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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

周知表示(不競法)

最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、裁判所がおもしろそうな(?)意見を述べている判例を集めてみました。
内容的には詳細に検討していませんので、詳細に検討してみると、検討に値しない案件の可能性があります。
日付はアップロードした日です。

平成28(ワ)10736  不正競争行為差止等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成30年2月27日  東京地方裁判所(46部)

 ポケフラットという折りたたみ傘について、周知と認定され、差止と140万円の損害賠償が認められました。
 一般的な折り畳み傘は,折り畳んで包袋に入れた状態において円筒形の形 態をしているのに対し,原告商品の形態は,折り畳んで包袋に入れた状態に おいて,原告商品形態を有しているところ,当該形態によって,原告商品は, 全体的に薄く扁平な板のような形状を有することが認められ,円筒形でない だけでなく,それが全体的に薄く,扁平な板のような形状である点で,一般 的な折り畳み傘の形状とは明らかに異なる特徴を有しているといえる。 そして,上記 のとおり,原告商品の広告では原告商品が薄いことが強調 されたこと(上記 ウ ),発売から間もない平成17年1月頃に日本経済 新聞社が主催する2004年日経優秀製品・サービス賞の優秀賞及び日経産 業新聞賞を受賞し,原告商品の形態が説明された上で「新しい時代に先駆け た独創的な新製品」との評価を受けたこと(上記 カ),新聞,雑誌,テレビ 番組等の多数のメディアにおいて原告商品が取り上げられたところ,そこで は原告商品が薄いことが強調されていること(上記 エ),そもそも原告商 品の形態がそれまでの商品の形態とは明らかに異なる原告商品形態である ことから上記のような多数の媒体で取り上げられたと考えられること,一般 消費者もインターネット上の商品販売サイト等に原告商品が薄いとの原告 商品形態を強調する感想を多く書き込んでいること(上記 オ)などからす ると,原告商品は需要者に対し,全体的に薄く扁平な板のような形状を有す る商品であるという強い印象を与えるものといえる。そうすると,原告商品形態は,客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有していたといえ,原告商品形態には特別顕著性があるといえる。
イ これに対し,被告は,原告商品の他にも折り畳んで包袋に入れた状態が薄 く扁平な板のような形状となる折り畳み傘(乙5(乙15〜17は乙5の折 り畳み傘の写真である。),7,18〜21)や折り畳んだときの形状が薄く 扁平な板のような形状になる折り畳み傘の骨組み(乙10,11,13)が 存在し,このうち,乙第5号証及び乙第7号証の商品は原告商品が販売され るより前から販売されていたこと,折り畳んだときの傘の骨組みが直方体と なる形状の実用新案登録及び特許出願もされていた(乙1〜4)ことから, 薄く扁平な板のような形状を有する折り畳み傘はありふれた形態であって 原告商品形態に特別顕著性はない旨主張する。
しかし,原告商品が販売される前から,一定の形状の折り畳み傘の骨組み が存在し,また,骨組みの形状に関する実用新案登録等がされていたとして も,それは骨組みに関するものであって,それを利用した折り畳み傘の形態 は不明であり,折り畳み傘の形態としての原告商品形態の特別顕著性の有無 を直ちに左右するものとはいえない。また,被告が指摘する商品(乙5,7, 18〜21)には,折り畳んで包袋に入れた状態が円筒形ではなく,直方体 に似た形状を有するものもある。しかし,被告が指摘する商品はいずれも販 売数量及び売上高は明らかになっておらず,市場において広く流通している 商品であると認めるに足りる証拠はないこと,乙第5号証及び乙第7号証の 商品は既に販売が終了していること(乙6,8,41)などからすると,上 記各商品によって,原告商品形態がありふれており,他の商品と識別し得る 特徴を有しないとはいえない。

◆判決本文

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平成29(ワ)5423  損害賠償請求事件  商標権  民事訴訟 平成30年3月26日  東京地方裁判所(29部)

 少し前の判決ですが漏れていたのでアップします。中古購入した原告商品の一部を組み込んだ別の商品を製作しました。裁判所は、不競法の著名商品等表示であるとして、約170万円の存在賠償を認めました。判決文の最後に、被告商品が掲載されています。
 被告は,被告は被告各商品に原告標章の一部を使用したが,それは飽くまでデザイ ンとしての使用であり,原告標章と同一又は類似のものを商品等表示として使用した\n商品を販売等していない旨主張するので検討する。
不正競争防止法2条1項2号の趣旨は,著名な商品等表示について,その顧客吸引\n力を利用するただ乗りを防止するとともに,その出所表示機能\及び品質表示機能\が稀 釈化により害されることを防止するところにあると解されるから,同号の不正競争行 為というためには,単に他人の著名な商品等表示と同一又は類似の表\示を商品に付し ているというだけでは足りず,それが商品の出所を表示し,自他商品を識別する機能\ を果たす態様で用いられていることを要するというべきである。 これを本件についてみるに,前記認定のとおり,原告はバッグ類,袋物及び被服等 で知られる世界的に著名な高級ブランドを擁するフランス法人であるところ,原告標 章は,1896年から現在まで原告商品に使用されて世界的に広く知られる標章であ り,原告商品にのみ付され,大規模かつ継続的な宣伝広告により,著名性を有するも のであることからすれば,高い出所識別機能を有する商品等表\示として使用されてい るものである。そして,その使用態様は,商品に応じて原告モノグラム表示の一部を\n切り取って商品に付されて使用されるという特徴を有しており,必ずしも「LOUI S VUITTON」との文字商標を必要とはしていない。
被告標章1ないし7は,原告標章を構成する原告記号aないしdと同一の記号によ\nり構成され,その配置も原告標章と同一なものの一部分であり,被告標章8は,被告\n記号eや,被告記号aないしdをカラーにした点が異なるが,それらの記号が原告標 章と同一の配置とされたものの一部分であり,被告各商品に応じて被告各標章の一部 を切り取って商品に付されて使用されている。 このような被告各標章の使用態様からすると,被告各標章は出所識別機能を有する\n態様で用いられているものと認められ,デザインとしての使用であり商品等表示とし\nて使用ではない旨の被告の主張は採用できない。

◆判決本文

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平成28(ワ)30183  不正競争行為差止等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成30年5月11日  東京地方裁判所(40部)

 「SAPIX 8月マンスリー」「SAPIX生のための復習用教材」「SAPIX今週の戦略ポイント Daily Support」)等と使用することは、自他商品等を識別する機能を果たす態様で用いられていないので、不競法2条1項1号の「使用」には該当しないと判断されました。
 原告は,不競法2条1項1号にいう「使用」の意義について,自他識別力 のある使用といえるかどうかは独立の要件ではなく,営業主体の混同のおそ れの有無の判断において考慮すべき要素にすぎないと主張する。しかし,同 号は,人の業務に係る商品又は営業(以下「商品等」という。)の表示につ\nいて,その商品等の出所を表示して自他商品等を識別する機能\,その品質を 保証する機能及びその顧客吸引力を保護し,事業者間の公正な競争を確保す\nることを趣旨とするものであるから,同号にいう「使用」というためには, 単に他人の周知の商品等表示と同一又は類似の表\示を商品等に付しているの みならず,その表示が商品等の出所を表\示し,自他商品等を識別する機能を\n果たす態様で用いられていることを要するというべきである。
ア 本件表示1〜3
これを前提として,被告のホームページ上の本件表示1〜3について検\n討するに,前記認定のとおり,被告のホームページには,そのヘッダー部 に被告学習塾の名称が表示され,またメインコンテンツ部には「中学受験\nドクターのプロ講師による」との記載があるのであるから,同ホームペー ジに掲載されたサービスの提供主体が被告であることは明らかである。 また,メインコンテンツ部の最上部の囲み枠に「塾別!今週の戦略ポイ ント」「SAPIX・日能研・四谷早稲アカの授業の要点を毎週解説!」\nなどと記載されていることによれば,被告が原告学習塾のみならず他の大 手学習塾の授業の解説を行っていることは容易に理解し得る。 その上で,本件表示1〜3をみると,本件表\示1(「SAPIX 8月 マンスリー」)は,その表示がされたバナー内の他の記載と併せ考慮する\nと,被告の行うライブ解説の対象が原告学習塾のマンスリーテストである と理解し得るのであり,その解説の主体が原告又はその子会社等であるこ とを表示するものではなく,またそのように誤認されるおそれがあるとは\n認められない。
次に,本件表示2(「SAPIX生のための復習用教材」)についても,\n原告学習塾に通う生徒のための復習教材を被告が販売していると理解し得 るのであり,その教材の販売主体が原告又はその子会社等であることを表\n示するものではなく,またそのように誤認されるおそれがあるとは認めら れない。 さらに,本件表示3(「SAPIX今週の戦略ポイント Daily Support」) についても,解説等の対象が原告学習塾の教材であることを意味するにす ぎず,その教材の販売主体が原告又はその子会社等であることを表示する\nものではなく,またそのように誤認されるおそれがあるとは認められない。  以上によれば,本件表示1〜3は,いずれも,商品等の出所を表\示し, 自他商品等を識別する機能を果たす態様で用いられているものということ\nはできない。

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平成28(ワ)6074  不正競争行為差止等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成30年4月17日  大阪地方裁判所

 周知標章「堂島ロール」に基づく不競法2条1項1号に基づいて、約3400万円の損害賠償が認められました。被告標章は「堂島プレミアムロール」です。損害額は被告の1つあたりの利益*箱数から判断されました。被告は冷凍としてスーパーなど販売していましたが、混同すると判断されました。
 被告標章1及び4である「堂島プレミアムロール」は,「堂島」,「プレミアム」,「ロール」の3語で構成されているが,この\nうち,「プレミアム」との語は,優れたあるいは高品質なものを意味する語であり, 商品が優れたり,高品質なものであったりすることを表現するため商品名に「プレ\nミアム」という文字が付加される例も多い(乙C7の1,2,乙C8の1参照)こ とが一般的に認められるから,「プレミアム」の部分は,これと結合する他の単語 で表示される商品の品質を表\すものと理解され,商品の出所識別機能があるものと\nは認められない。他方,「堂島」は地名,「ロール」は「ロールケーキ」の普通名 詞の略称を表す語であるが,「プレミアム」が上記のとおり,品質を示す意味しか\n有しないことからすると,「プレミアム」を挟んで分離されているものの,被告標 章1及び4からは,プレミアムな,すなわち高品質な「堂島ロール」との観念が生 じ,これは原告の商品等表示として周知である「堂島ロール」の観念と類似してい\nるといえるし,また称呼も同様に類似しているといえる。 そうすると,被告標章1及び4と原告標章とは,被告標章4のみならず字体に特 徴のある被告標章1を含め,取引者,需要者が外観,称呼又は観念の同一性に基づ く印象,記憶,連想等から,両者を全体として類似のものとして受け取るおそれが あるというべきである。
ウ また被告標章2については,「(株)堂島プレミアム」と「プレミアムロー ル」との語を2段重ねで一体的に表示したものであるが,「(株)」というのは会\n社の種類を示す株式会社の略語にすぎないから,これ自体に出所識別機能は認めら\nれない。そこで,これを除くと,被告標章2は,「堂島プレミアム」と「プレミア ムロール」が2段重ねで一体化している表示であるが,上段,下段で重複して使用\nされている「プレミアム」という語は,上記で判示したとおり,独自の出所識別機 能を有しない語であるし,また取引の現場では長い名称の商品名は略して称呼され,\n観念されることが多いと考えられるから,繰り返される「プレミアム」の部分は一 単語に省略され,さらにそれ自体の出所識別機能がないことも合わさって,「堂島\nプレミアム,プレミアムロール」から,「堂島」と「ロール」という2語が需要者 に強く印象付けられると考えられる。したがって,被告標章2からは被告標章1及 び4についてみたのと同様,プレミアムな,すなわち高品質な「堂島ロール」とい う観念が生じるということができ,これは原告の商品等表示として周知である「堂\n島ロール」の観念と類似しているといえる。 また,称呼の点も,同様に「ドウジマプレミアムロール」との称呼が生じるとい えるから,原告標章の「ドウジマロール」との称呼と類似しているといえる。 そうすると,被告標章2と原告標章とは,取引者,需要者が外観,称呼又は観念 の同一性に基づく印象,記憶,連想等から,両者を全体として類似のものとして受 け取るおそれがあるというべきである。
エ さらに被告標章3は,被告標章2の上段部分の「(株)堂島プレミアム」部分 を,下段の「プレミアムロール」より小さな文字で表示しているものであるが,上\n下段の一体性を損なうほど,文字の大きさに差はないから,被告標章2と同様の理 由から,取引者,需要者は被告標章3と原告標章を類似のものと受け取るおそれが あるということができる。
オ 被告標章5は,被告標章2及び3の「(株)」の部分を「株式会社」,「(株)」 又は同部分に相当する部分がないものとしている標章であるが(ただし,2段重ね という限定はない。),「(株)」については既に説示したとおりであり,「株式会 社」についても,単なる会社の種類を表示する語にすぎないから,これが全くない\n場合も含め,被告標章5と原告標章が類似しているといってよいことは,上記ウ, エで説示したところと同じである。
カ 以上のとおり,被告標章は,いずれも原告標章と類似しているものと認めら れる。
・・・
P1は,被告会社設立時のただ一人の取締役として代表取締役を務め,平成\n26年8月1日まで,その職にあったが,その間,被告標章1を使用した被告商品 をP3に委託して製造し,P4に販売していた(甲3)。
イ P1が代表取締役を務めている間に,被告会社は,原告から平成24年11\n月14日付け及び同年12月13日付けの内容証明郵便で,被告標章1の使用が不 正競争行為に当たる旨の警告を受け,被告会社は被告標章1の使用を平成25年4 月頃に止め,その後,被告標章2を使用した被告商品を販売するようになった。な お,被告標章2を使用した被告商品の一括表示には,被告商品の箱記載の商品名で\nある被告標章2とは異なる被告標章4が記載されていた(甲24)。
ウ P2は,平成26年8月1日付けで被告会社の取締役に就任するともに代表\n取締役に就任し,同日,P1は,被告会社の代表取締役及び取締役を辞任した。ま\nた,被告会社は,同日付けで本件所在地をリーガロイヤルホテル大阪の住所地に移 転する旨の登記をした(甲3,甲23)。
エ 原告は,同年9月29日付けで,被告会社宛てに変更後の被告標章2の使用 も不正競争行為に当たる旨警告する内容証明郵便を送付したが,リーガロイヤルホ テル大阪の住所地へは郵送できなかった(甲22,甲24)。
オ 被告会社は,平成27年4月頃,被告標章2の使用を止め,同月頃から被告 商品に被告標章3を使用するようになった。
・・・
(2) 以上よりP1及びP2の会社法429条1項の損害賠償責任の有無について 検討するに,P1は,原告標章が周知となった後に設立された被告会社の唯一の取 締役であり,代表取締役として原告標章に類似する被告標章1を使用して,その唯\n一の事業である被告商品の販売事業を遂行していたものであり,その間,原告から 不正競争である旨の警告を受けるも,使用標章を類似の範囲にある被告標章2に変 更するに留めて同事業を継続させていたものである。 そしてP2は,平成26年8月1日にP1に替わって取締役に就任すると同時に 代表取締役に就任し,上記事業の遂行責任者となった者であるが,就任と同時に,\nその本店所在地を,リーガロイヤルホテル大阪の所在地に移転登記するなど,被告 商品の販売事業者を対外的に不明な状態にし,また原告が仮処分命令を申し立てた\n後も,これを争って,その販売を継続して事業を遂行し,本件仮処分命令が発令さ れた後も,販売先であるP4においては被告商品の販売を継続していた。 したがって,以上によれば,P1及びP2は,ともに被告会社が違法行為となる 不正競争行為に該当する事業を取締役として積極的に遂行したものとして,その職 務を行うことについて悪意とまで断ずることができなくとも,少なくとも重大な過 失があったことが認められるから,会社法429条1項に基づき,その在任期間に 上記不正競争により原告に生じた損害を賠償する責任があるものというべきである。
・・・
以上より,被告会社が,被告商品を販売したことにより受けた利益の額は,上記 ア認定の被告商品1個当たりの利益の額145円に上記イ認定の販売数量23万6 280個乗じて認定される3426万0600円であると認められる。

◆判決本文

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平成29(ネ)10083  不正競争行為差止請求控訴事件  不正競争  民事訴訟 平成30年3月29日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 控訴人は、無印良品のユニット棚について、他人の意匠権侵害となる商品であるので、権利濫用であると追加主張しましたが、否定されました。なお、時期に後れたかの論点については、時期に後れているが、訴訟の簡潔を遅延させるものではないと判断されました。
1 時機に後れた攻撃防御方法について 被控訴人は,控訴人の当審における各主張及び各証拠の提出が時機に後れた攻撃 防御方法であるとして,当該攻撃防御方法の却下の申立てをした。\nそこで検討するに,控訴人の上記各主張及び各証拠は,原審口頭弁論終結時まで に容易に提出し得たものと認められるから,時機に後れたものというほかない。し かしながら,当該攻撃防御方法の内容に照らすと,実質的には,控訴人の原審にお ける従前の主張を補充的に繰り返すものにすぎず,これにより訴訟の完結を遅延さ せることになるものとは認められない。 したがって,被控訴人の上記申立ては,却下するのが相当である。\n
・・・・
控訴人は,被控訴人の請求は公正な競争秩序の維持を目的とする不正競争防止法 の趣旨に反するものであって,明らかにクリーンハンズ原則に反する請求であり, 権利の濫用であると主張する。 そこで検討するに,現行法上,物の無体物としての面の利用に関しては,商標法, 著作権法,不正競争防止法等の知的財産権関係の各法律が,一定の範囲の者に対し, 一定の要件の下に排他的な使用権を付与し,その権利の保護を図っているが,その 反面として,その使用権の付与が国民の経済活動や文化的活動の自由を過度に制約 することのないようにするため,各法律は,それぞれの知的財産権の発生原因,内 容,範囲,消滅原因等を定め,その排他的な使用権の及ぶ範囲,限界を明確にして いる(最高裁平成13年(受)第866号,第867号同16年2月13日第二小 法廷判決・民集58巻2号311頁)。 上記各法律の趣旨,目的に鑑みると,不正競争防止法2条にいう不正競争によっ て利益を侵害された者が他人の意匠権を侵害する事実が認められる場合であっても 当該意匠権の侵害行為は意匠法が規律の対象とするものであるから,当該事実のみ によっては,直ちに被控訴人が不正競争によって利益を害された者による不正競争 防止法に規定する請求権の行使を制限する理由とはならないと解するのが相当であ る。 これを本件についてみると,仮に,被控訴人商品が訴外株式会社ヤマグチの意匠 権を侵害していたとしても(なお,控訴人は,侵害の有無について,被控訴人商品 の形態が要部において上記意匠権と類似している点のみを主張する。),上記のとお り,このような事実のみによっては,直ちに不正競争防止法に規定する請求権の行 使を制限する理由とはならないというべきである。かえって,前記引用に係る原判 決の認定事実によれば,控訴人商品は,被控訴人商品形態の形態的特徴1)ないし6) を全て模倣するものであって,控訴人商品を販売する行為は,被控訴人商品の出所 について混同を明らかに生じさせることからすれば,事業者間の公正な競争を確保 するという不正競争防止法の趣旨,目的に鑑みると,競争秩序を著しく乱すもので あって,これを規制する必要性が高いものといえる。 そうすると,被控訴人による差止請求及び廃棄請求は,権利の濫用に当たらない と認めるのが相当である。

◆判決本文

◆原審はこちら。平成28(ワ)25472

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平成28(ワ)39582  不正競争行為差止等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成29年9月28日  東京地方裁判所

 業務用ハカリの形状について、不競法2条1項1号にいう「商品等表示」ではないと判断されました。理由は、一部の形状については、独占性を認めてくれましたが、周知まではとはいえない、そして、原告主張の部分は、ありふれている、というものです。
 不正競争防止法2条1項1号にいう「商品等表示」とは,「人の業務に係る\n氏名,商号,商標,標章,商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を 表示するもの」をいうところ,商品の形態は,商標等と異なり,本来的には\n商品の出所を表示する目的を有するものではないが,商品の形態自体が特定\nの出所を表示する二次的意味を有するに至る場合がある。そして,商品の形\n態自体が特定の出所を表示する二次的意味を有し,不正競争防止法2条1項\n1号にいう「商品等表示」に該当するためには,1)商品の形態が客観的に他 の同種商品とは異なる顕著な特徴を有しており(特別顕著性),かつ,2)その 形態が特定の事業者によって長期間独占的に使用され,又は極めて強力な宣 伝広告や爆発的な販売実績等により,需要者においてその形態を有する商品 が特定の事業者の出所を表示するものとして周知になっていること(周知性)\nを要すると解するのが相当である。
・・・
以上のとおり,被告商品の販売が開始された平成27年2月時点ま でに,奥側から手前側に向かって下方向に緩やかに傾斜した計量台とい う構成を備えている重量検品ピッキングカートや,奥側から手前側に向\nかって下方向に緩やかに傾斜した台を備えているピッキングカートが相 当数存在し,その他にも,ショッピングカート等において,被収容物を 収容するためのかご等を載置する部分を奥側から手前側に向かって下方 向に緩やかに傾斜させる構造も従来から多数存在したものである。これ\nらの事実によれば,重量検品ピッキングカートにおいて,「上下段にピ ッキングされた商品を入れるコンテナ,段ボール,トレイ等を置く計量 台が作業者の奥側から手前側に向かって下方向に緩やかに前傾し,」と いう構成(本件特徴1)’)は,ごくありふれた構成というべきであり,\nそれが,客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴であるとは到底認 められない。
・・・
以上のとおり,被告商品の販売が開始された平成27年2月時点ま でに,先端を略半円状ないしそれに近い形状に上向きに湾曲させた2本 の(独立した)把持部という構成を備えている重量検品ピッキングカー\nトやピッキングカートが相当数存在し,その他にも,ベビーカーにおい て,把持部の先端が上向きの略半円状ないしそれに近い形状となってい る構成も多数存在するものである。これらの事実によれば,重量検品ピ\nッキングカートにおいて,「カート上段の左右端に設置された2本の把 持部の先端が略半円状に上向きに湾曲している」という構成(本件特徴\n2))も,ごくありふれた構成というべきであり,それが,客観的に他の\n同種商品とは異なる顕著な特徴であるとは到底認められない。
エ 特別顕著性についての小括
上記イ及びウのとおり,本件特徴1)’及び2)は,いずれもありふれた形 態というべきであり,客観的に他の同種商品と異なる顕著な特徴とはいえ ない。なお,ありふれた形態を併せただけでは,顕著な特徴とはいえない し,そもそも,上記イ及びウのとおり,本件特徴1)’及び2)の両方を備え る他の同種製品も,被告製品の販売開始時までに存在している(株式会社 イシダの「さいまるカート」(乙4及び乙5),株式会社IHIエスキュ ーブの「計量検品ピッキングカート(4ハカリ)」(乙6),株式会社椿 本チエインの「つばきクイックカート」(乙11))。 したがって,原告の主張を善解してもなお,原告商品の形態は,客観的 に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有しているということはできず, 不正競争防止法2条1項1号の商品等表示には当たらない。\n(なお,上記認定のとおり,本件特徴1)’及び2)は,原告により独占的に 使用されてきたとは認められないし,また,原告の製造販売する重量検品 ピッキングカートに係るカタログ(甲1〜4)及び広告記事等(甲5の1 ないし12,6,17〜50)においても,本件特徴1)’及び2)が商品の 特徴として強調されているとは認められないから,これらの事情によれば, 本件特徴1)’及び2)が原告の商品等表示として周知になっているとも認め\nられない。)

◆判決本文

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平成28(ワ)25472  不正競争行為差止請求事件  不正競争 平成29年8月31日  東京地方裁判所(46部)

 無印良品の棚について、不競法2条1項1号の商品等表示であると認定されました。判決文の最後に、原告・被告の商品が記載されています。
 原告商品は,外観が別紙原告商品目録記載の各図のとおりのものであ り,原告商品形態1)〜6)を有する。すなわち,原告商品は,組立て式の 棚として,側面の帆立(原告商品形態1)),棚板の配置(原告商品形態 3)),背側のクロスバー(原告商品形態4))が特定の形態を有するほか, 帆立の支柱が直径の細い棒材を2本束ねたものであるという特徴的な形 態(原告商品形態2))を有し,また直径の細い棒材からなる帆立の横桟 及びクロスバー(原告商品形態5))も特定の形態を有するもので,それ らを全て組合せ,かつ,全体として,上記の要素のみから構成される骨\n組み様の外観を有するもの(原告商品形態6))である。このような原告 商品形態は原告商品全体にわたり,商品を見た際に原告商品形態1)〜6) の全てが視覚的に認識されるものであるところ,原告は,原告商品の形 態的特徴として原告商品形態1)〜6)が組み合わされた原告商品形態を主 張するので,以下,上記原告商品形態が他の同種商品と識別し得る顕著 な特徴を有するか否かを検討する。
ここで,原告商品及び同種の棚の構成要素として,帆立,棚板,クロ\nスバー,支柱等があるところ,これらの要素について,それぞれ複数の 構成があり得て(前記(1)ケ),また,それらの組合せも様々なものがあ り,さらに,上記要素以外にどのような要素を付加するかについても選 択の余地がある。原告商品は,原告商品と同種の棚を構成する各要素に\nついて,上記のとおりそれぞれ内容が特定された形態(原告商品形態1) 〜5))が組み合わされ,かつ,これに付加する要素がない(原告商品形 態6))ものであるから,原告商品形態は多くの選択肢から選択された形 態である。そして,原告商品形態を有する原告商品は,帆立の支柱が直 径の細い棒材を2本束ねたという特徴的な形態に加えクロスバーも特定 の形態を有し,細い棒材を構成要素に用いる一方で棚板を平滑なものと\nし,他の要素を排したことにより骨組み様の外観を有する。原告商品は, このような形態であることにより特にシンプルですっきりしたという印 象を与える外観を有するとの特徴を有するもので,全体的なまとまり感 があると評されることもあったものであり(同キ),原告商品全体とし て,原告商品形態を有することによって需要者に強い印象を与えるもの といえる。このことに平成20年頃まで原告商品形態を有する同種の製 品があったとは認められないこと(同ク)を併せ考えると,平成16年 頃の時点において,原告商品形態は客観的に明らかに他の同種商品と識 別し得る顕著な特徴を有していたと認めることが相当である。 イ 被告は,原告商品形態1)〜6)のうちの各個別の形態を取り上げ,それら がありふれた形態であり,原告商品が他の同種の商品と識別し得る特徴を 有しない旨主張する。
しかし,前記アに述べたところに照らし,原告商品形態が他の同種の商 品と識別し得る特徴を有するといえるか否かを検討する際は,原告商品形 態1)〜6)のうちの個別の各形態がありふれている形態であるか否かではな く,原告商品形態1)〜6)の形態を組み合わせた原告商品形態がありふれた 形態であるかを検討すべきである。したがって,原告商品形態1)〜6)のう ちの各個別の形態にありふれたものがあることを理由として原告商品形態 が商品等表示とならなくなるものではない。\nまた,被告は,原告商品形態1)〜6)のうちの各個別の形態について,特 有の機能等を得るために不可避的に採用せざるを得ない形態である旨主張\nする。しかし,上記各個別の形態について,原告商品形態とは異なる構成\nを採ることができ(前記(1)ケ),かつ,原告商品形態が上記各個別の形態 の組合せからなることに照らせば,原告商品形態が特定の機能等を得るた\nめに不可避的に採用せざるを得ない構成であるとの被告の主張は採用する\nことができない。
ウ 原告商品は平成9年1月頃から販売されたところ,被告は,原告商品形 態を備えた商品が平成元年頃から日本国内で販売されていたことを主張す る。 前記(1)クのとおり,平成元年頃から,少なくとも原告商品形態2),3)及 び5)を備えた「ETAGAIR」という名称の商品が販売された。しかし, 当該商品は,少なくとも,帆立について一方向に斜めの棒が含まれ,背面 にクロスバーがなく,原告商品形態1),4)を備えず,原告商品形態を備え ているとはいえない。そして,このことから上記商品と原告商品の外観上 の特徴は異なるといえるのであって,上記商品の販売の事実によって,原 告商品形態がありふれたものであるとか,他の商品と識別し得る特徴とは ならないということはできない。
 エ 被告は,原告商品のほかにも原告商品形態を有する商品が販売されてい ると主張して,原告商品形態には,識別力がない旨主張する。 しかし,上記で被告が主張する商品について認められる事実は前記(1)ク のとおりであり,その商品の販売が開始された時期は早くても平成20年 頃である。したがって,平成20年より前に原告商品形態がありふれたも のであったことを認めるに足りない。そして,後記(4)のとおり,原告商品 形態は,平成16年頃には,原告の商品であることを示す識別力を有した と認められる。また,被告が指摘する商品は,年間の売上高も原告商品と 比べて多くなく,製造販売期間も長いとはいえず,現在では販売を終了し たものもある。そうすると,原告商品形態が平成16年頃に原告の商品を 示すものとしての識別力を有した後,上記商品によって,原告商品形態が ありふれたものになり,他の商品と識別し得る特徴を有することがなくな ったとはいえない。

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平成27(ワ)24688  不正競争行為差止等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成29年6月28日  東京地方裁判所

 不規則充填物(化学工場等の充填塔と呼ばれる装置の内部に充填され塔内でのガス吸収操作などを行うための部材)について、周知商品等表示に該当すると認定されました。
 不競法2条1項1号の趣旨は,周知な商品等表示の有する出所表\示機能\nを保護するため,周知な商品等表示に化体された他人の営業上の信用を自\n己のものと誤認混同させて顧客を獲得する行為を防止することにより,同 法の目的である事業者間の公正な競争を確保することにある。 商品の形態は,商標等と異なり,本来的には商品の出所を表示する目的\nを有するものではないが,商品の形態自体が特定の出所を表示する二次的\n意味を有するに至る場合がある。そして,このように商品の形態自体が特 定の出所を表示する二次的意味を有し,不競法2条1項1号にいう「商品\n等表示」に該当するためには,1)商品の形態が客観的に他の同種商品とは 異なる顕著な特徴を有しており(特別顕著性),かつ,2)その形態が特定 の事業者によって長期間独占的に使用され,又は極めて強力な宣伝広告や 爆発的な販売実績等により(周知性),需要者においてその形態を有する 商品が特定の事業者の出所を表示するものとして周知になっていることを\n要すると解するのが相当である。
イ これを本件について検討するに,前記第2の2(2)及び上記第4の1(1) アないしオによれば,原告製品は,原告主張に係る原告製品の形態的特徴 のうち,1)中央リングと中央リングの周囲から外側に向かって放射状に延 伸する多数の周辺リングからなり,これら周辺リングと中央リングとは略 直交するように一体化されている形状について共通した特徴を有している 点,2)原告商品のうちL型,M型,S型については,上記1)に加えて,周 辺リングの外側を外周リングで囲繞する構成を付加した形状を有する点,\n3)原告商品のうちS−II型,LL型,L−II型については,上記1)及び2) に加えて,隣接する周辺リング同士を連結部材で連結するとともに,周辺 リングの一部には外環リングと直交する半径方向に縦棒を付加した構造を\n有する点がそれぞれ認められ,当該形態は,上記(1)カの他の充填物とは明 らかに異なる特徴を有していることからすれば,上記に掲げた点において, 特別顕著性が認められる。 さらに,上記(1)アないしオによれば,原告製品はいずれも,日本国内に おいて,1)販売開始当初の頃から,その形状を撮影した写真等と共に,全 国的に宣伝広告され,文献や業界誌にも多数掲載されていたことが認めら れ,2)また,需要者である不規則充填物の購入者間において需要が高く, 直接の販売あるいは代理店を通じて,相当多数が販売されてきたものと推 認できる。したがって,周知性が認められる。
 ウ この点に関し被告は,不規則充填物は,商品の陳列棚に陳列される物と は異なり,技術評価も経た上で採用に至るものであることからすれば,原 告商品の形態が商品等表示として需要者に認識されるような取引形態では\nない旨主張する。 しかし,原告商品の形態が多数の広告,文献,雑誌等に写真や図付きで 紹介されているものが多いこと,実際の注文においても,不規則充填物の 形状に基づいて見積り依頼がされる場合があること(甲108)からすれ ば,不規則充填物の取引形態が被告の主張のとおりの取引形態であると認 めることはできず,原告商品について,需要者がその形態を認識していな いとみることはできない。

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平成28(ワ)37209  不正競争行為差止等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成29年6月22日  東京地方裁判所

 不競法2条1項1号の不正競争に該当するとして、差止などを請求しましたが、原告の商品等表示は一地方であり、被告が当該地域で店舗をやる予\定もないので、周知か否かを検討することなく、請求棄却されました。
 原告らは,アロマテラピーサロンの需要者の間では原告ら表示が全国的に\n周知である旨主張する。 しかし,前記前提となる事実 及び 並びに前記 の各認定事実によれば, 原告ら営業が行われている範囲は帯広市及び帯広市に隣接するA町にとどま り,原告第一ホテルによるアロマテラピーに関する施術等の提供先やセミナ ーの実施先も帯広市内に所在するものであること,原告らサロン甲ホテル店 の開業に関する記事は十勝地方の地方紙に掲載されたのみであること,原告\nらサロンに関する広告が掲載された媒体は十勝地方,その中でも帯広市及び\nA町に多く配布されている生活情報誌であり,全国的に配布されているもの でないこと,原告らサロンに関する記事が全国誌に掲載されたのは1誌に1 回であること,上記全国誌や旅行会社のウェブサイトにおける原告らサロン についての記載は付随的なものにすぎないことが明らかである。なお,原告 らは,原告ら表示の周知性を基礎付ける事実として,原告らサロンのプロデ\nューサーが著名であることや乙が多くの取材を受けたことなども主張してい るが,これらは原告らサロンや原告ら表示の周知性に直ちに結びつくもので\nはないから,この点に関する原告らの主張は失当である。 これらの事情に照らせば,原告ら表示は,十\勝地方以外の地域のアロマテ ラピーサロンの利用者に広く知られていたとは認められない。そして,被告 は全国に店舗を展開して営業を行っているものの,十勝地方においては営業\nを行っておらず(前記前提となる事実 イ),十勝地方に店舗を設ける具体\n的な予定があるといった事情もうかがわれない。そうすると,原告ら表\示が 十勝地方において周知であるかについて検討するまでもなく,被告が原告ら\nとの関係において不正競争防止法2条1項1号に該当する不正競争を行って いるとは認められない。

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平成28(ネ)10058  不正競争行為差止等請求控訴事件  不正競争  民事訴訟 平成28年10月31日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 食品パッケージのデザインについて、周知の商品等表示(不競法2条1項1号)ではないと判断されました。判決文の最後に双方の形状が記載されています。
また,背景の基調色が濃紺色であること自体が商品の出所を表示するものであると認めるに足りる証拠はない。証拠(甲34の1,2)及び弁論の全趣旨によれば,各食品メーカーは,同種の自社製品につき,同じ形状とレイアウトデザインの包装用袋を採用し,製造者又は販売者を示す標章を記載しつつ,商品ごとに部分的に記載内容や基調色を変えることを,一般的に行っており,そのような一連の商品が多数市場に流通していると認められるところ,一般消費者も,これを認識して購買しており,包装用袋の形状及びレイアウトデザインの特徴,製造者又は販売者を示す標章によって,その商品の出所を識別するのが通常であり,背景の基調色が,前記の各点以上に重要な考慮要素とされているとは考え難い。画像や文字を目立たせるために,黄色に対して青紫色などの反対色を背景に着色することは,一般的には,よく行われる色彩の選択であり,食品ないしサラダの包装用袋の商品表\示において,かかる配色が従前なかったとしても,そのことのみをもって,前記認定を左右するとは認められない。
・・・・
しかしながら,食品において,種々の新製品が開発され,流通に置かれていることは,公知の事実であり,以前に控訴人表示のような表\示がなかったことのみをもって,控訴人表示が自他商品識別力を有するに至るとは考えられない。商品名を表\示の上部などの読みやすい位置に大きく表示し,背景色が濃色の場合は白抜きにすることは,ありふれた表\示であるといわざるを得ないし,食品において,その包装用袋の一部を透明にして内容物を当該袋の外から見られるようにすることも,ありふれた表示である(甲34の1,2)。前記認定のとおり,控訴人表\示の左上の標章の部分を除けば,その余の表示部分が,自他商品識別力を有するに至っているとは認められない。したがって,控訴人の前記主張は,採用できない。\n

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◆原審はこちら。平成27(ワ)28027

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平成27(ワ)2504  不正競争行為差止等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成28年10月13日  大阪地方裁判所

 図形商標については非類似と認定しましたが、不競法に基づく損害賠償として売り上げの1%が認定されました。
 原告は,原告標章1の上下に2本の直線を追加すると,「Z」との文字が浮かび 上がり,被告標章1も,原告標章1を構成する2つの三角形状の図形にそれぞれ3本の白線を追加したものにすぎず,同様に「Z」の文字が浮かび上がるもので,両 者は類似する旨主張する。 しかし,標章の上下に2本の直線を追加すると「Z」の文字が浮かび上がるとい ったことは,需要者が容易に認識し得るものではないことからすれば,この点が類 否に影響を及ぼすものではない。 原告標章1は,一辺を曲面の凹面で切り取られた赤色の鈍角三角形2つが上下に 凹面が来るように点対称に配置された旗のようなマークであり,被告標章1は,原 告標章1に,対置する底面に平行な3本の白い線を各鈍角三角形部分に入れたもの であるので,確かに,外周の形態及び色は類似しているといえるが,本体である鈍 角三角形に縞模様が入っているか否かは需要者が容易に区別し得るものであり,相 当異なる印象を与えるものであるから,原告標章1と被告標章1を全体として見比 べると,相当異なるものであることは一見して明らかである。 したがって,被告標章1は,原告標章1とは類似しないというべきである。
3 争点3(被告は被告各標章及び本件ドメインを使用しているか)について
 被告が運営する被告2店舗は,原告標章2,7を外壁に掲げた原告店舗の近隣に あって競業関係にあり,しかも周知商品等表示である原告各標章5ないし7に類似する被告標章11,12を店舗の出入口に掲げていたというのであり,またその店\n舗名に「ゼンシン」という原告及び「全秦グループ」を他から識別する部分を含ん でいたというのであるから,その開業当初は,需要者である遊戯客に原告店舗ない し原告との関係につき一定の誤認混同を生じさせたことは優に認められるといえる (上記ア(オ)dのとおり,取引業者であるが,現に誤認混同していた実例も認められ ている。)。 しかし,上記ア(エ)によれば,そもそもパチンコ店等の需要者である遊戯客による 店舗選択は,当該パチンコ店等の経営主体がどこであるとか,どのパチンコ店グル ープの店舗であるかということを重視するのではなく,パチンコやパチスロの台の 機能や機種,出玉感,交換率等の個別店舗の具体的営業内容そのものを主要な選択要素として決せられることが認められ,これからすると当該店舗の営業主体の誤認\n混同が当該店舗の選択,ひいてはその売上げあるいは損害に結び付く関係は薄弱で あるということができる。 なお上記ア(エ)からは,需要者である遊戯客には,店員の接客態度や店舗が清潔に 清掃されているか等のサービスについても選択時に考慮する要素としている者がい ることも認められるから,それらの需要者であれば,店舗の営業主体を指し示す営 業表示を手掛かりに当該店舗で受けられるサービスを期待して店舗選択をする可能\ 性があることは否定できない。しかし,需要者であるパチンコ店等の遊戯客は,パ チンコ店を極めて頻回に利用するのが一般的であるというのであるから(週1日の 利用でも年間72日の利用になる。),仮に被告2店舗の需要者の利用が,被告標 章の使用によりもたらされた被告店舗が原告と関係する店舗であるとの誤認混同か ら始まったとしても,当該店舗のサービスを実際に経験している以上,その後の継 続的利用が原告と被告2店舗との関係についての誤認混同の影響によりもたらされ ているとは考え難いところである。 そして,そもそも原告店舗及び被告2店舗とも隠岐の島という需要者が限られた 市場の中で他の4店舗とも競合している店舗であるが,被告2店舗のうち,ゼンシ ン隠岐がもともとあったパーラー隠岐という別店舗の営業実態を実質上承継してい る関係にあることからすると,被告2店舗の営業が原告店舗の顧客の誤認混同によ り生じた需要によって継続的に成り立っているとはおよそ考えられず,むしろその 影響は極めて小さいと見る方が合理的である。 なお,本件において被告が被告標章を使用して営業を営んでいるのは隠岐の島の 被告2店舗だけであり,不正競争防止法5条2項で推定されるべき原告の損害は, 被告2店舗の営業の影響を受ける範囲,すなわち,その競合店となる原告店舗にお いて生じた損害だけが問題となるというべきであるから,被告による被告各標章の 使用態様のうち,隠岐の島の住民において認識されないような岡山県津山市所在の 本件建物の外壁に掲げられた被告標章2,6による標章の使用は原告店舗の営業に 損害を全くもたらさないことは明らかである。 したがって,このような事情を総合考慮すると,本件における被告の得た利益と 原告の受けた損害の関係に不正競争防止法5条2項の推定規定の適用があるとして も,その推定は99%の限度で覆滅されるというべきである。 なお,原告は,原告店舗と被告2店舗の営業方法の類似性,さらには原告代表者としてのP1の競業避止義務違反さえ問題としているが,そこで問題とされる損害\nは,結局のところ,営業表示の誤認混同に由来する損害ではなく,単に原告店舗の近隣に競合店である被告2店舗が出店されたことから生じる原告店舗の売上減少の\n問題にすぎないから,不正競争防止法2条1項1号の不正競争により生じる損害の 議論としては失当であり,上記認定を左右するものではない。
(4) 上記(1)アのとおり,被告が,被告2店舗で得た利益は合計6億6654万1 348円であるから,原告において損害と推定される額は,666万5413円で あると認められる。
(5) 不正競争防止法5条3項の適用による損害について
本件で問題とする原告各標章は周知商品等表示であり,これに類似する被告標章7ないし9及び11ないし13の使用の結果,現実的な誤認混同が生じた事実も認\nめられるから,顧客吸引力が全くない商標権の場合と同様の意味での損害不発生を いう被告の主張は直ちには採用できない。 しかし,上記(2)で検討したとおり,パチンコ店等では,需要者は,主に営業表示以外の営業内容そのものの要素を選択肢として店舗を選択するというのであるか\nら,営業表示により誤認混同が生じたとしても,そのことが店舗選択に与える影響は極めて小さく,しかも,その需要者は店舗を頻回に利用するというのであり,そ\nのような需要者を顧客としてつなぎとめるためには,出玉であるとか交換率である などのパチンコそのものの営業内容によって他店と競争しなければならないといえ るから,原告各標章の営業表示に顧客吸引力があるとしても,営業の場面で,これを発揮する余地は限りなく少ないというべきである。\nしたがって,本件において認定できる被告の不正競争に対して原告が受けるべき 金銭の額は極めて少額にとどまるのが相当であり,これを認めるとしても,被告が 不正競争により受けた利益に基づき認定される不正競争防止法5条2項にいう原告 の損害の額を上回ることはないというべきである。

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平成27(ワ)5281  商号使用差止等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成28年8月23日  大阪地方裁判所

 不競法2条1項1号(周知商品等表示)違反とは認められませんでした。商号「山高工務店」に対して、新会社の商号が「ヤマタカ」で、かつ、社長が元従業員という状況でしたが、裁判所は、そもそも周知ではないとの認定するとともに、不正目的もなしと判断しました。
 確かに本件は,原告の元従業員が中心となって活動する被告の事業が,原告 の顧客を奪うことで成立しているように見受けられる事案であり,また事業開始が そのことを見込んでされたようにも見受けられるが,原告の既存顧客が被告に奪わ れたとするなら,それはそもそも原告が当該工事を施工できない状態であった上, 他方で被告代表者や被告従業員には原告在職時の施工実績による信用,少なくとも\n人的関係があったからと考えるのが自然であり,そこに原告商号と被告商号の類似 性が貢献している様子は認められず,また被告代表者がそのことを期待して被告商\n号を選択したとも認められない。被告による被告商号の選択使用は,被告代表者が\n供述するように,原告創業者への尊敬の念に由来すると認めるのが相当であって, 会社法8条1項にいう「不正の目的」があったとはおよそ認められない。 エ なお,さらに原告は,被告が原告と同じ行政区に本店を移転した経緯や,そ の登記手続の手順の不自然さを問題にするが,上記認定したアスベスト除去工事, ダイオキシン類対策工事等の契約締結過程等の問題からすると,そのことで原告が 主張するような利点があるとは認められないから,上記の点で被告の「不正の目的」 が推認されるわけではない。 また,原告は,被告が掲載した求人誌の求人広告の記載内容も問題にしているが, 同記載中には,旧会社を引き継ぎ4月から新体制で開始した会社であることを説明 して原告とは別会社と理解できる部分もあるし,そもそも,この求人誌は事業者で はない者を対象として掲載されているのであるから,会社法8条1項の「不正の目 的」を推認する事情とはいえない。
オ 原告は,被告が原告従業員を大量に引き抜いたことにより,原告が従前の業 務であるダイオキシン類対策工事の受注を停止せざるを得なくなったなどと主張し, この事情をも「不正の目的」を推認させる事情として主張するようであるが,「不正 の目的」は,商号を使用することに関して認められる必要があり,原告のいう事情 は,それ自体で不法行為を主張するのならともかく,商号使用についての「不正の 目的」を推認する事情とは認められない。

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平成26(ワ)29417  不正競争行為差止等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成28年2月5日  東京地方裁判所

 練習用箸の実質的機能を達成するための構\成に由来する不可避的な形態であるとして、不競法2条1項1号の保護を受けられないと判断されました。
 不競法2条1項1号の「商品等表示」は,「人の業務に係る氏名,商号,商標,標章,商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表\示するもの」をいう。商品の形態は,商標等とは異なり,本来的には商品の出所を表示する目的を有するものでないが,1)商品の形態が客観的にほかの同種商品とは異なる顕著な特徴を有しており(特別顕著性),かつ,2)その形態が特定の事業者によって長期間独占的に使用され,又は極めて強力な宣伝広告や爆発的な販売実績等により,需要者においてその形態を有する商品が特定の事業者の出所を表示するものとして周知になっている場合(周知性)には,商品の形態自体が商品等表\示に該当する場合もあると解される。 もっとも,実質的機能を達成するための構\成に由来する不可避的な形態についてまで,商品等表示として保護を与えると,同等の機能\を有する複数の商品間の自由な競争を阻害する結果となり相当でないから,実質的機能を達成するための構\成に由来する不可避的な形態については商品等表示に該当しないというべきである。\n(2) そこで検討するに,原告商品は,親指,人差し指及び中指をリングに挿入して箸の使用に適した位置で固定するという機能並びに2本の箸を連結するという機能\を有しており,これにより,箸の使用に習熟していない者が,箸を安定させて,かつ,正しいとされる指の位置で箸を使用する練習ができるという作用効果を有するものであるといえる。そして,正しいとされる箸の持ち方を前提にすれば,2本の箸に対してあるべき親指,人差し指及び中指の位置関係は自ずと決まっているから,それらの指の位置関係を正しい位置に固定するために指を通すリングを使用しようとすると,その位置関係及び箸に対する傾きなども自ずと定まっているものと認められる。 そうすると,原告商品形態のうち,「一対の箸が上端部又は中央より上端側の部分において連結されている連結箸」であることは,2本の箸を連結するという機能を達成するための構\成に由来する不可避的な形態であり,また,連結部位が一対の箸が上端部又は中央より上端側の部分であることは,箸として使用することからすれば当然の選択といえる。次に,「1本の箸は人差指と中指をそれぞれ入れる二つのリングを有し,他方の1本は親指を入れる一つのリングを有する」ことは,親指,人差し指及び中指をリングに挿入することで正しいとされる箸の持ち方に適した位置で固定するという機能を達成するための構\成に由来する不可避的な形態であると認められる。 以上のとおり,原告商品形態は,全体として,指にリングを通すことによって正しいとされる箸の持ち方を練習するための練習用箸の実質的機能を達成するための構\成に由来する不可避的な形態というほかない。

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平成27(ワ)2587等  不正競争防止法違反行為差止等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成27年12月10日  東京地方裁判所

 不競法2条1項1号に該当するとする流布行為は、営業誹謗行為であると認定されました。
 上記事実関係によれば,原告各製品の形態は,従来の同種製品に比し,無色透明のガラス製で,パイプに多数のスリットを並設した点においてそれなりの独自性を有するということができるが,原告各製品が大量に販売されたとは認められず(年間平均900本程度であり,市場規模や占有率は証拠上明らかでないが,これを多数と評価すべき事情があることはうかがわれない。),原告各製品の形態上の特徴を強調した宣伝広告ないし販売活動がされたと認めるべき証拠もない。そうすると,原告各製品の形態が需要者の間においてその出所を表示するものとして認識されていたとは認められないから、原告の主張する前記(1)1)〜3)の形態が法2条1項1号にいう商品等表示に当たるということはできない。\n
・・・・
 被告は,原告による本件文書の送付により被告各製品の売上げが激減し,逸失利益は100万円を下らない旨主張する。 そこで判断するに,証拠(甲1,乙12,13,28,29)及び弁論の全趣旨によれば,1) 本件文書は平成26年11月頃に原告各製品を取り扱う問屋十数件及び小売店約400店に送付されたこと,2) 上記問屋及び小売店の多くは被告の製品も取り扱っていること,3) 被告各製品の販売本数は,平成26年9月及び10月には合計約500本(月250本程度)であったが,同年11月から平成27年7月までの販売本数は合計約300本(月33本程度)であったこと,4) 平成26年9月に複数回被告各製品を購入しながら,その後一切の購入を止めたり,数か月間注文を控えたりした取引先が複数あること,5) 被告における被告各製品の仕入れ及び販売価格は,被告製品1が約640円及び約1000円,被告製品2が約610円及び約950円であること,以上の事実が認められる。 上記事実関係によれば,上記3)の本件文書の送付前後での販売本数の減少の少なくとも一部は本件文書の送付を原因とするものとみるのが相当である。そして,これによる被告の損害額は20万円(販売本数の減少1000本,1本当たりの利益200円)と認めることができ,これを上回る損害額を認めるに足りる証拠はない。

◆判決本文

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平成26(ネ)10005  商標権侵害行為差止等請求控訴事件  商標権  民事訴訟 平成26年12月17日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 不競法2条1項1号の不正競争として約3000万円の損害賠償が認められました。原審はなぜか欠席裁判で原告(被控訴人)の主張通り1億円を超える損害が認定されています。判決文もアップされていません。
 前記1(2)において認定したとおり,複数の控訴人の直営店が,東京都内,名古屋市内,石川県金沢市内など主要都市圏に散在しており,さらに,控 訴人の製造,販売に係る商品の取扱店舗が,全国各地に多数存在すること(甲9の1,甲33,乙46から乙49),2)平成22年に作成された控訴人の公式カタログ(乙39)及び平成23年以降に刊行されたファッション雑誌や控訴人の宣伝冊子(乙44から乙49,乙105から乙109)には,控訴人の製造,販売に係る商品が多数紹介されていること,3)控訴人と同様の業務を営む被控訴人会社は,平成24年の秋から平成25年の夏までの約1年間で合計2万着余りの商品を販売していること(甲34)によれば,控訴人は,本件損害賠償請求期間中,少なくとも1万着の商品を販売したものと認められる。 そして,証拠(甲34,乙44,乙45,乙47,乙105)及び弁論の全趣旨によれば,控訴人の販売する商品の平均単価は,販売点数が比較的多いものと推認できるティーシャツの価格帯に鑑みて,3万円程度と認めるのが相当であり,また,利益率は30パーセント程度であるものと推認できる。 以上によれば,本件損害賠償請求期間中における控訴人の製造,販売に係る商品の売上高は,おおよそ3億円であり(3万円×1万着)であり,その30パーセントである9000万円程度の利益を得たものと推計できる。 (イ) そして,上記利益に対する控訴人標章の寄与度は,控訴人標章が頭蓋骨と骨を組み合わせた特徴ある態様であり,商品購入者の大半を占めるものと考えられるスカルファッションの愛好者に対して,相当の顧客誘引力を有するものと考えられることに鑑み,3割をもって相当と認める。 したがって,不競法5条2項に基づく被控訴人会社の損害額は,前述した9000万円の3割,すなわち,2700万円と認めるのが相当である。 (ウ) そして,本件事案の性質,内容,認容額等に鑑み,300万円をもって弁護士費用及び弁理士費用相当額の損害と認める。

◆判決本文

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平成26(ネ)10024  損害賠償等請求控訴事件  不正競争  民事訴訟 平成26年10月30日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 全国共通お食事券は、原告の商品等表示ではないとした1審判決が維持されました。
 しかし,控訴人も自認するとおり,控訴人商品を指し示す表示として,「全国共通お食事券」という語が単独で使用されたことはなく,同語は,常に「ジェフグルメカード」という語や控訴人商品の券面画像と併記されて使用されてきたものである。また,併記の具体的形態をみても,取引者及び一般消費者が最も直接的に控訴人商品の表\示として目にする控訴人商品の券面(表面)においては,上段の「ジェフグルメカード」の文字の方が「全国共通お食事券」の文字の約1.5倍の大きさの目立つ文字で表\記された上(原判決別紙控訴人商品記載のとおり),中央部の大きい図形標章も「グルメカード」という文字を表したものとなっており,その下部にも「ジェフグルメカード」とさらに記載され(原判決第3の1(1)ア(ア)),控訴人商品の販売に際して顧客に配布される加盟店リストないし加盟店一覧表の表\紙にも,平成24年6月までは同様に「ジェフグルメカード」という表示の方が「全国共通お食事券」よりも約1.5倍の大きさの文字で表\記されており(甲122の1ないし3,甲123の1ないし16),「全国共通お食事券」の語よりも看る者の注意を惹くものとなっている。そして,前記のとおり,「全国共通お食事券」という語は,「全国で共通して取扱店で利用できる食事券」程度の意味と理解されるものであるから,これを看た者をして,そのような控訴人商品の品質を記述的に説明したものと認識させる表示であり,そもそも控訴人商品の発売当初から平成5年頃までは,控訴人商品の商品等表\示の一部としても使用されていなかった語であるのに対し(発売当初は,控訴人商品の券面上の表示は「お食事券」であった。甲125,135),「ジェフグルメカード」という名称は,そのような記述的な表\示ではなく,控訴人商品の発売元(出所)である控訴人会社名を含む,自他識別力を有するものであり,控訴人商品を表示する商標として発売当初から現在まで単体でも使用されているものである(控訴人商品の裏面の注意書きの表\題は,「ジェフグルメカードのご使用について」と記載されており〔甲20〕,控訴人商品の販売の際に用いられる専用封筒及び封印シールにも「ジェフグルメカード」の表示があるのみで,「全国共通お食事券」の語は表\示されていない〔乙13〕。平成12年6月以降頃からの加盟店リストにも「ジェフグルメカード加盟店情報」,「『ジェフグルメカード』のお買い求めはこちらで」などと記載されている〔甲123の4ないし20〕。また,控訴人のウエブサイト上においては,控訴人商品を「ジェフグルメカード」との表記のみで表\示している部分がある〔乙12の1・2〕。さらに,平成10年7月の日本経済新聞社のブランド認知度調査は,「ジェフグルメカード」をブランド名として行われた〔原判決32頁13ないし16行目〕。)。以上の事実からすれば,「全国共通お食事券」と「ジェフグルメカード」が併記されている表示を見た取引者及び需要者としては,「全国共通お食事券」とは,控訴人商品の記述的,説明的な表\示であり,「ジェフグルメカード」の表示の方が控訴人商品の出所を示すものと認識するものと認められる。\n したがって,控訴人の使用によっても,取引者及び需要者が,「全国共通お食事券」という語が単独で控訴人商品についての出所を示す商品等表示であると認識するものとは認められない。
(イ) 控訴人の上記主張1)については,確かに,控訴人加盟店ステッカーにおいては,「全国共通お食事券」の方が大きく,赤字に白抜きの目立つ表示となっており(原判決第3の1(1)ア(イ)),また,控訴人が指摘する控訴人商品の広告(甲18の1・3・6,甲106,110,112,115,116)においては,「全国共通お食事券」の方が大きい字体で表示されている。しかし,控訴人加盟店ステッカーにおいても,「全国共通お食事券」が単体で使用されているものではなく,「ジェフグルメカード」の文字標章及び図形標章がその上下に表\示されているし,上記「全国共通お食事券」の方が大きい表示となっている広告例は数例にとどまる上,「全国共通お食事券」が単体で使用されている例ではないことからすれば,控訴人が主張する事実を考慮しても,上記認定判断が左右されるものとはいえない(なお,控訴人が当審で提出した証拠〔甲115,116〕によれば,第一生命保険株式会社が平成24年5月から7月の間に実施したキャンペーンのチラシ上においては,被控訴人商品が「ぐるなびギフトカード(全国共通お食事券)」と表\示されていたのに対し,控訴人商品については「全国共通お食事券(ジェフグルメカード)」との表示がされていたことが認められる。しかし,同表\示も,「全国共通お食事券」の語を単独で使用するものではなく,控訴人商品の画像及び「全国約35,000店舗の加盟店でご利用可能な『全国共通お食事券』です」との説明とともに表\示されていることからすれば,同表示中の「全国共通お食事券」の語は,控訴人商品の説明的な記載にすぎないと解するのが相当である。また,そもそも,同チラシの初稿においては,控訴人商品は単に「ジェフグルメカード」とのみ表\示されていたのに,その後上記のとおりの表示に変更されていること,同チラシは,本件を本案事件とする控訴人の被控訴人に対する仮処分命令申\立事件の申立時期(平成24年6月)と近接した時期に作製されていること(乙1,22)からすれば,上\nチラシ上の表示は,控訴人が初稿確認後に表\示内容の修正を指示したことによるものと推認されるから,同チラシの記載をもって,「全国共通お食事券」という表示が単独で控訴人商品を示すものとして取引者及び需要者に広く認識されていたとも認められない。)。\n控訴人の上記主張4)の控訴人商品の宣伝,広告の内容についても,「全国共通お食事券」の表示は常に「ジェフグルメカード」という文字の表\示又は「ジェフグルメカード」との記載がある控訴人商品の券面(表面)字体の画像と共に用いられており,上記1)で控訴人が挙げたものを除いては,「全国共通お食事券」の語の方が看る者の目を惹く表示態様ともなっておらず(なお,控訴人が指摘する一部のテレビ放送〔甲119〕では,そもそも「全国共通食事券」と表\示されている。),「全国共通お食事券」の語が単独で控訴人商品の商品等表示であることを示すものとはなっていないことからすれば,上記認定判断を左右するものとはいえない。\nその他,控訴人の上記主張2)は,上記認定に係る控訴人商品の券面の表示態様を前提とすると,その発行枚数が「全国共通お食事券」の語単独での自他商品識別性の上記認定を左右するものとはいえず,控訴人の上記主張3),5)も,「全国共通お食事券」の語が取引者及び需要者に対する自他商品の識別力を客観的に有するに至ったかについての認定を左右するものではない。控訴人の上記主張6)についても,取違えの内容は,全国の控訴人商品の加盟店で,被控訴人商品の販売から平成25年7月までの間に合計14件,控訴人商品を顧客から誤って提示され,又は受領したという報告を受けたという程度のものであり(甲49の1・2,甲63ないし66,74,77,79,80),「全国共通お食事券」が控訴人商品を表示するものとして広く一般的に認識されていたことを証するものとはいえない。その他,上記認定判断を覆すに足りる証拠はない。\nしたがって,控訴人の上記各主張を採用することはできない。」

◆判決本文
 

◆1審はこちら。平成25(ワ)1062

◆無効審判の審取もあります。平成26(行ケ)10067

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平成25(ワ)28860  不正競争行為差止等請求事件  不正競争  民事訴訟  平成26年8月29日  東京地方裁判所

 書籍の題号は、不競法2条1項2号の商品等表示は該当しないと判断されました。
 書籍の題号は,普通は,出所の識別表示として用いられるものではなく,その書籍の内容を表\示するものとして用いられるものである。そして,需要者も,普通の場合は,書籍の題号を,その書籍の内容を表示するものとして認識するが,出所の識別表\示としては認識しないものと解される。 もっとも,書籍の題号として用いられている表示であっても,使用された結果,需要者が何人かの業務に係る商品又は営業であることを認識することができるような自他識別力又は出所識別機能\を備えるに至ったと認められるような特段の事情がある場合については,商品等表示性を認めることができ\n ることもあり得ると解される(大阪高裁平成20年(ネ)第1700号・同年10月8日判決[「時効の管理」事件]参照)。
(2) 原告による「巻くだけダイエット」の使用について
これを本件についてみると,証拠によれば,原告書籍が出版される前から,「巻くだけダイエット」を題号に用いた・・・が出版されており,・・・が紹介されていること(甲17)が認められる。

◆判決本文

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平成25(ワ)31446  商標権 民事訴訟 平成26年05月21日 東京地方裁判所 

 エルメスのバックの立体商標について商標権侵害が認定されました。不競法2条1項1,2号も認定されています。
 原告商標は立体商標であるところ,上記類否の判断基準は立体商標においても同様にあてはまるものと解すべきであるが,被告標章は一部に平面標章を含むため,主にその立体的形状に自他商品役務識別機能を有するという立体商標の特殊性に鑑み,その外観の類否判断の方法につき検討する。立体商標は,立体的形状又は立体的形状と平面標章との結合により構\成されるものであり,見る方向によって視覚に映る姿が異なるという特殊性を有し,実際に使用される場合において,一時にその全体の形状を視認することができないものであるから,これを考案するに際しては,看者がこれを観察する場合に主として視認するであろう一又は二以上の特定の方向(所定方向)を想定し,所定方向からこれを見たときに看者の視覚に映る姿の特徴によって商品又は役務の出所を識別することができるものとすることが通常であると考えられる。そうであれば,立体商標においては,その全体の形状のみならず,所定方向から見たときの看者の視覚に映る外観(印象)が自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たすことになるから,当該所定方向から見たときに視覚に映る姿が特定の平面商標と同一又は近似する場合には,原則として,当該立体商標と当該平面商標との間に外観類似の関係があるというべきであり,また,そのような所定方向が二方向以上ある場合には,いずれの所定方向から見たときの看者の視覚に映る姿にも,それぞれ独立に商品又は役務の出所識別機能\が付与されていることになるから,いずれか一方向の所定方向から見たときに視覚に映る姿が特定の平面商標と同一又は近似していればこのような外観類似の関係があるというべきであるが,およそ所定方向には当たらない方向から立体商標を見た場合に看者の視覚に映る姿は,このような外観類似に係る類否判断の要素とはならないものと解するのが相当である。そして,いずれの方向が所定方向であるかは,当該立体商標の構成態様に基づき,個別的,客観的に判断されるべき事柄であるというべきである。
(2) これを本件について検討するに,原告標章,被告標章はいずれも,内部に物を収納し,ハンドルを持って携帯するハンドバックに係るものであるから,ハンドルを持って携帯した際の下部が底面となり,この台形状の底面の短辺と接続し,ハンドルが取り付けられていない縦長の二等辺三角形の形状を有する面が側面となることはそれぞれ明らかである。そして,その余の面のうち,蓋部,固定具が表示されている大きな台形状の面が正面部に該当し,かつこの正面部には,その対面側に相当する背面部とは異なり,装飾的要素をも備えた蓋部,ベルト,固定具が表\示されており,ハンドルを持って携帯した際に携帯者側に向かって隠れる背面部とは異なって外部に向き,他者の注意を惹くものであるから,この正面部は,少なくとも所定方向の一つに該当するものと解される。これは,被告の開設したインターネットショッピングサイトにおいて,いずれもこの正面部を含む写真が表示されていることのほか,各商品の紹介においては,全てこの正面部のみが表\示されていることも,正面部が所定方向であることを裏付けるものであるということができる。〔甲1〕そして,この正面部から観察した場合,原告標章と被告標章とは,本体正面の形状において底辺がやや長い台形状であり,上部に,略凸状となるように両サイドに切り込みを有し,横方向に略三等分する位置に鍵穴状の縦方向の切込みを二箇所有する蓋部が表示されていること,前記蓋部上に,前記略凸状の両サイドの切り込みから本体正面中央まで延在する左右一対のベルトが表\示されていること,前記蓋部の凸型部分と前記左右一対のベルトとを本体正面の上部中央にて同時に固定することができる位置に,先端にリング状を形成した固定具が表示されていること,前記鍵穴状の切込みの外側の位置において,前記蓋部の凸型部分と前記各ベルトとを同時に固定する左右一対の補助固定具が表\示されていること,上部に円弧状をなす一対のハンドルが表示され,前記正面側のハンドルは前記鍵穴状の切込みを通るように表\示されていること,以上の点においていずれも共通しており,原告標章と被告標章とは,所定方向である正面から見たときに視覚に映る姿が,少なくとも近似しているというべきであり,両者は外観類似の関係にあるということができる。被告標章は,原告標章では立体的構成とされている蓋部,左右一対のベルトとこれを固定する左右一対の補助固定具,先端にリング状を形成した固定具,ハンドルの下部(正面部と重なりベルト付近まで至る部分)について,これらの質感を立体的に表\現した写真を印刷して表面に貼\付した平面上の構成とされているところ,これを正面から見た場合に上記共通点に係る視覚的特徴を看取できるものというべきである。一方,上部及び側面方向から被告標章を観察した場合には,原告標章では立体的に表\現された上記蓋部等が立体的でないことは看て取れるものの,上部及び側面は,いずれも所定方向には該当せず,上記所定方向から観察した場合の外観の類否に影響するものではない。
(3) そして,原告商標ないし被告標章において,何らかの観念ないし称呼が生じ,これらが著しく相違するものとも認められない。
(4) 以上によれば,被告標章は原告商標と類似しているということができ,被告につき,過失の存在の推定を覆すに足る事情も認められない(商標法39条,特許法103条)。
(5) この点に関して被告は,被告各商品につき,そのデザインは写真として似ているかもしれないが,素材や価格などで明確に区別できる等と主張するが,本件全証拠によっても,上記所定方向である正面から観察した場合に,被告標章が原告標章と類似するとの判断を覆すに足る事実は何ら認めることができないし,商品の出所の誤認混同をきたすおそれがないものとも認められない。

◆判決本文

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平成25(ワ)18665 損害賠償請求事件 不正競争 民事訴訟 平成26年04月17日 東京地方裁判所 

不競法2条1項1号および3号を主張しましたが、周知性および類似性いずれも否定されました。対象商品は下記にあります。

◆添付資料1

◆添付資料2
 以上を前提に検討すると,原告各商品の発売時から原告が周知の商品等表示性を獲得したと主張する平成23年9月末日までの原告各商品の販売期間は,原告商品6については約半年,その余の商品については約2か月であるにとどまり,原告が長期間独占的に原告各商品の形態を使用していたとはいえない。また,原告の主張するチラシ掲載や雑誌掲載等の多くは平成23年9月末日より後のものであり,同日までのウェブサイトの閲覧者数等も明らかではないから,これらは同日までに周知の商品等表\\\示性を獲得したとの原告の主張を裏付けるには足りない。さらに,被告が被告各商品の販売を開始したとされる平成24年12月までの宣伝広告等の実績及び原告の主張するウェブサイトの閲覧者数を考慮するとしても,まず,原告各商品のうちマスメディアに取り上げられたのは原告商品1,5及び6のみであるというのであるから(別紙「各マスメディアに取り上げられた実績」参照),原告商品2〜4についてはその形態が周知であると認めることはできない。また,原告商品1が雑誌に取り上げられたのは1回のみであり(甲42),周知性を認めることは困難である。さらに,原告商品6は平成23年12月から平成24年11月までの間に7回,原告商品5は同年3月から8月までの間に4回,それぞれ雑誌に取り上げられているが,いすれも他社の商品が同一頁で紹介されていること,パスタの保存やオムレツの作成の簡易化という機能面を重視した記事となっていること(甲33〜42)からすれば,読者に対してこれら商品の形態を印象付けるものとは解し難い。これに加え,これらの雑誌の発行部数は明らかにされていないこと,原告が上記ウェブサイト以外に原告各商品の宣伝広告を行ったとの立証がないことを勘案すると,原告各商品の形態が客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有しているとしても,平成23年9月末日ないし被告各商品の販売開始までの間に,原告の商品等表\\\示として周知になったと認めることはできない。
(2) さらに,原告各商品の形態と被告各商品の形態の類似性について検討しても,後記2(1)イ及びウにおいて認定判断するとおり,原告各商品と被告各商品の形態には明らかな相違点が複数あり,需要者に対し異なる印象を与えるものである。したがって,原告各商品と被告各商品の形態が類似するということはできない。
・・・・
以上によれば,原告各商品と被告各商品の形態は,基本的な部分(上記イに丸付き数字で摘示した部分)に共通点があるものの,これらの点は,電子レンジで半熟卵を作る,レモンを搾るなどの機能を果たすためにそのような形態が選択されたとみることができる。他方,両商品には,例えば,原告商品1と被告商品1であれば蓋部材の形状や底面側の脚部の有無,原告商品2と被告商品2であれば半円形がキノコ形かという側面側から観察した形状,原告商品3と被告商品3であれば平面体の形状及び指サックの有無など,具体的な形態において一見して識別することのできる明らかな相違点が複数ある。そして,これらの相違点は全体的形態に与える変化が乏しいささいな相違にとどまるとは到底いえないものであるから,両者の形態が類似するとはいえないと判断するのが相当である。したがって,被告各商品が原告各商品の形態を模倣した商品であるということはできない。\nエ これに対し,原告は,被告各商品の販売を許容することは新商品の開発者を保護するという不正競争防止法2条1項3号の趣旨に照らし許されないと主張するが,同号は商品の具体的形態を保護するものであって商品の機能やアイデアを保護するものではないから,具体的形態に大きな相違点があると認められる本件において,同号の不正競争行為を認めることはできない。\n

◆判決本文

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平成25(ワ)8040 著作権侵害行為差止等請求事件 著作権 民事訴訟 平成26年04月17日 東京地方裁判所

 デザインチェアーについて著作権による保護、および不競法の周知営業表示による保護、いずれも否定されました。
 原告製品は工業的に大量に生産され,幼児用の椅子として実用に供されるものであるから(弁論の全趣旨),そのデザインはいわゆる応用美術の範囲に属するものである。そうすると,原告製品のデザインが思想又は感情を創作的に表現した著作物(著作権法2条1項1号)に当たるといえるためには,著作権法による保護と意匠法による保護との適切な調和を図る見地から,実用的な機能\を離れて見た場合に,それが美的鑑賞の対象となり得るような美的創作性を備えていることを要すると解するのが相当である。本件についてこれをみると,原告製品は,証拠(甲1)及び弁論の全趣旨によれば,幼児の成長に合わせて,部材G(座面)及び部材F(足置き台)の固定位置を,左右一対の部材Aの内側に床面と平行に形成された溝で調整することができるように設計された椅子であって,その形態を特徴付ける部材A及び部材Bの形状等の構成(なお,原告製品の形態的特徴については後記2参照)も,このような実用的な機能\を離れて見た場合に,美的鑑賞の対象となり得るような美的創作性を備えているとは認め難い。したがって,そのデザインは著作権法の保護を受ける著作物に当たらないと解される。また,応用美術に関し,ベルヌ条約2条7項,7条4項は,著作物としての保護の条件等を同盟国の法令の定めに委ねているから,著作権法の解釈上,上記の解釈以上の保護が同条約により与えられるものではない。よって,原告らの著作権又はその独占的利用権の侵害に基づく請求は理由がない。
2 争点(2)(不競法2条1項1号の不正競争行為該当性)について
(1) 争点(2)ア(周知性のある商品等表示該当性)について
ア 不競法2条1項1号は,商品等表示として商品の形態を例示していないところ,それは,商品の形態は,一次的には商品の機能\・効用の発揮や美観の向上等の見地から選択されるものであって,商品の出所を表示することを目的として選択されるものではないことによるものと解される。そうすると,商品の形態であっても,それが他の同種商品と識別し得る顕著な特徴を有している場合には,二次的に商品の出所を表\示する機能を有することもあり,それが,長期間継続的かつ独占的に使用されたり,短期間であっても強力に宣伝広告されたりした結果,出所識別機能\を獲得した場合には,周知性のある商品等表示に当たるものと解される。イ この見地から,まず,原告製品が他の同種製品と識別し得る顕著な形態的特徴を有するか否かについて検討する。
・・・
これに対し,原告製品は,部材Aが部材B前方の斜めに切断された端面でのみ結合されており,座面から部材Aに伝えられる力が,上記端面のみにかかり,視覚的に不安定さを感じさせる構成となっている。それだけに,原告製品の形態は,必要最小限の部材以外の部材は使用しないという,シンプル,スタイリッシュかつシャープな印象を与えるものである。このように,原告製品の第1の形態的特徴が視覚的にシンプルな印象を与えることは,別紙4「原告製品についての宣伝広告等」の「原告製品の特徴に関する記載内容」欄のとおり,原告製品を紹介する記事においても多く言及されているところであり,原告製品の重要な形態的特徴ということができる。一方,証拠(乙12,13,15)及び弁論の全趣旨によれば,座面を4本の脚で支えるのではなく,左右一対の略L字状ないしそれに近い形状をした側面の部材をもって座面を支え,その上方に背もたれを設けた椅子が市販等されていたことが認められる。ただし,これらの椅子は,原告製品ほどシンプルな印象を与えるものではなく,また,側面の部材に床面と平行な溝を形成したものでもない。そうすると,第1の形態的特徴及び第2の形態的特徴のいずれか一方ないしそれに近い形態的特徴を備えた椅子は他に存在するものの,これら双方を兼ね備えたものが原告製品以外に存在すると認めることはできない。
(ウ) 以上によれば,原告製品は,第1の形態的特徴と第2の形態的特徴とを組み合せた点において,従来の椅子には見られない顕著な形態的特徴を有しているから,原告製品の形態が需要者の間に広く認識されているものであれば(なお,被告は周知性について争うものの,具体的な反論はしていない。),その形態は不競法2条1項1号にいう周知性のある商品等表示に当たり,同号所定の不正競争行為の成立を認める余地があるので,以下,被告製品の形態が原告製品の形態に類似するか否かについて検討する。\n

◆問題のデザインチェアーです

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平成25(ワ)1062 損害賠償等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成26年01月24日 東京地方裁判所

一部の表示「全国共通お食事券」が商品等表\示であるかが争われました。裁判所はこれを否定しました。
 前提事実(2),(3)によれば,被告商品である「ぐるなびギフトカード全国共通お食事券」の販売が開始された平成23年9月15日の時点で,原告商品である「ジェフグルメカード 全国共通お食事券」の販売が開始(平成4年12月1日)されてから19年近くを経過しており,その間,他に「全国共通お食事券」の名称を使用した他の種類の券が発行されていたことは証拠上認められない。そして,原告商品のみが販売されていた約19年の間に,原告商品は約1億4000万枚発行されたものと認められる。したがって,1年間の平均でみると年間約740万枚が販売されたことになる。上記の販売により原告商品は相当程度の知名度を獲得していたとみられるが,そのことと,「全国共通お食事券」が単独で原告主張の意味及び品質を有するものとして,原告商品が周知であったこととは異なる。上記アのとおり,原告の商品等表示として単独で「全国共通お食事券」の表\示の使用があったとは認められず,原告の商品等表示としては,「ジェフグルメカード 全国共通お食事券」,「全国共通お食事券 ジェフグルメカード」が使用されていたと認められるから,原告商品を購入,取得した取引者及び一般消費者は,原告商品の識別力を有する標章としては,「ジェフグルメカード」をまず認識するのが通常であると解される。したがって,「全国共通お食事券」の名称が,「ジェフグルメカード」の名称とは別に,原告主張の意味及び品質を有するものとして識別力を有するというためには,取引者及び一般消費者に対してその認識を促すような特別の宣伝広告等がされ,取引者及び一般消費者が広くそのことを認識する必要があるというべきである。そこで,この点について検討するに,原告商品の券面(表面)には,取引者及び一般消費者が,「全国共通お食事券」を原告主張の意味及び品質を有するものと認識できるような内容の宣伝広告の記載はない。券面(裏面)には,「全国のジェフグルメカード取扱加盟店にて額面金額と等額で取扱商品とお引換え(販売)いたします。加盟店は加盟店マークの表\示のあるお店及び弊社ホームページをご覧ください。」との記載がある(甲20)。以上の記載からは,原告が主張するような意味及び品質を認識することはできない。原告商品が販売される際には,原告商品の取扱店舗を知らせるための加盟店リスト(甲47)が配布される。その表紙には「有効期限はございませんので,お好きな時にご利用いただけるとっても便利なギフトです。」との記載があり,加盟店の一覧が付されている。そして,加盟店一覧の加盟店名には,例えば,「ガスト」,「神戸屋レストラン」等のフランチャイズ店全体を記載したとみられる表\記があるものの,その上部には,「一部利用いただけない店舗がございますのでご了承ください。」との記載がある。これらの記載からは,原告が原告商品の品質保証の内容である,有効期限がないということを認識することが可能であるが,それが加盟店一覧表\の表紙に小さな文字で記載されているのみであるため,実際にどれだけの一般消費者がそれによって原告の主張する内容を認識するものかは必ずしも明らかではなく,また,それ以外の原告の品質保証の点については,必ずしも加盟店リストから認識できるものではない。原告の平成4年11月頃作成の会社案内(甲2)には,「『食』を通じ,感動と出会いを。こころの時代の,幸福な物語を紡ぐために。」,「『こころの時代』と呼ばれる21世紀への大きな流れは,いま,『食』に楽しく暖かなコミュニケーションのライフステージとしての役割を求めはじめています。…『食』が人々のこころを結び,幸福な物語を紡ぎつづけていく,そのために。」等の記載があり,原告商品の特徴として,「市場規模,選択性,広範囲の店舗網 モチベーションの多彩さ 日常的,手軽さ,利便性」が挙げられ,「『ジェフグルメカードにしかできないこと』として,利便性の高さ,信頼感,気軽さが挙げられている(甲2)。しかし,この会社案内の内容がどの程度,取引者及び一般需要者に認識されているかは不明である。

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平成24(ワ)36238  その他 民事訴訟 平成25年11月21日 東京地方裁判所

 商号の一部の「MCP」について不競法2条1項1号による差止が認められました。
 前記前提事実における原告MCPの施設の種類,所在地及び数に加え,前記(1)認定の原告MCPの営業表示に関する事実,すなわち,業界紙等において掲載された原告MCPの記事や広告の内容や頻度,原告MCPが配布した事業案内や施設案内の内容,配布対象,地域及び数,原告MCPの職員が業界団体の副会長等に就任したこと等からすれば,原告MCPの営業主体性を示すものとして,原告MCP商号は福島県と埼玉県及び群馬県内の,原告MCP標章は福島県内の需要者に広く認識されていると認められるが,いずれも他の地域において広く認識されているとは認め難い。\n
・・・
前記前提事実及び前記1(1)サ認定の事実によれば,原告らは医療介護複合施設の運営管理等を業とし,被告は介護事業者等向けの不動産仲介業や介護,医療施設の設計施工等を業としているのであり,原告らと被告は,いずれも介護や医療に関係する業務を営んでいるから,被告が「メディカルケアプランニング」又は「MEDICAL CARE PLANNING」(小文字の表記を含む。)の名称,被告商号及び被告標章などの営業表\示を使用する行為は,原告メディカルの営業と混同を生じさせ,また,被告が被告商号及び被告標章などの営業表示を使用する行為は,原告MCPの営業と混同を生じさせる。被告は,親会社であるイー・ライフの顧客のみを対象として営業をしているから,混同のおそれはないと主張する。しかしながら,被告が親会社の顧客のみを対象として営業しているものであるとしても,原告らと被告は,いずれも介護や医療に関係する業務を営んでいて,その需要者が重複するから,上記営業表\示を使用する被告の行為が原告らの営業と混同を生じさせることを否定することはできない。被告の上記主張は,採用することができない。
4 そうすると,原告らは,それぞれの営業表示が周知性を獲得した範囲内において,被告の不正競争によって,営業上の利益が侵害されるおそれがあると認められる。以上によれば,原告メディカルの請求は,各種広告,インターネットのホームページ,事業案内,営業用パンフレット,営業用封筒,便せん,社員用名刺及び看板等に表\示する又は新聞雑誌等の記事として掲載させる等の方法で,老人介護に関連する事業の営業表示として,原告メディカル商号に類似する「メディカルケアプランニング」又は「MEDICAL CARE PLANNING」(小文字の表記を含む。)の名称を使用すること,関東地方において原告メディカル標章に類似する被告商号及び被告標章を使用することの差止めを求める限度で理由があり,原告MCPの請求は,上記と同様の方法で,上記事業の営業表\示として,福島県,埼玉県及び群馬県内において原告MCP商号に類似する被告商号及び被告標章を使用すること,福島県内において原告MCP標章に類似する被告商号及び被告標章を使用することの差止めを求める限度で理由がある。

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平成24(ワ)13282 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成25年09月19日 大阪地方裁判所 

 形態に特別顕著性なし、周知とは認定できないとして、差止および損害賠償請求は、棄却されました。
 前記イでみた原告商品の形態の特徴は,機能に基づくものということができる。しかも,原告が,原告商品の形態について周知性を獲得したと主張する平成22年1月までには,既に,他社のテレビ台が同様の機能\に基づく形態上の特徴を有していたことも認められる(乙1〜6)。これらの商品と原告商品とを対比すると,次のような相違点を認めることができる。すなわち,上部箱の片方についている脚が略円柱ではなく,略直方体である場合や(乙1の商品との対比。なお,乙1の商品については,インターネット上のウェブサイト(楽天市場)において,平成20年9月3日に,購入者によるコメントが投稿されている。),上部箱の側壁が木製板でなく,透明板である場合や(乙2の商品との対比。なお,乙2の商品については,前同様に,平成20年9月24日にコメントが投稿されている。),上部箱の片方についている支持体が2本の脚ではなく,全面板状である場合や(乙3の商品との対比。なお,乙3の商品は,前同様に,平成21年1月24日にコメントが投稿されている。),上部箱の片方についている脚が木製ではなく,金属製である場合(乙4の商品との対比。なお乙4の商品については,前同様に,平成21年7月20日にコメントが投稿されている。)が認められる。しかし,これらの相違点は,家具などの商品を構成する,ありふれた部分の形状に係るものであり,その差異の程度も僅かというべきである。以上によると,原告商品の形態に特別顕著性を認めることは困難であり,その形態についての需要者における認識の程度が,後記(2)の程度であったことを併せ考えると,原告商品の形態が,出所を表示する機能\を有していると認めることはできない。
・・・・
以下の理由から,原告商品の形態が,商品等表示性を獲得するに足りるだけの周知性を獲得していると認めることはできない。\n
ア 販売実績
原告は,平成18年6月から,原告直営店や自社のウェブサイト,デパートのほか,楽天市場やヤフーショッピング内における原告のサイトにおいて,原告商品を販売しており(デパートでの販売は,卸を通じたものであり,それ以外は直販である。),平成22年1月ころまでに約1万5000台を販売したことが認められる。証拠(甲8の1〜18,甲9,19から21,26,28,29)及び弁論の全趣旨によると,前記販売件数は,テレビ台の販売件数としては比較的多いということがいえる。もっとも,テレビ台全体の市場における原告商品の市場占有率等は明らかではない。原告は,原告商品の販売実績が多量であることを裏付ける事情として,楽天市場における販売ランキングの順位についても主張しているが,当該ランキングにおける順位は,販売数量だけを基準としたものでないこと,楽天市場のほかにも,インターネットにおいて家具等を販売するウェブサイトが多数存在していることは当裁判所に顕著な事実である。したがって,楽天市場におけるランキングのみをもって原告商品の知名度等を評価することはできない。そもそも,原告商品は,テレビ台であることから,その耐用年数や家庭での需要台数を考えると,1台購入した者が引き続き購入することは考えにくい商品といえる。イ 広告宣伝等の状況及び購買状況原告が,原告商品について,大がかりな広告宣伝を実施していたことを認めるに足りる証拠があるわけではなく,上記販売件数のうち相当数は,テレビ台の購入希望者が,インターネットや店頭において,他の商品と比較しながら,原告商品を選択していったものであることを否定できない。このことは,上記販売件数が,原告商品の持つ機能やデザインが優れていることに起因すると推測することができるものの,原告商品の形態が予\め購入希望者の意識にどの程度あり,これが,購入希望者にどのような影響を与えているかは不明である。以上によると,原告商品の形態が,商品等表示として出所識別機能\を有するに至るまで,顧客との間で,長年継続的かつ独占的に使用されてきたと認めることはできない。
ウ レビュー件数
確かに,インターネット販売において,原告商品に関するレビューの件数が,他のテレビ台より格段に多いことが認められる(甲16の1〜7,甲21)。しかし,上記レビューの数が,単に同種商品に関するレビューの数より格段に多いということのみをもって,原告商品の形態が,購入者層に広く普及したと認めることは困難というべきである。

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平成25(ワ)8943 商号使用差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成25年07月12日 東京地方裁判所

 「株式会社三菱商会」について、周知商品等表示であるとして、商号使用差止が認められました。
 甲2,3及び弁論の全趣旨によれば,「三菱」の表示は,原告らいわゆる三菱グループの商品等表\示として著名であることが認められる。被告商号のうち「株式会社」及び「商会」の部分は会社の種類及び事業分野を表す一般名詞であり,商品又は役務の出所識別機能\を有しないから,被告商号の要部は「三菱」の部分というべきところ,これは原告らの商品等表示(「三菱」)と同一である。したがって,被告商号は原告らの著名な商品等表\示と類似し,被告が被告商号を使用する行為は不正競争防止法2条1項2号の不正競争に該当する。被告は,1) スポーツ全般における測定器の販売及び測定事業,2)自動車販売,3)労働者派遣事業,4)飲食店の経営,5)コンサート,イベントの企画,制作等を目的とする株式会社であり(甲1),原告らは,これらと重複する事業目的を有する株式会社であるから(甲5ないし7),原告らは,被告商号その他の「三菱」の文字を含む商号,標章の使用により「営業上の利益を侵害されるおそれがある者」といえる。

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 こちらは、「株式会社三菱エステート」に対する商号使用差し止めです。

◆平成25(ワ)5595平成25年07月12日東京地裁

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平成24(ワ)9449 不正競争防止法,著作権侵害・損害賠償 不正競争 民事訴訟 平成25年07月02日 東京地方裁判所

 ワインの図柄について創作性無しとして請求棄却されました。不正競争行為(1号)にも該当しないと判断されました。
 著作権法2条1項1号は,著作物について「思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と規定し,同条2項は「この法律にいう『美術の著作物』には,美術工芸品を含むものとする。」と規定している。これらの規定に加え,著作権法が文化の発展に寄与することを目的とするものであること(同法1条),工業上利用することのできる意匠については所定の要件の下で意匠法による保護を受けることができるとされていることに照らせば,純粋な美術の領域に属しないいわゆる応用美術の領域に属するもの,すなわち,実用に供され,あるいは産業上利用されることが予\定されている図案やひな型などは,鑑賞の対象として絵画,彫刻等の純粋美術と同視し得るといえるような場合を除いては,著作権法上の著作物に含まれないものと解される。これを本件についてみると,本件図柄は,その外形上明らかに被告のワイナリーの広告等の図柄として作成されたものであり,また,本件各原告看板は,本件図柄を利用して製作された広告看板そのものであって,いずれもいわゆる応用美術の領域に属するものと認められる。そして,本件図柄及び本件各原告看板は,訴求力のある広告効果を持たせるような配色,図柄の形状,字体の選択,各素材の配置等について一定の工夫がされているとはいい得るものの,広告の対象となる被告の名称及び施設の種類を表す文字とグラスの図柄の単純な組合せからなるもので,これらが,社会通念上,鑑賞の対象とされ,純粋美術と同視し得るものであると認めることは困難である。
イ さらに,著作権法上の著作物として保護されるためには「思想又は感情を創作的に表現したもの」(同法2条1項1号)であることを要するが,前記著作権法の趣旨に鑑み,ありふれた表\現にすぎないものは,「創作的に表現したもの」には当たらないというべきである。これを本件図柄及び本件各原告看板についてみると,1)ワイナリーの広告看板に「ワイナリー」や「工場見学」という文字,ワイナリーへの方向を示す矢印及び距離,ワイングラスを想起させる図形を表示することは,一般的であると解されること,2)グラスの上及び中に配置した文字のバランスに工夫があるとしても,素材を用いて図柄を作成する上での配置としてありふれたものの域を出ないし,グラスの形状にも,格別の創作性は認められないこと,3)文字のうち「シャトー勝沼」の部分は毛筆体を思わせるやや角張った特徴のある書体であるが,書体の形態は文字の有する情報伝達機能を発揮するため必然的に一定の制約を受けるものであるから,書体に著作物性を認めるためには書体が顕著な特徴を有するといった独創性があることを要するところ,上記文字の書体にそのような独創性があるとは認められないこと,4)広告看板の背景や素材に濃い青色と白色と黄色,あるいはこれらの色と赤色を採用して組み合わせることは,他の看板においても見られるものであって(乙3),ありふれたものにすぎないこと,5)本件図柄及び本件各原告看板を一体として見たとしても,文字と図柄の単純な組合せにすぎず,全体として一つのまとまりのある表現物として創作性を有しているとは認められないことからすれば,著作権法上保護されるに足りる創作性があるということはできないと解される。\n
ウ 以上のとおりであるから,本件図柄及び本件各原告看板は著作権法上の著作物に当たらないと判断することが相当である。

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◆関連事件はこちらです。平成24(ワ)9468

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平成24(ネ)10067 不正競争行為差止請求控訴事件 不正競争 民事訴訟 平成25年03月28日 知的財産高等裁判所 

 1審は周知商品等表示とは認めませんでしたが、知財高裁は周知性ありと認定しました。\n
 控訴人は,創業100余年を数え,その主要事業である車両製造の分野では,国内最大手の会社である。そして,控訴人の表示としては,その商号である「日本車輌製造株式会社」のほか,控訴人表\示(日本車両),「日本車輌」「日本車両製造」「日本車輌製造」「日車両」「日車輌」等があるが,控訴人は,平成8年に,「日本車両」との文字(控訴人表示)とコーポレートマークを組み合わせた社名ロゴマークを策定し,建物看板,展示用のぼり,工事現場等の看板にこれを使用していること,控訴人が製造した鉄道車両には,原則として,その社内の前部又は後部の壁の上段等に,控訴人表\示を記載した銘板が設置されていること,多数の新聞,雑誌で控訴人表示を用いた広告が行われていること,控訴人に関する新聞記事でも,控訴人の表\示として,控訴人表示を用いたものが多数あることなどからすると,控訴人表\示と「日本車輌」との表示の差異について検討するまでもなく,控訴人表\示は,控訴人の営業表示として,控訴人の商品又は営業の取引者,需要者のほか,広く一般の国民にも認識されており,遅くとも被控訴人が設立された平成21年6月までには,少なくとも周知性を獲得していたということができる。なお,控訴人表\示が表示された各新聞記事は,控訴人が自らその営業表\示として控訴人表示を使用したものではない。しかしながら,不正競争防止法2条1項1号にいう広く認識された他人の営業であることを示す表\示には,営業主体がこれを使用ないし宣伝した結果,当該営業主体の営業であることを示す表示として広く認識されるに至った表\示だけでなく,第三者により特定の営業主体の営業であることを示すものとして用いられ,そのような表示として広く認識されるに至ったものも含まれるものと解するのが相当である(最高裁平成5年(オ)第1507号同年12月16日第一小法廷判決・裁判集民事170号775頁参照)から,上記各新聞記事に基づいて控訴人表\示の周知性を認定することが妨げられるものではない。
(3) 被控訴人の主張について
ア 被控訴人は,控訴人表示は国名を表\す「日本」と,鉄道車両に限られない車両全般を表す「車両」という普通名詞を組み合わせたものであり,識別性がないから,控訴人表\示は,控訴人の営業表示として,需要者の間に広く認識されているとはいえないと主張する。しかしながら,控訴人表\示が普通名詞を組み合わせた表示であるとしても,前記(2)のとおり周知性を獲得するに至っている以上,控訴人表示に識別性がないという被控訴人の主張は失当であり,これを採用することはできない。イ 被控訴人は,被控訴人の事業の需要者と控訴人の事業の需要者は共通するものではなく,また,鉄道業者や鉄鋼生産業者は被控訴人の需要者ではないとして,仮に,控訴人表示が控訴人の需要者には周知でも,被控訴人の需要者には周知でないから,不正競争防止法2条1項1号は適用されない旨主張する。しかしながら,前記のとおり,控訴人表\示は,控訴人の営業表示として,控訴人の商品又は営業の取引者,需要者のほか,広く一般の国民に認識されているものである以上,控訴人の商品又は営業の取引者,需要者と被控訴人の商品又は営業の取引者,需要者との異同にかかわらず,被控訴人の商品又は営業の取引者,需要者の間における控訴人表\示の周知性が否定されるものではない。のみならず,不正競争防止法2条1項1号にいう「需要者」には,最終需要者に至るまでの各段階の取引業者も含まれると解すべきところ,控訴人は,鉄道車両の製造以外にも,建設機械製造,橋梁建設等を業として行っているから,その取引者,需要者には,鉄道車両を購入する鉄道会社のほか,建設工事業者や橋梁工事等で発生した産業廃棄物の処理業者等も含まれるものと考えられ,一方,鉄道車両の解体,リサイクルを主たる目的とする被控訴人の取引者,需要者には,解体する車両を提供する鉄道会社のほか,リサイクルした製品,解体した鉄等の販売先等が含まれるものと考えられるから,両者の取引者,需要者は,相互に重なり合うか,あるいは,密接な関連性を有するものであるということができる。そうだとすると,控訴人の商品又は営業の取引者,需要者の間で控訴人表示が広く認識されているものである以上,被控訴人の商品又は営業の取引者,需要者の間においても,控訴人表\示は広く認識されているというべきである。

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◆原審はこちら。平成23(ワ)7924平成24年07月19日東京地裁
 

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平成23(ワ)30566 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成25年03月27日 東京地方裁判所

 空気清浄加湿機について、不競法2条1項1号の周知形態とは認められないと判断されました。
不競法2条1項1号にいう「商品等表示」とは,人の業務に係る氏名,商号,商標,標章,商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表\示するものをいい,商品の形態は,商品等と異なり,本来的には商品の出所を表示する目的を有するものではないから,商品の形態自体が不競法2条1項1号に「商品等表\示」に該当するためには,1)商品の形態が客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有しており(特別顕著性),かつ,2)その形態が特定の事業者によって長期間独占的に使用され,又は極めて強力な宣伝広告や爆発的な販売実績等により,需要者においてその形態を有する商品が特定の事業者の出所を表示するものとして周知になっていること(周知性)を要するものと解するのが相当である。\n
・・・・
以上のとおり,原告商品における空気吹出口,空気吸込口,エリミネーター点検口及び水槽部点検口等の位置関係,配置,構造は,業務用の空気清浄加湿機という商品の機能\上ないし技術上の制約からくる不可欠の形態ないしは通常選択されるべき形態であって,業務用の空気清浄加湿機の形態として通常ありふれた形態というべきであり,また,原告が主張するその他の原告商品の形態の特徴に関しても,主位的主張及び予備的主張のいずれについても採用することができないから,原告商品の形態に特別顕著性を認めることはできないというべきである。

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平成24(ワ)3604 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成24年12月20日 大阪地方裁判所 

 自動車のホイールについて、不競法2条1項1号の商品等表示ではないと判断されました。商品形態模倣(同3号)についても否定されました。
 証拠(甲4〜甲83の1・2)によれば,平成22年3月以降,自動車用品に関する複数の月刊誌において,原告商品を紹介する1〜4頁の記事や,原告商品に関する2又は4頁の自社広告及び他社による原告商品を含む商品広告が掲載されたものと認めることができる。しかしながら,月刊誌に数頁の紹介記事や広告が掲載されたからといって,そのことのみをもって,商品表示として需要者の間に広く認識されているなどとは到底いうことができない。上記各雑誌の発行部数,販売地域等に関する主張立証も全くない上,上記各雑誌には,原告商品以外にも被告商品を含む多数の同種商品が掲載されている。他に,原告商品の販売数量,売上高,同種商品の市場における原告商品の市場占有率など,この点に関する原告の主張を裏付ける主張立証は全くない。したがって,原告商品の形態が,商品表\示として需要者の間に広く認識されているとは認めることができないから,その余の点について判断するまでもなく,法2条1項1号に基づく原告の請求にも理由がない。

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平成24(ネ)10069 不正競争行為差止請求控訴事件 不正競争 民事訴訟 平成24年12月26日 知的財産高等裁判所

 不競法2条1項1号の周知商品等表示であると争いましたが、該当しないとした1審判決が維持されました。
 以上によれば,控訴人商品の共通形態のうち,耳と鼻に掛ける眼鏡タイプの形態からなるルーペであり,そのレンズ部分は一対のレンズを並べた形態であり,眼鏡に重ね掛けができるという点については,従前,他社製品にもみられたものであるということができ,客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有しているということはできない。なお,控訴人商品の共通形態のうち,レンズ部分が「眼鏡の重ね掛けができる程度に十分に大きい」一対のレンズを並べた形態である点については,エッシェンバッハ社や池田レンズ等の他社製品であるルーペに,全く同一のものは見当たらない。しかし,前記1(4)のとおり,一対のレンズを眼鏡の上から重ね掛けするという発想の商品もみられるところであり,また,「眼鏡タイプのルーペ」として種々の形態のものが販売され,流通しており,そのレンズの大きさも様々であることに照らすと,控訴人商品のレンズが「眼鏡の重ね掛けができる程度に十分に大きい」一対のレンズを並べた形態であることによって,需要者において控訴人商品につき格段の強い印象が生じるものとはいえない。よって,上記レンズの大きさの点を理由として,控訴人商品の共通形態が,客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有することになるということはできない。\n

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平成23(ワ)5742 損害賠償等請求事件 特許権 民事訴訟 平成24年11月08日 大阪地方裁判所 

 不競法2条1項1号、2号(周知商品等表示、著名商品等表\示)による差止請求権は存在しないと認定されました。
 本件ドイツ特許及び本件米国特許の各公報(乙20,21の各1・2)及び前記1で認定の事実経過によれば,被告製品の形態は,簡便かつ効果的に巻き爪などを矯正するという技術的な機能実現のために得られたものであることが認められ,かかる機能\的な意味合いを有しない特徴的部分は見当たらない。そのため,被告製品の形態は,機能実現のために他に選択の余地がないものとまでいえるかはともかく,需要者との関係で,巻き爪矯正具としての機能\という意味を超えて識別力を持ち得る余地の小さい形態であるといえる。また,被告製品は,店頭販売などされておらず,需要者が直接その形態を見て商品選択することは想定できない上,証拠として提出されている上記多数の宣伝媒体を精査しても,巻き爪矯正施術の過程や被告製品を爪に装着した状態,あるいは,被告製品の一部を写真や図面で表示したものはあるものの,別紙被告製品図のような被告製品全体の形態が分かるように表\\示されているものは見当たらない(「Derma」と題する医学雑誌の2004年5月号[乙32]本文には,被告製品の形態全体が写った写真が掲載されているが,あくまで爪矯正処置法の医学的解説の一環としての掲載であり,商品等表示性の根拠とすることは困難である。)。一方で,前記認定のとおり,被告製品については,もっぱら「VHO」の文字標章が「商品等表\示」として使用されてきた。これらの事情からすれば,被告製品の形態が,被告製品の出所表示として使用されてきたとはいえないし,そのような機能\を果たしている実態があるともいえない。以上を総合して考えれば,被告製品の形態が,巻き爪矯正具の機能の観点から選択されたという意味を超え,「商品等表\示」たり得るだけの識別力を有するに至ったとはいえないものである。
(2)小括
したがって,原告製品の形態は被告製品の形態と同一ではあるものの,そもそも被告製品の形態は,「商品等表示」に該当しないため,不正競争防止法2条1項1号(周知表\示混同惹起行為)に基づく被告の主張は採用できない。

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平成23(ワ)15990 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成24年09月13日 大阪地方裁判所

 「阪急住宅株式会社」について、阪急グループとの広義の混同が生ずるとして、商号抹消が認められました。
 被告は,昭和33年から被告商号と実質的に同一の営業表示を用いて営業活動を継続してきた旨主張する。しかしながら,被告が自らの営業活動及び宣伝の状況を立証するものとして提出した京都新聞社発行の新聞広告(乙1ないし8)は,昭和43年から昭和50年までのものに限られている。被告代表\者作成名義の買受証明書(乙9),商談申込書(乙10),取り纏め依頼書(乙11)及び経過報告書(乙12)と題する各書面についても,その作成経緯は不明であり,各書面に記載された日付も平成17年9月16日(乙9),平成18年3月3日(乙10),平成20年4月30日(乙11),同年5月12日(乙12)というものであり,昭和51年から平成16年までの営業の継続を裏付けるものではない。かえって,被告の商業登記簿謄本によれば,被告は,昭和53年9月29日京都地方裁判所において和議開始の決定を受けたことが認められ,証拠(甲13の1・2)によれば,被告は,平成2年11月26日,宅地建物取引業の免許を取得した後,平成13年10月29日,同免許を失効し,平成23年1月19日に再度免許を取得したことが認められる。そして,P1作成の陳述書(乙13)によっても,上記免許失効の前後から,P2が代表\取締役に就任するまでの間,被告が営業活動を行った形跡は窺えない。また,平成6年から8年にかけても,P1は,営業活動を行うことができない状態にあり,他の誰が営業活動に携わっていたかも不明であり,営業に関する具体的な供述もない。以上によると,少なくとも上記の間,被告は,休眠状態にあり,被告商号を営業表示として使用することはなかったことが窺える。そうすると,被告は,平成6年5月1日以前から,被告商号を営業表\示として使用することを継続していたとは認めることができず,原告営業表示が著名になる前から被告商号を使用する者であるともいえない。3 法2条1項1号に関するその余の争点について前記2において,仮に,被告が平成6年5月1日以前から,被告商号を営業表示として使用することを継続していたとしても,次のとおり,被告の行為は,法2条1項1号に該当するということができる。\n

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平成23(ワ)37057 発信者情報開示請求事件 商標権 民事訴訟 平成24年06月28日 東京地方裁判所

 あるサイトにおける表示が、商標権侵害、不正競争行為(2条1項1号)に該当するとして、これを根拠として、プロ責法4条1項に基づき、レンタルサーバ運営者に発信者情報の開示が認められました。
 上記(1)の認定事実によれば,平成23年8月までには,原告商品等表示は原告の営業を表\示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認められる。(3) 本件各標章の要部は,「PLUS」あるいは「Plus」の部分であって,本件各標章は周知の原告商品等表示に類似するから(このことは,被告も認めるところである。),本件ウェブページ上でその営業を表\示するものとして本件各標章を使用する行為は,不競法2条1項1号に該当し,原告の営業と混同を生じさせるものということができる。そして,本件において,特段の事情があることは窺えないから,本件ウェブページ上で本件各標章を使用する行為によって原告の営業上の利益が侵害されたものと認められる。(4) 被告のレンタルサーバは,インターネット上で不特定の者に対する送信をするのであるから,本件ウェブページに掲載された情報の流通によって原告の権利が侵害されたことは明らかである。2 上記1に判示したところによれば,原告が損害賠償請求権を行使するためには,被告のレンタルサーバに本件ウェブページの情報を記録した者の発信者情報が必要であるから,原告にはその開示を受けるべき正当な理由があると認められる。

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平成23(ワ)10113 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成24年04月19日 大阪地方裁判所

 不競法2条1項1号の商品等表示に該当しないと判断されました。
 前記イ及びウで検討したところによれば,原告商品を全体としてみたときに,特徴2及び3について,商品表示として他の商品と識別しうる独自の特徴とはいえない。 また,前記アのとおり,特徴1のうち,i) 上部に開口部となる凸状の緩やかなカーブがある蓋部と,ii)前面凹状の緩やかなカーブがある錠付き扉という各特徴については,個別にみると,それぞれ同種の商品にみられるありふれた特徴である。さらに,乙8ないし11並びに丙1及び2によれば,上記i)及びii)の両方を備えた郵便受けも,原告商品の他に複数存在することが認められる。 したがって,原告商品の形態は,全体としてみても,他の同種の商品と識別しうる独自の特徴を備えているということができない。(2)以上のとおり,原告商品の形態が他の同種の商品と識別しうる独自の特徴を備えているとは認めることができないし,後記2のとおり,原告商品の形態について特定の者の商品であることを示す表示として需要者の間に広く認識されるに至っているとも認めることができない。\n

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平成19(ワ)11489等 損害賠償請求事件 不正競争 民事訴訟 平成23年12月15日 大阪地方裁判所 

 経緯からして「他人の商品等表示」ではないとしたものの、不法行為による損害賠償が認められました。また、一部の表\示(被告表示1−5及び1−7)を付して販売する行為は不競法2条1項13号の不正競争に該当すると認定されました。
 以上のような原告,被告ら及び協和興材の関係並びに需要者の認識を踏まえると,本件商品に付された原告表示1ないし4は,本件商品の製造販売に関与する原告,被告ら及び協和興材の三者の出所表\示として,需要者の間に広く認識されていたものと認められる。
エ これに対し,原告は,被告らは,原告が協和興材を通じて本件商品を販売するための中間業者として中間マージンを得ていただけの存在にすぎないから,原告表示1ないし4の各表\示に被告ら独自の業務上の信用が化体する余地はなく,これらの表示が被告らの出所表\示となることはあり得ないかのように主張する。しかし,本件外箱の表示,広告宣伝時の表\示など,需要者が直截,目にする部分において,被告らが本件商品の製造販売において独立した商品等主体として関わっている旨が表示されているのであるから,需要者としては,当然,被告らも本件商品の出所の主体であると理解するであろうし,現実の取引においても,本件商品の総発売元である協和興材と直接の取引関係にあるのは原告ではなく被告らであって,被告らが,本件商品の販売において独立した主体的立場を有していることは明らかである。また,被告P1は,その屋号を「グリッタージャパン」とし,「GOLD Glitter」の文字商標の登録までしていたことからしても,本件商品の販売において,積極的な役割を果たしていたといえる(なお,原告は,これらについて被告P1が原告に無断で行ったと主張するが,これらの事実から,少なくとも,被告P1が,本件商品の販売において,自らの屋号を「グリッタージャパン」とし,対外的にそのような屋号の事業体として認識されるだけの利害関係を有していたことは否定できないから,無断であったか否かは,この場面では問題とならないというべきである。)。よって,原告表示1ないし4が被告らの出所表\示となることはあり得ないとする原告の主張は失当である。
オ 以上によれば,原告表示1ないし4は,不正競争防止法2条1項1号の周知商品表\示であると認められるものの,その出所識別機能は原告,被告P1(被告会社設立以降は被告会社)及び協和興材の三者について生じており,被告会社にとって「他人の」周知商品表\示であるとは認められないから,被告会社が,その製造販売する商品に原告表示1ないし4と同一ないし類似する被告表\示1−1ないし1−4,1−6を付したとしても,これをもって,不正競争防止法2条1項1号の不正競争を構成するものと認めることはできないというべきである。\n

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平成22(ワ)38566 不正競争行為差止請求事件 平成23年06月30日 東京地方裁判所

 所定のフォームが印刷された薬袋は、不競法の商品等表示には該当しないと判断されました。
 薬袋の表面の上部ないし上端部を除いた部分に,内用薬,外用薬ないし頓服薬の別,患者名,薬名,薬の用法,病院名等を記載することや,横書きの薬袋の場合に,「内用薬」,「外用薬」,「頓服薬」などと記載されたすぐ下の部分に,患者名を記載する欄を設け,その下の部分に,薬名や薬の用法等を記載する欄を設けること,さらに,これらの記載欄が目立つように,患者名の記載欄を四隅の角が丸みを帯びた横長の略長方形の枠で囲んだり,薬袋の横幅にあわせた略正方形の枠で薬の用法等の記載欄を囲み,その枠内を網掛け技法によって着色したりすることなどは,原告が原告製プリンター用の薬袋を販売する以前ないし原告が同薬袋の販売を始めたのと同時期のころから,しばしば見られたものであり,その後も,現在に至るまで,複数の会社から,これらと同様の多数の種類の薬袋が販売されていることは前記認定のとおりである。このように,原告製品模様は,他社製品にも多く見られるありふれた形態であるというべきであり,原告製品サイズと原告製品模様とを合わせても,ありふれたものというほかない。したがって,原告製品サイズ及び原告製品模様は,不競法2条1項1号の「商品等表\示」には該当しない。

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平成22(ワ)13602 損害賠償請求事件 平成23年06月23日 大阪地方裁判所

 半紙について不競法2条1項1号の周知商品等表示性はないと判断されました。
 「一葉」(半懐紙版,半紙版)の商品形態が,上記の観点から商品等表示性を取得しているか検討すべきところ,以下のとおり「一葉」(半懐紙版,半紙版)の商品形態として原告の主張する色彩や模様の選択,50枚を一組として販売している点については,いずれも独自の特徴であるとはいえず,その商品形態に商品等表\示性を認めることはできない。ア すなわち,「一葉」(半懐紙版,半紙版)には,原告の主張するとおり比較的落ち着いた色合いの色彩(小豆色,灰色,緑灰色,橙色及び濃緑灰色)が選択されているといえるが,証拠(乙10ないし12)によれば,市販されている他の書道用和紙(商品名「蜻蛉」,「花衣」,「草まくら」)においても,全く同一ではないにせよ,概ね同じ系統の色彩が選択されていると認められる(商品名「蜻蛉」[乙10]では,灰色系,緑色系,橙色系の色彩が,商品名「花衣」[乙11]では,緑色系の色彩が,商品名「草まくら」[乙12]では,緑色系の色彩がそれぞれ選択されている。)。したがって「一葉」(半懐紙版,半紙版)に用いられた色彩は,書道用和紙としては一般的なものといえ,これらの色彩の選択をもって,他の同種商品と比較して独自の特徴であると認めることはできない。・・・・したがって,「一葉」(半懐紙版,半紙版)の商品形態には商品等表示性があるものと認めることはできないから,原告の不正競争防止法に基づく請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がない。\n

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平成21(ワ)6755 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成22年12月16日 大阪地方裁判所 

 原告の商品陳列デザインが、不競法2条1項1号、2号にいう周知又は著名な原告の営業表示であるかが争われました。裁判所は営業表\示ではないと判断しました。
 商品陳列デザインは,売場という営業そのものが行われる場に置かれて来店した需要者である顧客によって必ず認識されるものであるから,本来的な営業表示ではないとしても,顧客によって当該営業主体との関連性において認識記憶され,やがて営業主体を想起させるようになる可能\性があることは一概に否定できないはずである。したがって,商品陳列デザインであるという一事によって営業表示性を取得することがあり得ないと直ちにいうことはできないと考えられる。
ウ ただ,商品購入のため来店する顧客は,売場において,まず目的とする商品を探すために商品群を中心として見ることによって,商品が商品陳列棚に陳列されている状態である商品陳列デザインも見ることになるが,売場に居る以上,それと同時に什器備品類の配置状況や売場に巡らされた通路の設置状況,外部からの採光の有無や照明の明暗及び照明設備の状況,売場そのものを形作る天井,壁面及び床面の材質や色合い,さらには売場の天井の高さや売場の幅や奥行きなど平面的な広がりなど,売場を構成する一般的な要素をすべて見るはずであるから,通常であれば,顧客は,これら見たもの全部を売場を構\成する一体のものとして認識し,これによって売場全体の視覚的イメージを記憶するはずである。そうすると,商品陳列デザインに少し特徴があるとしても,これを見る顧客が,それを売場における一般的な構成要素である商品陳列棚に商品が陳列されている状態であると認識するのであれば,それは売場全体の視覚的イメージの一要素として認識記憶されるにとどまるのが通常と考えられるから,商品陳列デザインだけが,売場の他の視覚的要素から切り離されて営業表\示性を取得するに至るということは考えにくいといわなければならない。したがって,もし商品陳列デザインだけで営業表示性を取得するような場合があるとするなら,それは商品陳列デザインそのものが,本来的な営業表\示である看板やサインマークと同様,それだけでも売場の他の視覚的要素から切り離されて認識記憶されるような極めて特徴的なものであることが少なくとも必要であると考えられる。
・・・
したがって,原告商品陳列デザイン1ないし3が顧客に認識記憶されるとしても,それは,売場全体に及んでいる原告店舗の特徴に調和し,売場全体のイメージを構成する要素の一つとして認識記憶されるものにとどまると見るのが相当であり,顧客が,これらだけを売場の他の構\成要素から切り離して看板ないしサインマークのような本来的な営業表示(原告における「西松屋」の文字看板や,デザインされた兎のマーク)と同様に捉えて認識記憶するとは認め難いから,原告商品陳列デザイン1ないし3が,いずれもそれだけで独立して営業表\示性を取得するという原告の主張は採用できないといわなければならない。またしたがって,この原告商品陳列デザイン1ないし3を,いくら組み合わせてみたとしても,同様のことがいえるから,原告商品陳列デザイン1及び2を組み合わせた商品陳列デザイン及び原告商品陳列デザイン1ないし3を全て組み合わせた商品陳列デザインについても,営業表示性を取得することはないというべきである。\n

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平成22(ネ)10015 輸入販売差止等請求控訴事件 不正競争 民事訴訟 平成22年11月29日 知的財産高等裁判所

 不競法2条1項1号、2号違反について、1審は請求棄却、2審も原判決維持しました。原告はアディダスジャパン(株)です。
 控訴人は,商品に付された状態の原告標章と被告各標章とを離隔的に観察すると,原告標章は,黒色の地の上に等間隔に配した白い複数の平行する直線と,当該直線と約60度の角度で交わる等間隔に配した白い複数の平行する直線とから成るなどといった構成であるのに対し,被告各標章は,褐色又は黒色の地の上に,等間隔に配した白い複数の平行する直線(直線1)と,直線1と約60度の角度で交わる等間隔に配した薄い緑がかった茶色の複数の平行する直線(直線2)とから成るなどといった構\成であるから,基本的な構成,すなわち,等間隔で平行に配した直線と,かかる直線と約60度の角度で交わる等間隔で平行に配した直線とから成るという点において共通し,また,各直線の輪郭がはっきりせず,にじんだ印象を与えるなどの共通点があるので,原告標章と被告各標章とは類似する旨主張する。しかし,原判決14頁9行目以下の(1)アでの認定のとおり,原告標章は,同じ大きさの3つの杉綾(ヘリンボーン)を組み合わせて「Y」字型としたモチーフ(一模様の単位)を連続して配して成り,各杉綾は白色,薄茶色,濃い茶色の色彩のものである。そして,これを付した商品(甲23の1〜7,11,12及び16〜18)を離隔的に観察した場合,確かに,色彩の組合せからして白色の杉綾部分が目立つが,あくまで,白色の杉綾が連続的に多数配されているとの印象を受けるにとどまり,白い複数の平行な直線同士が60度の角度で交わる模様であるとの印象は受けない。また,被告各標章は,原判決14頁26行目以下の(1)イ及び16頁20行目以下の(2)イでの認定のとおり,同じ大きさの3つの葉を配して扇形状としたモチーフを連続して配して成り,それぞれの葉は,白色,黄緑色,茶色の色彩のものである。そして,これを付した商品(甲21の1及び2,23の8〜18,乙30)を離隔的に観察した場合,白色と黄緑色の葉が目立ち,このうち複数の白色の葉は直線的に連続して配されているとの印象を受けるものの,複数の黄緑色の葉については,個々の葉の上端と下端とを結んだ線を仮定した場合,それらの線が少しずつずれており,これらが直線上に配されているとの印象は受けない。さらに,仮に原告標章の白色の杉綾部分が複数連なって直線を構\成しているとの印象を受けるとしても,原告標章では,直線を構成するのが長方形であって,同じ幅の線が続く印象を受けるのに対し,被告各標章では,白色の直線を構\成するのが葉であって,幅の変化(凹凸)が大きいので,控訴人が主張する「直線」から受ける印象も,原告標章と被告各標章とで異なっている。

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平成20(ワ)25956 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成22年09月17日 東京地方裁判所

 角質除去具について不競法2条1項1号の周知商品等表示と認定されました。
 前記イ及びウを総合すると,原告商品は,その販売が開始された平成18年9月26日当時,前記イ(ア)の形態において,同種商品と識別し得る独自の特徴を有していたものであり,かつ,販売開始後平成19年11月26日ころまでの約1年2か月の間に,多くの全国的な雑誌,新聞,テレビ番組等で繰り返し取り上げられて,原告商品の形態が写真や映像によって紹介されるなど効果的な宣伝広告等がされるとともに,原告商品の販売数も販売開始当初から飛躍的に増加し,平成19年11月の時点では約89万本に達し,美容雑貨の全国的なヒット商品としての評価が定着するに至ったものと認められる。上記認定事実によれば,原告商品の上記形態は,遅くとも平成19年11月26日ころまでには,全国の美容雑貨関係の取引業者及び美容に関心の高い女性を中心とした一般消費者の間において,特定の営業主体の商品であることの出所を示す出所識別機能を獲得するとともに,原告商品を表\示するものとして需要者である上記取引業者及び一般消費者の間に広く認識されるに至ったものと認めるのが相当である。したがって,原告商品の上記形態は,原告の周知の商品等表示(不競法2条1項1号)に該当するというべきである。\n

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平成21(ワ)16809等 損害賠償請求事件 不正競争 民事訴訟 平成22年04月23日 東京地方裁判所

 不競法2条1項1号の周知の表品等表\示には該当しないと判断されましたが、民法上の不法行為であるとして140万円の損害賠償が認められました。
 原告は,平成19年8月ころ,Yahoo!及びGoogle において「樹液シート」又は「樹液シート格安」による検索をしたところ,原告店舗が最上位に表示された(甲22,23)旨の主張をするが,検索サイトにおける検索結果の順位は,検索用語として何を設定するかによって大きく変動し得るものであり,実際,「樹液シート格安」に代えて,「樹液シート激安」,「樹液シートデトックス」,「足裏樹液シート」などの用語で検索すると,原告店舗は最上位には表\示されない(上位にすら表示されないこともある。)のであるから(乙15,17,18,21,23,24,原告代表\\者本人),このような検索結果の順位をもって本件標章が周知であるというには,根拠が薄弱であるといわざるを得ない。
・・・・本件販売は,前記第2の2(4)のとおり,被告Aが,平成19年10月ころまでに,楽天市場オークション,ヤフーオークション及びビッダーズオークションに「樹液ドットコム」というインターネット商店を出店し,被告会社の委託を受けて,本件標章を付した樹液シート(原告がOEM供給元を被告会社とは別の製造業者に変更したことによって,被告会社の元に残った在庫品)を廉価で販売したというものである。そして,本件標章に化体された信用の主体として認識され得る立場にあったのは原告であり,他方,被告会社は,名翔からの注文に応じて本件標章の付された樹液シート(袋詰めされる前の半製品)を製造し,これを名翔に卸売りしていたにすぎないもので,被告会社にとって,本件標章は「他人の」標章に当たるものであることは上記1に認定判断したとおりである。そうすると,被告らによる本件販売は,OEM供給先である原告の信用が化体された本件標章が付された樹液シート在庫品の残りを被告らが原告に無断で販売したというもので,OEM商品の横流しともいうべき行為であり,公正な競業秩序を破壊する著しく不公正な行為と評価できるから,民法上の一般不法行為(共同不法行為)を構成するものと認めるのが相当である。\n

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平成21(ネ)10059 損害賠償請求控訴事件 不正競争 民事訴訟 平成22年04月13日 知的財産高等裁判所

 知財高裁は、「天然オリゴ糖」は普通名称であるとして、不競法2条1項1号の周知表品等表\示には当たらないと判断しました。
「寒天オリゴ糖」という表示は普通名称であって,原則として,自他識別機能\ないし出所表示機能\を有するものではないから,それを商品に使用しても,商品等表示性を有するものではないというべきである。(3) この点について,控訴人は,同人が「寒天オリゴ糖」という商品名を健康食品それ自体の名称として使用した初めてかつ唯一の営業主体であって,平成12年5月の販売開始以来,新聞や雑誌,時刻表に広告を掲載し,インターネットや地下鉄,看板などでも広範に広告を展開するなどの大々的な広告活動を行ってきたことからすれば,仮に「寒天オリゴ糖」が原材料を表\す普通名称であったとしても,例外的に,控訴人商品の「寒天オリゴ糖」という表示について自他識別機能\ないし出所表示機能\を取得するに至っている旨主張する。しかしながら,全証拠を精査しても,控訴人が,「寒天オリゴ糖」という商品名を健康食品それ自体の名称として使用した初めてかつ唯一の営業主体であったことを認めるに足りる証拠はない。かえって,上記認定のとおり,「寒天オリゴ糖」という名称は,被控訴人の前身である宝酒造の研究成果の発表及びそれに続く商品の開発の過程で,新聞記事などにより需要者に認識されるようになったものと認められるから,需要者には「寒天オリゴ糖」を商品化したのは宝酒造であるとの認識が広がっていたものと認められるのであり,証拠(甲3)によれば,控訴人が健康食品としての寒天に注目したきっかけも,上記宝酒造の研究成果を聞知したことによるものであると認められるから,控訴人を,「寒天オリゴ糖」という商品名を健康食品それ自体の名称として使用した初めてかつ唯一の営業主体と認めることはできないというべきである。\n

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平成18(ワ)8794 不正競争行為差止等 意匠権 民事訴訟 平成21年12月10日 大阪地方裁判所

 不正競争防止法2条1項1号の商品形態には当たらないと判断されました。
 原告は,原告商品1の形態をもってその商品表示であると主張する。商品の形態は,それ自体として,直ちに当該商品の出所を表\\示するものではない。しかし,当該商品の形態が他の商品とは異なる独自の特徴を有しており,かつ,その形態が特定の者によって長期間継続的かつ独占的に使用されるか,又は短期間でも極めて強力な宣伝広告活動や圧倒的な販売実績等があって,需要者において当該形態が特定の事業者の出所を表示するものとして周知となっている場合には,当該商品等の形態をもって,不正競争防止法2条1項1号の保護の対象となる商品表\\示と解することができる。そこで,かかる観点から,原告商品1の形態が周知商品表示性を獲得しているかどうかについて検討する。・・・・そこで検討するに,原告商品1Aの販売が開始された平成15年8月4日より前に,自動車の助手席前方に取り付けて使用するフロントテーブルにおいて,上下2段のテーブルを設け,上段テーブルは下段テーブルの右側に設置された支持脚により支持され,またドリンクホルダー用の円形の貫通部分が長手方向に間隔を置いて2箇所設ける形態は,周知なものであり,ありふれた形態であったことが認められる。そして,かかる形態は,原告商品1に接した需要者が認識する原告商品1の基本的な形態というべきであり,それでもなお原告商品1の形態をもって商品表\\示性を有するというためには,他の部分において相当程度特徴的な構成を備えていることを要するというべきである。この点,原告は前記のとおり原告商品1の形態上の特徴を主張するが,下段テーブルにコースターを設けること,上段テーブル及び下段テーブルの外周面に銀色のモールを設けること,下段テーブル上面に凹みを設けることそれ自体については,いずれも原告商品1Aの販売開始前に採用例があることが認められる。また,原告商品1における上記コースター,モール及び凹み部分の形態を見ても,それらの形態において他の商品と際だって異なる特徴的な形態が採用されているとも認め難い。なお,原告は,上記採用例について,原告が当時販売していたフロントテーブルの形態を模倣したものであると主張する。しかし,原告が当時販売していたと推認されるフロントテーブル(甲18の資料2の2枚目右列上から3番目の「フロントテーブルII )には,」少なくとも小物置きのための凹みは形成されておらず,この点において上記採用例が「フロントテーブルII」の形態を模倣したものということはできないのであり,他に,上記採用例が原告のフロントテーブルを模倣したものと認めるに足りる証拠はない。これに対し,原告が原告商品1の特徴の一つとして主張する「フランジが銀色のカップホルダ用装飾リング」について,原告商品1Aの販売開始前に,フロントテーブルのドリンクホルダーに装飾リングが設けられたものは見受けられない。しかし,他方で,原告商品1Aにはそもそも装飾リングが設けられておらず,原告商品1Bには装飾リングが設けられているものの保持部材は設けられておらず,原告商品1Cに至ってようやく保持部材付きの装飾リングが設けられているのであり,原告商品1は,装飾リングの形態において,大きく変遷しているのである。そうである以上,装飾リングの形態をもって,原告商品1の商品表示性の根拠たる独自の形態上の特徴と認めることはできない。オ 以上より,原告商品1は他の商品とは異なる商品形態を有していること自体は否定できないものの,その独自性は低いといわざるを得ない。\n

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平成21(ワ)657 商標使用差止等請求事件 商標権 民事訴訟 平成21年11月12日 東京地方裁判所

 「朝バナナダイエット」を含む題号の本について、商標権侵害、不競法違反は成立しないと判断されました。
 ところで,商標の使用が商標権の侵害行為であると認められるためには,登録商標と同一又は類似の第三者の標章が,単に形式的に指定商品又はこれに類似する商品等に表示されているだけでは足りず,その商品の出所を表\示し自他商品を識別する標識としての機能を果たす態様で使用されていることを要するものと解すべきである。前記1で認定したところによれば,被告書籍の内容は,「朝バナナダイエット」というダイエット方法を実行し,ダイエットに成功するために,著者が成功の秘訣と考える事項を40項目挙げるというものであり,題号の表\示も,被告書籍に接した読者において,書籍の題号が表示されていると認識するものと考えられる箇所に,題号の表\示として不自然な印象を与えるとはいえない表示を用いて記載されているといえる。そうすると,被告書籍に接した読者は,「朝バナナ」を含む被告書籍の題号の表\示を,被告書籍が「朝バナナダイエット」というダイエット方法を行ってダイエットに成功するための秘訣が記述された書籍であることを示す表示であると理解するものと解される。なお,被告書籍の題号のうち,「朝バナナ」の文字部分は,「ダイエット成功のコツ40」の部分に比べて大きく記載されており,被告書籍の題号中当該部分が強調されているといえる。しかしながら,「朝バナナ」という用語は,朝食時にバナナと水を摂取することを基本とするダイエット方法として知られる「朝バナナダイエット」を略称した用語として一般に知られていること(甲7ないし18,30,32,34ないし40,42),両部分は統一感のあるデザイン,色調で記載されていることに照らせば,被告書籍に接した読者は,「朝バナナ」という部分を,原告の出版活動と関連させて理解するというよりは,むしろ,被告書籍が「朝バナナダイエット」に関する内容の書籍であることを強調する部分であると理解するものと考えられる。(4)以上によれば,被告書籍のカバーや表\紙等における被告標章の表示は,被告標章を,単に書籍の内容を示す題号の一部として表\示したものであるにすぎず,自他商品識別機能ないし出所表\示機能を有する態様で使用されていると認めることはできないから,本件商標権を侵害するものであるとはいえない。・・・自己の商品表\示中に,他人の商品等表示が含まれていたとしても,その表\示の態様からみて,専ら,商品の内容・特徴等を叙述,表現するために用いられたにすぎない場合には,他人の商品等表\示と同一又は類似のものを使用したと評価することはできない。前記1で認定したところによれば,被告書籍の内容は,「朝バナナダイエット」というダイエット方法を実行し,ダイエットに成功するために,著者が成功の秘訣と考える事項を40項目挙げるというものであり,題号の表示も,被告書籍に接した読者において,書籍の題号が表\示されていると認識するものと考えられる箇所に,題号の表示として不自然な印象を与えるとはいえない表\示を用いて記載されているといえる。そうすると,被告書籍に接した読者は,「朝バナナ」を含む被告書籍の題号の表示を,被告書籍が「朝バナナダイエット」というダイエット方法を行ってダイエットに成功するための秘訣が記述された書籍であることを示す表\示であると理解するものと解され,被告標章を含む被告書籍の題号は,専ら,被告書籍の内容を表現するために用いられたものであると認めるのが相当である。」\n

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平成21(ワ)3556 名称使用差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成21年08月31日 東京地方裁判所

 「投資事業有限責任組合」が「東京証券取引所」の略称である「東証」と混同のおそれがあると判断されました。
ウ 不正競争防止法2条1項1号にいう「混同を生じさせる行為」とは,他人 の周知の営業表示と同一又は類似のものを使用する者が自己と他人とを同一\n営業主体として誤信させる行為のみならず,両者間にいわゆる親会社,子会 社の関係や系列関係などの緊密な営業上の関係又は同一の表示の商品化事業\nを営むグループに属する関係が存すると誤信させる行為をも包含し,混同を 生じさせる行為というためには両者間に競争関係があることを要しないと解 される(前記最高裁昭和59年5月29日第三小法廷判決,前記最高裁平成 10年9月10日第一小法廷判決等参照)。 そして,前記イのとおり,被告名称「東証投資事業有限責任組合」と原告 の営業表示である「東証」は,類似すると認められ,また,被告の業務が株\n式会社の設立に際して発行する株式の取得及び保有等であり,原告の業務が 有価証券の売買又は市場デリバティブ取引を行うための市場施設の提供等で あって(前記⑴のとおり,当事者間に争いがない。),その業務内容には密接 な関連性があると認められるから,原告被告間に直接の競争関係があるとは 8 いえないとしても両者間に,「いわゆる親会社,子会社の関係や系列関係など の緊密な営業上の関係が存すると誤信させる」ものであることは明らかであ る。 したがって,請求原因(2)イ(ウ)は,認めることができる。 (3) 請求原因(3)ウは,当事者間に争いがなく,また,証拠(甲9)及び弁論の 全趣旨によれば,請求原因(3)ア及びイの事実が認められるから,原告は,被告 による被告名称の使用により,少なくとも,営業上の利益を侵害されるおそれ があると認めることができる。

◆平成21(ワ)3556 名称使用差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成21年08月31日 東京地方裁判所
 

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◆平成20(ワ)2305 不正競争行為差止請求事件 不正競争 民事訴訟 平成21年05月14日 東京地方裁判所

 有名フランス料理店を経営する原告が,不競法2条1項1号に基づき、店名と同じ名称のワインを広告販売することの差し止めを求めました。東京地裁は、周知性を有しないとして請求を棄却しました。
 「以上のとおり,本件において原告が挙げる上記各証拠は,それのみでは各原告表示の周知性を立証するに足りる証拠とはいえず,また,これらを併せ考慮しても,各原告表\示の識別力が弱いこと,各掲載における各原告表示の表\記の大きさ,表記方法等に鑑みれば,各原告表\示が全国的な一般消費者に周知であることを認めるに足りないといわざるを得ない。・・・そして,上述のとおり,原告が各原告表示の周知性の立証として提出する証拠は,いずれも,原告自身が広告宣伝活動を行ったというものではなく,上記各媒体からの取材に応じるなどして,原告レストランが紹介されたというものにすぎないから,一定期間にわたって継続的に各原告表\示が多数の一般消費者に認識される形態で広告宣伝活動が行われたわけでもない。(6)以上検討したところによれば,本件全証拠によっても,各原告表示が,被告商品の需要者である,全国的な一般消費者の間に広く認識されているものであることを認めるに足りない。」

◆平成20(ワ)2305 不正競争行為差止請求事件 不正競争 民事訴訟 平成21年05月14日 東京地方裁判所

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◆平成19(ワ)35028 営業表示使用差止等請求事件 不正競争民事訴訟 平成20年09月30日 東京地方裁判所

 営業表示「東急」が、営業表\示「TOKYU」、「tokyu」と類似するかが争われました。
  「これに対し原告は,「東急」の営業表示が著名であることを考慮すれば,「とうきゅう」という称呼を通じて営業表\示として観念される語は「東急」だけであるから,「TOKYU」又は「tokyu」の営業表示と「東急」の営業表示とは,称呼を通じて観念的に類似している旨主張する。しかし,?@被告は,昭和51年8月30日に設立後,現在まで32年以上にわたり,「藤久建設株式会社」(読み方・「とうきゅうけんせつかぶしきかいしゃ」)の商号で,宮城県石巻市及びその周辺の地域において建物建築工事,ガーデニング工事等の請負等の取引を行っていること(前記(2)ア(ア))からすれば,石巻市及びその周辺の地域では,「とうきゅう」との称呼から営業主体としての被告を想起する者も相当数存在するものとうかがわれること,?A加えて,大分県大分市内では,東九興産株式会社が,約38年間営業活動を行い,その商号の「東九」の部分を「とうきゅう」と称していること(乙13,弁論の全趣旨),岩手県盛岡市内では,昭和63年に設立された株式会社とうきゅう商事が営業活動を行っていること(乙14,弁論の全趣旨),岡山県倉敷市内では,株式会社東久ストアが営業活動を行い,その商号の「東久」の部分を「とうきゅう」と称していること(弁論の全趣旨)に照らすならば,「とうきゅう」という称呼に基づいて想起し得る営業主体は,全国の各地域ごとの取引の実情に応じて,原告及び東急グループ以外のものも含まれることは明らかであるから,「とうきゅう」という称呼を通じて観念される営業表示が「東急」だけであるとの原告の主張は採用することができない。」

◆平成19(ワ)35028 営業表示使用差止等請求事件 不正競争民事訴訟 平成20年09月30日 東京地方裁判所

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◆平成18(ワ)17357  商標権 民事訴訟 平成19年05月31日 東京地方裁判所

  不競法2条1項1号に基づく損害賠償として、約1300万円が認められました。
   「本件における不正競争行為は,被告標章を使用して営業したことであるところ,被告は,資本金450万円(前記1(3)イ),社員は,代表者(営業も行っている。),営業専任の従業員1名,女子事務員1名,その他サポート役の従業員が4名の合計7人(乙5),年間の総売上額が平成15年度が1億2214万5173円(乙6),平成16年度が1億3153万7179円(乙7),平成17年度が1億0542万0779円(乙8)と比較的小規模な会社である・・・。そして,その業務は,コンピュータシステム等の企画・開発販売等であるが,中でも被告標章を使用したビデオ/CDレンタルショップ向けのPOSシステムの販売がほぼ100パーセントを占める(乙5)。以上の被告の不正競争行為にかんがみれば,被告の営業に伴う費用,すなわち,被告の損益計算書(乙6ないし8)において売上原価並びに販売費及び一般管理費として計上されているものは,すべて被告の不正競争行為に必要な費用であり,同行為と相当な因果関係のある費用としてこれを控除すべきである(損益計算書において営業外費用として計上されているものは,不正競争行為に必要な費用であるとはいえず,これと相当な因果関係のある費用とは認められないから,控除の対象とすべきではない。)。したがって,被告がその不正競争行為により得た利益の額は,その損益計算書における営業利益の額と等しいと認められるところ,その営業利益の額は,・・・である(乙8)。よって,被告が,平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間にその不正競争行為により得た利益の額は,上記営業利益額の合計である1191万2588円であり,それが,不正競争防止法5条2項に基づき,原告の損害の額と推定される。」

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◆平成16(ワ)18090 不正競争行為差止等請求事件 平成18年07月26日 東京地方裁判所

  腕時計(ROLEX)について、各要素の組合せからなる全体の形態は,不正競争防止法2条1項1号及び2号の商品等表示性を有すると判断されました。
  「(ア) 前記認定の事実によれば,原告各製品の各要素の組合せからなる全体の形態は,形態自体が極めて特殊で独特であり,その形態だけで商品等表示性を認めることができる場合には当たらないが,同種製品と区別し得る形態的特徴を有しており,これに前記の原告各製品の販売状況及び雑誌等での紹介の実情等を考慮すると,上記の各要素の組合せからなる全体の形態は,原告各製品が原告の製造販売に係るものであることを示す商品等表\示に該当するということができる。 (イ) 原告は,原告各製品の形態のうち,共通形態A及び共通形態Bについても,原告の出所を示す商品等表示に当たる旨主張する。しかし,前記(2)エに認定した事実を考慮すると,共通形態A及び共通形態Bのみでは,いまだ原告の商品等表示に当たると認めることはできない。(ウ) 被告らは,原告各製品の各要素の形状はありふれた形状又は機能上通常選択される形状であり,特別顕著性がなく,各要素の組合せによる全体の形態も特徴がないので,商品等表\示性がない旨主張する。 しかしながら,ある機能を達成するために,いくつかの選択肢があるのが普通である。例えば,針には,時刻を示すという機能\から形態に制約があるといっても,いくつかの選択肢があるし,塗料がたれないようにするためには,ベンツ針以外の形態も選択が可能である。また,原告各製品から各要素を取り出せば,他社製品の中にそれと同一又は類似の形状を見いだすことができること(前記(2)エ(サ))からすると,原告各製品の各要素の形態はありふれた形状であるといわざるを得ないが,原告各製品の各要素の組合せからなる全体の形態と同一又は類似の組合せからなる他社製品はさほど見いだせないこと(前記(2)エ)からすると,数ある形状の中から選択された各要素の組合せからなる原告各製品の全体の形態は,形態的特徴を有するものというべきである。」

◆平成16(ワ)18090 不正競争行為差止等請求事件 平成18年07月26日 東京地方裁判所

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◆H15.11.11 東京地裁 平成14(ヨ)22155 不正競争 民事仮処分事件

 「マクロスゼロ」などの標章を付したアニメDVD,ビデオの販売差し止めの仮処分事件です。争点は、「超時空要塞マクロス」等の表示が商品等表\示(不競法2条1項1,2号)に該当するかです。裁判所は、「商品等表示」に該当しないと判断しました。
 「(2) テレビ放映用映画ないし劇場用映画については,映画の題名(タイトル)は,不正競争防止法2条1項1号,2号所定の「商品等表示」に該当しないものと解するのが相当である。けだし,映画の題名は,あくまでも著作物たる映画を特定するものであって,商品やその出所ないし放映・配給事業を行う営業主体を識別する表\示として認識されるものではないから,特定の映画が人気を博し,その題名が視聴者等の間で広く知られるようになったとしても,当該題名により特定される著作物たる映画の存在が広く認識されるに至ったと評価することはできても,それにより特定の商品や営業主体が周知ないし著名となったと評価することはできないからである。本件において,債権者は,本件テレビアニメの題名「超時空要塞マクロス」及び本件劇場版アニメの題名「超時空要塞/マクロス」が周知ないし著名となり,その結果,本件各表示が債権者の商品等表\示として周知ないし著名となったと主張するが,これらの題名は,著作物であるアニメーション映画自体を特定するものであって,商品やその出所ないし放映・配給事業を行う営業主体としての映画製作者等を識別する機能を有するものではないから,不正競争防止法2条1項1号,2号にいう「商品等表\示」に該当しない。」

      

◆H15.11.11 東京地裁 平成14(ヨ)22155 不正競争 民事仮処分事件

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◆H15. 7.24 名古屋地裁 平成15(ワ)828 不正競争 民事訴訟事件

 刺繍糸の色番号が商品表示に当たるかが争われました。裁判所は、これを認めませんでした。
  「原告は,長年,原糸の製造販売を業としているところ,かねてから多種類の色の刺しゅう糸を番号によって容易に特定,識別し得るように,色の種類ごとに4桁の数字から成る色番号(本件色番号)を付し,それを刺しゅう糸を巻いた紙管に表示し,さらに本件色番号を同系色が近い位置になるように配列した色見本帳を作成している事実が認められ,これによれば,原告の刺しゅう糸を購入しようとする需要者は,原告(若しくは原告の商品のみを取り扱う業者)に対して,ある色番号を示すことにより,必要な色の刺しゅう糸を特定,識別することが可能\となっていると推認できる。 しかしながら,他方,前掲各証拠等によれば,原告が用いている本件色番号は,原告が製造販売する刺しゅう糸の色の種類ごとに付された4桁の数字(700種類)であって,その前後に何らの表記がなく,その字体にも格別特色があるわけではなく,その配列等についても同系色についておおよそ近似した数字を付してあるにとどまり,その表\示に独特の工夫をこらして案出されたものとはいえないことが認められる。そうすると,本件色番号は,つまるところ,単なる4桁の数字が色の種類に応じて付されているに止まるから,両者の対応関係には取引上の有用性が存在するものの,個々の色番号自体にいわゆる特別顕著性を認めることはできない。したがって,本件色番号について,他の第三者の商品とを区別するに足りる自他識別力(特別顕著性)ないし出所表示機能\を有すると認めることはできない。」

◆H15. 7.24 名古屋地裁 平成15(ワ)828 不正競争 民事訴訟事件

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◆H15. 2.20 東京地裁 平成13(ワ)2721 不正競争 民事訴訟事件

  登録商標「マイクロシルエット」の使用は、周知標章である「マイクロダイエット」との混同が生ずるとして不競法2条1項1号、2号にて、差止、損害賠償を求めていた事件で、その主張が認められました。
 被告は登録商標の使用であると抗弁しましたが、裁判所は、「訴外Aは,原告サニーヘルスに従業員として在職中に,原告商品が好調な売れ行きを示し,原告標章が周知の商品等表示となっていることを認識しながら,これと類似する被告登録商標につき商標登録出願をしたものであり,原告標章の周知性にただ乗りする意図の下に上記商標登録出願をしたものと認められる。そして,被告ホルスは,原告標章が周知の商品等表\示となっていることを認識しながら,訴外Aからこれと類似する被告登録商標の商標登録を受ける権利を譲り受けたものであり,また,その際,同被告は,原告標章が周知の商品等表示となった後に被告登録商標が出願されたことを認識していたか,又は知り得べきものでありながら過失によって知らなかったものと認められる。上記のような各事情に照らせば,被告ホルスが商標権者として被告登録商標を使用する行為は権利濫用に該当するものであり,本件訴訟において,不正競争防止法2条1項1号,2号を理由とする原告らの請求に対し,登録商標使用の抗弁を主張することもまた,権利の濫用に当たるものとして許されないというべきである。」として、かかる抗弁を認めませんでした。
 同じ様な判断が、◆H12.10.12 大阪地裁 平成10(ワ)9655 商標権 民事訴訟事件
にありました。こちら4条1項11号違反です。

 

◆H15. 2.20 東京地裁 平成13(ワ)2721 不正競争 民事訴訟事件

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◆H14.12.19 大阪地裁 平成13(ワ)10905 不正競争 民事訴訟事件

  商品「マグライト」の類似品は販売する行為は、不正競争防止法2条1項1号(他人の商品等表示)に該当するかが争われた事件です。
   裁判所は、「「商品の形態が他の商品と識別し得る独特の特徴を有し、かつ、商品の形態が、長期間継続的かつ独占的に使用されるか、又は、短期間であっても商品の形態について強力な宣伝広告等により大量に販売されて使用されたような場合には、商品の形態が特定の者の商品を示す商品表示として出所識別性を取得し、需要者の間で広く認識されるに至ることがあり得、そのような場合には、商品の形態が不正競争防止法2条1項1号の商品表\示として保護されるものと解される。」と判断して、輸入・販売差し止めと1349万7590円(弁護士費用、調査費用含む)の損害賠償を認めました。  ちなみに、問題となった形態は、指定商品を「懐中電灯」とする立体商標の登録出願がなされましたが、指定商品との関係では、その商品の形状として通常採用し得る立体的形状からなるものとして、拒絶されています。この点について、裁判所は、「・・・上記出願に係る標章が、特許庁において商標としての自他商品識別機能を有しないと判断されたからといって、原告商品の商品形態に不正競争防止法2条1項1号の商品表\示性があるとする前記認定を左右するものではない。」と判断しました。

 

◆H14.12.19 大阪地裁 平成13(ワ)10905 不正競争 民事訴訟事件

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