものであったということはできない。そうすると,仮に,被告がモンテローザ高峰や「Monte Rosa」ホテルの名称に依拠して本件商標を構成し,これを登録出願したものであったとしても,これらの名称が日本国内において周知,著名であったとはいえない以上,被告が,これらの名称の有している信用,名声,顧客吸引力等にフリーライドしたものとはいえないし,また,本件全証拠によっても,本件商標の出願経緯等に不正の利益を得る目的その他不正の目的があるなど社会通念に照らして著しく社会的相当性を欠くものがあったとも認められない。\n

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◆関連事件です。平成24(行ケ)10257
 

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平成24(行ケ)10222 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年11月07日 知的財産高等裁判所

 公序良俗違反とした審決が取り消されました。
 前記2(1)アに認定したところによれば,本願商標は,その構成自体がきょう激な文字や卑わいな図形等である場合に該当するものとはいえないところ,本件審決は,本願商標は社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反するものであると判断しているので,以下においては,本願商標を本件指定商品について使用することが社会公共の利益に反し,又は社会の一般的道徳観念に反するものといえるかどうかについて検討する。(1) まず,前記2(1)アのとおり,本願商標は,「北斎」との筆書風の漢字と,葛飾北斎が用いた落款と同様の形状をした本件図形からなるところ,前記2(4)に認定した審判段階における原告の主張からすると,本願商標が商標登録された場合において,原告が本件指定商品について本願商標に基づき主張することができる禁止権の範囲は,「北斎」との筆書風の漢字と本件図形からなる構成に限定されると考えられることから,例えば,「北斎」との漢字文字のみからなる商標について,これが本願商標の禁止権の範囲に含まれるなどと主張することは,信義誠実の原則に反し許されないといわなければならない。(2) また,前記2(2)のとおり,葛飾北斎の出身地である東京都墨田区や国内各地のゆかりの地においては,当該地域のまちづくりや観光振興のシンボルとして,同人の名を用いた施設の整備や催し物の開催等が行われているところであって,「北斎」の名称は,それぞれの地域における公益的事業の遂行と密接な関係を有している。したがって,原告が本願商標の商標登録を取得し,本件指定商品について,本願商標を独占的に使用する結果となることは,上記のような各地域における公益的事業において,土産物等の販売について支障を生ずる懸念がないとはいえない。しかしながら,前記(1)のとおり,原告が本件指定商品について本願商標に基づき主張することができる禁止権の範囲は,「北斎」との筆書風の漢字と本件図形からなる構成に限定されると考えられることからすれば,当該公益的事業の遂行に生じ得る支障も限定的なものにとどまるというべきである。(3) さらに,前記2(2)のとおり,葛飾北斎は,日本国内外で周知,著名な歴史上の人物であるところ,周知,著名な歴史上の人物名からなる商標について,特定の者が登録出願したような場合に,その出願経緯等の事情いかんによっては,何らかの不正の目的があるなど社会通念に照らして著しく社会的相当性を欠くものがあるため,当該商標の使用が社会公共の利益に反し,又は社会の一般的道徳観念に反する場合が存在しないわけではない。しかしながら,原告による本願商標の出願について,上記のような公益的事業の遂行を阻害する目的など,何らかの不正の目的があるものと認めるに足りる証拠はないし,その他,本件全証拠によっても,出願経緯等に社会通念に照らして著しく社会的相当性を欠くものがあるとも認められない。
(4) 以上のとおり,本願商標の商標登録によって公益的事業の遂行に生じ得る影響は限定的であり,また,本願商標の出願について,原告に不正の目的があるとはいえず,その他,出願経緯等に社会通念に照らして著しく社会的相当性を欠くものがあるとも認められない本件においては,原告が葛飾北斎と何ら関係を有しない者であったとしても,原告が本件指定商品について本願商標を使用することが,社会公共の利益に反し,又は社会の一般的道徳観念に反するものとまでいうことはできない。

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平成23(行ケ)10326 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年11月15日 知的財産高等裁判所 

 アディダスの3本線の商標について、細長い4本の台形様ストライプは出所混同を生ずるとして、無効理由無しとした審決が取り消されました。
 上記(2)イに認定した事実によれば,運動靴の甲の両側面(靴底とアイレットステイを結ぶ位置)にサイドラインとして付されたスリーストライプス商標(細部のデザインの相違を捨象した3本線を基調とする商標)は,スリーストライプという語が需要者の間に用語として定着していたかはともかく,本件商標の登録出願時である平成17年5月25日及び登録査定時である同年10月28日において,我が国において運動靴の取引者,需要者に,3本線商標ないしスリーストライプス商標といえばアディダス商品を想起するに至る程度に,アディダスの運動靴を表示するものとして著名であったものと認められる。スリーストライプス商標の具体的な構\成には,使用時期や製品によって,ストライプの長短,幅,間隔,傾斜角度,輪郭線の形状等,細部のデザインが異なる様々なものが存在するが,これら細部の相違は,スリーストライプス商標の基本的な構成である3本のストライプが与える印象と比較して,看者に異なった印象を与えるほどのものではないというべきである。イ 本件商標は,上記(2)アのとおり,細長い4本の台形様ストライプからなるものであるが,その指定商品「履物,運動用特殊靴」に属する運動靴においては,同ウに認定したとおり,靴の甲の側面に商標を付す表示態様が多く採用され,そのような態様で付された場合,商標の上下両端部における構\成が視認しにくく,また,4本線の部分とそれらの間に存在する3つの空白部分につき,4本線か3本線かが紛れる場合が見受けられるのであり,その場合,参考図(別紙記載11a,b)のような構成のものと区別することが困難であるともいえる。そして,4本線商標とスリーストライプス商標との相異の程度について,別の角度から検討すると,本件商標の構\成と同様に4本の長短のある台形様図形をやや傾けて互いに平行に等間隔で配置してなる4本線商標(引用商標1,2の図形部分に似た白色の4本線のもの1件,黒色の4本線のもの3件)の事例について,特許庁において,アディダスの業務に係る商品と出所混同を生ずるおそれがあり,商標法4条1項15号に該当するとの認定がなされ,登録無効審決又は登録取消決定が確定していることが認められる(甲93の1,2,甲94,122〜127)。そうすると,運動靴の甲の側面に付された本件商標に接した取引者,需要者は,本件商標の上下両端部における構成が視認しにくい場合や,本件商標から,4本の細長いストライプではなく,それらの間に存在する空白部分を3本のストライプと認識する場合などがあり,これらのことから,3本のストライプから著名なアディダスのスリーストライプス商標を想起するものと認められる。また,4本線商標かスリーストライプス商標かという相異についても,靴の甲の側面に商標として付された場合,さほど大きな区別のメルクマールになるものとはいえない。さらに,本件商標は,4本線商標というのみならず,台形様図形の向かい合う2辺の各々に沿って表\示された2本のステッチ状の模様とその間に均等間隔に表示された多数の小さな丸点が描かれている点において,引用商標と異なることは確かであるが,アディダスのスリーストライプス商標の付された運動靴において,甲の両側面に付されたスリーストライプス商標の各ストライプの向かいあう2つの長辺に沿ってその内側に2本のステッチ状の模様(これは商標を靴の甲の側面に付す場合の縫い目のようにも見える。)のあるものが多数存在し,3本のストライプ間の中央部又はストライプ中央部にストライプに沿って直線上に多数のパンチング(小さな丸い孔)模様のあるものも存在することを考慮すると,本件商標の「2本のステッチ状の模様」及び「多数の小さな丸点」は,本件商標の構\成において,格別の出所識別機能を発揮するものと認めることはできない。ウ 以上検討したところによれば,単に本件商標と引用各商標との外観上の類否を論ずるだけでは足りないのであって,本件商標と引用各商標(アディダスの著名商標)との構成態様より受ける印象及び両商標が使用される指定商品の取引の実情等を総合勘案すると,本件商標を指定商品「履物,運動用特殊靴」に使用したときは,その取引者,需要者において,当該商品がアディダスの業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるものと認められる。\n

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平成24(行ケ)10125 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年10月30日 知的財産高等裁判所

 市章が,公共施設やホームページ等に表示されたからといって,本願商標の指定商品の取引者,需要者にとって、著名であるとはいえない、また、両者は類似しないと、判断されました。4条1項6号での拒絶です。
以上によれば,日南市章は昭和25年12月20日に旧日南市の市章として制定され,日南市もこれを継承していること,日南市章は,日南市を表示するものとして同市の公共施設,ホームページ,広報用パネル,マンホールの蓋などに使用され,大きなイベントの際には,メインとなる舞台や調印式などの背景に日南市章が赤色で表\示された日南市旗が掲げられていること,これらのイベント等を報じる新聞記事やテレビ放送には,背景等に日南市章が写ることも多く,また,日南市の観光や物産を紹介する書籍,ホームページにも,日南市の名称とともに日南市章が掲載されることがあること,が認められる。しかしながら,日南市章が,日南市の公共施設やホームページ等に表示されたからといって,本願商標の指定商品の取引者,需要者が一般に目にするとは認められない。また,イベント等を報じる新聞記事の写真,テレビ放送等に写る日南市章は,背景として小さく写り込んでいるにすぎず,目立つものとは認められない。そして,日南市の観光や物産を紹介する書籍,ホームページも,本願商標の指定商品の取引者,需要者が一般に目にするとは認められない。被告は,本願商標の指定商品に含まれる商品「マンホール」の蓋は自治体の章が刻印されることが少なくなく,公共工事に用いられる建材を提供する事業者は県章や市章等に相当程度注意を払っているという取引の実情が存在すると主張する。しかしながら,マンホールの蓋を扱う取引者,需要者の数は明らかではなく,本願商標の指定商品の取引者,需要者のうちのどの程度を占めるのかは不明というほかない。したがって,被告の主張する上記取引の実情を考慮しても,上記認定の事実から,審決時に,日南市章が本願商標の指定商品「建築用又は構\築用の金属製専用材料,金属製建具,金属製建造物組立てセット」,「セメント及びその製品,木材,石材,建築用ガラス」及び「清掃用具及び洗濯用具」に係る一商圏以上の範囲の取引者,需要者に広く認識されていたと認めることは,困難である。
・・・・
光が上下左右に4本伸びた構成(「上下左右に三角形の突起を有する黒塗りの肉太円輪郭」の構\成)は,日立製作所の社章でもよく知られたものである(弁論の全趣旨)。そうすると,本願商標の図形部分は,本願商標の大きな部分を占めるものではあるが,「日」という漢字の古代書体に由来するありふれた図形であって,その部分が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとまでは認められない。他方,本願商標の「DAIWA」の文字部分は,図形部分と比して1/5程の大きさにすぎないが,同部分から「ダイワ」の称呼が生じることは明らかである。また,我が国には,「ダイワ」,「大和」を冠した企業名が多数存在する(裁判所に顕著な事実)から,取引者,需要者は,「DAIWA」の文字部分を企業名に関する表示として認識し,同部分からそのような企業名としての観念を生じるものと認められる。したがって,本願商標の「DAIWA」の文字部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないと認めることはできない。以上によれば,前掲最高裁判決の判断基準に照らして,本願商標の構成から図形部分を抽出し,この部分だけを日南市章と比較して商標そのものの類否を判断することは,許されないというべきである。そして,本願商標と日南市章を全体として対比すると,外観において本願商標の図形部分と日南市章は類似するものの,本願商標が「ダイワ」の称呼を生じ,「ダイワ」ないし「大和」の企業名としての観念を生じるのに対し,日南市章は,特定の称呼,観念を生じるものとは認められないから,全体として類似するとはいえない。\n

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平成24(行ケ)10120 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年10月30日 知的財産高等裁判所 

 1私人に、「富士山世界文化遺産センター」という商標登録は認められない(公序良俗違反)とした拒絶審決が維持されました。
 以上によれば,我が国として,世界遺産条約に基づく世界遺産一覧表への記載に向け,「富士山」を推薦することを決定したこと,「富士山」が世界文化遺産登録に推薦されたことを受け,静岡県及び山梨県は,行政,企業,団体等を中心としてその登録実現に向けた活動を行っていること,静岡県において,現在は仮称であるが,「富士山世界遺産センター」との名称の施設を設置する構\想・基本計画が存し,同施策が具体的に進行していることについては,その都度,新聞報道がなされ,少なくとも静岡県及びその周辺の建設事業等に関連する取引者,需要者に,広く知られているものと認めることができる。5 本願商標の商標法4条1項7号該当性について(1) 本願商標は,「富士山世界文化遺産センター」の標準文字からなるが,「富士山」の文字部分は,静岡県と山梨県との境にそびえる日本一高い山である「富士山」を意味するものとして,「世界文化遺産」の文字部分は,ユネスコの世界遺産登録については一般に広く知られていることから,ユネスコに登録される「世界文化遺産」を意味するものとして,「センター」の文字部分は,「その分野の中心となる機関・施設」を意味するものとして,いずれも容易に理解,認識されるものと認められ,全体として,「富士山の世界文化遺産に関する中心となる施設」程の意味合いを有する商標として認識されるものと認められる。
(2) 他方,上記2,3のとおり,i)世界遺産条約にいう「世界遺産」には,「文化遺産」と「自然遺産」があり,我が国は,世界遺産条約の締約国として,「世界遺産」の保護,保存等をすることが義務付けられていること,ii)我が国の複数の「世界遺産」において,所在地等と「世界遺産センター」とを組合せた「○○世界遺産センター」なる名称の施設が公的機関によって設置され,その世界遺産の保全・管理業務,調査研究,情報提供などの活動の拠点として運営されていること,iii)我が国は,「富士山」を世界文化遺産登録に推薦することとし,国のほか,静岡県及び山梨県も,行政,企業,団体等を中心としてその登録実現に向けた様々の活動を行っていること,iv)上記iii)の事実は,その都度新聞報道がなされ,少なくとも静岡県及びその周辺の建設事業等に関連する取引者,需要者に,広く知られていることが認められるから,これらの事情に照らすと,本願商標は,これに接する取引者,需要者に,「公的機関によって設置・運営される富士山の世界文化遺産に関する施設の名称」であると認識されるものと認められる。(3) そうすると,「公的機関によって設置・運営される富士山の世界文化遺産に関する施設の名称」と認識される本願商標について,一私人である原告の登録を認め,「建物の管理」,「土地の管理」,「建物又は土地の情報の提供」等を含む指定役務について,その使用する権利を専有させることは,国又は地方公共団体等の公的機関による,富士山の「世界遺産」に関連する施策の遂行を阻害するおそれがあると認められる。そして,これら施策の高度の社会公共性に鑑みれば,本願商標の登録を認めることは社会公共の利益に反するというべきであり,本願商標は,商標法4条1項7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当するものと認められる。

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平成23(行ケ)10404 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年07月26日 知的財産高等裁判所

 商標「3ms」が、「3M」と出所混同しないとした審決が取り消されました。
 被告は,原告は本件指定役務に関する業務は行っておらず,本件商標を本件指定役務に使用しても,混同が生じるおそれはない,布地・被服等の加工品に引用商標が表示されたタグ等が付されていても,これらのタグ等は加工業者を示すものとは認識されないと主張する。しかし,以下のとおり,被告の主張は失当である。原告や引用商標1が著名であることに加え,原告の関連会社が販売する商品は,多分野,多種類に及んでいること,引用商標1は原告や関連会社のハウスマークとして使用されていることからすると,たとえ,原告や関連会社が本件指定役務に含まれる業務を実施していないとしても,取引者・需要者において,原告又は原告と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であると混同するおそれがあるというべきである。また,衣服等においては,素材の開発から加工技術の開発まで同一の企業や関連会社が行う場合もあることからすると,布地・被服等の加工品に引用商標1が表\示されたタグ等が付されていれば,取引者・需要者が原告又は原告と何らかの関係を有する者がこれらの加工を行ったと認識する可能性はある。

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◆こちらは類似案件です。平成23(行ケ)10403
「sanm's」「サンエムズ」の2段併記の商標については、混同無しと判断しました。

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平成23(行ケ)10436 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年07月18日 知的財産高等裁判所

「COOLBOSS」が「BOSS/HUGO BOSS」から無効理由があるかが争われました。裁判所は、商4条1項15号(出所混同要件)に違反するとして、無効理由無しとした審決を取り消しました。
 上記認定の事実によれば,「BOSS/HUGO BOSS」商標は,フーゴ・ボスAGにかかる紳士服及び紳士用品について使用されるものとして,本件商標登録出願日及び現在において,海外及び我が国で著名となっているものと認められる。ここで,「BOSS」の欧文字は,2段に構成された「BOSS/HUGO BOSS」商標中で上段に顕著に表された部分であり,フーゴ・ボスAGが用いる多数のブランドの大部分で共通する部分であり,「BOSS/HUGO BOSS」商標の要部と認められる。「BOSS」の欧文字からは,「ボス」の称呼を生じ,「親分」「上司」の観念を生じる。
(3) 本件商標の取引の実情をみるに,甲98,甲100〜103によれば,被告は本件商標を付した小型ファン付き作業服を販売し,その開始は,本件商標の出願とほぼ同時期である。そのパンフレット(甲98)には,上方に大書された「クールボス」の文字の下方に,大きな文字で「涼しい」「作業服」との記載があり,「涼しい」の文字と「作業服」の文字は,「涼しい」の文字の下から「作業服」の文字の上にかけて記載された「〜」を反転させた形状の曲線によって区分され2行に表記されている。「涼しい」を英語で「クール」と称することは一般的な認識であるから,この記載を見る者は,「クールボス」の文字中の「クール」の部分が「涼しい」に対応し,「ボス」の部分が「作業服」に対応するとの理解に誘導されることになる。「クール」の文字が説明的で出所表\示機能を有しないのに対し,「ボス」の文字は,これから生じる「親分」「上司」の観念が作業服とは結び付かず,作業服を「ボス」と呼ぶこともないことからすると,本件商標からは,前記のように紳士服及び紳士用品の商品分野において著名な「BOSS/HUGO BOSS」商標を想起する可能性が高いといえる。このように,「BOSS/HUGO BOSS」商標がフーゴ・ボスAGにかかる紳士服及び紳士用品について使用されるものとして我が国において著名となっていること,作業服の購入者に男性が多いであろうことからからすると,「クールボス」の商標が付された作業服が販売されれば,その作業服がフーゴ・ボスAG又はこれと営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,出所について混同を生じるおそれがあることになる。

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平成23(行ケ)10375 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年07月19日 知的財産高等裁判所

 商標「POWERWEB」が、引用商標「POWERWAVE」と類似するとした審決が取り消されました。
 本願商標からは「パワーウェブ」,「パワーウエブ」,「パワーウエッブ」といった称呼を生じ,引用商標からは「パワーウェーブ」という称呼を生じるから,両商標の称呼上の差異は,「ウェ」に続く長音「ー」の有無のみであるか,あるいは,「ウ」に続く称呼が「エ」又は「エッ」であるか,「ェー」であるかのみである。しかし,前記のとおり,「POWERWEB」は,「POWER」と「WEB」の2つの単語を組み合わせたものであり,「POWERWAVE」は,「POWER」と「WAVE」の2つの単語を組み合わせたものであることは,一般人にとって容易に理解可能であり,「POWER」,「WEB」,「WAVE」は,いずれも一般人にとって観念を容易に想起し得る単語であること,スポーツ関係の商品に使用される「POWER」の文字の自他商品識別力は,同じくスポーツ関係の商品に使用される「WEB」及び「WAVE」の文字の自他商品識別力よりも強いものとはいえないことからすると,両商標の語調語感は自ずと相異なる。したがって,両商標は,称呼上類似はするものの,両商標を聞き分けることは必ずしも困難なことではない。
エ 両商標の類否
 以上のとおり,本願商標と引用商標とは,外観及び観念において相違し,称呼上類似はするものの,両商標を聞き分けることは必ずしも困難なことではないこと,また,取引の実情として,外観や観念よりも称呼によって商品の出所を識別しているなど,称呼上の識別性が外観及び観念上の識別性を上回っているような事情は認められないことに照らせば,両商標は,外観及び観念上の相違が称呼上の類似性を凌駕するものというべきである。

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平成23(行ケ)10373 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年07月12日 知的財産高等裁判所

 商4条1項11号における類似商標ではないとして、拒絶審決が取り消されました。
 そこで,これを本件についてみると,引用商標は,「fantasy LIFE」の部分と「mabinogi/マビノギ」の部分とからなる結合商標と解されるところ,「mabinogi/マビノギ」の部分は,「fantasy LIFE」の部分よりも大きく(高さは約5倍,幅は約2倍)かつ特徴的な書体で表され,同部分からは特定の観念を生じないか,物語の題号の1つである「マビノギ」の観念を生じさせるから,造語ないし固有名詞として認識され,取引者,需要者に対して商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。また,同部分から「マビノギ」の称呼が生じることは明らかである。他方,「fantasy」の語は,「空想,夢想,ファンタジー」を意味する平易な英語であって,「ファンタジー」の語は,コンピュータゲームの分野においてゲームのジャンル(「空想上の人生・生活を体験することを内容としたゲーム」)を指すものとして使用されているから,引用商標の構成中「fantasy LIFE」の部分は,取引者,需要者にコンピュータゲームのジャンルを示すものと認識されることが多いものと認められ,商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとは認められない。上記のとおり,引用商標の構成中,「fantasy LIFE」の部分が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めることはできず,他方,「mabinogi/マビノギ」の部分から出所識別標識として固有の称呼を生じ,観念を生じ得るのであるから,引用商標の構成中「fantasy LIFE」の部分だけを抽出して本願商標と対比することは許されないというべきである。そして,本願商標と引用商標の構成部分全体を対比すると,両者は外観において著しく異なり,観念,称呼において一部共通するものの,取引の実情を考慮するならば,類似するとはいえない。したがって,本願商標と引用商標の類否について,外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して,具体的な取引状況に基づいて全体的に考察すると,本願商標と引用商標が,役務における出所の誤認混同を生じるおそれはなく,両商標は類似しないから,本願商標が商標法4条1項11号に該当するとした審決の判断には誤りがある。
 (3) 被告は,「ファンタジー」の語が「ファイナルファンタジー」のように他の語と結合して自他商品・役務の識別力を有する造語を形成する場合があると主張する。しかし,コンピュータゲームの商品名に「ファイナルファンタジー」のように「ファンタジー」の語を含むものがあるとしても,「ファイナルファンタジー」は「ファンタジー」のジャンルに属するコンピュータゲームであると認められる(甲23)から,「ファンタジー」の語自体が商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるということはできず,被告の主張は理由がない。また,被告は,商品又は役務に係るゲームソフトウェア及びその他のソ\フトウェアにおいては,その商品又は役務を識別する標章として,ソフトウェアの内容を示すタイトルのほかに,該ソ\フトウェアの制作会社等に係る標章を表示してあることが少なからず存在するものであり,また,該標章は,タイトルよりも小さく表\示されていることが一般的であると主張し,乙6〜14には,ソフトウェアの内容を示すタイトルのほかに該ソ\フトウェアの制作会社等に係る標章をタイトルよりも小さく表示してあることが認められる。しかしながら,そうであるからといって,引用商標において「fantasy LIFE」の部分が,同部分より大きくかつ特徴的な書体で表された「mabinogi/マビノギ」の部分より商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとは認められない。被告は,他にも縷々反論するが,上記判断を左右しない。

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◆こちらは、類似案件です。平成23(行ケ)10372

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平成23(行ケ)10400 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年06月27日 知的財産高等裁判所

 商標「Tarzan」が公序良俗違反かが争われした。特許庁は公序良俗違反でないと判断しましたが、裁判所は、公序良俗違反で無効と判断しました。
 ・・・日本では広く知られていないものの,独特の造語になる「ターザン」は,具体的な人物像を持つ架空の人物の名称として,小説ないし映画,ドラマで米国を中心に世界的に一貫して描写されていて,「ターザン」の語からは,日本語においても他の言語においても他の観念を想起するものとは認められないことからすると,我が国で「ターザン」の語のみから成る本件商標登録を維持することは,たとえその指定商品の関係で「ターザン」の語に顧客吸引力がないとしても,国際信義に反するものというべきである。「ターザン(Tarzan)」の語は,米国の作家バローズの手になる小説シリーズ「ターザン・シリーズ」に登場する主人公の名前であり,本件商標登録査定時(平成22年7月6日)の時点において,日本におけるその著作権は存続していたし,派生的著作物にはなお著作権が存続し続けていたものである。バローズから「ターザン・シリーズ」のすべての書籍に関する権利を譲り受けた原告は,オフィシャル・ウェブサイトを通じ,ターザンに関する諸々の作品及びバローズの業績を伝承・解説するとともに,「ターザン・シリーズ」を含めたバローズに関する小説,パルプ雑誌,映画,ラジオ放送作品,テレビ放送作品,コミックスなどのあらゆる作品を収蔵したオンラインアーカイブを作成・提供するなど,「ターザン」の原作小説及びその派生作品の価値の保存・維持に努めるとともに,米国のみならず世界各国において「ターザン」に関する商標を登録して所有したり,ライセンス契約の締結・管理に関わることによって,その商業的な価値の維持管理にも努めてきた。このように一定の価値を有する標章やキャラクターを生み出した原作小説の著作権が存続し,かつその文化的・経済的価値の維持・管理に努力を払ってきた団体が存在する状況の中で,上記著作権管理団体等と関わりのない第三者が最先の商標出願を行った結果,特定の指定商品又は指定役務との関係で当該商標を独占的に利用できるようになり,上記著作権管理団体による利用を排除できる結果となることは,商標登録の更新が容易に認められており,その権利を半永久的に継続することも可能であることなども考慮すると,公正な取引秩序の維持の観点からみても相当とはいい難い。被告は,「Tarzan」の語の文化的・商業的価値の維持に何ら関わってきたものではないから,指定商品という限定された商品との関係においてではあっても「Tarzan」の語の利用の独占を許すことは相当ではなく,本件商標登録は,公正な取引秩序を乱し,公序良俗を害する行為ということができる。\n

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◆こちらは関連事件です。平成23(行ケ)10399

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平成24(行ケ)10013 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年06月06日 知的財産高等裁判所

 商標「スバリスト」が『スバル』から無効か否かについて、裁判所は、広義の混同が生ずるおそれがあるとして、無効理由無しとした審決を取り消しました。
 前記(2)のとおり,本件商標は,外観や称呼において引用商標1ないし3と相違し,これらが全体として類似する商標であるといえないとしても,本件商標からは,原告が製造する自動車のブランドであるスバルの自動車の愛好家との観念が生じることがあり,他方,引用商標1ないし3からも,原告が製造する自動車のブランドであるスバルとの観念が生じ得るから,観念において関連性があることは否定できない。また,前記(2)アのとおり,本件商標出願当時,自動車やその関連商品の分野では,本件商標を構成する「SUBARIST」「スバリスト」との語は,原告が製造する自動車のブランドであるスバルの自動車の愛好家を意味することが広く知られていたものであるが,この「SUBARIST」「スバリスト」との語が,原告の製造する自動車のブランドである「SUBARU」あるいは「スバル」に由来する造語であることは明らかである。そして,自動車の分野において,引用商標1ないし3が周知著名性を有していることは当事者間に争いがないことや,本件商標の指定商品は,引用商標1ないし3が使用される商品と同一又は関連性を有することなどを併せ考慮すると,本件商標をその指定商品に使用した場合,その需要者及び取引者において,本件商標が使用された商品が,例えば,原告から本件商標についての使用許諾を受けた者など,原告又は原告と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し,商品の出所につきいわゆる広義の混同を生ずるおそれがあることは否定できない。\n

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平成23(行ケ)10426 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年05月31日 知的財産高等裁判所

 商標「Lambormini」が引用商標「LAMBORGHINI」に対して、商標法4条1項10,15,19号違反がないとした審決が取り消されました。
 本件商標は,字体における特徴があり,また図形部分が付加されている点で,引用商標と外観において若干の相違があるものの,全体として類似するといえる。以上によれば,本件商標と引用商標は,本件商標の文字部分10文字中9文字が引用商標と共通すること,称呼において,相違する1音が母音構成を同じくする近8似音であり類似すること,外観においても,若干の相違があるものの,全体として類似することに加え,前記原,被告の各商標の使用状況等取引の実情等を総合して判断すると,本件商標と引用商標は,互いに類似する商標であると解される。(2) 商標法4条1項10号該当性について上記のとおり,引用商標である「LAMBORGHINI」は,本件商標の出願以前から現在に至るまで,イタリアの高級自動車メーカーである原告又は原告の業務に係る商品「自動車(スーパーカー)」を表示するものとして,日本国内の自動車の取引業者や愛好家の間で広く知られているから,他人の業務に係る商品(自動車)を表\示するものとして,需要者の間に広く認識されている商標に該当するものと認められる。また,本件商標は,上記のとおり,引用商標に類似し,本件商標の指定商品には,「自動車」を含んでいる。そうすると,本件商標は,他人の業務に係る商品(自動車)を表示するものとして,需要者の間に広く認識されている商標に類似する商標であって,その商品(自動車)に使用をするものに該当すると認められる。したがって,本件商標は,商標法4条1項10号に該当する。(3) 商標法4条1項15号該当性についてまた,上記のとおり,原告は,本件商標の出願以前から現在に至るまで,引用商標である「LAMBORGHINI」等の商標を使用して,「自動車(スーパーカー)」を製造,販売する業務を行っていること,本件商標は,引用商標と類似する商標であり,その指定商品に引用商標が使用されているのと同一商品(自動車)を含むこと,被告は,「Lambormini」や「ランボルミーニ」との商標を使用して,原告の製造,販売に係る自動車を模したカスタムバギーを製造,販売していること等を総合すると,本件商標は,他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれのある商標に該当すると認められる。したがって,仮に本件商標が商標法4条1項10号に該当しないとしても,同条同項15号に該当するものと認められる。
(4) 商標法4条1項19号該当性について
 さらに,被告は,上記のとおり,原告が世界的に著名な自動車メーカーであり,引用商標も原告の業務に係る商品(自動車)を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることや,かかる引用商標と本件商標が類似の商標であることを認識しながら,自動車等を指定商品等とする本件商標登録を行い,実際に「Lambormini」や「ランボルミーニ」との商標を使用して,原告の製造,販売に係る自動車を模したカスタムバギーを製造,販売していることが認められる。そうすると,本件商標は,被告が,不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものと認められる。したがって,仮に本件商標が商標法4条1項10号,15号に該当しないとしても,同条同項19号に該当するものと認められる。\n

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平成23(行ケ)10323 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年03月28日 知的財産高等裁判所

「KDDI Module Inside」を上下三段併記した商標に対して、インテルが無効審判を請求しました。理由は、「intel inside」と混同するというものです。審判では無効理由無し、裁判所も審決を維持しました。
 原告は,引用各商標における自他商品の識別性を有する商標の要部の一つは,「・・・inside」及び「・・・INSIDE」との表示形式であり,本件商標の「KDDI」「Module」「Inside」の文字を順に上から下へ積み重ねた態様は,「・・・INSIDE」との表示形式と共通しているから,「・・・インサイド」という共通の称呼が生じ,商品の出所に混同を生じるものであると主張する。確かに,引用各商標を構成する「intel inside」との文字が原告又は原告製造に係る製品の表示として広く認識されていることや,テレビ媒体等で使用された「インテル,入っている」というサウンドロゴに接した者は,「intel」の語と「inside」の語との結び付きを強く印象に残すものであることなどからすると,「intel」以外の文字と「inside」の文字を結合した「・・・inside」との表示形式を有する商標に接した者は,当該商標と引用各商標との構\成それ自体の共通性を想起し得ることは否定することができない。しかし,原告は,本件商標の登録出願前では,平成12年3月15日にコンピュータとコンピュータソフトウエアの使用等を指定役務とする「THE JORNEYINSIDE」との商標を出願しているものの(甲50),他に「intel」の文字に代えて,他の文字と「inside」の文字を結合した表示を使用した事実は認められないこと,また,「inside」の文字は,「内側の,内部の」等の意味合いを持つ,一般的な語であり,「intel」以外の文字と結合させることも含め,多様な用法が想定できることからすると,「intel」以外の文字と「inside」の文字を結合した「・・・inside」という商標の構成が,当該商標が使用された商品又は役務が直ちに原告の製造に係る商品又は役務であると誤信するおそれを生じさせるほどの強い出所識別機能\を有しているとまでは認められない。

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平成23(行ケ)10203 商標登録取消決定取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年02月21日 知的財産高等裁判所

 商標「VOSS」(フォスとのふりがなを2段併記)が、「BOSS」と類似するとした審決が取り消されました。
 被告は,「フォス」は「VOSS」の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るものとはいえない旨主張する。しかし,証拠(甲9,10,乙7ないし9)及び弁論の全趣旨によれば,我が国において「フォルクスワーゲン」というドイツ製の自動車が広く知られていること,「フォルクスワーゲン」に対応するドイツ語が「VOLKSWAGEN」であることが認められるところ,「フォ」は「ヴォ」の濁音が清音になっただけであることをも併せ考慮すれば,「フォス」は「VOSS」の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るというべきであり,被告の上記主張は採用することができない。また,被告は,「フォルクスワーゲン」や「フォルクス」は日本においても著名であるから,このような特殊な事例を本件商標の称呼の特定の参考にすべきではない旨主張するが,上記名称が著名であれば,我が国においても「Vo」との綴りを無理なく「フォ」と読み得ることにつながり,被告の上記主張は理由がない。このほか,被告は,我が国においてドイツ語はなじみがなく,「Vo」との綴りが「フォ」と読まれることはないとも主張する。確かに,我が国において,英語と比べてドイツ語になじみがないことは事実であるが,本件商標においては,下段に「フォス」との片仮名が記載されていることからすれば,我が国におけるドイツ語のなじみの程度とはかかわりなく,本件商標からは「フォス」との称呼が生じるものと解される。
(2) 引用各商標における「BOSS」の独立性につき被告は,引用各商標につき,「BOSS」の欧文字部分が独立して取引に資されるとして,分離観察をした上で,引用各商標と本件商標との類否判断をすべき旨主張する。しかし,複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて,商標の構\成部分の一部を抽出し,この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは,その部分が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や,それ以外の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないと認められる場合などを除き,許されないというべきである(最高裁平成5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁等参照)。そして,引用各商標において,「パイプをくわえた男性の斜め横顔」のイラスト部分は印象的であって,ここから出所識別標識としての観念が生じないとはいえないため,「BOSS」の欧文字部分が,取引者,需要者に対し,出所識別標識として一定程度の強い印象を与えるとしても,「BOSS」部分のみを抽出して,本件商標との類否を判断することは許されないというべきである。また,被告は,引用各商標において,「パイプをくわえた男性」の図形部分と「BOSS」の欧文字部分とは,称呼や観念において,直接的には関連性のないものであり,ひいては「BOSS」の欧文字部分が独立して自他識別機能を有する旨主張する。しかし,両者に直接的に関連がないとしても,引用各商標においては,いずれも「パイプをくわえた男性」のイラストと「BOSS」の欧文字部分が組み合わせて用いられており,証拠(甲25,乙12)からすれば,サントリー関連会社の缶コーヒーにおいて,両者は常に一体として用いられていること,「BOSSコーヒー」に関するウィキペディア(フリー百科事典)上も,BOSSコーヒーにおいては「パッケージにパイプをくわえた男性のイラストが特徴である」と記載されていることが認められ,以上からしても,両部分は一体というべきであり,被告の上記主張は採用することができない。\n

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平成23(行ケ)10223 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年02月09日 知的財産高等裁判所

 審判では、「戸建マンション」が、識別力なしとして、拒絶されました。知財高裁もこれを維持しました。
 前記(1)アの新聞記事及びインターネット情報によれば,本願の指定役務である建物に関連する役務を提供する業界においては,プライバシーを確保する目的で住戸の独立性を高めたり,戸建のような住居配置で優れた独立性と採光・通風を確保し,また専用の庭,駐車場及び門扉を設置するなどの工夫を施すことによって,戸建てに近い居住性,建築形態を採るマンションが多数取引されている実情にあることが認められる。また,前記(1)イの新聞記事及びインターネット情報によれば,「戸建てマンション」,「戸建型マンション」,「戸建て感覚マンション」及び「戸建て風マンション」の語が,建物に関連する役務を提供する業界において実際に使用されていることが認められる。上記事実によれば,本願商標「戸建マンション」は,上記「戸建てマンション」,「戸建型マンション」,「戸建て感覚マンション」及び「戸建て風マンション」と実質的に同一の語であると認められ,また,戸建てに近い居住性,建築形態を採る戸建てのようなマンションが多数取引されている実情をも併せ考慮すると,それらの語は,「戸建て住宅の機能・特長を併せ持ったマンション」という意味合いを有すると認められる。そうすると,本願商標は,これに接する取引者・需要者をして,「戸建て住宅の機能\・特長を併せ持ったマンション」という意味合いを有する合成語として容易に認識,理解させるとみるのが相当である。したがって,本願商標は,これをその指定役務である建物に関連する役務に使用しても,単に役務の質(内容)等を表示するにすぎず,自他役務の識別標識としての機能\を果たさないものであり,また,前記「戸建マンション」に係る建物に関連する役務以外の役務に使用するときは,役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるといわざるを得ない。
 以上のとおり,結局,本願商標は自他役務識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであって,商標法3条1項3号の「その役務の質を普通に用いられる方法で表\示する標章のみからなる商標」に該当し,また,本願商標を前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるから,同法4条1項16号の「役務の質の誤認を生じるおそれがある商標」に該当するといわざるを得ない。

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平成23(行ケ)10190 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年01月30日 知的財産高等裁判所

 本件商標「メルクス」が「メルク」と類似すると無効主張しましたが、類似しないとした審決が維持されました。
 本件商標より生ずる「メルクス」の称呼と引用商標より生ずる「メルク」の称呼とを比較すると,両称呼は,「メルク」の音を同じくし,末尾において「ス」の音の有無の差異を有する。そして,差異音「ス」(su)の子音(s)は,舌端を前硬口蓋に寄せて発する無声摩擦子音であって,構音上,例えば,破裂音(p.b.t.d.k.g)等の音に比した場合,響きの弱い音として聴取されるものとしても,「ス」の音の有無の差異は,本件商標と引用商標のように4音対3音といった比較的短い構成音からなる称呼に与える影響は大きいこと,そして何よりも,日本語の「ス」は「U」の母音を伴うもので,通常「S+U」と発音され,これが「メ」「ル」「ク」「ス」の4音のみから成り観念を持たない単語において,各音を一つ一つ明確に発音する可能\性が高い音の一つとなっていることからすれば,両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは,全体の語調・語感が異なるものとなる。また,両商標のアルファベット文字部分についてみても,末尾が「クス」と発音される本件商標と末尾が「ク」と発音される引用商標とでは,「X」と「CK」の文字の相違があり,アルファベット発音に慣れてきている日本人にとってこの文字の違いによる発音の相違は一般化しているというべきである。よって,本件商標の片仮名及びアルファベット文字の双方をみても,本件商標は,引用商標と互いに紛れるおそれは少ないと認めるべきである。

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平成22(ワ)32483 商標権侵害差止等請求事件 商標権 民事訴訟 平成24年01月26日 東京地方裁判所 

 商標法32条の先使用権が認められました。「KAMUI」のゴルフクラブといえば、ゴルファーの間では、「飛ぶ」と有名でしたね。
 上記(1)イのとおり,被告は,平成12年以降,ゴルフクラブに被告標章3をはじめ,被告標章1やその他「KAMUI」単体の標章を付して製造・販売し,また,キャディバッグにも被告標章3を付して販売しており,これらの各標章は,「KAMUI」の標章として社会通念上同一のものと認められる。そして,上記(1)イ(ク),(ケ)のとおり,上記「KAMUI」の標章が付されたゴルフクラブが,平成12年から本件商標が登録される前年の平成18年までに合計して約4万5000本販売されており,平成16年以降は毎年1億円を超える売上げがあったこと,上記(1)イ(コ)のとおり,複数の雑誌等に上記「KAMUI」の標章が付された被告のゴルフクラブが,場合によっては被告の表示と共に,掲載されていたこと,上記(1)イ(サ)のとおり,上記「KAMUI」の標章が付されたゴルフクラブが100名を超える多数のプロゴルファーに納品されていることを併せ考慮すると,上記「KAMUI」の標章は,本件商標が登録出願された平成19年4月23日の時点において,被告の製造・販売するゴルフクラブ及びその関連用品であるキャディバッグを表示するものとして需要者の間に広く認識されていた(法32条1項)というべきである。そして,上記(1)ア認定の事実経過によれば,被告が「KAMUI」標章を使用することに不正競争の目的は認められないから,被告には,法32条1項により,ゴルフクラブ及びその関連用品であるキャディバッグについて,「KAMUI」の標章として社会通念上同一の標章と認められる被告標章1ないし3の先使用権が認められる。

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平成23(行ケ)10252 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年01月30日 知的財産高等裁判所

 「海葉」は「海陽」とは非類似であると判断されました。
 以上のとおり,本願商標と引用商標とは,その外観,観念において大きく相違し,称呼において基本的に同一であるところ,海の母音である「あい」も,葉や陽の母音である「おう」も,漢字の音読みとしてありふれた読みであり,これに「K」と「Y」の子音を組み合わせた「KあいYおう」との称呼は2文字の漢字のありふれた読みからくるもので,外観,観念の相違に比較すると,識別力が弱いものである。そして,本件において,この判断に反して特に考慮すべき取引の実情は認められないから,本件においては,外観と観念の相違が称呼の共通を凌駕するものというべきであって,指定商品について共通するものがあるとしても,本願商標と引用商標とは類似するものではないというべきである。

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平成22(ワ)10785 商標権侵害差止請求事件 商標権 民事訴訟 平成24年01月12日 東京地方裁判所

 日本郵便の「ゆうメール」の使用が、商標権侵害に該当すると判断されました。ゆうパックが著名であることは認定されましたが、出所混同を起こすとの無効主張は認められませんでした。
 本件商標「ゆうメール」と被告商標「ゆうパック」とを比較すると,外観は「ゆう」のみが共通するだけで全体として異なったものであり,称呼は「ユウメール」と「ユウパック」で異なり,その観念においても,「ゆう」だけではいかなる観念が生じるか直ちに明らかではなく,「メール」からは,郵便,郵便物,電子メール(広辞苑第6版)の観念が生じ,他方「パック」からは,包装すること,包装したもの(広辞苑第6版)の観念が生じるから,両者は観念においても異なる。したがって,そもそも本件商標と被告商標「ゆうパック」とは,その類似性が乏しいといわざるを得ない。その上,被告商標「ゆうパック」は,一般小包郵便物に利用されているが,そのサービスと本件指定役務である「各戸に対する広告物の配布,広告」との関連性も大きいものとはいえない。そうすると,たとえ被告商標「ゆうパック」自体が著名であったとしても,以上説示の点を考慮して総合的に判断すると,本件商標が,その出願時及び登録時において,被告商標「ゆうパック」を使用した被告の役務と出所混同のおそれのある商標であったということはできない。よって,本件商標の登録が法4条1項15号に違反するとは認められない。 エ なお,被告は,「ゆう○○」の構成の商標は,郵便事業に関係する商品・役務については,被告又は日本郵政の使用する商標として需要者に認識されており,「ゆう」は郵便の「郵」を意味する旨主張する。確かに,被告が主張するとおり,上記「ゆうパック」のほか,郵便貯金を意味する「ゆうちょ」(乙58の5,62)や郵便局で郵便物の引受け等を行う「ゆうゆう窓口」(乙58の6及び7,63)など,「ゆう」が「郵」を意味する「ゆう」として使用されていると考えられる商標が複数存在する(乙58の1ないし33)。しかし,「ゆう」自体,ひらがな二文字から構\成される短い言葉であること,「郵」以外にも「ゆう」に対応する漢字が多数考えられること,実際に,郵便の「郵」以外を意味すると考えられる「ゆう」を使用した登録商標も多数存在すること(甲92の1ないし5,93の1,93の3ないし6)からすれば,必ずしも「ゆう」が「郵」を意味するとはいえず,本件指定役務と郵便事業との結び付きの程度をも考慮すれば,被告の主張は失当であるといわざるを得ない。

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平成23(行ケ)10135 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年12月26日 知的財産高等裁判所

 「スーパーみらべる」が「mirabell」と類似するとした審決が取り消されました。
 以上によれば,本願商標と引用商標とは,「ミラベル」との称呼において類似する場合があり得たとしても,外観において著しく相違し,かつ観念において類似するとはいえず,取引の実情等を考慮しても,本願商標がその指定役務「『飲食料品』,『食肉』,『食用水産物』,『野菜及び果実』,『菓子及びパン』,『牛乳』,『清涼飲料及び果実飲料』,『茶・コーヒー及びココア』,『加工食料品』の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用された場合に,引用商標との間で商品ないし役務の出所に誤認混同を生じさせるおそれはないから,両商標は,類似しない。・・・これに対し,被告は,実際の取引においては,スーパーマーケットの名称中「スーパー」の文字部分を捨象する例が多い上,スーパーマーケット等の小売業者が,プライベートブランドを飲食料品等に使用していることが広く一般に行われており,その際,スーパーマーケットの名称やその一部を使用していることがあると主張する。しかし,スーパーマーケットの名称中「スーパー」の文字部分を捨象して使用される場合があるとしても,本願商標と引用商標は,本願商標の「みらべる」の文字部分が平仮名により,白色の縁取りがされた黒色の太文字で,鮮やかで明瞭な配色がされているのに対して,引用商標はいずれも欧文字であり,外観において著しく相違することや原告の取引の実情等を考慮するならば,その出所について誤認混同を生じるおそれがあるとはいえず,被告の主張は採用の限りでない。

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平成23(行ケ)10205 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年11月30日 知的財産高等裁判所

 商標「けんしんスマートカードローン」は引用商標「ケンシン」と非類似であるとして、審決が取り消されました。
 本願商標は,上記のとおり,「けんしんスマートカードローン」の文字を横書きしてなるものであるが,各文字が,ほぼ同一の書体,大きさ,間隔で表記されており,全体がまとまった印象を与えているのに対し,引用商標は,「けんしん」の文字を横書き又は縦書きしたもの,あるいはこれと図形を組み合わせたものであり,両商標は,外観において,相違する。また,本願商標は,上記のとおり,「ケンシンスマートカードローン」との称呼が生じるのに対し,引用商標は,「ケンシン」との称呼が生じ,両者は,類似するとまではいえない。上記のとおり,本願商標の「カードローン」部分は,取引者,需要者にとって,クレジットカードなどを利用した融資との観念が生じ,「スマート」部分は,賢い,頭のよい,体型がよい,質が高いなどの観念が生ずるが,「けんしん」部分は,一義的な観念を生じるとまではいえないのに対し,引用商標も一義的な観念を生じるとまではいえず(もっとも,「県信用組合」の略称であるとの観念を生じることを否定するものではない。),両商標は,観念において,同一ではなく,類似するとまではいえない。さらに,上記のとおり,取引の実情について,県信用組合は,組合員により構\成される協同組合組織の金融機関であり,その営業活動は,県内に限られていること,同一県内に複数の県信用組合が存在しないこと等を総合考慮するならば,取引者,需要者が,その役務の出所について,混同を来すことは想定できない。

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平成23(行ケ)10150 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年10月24日 知的財産高等裁判所

 第1次審取にて、公序良俗違反と認定され、差し戻された審決で同様の判断がなされ、それについて、実質的に理由で審決の取消を求めました。裁判所は拘束力により、原告の主張を退けました。
・・前述した前判決の認定判断に照らすと,前判決の拘束力は,被告の本件商標の出願は,ASUSTeK社若しくはASRock社が商標として使用することを選択し,やがて我が国においても出願されるであろうと認められる商標を,先回りして,不正な目的をもって剽窃的に出願したものであり,出願当時,引用商標及び標章「ASRock」が周知・著名であったか否かにかかわらず,本件商標は商標法4条1項7号にいう「公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標」に該当するとの認定判断について生ずるものというべきであるから,「被請求人の本件商標の出願は,ASUSTeK社若しくはASRock社が商標として使用することを選択し,やがて我が国においても出願されるであろうと認められる商標を,先回りして,不正な目的をもって剽窃的に出願したものと認められるから,・・・,出願当時,引用商標及び標章『ASRock』が周知・著名であったか否かにかかわらず,本件商標は『公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標』に該当するというべきである。」とした本件審決の認定判断は,上記前判決の拘束力に従ったものであることが明らかである。そうすると,本件訴訟において原告の主張する本件審決の取消事由は,前判決の拘束力に従った本件審決の上記認定判断が誤りであると主張することに帰着するものであるから,それ自体失当というべきである。

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平成23(行ケ)10093 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年10月24日 知的財産高等裁判所

 2段併記の商標(上段「PAG!」、下段「Point AD Game」)が、「PAG」と類似するとの審決が取り消されました。
 これに対し,被告は,本願商標について,「PAG」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たす特徴的部分であることを前提に,引用商標と外観及び称呼が類似し,取引の実情等を考慮しても,本願商標は引用商標と類似する,と主張する。しかし,被告の上記主張は,以下のとおり,採用できない。すなわち,本願商標は,「P」,「A」,「G」の文字,「!」の符号,足跡状の図形及び下段の「PointAD Game」のすべてが,青色の輪郭線又は塗りつぶされた文字で表記され,全体として,まとまりのある一体的な図形として描かれていること,上段の「PAG」の文字は,下段の「Point AD Game」の頭文字であることが想起されること,足跡状の図形がオレンジ色に塗りつぶされ,アクセントをつけていること等の特徴があることに照らすならば,「PAG」の文字部分のみが,商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分と認めることはできない。なお,乙24の1,2によれば,原告のウェブサイトにおいて,商品ないしサービスを説明する図の中で本願商標から「Point AD Game」の文字部分を除いた標章が使用されているが(乙24の1,2),これをもって,「PAG」の文字部分のみが,本願商標の特徴的部分であると認めることはできない。したがって,本願商標について,「PAG」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たす特徴的部分であることを前提に,本願商標と引用商標の対比を行い,これらが類似するとした被告の主張は採用することができない。\n

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平成23(行ケ)10131 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年10月24日 知的財産高等裁判所

 商標「ユニヴァーサル法律事務所」は「ユニヴァーサル」とは非類似と判断されました。
 これに対し,被告は,i)本願商標は,法律事務所の名称を表示したものと理解,認識させるものであるから,「法律事務所」の文字部分からは,称呼,観念は生じない,ii)インターネット等や新聞,雑誌の記事において,弁護士の所属法律事務所等を示す場合に,「法律事務所」の表記を省略する例があること等(乙5ないし乙16)から,本願商標中の「ユニヴァーサル」部分のみが,自他役務の識別機能\を果たし得る部分であると主張する。しかし,被告の主張は,以下のとおり,失当である。すなわち,新聞,雑誌の記事等に,「法律事務所」との表記が省略されている例については,冒頭に「法律事務所」を含んだ名称が表\記されているものや,前後の文脈から,法律事務所ないし弁護士が役務を提供する事務所の名称であることが看取できる場合が例として挙げられたと理解される(甲7の1,乙5ないし乙8,乙9ないし乙15)。むしろ,前記認定のとおり,弁護士はその法律事務所に名称を付するときは事務所名称中に「法律事務所」の文字を用いなければならないとされていることに照らすならば,「法律事務所」の文字を省略する例は,少ないと認められる。以上によれば,「法律事務所」との表記が省略されることを前提として,法律事務所を除いた構\成部分のみが,役務の出所を識別し得るとする被告の主張も,採用することができない。
2 判断
 以上によれば,本願商標と引用商標とは,外観において著しく異なり,観念において相違し,称呼において一部共通するものの,取引の実情を考慮するならば,類似するとはいえない。したがって,本願商標と引用商標の類否について,外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して,具体的な取引状況に基づいて全体的に考察すると,本願商標と引用商標が,役務における出所の誤認混同を生じるおそれはなく,両商標は,類似しないから,本願商標が,商標法4条1項11号に該当するとした審決の判断には誤りがある。

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平成23(行ケ)10174 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年10月11日 知的財産高等裁判所

 商標『炭都饅頭』が、2段併記の「TANTO タント」とは非類似であるとして、拒絶審決が取り消されました。
 本願商標は漢字である「炭都饅頭」の4文字を江戸文字の書体で縦1行にまとまりよく記して成る外観を有する一方,引用商標は大文字の欧文字である「TANTO」の5文字と片仮名である「タント」の3文字とを,ゴシック体ないしこれに類する書体で,横2段書きして成る外観を有するから,両商標の外観は大きく異なる。被告は本願商標に使用されている文字の書体はありふれたものであり,取引者や需要者は筆書き風の書体で記したものと認識するに止まる旨を主張するが,江戸文字は,骨太で威勢のいい江戸歌舞伎の感性を意匠化すべく考案され,千客万来を願って,内へと入る運筆で枠一杯に隙間なく書かれることを特徴とするもので(書体作成会社である株式会社モリサワのホームページにおける解説,甲13),書体自体が見る者に強い印象を与えるためにデザインされたものである。そうすると,さほど注意力が高くない需要者や取引者にとっても,本願商標が通常の筆書きによって記すよりも強い印象を与えるということができ,被告の上記主張を採用して,両商標の外観の相違を小さく評価することはできない。なお,パーソ\ナルコンピュータの普及に伴って江戸文字のフォントが広く使用されるようになってきているとしても,本願商標自体の外観における書体の特徴に照らせば,上記判断は左右されるものではない。
2 本願商標の構成のうち「饅\頭」の部分は,和菓子の一種を示す普通名称であって,「饅頭」の文字だけでは自他商品識別力が希薄であることは否定できないが,前記1のとおり,本願商標は縦1行にまとまりよく記して成る外観を有し,本願商標を構\成する文字の書体も,文字の大きさも相互にほぼ同一であって,例えば「炭都」の部分が特に強調された体裁を有するものではない。そうすると,本願商標からはまず「タントマンジュウ」との称呼が生じるというべきである。被告は,本願商標の「饅頭」以外の部分,すなわち「炭都」の部分が本願商標の要部であるから,本願商標からは「タント」との称呼が生じると主張する。しかしながら,前記のとおり,本願商標は縦1行にまとまりよく記して成る外観を有し,「炭都」の部分が特に強調された外観のものではないから,「饅\頭」の語の自他商品識別力が希薄であるとしても,「炭都」の部分が直ちに要部となるとはいえず,原則として「タントマンジュウ」との称呼が生じるとの上記認定に変わりはない。また,需要者や取引者が本願商標の「炭都」の部分に着目し,「炭都饅頭」(タントマンジュウ)の略称の一つとして「タント」と称呼する可能\性があるとしても,本願商標から「タントマンジュウ」との称呼が生じることを否定できるものではなく,また,「饅頭」において,商品名から「饅\頭,まんじゅう」を除いた部分をローマ字や片仮名で並記することが少なくないとしても,本願商標における4文字を一連にして成る江戸文字書体の強い外観の印象に照らせば,「タント」の称呼を持つ「炭都」の部分が要部となるとすることはできない。他方,引用商標からは,その構成文字,とりわけ片仮名部分に相応して,「タント」との称呼が生じる。そうすると,本願商標と引用商標とは,生じる称呼が異なるということができる。\n

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平成23(行ケ)10081 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年09月27日 知的財産高等裁判所

「モンテローザカフェ」が「モンテローザ」と類似かが争われました。類似するとした審決が維持されました。
 本件商標は,「モンテローザカフェ」の片仮名文字を標準文字で書して成るものであり,「モンテローザ」と「カフェ」の二つの文字部分の結合から成っている。このような文字商標と他の商標との類否判断をする場合,文字商標の一部分の文字だけを抽出することができるのは,その部分が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるときや,それ以外の部分からは出所識別機能としての称呼,観念が生じないときなどに限られるところ(最高裁平成20年9月8日裁判集民事228号561頁〔つつみおひなっこや事件〕),本件商標構成中の「モンテローザ」の文字部分は,スイス・イタリアの国境にそびえるアルプス山脈中の高峰である「モンテ‐ローザ(Monte Rosa)」(イタリア語で「ばら色の山」の意)を意味する語であり,「カフェ」の文字部分は,「主としてコーヒーその他の飲料を供する店,珈琲店,喫茶店」を意味する語である。そして,「モンテローザカフェ」が「モンテローザ」と「カフェ」の二つの語から成ることは容易に理解できるところ,「カフェ」の語は,我が国に多数存在する「主としてコーヒーその他の飲料を供する店,珈琲店,喫茶店」を意味する語として一般に定着している業態名であって,本件商標の指定役務との関係では役務を提供する場所,あるいは提供する役務の質(業種)を示すものとして,自他役務の識別標識としての機能は弱く,原則としてそこに出所識別機能\としての称呼,観念は生じないと認められる。一方,「モンテローザ」の文字部分は,上記のとおり,アルプス山脈中の山の名前を意味する語であり,外国の自然地名ではあるが,具体的にイタリアの山の名前であることを知らない者にとっても,語感の響きから何となくヨーロッパの地名に由来するような印象を与えるしゃれた語であって,日本に多数存在する喫茶店の別名として定着している「カフェ」の業態を特定ないし識別する部分ということができるから,役務の自他識別標識として強く支配的な印象を与え,その機能を果たし得るものと認められる。そうすると,本件商標は,「モンテローザ」の文字部分と「カフェ」の文字部分を一体として観察することが取引上自然といえるまでに結合していると認めるのは相当でなく,むしろ,自他識別標識としての機能\を果たし得ると認められる「モンテローザ」の部分を抽出して,引用商標との類否判断をするのが相当である。

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平成23(行ケ)10085 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年09月20日 知的財産高等裁判所

 「TVプロテクタ」と「PROTECTOR」が非類似と判断されました。
 外観について,指定商品の関係でみても「プロテクタ」の部分に識別力があるとすべき事情は認められないので,本願商標は欧文字と片仮名文字を組み合わせた「TVプロテクタ」として観察されるのに対し,引用商標は欧文字の「PROTECTOR」として観察され,全体として両者は外観が異なる。観念について,本願商標からは特定の観念が生じず,仮にテレビジョン受信機を保護する何らかの装置との観念が生じ得るとしても,引用商標は,保護する装置,保護者等の観念そのものであるから,保護する装置等の観念部分が共通するとはいっても,全体としてみれば,両者は観念において異なる。称呼についても,本願商標からは「ティーヴィープロテクタ」の称呼が生じるのに対し,引用商標からは「プロテクター」又は「プロテクタ」の称呼が生じるもので,「プロテクタ」の部分は共通するものの,全体としてみれば称呼は異なる。以上のとおり,本願商標と引用商標とは,その外観,観念,称呼において異なるところ,この対比結果につき,取引の実情に関し特に斟酌すべき事実は認められない。したがって,本願商標と引用商標は類似するということはできない。
・・・
イ 被告は,本願商標の観念及び称呼について,本願商標中「TV」部分は,指定商品「電気通信機械器具」に含まれる「テレビジョン受信機」を意味する略語であるから,当該指定商品に使用する場合には出所識別機能を有しないが,「プロテクタ」部分については,商品の品質等を直ちに表\示するものではなく,出所識別機能を有するから,本願商標中「プロテクタ」部分が要部として認識され,この部分からも観念及び称呼が生じると主張する。確かに,本願商標中「TV」部分は,指定商品「電気通信機械器具」に含まれる「テレビジョン受信機」を意味する略語であるから,これを指定商品「テレビジョン受信機」に使用する場合には出所識別機能\を有しないといい得る。しかしながら,テレビジョン受信機は「電気通信機械器具」の一部にすぎないし,他方において,本願商標中「プロテクタ」部分についても,当該部分は「保護する装置」との意味を有する英単語の片仮名表記と解されるところ,指定商品「電気通信機械器具」に含まれる「電気通信機械器具の部品及び附属品」には,その性質上,電気通信機械器具を静電気,電波,磁気,衝撃等から保護するための装置が包含されると解される(特に,「電気通信機械器具の部品及び附属品」に含まれる「保安器」は,雷から電気通信機械器具を「保護する装置」である。)から,「プロテクタ」部分を指定商品「電気通信機械器具」に使用するか,少なくともこれに含まれる「保安器」に使用する場合には,出所識別機能\は極めて低いものといえる。そもそも「TV」も「プロテクタ」も普通名詞として一般に通用している語であることも踏まえ,上記の検討にかんがみると,本願商標中「TV」部分と「プロテクタ」部分は,それぞれ異なる指定商品との関係において出所識別標識としての機能がないか,極めて低いものであって,出所識別標識としての機能\に差異があるとはいえない。したがって,本願商標においては,「TVプロテクタ」全体が一体のものとして把握されると理解するのが自然であり,本願商標中「プロテクタ」部分のみを要部として抽出することは不相当というべきであり,この部分からも称呼及び観念が生じるとする被告の上記主張は採用することができない。

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平成23(行ケ)10086 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年09月14日 知的財産高等裁判所

 商標法4条1項15号,19号違反でないとした審決が維持されました。
 本件商標中の「小売等役務商標の査定ないし商標登録」の効力の及ぶ範囲について検討する。上記のとおり,「小売等役務商標の査定ないし商標登録」行為は,独占権を付与する行政行為等であるから,独占権の範囲に属するものとして指定される「役務」は,例えば,「金融」,「教育」,「スポーツ」,「文化活動」に属する個別的・具体的な役務のように,少なくとも,役務を示す用語それ自体から,役務の内容,態様等が特定されることが必要不可欠であるといえる。ところで,「小売役務商標」は,上記の,独占権の範囲を明確にさせるとの要請からは大きく離れ,「小売の業務過程で行われる」という経時的な限定等は存在するものの,「便益の提供」と規定するのみであって,提供する便益の内容,行為態様,目的等からの明確な限定はされていない。「便益の提供」とは「役務」とおおむね同義であるので,仮に何らの合理的な解釈をしない場合には,「便益の提供」で示される「役務」の内容,行為態様等は,際限なく拡大して理解,認識される余地があり,そのため,商標登録によって付与された独占権の範囲が,際限なく拡大した範囲に及ぶものと解される疑念が生じ,商標権者と第三者との衡平を図り,円滑な取引を促進する観点からも,望ましくない事態を生じかねない。例えば,譲渡し,引渡をする「物」等(小売の対象たる商品,販売促進品,景品,ソフトウエア,コンテンツ等を含む。)に登録商標と同一又は類似の標章を付するような行為態様について,これを,小売等役務商標に係る独占権の範囲から,当然に除外されると解すべきか否かについても,明確な基準はなく,円滑な取引の遂行を妨げる要因となり得るといえる。上記の観点から,本件について検討する。
 まず,「特定小売等役務」においては,取扱商品の種類が特定されていることから,特定された商品の小売等の業務において行われる便益提供たる役務は,その特定された取扱商品の小売等という業務目的(販売促進目的,効率化目的など)によって,特定(明確化)がされているといえる。そうすると,本件においても,本件商標権者が本件特定小売等役務について有する専有権の範囲は,小売等の業務において行われる全ての役務のうち,合理的な取引通念に照らし,特定された取扱商品に係る小売等の業務との間で,目的と手段等の関係にあることが認められる役務態様に限定されると解するのが相当である(侵害行為については類似の役務態様を含む。)。次に,「総合小売等役務」においては,「衣料品,飲食料品及び生活用品に係る各種商品」などとされており,取扱商品の種類からは,何ら特定がされていないが,他方,「各種商品を一括して取り扱う小売」との特定がされていることから,一括的に扱われなければならないという「小売等の類型,態様」からの制約が付されている。したがって,商標権者が総合小売等役務について有する専有権の範囲は,小売等の業務において行われる全ての役務のうち,合理的な取引通念に照らし,「衣料品,飲食料品及び生活用品に係る各種商品」を「一括して取り扱う」小売等の業務との間で,目的と手段等の関係にあることが認められる役務態様に限定されると解するのが相当であり(侵害行為については類似の役務態様を含む。),本件においても,本件商標権者が本件総合小売等役務について有する専有権ないし独占権の範囲は上記のように解すべきである。
 そうだとすると,第三者において,本件商標と同一又は類似のものを使用していた事実があったとしても,「衣料品,飲食料品及び生活用品に係る各種商品」を「一括して取り扱う」小売等の業務の手段としての役務態様(類似を含む。)において使用していない場合,すなわち,i)第三者が,「衣料品,飲食料品及び生活用品に係る」各種商品のうちの一部の商品しか,小売等の取扱いの対象にしていない場合(総合小売等の業務態様でない場合),あるいは,ii)第三者が,「衣料品,飲食料品及び生活用品に係る」各種商品に属する商品を取扱いの対象とする業態を行っている場合であったとして,それが,「衣料品,飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う」小売等の一部のみに向けた(例えば,一部の販売促進等に向けた)役務についてであって,各種商品の全体に向けた役務ではない場合には,本件総合小売等役務に係る独占権の範囲に含まれず,商標権者は,独占権を行使することはできないものというべきである(なお,商標登録の取消しの審判における,商標権者等による総合小売等役務商標の「使用」の意義も同様に理解すべきである。)。「総合小売等役務商標」の独占権の範囲を,このように解することによって,はじめて,他の「特定小売等役務商標」の独占権の範囲との重複を避けることができる。

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平成23(行ケ)10040 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年06月29日 知的財産高等裁判所

 類似する商標であるとした審決が取り消されました。
 本件商標と引用商標は,「シュープ」の称呼を生じ得る点で称呼において類似するものの,外観において相違する。また,特定の観念は生じないと解されるから,観念において類否を判断することはできない。また,本件商標に係る取引の実情をみると,原告は,前記1の(4)のとおり,商標「CHOOP」について,長期にわたり,指定商品等への使用を継続してきたこと,雑誌,新聞,テレビや飛行機内での番組提供,テレビCM等を利用して,宣伝広告活動を実施してきたこと,ファションブランド誌や業界誌にも紹介されていること,「ティーン世代の少女層向けの可愛いカジュアルファッションブランド」を想起させるものとして,需要者層を開拓してきたこと,その結果,同商標は,ティーン世代の需要者に対して周知となっていることが認められる。他方,引用商標を構成する「Shoop」の欧文字は,「セクシーなB系ファッションブランド」を想起させるものとして,需要者層を開拓してきた,そして,商標「CHOOP」の使用された商品に関心を示す,「ティーン世代の少女層向けの可愛いカジュアルファッション」を好む需要者層と,引用商標の使用された商品に関心を示す,いわゆる「セクシーなB系ファッション」を好む需要者層とは,被服の趣向(好み,テイスト)や動機(着用目的,着用場所等)において相違することが認められる。そうすると,本件商標と引用商標とは,外観が明らかに相違し,取引の実情等において,原告による「CHOOP」商標が広く周知されていること,需要者層の被服の趣向(好み,テイスト)や動機(着用目的,着用場所等)が相違することに照らすならば,本件商標が指定商品に使用された場合に取引者,需要者に与える印象,記憶,連想は,引用商標のそれとは大きく異なるものと認められ,称呼を共通にすることによる商品の出所の誤認混同を生じるおそれはないというべきである。\n

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平成23(行ケ)10004 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年06月28日 知的財産高等裁判所

「アイテック阪急阪神」が引用商標「アイテック」に類似するとした審決が取り消されました。
 本願商標は,中央から右端にかけて,やや大きな「アイテック阪急阪神」の文字と小さな「株式会社」の文字が黒色で横書きされ,その左側に,「h」の欧文字を2つ重ねたものと理解することができるか,あるいは,上下の波形のようにも見える青色のやや大きな図形を表し,その図形の左下に,青色で右に少し傾いた小さな「i−TEC」の二重文字を横書きしてなるものである。そして,i)「アイテック阪急阪神」の文字が,同じ大きさで一体として記され,中央の大きな面積を占めていること,他方で,ii)「株式会社」の文字は小さく,会社組織を示す一般的な語であること,iii)「i−TEC」の文字は,小さく左下隅に配されており,しかも,「アイテック」の称呼が生じることからすると,中央の「アイテック阪急阪神」の文字部分のうち「アイテック」の部分を欧文字で表すものとして,「アイテック阪急阪神」の文字部分に従属するものと理解されること,iv)図形部分も一見しただけではいかなる意味を持つか理解しにくいものであることからすると,本願商標に接した需要者等は,中央の「アイテック阪急阪神」の文字部分を一体のものとして強く意識することが多いものと認められる。また,「アイテック阪急阪神」の文字部分からは,「アイテックハンキュウハンシン」の称呼を生じるが,この程度であれば,商標として冗長というほどではない。加えて,「i−TEC」の文字や「アイテック」の文字部分は造語ではあるものの,特徴的な外観,観念,称呼を有するものではない。そして,「i」がインフォメーションの頭文字として多方面で使用される欧文字であり,「TEC」もテクノロジーなる科学技術一般を指す単語を表す3文字の欧文字として思い付きやすく語呂のよい文字群であって我が国で広く使用されていることから,「i−TEC」の文字はこの2つを結び付けたにすぎないものとして,識別力において強い印象を与えないのに対して,「阪急阪神」の文字部分は,関西を本拠とする著名な私鉄である阪急と阪神を中心とし,近時村上ファンドの動きにより実現した企業グループのホールディングスとして世間の耳目を集めた阪急阪神グループの略称であって,特に強い印象を与えるものである。このような本願商標においては,「アイテック阪急阪神」の文字部分が一体として把握され,強い自他商品識別力を有するものと理解し,そこに要部を認めるのが自然であり,「i−TEC」の文字や「アイテック」の文字部分だけを抽出して他人の商標との類否を判断するのは相当ではない。次の3における判断においては,この要部を中心に対比するのが相当である。\n

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平成22(行ケ)10339 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年06月06日 知的財産高等裁判所

 商標について取引の実情を考慮して、非類似と判断されました。
 証拠(甲17の1〜3,甲18の1〜6,甲19の1ないし4,甲20の1ないし4,甲21の1ないし3,乙13)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,平成20年1月より,本願商標を使用したヒアルロン酸及びコラーゲン配合の健康食品(原告商品)の販売を開始したこと,その商品名は「本草製薬の潤煌」であり,実際の取引において原告は「潤煌」の部分につき「ウルオウ」と称呼して原告商品を販売していること(したがって,電話による取引においても「ホンゾウセイヤクノウルオウ」若しくは「ウルオウ」という称呼で取引されているものと推認される。),原告商品は1包2グラムの粉末であり,20包入りと60包入り等の箱で販売されているが,その箱の表面中央及びスティック状の各包の表\\面に本願商標が使用されており,また,インターネット上の広告においても,本願商標が中央に大きく表示された原告商品の箱の写真を掲載し,商品名を「本草製薬の潤煌」と明記して販売していること,一方,引用商標1のうち「潤甦」の文字が付された商品は,その商標権者が販売する「コンドロビー濃縮液」と称する720ミリリットル瓶(甲21の1,2)に詰められた清涼飲料水(コンドロイチン硫酸含有食品)であり,瓶のラベル及びその瓶を収納する箱に,黒い縁取りのある金色の文字で「潤甦」と大きく表\\示され,その上段に小さく平仮名で「じゅんこう」と表示されており,その全体的な表\\記はほぼ引用商標3と同一であることが認められる。そうすると,本願商標が使用されている原告商品と引用商標1及び3が使用されている商品とは双方とも健康食品であるという点では共通性があるものの,商品の構成及びその販売形態は著しく異なるものと認められるから,実際の取引においては,商品の出所の誤認混同をきたすおそれがあるとはいえない。\n

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平成23(行ケ)10003 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年05月17日 知的財産高等裁判所

 商標「出版大学」を大学以外の者が使用することは、役務の提供主体を誤認させるとして拒絶した審決が維持されました。拒絶根拠条文は4条1項7号です。
 このように,日本においては学問ないし学術分野として「出版学」と称して,出版に関する学術の研究等がなされ,大学における教授の対象となっていること,「教育内容を想起させる語+『大学』」という組合せからなる名称の大学が少なからず存在することからすれば,本願商標を構成する「出版大学」の文字部分は,学校教育法に基づいて設置された大学の名称を表\示したものであるかのように看取され観念される可能性が高いというべきである。そして,本願商標の指定役務には「技芸・スポーツ又は知識の教授」があり,この中には,学校教育法で定める学校において知識等を教授し又は教育する役務が含まれるところ,学校教育法に基づいて設置された大学の名称(出版大学)と看取される可能\性の高い文字部分を含む本願商標を上記役務に使用するときには,これに接する一般需要者に対し,当該役務の提供主体が,あたかも学校教育法に基づいて設置された大学であるかのような誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。学校教育法は,1条で「この法律で,学校とは,幼稚園,小学校,中学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校,大学及び高等専門学校とする。」,3条で「学校を設置しようとする者は,学校の種類に応じ,文部科学大臣の定める設備,編制その他に関する設置基準に従い,これを設置しなければならない。」,135条1項で「専修学校,各種学校その他第1条に掲げるもの以外の教育施設は,同条に掲げる学校の名称又は大学院の名称を用いてはならない。」と規定しているところ,これは,一定の教育又は研究上の設置目的を有し,法令に定める設置基準等の条件を具備する同法1条に定める学校の教育を公認するとともに,1条に掲げる学校以外の教育施設が1条掲記の「学校の名称」を用いることによって,これに接した者が当該教育施設の基本的性格について誤った認識を持ち,不利益を被らないようにするためのものと解される。このような学校教育法の規定からすると,「大学」との名称を用いる教育施設は,学校教育法所定の最高学府であると一般に認識されるものであるから,本願商標によって生じる前記のような観念からすると,本願商標が使用される役務次第では,このような意味を持つ「出版」という学問,研究分野についての大学に関連する商標との認識が持たれることになりかねない。原告が主張するところによっても,原告は教育施設を擁するものではないから,「大学」という名称を用いても直ちに学校教育法135条1項の規定に違反するとはいえないかもしれない。しかしそうだとしても,学校教育法に基づいて設置された大学を表示するものと誤認されるおそれのある本願商標をその指定役務に含まれる「技芸・スポーツ又は知識の教授」の役務に使用することになれば,これに接した需要者に対し,役務の提供主体があたかも学校教育法に基づいて設置された大学であるかのように誤認を生じさせることになり,教育施設である「学校」の設置基準を法定した上で,この基準を満たした教育施設にのみその基本的性格を表\示する学校の名称を使用させることによって,学校教育制度についての信頼を維持しようとする学校教育法135条1項の趣旨ないし公的要請に反し,学校教育制度に対する社会的信頼を害することになるというべきである。

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平成22(行ケ)10327 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年04月27日 知的財産高等裁判所

 指定役務「資金の貸し付け」について、取引の実情等を総合考慮して出所混同のおそれはないと判断し、拒絶審決が取り消されました。
 本願商標からは,別紙商標目録1に記載したとおりの「MITSUI SUMITOMO CARD Gold Loan」の外観を呈し,「ミツイスミトモカードゴールドローン」ないし「ゴールドローン」との称呼を生じさせる。本願商標から,特定の観念は生じないというべきであるが,原告である三井住友カード株式会社の提供するローンの種類であるとの観念を生じさせることもあり得るといえる。これに対し,引用商標からは,別紙商標目録2に記載したとおり「CitiGold Loan」の外観を呈し,「シティゴールドローン」ないし「シティゴールド」との称呼を生じさせるが,特定の観念は生じない。なお,「シティゴールド ローン」ないし「シティゴールド」から,需要者,取引者に対して,シティバンク銀行株式会社等が属するシティグループが提供する,ローンないし金融サービスとの観念を生じさせることもあり得るといえる。以上の事実を前提とすれば,本願商標と引用商標とは,その外観,称呼において相違する。また,観念においては,特定の観念が生じないので,対比することはできないが,観念が生じるとすれば,その限りで相違する。さらに,本願商標及び引用商標の指定役務は,いずれも「資金の貸付け」であるところ,一般に,その需要者,取引者である資金の借主にとっては,資金の貸主が誰であるかは,最も重要な要素の一つであるから,契約を締結するに当たり,相応の注意を払った上で,貸主が誰であるかを確認するものと推認されることなど,指定役務の内容を含めた取引の実情等を総合考慮するならば,取引者,需要者において,両商標における役務の出所について混同を来すおそれは認められないと解すべきであって,両商標は類似しない。・・・被告は,本願商標及び引用商標の指定役務である「資金の貸付け」を取り扱う業界においては,商品及び役務の主体を表示する代表\的な出所表示(ハウスマーク)とともに,商品及び役務の種類を個別化して特定するための個別商標(ペットマーク)を使用している実情があり,引用商標についても,「Citi」がハウスマークに相当し,「Gold Loan」がペットマークに相当すると主張する。しかし,前記認定した取引の実情に照らすならば,引用商標は,「CitiGold」の部分が取引者,需要者に対して役務の出所の識別標識として強く支配的な印象を与えるから,「Citi」の部分を除外した「Gold Loan」の文字部分が,自他役務の識別標識としての機能を果たすとすることは考えにくい。のみならず,本件全証拠によるも,引用商標について,「Gold Loan」の文字部分が,独立して自他役務の識別標識としての機能を果たしていると認めるに足りる証拠は存在しない。したがって,被告の上記主張は,採用することができない。\n

◆判決本文

◆関連事件です。こちらは,「CitiGold Loan」と「Gold Loan」それ自体が非類似と判断されました。平成22(行ケ)10327

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平成22(行ケ)10332 審決取消 商標権 行政訴訟 平成23年04月25日 知的財産高等裁判所

 「天下米」が引用商標「天下」に類似するとして4条1項11号違反とした拒絶審決が維持されました。原告は、「天下米」と原告会社名「土橋商店」を検索エンジンで検索したところ1万2800件ヒットするので、周知であり識別可能と主張しましたが、これも認められませんでした。
 原告は,インターネット上,本願商標の「天下米」と原告名「土橋商店」をキーワードとして検索すると,多数ヒットすることからすれば,本願商標「天下米」と原告は決して無名ではなく,相当広い範囲で周知であると主張するが,広くインターネットが普及した現代社会において,この程度の事実によって,原告と本願商標との結びつきが全国的にみた一般需要者にとって周知であるとまで認めるには足りない。

◆判決本文

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平成22(行ケ)10257 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成22年12月22日 知的財産高等裁判所

 標章「EXTRIMA」が引用商標「Exstreamer」と類似するとした審決が維持されました。
 本願商標からは,その構成全体に対応した「エクストリマ」の,引用商標からは,(エクストリーマー)の称呼がそれぞれ生ずるものである。両称呼は,語頭から続く「エ」「ク」「ス」「ト」「リ」「マ」の各音が共通するものであり,第5音の,「リ」と(リー),第6音の,「マ」と(マー)について,いずれも長音(ー)の有無という差異を有するにすぎないものである。引用商標の(リー)及び(マー)の長音は,実際に発音する際,その前音である「リ」又は「マ」の母音に吸収されやすく,しかも,各音は,引用商標の構\成における中間から語尾に位置することから,長音を有するか否かの相違は,明瞭に聴取することが困難ということができる。したがって,本願商標及び引用商標は,それぞれ一連に称呼するときは,その語調,語感が近似するものであって,称呼上類似の商標というべきである。

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平成22(行ケ)10102 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成22年09月27日 知的財産高等裁判所

引用商標から「WORLD」を分離認定できるかが争われました。裁判所は、分離できないとして、拒絶審決を取り消しました。
 商標法4条1項11号に係る商標の類否は,対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが,それには,そのような商品に使用された商標がその外観,観念,称呼等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべく,しかもその商品の取引の実情を明らかにし得る限り,その具体的な取引状況に基づいて判断すべきものである。そして,複数の構成部分を組み合わせた結合商標を対比の対象とする際には,まずは結合商標の外観,観念,称呼の態様を総合的に観察してみて,一体のものとして対比の対象とするのか分離して対象とするのかを決し,その上で,具体的な取引の実情が認定できる場合には,その状況も踏まえて,不可分なものとするのか,それとも分離しその一部を抽出してみるのかを決すべきである。引用商標2は,茶色の「W」と思しきアルファベット1文字をレタリングしたものに,黄土色の「C」を組み合わせてロゴ化した図形を表\し,その下にややデザイン化された「WORLD」の欧文字を茶色で大きく横書きし,さらにその直下に「collezione」の欧文字を茶色で小さく横書きして成るものである。そして,「WORLD」の文字と「collezione」の文字は大小の差はあるものの,同一の色彩からなる丸みを帯びた文字で近接して書されていること,引用商標2の上部に配された図形は,「WORLD」の頭文字「W」と「collezione」の頭文字「C」をモノグラム化したものと容易に理解できること,「WORLD」の単語は「世界」を意味する日本人にとってなじみが深く,それだけでは商標の印象が薄いのであり,指定商品分野においてイタリア語を使用する頻度が低くないと一般に認められることも合わせると,取引者,需要者は,引用商標2の構成中の「WORLD」の文字と「collezione」の文字を一体のものとして把握することが多いと認めることができる。そして,「collezione」の語が後記のとおりの意味を持つイタリア語であることは別にしても,本願商標及び引用商標の指定商品の分野に関係する者にとって,その語から「コレツィオーネ」との称呼を連想させ,全体として「ワールドコレツィオーネ」と称呼し,しゃれた語感を持つ商標との印象を与えるものということができる。この全体の称呼は短いものではないが,商標として長すぎるものでもなく,「コレツィオーネ」を切り離して引用商標2を把握することは,「WORLD」の語の前記位置づけからすれば,引用商標2それ自体の態様でみる限り,むしろ引用商標2の自他商品識別力を弱めるものといわなければならない。そうすると,引用商標2の少なくとも下部の「WORLD」と「collezione」の文字部分は,一体として把握するのが自然であり,引用商標2の一部である「WORLD」の文字部分だけを抽出しこれを他人の商標と比較して商標の類否を判断するのは相当でない。このように,引用商標2自体の態様において既に引用商標2は一体のものとして対比の対象とすべきであるが,後記(4)に認定の引用商標2の取引の実情にかんがみても,同様の判断となる。

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平成21(行ケ)10262 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成22年09月14日 知的財産高等裁判所

 スマイルマークの図形商標について、4条1項7号、15号、19号等の違反なしとして審決が維持されました。
 証拠(当裁判所において顕著な事実を含む,当庁平成21年(行ケ)第10267号事件,同第10339号事件)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。(1) 日本においては,昭和45年ころから,アメリカで既に大流行していた「スマイル・マーク」に似た「ニコニコ・マーク」,「ラブ・ピース」が流行した。(2) その後,同マークの流行は収まったが,原告は,米国では米国人H が「スマイル・マーク」の創作者であるとされていたことから,平成10年以降,米国のハーベイ・ボール財団をライセンス元とする「スマイル・マーク」のライセンス契約を締結し,許諾された「スマイル・マーク」に関するサブ・ライセンス契約を締結し,現在まで,日本における同マークの商品化事業を継続してきた。そして,原告は,米国のハーベイ・ボール財団の日本支部として,「スマイル・マーク」に係る事業を行っている有限会社ハーベイ・ボール・スマイル・リミテッドの社会的活動を支援している。(3) 他方,フランス人である被告は,平成9年ころ,来日し,当時の代理人であったイングラム社と共同で記者会見を行い,イングラム社は,平成9年2月11日付け及び同年4月10日付けの日本経済新聞において,「スマイルマークは登録商標です。」「私を勝手に使わないで!」「日本においてスマイルマークを使用される場合は,Y 氏及び弊社の事前承認が必要となります。」などとする全面広告による警告を行った。その後,当時のイングラム社について「詐欺ビジネスを行っている。」旨放送した「エフエム東京」に対し,イングラム社は,営業妨害又は信用棄損に当たるとして東京地方裁判所に提訴したが,2審(東京高等裁判所平成11年(ネ)第5027号事件)において,平成12年1月19日,敗訴判決の言渡しを受けた。同判決は,i)被告は日本において「スマイル・マーク」の出願をしている者にすぎず,第三者に対して差止請求をし得る商標権者ではなく,「スマイル・マーク」の創作者でも著作権者でもない,ii)被告が「スマイル・マーク」の創作者,著作権者であり,「スマイル・マーク」が登録商標であるなどとする広告内容は虚偽であり,イングラム社の許諾なしに「スマイル・マーク」を使用することができないことを前提として,イングラム社が,同人との間でライセンス契約を締結するよう宣伝することは,被告の詐欺的商法に加担したと言われてもやむを得ない,iii)被告又はイングラム社の商法について「国際的詐欺ビジネスの様相を見せ始めている」と形容することも,あながち不当ではないというべきであるなどと認定して,イングラム社の請求を棄却した。同判決は,日本国内において広く新聞報道された。2 商標法4条1項7号に係る判断の誤りについて(1) 原告は,本件商標を構成する図柄が,第三者(故H)の有する著作権の範囲に含まれることを理由に,本件商標は,商標法4条1項7号に該当する商標である旨主張する。しかし,原告の主張は,以下のとおり理由がない。すなわち,登録商標に係る図柄等について,第三者の有する著作物に係る支分権(複製権,翻案権等)の範囲内に含まれることがあったとしても,商標法及び著作権法の趣旨に照らすならば,そのことのみを理由として当然に当該商標が商標法4条1項7号所定の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当するものということはできない。そうすると,仮に,本件において,原告が主張するとおり,1963年に故Hが引用図形(別紙「商標目録」記載(2)引用図形参照)を著作,創作したものであり,本件商標がその著作権の範囲内に含まれるとしても,そのことのみをもって本件商標が,商標法4条1項7号に該当するとはいえない。また,原告が主張するとおり,1960年代後半から1970年代に,米国で「スマイル・マーク」が流行し,我が国においても「スマイル・マーク」がブームを招いたという事情を併せて考慮しても,i)H 自身は,「スマイル・マーク」について商標登録をする意思もなく,第三者が自由に「スマイル・マーク」を使用することを容認し,金銭的な見返りを求めていなかったものと窺えること(当裁判所に顕著な事実・当庁平成21年(行ケ)第10339号事件),ii)原告が「スマイル・マーク」関連商品の商品化事業を日本で進めるようになったのは,平成10年2月2日にハーベイ・ボール財団との間で「スマイル・マーク」のライセンス契約を締結してから以降のことであり(当裁判所に顕著な事実・当庁平成21年(行ケ)第10267号事件,同第10339号事件),さらに,本件訴訟の原告の主張によっても,原告が支援しているハーベイ・ボール財団の日本支部による慈善活動等が日本国内において行われるようになったのは平成14年以降のことであるから,被告には,平成8年12月17日の本件商標の出願当時において,原告主張の慈善活動等によって形成された「スマイル・マーク」の良好なイメージに便乗する意図はなかったと認められることに照らせば,本件商標が,商標法4条1項7号所定の商標に該当するものであると認めることはできない。

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平成22(行ケ)10094 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成22年08月19日 知的財産高等裁判所

 「AERIE」が「エアリー」と類似するとした拒絶審決が取り消されました。
 本願商標は,「AERIE」との5文字の欧文字からなるところ,小学館ランダムハウス英和大辞典第2版(乙1)によれば,その英語での発音は「ɛə ri」又は「iə ri」とされる(もっとも,公刊されたいくつかの英和辞典によれば,この英単語にはそのほかに数種類の発音があり,英語を母国語とする者の間でも,これといった定まった発音はないようである。)。そうだとすれば,この英単語を日本語で発音した場合には,「アエリー」ではなく「エアリー」又は「イアリー」と発音するのが,英語の発音に近いということになる。しかしながら,「aerie」は,いわゆる難語というべきであって,我が国において広く親しまれているとはいえない。そうすると,我が国において,常に「aerie」が「エアリー」と英語の発音に近く読まれるとは限らず,この英単語に接した者は何と発音してよいか分からず,ローマ字読みで「アエリー」又は「アエリ」と読まれることもあるものと解される。これに対し,被告は,「エアロビクス」と「Aerobics」,「エアゾール」と「Aerosol」とが,それぞれ併記されて使用されている例があるとして,乙2の1ないし2の4を挙げるところ,これらの証拠からすれば,「Aerobics」と「エアロビクス」,「Aerosol」と「エアゾール」が併記されて使用されている事例が散見されるといえるが,被告の指摘する例は空気を意味する「aero」の場合に限られており,我が国において,「Aer」が通常「エア」と読まれるとか,「Aerie」を「エアリー」と読むのが原則であるなどとはいえない。このほか,被告は,「aerie」が「エアリー」と読まれている事例があるとして,乙3ないし乙6の3を挙げるところ,これらの証拠からは,「aerie」が「エアリー」と読まれたり,両者が併記されている事例があることが認められる。しかし,他方で,証拠(甲9)からすれば,「aerie」を「アエリー」として読んだり,併記したりしている事例も多数ある。以上からすれば,「aerie」については,英語の発音に近く「エアリー」や「エアリ」と読まれる場合と,ローマ字読みで「アエリー」や「アエリ」と読まれる場合のいずれもあり得るというべきである。
・・・・
以上の諸事情を総合的に考慮すると,本願商標と引用商標の外観は大きく異なっている上,称呼上も,同じ場合だけでなく異なる場合もあるから,たとえ両商標が,観念につき比較できないとしても,両商標には誤認混同のおそれがなく,類似していないというべきである。

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平成21(行ケ)10297 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成22年08月19日 知的財産高等裁判所

 商標法4条1項7号違反でないとした審決が取り消されました。
 以上のとおり,被告の本件商標の出願は,ASUSTeK社若しくはASRock社が商標として使用することを選択し,やがて我が国においても出願されるであろうと認められる商標を,先回りして,不正な目的をもって剽窃的に出願したものと認められるから,商標登録出願について先願主義を採用し,また,現に使用していることを要件としていない我が国の法制度を前提としても,そのような出願は,健全な法感情に照らし条理上許されないというべきであり,また,商標法の目的(商標法1条)にも反し,公正な商標秩序を乱すものというべきであるから,出願当時,引用商標及び標章「ASRock」が周知・著名であったか否かにかかわらず,本件商標は「公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標」に該当するというべきである。
エ したがって,本件商標に,商標法4条1項7号を適用することができないとした審決の判断には誤りがある。

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平成21(行ケ)10396 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成22年07月21日 知的財産高等裁判所

 図形と文字の結合商標について、文字部分の称呼が非類似と判断されました。
 本願商標からは,前記(1)アで認定したとおり,その文字部分全体から・・・の称呼と下段の「ROKICO.,Ltd.」から「ロキシーオーエルティーディー」又は「ロキカンパニーリミテッド」の称呼が生じるとともに,「ロキ」の称呼も生じるものと認められる。他方,引用商標1は,前記(2)アで認定したとおり,「ROKI」の欧文字4字をデザイン化している図形と一応視認できるものと解されるから,「ロキ」の称呼が生じるものと認められるが,本願指定商品の取引者,需要者にあっては,図形の意味が把握できず,必ずしも明確に「ロキ」と称呼できない場合もあるものと推測される。したがって,本願商標と引用商標1とは,その称呼において一応共通するものの,場合によっては相違することもあるものと解される。(エ) 本願商標の使用態様証拠(甲23,73〜110)によれば,原告は,インターネット上での自らのウェブサイト,新聞・雑誌における広告や設置した看板,製造納品する製品及び製品の包装,対外的な取引関係書類等において,本願商標をその図形部分及び文字部分全体を一体として使用するとともに,社報や社内手続書類,社用車,名刺,社員証などの社内物品においても,本願商標全体を一体として使用しているものと認められる。そうすると,本願商標は,その文字部分と図形部分とが切り離されて使用されたり,図形部分中の「ROKI」の部分のみが使用されることは極めて少ないものと解される。(オ) 類否判断以上の本願商標と引用商標1との外観,観念,称呼についての比較検討の結果を踏まえて,全体的に考察すると,両商標は,称呼について共通する場合があるものの,外観において大きく相違し,観念においても比較できないものと認められるところ,「商標の外観,観念または称呼の類似は,その商標を使用した商品につき出所の誤認混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず,従って,右三点のうちその一において類似するものでも,他の二点において著しく相違することその他取引の実情等によって,なんら商品の出所に誤認混同をきたすおそれの認めがたいものについては,これを類似商標と解すべきではない。」(最高裁昭和39年(行ツ)第110号昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁)といえるから,本願商標がその図形部分と文字部分とが常に一体として使用されているという取引の実情も考慮すれば,本願商標を使用した商品が引用商標1を使用した商品とその出所につき誤認混同を生ずるおそれは極めて少ないものといえる。したがって,審決が,本願商標と引用商標1とが称呼において共通する場合があることのみを重視し,両商標が類似すると判断したことは誤りであり,この点に関する原告の取消事由3には理由がある。

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平成21(行ケ)10409 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成22年06月28日 知的財産高等裁判所 

 商標「E-watching」と、「watching」が類似するとした審決が維持されました。
 本願商標の前半部の「e」の文字は,「英語アルファベットの第5字,文字eが表す音,electric(電機の)の略語」(新英和大辞典,乙3),「アルファベットの五番目の文字,音名の一つであるホ音,東又は東経を表す符号,自然対数の底,電気素量を表\す記号,電子を表す記号,エネルギーを表\す記号」(広辞苑第六版,乙2の2)といった意味を有する語であり,「電子の,インターネットの」という意味も有するから(現代用語の基礎知識2010年版,乙4の1),電気製品又は電子機器を含む本願指定商品との関係で,「electric(電気の)」の略語,「電子」あるいは「インターネットを介した」といった意味合いで理解されると解される。そして,最近の取引の実情から「e」の文字部分が「エコロジー(環境にやさしい)」(ecology)といったイメージを有することもあると考えられる。そして,インターネットを利用した電気製品又は電子機器,あるいは環境に配慮した電気製品又は電子機器を製造する業者は多数存在する上,「e」の文字部分(1文字)が電気やインターネットを利用すること,あるいは環境に配慮していることを示す略語としてハイフンに続く語に対し接頭語のように使用されていることに照らすと,「e」の文字部分から特定の商品の出所が識別できるとは考えがたい。そうすると「e」の部分からは出所識別標識としての観念は生じないというべきである。また,本願商標は,上記のとおり,前半部の「e」の文字部分と後半部の「watching」の文字部分が「−」(ハイフン)で連結して成るところ,構成中の「−」(ハイフン)は,言語表\記の補助符号であり,英文などで合成度の浅い複合語の連結,1語が行末までに収まりきれず2行にまたがる時のつなぎ,又は,1語内の形態素の区切りを明確にするのに使われるものである(広辞苑第六版,乙2の1)。そうすると,本願商標は,複数の言葉の連結又は1語内の形態素の区切りの明確化というハイフンのなす役割自体からして,「」と「」の各文字部分とを分離して看取することは可能であると考えられる上,「e‐watching」の語が取引社会において一連一体の語句として特定の意味合いをもって一般に親しまれていると認めることもできないから,本願商標の構\成部分である「」の文字部分と「」の文字部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものということはできない。さらに,「watching」の文字部分は,8文字からなっていて,1文字である「watching」の8倍の長さがあるのみならず,英語で「観察,監視」(ポケットプログレッシブ英和辞典〔甲12〕,ランダムハウス英和大辞典〔乙5の1〕)の意味を有する語であって,日本においても比較的親しまれた語であり,本願商標はその一部である「watching」の文字部分だけによって簡略に称呼,観念されることもあると認めることができる。そうすると,本願商標は,複数の構成部分の結合度が浅くそれを分離して観察することが取引上不自然でないと認めるのが相当であるから,本願商標のうち「watching」の文字部分を分離して,本願商標と引用商標との類否判断をすることは許されると解される。

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平成21(行ケ)10411 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成22年04月28日 知的財産高等裁判所

 非類似であるとして無効理由無しとした審決が、取り消されました。
 本件商標は,「アスリートレーベル」の片仮名文字から成る結合商標である。本件商標を構成する「アスリート」は「運動選手,競技者」等,「レーベル」は「ラベル」と同義で「貼\\り紙,広告や標識のために貼る小さな紙片」等を意味する普通名詞である(岩波書店「広辞苑〔第6版〕」,三省堂「大辞林〔第2版〕」)。そして,前記(2)認定のとおり,本件商標の一部を構成する「アスリート」の部分が,需要者である医療関係者や医療用機械器具を取り扱う取引者に対し,原告の商品を示すものとして周知性を獲得し,出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるから,本件商標のうち「アスリート」の部分だけを,原告の使用商標と比較して商標そのものの類否を判断することも,許されるものというべきである。イそうすると,本件商標からは,「アスリートレーベル」全体としてのみならず,「アスリート」の部分からも称呼,観念が生じるということができる。そして,後者の「アスリート」は,原告の使用商標のうち「アスリート」と同一の片仮名文字から成るものであり,両者とも「アスリート」という同一の称呼が生じ,「運動選手,競技者」という同一の観念が生じるから,その外観を考慮しても,両者は類似する。したがって,本件商標「アスリートレーベル」が医療用腕環に使用されるときは,本件商標中の「アスリート」は,需要者である医療関係者や医療用機械器具を取り扱う取引者において,周知の原告の使用商標との出所を誤認混同するおそれがあるといわざるを得ない。ウしかるところ,1個の商標から2個以上の呼称,観念を生じる場合には,その1つの称呼,観念が登録商標と類似するときは,それぞれの商標は類似すると解すべきである(前掲最高裁昭和38年12月5日第一小法廷判決参照)。エよって,本件商標から生じる称呼,観念の1つである「アスリート」と原告の使用商標とが類似する以上,本件商標は,原告の使用商標と類似するものである。\n

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昭和21(行ケ)10152 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成22年04月27日 知的財産高等裁判所

 先行商標に類似するして無効とした審決が取り消されました。アンケート結果に対しても言及しました。
 以上からすれば,本件商標において,「POLO」部分のみが,取引者,需要者に対し,商品や役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとか,「RALPHLAUREN」部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないとはいい難い。そうすると,単に「POLO JEANS CO.」とあるだけでなく,その下に「RALPH LAUREN」との赤字部分がある本件商標において,その要部を「POLO」のみと解することは,その外観のみならず,取引の実情(「POLO」は本来普通名詞であるが,「RALPH LAUREN」と結びつくことによって,ラルフローレンのデザインに係る商品としての強い自他識別力が生じており,これを取引者,需要者も理解していること)にも反し,相当ではなく,本件商標における要部は,「POLO」部分及び「RALPH LAUREN」部分を併せたものというべきである。・・・・当裁判所は,前記2のとおり,本件商標の客観的構成や,本件アンケートの結果を除く取引の実情等から,本件商標と引用商標A及びCとは類似しない旨の結論を導いているものであって,当裁判所の上記判断は本件アンケートの結果に依存するものではない。ただ,本件アンケートは,上述したように,その手法等において手堅く合理性の高いものであり,したがって,そのアンケートの結果も,公正で控え目な結論を導こうとしているものとして,首肯しやすいものがあるところ,アンケートの結果によれば,本件商標に接した需要者には,被告の会社やブランドの存在を正確に知っている者は極めて少ないといえるのであるから,この点からも,当裁判所の上記判断は裏付けられるものということができる。\n

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平成21(行ケ)10228 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟平成22年03月29日 知的財産高等裁判所

 コーヒーの産地表示か否かが争われました。裁判所は、3条1項3号、4条1項16号違反とした審決を一部の指定商品について取り消しました。
 前記(1)認定の事実によれば,i)我が国においては,「YIRGACHEFFE」又は「イルガッチェフェ」(前記(1)のとおり「YIRGACHEFFE」の日本語表記にはいろいろなものがあるが,いずれも「YIRGACHEFFE」の日本語表\\記であると認められるので,以下それらを総称して「イルガッチェフェ」を用いる。)は,これが「コーヒー,コーヒー豆」に用いられる場合,コーヒー又はコーヒー豆の銘柄又は種類を指すものとして用いられることが多いこと,ii)我が国において,「イルガッチェフェ」が,エチオピアにおけるコーヒー豆の産地として用いられる場合があるが,その場合でも,上記銘柄又は種類としての「YIRGACHEFFE」又は「イルガッチェフェ」の産地として用いられていることが多いこと(「イルガッチェフェ」が「シダモ」の産地として用いられることもあったと認められるが,そのような例が多いとは認められない。),iii)上記銘柄又は種類としての「YIRGACHEFFE」又は「イルガッチェフェ」は,エチオピア産の高品質のコーヒー豆又はそれによって製造されたコーヒーについて用いられていることが認められる(なお,前記(1)の事実の中には,本件商標の登録査定日以後の事実が含まれているが,本件商標の登録査定日後1年以内の事実であり,本件商標の登録査定日前の事実と相まって,上記認定に用いることができると認める。)。以上の事実に,証拠(甲6〜8,21の1・2,23の1〜8,24の1・2,25〜27,44〜46,乙36の2,37,41,42)によれば,エチオピアの「イルガッチェフェ」(「YIRGACHEFFE」)という地名は,我が国の学校教育において使用されている地図(小学校,中学校,高校)はもとより,一般の地図にも掲載されておらず,辞書・事典類にも「イルガッチェフェ」(「YIRGACHEFFE」)の項目はないことが認められるから,一般に我が国においては,エチオピアの「イルガッチェフェ」(「YIRGACHEFFE」)という地名の認知度は低いものと認められることを総合すると,本件商標が,その指定商品である「コーヒー,コーヒー豆」について用いられた場合,取引者・需要者は,コーヒー豆の産地そのものというよりは,コーヒー又はコーヒー豆の銘柄又は種類,すなわち,エチオピア産(又はエチオピアのシダモ地方イルガッチェフェ地域産)の高品質のコーヒー豆又はそれによって製造されたコーヒーを指すものと認識すると認められる。そうすると,本件商標は,自他識別力を有するものであるということができる。また,前記(1)認定の事実によれば,上記銘柄又は種類としての「YIRGACHEFFE」又は「イルガッチェフェ」は,いろいろな業者によって使用されているのであるが,それがエチオピア産(又はエチオピアのシダモ地方イルガッチェフェ地域産)の高品質のコーヒー豆又はそれによって製造されたコーヒーについて用いられている限り,原告による品質管理の下でエチオピアから輸出されたコーヒー豆又はそれによって製造されたコーヒーについて用いられていることになるから,商標権者が原告である限り,その独占使用を認めるのを公益上適当としないということもできない。ウ したがって,本件商標登録が商標法3条1項3号が規定する「商品の産地又は品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するということはできないから,取消事由1は理由がある。・・・・前記3(1)ア認定のとおり,エチオピア国において産地によってコーヒーの風味が異なることからすると,産地に由来する本件商標をエチオピアのシダモ地方イルガッチェフェ地域産以外のコーヒー,コーヒー豆に使用した場合には,品質誤認を生ずるおそれがあるというべきである。そして,審決書記載のとおり,特許庁における平成20年10月28日の第1回口頭審理の結果によれば,指定商品中の「コーヒー」は「焙煎後のコーヒー豆及びそれを更に加工した粉状,顆粒状又は液状にした商品(コーヒー製品)」のことであり,「コーヒー豆」は「焙煎前のコーヒー豆」のことである。したがって,本件商標は,これをその指定商品中「エチオピア国YIRGACHEFFE(イルガッチェフェ)地域で生産されたコーヒー豆,エチオピア国YIRGACHEFFE(イルガッチェフェ)地域で生産されたコーヒー豆を原材料としたコーヒー」以外の「コーヒー豆,コーヒー」について使用するときは,商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから,商標法4条1項16号が規定する「商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標」に該当するとの審決の判断に誤りがあるということはできない。また,このように解することが,前記3(2)エ(ア)bのTRIPs協定の規定にも適合するというべきである。・・・・商標法46条1項ただし書は,商標登録の無効審判請求について,「商標登録に係る指定商品又は指定役務が2以上のものについては,指定商品又は指定役務ごとに請求することができる。」と規定していることからすると,商標登録の無効審判請求は,指定商品又は指定役務ごとにすることができるところ,ここでいう「指定商品又は指定役務」は,出願人が願書で記載した「指定商品又は指定役務」に限られることなく,実質的に解すべきである。本件においては,既に述べたとおり,「エチオピア国YIRGACHEFFE(イルガッチェフェ)地域で生産されたコーヒー豆,エチオピア国YIRGACHEFFE(イルガッチェフェ)地域で生産されたコーヒー豆を原材料としたコーヒー」とそれ以外の「コーヒー豆,コーヒー」では,商標法4条1項16号該当性において違いがあり,「指定商品」としても異なると解することができる。したがって,「エチオピア国YIRGACHEFFE(イルガッチェフェ)地域で生産されたコーヒー豆,エチオピア国YIRGACHEFFE(イルガッチェフェ)地域で生産されたコーヒー豆を原材料としたコーヒー」に係る部分には無効事由はないが,それ以外の部分には無効事由があるとの判断をすることができるというべきである。

◆判決本文
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◆平成21(行ケ)10227

◆平成21(行ケ)10226

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平成21(行ケ)10339 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成22年03月30日 知的財産高等裁判所

 他人の著作権との抵触する商標について、公序良俗違反との主張は認められませんでした。
 原告は,本件商標を構成する図柄が,第三者(故ハーベイボール)の有する著作権の範囲に含まれることを理由に,本件商標は,商標法4条1項7号に該当する商標であると主張する。しかし,原告の主張は,以下のとおり理由がない。すなわち,登録商標に係る図柄等について,第三者の有する著作物に係る支分権(複製権,翻案権等)の範囲内に含まれることがあったとしても,商標法及び著作権法の趣旨に照らすならば,そのことのみを理由として当然に当該商標が商標法4条1項7号所定の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当するものということはできない。仮に,本件において,原告が主張するとおり,1963年に故ハーベイ・ボールが引用図形(別紙「引用図形」参照,スマイリー・フェイス)を著作,創作したものであったとしても,本件商標が,商標法4条1項7号に該当するとはいえない。すなわち,1960年代後半から1970年代に,米国でスマイル・マークが流行し,また,1970年代後半,我が国においてもスマイル・マークがブームを招いたという事情があったとしても,i)ハーベイ・ボール自身は,スマイリー・フェイスについて商標登録をする意思もなく,第三者が自由にスマイリー・フェイスを使用することを容認し,金銭的な見返りを求めていなかったことが窺えること(甲5,6),ii)原告の主張によっても,原告が多額の費用負担をしてスマイリー・フェイスを慈善活動やボランティア活動に活用し,同マークの社会的イメージを向上させるようになったのは,平成10年ころ以降であることから(原告準備書面(1)10頁G1),被告には,平成3年3月8日の本件商標の登録査定時において,「スマイル・マーク」の良好なイメージに便乗する意図はなかったと解されること,iii)原告の主張によれば,平成3年の本件商標の登録査定当時には,日本でのスマイル・マークのブームは収束し,商標登録をしていた商標権者らもその更新登録をしないで商標権を放棄する傾向があったこと等の事情を総合考慮するならば,本件商標が,商標法4条1項7号所定の商標に該当すると認めることはできない。

◆判決本文

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平成21(行ケ)10306 商標登録取消決定取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成22年03月29日 知的財産高等裁判所

 商標「いなば和幸」から「和幸」を分離して、類似と判断した審決が取り消されました。
 しかしながら,前記ア(カ)の紹介記事のほとんど(甲202,203,205,206,乙18〜31,33,34)において,本件3社を区別し,又は明示することなく「とんかつ和幸」ないし「和幸」の紹介がなされ,特に,平成12年4月20日付け日経流通新聞上の「第26回日本の飲食業調査−経常利益額ランキング。」と題する記事(乙30)の「社名」欄においてさえ,1箇所(43位の欄)にのみ単に「和幸」と記載されていることにかんがみると,上記イの記事によっても,「とんかつ和幸」の名称又は「和幸」の文字を含む名称の豚カツ料理店が本件3社ないし複数の別会社により経営されるものであるとの事実が,本件役務に係る取引者及び需要者に広く知られているとまで認めることはできず,その他,そのように認めるに足りる証拠はない。(2) 本件商標から「和幸」の文字部分を抽出して観察することの当否ア 本件商標は,「いなば和幸」の文字を横書きして成るものであり,各文字の大きさ及び書体は同一であって,その全体が等間隔に1行でまとまりよく表されているものであるから,「和幸」の文字部分だけが独立して見る者の注意をひくように構\成されているということはできない。イ また,本件商標の「和幸」の文字部分の出所識別機能についてみると,前記(1)アのとおり,本件3社は,長きにわたって「とんかつ和幸」の名称又は「和幸」の文字を含む名称で豚カツ料理店を経営し,本件役務について引用商標,参考商標1及び2等を使用してきたものであり,また,その経営規模をみても,本件3社は,全国に店舗網を広げ,豚カツ料理業界の中で大きな市場シェアを占めるに至り,さらに,本件3社が経営する「とんかつ和幸」の名称又は「和幸」の文字を含む名称の豚カツ料理店は,各種新聞,雑誌等において広く紹介され,我が国有数の豚カツ料理チェーン店として認知されているということができるのであるから,本件商標が本件役務について使用された場合,取引者及び需要者は,本件商標の「和幸」の文字部分が「とんかつ和幸」の名称又は「和幸」の文字を含む名称の豚カツ料理店を指すと容易に理解するものと認められるが,他方で,前記(1)ウのとおり,「とんかつ和幸」の名称又は「和幸」の文字を含む名称の豚カツ料理店が本件3社ないし複数の別会社により経営されるものであるとの事実が本件役務に係る取引者及び需要者に広く知られているとまで認めることはできないのであるから,引用商標との関係でみると,本件商標の「和幸」の文字部分が,本件役務に係る取引者及び需要者に対し,引用商標の商標権者である補助参加人が当該役務の出所である旨を示す識別標識として強く支配的な印象を与えるものということはできず,その他,そのようにいうことができるに足りる証拠はない。ウ さらに,本件商標の「いなば」の文字部分についてみると,一般的には,当該文字部分からは,氏の1つである「稲葉」が想起されるが,「いなば」には,これが氏を平仮名書きしたものであるとしても,「稲場」,「因幡」などの氏が,また,氏以外に,地名を平仮名書きしたであるとしても,「稲場」,「因幡」などの地名が含まれるから,氏としての「稲葉」以外を想起し得ないものではないところ,前記(1)アの事実に加え,当該文字部分が,氏,地名として想起される「いなば」は1つに限定されないが,そのなかから,本件では,原告を設立したCの氏である「C」から取られたものと認められることをも併せ考慮すると,本件商標が本件役務について使用された場合に,当該文字部分に自他役務を識別する機能が全くなく,当該文字部分から出所識別標識としての称呼及び観念が全く生じないとまでいうのは相当でないというべきである。エ その他,本件商標について,その構成中の「和幸」の文字部分だけを抽出して観察することを正当化するような事情を見いだすことはできないから,本件商標と引用商標との類否を判断するに当たっては,本件商標の構\成部分全体をみるべきであって,同商標の構成中の「和幸」の文字部分だけを引用商標と比較して類否判断を行うことは許されないというべきである。\n

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平成21(行ケ)10328 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年03月17日 知的財産高等裁判所

 商標「berry mobile」が商標「BlackBerry」と類似するかが争われました。知財高裁は、類似しないとした審決を取り消しました。
 引用商標1及び2の各文字部分は,「BlackBerry」の文字を横書きして成るものであるが,「B」の2文字がいずれも大文字で表されていることにより,「Black」の部分と「Berry」の部分とが連続して記載されていても,別の部分として認識されるほか,我が国において,「black」は,「黒」,「黒い」などを意味するなじみの深い英単語であり,その直後に果物の1つの種類(漿果)を意味する「berry」のような名詞が続く場合,単に色を表\\す形容詞として認識されるのが通常であること,また,「ベリー」が果実の1つの種類を表す言葉として認識されていることからすると,当該各文字部分が「Black」の部分と「Berry」の部分とに分離して観察されることは否定することができない。もとより,「blackberry」は,1つの英単語であるが,同時に,「black」及び「berry」の英単語もそれぞれ存在するのであるから,「blackberry」が1つの英単語であることは,引用商標1及び2の各文字部分が「Black」の部分と「Berry」の部分とに分離して観察され得るとの上記判断を左右するものではない。そうすると,引用商標1及び2からは,その文字部分全体に対応した称呼及び当該文字部分全体と図形部分とに対応した観念が生じるだけでなく,「Berry」の文字部分に対応した「ベリー」の称呼及び当該文字部分とベリー類の果実を図案化したものと認められる図形部分とに対応した「果物のベリー」の観念も生じるといわざるを得ない。・・・上記(1)及び(2)によると,本件商標と引用商標1及び2とは,称呼及び観念において共通するものであるから,本件商標と引用商標1及び2とがその外観を異にすることを考慮しても,本件商標と引用商標1及び2とが同一又は類似の役務に使用された場合には,当該役務の出所について混同が生じるおそれがあるというべきであるから,本件商標は,引用商標1及び2と類似するものと認めるのが相当である。

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平成21(行ケ)10313 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成22年02月10日 知的財産高等裁判所

 商標「チームルマン」が出所混同を生ずるおそれがあるとして、無効とした審決が維持されました。
 上記2〜4によると,引用商標が被告の自動車レースに係る業務役務を表示するものとして周知著名となっていたこと,本件商標の要部と引用商標とは,外観,称呼,観念において共通する部分が多く,本件商標と引用商標とは類似性の程度が高いこと,本件商標の指定商品及び指定役務と被告が開催する自動車レースに係る役務及び商品とは関連性があり,その需要者において共通するものであることなどが認められ,これらの事情を総合考慮すると,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,本件商標をその指定商品又は指定役務に使用した場合,これに接する需要者が,周知著名な商標である引用商標を連想・想起して,これらの商品又は役務が被告との間に緊密な営業上の関係又は同一の表\示による商品化事業を営むグループに属する関係にある者の業務に係る商品又は役務であると誤信するおそれがあるものと認められる。

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平成21(行ケ)10274 商標登録取消決定取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成22年01月13日 知的財産高等裁判所

 図形商標について、商標法4条1項15号に該当するとして登録を取り消すとの審決が、知財高裁により取り消されました。
上記(2)ないし(6)によると,本件商標と引用商標とは,いずれも,上部に2つの山を重ねたように2か所で盛り上がった赤色系の上唇,開放された人の口から大きく張り出した赤色系の舌,舌の上部配された白色の上前歯状のもの及び黒色の口内が描かれているという点で構成を共通にする。また,引用商標は,音楽関係の商品及び役務分野において,ローリングストーンズに係る商品又は役務を表\示するものとして,取引者・需要者の間において著名で,かつ,独創性がある。しかしながら,本件商標と引用商標とでは,称呼及び観念の共通性がないことに加え,外観においても,本件商標では正面方向から見た平面的な図形であるのに対して,引用商標ではやや右斜め方向から見た立体的な図形である点でかなり印象を異にするものである点,本件商標では舌上に3本の黒色の図形が描かれているのに対して,引用商標ではそのようなものがない点において相違していることも看過し得ない構成の特徴である。そして,引用商標がローリングストーンズの業務に係る商品又は役務を表\示するものとして音楽関係の取引者・需要者の間で周知・著名であることは,また,それ故に,引用商標と本件商標との上記の相違点は,看者にとってより意識されやすいものであると解されるところである。しかも,需要者についてみると,音楽は嗜好性が高いものであって,音楽CD等の購入,演奏会への参加等をしようとする者は,これらの商品又は役務が自らの対象とするもので間違いないかをそれなりの注意力をもって観察することが一般的であると解されること,取引者についてみるに,音楽について通暁していることが一般であるレコード店や音楽業界関係者等である本件指定商品等の取引者が,本件指定商品等において,本件商標をローリングストーンズの業務に係る商品又は役務と混同することは考え難いことなどの事情が認められるのである。これらの事情を総合考慮すると,引用商標に係る商品又は役務は本件商標に係る本件指定商品等に含まれるものであるとしても,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,本件商標を本件指定商品等に使用した場合,これに接する取引者・需要者が,著名な商標である引用商標を連想・想起して,本件指定商品等がローリングストーンズ若しくはローリングストーンズとの間に緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある者の業務に係る商品又は役務であると誤信するおそれがあるものと認めることはできないといわざるを得ない。
(7) 被告の主張について
被告は,本件指定商品等に係る本件商標とローリングストーンズの業務に係る商品又は役務との誤認混同があるとする理由として,アシッドとローリングストーンズがロック音楽という点で共通していること,ローリングストーンズとアシッドのファンの年齢層にも共通する部分があること,レコードや音楽の公演等の主たる需要者が商標に着目して商品又は役務を選択する可能性の存在があること等を主張するが,上記認定のとおりのロック音楽の多義性からして,「ロック音楽」であるということから直ちに統一的に理解することができるものであるか疑問がなくはないこと,ローリングストーンズとアシッドとの中心的なファン層が異なること,音楽は嗜好性が高いものであって,音楽CD等の購入,演奏会への参加等をしようとする者は,これらの商品又は役務が自らの対象とするもので間違いないかをそれなりの注意力をもって観察することが一般的であると解されるとの取引の実情等に照らすと,被告の主張に係る事情を考慮したとしても,上記判断を覆すに足りるものではない。\n

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平成21(行ケ)10055 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年12月21日 知的財産高等裁判所

 商標「テディベア」が公序良俗違反かが争われました。裁判所は、公序良俗違反ではないとした審決を維持しました。
 「以上のとおり,本件商標の登録査定前にテディベアに関する記載等のある雑誌,書籍,レコード,テレビ番組等があったことを考慮に入れたとしても,本件商標の登録査定時,我が国において,「テディベア」との語が一般的に知られていたとは認められず,また,一説に「teddy bear」の語の由来とされるセオドア・ルーズベルトの逸話も,本件商標の登録査定時,我が国において知られていたとは認められない。本件商標の登録査定時に,我が国において,「テディベア」との語の意味内容及びセオドア・ルーズベルトに関する逸話が広く知られていたと認めることはできないから,商標法4条1項7号に該当するとする原告の主張は,その前提を採用することはできず,主張自体失当というべきである。したがって,本件商標は,商標法4条1項7号に該当しない。

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類似案件はこちらです◆平成21(行ケ)10057

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平成21(行ケ)10211 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年12月01日 知的財産高等裁判所 

 商標法4条1項19号違反でないとした審決が取り消されました。
「上記事実,ことに本件各米国商標を使用した店舗の数,カタログ頒布部数,ウェブサイトの開設状況及びその利用状況等の事実関係によれば,本件商標の登録出願がなされた平成17年11月2日及び本件商標の登録査定がなされた平成18年6月13日の時点において,本件各米国商標は少なくとも米国において女性用被服及びハンドバッグ等の需用者の間に広く認識されていた商標であると認めることができる。よって,本件各米国商標を「他人の業務にかかる商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需用者の間に広く認識されている商標」には当たらないとした審決の判断は誤りである。・・・そして,前記のとおり,原告は,1989年(平成元年)に「ANTHROPOLOGIE」の商標の使用を始め,1992年(平成4年)10月31日には「ANTH ROPOLOGIE」の商標を使用した店舗を米国で開店していた上,1998年(平成10年)には「ANTHROPOLOGIE」の商標を使用したカタログを発行していたところ,被告は被服のブランドライセンス事業を行っており外国の服飾ブランドについても専門知識を有していたと推認されることからすれば,被告が別件商標を出願した平成10年10月7日の時点で本件各米国商標を知っていた可能性が認められる。まして,被告は平成15年1月には海外ブランドの発掘を目的として米国ニューヨーク市に事務所を設立していたのであるから,本件商標を出願した平成17年11月2日の時点で,当時米国において女性用被服及びハンドバッグ等の需用者の間に広く認識されていた本件各米国商標を知っていたと認めるのが相当である。そして,前記1(2)で認定した被告の応訴態度その他本件において認められる上記各事情を総合すると,被告は,本件商標が米国における周知商標である本件各米国商標と類似することを知りながら,本件商標を自ら使用することによって不当な利益を得るため本件商標の登録出願をしたものと推認するのが相当であり,被告は本件商標を使用するにつき不正の目的を有していたというべきであるから,これと異なる審決の判断には誤りがある。」

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関連事件です◆平成21年(行ケ)第10210

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平成21(行ケ)10071 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年10月28日 知的財産高等裁判所

 取引実情を考慮すると「優肌」と「肌優」とは観念、外観において類似すると判断され、無効理由無しとした審決が取り消されました。
(イ) 対比a 引用商標は,漢字「優」の右に「肌」を配置させて,組み合わせた語からなる商標であって,「優」は,「優しい,優美な,優れた,優雅な,上品な,気品のある」等を意味する語(形容詞的に用いられる。)であり,「肌」は「人の体の表皮,皮膚」等を意味する語(名詞的に用いられる。)であり,既存の語ではないものの,消費者,需要者に対して,「肌に優しい」,「優しい肌」,「優美な肌」等の観念を生じさせる。本件商標も,漢字「肌」の右に「優」配置させて,組み合わせた語からなる商標であって,既存の語ではないものの,消費者,需要者に対して,「肌に優しい」,「優しい肌」,「優美な肌」等の観念を生じさせる。特に,左右の配置は異なるものの,漢字「肌」は名詞として,漢字「優」は修飾語として用いられることに照らすならば,配置の相違が観念の相違を来すことはなく,引用商標と本件商標は,観念において同一であるといえる。\nb 前記(1)で認定した取引の実情を踏まえると,引用商標からは,医療関係者を含む取引者,需要者に対して,「肌に優しい」等の観念を生じさせる。特に,造語であることに照らすならば,引用商標が需要者,取引者に対して,強い印象を与えるものというべきである。本件商標からも,医療関係者を含む取引者,需要者に対して,同様に「肌に優しい」等の観念を生じさせる。なお,指定商品中には,医療関係商品のみならず,衛生関係商品も含まれるが,その多くは肌(皮膚)に接して使用する商品であるといって差し支えないから,「肌に優しい」等の観念を生じる点で,変わりはない。そうすると,本件商標と引用商標は,観念において同一(又は類似)である。
イ 外観における対比 前記アで述べたとおり,引用商標は,漢字「優」の右に「肌」を配置させて,組み合わせた語からなる商標であり,本件商標は,漢字「肌」の右に「優」配置させて,組み合わせた語からなる商標である。他方,本件商標は,引用商標中の漢字2字の左右を入れ替えて,配置,表記したものである。引用商標と本件商標とを対比すると,両者とも,既存の語を利用した商標ではなく,新しく創作された語(造語)であるため,確定した固有の意味を有していないこと,したがって,商標を構\成する文字(漢字)そのものも持つ意味が,重要な判断の要素となること,各商標を構成する2つの漢字,すなわち,「優」と「肌」とが共通すること,「優」,「肌」の漢字は,いずれも指定商品と関連性の強い文字が選択されていること,各商標とも,横書きであるため,取引者,需要者は,語順を正確に記憶して理解することが必ずしも容易でない場合があること等の諸点を総合考慮するならば,離隔的に観察するときには,両商標の外観は,紛らわしいものということができるから,両者は,外観においても,類似する。・・・
オ 小括 以上のとおり,取引の実情を考慮して,本件商標と引用商標とを対比すると,観念及び外観において類似する。本件商標と引用商標がいずれも造語であり,特に本件商標については,複数の称呼が生じ得ることにかんがみると,本件商標と引用商標の類否を判断するに当たり,本件において称呼を重視するのは妥当とはいえない。

◆平成21(行ケ)10071 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年10月28日 知的財産高等裁判所

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平成21(行ケ)10074 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年10月20日 知的財産高等裁判所

 商標「INTELLASSET」が、著名商標「Intel」を含むのか(4条1項8号違反)か否かが争われました。審決は同号違反とされましたが、知財高裁はこれを取り消しました。
 「本件商標の内容は,前記のとおりであり,文字部分「INTELLASSET」のうち冒頭の5文字は被告の略称である「INTEL」と同一であるから,本件商標は物理的には被告略称を含んでいることになる。しかし,法4条1項8号が,他人の肖像又は他人の氏名,名称,著名な略称等を含む商標はその他人の承諾を得ているものを除き商標登録を受けることができないと規定した趣旨は,人の肖像,氏名,名称等に対する人格的利益を保護すること,すなわち,人(法人等の団体を含む)は,自らの承諾なしにその氏名,名称等を商標に使われることがない利益を保護することにあるところ(最高裁平成17年7月22日第二小法廷判決・裁判集民事217号595頁),問題となる商標に他人の略称等が存在すると客観的に把握できず,当該他人を想起,連想できないのであれば,他人の人格的利益が毀損されるおそれはないと考えられる。そうすると,他人の氏名や略称等を「含む」商標に該当するかどうかを判断するに当たっては,単に物理的に「含む」状態をもって足りるとするのではなく,その部分が他人の略称等として客観的に把握され,当該他人を想起・連想させるものであることを要すると解すべきである。イ かかる見地からみると,本件商標は,前記のとおり図形部分と「INTELLASSET」の文字部分から成るものであるところ,図形部分は青い縁取りのある正方形内の中央に欧文字の「I」を白色で表し,「I」の文字の背景には全体として青色と白色とが混ざり合った色彩が施されており,「I」の文字の左側部分は青色が勝っているものの,同右側部分は上部において白色が青色をぼかしたように白色が強調されて描かれており,白色で表\された「I」の文字は右上部から中間部にかけて背景と同じような色から成る図形である。一方,「INTELLASSET」の文字部分は,このような図形の下部に,黒字の活字体で大きく明瞭に,各文字を同一の書体・同一の大きさ・同一の間隔で配置されている。そして,本件商標の文字部分が,黒色の活字体で大きく明瞭に,かつ各文字を同一の書体・同一の大きさ・同一の間隔で表されていることに照らすと,「INTELLASSET」の文字部分は外観上一体として把握されるとみるのが自然である上,「INTELLASSET」が日本においてなじみのない語であり,一見して造語と理解されるものであって,特定の読み方や観念を生じないと解される(本件商標中の図形部分を考慮しても同様である。)。したがって,被告の略称である「INTEL」は,文字列の中に埋没して客観的に把握されず,被告を想起・連想させるものではないと認めるのが相当である。そうすると,本件商標は物理的には被告の略称である「INTEL」を包含するものの,「他人の氏名・・・の著名な略称を含む商標」(法4条1項8号)には当たらないというべきであり,原告主張の取消事由2は理由がある。」\n  

◆平成21(行ケ)10074 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年10月20日 知的財産高等裁判所

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◆平成21(行ケ)10048 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年07月21日 知的財産高等裁判所

 両商標は類似しないので無効理由無し、とした審決が維持されました。
   「以上によれば,本件商標と引用商標3とは,「P」「E」「Z」の3文字を含む点に共通性があるということはできる。しかし,本件商標においては,「E」の文字と「Z」の文字との間に「’」様の記号が存在し,3文字の大きさも同じではなく,各文字が毛筆で丸味を帯びた態様で書して成り,立体的ではなく平面的であるのに対し,引用商標3では,「P」「E」「Z」の各文字は同じ大きさであり,14〜15個の長方形を組み合わせており,文字自体も「P」の文字の曲線部分以外は直線的で角張った印象を与えるものであり,文字自体に立体的な厚みを感じさせる影が付されている。そうすると,本件商標と引用商標3とは外観上区別することができるというべきである。また,上記のとおり,本件商標からは「ペズ」の称呼が生じるところ,引用商標3からは「ペッツ」の称呼が生じ,称呼においても両者は区別することができる。さらに両商標から生じ得る観念としては,「ジャズバンドのペズ」(本件商標),「原告の販売する上部にキャラクターの付いたディスペンサー入りのキャンデーないしディスペンサー」(引用商標3)との観念が生じ得るものであるから,両者は区別し得るものである。このように,本件商標は,外観,観念,及び称呼のいずれにおいても引用商標3と区別することができるのみならず,前記のように本件商標は音楽活動としてのジャズバンドの演奏会場における商品販売等を中心とするものであるのに対し,引用商標3は菓子販売等に伴うものに使用される等の取引の実情も併せ考慮すると,本件商標は引用商標3と類似するものと認めることはできない。そうすると,本件商標が法4条1項11号に該当しないとした審決の判断は正当として是認できる。」

◆平成21(行ケ)10048 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年07月21日 知的財産高等裁判所

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◆平成21(行ケ)10052 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年07月02日 知的財産高等裁判所

 「天使のスィーツ」と「エンゼルスィーツ」が非類似であるとした審決を取り消しました。
  「本件商標は,「天使のスィーツ」の文字を横書きにし,指定商品を第30類「菓子及びパン」とするものであるから,本件商標が菓子に使用された場合は,菓子と密接に関連する「甘い菓子」を意味する一般的な文字である本件商標中の「スィーツ」の部分からは,出所の識別標識としての称呼,観念は生じず,「天使のスィーツ」全体として又は「天使」の部分としてのみ称呼,観念が生じる。また,引用商標は,「エンゼルスィーツ」の片仮名文字及び「Angel Sweets」の欧文字を上下二段に表し,指定商品に第30類「菓子及びパン」を含むものであるから,引用商標が菓子に使用された場合は,菓子と密接に関連する「甘い菓子」を意味する一般的な文字である本件商標中の「スィーツ」の部分からは,出所の識別標識としての称呼,観念は生じず,「エンゼルスィーツ」「Angel Sweets」全体として又は「エンゼル」「Angel」の部分としてのみ称呼,観念が生じる。よって,本件商標からは,「天使の甘い菓子」,「天使のような甘い菓子」又は「天使」という観念が生じる。また,上記(1)のとおり,「エンゼル」「Angel」が「天使」の意味を有する我が国で親しまれた語であることに照らすと,引用商標からも,「天使の甘い菓子」,「天使のような甘い菓子」又は「天使」という観念が生じる。本件審決は,両商標がいずれも特定の観念を生じないと判断しているが,両商標の観念は,以上のとおり共通するのであって,本件審決の判断は是認することができないといわざるを得ない。」

◆平成21(行ケ)10052 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年07月02日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10380 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年04月27日 知的財産高等裁判所

 裁判所は、標章「ラブコスメ」は、標章「LOVE」、標章「ラブ」とは類似するとした審決を取り消しました。
  「本件商標は,「ラブコスメ」の片仮名文字を標準文字により,一連に表記したものであり,その音数は5音であって短く,本件商標に接した需要者及び取引者は,これを一連一体に認識,理解するものと解するのが相当であるから,本件商標からは,片仮名横書きの「ラブコスメ」との外観及び称呼を生じる。他方,本件各引用商標は,引用商標1ないし6から,順に,欧文字「Love」(Lが大文字,他の文字は小文字)を,特有の書体による横書きで表\\記したものであり,・・・表記した外観を示し,このうち,引用商標2ないし4,6からは,「ラブ」の称呼を生じる。したがって,本件商標と本件各引用商標は,外観及び称呼において,類似しない。・・・被告は,化粧品の取引や需要者間においては,周知・著名商標に,続けて「コスメ」を付加することが慣行的に行われる例があることから,需要者は,本件商標「ラブコスメ」が付された化粧品を見た場合には,「ラブ」の商標を有する被告の化粧品であると認識すると主張する。しかし,本件全証拠によるも,本件商標が出願され,登録査定された,平成18年3月13日ないし平成19年4月20日ころに,本件商標が付された化粧品等に接した場合,取引者が「ラブ」を商標とする化粧品であると認識される程度に,本件各引用商標の「ラブ」の構\\成が周知・著名であったと認めることは到底できず,この点の被告の主張は採用できない。なお,知的財産高等裁判所平成20年5月28日判決(平成20年〔行ケ〕10042号事件)においては,「アンダーラインを挟んで上段に大きく「Love cosmetic」の欧文字及び下段に小さく「for two persons who love」の欧文字とを2段に表し,その下部に「ラブコスメティック」の片仮名文字を横書きし,上部に左方向に横向きのハート状図形を配した図形について,引用商標2ないし6と類似するとの判断がされている(乙101)。しかし,上記商標は「Love cosmetic」の文字部分の「Love」と「cosmetic」との間に間隙が存在すること,一連一体に把握することが困難な商標であること等,本件商標と相違するものであるから,互いに判断の結果が相違しても,齟齬があるものとはいえない。」

◆平成20(行ケ)10380 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年04月27日 知的財産高等裁判所

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◆平成21(行ケ)10031 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年06月25日 知的財産高等裁判所

 商品の類似が争われましたが、類似するとした審決が維持されました。
  「指定商品が類似のものであるかどうかは,商品自体が取引上誤認混同のおそれがあるかどうかにより判定すべきものではなく,それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により,それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められる関係にある場合には,たとい,商品自体が互いに誤認混同を生ずるおそれがないものであっても,それらの商標は商標法4条1項11号にいう「類似の商品」に当たると解するのが相当である(最高裁昭和33年(オ)第1104号昭和36年6月27日第三小法廷判決・民集15巻6号1730頁参照)。イこれを本件についてみると,本願商標の指定商品「レーザー光照射型混入異物検査装置」の属する「異物検査機(異物検出機)」と「牛乳殺菌機」の属する「殺菌機」とは,i)製造業者の一部が食品の製造・加工用の機械メーカーであることにおいて共通していること,ii)両商品を販売する会社もあること,iii)いずれも食品の製造・加工メーカーにおいて使用されていること,以上の諸点に照らせば,両商品の対象とする食品の種類や具体的な目的及び機能ないし用途に,前記(1)ウのような違いがあるとしても,「レーザー光照射型混入異物検査装置」の属する「異物検査機(異物検出機)」と「牛乳殺菌機」の属する「殺菌機」とに同一又は類似の商標が使用されるときは,同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認・混同するおそれがあると認められる関係にあり,商標法4条1項11号にいう「類似の商品」に当たると解するのが相当である。」

◆平成21(行ケ)10031 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年06月25日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10351 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年05月28日 知的財産高等裁判所

 4条1項6号違反を理由として拒絶された商標について、拒絶審決が維持されました。
  原告は,免震装置等に係る取引の実情についてるる主張し,両商標が類似しない旨主張するが,前記(1)において説示したところによれば,本願商標のISO部分と引用標章とは,その外観,観念及び称呼において共通するといえ,引用標章が国 際標準化機構を表\示するものとして著名であることにも照らせば,原告が主張する取引の実情を考慮してもなお,本願商標に接した需要者及び取引者は,同商標を付した商品,当該商品を製造・販売するなどする業者等が国際標準化機構が定める国際規格に適合するなどの印象を抱くものと認められるから,両標章は,互いに類似するものと認めるのが相当であり,これと同旨の本件審決の判断に誤りはないというべきである。

◆平成20(行ケ)10351 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年05月28日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10439 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年05月28日 知的財産高等裁判所

 商標「Factory900」と「サッポロファクトリー」とが類似するとした審決が取り消されました。
 「そして,証拠(乙2,3)によれば,日本の眼鏡人口は約6000万人であると認められ,その範囲は,被告が主張するように広範かつ重層的であると推認されるが,上記(ア)認定の事実,殊に,上記(ア)bのとおり「メガネの国際総合展」(IOFT)については多くの一般紙でも紹介されていること,上記(ア)cの雑誌は一般の消費者を対象とするものであること,小売店のウェブページも一般の消費者を対象とするものと考えられることなどに照らせば,本願商標は,原告が製造販売する眼鏡を表示するものとして,業界のみならず,広範かつ重層的な需要者の間においても,広く知られていると認めることができるのであって,これに反する被告の主張は採用することができない。・・・(ア) 前記(2)のとおり,商標は,その構成部分全体によって他人の商標と識別すべく考案されているものであるから,商標構\成部分の一部を抽出し,この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判定することは,その部分が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や,それ以外の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないと認められる場合などを除き,許されない。(イ) 上記アのとおり,本願商標は,原告が製造販売する眼鏡を表示するものとして,需要者,取引者の間に広く知られているものと認められること,上記イのとおり,本願商標のうち「900」の数字部分は,必ずしも商品の型式,規格等を表\示するための記号,符号と認識されるとは限らないこと,上記ウのとおり,必ずしも本願商標のうち「FACTORY」の部分のみが識別力が高いということはできないこと,及び本願商標は,「Factory900」と同じ書体でかつ同じ大きさの文字で一連に記載したものであることを総合すると,本願商標は,一連一体のものとして認識されると解するのが相当である。そして,本願商標について,商標の構成部分の一部を抽出し,この部分を他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することができるというべき事情,すなわち,前記(2)の「複数の構成部分の一部が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や,それ以外の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないと認められる場合」などの事情が存するとは認められない。」

◆平成20(行ケ)10439 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年05月28日 知的財産高等裁判所

関連判決はこちらです
    ◆平成20年(行ケ)第10439号

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◆平成20(行ケ)10449 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年05月12日 知的財産高等裁判所

 図形商標について、混同生ずるとした審決を維持しました。
「上記のような法4条1項10号ないし15号の趣旨からすると,15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には,当該商標をその指定商品等に使用したときに,当該商品等が他人の商品等に係るものであると誤信されるおそれがある商標のみならず,当該商品等が他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ(広義の混同を生ずるおそれ)がある商標を含むものと解される。そして,「混同を生ずるおそれ」の有無は,i)当該商標と他人の表示との類似性の程度,ii)他人の表示の周知著名性及び独創性の程度,iii)当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質,iv)用途又は目的における関連性の程度,v)商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし,当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として,総合的に判断されるべきものである(最高裁平成12年7月11日第三小法廷判決・民集54巻6号1848頁参照)。そこで,上記の観点から,本件商標登録が法4条1項15号の規定に違反するものであるかどうかについて検討する。・・・・基本的に引用商標1の形状を有する被告バックポケットの表示の周知著名性及び独創性の程度についてみると,被告バックポケットの形状は,ジーンズの元祖ともいえるメーカーによるものとして100年以上にわたり基本的に変化がなく,バックポケットの形状に注意を喚起する旨の多数の宣伝広告がされ,我が国においてもトップレベルの販売実績・シェアを持つこと等により,本件商標の出願時(平成17年6月8日)及び登録時(平成18年1月13日)において,ファッション関連商品の取引者及び一般消費者を含む需要者の間で広く知られており,しかもその周知著名性の程度は極めて高いものであると認めることができる。・・・以上を総合すると,本件商標をその指定商品について使用したときには,引用商標1又は被告バックポケットの形状が強く連想され,本件で想定される一般消費者を含む取引者ないし需要者において普通に払われる注意力を基準とした場合,被告ないし被告と関係のある営業主の業務に係る商品等であると誤信させ被告の商品等との混同を生じさせるおそれがあると認めるのが相当である。そうすると本件商標は,被告の商品と混同を生じさせるおそれがあるものとして,法4条1項15号に該当するということになり,その旨をいう審決の判断に誤りはない。」

◆平成20(行ケ)10449 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年05月12日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10311 商標登録取消決定取消請求事件 商標権行政訴訟 平成21年02月10日 知的財産高等裁判所

 図形商標について、類似するとした審決を取り消しました。
 「これに対して本件商標における動物図形は,たしかにその向きや基本的姿勢,跳躍の角度,前足・後足の縮め具合・伸ばし具合や角度,胸・背中・腹から足にかけての曲線の描き方において上記「PUMA」ブランドの商標と似ている点があるものの,取引者・需要者に印象付けられる特徴は「PUMA」ブランドの商標とは異なるものである。すなわち,本件商標に描かれた動物は,「PUMA」ブランドのピューマに比べて頭部が大きく,頭部と前足の付け根部分とが連なっているために,上半身が重厚でがっしりとした印象を与える。また,「PUMA」ブランドのピューマには模様は描かれず,輪郭のラインやシルエットですっきりと描かれているのに対し,本件商標では首,前足・後足の関節,尻尾に飾りや巻き毛のような模様が描かれている。さらに,「PUMA」ブランドのピューマの特徴である,右上方に高くしなるように伸びた細長い尻尾の代わりに,全体的に丸みを帯びた尻尾が描かれている。このように本件商標の動物図形は,「PUMA」ブランドのピューマとは異なる印象を与えるものである(なお,甲19〜29〔枝番を含む〕によれば,本件商標は主として,原告が代表取締役を務める観光土産品等の販売等を行う有限会社沖縄総合貿易が観光土産品たるTシャツ・エコバッグ・雑貨等を販売する際に使用されている。)。ウそうすると,「PUMA」ブランドのピューマを記憶している取引者・需要者は,本件商標に接したときに「PUMA」ブランドのピューマを連想することがあるとしても,本件商標を「PUMA」ブランドの商標とまで誤って認識するおそれはないというべきである。」

◆平成20(行ケ)10311 商標登録取消決定取消請求事件 商標権行政訴訟 平成21年02月10日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10139 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟

     審決は、「このような比較的写実性の強い幼児の顔部分のみからなる商標から「キューピー」(キューピー人形)の称呼・観念が生ずるものとはいい難く,直ちに特定の確定的な称呼及び観念を生ずることはない」として無効理由無しと判断しましたが、知財高裁は、これを取り消しました。
  「上記のような「キューピー」のキャラクターは,本件商標登録出願時(平成16年11月22日)において,我が国で周知のものとなっていたというべきである。・・・本件商標の構成は,前記第2の1(1)のとおり,頭頂部の髪と思しき部分が尖り,パッチリとした大きな目をした幼児の頭部を描いた図形であるところ,これらの特徴的容姿は上記(2)のとおり我が国においても周知となっていた「キューピー」のキャラクターの特徴と符合するものであるから,本件商標に接した取引者・需要者が,本件商標に係る図形を「キューピー」と認識するであろうことは疑いのないところというべきである。したがって,本件商標からは「キューピー」の称呼を生ずるとともに,頭の先の髪と思しき部分が尖り,目がパッチリと大きい裸体の幼児又はその人形である「キューピー」の観念を生ずるものというべきである。」

◆平成20(行ケ)10139 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成20年12月17日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(ネ)3057等 商標権侵害差止等請求控訴,同附帯控訴事件 商標権民事訴訟 平成20年11月07日 大阪高等裁判所

  1審では類似するとされた「love」と「Love cosmetic」について、大阪高裁は両者は非類似標章であると認定しました。
 被控訴人は,「cosmetic」は「化粧品」を意味する英語(普通名称)であり,商品が化粧品であることを示す語として通常用いられ,自他商品識別力がないから,需要者は控訴人標章1を2語に分けて認識し,その要部は「Love」であると主張するが,以下のとおり,採用できない。すなわち,「Love」は,我が国においても極めて周知度の高い英語であり,「愛」「恋愛」という観念から,肯定的に受容され,普遍的に好感を持たれる語ということができ,化粧品に限っても,「Love」「ラブ」の語を含む登録商標は多数に上ることが認められ(乙32,弁論の全趣旨),化粧品以外の商品・役務においても,これらの語を含む商品名やブランド名等が多数存在することは公知である。そして,それゆえに,これらの語は商品等の標章に用いるものとしてはやや陳腐であって,少なくとも「Love」「ラブ」単独では,化粧品に限らず,商品識別・出所表示の機能\は弱く,他の語と連結されることによりそれと一体のものとして商品識別機能を果たす場合も多いものと考えられる。他方,「cosmetic」は,「化粧品」を意味する英語で,比較的周知度が高いとはいえ,日本人にとって必ずしも易しい単語とはいえないから,通常の需要者が,控訴人標章中「cosmetic」の部分を,「化粧品」と同等に,控訴人商品が化粧品であると意味するにすぎないと直ちに理解するとまではいえず,この語に自他商品識別能力がまったくないとはいえない(この点は,「Love cosmetic」ないし「ラブコスメティック」と,これらと観念上はほぼ同一といえる「ラブ化粧品」という表記とを対比すれば明らかである。)。加えて,「Love」と「cosmetic」がいずれもアルファベット表記であることを考慮すると,「Love」と「cosmetic」とを結合した一体の標章として認識されやすく,称呼としても通常「らぶこすめてぃっく」と一連のものとして称呼されるものと考えられるから,必ずしも「Love」のみが要部であるということはできず,むしろ「Love cosmetic」が一体として要部となるとみるのが相当である。そうすると,控訴人標章1は,被控訴人商標と,その外観において控訴人標章1が12字のアルファベットから成るのに対し,被控訴人商標が2字の片仮名又は4字のアルファベット若しくは2字の片仮名及び4字のアルファベットから成る点で異なり,その称呼において「らぶこすめてぃっく」と「らぶ」とで語音,語感が明らかに異なり,その観念において「愛の化粧品」「愛のための化粧品」という即物的意味あいで観念されるのに対し,「愛」「恋愛」「愛情」と抽象的意味あいで観念される点で異なるというべきであるし,また,後にみる控訴人商品の実際の宣伝・販売方法等をもしん酌すれば,控訴人標章1は,被控訴人商標のいずれとも類似するものとはいい難い。

◆平成19(ネ)3057等 商標権侵害差止等請求控訴,同附帯控訴事件 商標権民事訴訟 平成20年11月07日 大阪高等裁判所

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◆平成19(ワ)7660 商標権侵害差止等請求事件 商標権 平成20年10月02日 大阪地方裁判所

 被告商標「十二単の招福巻」が、本件商標「招福巻」に類似するとして商標権侵害が認定されました。なお、「招福巻」は、普通名称、慣用商標であるとの被告の抗弁も否定されました。
 「以上の事実に加え,原告が平成19年2月に,被告をはじめ,株式会社サボイ,広越株式会社,株式会社柿の葉すし本舗たなか等,節分用巻きずしに「招福巻」を使用する業者に対して警告を行い,これらの会社から今後「招福巻」を使用した巻きずしを販売しないなどの確約を得ている(甲21ないし22の各1・2)など,本件商標権を守るために一定の対応をしていることも併せ考慮すると,全国のスーパーマーケットやすし店等において,節分用の巻きずしの名称として「招福巻」を含む商品名が用いられている例が多数あるからといって,このことから直ちに,「招福巻」が,節分用の巻きずしの普通名称(商標法26条1項2号)になったものと認めることはできず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。」

◆平成19(ワ)7660 商標権侵害差止等請求事件 商標権 平成20年10月02日 大阪地方裁判所

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◆平成19(行ヒ)223 審決取消請求事件 平成20年09月08日 最高裁判所第二小法廷

  商標の類似についての、土人形を指定商品とする商標「つつみのおひなっこや」と商標「つゝみ」,「堤」について,「つつみ」の文字部分だけを比較してその類否を判断することは許されず,構成部分全体を対比すると,両商標が類似しないとして、原審◆平成18(行ケ)10532 平成19年04月10日を破棄しました。

 「本件商標の構成中には,称呼については引用各商標と同じである「つつみ」という文字部分が含まれているが,本件商標は,「つつみのおひなっこや」の文字を標準文字で横書きして成るものであり,各文字の大きさ及び書体は同一であって,その全体が等間隔に1行でまとまりよく表\されているものであるから,「つつみ」の文字部分だけが独立して見る者の注意をひくように構成されているということはできない。また,前記事実関係によれば,引用各商標は平成3年に商標登録されたものであるが,上告人の祖父は遅くとも昭和56年には堤人形を製造するようになったというのであるから,本件指定商品の販売業者等の取引者には本件審決当時,堤人形は仙台市堤町で製造される堤焼の人形としてよく知られており,本件商標の構\成中の「つつみ」の文字部分から地名,人名としての「堤」ないし堤人形の「堤」の観念が生じるとしても,本件審決当時,それを超えて,上記「つつみ」の文字部分が,本件指定商品の取引者や需要者に対し引用各商標の商標権者である被上告人が本件指定商品の出所である旨を示す識別標識として強く支配的な印象を与えるものであったということはできず,他にこのようにいえるだけの原審認定事実は存しない。さらに,本件商標の構成中の「おひなっこや」の文字部分については,これに接した全国の本件指定商品の取引者,需要者は,ひな人形ないしそれに関係する物品の製造,販売等を営む者を表\す言葉と受け取るとしても,「ひな人形屋」を表すものとして一般に用いられている言葉ではないから,新たに造られた言葉として理解するのが通常であると考えられる。そうすると,上記部分は,土人形等に密接に関連する一般的,普遍的な文字であるとはいえず,自他商品を識別する機能\がないということはできない。このほか,本件商標について,その構成中の「つつみ」の文字部分を取り出して観察することを正当化するような事情を見いだすことはできないから,本件商標と引用各商標の類否を判断するに当たっては,その構\成部分全体を対比するのが相当であり,本件商標の構成中の「つつみ」の文字部分だけを引用各商標と比較して本件商標と引用各商標の類否を判断することは許されないというべきである。(3) そして,前記事実関係によれば,本件商標と引用各商標は,本件商標を構成する10文字中3文字において共通性を見いだし得るにすぎず,その外観,称呼において異なるものであることは明らかであるから,いずれの商標からも堤人形に関係するものという観念が生じ得るとしても,全体として類似する商標であるということはできない。」

◆平成19(行ヒ)223 審決取消請求事件 平成20年09月08日 最高裁判所第二小法廷

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◆平成20(行ケ)10156 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年08月04日 知的財産高等裁判所

   拒絶審決時には、存続期間満了により消滅していた商標を引用商標として、拒絶審決をしたことは違法として、拒絶審決を取り消しました。
  「商標法4条1項11号は,「当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて,その商標登録に係る指定商品…について使用をするもの」については,商標登録を受けることができないと規定している。したがって,審決が本願商標について商標法4条1項11号に該当すると判断することができるためには,引用商標が「他人の登録商標」であること,すなわち,引用商標に係る商標権が審決時に有効に存続するものであることが必要である。(2) ところが引用商標は,平成9年6月27日に商標登録第2722262号として登録され,この日から10年後(商標法19条1項)である平成19年6月27日をもって存続期間が満了し,平成20年3月26日に商標権抹消の登録がなされたことが認められる(当事者間に争いがない。甲12)。(3) したがって,引用商標に係る商標権は,審決時(平成20年3月19日)において既に消滅していたものであるから,審決がこれを引用商標として商標法4条1項11号に該当するとしたことは誤りである。」

◆平成20(行ケ)10156 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年08月04日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10387 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年07月30日 知的財産高等裁判所

指定商品「果実」について商標「オレンジチェリー」が4条1項16号(品質誤認)に違反するかが争われました。裁判所は、該当するとした審決を支持しました。
    「上記(1)ア及びイによれば,「オレンジ」はみかん科の果実の名称又はオレンジ色を指すものとして,「チェリー」もまた果実であるさくらんぼを指すものとして,それぞれ一般に認識されるものであると認められる。そして,上記ウ及びエのとおり,「チェリー」その他の果実を指す語の前に「スイート」,「サワー」,「アメリカン」等,別の語が付加されて使用される例が少なからず見受けられるところ,これら付加される語はいずれも「チェリー」その他の果実を修飾するいわば形容詞として使用されていること,殊に,「ブラック」,「レッド」,「ゴールデン」等,色に関する語が付加された場合には,果実の色自体を指すものとして用いられていることが認められる。そうすると,「オレンジチェリー」とする本願商標に接した場合,取引者及び需要者は果実としての共通性からミカン科の果実であるオレンジとさくらんぼのミックスしたものないしそれに関連した新種の果実を想起したり,また,「オレンジ」がオレンジ色をも意味する語であることからして,上記のような形容詞的な用法として「オレンジ色のチェリー(さくらんぼ)」を想起することがあり得るものと認められる。そうすると,「オレンジチェリー」との本願商標を,その指定商品である「果実」に用いた場合には,取引者及び需要者において当該商品が「さくらんぼ」の一種(例えば,オレンジ色がかったさくらんぼ等)を指すものとして認識されることがあり得るというべきであるから,これを「さくらんぼ」以外の果実に用いた場合には,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるというべきである。」

◆平成19(行ケ)10387 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年07月30日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10392 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年06月26日 知的財産高等裁判所

 商標法4条1項7号(公序良俗違反)に該当するとした審決を取り消しました。
  「当該出願人が本来商標登録を受けるべき者であるか否かを判断するに際して,先願主義を採用している日本の商標法の制度趣旨や,国際調和や不正目的に基づく商標出願を排除する目的で設けられた法4条1項19号の趣旨に照らすならば,それらの趣旨から離れて,法4条1項7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれ」を私的領域にまで拡大解釈することによって商標登録出願を排除することは,商標登録の適格性に関する予測可能\性及び法的安定性を著しく損なうことになるので,特段の事情のある例外的な場合を除くほか,許されないというべきである。・・・・しかし、?@原告と被告との間の紛争は,本来,当事者間における契約や交渉等によって解決,調整が図られるべき事項であって,一般国民に影響を与える公益とは,関係のない事項であること,?A本件のような私人間の紛争については,正に法4条1項19号が規定する「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって,不正の目的・・・をもって使用をするもの・・・」との要件への該当性の有無によって判断されるべきであること,?B被告が米国において有している商標権は,あくまでも私権であり,被告がそのような権利を有したからといって,原告が,日本において,同商標と類似又は同一の商標に係る出願行為をすることが,当然に「公の秩序又は善良な風俗を害する」という公益に反する事情に該当するものとは解されないこと,?C被告は,スコービル社から承継した「CONMAR」との文字からなる米国商標(第324689号)に係る商標権については,平成8年3月,更新せずに消滅させており,また,ファスナーについて「CONMAR」との文字からなる米国商標の登録を平成13年12月に受けた者から,同米国商標に係る商標権の譲渡を受けているなどの事情があり,その子細は必ずしも明らかでないこと,?D審決において,原告が本件商標の登録を受けたことは認定されているが,それを超えて原告が被告の日本国内への参入を阻止していることを基礎づける具体的な事実は,何ら認定されていないこと,?E原告の本件商標の出願は,後記認定のとおり,法4条1項19号に該当するのみならず,同項10号,15号にも該当する事由が存在するといえること等を総合すると,本件について,原告の出願に係る本件商標が「公の秩序又は善良な風俗を害する」とした審決の判断には,誤りがあるというべきである。したがって,本件商標に法4条1項7号所定の無効事由があるとした審決は取り消すべきものと判断する。」

こちらは関連事件です。
    ◆平成19(行ケ)10391 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年06月26日 知的財産高等裁判所
◆平成19(行ケ)10392 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年06月26日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10383 商標登録取消決定取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年05月29日 知的財産高等裁判所

 「ルネッサンスホテル創世」が「ルネッサンスホテル」と出所混同が生ずるとした審決が取り消されました。
 「これを本件についてみるに,上記(1),(2)の事実等及び前記1の認定判断によれば,?@本件商標から生ずる「ルネッサンス」との称呼,観念は,申立人商標「RENAISSANCE」又は「ルネッサンス」及び申立人商標3から生ずる「RENAISSANCE」と称呼,観念が同一であること,?A本件商標の指定役務は「宿泊施設の提供」であるのに対し,申立人商標の指定役務は「宿泊施設の提供」等であり,また,申\立人はホテル業者であって,その取引者,需要者に共通性があることが認められるが,他方,?B我が国において,「RENAISSANCE」及び「ルネッサンス」の語は極めて一般的な語であり,類似の「ルネサンス」等も含め,法人名その他の固有名詞等において,単独又は他の語と組み合わせて多数使用されており,その自他識別機能,出所表\示機能は弱いといわざるを得ないこと,?C本件商標の登録出願時である平成16年及び登録査定時である平成17年時点において,申立人が経営にかかわる「ルネッサンスホテル」は全国に散在する5軒しかなく,我が国における「ルネッサンスホテル」の紹介も,海外旅行者向けの出版物等が中心であって,国内所在の「ルネッサンスホテル」に係る全国規模の出版物やウェブページでの紹介等もそれほど一般的で多いものであったとはいえず,国内所在の申\立人関与による「ルネッサンスホテル」の「RENAISSANCE」又は「ルネッサンス」との名を付しての営業期間が平成16年時点までで約17年から約9年というもので長い歴史を有するというほどのものではなかったことなどに照らすと,そもそも,国内に散在した上記5軒のホテルにつき,同一グループに関連するものであるとして広く理解されていたとは考えにくく,国内旅行者等において,申立人が経営にかかわるホテルについての「RENAISSANCE」又は「ルネッサンス」の標章が相当程度認識されていたとまではいえない状況にあったものであること,以上の事情等が認められる。そうすると,本件商標の登録出願時である平成16年9月29日及びその登録査定時である17年12月26日時点において,本件商標を「宿泊施設の提供」に使用することにより,その取引者,需要者である国内旅行者等において,原告の「宿泊施設の提供」という役務が,申立人の「宿泊施設の提供」等という役務と緊密な営業上の関係又は同一の表\示による事業を営むグループに属する営業主の業務に係る役務であると誤信されるおそれ(広義の混同を生ずるおそれ)があったものということはできない。」

◆平成19(行ケ)10383 商標登録取消決定取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年05月29日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10411 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年05月28日 知的財産高等裁判所

 2段併記の本件商標「トリートメントチャージ」(指定商品 化粧品,せっけん類)が先行商標「チャージ」と類似するかが争われました。
 「証拠(甲9,12〜20,22,26,29〜 93,113,114)及び弁論の全趣旨によれば,「トリートメン ト」は,本件商標の指定商品である「化粧品,せっけん類」との関係 では,「手入れ」,「保護」の意味で使用されているほか,以下のと おり,髪の毛及び頭皮を補修ないしは保護する商品を示す名称として も使用されており,髪の毛及び頭皮を補修ないしは保護する商品を示 す普通名称となっていると認めることができる。
・・・ そうすると,「トリートメント」,「TREATMENT」は,本 件商標の指定商品である「化粧品,せっけん類」に使用された場合に は,識別力の乏しい言葉であるということができる。
・・・ 本件商標のうち上段の「トリートメントチャージ」の部分は,「ト リートメントチャージ」と,間隔を空けずに同一書体,同一の大きさで 表記されている。しかし,上記イのとおり,「トリートメント」と「チャージ」は,別\n個の意義を有する言葉であって,「トリートメントチャージ」という一 つの言葉が存するわけではないから,本件商標のうち「トリートメント チャージ」の部分は,「トリートメント」と「チャージ」に分離して認 識されるというべきである。また,本件商標のうち「トリートメントチ ャージ」の部分が11音から成っていることからすると,常に一連のも のとして称呼されるということもできない。 (イ) 一方,本件商標のうち「TREATMENT CHARGE」の部 分は,同一書体,同一の大きさで表記されているものの,「TREATMENT」と「CHARGE」の間に間隔が空いており,上記イのとお\nり「TREATMENT」と「CHARGE」は別個の意義を有する言 葉であって,「TREATMENTCHARGE」という一つの言葉が 存するわけではないことからすると,本件商標のうち「TREATME NT CHARGE」の部分は,「TREATMENT」と「CHAR GE」に分離して認識されるというべきである。また,本件商標のうち 「TREATMENT CHARGE」の部分が15音から成っている ことからすると,常に一連のものとして称呼されるということもできな い。 (ウ) したがって,本件商標は,「トリートメント」と「チャージ」, 「TREATMENT」と「CHARGE」に分離して印象されるもの であって,全体を一連,一体の商標として把握することができるという ものではない。そして,本件商標の「チャージ」及び「CHARGE」の部分から は,「チャージ」の称呼及び上記イ(イ)認定の観念が生ずるものと認め られる。

◆平成19(行ケ)10411 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年05月28日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10230 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年02月21日 知的財産高等裁判所

 商標「NUK」と「LUK」が非類似とした審決が維持されました。
  「原告は,欧文字が日常的に用いられ親しまれている今日の取引実情の下 では,本件商標及び各引用商標は,「エヌユーケー」「エルユーケー」とよ どみなく一連に称呼されると主張する。しかし,そもそも,アルファベットに,「a,e」,「c,d,g,t」な ど,これを単独で発音する場合には,音声として相紛らわしい文字が存在す ることは,これを用いる者にとって周知の事項である。本件商標や各引用商 標を口頭で伝達する際,商標を構成する個々の欧文字を誤りなく伝達するためには,文字ごとに区切って明瞭に発音するのが,取引者の通常の態様とい\nうべきである。したがって,ことさら、相互に聞き誤られるような称呼が 生ずることを前提として,両商標が相紛れるおそれがあるとする原告の上 記主張は,その前提において採用できない。」

◆平成19(行ケ)10230 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年02月21日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10172 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年11月28日 知的財産高等裁判所

   周知商標に類似する(4条1項10号違反)として無効とした審決を取り消しました。また、あわせて、審判手続の違法性についても判断しました。
 「本件商標は,「Shoop」の文字を構成とするものであるから,最も自然な「シュープ」の称呼を生ずるものと認められる。他方,引用商標は,前記2(1)のとおり,「シュープ」の文字を併記し,また「シュープ」の音声を用いた広告宣伝活動の結果,引用商標から「シュープ」の称呼が生じ得ることが認定できる(なお,「choop」,「CHOOP」の文字を含む被告の登録商標について,特許庁は,もともと「チュープ」,「チョープ」などを参考称呼としており〔甲67〜69,71,73〜78,80〕,「シュープ」は平成15年9月5日設定登録に係る登録商標の商標公報〔甲70,79〕で初めて挙げられている。)。しかし,引用商標は,「CHOOP」の文字を構成とするものであり,自然な称呼は,「チュープ」あるいは「チョープ」であることに照らすならば,確かに,被告が広告宣伝を行ってきた「ティーン世代の少女層向けの可愛いカジュアルファッション」に関心を抱く需要者層に対しては,「シュープ」の称呼を想起させるものといえるが,それ以外の一般消費者に対して,「シュープ」の称呼を想起させるものとはいえないというべきである。したがって,引用商標において,「シュープ」の称呼が,あらゆる需要者層において,広く認識されていたとまで認めることはできない。・・・・商標登録に係る指定商品等が二以上の商標登録について,二以上の指定商品等について無効審判を請求したときは,その請求は指定商品等ごとに取り下げることができること(法56条2項により準用される特許法155条3項),指定商品等が二以上の商標登録又は商標権については,商標権の消滅後の無効審判請求(法46条2項)や商標登録を無効にすべき審決の確定及びその効果(法46条の2)などにつき,指定商品等ごとに商標登録がされ,又は商標権があるものとみなされること(法69条)を併せ考えれば,商標登録に係る指定商品等が二以上のものに係る無効審判請求においては,無効理由の存否は指定商品等ごとに独立して判断されるべきことになる。そして,無効審判請求における「請求の趣旨」は,審判における審理の対象・範囲を画し,被請求人における防御の要否の判断・防御の準備の機会を保障し,無効審決が確定した場合における登録商標の効力の及ぶ指定商品等の範囲を決定するものであるから,その記載は,客観的かつ明確なものであることを要するというべきである。したがって,「請求の趣旨」に,登録を無効とすることを求める指定商品等として,「・・・類似商品」,「・・・類似役務」など,その範囲が不明確な記載をすることは,請求として特定を欠くものであって,許されないというべきである。」

◆平成19(行ケ)10172 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年11月28日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10205 商標登録取消決定取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年10月25日 知的財産高等裁判所

 4条1項11号違反の先願既登録商標について、審決がなされた後、不使用取消審判で取り消された場合の審決の違法性について争われました。裁判所は、11号の判断時期は査定審決時であるので、その後の取消によっては先願既登録商標であったことについて影響はないとしたものの、類似判断に影響があるとして、審決を取り消しました。
  「そうすると,引用商標に係る商標登録(登録第4442542号)は,上記不使用取消審判請求の予告登録日である平成19年2月28日に消滅したものとみなされることになる(法54条2項)。しかし,商標登録が法4条1項11号に違反するかどうかの判断の基準時は登録査定時であると解されるところ,本件商標登録の登録査定日は,前記のとおり平成17年8月23日である(争いがない)から,そのときには,引用商標に係る商標登録(登録第4442542号)が,いまだ消滅していないことは明らかである。原告は,本件決定の日である平成19年4月19日には引用商標に係る商標登録は消滅していたから同決定は違法であるとか,訴外会社による本件登録異議申\立ては遡及的に申立ての利益がないことになるとか主張するが,本件商標登録が法4条1項11号に違反するかどうかの判断基準時は,前記のとおり登録査定時たる平成17年8月23日であると解されるから,原告の上記主張は採用することができない。もっとも,これらの事情は,後記のとおり,商標の類否判断における取引の実情として斟酌されるべきものである。・・・原告による法50条1項による不使用取消審判請求の登録時前3年以内(平成16年3月1日から平成19年2月28日)に,引用商標を使用していなかったものと認められる。したがって,訴外会社は,本件商標登録の登録査定時(平成17年8月23日)はもとより,その以前から引用商標を使用していなかったものと認められるから,本件商標登録の登録査定時(平成17年8月23日)に,引用商標に何らかの信用が形成されていたとは認めることはできない。(6) 類否の有無以上(2)ないし(5)を総合すると,本件商標と引用商標は,外観は類似せず,観念はある程度類似し,称呼は共通する点があるものの異なる点もある程度であり,これらの諸要素に,取引の実情として,本件商標登録の登録査定時(平成17年8月23日)に本件商標には一定の信用が形成されていたものの引用商標に何らかの信用が形成されていたとはいえないという事実があることを総合勘案すると,本件商標登録の登録査定時たる平成17年8月23日の時点において商品の出所を誤認混同するおそれがあったとは認められないというべきであり,本件商標と引用商標が類似するということはできない。したがって,本件商標と引用商標が類似するとした本件決定の判断には,類似性についての判断を誤った違法があることになる。」

◆平成19(行ケ)10205 商標登録取消決定取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年10月25日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10042 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年09月26日 知的財産高等裁判所

  商品非類似として無効理由無しとした審決を取り消しました。
   「上記証拠により認定した事実によれば,本件商標の指定商品「豆乳を主原料とするカプセル状の加工食品」及び引用商標の指定商品中の「共棲培養した乳酸菌生成エキスを加味してなる豆乳」は,いずれも,豆乳を主原料とし,健康に効果があるとして,又は効果が期待されるものとして製造販売される,いわゆる健康食品の範疇に属する商品を含む点において共通することに照らすと,両者は,商品の性質,用途,原材料,生産過程,販売過程及び需要者の範囲などの取引の実情において共通する商品であり,さらに,仮に商標法4条1項11号にいう「類似する商標」が使用されることを想定した場合,これに接する取引者,需要者は,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがないとはいえない程度に共通の特徴を有する商品であると解すべきである。

 また、裁判所は、判断の冒頭で、下記のような、一般論を述べています。
   「なお,本件において,主要な争点は,指定商品が類似するか否かではなく,本件商標と引用商標とが類似するか否かである。そして,商標の類似性に影響を及ぼす取引の実情に係る事実関係と,指定商品の類似性に影響を及ぼす取引の実情に係る事実関係とは,考慮要素において共通する点があるものの,前者の方が後者よりも,多様かつ複雑であり,その審理範囲は広範である。審決が主要な争点である商標の類否について判断を省略し,指定商品の類否についてのみ判断をした点は,審理のあり方として適切さを欠いたものといえる。今後,再開される審判手続においては,本件商標と引用商標との類否について審理することになるが,その審理に当たっては,単に称呼,外観,観念のみを対比するのではなく,当事者の主張,立証を尽くさせた上で,確立した判例に沿って,「商品に関する具体的取引状況を可能な限り」明らかにして,それらの事実を総合して,両商標の類似性の有無を対比判断すべきである。」 

◆平成19(行ケ)10042 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年09月26日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10061 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年08月08日 知的財産高等裁判所

  郭状図形「C」と「UBS」の文字とを合わせた標章について、「UBS」という称呼が生ずるのかが争われました。「UBS」という称呼が生ずるとした審決を取り消しました。
  「以上のとおり,本願商標は,シカゴ・カブスのロゴと同一形状であること,シカゴ・カブスの名称は我が国においてよく知られ,また,シカゴ・カブスのロゴは我が国において相当程度知られていること,英文字等で構成される商標において,先頭の「C」を,他の文字を囲む形状で大きく表\記する例は少なくないこと等に照らすならば,本願商標では,「円輪郭状図形」ないし「C」部分と「UBS」部分とを,一体のものと理解して,「CUBS」すなわち「カブス」と認識するのが自然であり,そうすると,本願商標からは,「カブス」の称呼のみが生じ,「ユービーエス」の称呼は生じないと解するのが相当である。」

◆平成19(行ケ)10061 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年08月08日 知的財産高等裁判所

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◆平成18(行ケ)10301 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年05月22日 知的財産高等裁判所

  商標法4条1項19号について無効でないとした審決が取り消されました。
   「以上の認定事実を総合すれば,原告ないしジェイマセドグループの「Dona Benta」商標は,ブラジル国内において,・・・本件商標の出願がなされた平成10年〔1998年〕の時点で,原告は,小麦関連商品の製造販売においてブラジル国内で第2位の企業となり,その間,新聞や雑誌等において「Dona Benta」商標を使用した広告も行い,その業務を紹介する記事も新聞等に掲載されていたのであるから,遅くとも本件商標の出願時(平成10年〔1998年〕9月21日)までには,ブラジル国内で需要者の間に広く認識されるようになり,その周知性は,本件商標の登録査定時(平成11年11月5日,甲2)に至るまで継続していたものと認められる。ウ被告は,原告が提出する証拠は,そもそも真偽不明のものがあり,頒布販売に関する事実関係も全く示されていない等と主張する。しかし,上記アに引用した証拠が内容虚偽のものであることを疑わせる事情は全くうかがわれない。また,これらの新聞・雑誌等の頒布販売に関する具体的事実は必ずしも明らかではないが,広告,記事自体の体裁や,原告が小麦関連商品の製造販売においてブラジル国内で第2位の企業であること等にかんがみれば,ブラジル国内の広い範囲にわたって原告の広告がなされ,紹介等もなされてきたことが推認される。」

◆平成18(行ケ)10301 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年05月22日 知的財産高等裁判所

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◆平成18(行ケ)10497 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年03月12日 知的財産高等裁判所

  「MAGICALSHOESOURCE」と「THE SHOESOURCE」が類似するかが争われました。審決は両者を非類似と判断しましたが、裁判所はこれを取り消しました。
  「本件商標は「MAGICALSHOESOURCE」の欧文字を標準文字で表記してなるものである。同構\成からは,・・・ところで,本件商標「MAGICALSHOESOURCE」のうち,先頭にある「MAGICAL」の部分は,「魔法の,不思議な,魔術的な,神秘的な,魅力的な」等を意味する語として,我が国においてもよく理解され,普通に使用されている英単語であること(乙1,2。この点につき被告は争わない。),「SHOESOURCE」の部分が指定商品との関連で見る者の注意をひくことに照らすならば,「MAGICALSHOESOURCE」につき,「MAGICAL」と「SHOESOURCE」とを一つの区切りと理解できるから,「MAGICAL」と「SHOESOURCE」の2つの部分からなるものととらえる理解が自然である。・・・本件商標について,商品の出所表示機能\を有する特徴的部分に関して検討する。「MAGICAL」の部分は,上記のとおり,「魔法の,不思議な,魔術的な,神秘的な,魅力的な」等を意味する語として,我が国においてもよく理解され,普通に使用されている英単語であり,しかも,商品の内容を説明する修飾語と理解できることからすれば,その自他商品識別機能は小さい。これに対し「SHOESOURCE, 」の部分は,「靴の供給元」なる観念を生ずると理解する余地がないわけではないが,そもそも,「SHOESOURCE」なる語が英単語として存在することを認め得る証拠はなく,少なくとも一般には,「SHOESOURCE」なる表記を目にした者がその意味を理解することは困難であり,仮に当該表\記から靴の製造者・販売者としての観念を読みとり得るとしても,それは辞書等に収録されていない新たな言葉ないし造語であるから,これを見る者の注意をひくものと認められる(靴の製造者・販売者を意味する語としては,通常,「shoe shop」,「shoe store」,「shoemaker」等の語が用いられるものと考えられる。)。上記によれば,本件商標においては,「MAGICALSHOESOURCE」の全体のほか,「SHOESOURCE」の部分が,自他商品識別機能を有する特徴的部分であるというべきである。・・・本件商標と各引用商標とは,いずれも特徴的部分として「SHOESOURCE」ないし「ShoeSource」の部分をとらえることができ,その称呼において共通する(なお,当該部分について外観において共通する。また,当該部分からいかなる観念が生ずるにせよ,観念が生ずる限度で共通する)。上記によれば,本件商標と各引用商標とは類似するというべきである。」

◆平成18(行ケ)10497 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年03月12日 知的財産高等裁判所

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◆平成17(行ケ)10028 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成18年12月26日 知的財産高等裁判所

  原告と被告間の私益に関する紛争に,商標法4条1項7号(公序良俗違反)の規定を適用したことは誤りであると争われました。平成17(行ケ)10029号〜平成17(行ケ)10033までも同様の事件です。
 「以上によれば,原告による本件商標の登録出願は,Pの生前の極真会館という膨大な構成員からなる規模の大きなまとまった一つの団体を出所として表\示するものとして広く知られていた標章について,Pの死亡時から間もない当時の代表者である原告が個人名義でしたものであるところ,その登録出願は,極真会館のために,善良な管理者の注意をもって代表\者としての事務を処理すべき義務に違反し,事前に団体内部においてその承認を得ると共に,その経過を直ちに報告するなど,極真会館内部の適正な手続を経るべき義務を怠り,個人的な利益を図る不正の目的で,秘密裏に行ったと評価できるものであり,極真会館としても,その後,それが不適切な行為であると表明していた。また,本件遺言が確認審判申\立ての却下決定の確定により効力が認められず,原告は,少なくとも内部的には,正当な代表者であると主張する根拠を欠くに至っていた。そして,登録査定時において,原告は,X派と呼ばれる極真会館を名乗る団体の代表\者であったのであるが,本件商標は,本来,上記のとおり,Pの生前の極真会館というまとまった一つの団体を出所として表示する標章として広く知られていたものであり,X派は,上記極真会館と同一性を有するものではないから,原告がX派と呼ばれる極真会館を名乗る団体の代表\者であったことが,直ちに,本件商標の登録出願を正当化するものではない。かえって,本件商標の正当な出所といえるPの生前の極真会館が,その死後,複数の団体に分裂し,極真空手の道場を運営する各団体が対立競合している状況下において,Pの死亡時から間もない当時の極真会館の代表者としての原告が重大な義務違反により個人名義で登録出願したことによる本件商標の登録を,登録査定時においてPの生前の極真会館とは同一性を有しない一団体の代表\者である原告にそのまま付与することは,商標法の予定する秩序に反するものといわざるを得ない。」

◆平成17(行ケ)10028 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成18年12月26日 知的財産高等裁判所

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◆平成18(行ケ)10334 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成18年12月25日 知的財産高等裁判所

 図形と文字とを三段に配した組み合わせから構成された「ProMOS/TECHNOLOGIES」が、「プラレス」と類似するかが争われました。裁判所は、類似するとした審決を取り消しました。
 「プロモス」の称呼と「プラモス」の称呼とは,ともに4音構成から成り,そのうち「プ」「モ」「ス」の3音を共通にしている。そして,相違する第2音目の「ロ」と「ラ」についてみると,両音は,ともにラ行に属し子音「r」を共通にしており,異なる母音の「o」と「a」とは,いわゆる母音三角形の隣同士に位置し調音方法も類似する音声であって(1976年8月10日第3版発行「音聲學大辞典」株式会社三修社刊),近似する音として聴取されることが認められる。しかしながら,その一方で,「プロモス」及び「プラモス」のような称呼を一連に発音するときは,語頭の「プ」ではなく第2音の「ロ」又は「ラ」に強勢が置かれるのが一般的であることは,当裁判所に顕著な事実である。そうすると,「プロモス」「プラモス」の両称呼をそれぞれ一連に発音するときは,その語調,語感がある程度は近似するといえるものの,これを耳にする者にとって,両称呼を区別することは多くの場合に可能であると認められる。したがって,審決が,両商標は称呼において類似すると断定したことは,適当ではないといわざるを得ない。」

◆平成18(行ケ)10334 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成18年12月25日 知的財産高等裁判所

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◆平成18(行ケ)10344 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成18年11月29日 知的財産高等裁判所

 1本の毛髪を表した図形商標が、識別性なしとして拒絶された審決が維持されました。
  「本願商標の構成は,前記2(1)において認定したとおり,中心に縦に描かれた黒色の棒状体が,上端から下端に行くにしたがってだんだんと太くなっていき,・・・本願商標の指定商品・指定役務に含まれる商品・役務の広告において,実際に,商品・役務の品質,用途の文章による説明とともに,その理解を助ける補足的な説明として,上記のような図形が多数掲載されていることが認められる。そうすると,本願商標を構成する図形は,その指定商品・指定役務との関係上,その商品・役務の特性そのものを記述するに止まるものであって,それ以上に,特定の者によって製造販売されたことを明らかにするという出所表\示機能を果たしにくいものであり,また,このような図形については,その使用の機会を当該商品を製造販売する多くの事業者に開放しておくことが適当であって,その中の一部の事業者に当該商標の商標登録を許し当該商標の使用を独占させるのは公益上望ましくないというべきである。以上によれば,本願商標を法3条1項3号に該当するものとした審決の判断に誤りはない。」

◆平成18(行ケ)10344 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成18年11月29日 知的財産高等裁判所

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◆平成18(行ケ)10233 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成18年11月20日 知的財産高等裁判所

  図形と結合した商標について称呼が類似するので類似であるとした審決が取り消されました。
 「本願商標のような,文字部分と図形部分の結合から成る商標(いわゆる「結合商標」)の類否を判断するに当たっては,商標の構成全体が有するデザインとしての有機的関連性をも踏まえて,文字部分と図形部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められるか否か,という観点からの検討が不可欠である。
イ そこで,上記の観点から本願商標の構成をあらためて検討すると,本願商標は,前記のとおり,「X−Pact」の文字部分を囲むように,文字部分の上側左半分から左側,下側を通って右側中程に至るまで,半月刀ないし三日月様の図形が描かれている。そして,「X−Pact」の文字には,標準文字ではなく,ゴシック様の斜字体が用いられているが,当該字体の選択は,半月刀ないし三日月様の図形がもたらす生き生きとした動的な印象との調和を考慮して行われたものであることがうかがわれる。また,文字部分と図形部分との配置関係についても,文字部分を図形部分が包み込むようなものとなっており,かかる配置は,デザインとしての一体性を有するものと認められる。このように,本願商標は,文字部分と図形部分とを「分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合している」とまではいえないにしても,標準文字と図形とを上下又は左右に単純に併記したような商標とは異なり,文字部分と図形部分との間に,デザインとしての有機的な関連性が認められるというべきである。したがって,審決が,文字部分から生ずる称呼の類否についての検討に「その外観に終始し,外観についてはおいて相違するところがあるとしても」(2頁最終段落)と述べるだけで実質的な検討を欠いたまま,本願商標と引用商標とが類似すると判断したことは,本願商標と引用商標とが外観において著しく相違することを看過したものであって,不適切であるといわざるを得ない。・・・前記(1)のとおり,商標の類否は,両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが,それには,そのような商品に使用された商標がその外観,観念,称呼等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべく,しかもその取引の実情を明らかにしうるかぎり,その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当とする。
イ 上記の点につき,本願の指定商品の冒頭に掲げられている「圧延機,連続鋳造機」についてまず検討すると,これらの商品は,その名称からして,製鉄工場等に設置される大規模な機械装置であって,取引者・需要者は製鉄業等の専門的知識を有する少数の者であり,実際の購入に当たっては,機械の性能やメーカーの信用等についての慎重な検討が行われることが,容易に推認される。そうすると,上記(2),(3)イで認定したとおり,本願商標と引用商標とは外観において相違することや,称呼の類似の程度もさして高くはないことに照らし,取引者・需要者において,出所の混同が生じる可能性は著しく低いというべきである。もっとも,「その他の金属加工機械器具」として動力付き手持工具等を,「電子応用機械器具」としてパーソ\ナルコンピュータ等をそれぞれ想定した場合には,これらは一般の消費者も手にする商品であるから,取引に際して払われる注意力等は,「圧延機,連続鋳造機」等の取引におけるものよりは相対的に低いと推認されるが,これらの商品も日用品とは異なるから,上記(2),(3)イで認定した本願商標と引用商標との相違に照らして,取引者・需要者において出所の混同が生じる可能性は低いというべきである。
ウ したがって,本願商標と引用商標とは,同一または類似の商品に使用された場合に,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるとは認められない。」

◆平成18(行ケ)10233 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成18年11月20日 知的財産高等裁判所

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◆平成17(行ケ)10349 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成18年09月20日 知的財産高等裁判所

 「赤毛のアン」の原題である「ANNE OF GREEN GABLES」の登録が公序良俗に反するとして無効とされた審決が、維持されました。
 結論は同じですが、審決は,「被告を含むカナダ国政府との国際信義に反する」として無効としましたが、知財高裁は詳細な検討をした上で無効としています。
   「ここでいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には,?@その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合,?A当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも,指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反する場合,?B他の法律によって,当該商標の使用等が禁止されている場合,?C特定の国若しくはその国民を侮辱し,又は一般に国際信義に反する場合,?D当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合,などが含まれるというべきである。」
 「題号は,当該著作物の標識というべきものであるから,その著作物を他の著作物から識別する機能を有するとともに,当該著作物の評価や名声がその題号に化体し,著名な著作物についてはその題号自体が大きな経済的価値を有する場合があり,本件著作物のような世界的に著名な題号が有する経済的な価値は,計り知れないものがある。本来万人の共有財産であるべき著作物の題号について,当該著作物と何ら関係のない者が出願した場合,単に先願者であるということだけによって,当該指定商品等について唯一の権利者として独占的に商標を使用することを認めることは相当とはいい難く,商標登録の更新が容易に認められており,その権利行使は半永久的に継続されることになることなども考慮すると,なおさら,かかる商標登録を是認すべき必要性は低いというべきである。そうすると,本件著作物のように世界的に著名で,大きな経済的な価値を有し,かつ,著作物としての評価や名声等を保護,維持することが国際信義上特に要請される場合には,当該著作物と何ら関係のない者が行った当該著作物の題号からなる商標の登録は,「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当すると解することが相当である。」

◆平成17(行ケ)10349 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成18年09月20日 知的財産高等裁判所

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◆平成17(行ケ)10840 審決取消請求事件 平成18年05月10日 知的財産高等裁判所

  商標「マジカルウェスト」が「マジカルクエスト」と類似するとした審決が維持されました。
 「「クエスト」に接したときにそれが「探索」という意味であると直ちに 理解されるほどの状況になっているということは困難であるのみならず,一 般消費者の英語の理解度からしても,「クエスト」に接したとき,それが 「探索」という意味であると直ちに理解することも困難というべきである。 また,原告が,本願商標及び引用商標から生ずる観念であると主張する 「魔法の腰のくびれ」,「魔法の西域」又は「魔法の探索」という観念自体 が,いずれも一般的な言語表現とはいえず,その具体的意味すら明らかでないものであるから,これを本願商標に係る各指定商品の取引者・需要者であ\nる一般消費者が直ちに想起できるということ自体にも無理がある。 したがって,原告の上記の主張は採用することができない。」

◆平成17(行ケ)10840 審決取消請求事件 平成18年05月10日 知的財産高等裁判所

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◆H18. 2.15 知財高裁 平成17(行ケ)10741 商標権 行政訴訟事件

  14March=π(Pi・Pie)Day」の文字と「14March」の文字の下部に「3.14」の文字を表してなる商標について指定商品「菓子及びパン,即席菓子のもと」が登録されていました。これについて、「指定商品「パイ」については、4条1項11号違反、他の商品については同項16号違反」との無効審判が請求されました。審決では、指定商品「パイ」については、4条1項11号であると判断されましたが、16号違反についは理由無しと判断されました。16号違反について理由無しとした判断について、審判請求人は、審決取消訴訟を提起しました。裁判所は、16号違反であるとして、無効不成立の部分を取消しました。
  「確かに,本件商標は菓子パイそのものを意味するものではなく,「Pie」の文字も本件商標の一部を構成するにすぎない。また,一般的な需要者にとって,本件商標が「3月14日が菓子のパイの日である」との意味を持つと即座に理解することが必ずしも容易ではないことは,甲1のアンケート結果(問12)が示すとおりである。しかしながら,前記判示のとおり,本件商標はホワイトデーという多くの人が限られた期間内に菓子類等を買い求める機会に使用されるものであり,そのことが商標の構\成から明らかであるところ,同商標には,パイ菓子であることを直接的に示す平易な英語である「Pie」という言葉が使われ,さらに「π」「Pi」も「パイ」と呼称されるのであるから,ホワイトデーの贈り物として菓子類やパン類を求めにきた需要者は,本件商標に接した場合,その内容,品質がパイ菓子であって,他の種類の菓子やパンではないと認識するのが自然である。そうすると,本件商標が,パイ菓子以外の「菓子及びパン,即席菓子のもと」に使用された場合には,需要者はその商品の品質,内容がパイ菓子であると誤認するおそれがあるというべきである。」

◆H18. 2.15 知財高裁 平成17(行ケ)10741 商標権 行政訴訟事件

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◆H18. 1.31 知財高裁 平成17(行ケ)10565 商標権 行政訴訟事件

  本件商標「サイクロンドライヤー」が引用商標「Cyclo」に類似するかが争われました。指定商品は、第9類「産業機械器具・・」です。裁判所は、商標「サイクロンドライヤー」からは「サイクロン」という称呼が生じ、「サイクロン」は「Cyclo」と類似するとした審決を維持しました。
 「「サイクロンドライヤー」の称呼は,10音にわたるものであるから,簡易・迅速を尊ぶ取引の実際において,冗長なものとして認識される場合がないということはできないし,上記のとおり,本願商標の構成からみて,「サイクロン」と「ドライヤー」の各文字部分が分離して認識され得るものであり,本願の指定商品中の「乾燥機,乾燥装置」との関係においては,本願商標中の「ドライヤー」の文字部分は,自他商品を識別する標識としての出所表\示機能を有さないものであるから,当該部分を省略して「サイクロン」の称呼が生じることは十\分あり得ることというべきである。なお,原告は,過去の裁判例を引用するが,これらは,商標全体が一連のものとして周知性を獲得しているなど,それぞれ本件と事情を異にする事例に関するものというべきである。したがって,原告の上記主張も採用できない。・・・上記「サイクロン」及び「サイクロ」の各称呼は,「サイクロ」の音を共通にしており,語尾の「ン」の有無の点が異なるのみである。そして,「ン」の音(撥音)は,「子音だけで母音を含まないため,上につく音節といっしょにして一音節と数える」(日本文法用語辞典・初版,乙12)ものであり,鼻音である(広辞苑・第5版,乙13)から,その発音に際しては強調されることがなく,極めて聴取しにくい音といわざるを得ない。・・また,原告は,「サイクロ」が,日本人に何の観念も想起させない造語であるのに対し,「サイクロン」は「熱帯低気圧」の意味を有するので,両者は観念において明確に相違するから,互いに紛れることはない旨主張する。確かに,引用商標は,特定の観念を生じないため,本願商標と引用商標の観念を比較することができず,両商標が観念において類似するとはいえない。しかしながら,前記のとおり,両商標は,その称呼において極めて類似するものであるから,観念において類似するものでなくても,両商標は,互いに紛らわしいものといわざるを得ない。したがって,原告の上記主張も採用できない。」

◆H18. 1.31 知財高裁 平成17(行ケ)10565 商標権 行政訴訟事件

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◆H17.12.27 知財高裁 平成17(行ケ)10613 商標権 行政訴訟事件

 「自由学園」が「学校法人自由学園」の著名な略称であり、「国際自由学園」はかかる略称を含むので商標法4条1項8号により登録を受けられないかが争われました。東京高裁(当時)は同号には該当せずと判断しました(H16(行ケ)168号)が、この判断が最高裁で破棄、差し戻しされました(H16年(行ヒ)343号)。知財高裁は、さらに審理を行い、同号に該当すると判断しました。
 「原告は,大正10年の設立以来,原告略称を教育及びこれに関連する役務に長期間にわたり使用し続け,本件出願時を経て本件審決時に至るまでの間,各種の書籍,新聞,雑誌,テレビ等で度々取り上げられてきており,これらにおいては,原告を示す名称として原告略称が用いられてきたのであるから,原告略称は原告を指し示すものとして一般に受けいられていたものと認めることができ,したがって,上記基準時(本件出願時及び登録査定時)において,原告略称は原告の名称の「著名な略称」であったと認めることができる。・・・人の名称等の略称が8号にいう「著名な略称」に該当するか否かを判断するについては,常に,問題とされた商標の指定商品又は指定役務の需要者のみを基準とすることは相当でなく,その略称が本人を指し示すものとして一般に受け入れられているか否かを基準として判断されるべきものであるというのでから,「教育関係者を始めとする知識人」ないしこれに「指定役務の需要者である学生等」を加えた限定された層を基準とする被告の上記主張は,採用することができない。

 最高裁の判決はこちらです。 H16年(行ヒ)343号

◆H17.12.27 知財高裁 平成17(行ケ)10613 商標権 行政訴訟事件

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◆H17.12.20 知財高裁 平成17(行ケ)10491 商標権 行政訴訟事件

  商標「FEMMIO VALENTINO」が,「VALENTINO GARAVANI」と出所混同する(4条1項15号違反)かが争われました。裁判所は、15号に該当するとした審決を維持しました。取引形態についての主張については、下記のように述べました。
 「原告は,審決の「商品の需要者もともに主として一般消費者であって,本件商標の指定商品が日常的に消費される性質の商品であり,殊にその需要者は特別な専門的知識経験を有しない一般大衆であって,これを購入するに際して払われる注意はさほど綿密なものではないといえることから,両者はその需要者を共通にするものである」(審決8頁最終段落〜9頁第1段落)との認定に対し,著名ブランドを使用した商品のような高級品を購入する際に払われる注意は相当に綿密なものであるのに対して,本願商標を使用した商品は,現在「ランチシリーズ」商品として100円ショップで販売されており,需要者・消費者,販売経路のいずれにおいても共通するところはないなどと主張する。  しかし,商標法4条1項15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれ」を判断するに当たっては,出願に係る商標の指定商品全部,すなわち上記第3の1(2)記載の商品すべてについて,これを一般的に検討すべきであり,出願人固有の取引の実情を混同を否定する方向に斟酌することは許されないというべきである。なぜならば,原告が現在本願商標を上記のように使用していたとしても,それは原告の事業展開の一つにすぎないものであり,事業展開がしばしば変化することは日常よく見られることであって,現在の販売方法が今後も継続し,固定していくとは限らないからである。そして,本願指定商品全体についてこれを一般的に検討すれば,上記審決の認定に誤りはないというべきであるから,原告の上記主張も採用することができない。」

◆H17.12.20 知財高裁 平成17(行ケ)10491 商標権 行政訴訟事件

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◆H17. 4.19 知財高裁 平成17(行ケ)10103 商標権 行政訴訟事件

 「BALMAIN」は、「バルマン」または「Valman」等とは非類似であるとして、特許庁の審決を取り消しました。
 裁判所は「「BALMAIN」ないし「バルマン」の表示は,著名な原告「PIERRE BALMAIN」社に係る「BALMAIN」ブランドを示すものとして,本願商標及び引用商標1〜3に係る取引者,需要者の間において,一般に広く知られるようになっていたものと認められるから,本願商標に接した取引者,需要者は,仮に本願商標自体を知らなくとも,本願商標から,周知の上記「BALMAIN」ブランドを想起するものというべきであり,これに対し,引用商標1〜3から特定の観念が生じないことは当事者間に争いがないから,本願商標と引用商標1〜3とは,観念において著しく相違するものと認めるのが相当である。」と判断しました。

◆H17. 4.19 知財高裁 平成17(行ケ)10103 商標権 行政訴訟事件

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◆H17. 4.13 知財高裁 平成17(行ケ)10225 商標権 行政訴訟事件

 商標の識別力が弱い部分がたとえ、角かっこなどで囲われていても、字体が異なっても、これを抜き出して独立した称呼を認定した審決を取り消しました。本件商標は、「ESI[tronic]」です。引用商標は「AS TRONIC」です。

◆H17. 4.13 知財高裁 平成17(行ケ)10225 商標権 行政訴訟事件

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◆H17. 4.13 東京地裁 平成16(ワ)17735 商標権 民事訴訟事件

 被告の雑誌「Club LEGACY」は、原告の商標「レガシィクラブ」に類似するとして、差止を認めました。
裁判所は理由の1つとして「本件商標の登録に至る経緯において,原告が自ら「レガシィクラブ」を一体不可分にのみ称呼,観念される一種の造語である旨主張したことを認めるに足りる証拠はない」として被告の主張を退けました。特許庁の実務は、かつては、○○クラブであれば、一連称呼とするということでしたが、いまはどうなのでしょうか?

◆H17. 4.13 東京地裁 平成16(ワ)17735 商標権 民事訴訟事件

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◆H17. 4.13 知財高裁 平成17(行ケ)10230 商標権 行政訴訟事件

 周知商標であるポロのマークについて、似た図形標章が4条1項15号に該当すると判断されました。使用形態まで考慮して判断した点は興味深いです。
  裁判所は「本件商標がワンポイントマークとして使用される場合を考えると,そのようなワンポイントマークは,比較的小さいものであり,マーク自体に詳細な模様や図柄を表現することは実際上容易ではないから,・・むしろその図形の輪郭全体が見る者の注意を惹き,内側における差異が目立たなくなることが十\分に予想されるのであって,その全体的な配置,輪郭が引用商標と類似していることから,ワンポイントマークとして使用された場合の本件商標は,引用商標とより類似してくるとみるのが相当である」
 問題となった標章を公告公報から抜き出しました。 こちらです。

 

◆H17. 4.13 知財高裁 平成17(行ケ)10230 商標権 行政訴訟事件

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◆H17. 2.24 東京高裁 平成16(行ケ)256 商標権 行政訴訟事件

 4条1項15号の判断について、出所混同無しと判断した審決を取り消しました。
 「商標法4条1項15号にいう混同の生ずるおそれの有無は,取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準とすべきところ,被告は,医療の現場では,専門家たる医療関係者が「メバロチン」とその後発医薬品は現実の混同を引き起こすことなく使用し,混同のおそれは生じていないと主張する。確かに,医療関係者は医薬の知識を有する専門家であり,患者に処方・調合する薬剤に誤りのないように,薬剤の名称には細心の注意を払っているのが通例であり,医療の現場で「メバロチン」とその後発医薬品が実際に誤用されたことを示す証拠はない。しかしながら,新薬が次々と発売される中で,日常的に数多くの患者に接して様々な薬剤を処方・使用している医療の現場においては,医療関係者といえども名称の似た薬剤を誤って処方することがあり,かかる薬剤の取違え事例が存在することは「医療品・医療用具・諸物品等情報の分析について」(甲54)の記載からも明らかである。また,平成15年9月18日開催にかかる厚生労働省「医薬品・医療用具等対策部会」においては,名称の類似する薬剤の取り違えが全国的な問題となっており,とりわけ後発医薬品によく似た名称が多いとの指摘がなされている(甲52の2,2頁)。本件商標に係る「メバスロリン」は,まさに「メバロチン」とその有効成分,薬効を同一にする後発医薬品であり,医療機関や薬局では先発医薬品と後発医薬品は同時に取り扱われることも少なくないと考えられることや,両商標の類似性の程度,引用商標の著名性を考慮すれば,「メバスロリン」に接した医師や薬剤師は,「メバロチン」を容易に想起し,「メバスロリン」を原告あるいは原告と資本関係ないしは業務提携関係にある会社の業務に係る商品等と混同するおそれがあるというべきである。」

◆H17. 2.24 東京高裁 平成16(行ケ)256 商標権 行政訴訟事件

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◆H17. 1.31 東京高裁 平成16(行ケ)219 商標権 行政訴訟事件

 4条1項7号による無効理由について判断されました。
  「原告による本件商標「COMEX」の商標登録出願は,出願の経緯及び商標登録後の原告の行為に照らし,被告ロレックス社製の「ROLEX/comexダブルネーム」時計の人気及び「comex」,「COMEX」の商標が被告ロレックス社製ダイバーズウォッチの高い性能と信頼性の証とされていることを熟知しながら,我が国において「時計,時計の部品及び付属品」を指定商品とする「COMEX」の商標登録がされていなかったことを奇貨として,先取り的にされたものであり,その商標登録出願に基づいて登録された本件商標「COMEX」を原告の販売する時計に使用すれば,需要者の誤認を招くばかりでなく,そのただ乗り的使用によって,「comex」,「COMEX」の商標について形成された被告ロレックス社の信用が毀損され,また,本件商標「COMEX」が原告の販売する比較的廉価なダイバーズウォッチに使用されれば,ごく少数のサブマリーナ及びシードゥエラーにのみ使用されることによって希少性と名声を保っている「comex」,「COMEX」の商標が希釈化され,その価値が損なわれることになることは明らかである。」

◆H17. 1.31 東京高裁 平成16(行ケ)219 商標権 行政訴訟事件

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◆H16.11.25 東京高裁 平成16(行ケ)129 商標権 行政訴訟事件

 被告標章「メバロチン」は周知商標「メバロカット」と出所混同が生ずると判断されました。
 「確かに,医師や薬剤師が医薬の知識を有する専門家であり,医師が患者に高脂血症用薬剤を投薬する際には,病院等にある1社ないし数社の限られた高脂血症用薬剤の中から医薬を選択するものであることや,病院等が医薬品を購入する際には製薬会社各社のMR(医薬品情報伝達者)などから説明を受ける機会もあることを考慮すれば,一部の医師や薬剤師については,本件商標を使用した高脂血症用薬剤を被告あるいは被告と資本関係ないしは業務提携関係にある会社の業務に係る商品と混同する具体的なおそれは少ないとみる余地もないではない。しかし,だからといって,およそ,その取引者・需要者である医師,薬剤師など医療関係者であれば,一般的にそのような混同を生ずるおそれはないということはできないのであり,上記のような医療用医薬品の流通過程,被告の引用商標の高脂血症用薬剤における周知著名性,引用商標と本件商標との類似性の度合い,引用商標と本件商標を使用した両商品の薬効成分が同一であること,並びに,医療用医薬品に関する取引の実情からすれば,医療関係者が医薬の知識を有する専門家であることを考慮しても,多数の種類,品目の医薬品を取り扱っている医薬品卸売業者及び多数の種類,品目の医薬品を取り扱っている調剤薬局,並びに,多数の医師や薬剤師が働く医療機関における医師,薬剤師などにおいて,本件商標を使用した高脂血症用薬剤を被告あるいは被告と資本関係ないしは業務提携関係にある会社の業務に係る商品と混同するおそれがあることを否定することはできない。」

◆H16.11.25 東京高裁 平成16(行ケ)129 商標権 行政訴訟事件

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◆H16.11.25 東京高裁 平成16(行ケ)196 商標権 行政訴訟事件

  標章「建設大臣」が公序良俗に反するとした拒絶審決について、裁判所も同判断を行いました。
   裁判所は「”建設大臣”という語が,国の行政組織に係る公的な名称を示すものとして認識され,実際に,取引社会において,一定の商品や役務について公的な基準,規格等を満たしていることを示す表示として用いられていることなどに照らすと,”建設大臣”の文字よりなる本願商標をその指定商品及び指定役務について使用した場合には,その需要者,取引者に対し,それらが従前の建設省の所管事務を統括していた建設大臣と関わりがあるかのように,あるいは建設に関する行政分野を統括する大臣の名称であるかのように,誤信させるおそれがあることは明らかであり,その登録を認め,指定商品及び指定役務について独占使用権,排他権を付与することは,国民の行政に対する信頼を損ねるとともに,取引秩序を乱すおそれがあり,社会公共の利益に反するというべきである。」

   こちらは"福祉大臣”についての判断です。H16.11.25 東京高裁 平成16(行ケ)197 商標権 行政訴訟事件

◆H16.11.25 東京高裁 平成16(行ケ)196 商標権 行政訴訟事件

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◆H16. 9.30 東京高裁 平成16(行ケ)206 商標権 行政訴訟事件

 「秘書士」という標章が4条1項7号(公序良俗)に該当するとした審決が取り消されました。
裁判所は、「一般国民が,末尾に「士」の付された名称に接した場合,一定の国家資格を付与された者を表していると理解することが多いと一般的にはいうことができても,本件においては,前記1のとおり,教育協会の行ってきた「秘書士」の称号認定が,秘書教育の関連分野における取引者,需要者の間において周知となっていたことや,前記(1)のとおり,「秘書士」と「秘書技能検定」の語が類似していないことを考慮すれば,本願商標をその指定役務に使用しても,取引者,需要者をして,秘書技能\検定の他に,秘書職に関する国家資格,公的資格が存するかの如く誤信せしめるものということはできないから,被告の上記主張は理由がない」と述べました。

◆H16. 9.30 東京高裁 平成16(行ケ)206 商標権 行政訴訟事件

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◆H16. 9.16 東京高裁 平成16(行ケ)18 商標権 行政訴訟事件

 菓子に用いられる「ひよ子」が、即席中華そばのめんに用いられる「ひよこ」と混同生ずるかが争われました。審決では4条1項15号に該当するとして拒絶されましたが、裁判所はこれを取り消しました。
 「引用商標「ひよ子」が普通名詞の「ひよこ」と顕著な差がなく,自他識別性が強くはないこと,引用商標「ひよ子」の周知著名性は,お土産品・贈答品に頻繁に利用される,「ひよこの形をしたお菓子」という商品と密接に結合したものであり,当該商品を連想させる商標として周知著名なものであるから,その周知著名性が及ぶのはせいぜい「菓子」の範囲までであり,食肉,野菜,果実などの生鮮食料品から,様々なものが含まれる加工食料品など食品全般にまで広く及ぶと解することはできない。・・・一般消費者が日常的に食する「即席中華そばのめん」とは,商品自体が相当に異なり,販売経路,売場などからも,明りょうに区別することができる食品であることからすれば,「即席中華そばのめん」に本願商標を使用しても,その取引者及び需要者である一般消費者が,同商品を,引用商標「ひよ子」の業務主体又は同社と何らかの関係にある者の業務に係るものと混同するおそれがあるとみることはできない。」と述べました。

◆H16. 9.16 東京高裁 平成16(行ケ)18 商標権 行政訴訟事件

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◆H16. 9. 6 東京高裁 平成15(行ケ)564 商標権 行政訴訟事件

  ポロラルフローレンと出所混同を生ずるおそれがあるとして無効と判断された審決が取り消されました。
 裁判所は、「ファッション関連商品の分野における引用商標の周知・著名性を考慮に入れても,本件商標を指定商品に使用したときに,当該商品が,ラルフ・ローレン又は同人と密接な営業上の関係若しくは同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であるかのように誤信され,商品の出所混同が生ずるおそれがあるということはできないから,その出所混同のおそれを肯定した審決の認定は誤りであるといわなければならない。そして,上記判断は,審決が指摘するように(審決謄本15頁下から第2段落),一般的に,生活関連用品について消費者が有する注意力はさほど高いものではないことを考慮しても,左右されないというべきである・・・」と述べました。

◆H16. 9. 6 東京高裁 平成15(行ケ)564 商標権 行政訴訟事件

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◆H16. 7.26 東京高裁 平成15(行ケ)456 商標権 行政訴訟事件

 1つの争点として、指定商品「半導体ウエハ」が「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)」と類似する商品かが争われました。
 裁判所は、下記のように述べて、類似するとした審決を取り消しました。「そして,半導体ウエハは,一般需要者向けの商品ではなく,半導体ウエハの需要者はデバイスメーカー等であること,半導体ウエハや半導体素子の品質及び歩留まりは,・・・その取引当事者は,こうしたクリーン・ルーム設備を保有する者だけに限られることは,当事者間に争いがない。これらの諸事情を総合考慮すれば,半導体ウエハと集積回路等の電子応用機械器具とについて,同一又は類似の商標が使用されたときに,半導体ウエハの需要者であるデバイスメーカー等において,それらの商品が同一営業主の製造又は販売に係る商品であると誤認混同されるおそれはないというほかはない。」

 

◆H16. 7.26 東京高裁 平成15(行ケ)456 商標権 行政訴訟事件

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◆H16. 6.30 東京高裁 平成16(行ケ)67 商標権 行政訴訟事件

「幻庵」と「GEN AN」の2段併記の商標についての使用が争われました。裁判所は、幻庵を店舗名として使用していることを使用証明として認めました。
 「本件商標は,上記第2の1のとおり,「玄庵」と「GEN AN」の文字を横書き上下2段に書してなるものであるところ,本件商標の構成文字の「GEN AN」が,「玄庵」の称呼である「げんあん」をローマ字でそのまま表\したものであることは明らかであるから,新宿区(以下省略)に所在するステーキ店の営業を表示するものとして壇が使用していた「玄庵」の商標は,本件商標と社会通念上同一の商標ということができる。」

 

◆H16. 6.30 東京高裁 平成16(行ケ)67 商標権 行政訴訟事件

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◆平成16年06月08日 第三小法廷判決 平成15年(行ヒ)第265号 審決取消請求事件

 商標法4条3項にいう「出願時に8号に該当しない商標」が、出願時において8号本文に該当するが8号括弧書の承諾があることにより8号に該当しないとされる商標も含むのかが争われました。特許庁、高裁、最高裁とも同様に、出願時に承諾があっても査定時までに撤回された場合には、登録を受けられないと判断しました。
「3項にいう出願時に8号に該当しない商標とは,出願時に8号本文に該当しない商標をいうと解すべきものであって,出願時において8号本文に該当するが8号括弧書の承諾があることにより8号に該当しないとされる商標については,3項の規定の適用はないというべきである。したがって,出願時に8号本文に該当する商標について商標登録を受けるためには,査定時において8号括弧書の承諾があることを要するのであり,出願時に上記承諾があったとしても,査定時にこれを欠くときは,商標登録を受けることができないと解するのが相当である。  これを本件についてみると,前記事実関係によれば,本願商標は出願時に8号本文に該当するものであり,査定時において上告人が本願商標につき商標登録を受けることについてカムホートの承諾がなかったことは明らかであるから,本件出願は,本願商標が8号に該当することを理由として,拒絶されるべきものである。」

原審は以下の通り。
◆H15. 7.15 東京高裁 平成15(行ケ)183 商標権 行政訴訟事件
 

◆平成16年06月08日 第三小法廷判決 平成15年(行ヒ)第265号 審決取消請求事件

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◆H16. 4.22 大阪地裁 平成15(ワ)10678 商標権 民事訴訟事件

 被告標章「OLIVE Christmas」が登録商標「クリスマス」と類似するかが争われました。指定役務は宿泊施設の提供です。
 大阪地裁は「ホテル営業に関して「Christmas」や「クリスマス」の文字を含む結合商標が用いられている場合には、「Christmas」や「クリスマス」の文字部分は、特別な図案化が施されているような場合は別として、一般に識別力が弱いものというべきであり、被告標章のうちの「Christmas」の部分についても、特に識別力があるような態様のものではないから、商標の類比を判断するに当たって、この部分を分離して捉えることは相当でない。」として非類似と判断しました。

 

◆H16. 4.22 大阪地裁 平成15(ワ)10678 商標権 民事訴訟事件

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◆H16. 3.29 東京高裁 平成15(行ケ)499 商標権 行政訴訟事件

 本件商標「AFTERNOON TEA」が先願の「午後の紅茶」と類似するかが争われました。
 裁判所は、類似するとの審決の判断を維持しました。
この事件は、以前紹介した商標出願に関する判決(H15. 6. 4 東京高裁 平成14(行ケ)596 商標権 行政訴訟事件)の、その後の判断です。4条1項16号違反は回避できたんですが、同11号で拒絶されました。
 

◆H16. 3.29 東京高裁 平成15(行ケ)499 商標権 行政訴訟事件

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◆H16. 3. 9 東京高裁 平成15(行ケ)380 特許権 行政訴訟事件

(タイトルは特許権となってますが、商標権です)
裁判所は、「Dr. Rath's Vita-Cが、ビタシーと類似する」とした審決を取り消しました。「Dr. Rath's」 と「Vita-C」に分離されるが、「Vita-C」の部分は識別性がない部分であるという理由です。

◆H16. 3. 9 東京高裁 平成15(行ケ)380 特許権 行政訴訟事件

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◆H15.10.29 東京高裁 平成15(行ケ)248 商標権 行政訴訟事件

 ”管理食養士”という商標の登録が公序良俗に反するとして認められませんでした。特許庁裁判所とも同じ判断です。管理栄養士という似た名称があったことが理由となってます。
指定商品(役務)が異なる同じ案件です。
    ◆H15.10.29 東京高裁 平成15(行ケ)249 商標権 行政訴訟事件

    ◆H15.10.29 東京高裁 平成15(行ケ)250 商標権 行政訴訟事件

      

◆H15.10.29 東京高裁 平成15(行ケ)248 商標権 行政訴訟事件

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◆H15. 7.17 東京高裁 平成14(行ケ)436 商標権 行政訴訟事件

 著名商標がある文字と結合している場合に、当該ある文字について先行商標とは非類似との判断がなされました。どこまでが射程範囲かは分かりませんが、前記ある文字が一般に親しまれた語であって、それが指定商品との関係で強い識別力を発揮しない場合には、同じような判断がなされる可能性が高いといえるかもしれません。
「本願商標は大きな「TOD'S」の文字を横断するように「COMPETITION」の文字をまとまりよく一体に配した構成であり、このことと併せて前記2に認定した原告の「TOD'S」ブランドの知名度も考慮すれば、本願商標からは、「トッズ」と結合した「トッズ コンペティション」ないし「トッズ」の「コンペティション」という一体の観念が生ずると考えられ、「トッズ」を切り離した「コンペティション」の観念が独立して生ずるとは考えられない。したがって、本願商標とその文字部分から単に「コンペティション」の観念のみが生じる各引用商標とは、観念において相違する。さらに、称呼について検討するに、本願商標が前記のとおり「TOD'S」の文字と「COMPETITION」の文字をまとまりよく一体に配した構成であること、「トッズ」が短くて響きがよく、発音し易い語であることから本願商標は「トッズコンペティション」とよどみなく一連に称呼され得ること、及びブランドとしての「TOD'S」(トッズ)が高い知名度を有していることを考慮するとき、本願商標からは、「トッズ」の称呼又は「トッズコンペティション」の称呼が自然に生じ、かつ、これらの称呼をもって取引者及び需要者に識別されるというべきである。」

 

◆H15. 7.17 東京高裁 平成14(行ケ)436 商標権 行政訴訟事件

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◆H15. 7. 3 東京高裁 平成14(行ケ)377 商標権 行政訴訟事件

「ふぐの子」が先願既登録商標「子ふぐ」と類似か否かが争われました。審決では非類似と判断しましたが、裁判所は以下のように「観念、称呼および外観が似ている」として述べて、審決を取り消しました。
  「本件商標は,その構成文字に相応して「河豚(ふぐ)の子」の観念を生じ,引用A商標は,その構\成文字に相応して「こどもの河豚(ふぐ),小さい河豚」の観念を生じることは,明らかである。両商標は,その観念において,ほぼ同一であるといい得る程度によく似ているというべきである。  本件商標は,その構成文字に相応して「フグノコ」の称呼を生じ,引用A商標は,その構\成文字に相応して「コフグ」の称呼を生じることは,明らかである。両商標の上記各称呼は,「フ」,「グ」,「コ」の3音において共通しており,「ノ」の音の有無と「コ」の音の位置(語尾か語頭か)において異なるにすぎない。「フグ」は「河豚」を,「コ」は「子」を意味する語であり,「ノ」は「河豚」と「子」との関係を示す助詞であることから,実質的には上記各称呼は,「河豚」を意味する語と「子」を意味する語の語順を入れ替えたにすぎないものであるということができる。 上記対比の結果によれば,本件商標と引用A商標とは,その称呼において相当によく似ているというべきである。 称呼について述べた上記のことは,外観についてもほぼ同様に当てはまるということができる。」

◆H15. 7. 3 東京高裁 平成14(行ケ)377 商標権 行政訴訟事件

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◆H15. 6. 4 東京高裁 平成14(行ケ)596 商標権 行政訴訟事件

 指定商品「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」に商標「Afternoon Tea」を使用すると、品質誤認(4条1項16号)が生ずるかが争われました。問題となった出願   

審決では、若い女性の間では周知であるとしても、それ以外の顧客も存在するので、品質誤認が生ずると判断しましたが、裁判所は、以下のように、これを否定しました。
 「また、アフタヌーンティー店舗は、若い女性のみを対象としない全国各地の地域の情報紙でも頻繁に取り上げられており、・・・一般新聞や週刊誌で紹介され、飲食業界や流通業界の業界紙でも多数回にわたり紹介されているから、「Afternoon Tea/アフタヌーンティー」の名称が、アフタヌーンティー店舗のハウスマークであることは、若い女性に限定されず、一般の需要者・消費者にとって、上記時点においてかなりの程度で周知であったものと認められる。  さらに、アフタヌーンティー店舗では、長年にわたり、「Afternoon Tea/アフタヌーンティー」の名称を付し、本願商標を掲載したメニューを使用して紅茶以外のコーヒー・ジュース等の飲み物を提供してきたものと認められるから、このような飲食物の提供形態をとることにより、注文者が品質を誤認するような混乱を生じることはなかったものと推認するのが相当である。・・・・原告の経営方針として、本願商標を付した各種商品は、アフタヌーンティー店舗においてのみ販売されており、一般の需要者・消費者が、他の店舗及び自動販売機等によって本願商標を付した各種商品を購入することは困難な状況にあるものと認められる。  以上の諸事情に加えて、前記説示のとおり、本願商標から「茶」「紅茶」の観念のみが生じるものではなく、「飲み物に通例紅茶を用いる昼過ぎの軽い食事」「午後の茶の会」といった観念も生じるものであり、必ずしも商品の品質のみが想起されるものでないことも併せ考慮すると、本願商標をその指定商品について使用した場合に、商品「茶」であるかのごとく、需要者をして、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認めることはできないといえる。」

 

◆H15. 6. 4 東京高裁 平成14(行ケ)596 商標権 行政訴訟事件

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◆H15. 5.21 東京高裁 平成14(行ケ)285 商標権 行政訴訟事件

足袋の商標として周知の「力王」の商標権者が、「飲食物」を指定する「力王」に対して、4条1項15号違反として、無効を求めていた事件で、無効理由無しとした審決を取り消して差し戻しました。
  裁判所は、広義の混同を認め、以下のように判断しました。「本件商標の指定役務に係る「飲食物の提供」・・・の需要者は,当該役務の性質上,年齢,性別,職種等を問わず,あらゆる分野の広汎な一般消費者であり,その中には,原告商標に係る上記取引者,需要者も当然含まれている。これらの者が,野外で作業をして昼食時を中心に外食する機会も多く,本件商標の指定役務の需要者となりやすい・・・・本件商標の指定役務の需要者と原告商標に係る地下たびの需要者とは,相当程度共通する。そして,このような共通の需要者が本件商標に接して,その指定役務の提供を受ける際に普通に払う注意力の程度について見るに,・・・取引上の経験則に照らせば,一般消費者として,そのような高度の注意を払う行動には出ないのが通常であるといわなければならない。・・・これに接する需要者において,原告商標を連想,想起し,当該役務が原告の業務に係る役務であると誤信するか,あるいは,そうでなくとも,原告との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る役務であると誤信し,その出所について広義の混同を生ずるおそれがあるというべきである。」

 

◆H15. 5.21 東京高裁 平成14(行ケ)285 商標権 行政訴訟事件

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◆H15. 5. 8 東京高裁 平成14(行ケ)616 商標権 行政訴訟事件

審決では、「本件商標の出願手続行為は、申立人に対する背信的行為であり、信義誠実の原則に反するものである。そして、かかる商標権者の行為により登録出願された本件商標は、商道徳に反し公正な取引秩序を乱すおそれがあるものというべきである。したがって、本件商標の登録は、商標法4条1項7号に違反してなされたと認められるから、同法43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである」と判断されましたが、裁判所はこれを取り消しました。
  裁判所は、下記のような理由を述べました。
「商標自体に公序良俗違反のない商標が商標法4条1項7号に該当するのは、その登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に限られるものというべきである。・・・・事情の下で、原告が本件商標を登録出願し、商標登録を取得(平成13年8月)したことは、・・・・商標を安定して使用し得る地位を確保するための安全策という要素を持つものであって、・・・その商標登録出願から商標権取得に至る行為をあながち不当、不徳義と評価することはできない。・・・付言するに、前記1に認定した本件の事情の下で、本件商標「ハイパーホテル」の使用関係を原告と申\立人グループとの間でいかに律するかは、当事者間における利害の調整に関わる事柄である。そのような私的な利害の調整は、原則として、公的な秩序の維持に関わる商標法4条1項7号の問題ではないというべきである。」

 

◆H15. 5. 8 東京高裁 平成14(行ケ)616 商標権 行政訴訟事件

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◆ H15. 1.21 東京高裁 平成14(行ケ)190 商標権 行政訴訟事件

   「その類似商品を除く」という記載における類似商品とは何かが争われました。裁判所は、”商品が非類似だから無効理由無し”とした判断は否定しましたが、最終的には、商標非類似として、無効理由なしとした審決の判断は取り消しませんでした。
  商品の類似について裁判所は「審決は、引用商標の指定商品の記載「紙類、文房具類、但し三角定規、地球儀、計算尺、そろばん、およびその類似商品を除く」における「その類似商品」の範囲を、商標法4条1項11号にいう「類似する商品」を判断する際に用いられる特許庁の「『商品区分』に基づく類似商品審査基準」をそのまま当てはめることによって解釈していることが明らかであるが、これは誤りであるといわざるを得ない。・・・本件に即して述べると、先願登録商標の指定商品が「A」と記載されている場合には、商標法4条1項11号にいう商品Aに「類似する商品」の範囲を上記審査基準に従って判定することができるが、指定商品の記載が「X 但しA及びその類似商品を除く」となっているときには、「但し・・・を除く」の文言によって、指定商品の範囲は、「XからA及びAの類似商品を除いたもの(X−AとAの類似商品)」となっているのであるから、上記審査基準を適用し得るのは「X−AとAの類似商品」についてであって、除かれる「Aの類似商品」については、上記審査基準に示された判定基準がそのまま妥当するものではないのである。」と述べました。
  標章がローマ字表記された商標権について、同様の判断がなされています(H15. 1.21 東京高裁 平成14(行ケ)266 商標権 行政訴訟事件)。

 

◆ H15. 1.21 東京高裁 平成14(行ケ)190 商標権 行政訴訟事件

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◆H14.11.13 東京高裁 平成14(行ケ)152 商標権 行政訴訟事件

「セレモアつくば」と「セレモアみずき」は類似するとした審決が維持されました。「セレモアつくば」が周知で、これから「セレモア」との称呼も生じる。よって類似するというものです。取引の実情がかなり影響したのだと思われます。
  「セレモアつくば」は,被告の名称の略称として,葬祭業界及びこれに関連する業界において,取引関係者はもとより一般需要者の間においても,よく知られており,「セレモア」の表示も同様であることが認められる。・・本件商標中の中心的な自他役務識別力を有する部分は「セレモア」の文字部分であり,本件商標からは,・・・「セレモア」のみの称呼も生ずるものと認められる。・・・引用商標中の中心的な自他役務識別力を有する部分も「セレモア」の文字部分であり,上記同様の理由により,引用商標からは,・・・「セレモア」のみの称呼が生ずるものと認められる。したがって,本件商標と引用商標とは,称呼において類似する。 ・・・「セレモア」の語は,「セレモニー」を想起させ,「儀式」に関連するものと連想させるところがあるとしても,造語であると認識されるものであり,両商標を全体として観察した場合に,いずれも特定の観念を生じないから,観念において類似するということはできず,また,外観上の区別をすることはさほど困難ではなく,外観において類似するとまでいうこともできないが,これらの点は,要部における称呼の類似性をしのぐほどの特段の差異を取引者,需要者に印象付けるものではない。また,引用商標を構成する「セレモアつくば」の表\示は,本件商標の登録査定時において,既に,被告の名称の略称として,葬祭業界及びこれに関連する業界において,取引関係者はもとより一般需要者の間においても,よく知られていたことは上記認定のとおりであり,本件商標の指定役務中の「飲食物の提供,葬儀の執行,衣服の貸与」は,引用商標の指定役務と同一又は類似の役務と認められるから,このような取引の実情を参酌して両商標の類否を全体的に観察すれば,本件商標の指定役務中の上記役務に係る取引者,需要者において役務の出所を誤認混同するおそれがあり,本件商標は引用商標に類似する商標というべきである。」

 

◆H14.11.13 東京高裁 平成14(行ケ)152 商標権 行政訴訟事件

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◆H14. 8.27 東京高裁 平成13(行ケ)539 商標権 行政訴訟事件

 沖電気が持っている商標「oki」が商標「oki doki」に対して15号違反と訴えていた判決で、無効理由なしとした審決が取り消されました。著名な商標は保護範囲が広いということになりそうです。

 

◆H14. 8.27 東京高裁 平成13(行ケ)539 商標権 行政訴訟事件

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