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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

立体商標

最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、裁判所がおもしろそうな(?)意見を述べている判例を集めてみました。
内容的には詳細に検討していませんので、詳細に検討してみると、検討に値しない案件の可能性があります。
日付はアップロードした日です。

平成29(行ケ)10155  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成30年1月15日  知的財産高等裁判所

 立体商標について、識別力無し(3条1項3号)とした審決が維持されました。また、3条2項の主張も認められませんでした。
 商品等の形状は,多くの場合,商品等に期待される機能をより効果的に発揮\nさせたり,商品等の美観をより優れたものとする等の目的で選択されるものであっ て,直ちに商品の出所を表示し,自他商品を識別する標識として用いられるもので\nはない。このように,商品等の製造者,供給者の観点からすれば,商品等の形状は, 多くの場合,それ自体において出所表示機能\ないし自他商品識別機能を有するもの,\nすなわち,商標としての機能を果たすものとして採用するものとはいえない。また,\n商品等の形状を見る需要者の観点からしても,商品等の形状は,文字,図形,記号等 により平面的に表示される標章とは異なり,商品の機能\や美観を際立たせるために 選択されたものと認識するのであって,商品等の出所を表示し,自他商品を識別す\nるために選択されたものと認識する場合は多くない。 そうすると,客観的に見て,商品等の機能又は美観に資することを目的として採\n用されると認められる商品等の形状は,特段の事情のない限り,商品等の形状を普 通に用いられる方法で使用する標章のみから成る商標として,商標法3条1項3号 に該当することになる。 また,商品等の機能又は美観に資することを目的とする形状は,同種の商品等に\n関与する者が当該形状を使用することを欲するものであるから,先に商標出願した ことのみを理由として当該形状を特定人に独占使用を認めることは,公益上適当で ない。 よって,当該商品の用途,性質等に基づく制約の下で,同種の商品等について,機 能又は美観に資することを目的とする形状の選択であると予\測し得る範囲のもので あれば,当該形状が特徴を有していたとしても,同号に該当するものというべきで ある。
・・・・
イ 一般的な杭の形状との対比
本願の指定商品である杭については,先端を円錐状に尖らせ,頭部の先端(打込 部)を円盤状に平らにした,長い棒状の形状から成る商品が市販されていることが 認められる(甲1,123,乙4,5,9〜19)。 この点,原告は,一般的な杭は,頭部から先端までが同一径の円管で,鉄パイプを 切断しただけの状態のものである「単管杭」であり,本願商標をこれと対比すべき 旨主張するが,かかる「単管杭」のみならず,先端を円錐状に尖らせ,頭部の先端を 円盤状に平らにした長い棒状の杭も市販されているから,原告の主張は採用できな い。
・・・・
(ウ) そうすると,本願商標に係る立体的形状は,杭の形状として,機能又は美観\nに資することを目的として採用されたものと認められ,また,需要者において,機 能又は美観に資することを目的とする形状と予\測し得る範囲のものであるから,商 品等の形状を普通に用いられる方法で使用する標章のみから成る商標として,商標 法3条1項3号に該当するというべきである。
・・・・
前記1のとおり,商標法3条2項は,商品等の形状を普通に用いられる方法で表\n示する標章のみから成る商標として同条1項3号に該当する商標であっても,使用 により自他商品識別力を獲得するに至った場合には,商標登録を受けることができ ることを規定している。 そして,立体的形状から成る商標が使用により自他商品識別力を獲得したかどう かは,1)当該商標の形状及び当該形状に類似した他の商品等の存否,2)当該商標が 使用された期間,商品の販売数量,広告宣伝がされた期間及び規模等の使用の事情 を総合考慮して判断すべきである。 なお,使用に係る商標ないし商品等の形状は,原則として,出願に係る商標と実 質的に同一であり,指定商品に属する商品であることを要するが,機能を維持する\nため又は新商品の販売のため,商品等の形状を変更することもあり得ることに照ら すと,使用に係る商品等の立体的形状が,出願に係る商標の形状と僅かな相違が存 在しても,なお,立体的形状が需要者の目につきやすく,強い印象を与えるもので あったか等を総合勘案した上で,立体的形状が独立して自他商品識別力を獲得する に至っているか否かを判断すべきである。
(2) 本願商標に係る商品の形状及び当該形状に類似した他の商品の存在
本願商標は,指定商品である杭の立体的形状に係るものであり,その形状は,(ア) 円柱状の中央部分から頭部と先端部に向けて,円錐状の絞り加工部分があり,(イ)頭 部側,先端部側ともに,絞り加工部分の途中に1本の外周線があり,(ウ)頭部側につ いては,外周線を越えた後も絞りは続くが,絞り切る前に,絞り加工部分より大径 のリング部分及びリング部分より小径の台形部分があり,これが頭部の末端となり, (エ)先端部についても,外周線を越えた後も絞りが続くが,絞り切る前に,絞り加工 部分より大径のリング部分及び絞りの線よりも鋭角の線による円錐部分があり,こ れが先端部の末端となるというものであるところ,前記1のとおり,円柱状の中央 部分(上記(ア)),頭部の末端の台形部分(上記(ウ)),先端部の末端の円錐部分(上 記(エ))から成る杭は,他にも市販されている。また,上記(ア),(ウ),(エ)の頭部と 先端部に向けた絞り加工や,上記(エ)の絞り加工より大径のリング部分,上記(イ)の 外周線も,機能又は美観に資することを目的とする形状と予\測し得る範囲のもので あって,本願商標は,杭の形状として通常採用されている範囲を大きく超えるもの とまではいえない。 さらに,本願商標と実質的に同一の形状から成る複数の杭が,第三者の取扱いに 係る商品として販売されていること,原告は,これに対して何らの権利行使も行っ ていないことも認められる(乙20〜22,弁論の全趣旨)。 したがって,原告商品の立体的形状自体が他の商品にない特徴的なものであると はいえない。
・・・・
以上のとおり,1)原告商品の立体的形状は,他の同種商品にはない特徴的なもの とはいえないこと,2)一定の販売実績を挙げてきたものの,そのシェアは不明であ り,実用新案権や意匠権が存在していたこと,原告商品の広告宣伝展示が継続して 行われたとしても,取引者,需要者は,併せ使用された「くい丸」の文字商標に注目 して自他商品の識別を行ってきたと認められること,これらの事情を総合すると, 原告商品の立体的形状が,文字商標から独立して,その形状のみにより自他商品識 別力を獲得するには至っていないというべきである。 したがって,本願商標は,使用をされた結果自他商品識別力を獲得し,商標法3 条2項により商標登録が認められるべきものということはできない。

◆判決本文

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平成27(行ケ)10003  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成27年7月16日  知的財産高等裁判所

 立体商標について、識別性無しとした審決が維持されました。3条2項の適用についても認められませんでした。判決文の最後に立体商標が挙げれられています。
 ア 本願商標は,別紙立体商標目録記載のとおり,球体を半球よりやや大き めに切断し,その半球状の平らな面(切断面)の中央部分に,切断面の円 の3分の1程度の大きさの円形のくぼみを有する立体的形状の全体を淡い ピンク色とした構成からなる立体的形状と色彩を結合した商標である。
イ 本願商標の指定商品中の「骨接合術用インプラント」に「人工股関節用 インプラント」が含まれることは争いがない。 証拠(甲9ないし11,乙1ないし9)及び弁論の全趣旨によれば,1) 股関節は,大腿骨の上端の球状の骨頭が骨盤のくぼみ(寛骨臼)にはまり 込むように接合して形成されていること,2)一般的な人工股関節用インプ ラントは,大腿骨の骨頭の役割を果たす「ヘッド」,ヘッドを受け止める 「インサート」,骨盤の寛骨臼にはめ込みインサートを支える「カップ」,ヘ ッドに差し込んで支える土台として大腿骨に埋め込む「ステム」から構成\nされていること,3)ヘッドは,カップ又はインサートの中で可動するため に半球状を呈し,球状部分の反対側の平らな面にはステムとつなぐための くぼみを有すること,4)市販されている人工股関節用インプラントのセラ ミック製のヘッドには,全体が単色の白色,ベージュ色等の色彩のものが あることが認められる。 上記認定事実によれば,本願商標の立体的形状と人工股関節用インプラ ントのヘッドの立体的形状とは,一部を平らにした半球状である点及び球 状部分の反対側にくぼみを有する点において共通するものであり,本願商 標の立体的形状は,人工股関節用インプラントを構成する「ヘッド」の一\n般的な立体的形状であることが認められる。 また,前掲証拠及び弁論の全趣旨によれば,人工股関節用インプラント は,大腿部頚部骨折,変形性股関節症等の股関節疾患の治療を目的とした 人工股関節置換術に用いられる商品であって,人の体内に埋め込んで使用 されるものであること,その取引者,需要者は,整形外科の医療従事者又 はその関係者等であり,上記商品の取引に際しては,商品の形状・寸法が 患者の具体的な症状に適したものであるかどうか,生体適合性,耐摩耗 性,強度等の商品の材質の物性に着目するものであり,商品の色彩が着目 されることは通常ないものと認められる。 そうすると,本件審決がされた平成26年8月28日の時点において,本 願商標は,その指定商品中の「骨接合術用インプラント」に含まれる人工 股関節用インプラントに使用された場合には,取引者,需要者である上記 医療従事者又はその関係者等によって,人工股関節用インプラントを構成\nする「ヘッド」の立体的形状を表示するものとして一般に認識されるもの\nであり,取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するもので\nあったものと認められるから,特定人によるその独占使用を認めるのは公 益上適当でないとともに,自他商品識別力を欠くものというべきである。 加えて,市販されている人工股関節用インプラントのセラミック製のヘ ッドには,全体が単色の白色,ベージュ色等の色彩のものがあることに照 らすと,本願商標の全体が淡いピンク色の構成であることは,表\示方法と して格別なものではなく,本願商標は,人工股関節用インプラントを構成\nする「ヘッド」の立体的形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみ\nからなるものと認められる。 以上によれば,本願商標は,商標法3条1項3号に該当するものと認め られる。
ウ 原告は,これに対し,本願商標は,人工股関節などに用いられるインプラ ントに共通の特徴を有しているとしても,「柔らかな球体のフォルムと,つ やつやとしたピンク色の半球体の形状」ゆえに,形状及び色彩に他に類する もののない特徴を有しており,市場で初めて本願商標に接した者は,「これ は一体なんだろう。」という素直な感想を持つと解するのが自然であるか ら,本願商標は,インプラントを立体的に表したものと容易に認識,把握さ\nせるにとどまらず,自他商品識別力を生来的に備えているから,本願商標が 商標法3条1項3号に該当するものとはいえない旨主張する。 しかしながら,前記イで述べたように,本願商標の図形は,人工股関節 用インプラントを構成する「ヘッド」の一般的な立体的形状であり,また,そ\nの図形の色彩が原告が主張するように「つやつやとしたピンク色」であると しても,人工股関節用インプラントの取引者,需要者である整形外科の医 療従事者又はその関係者等は,商品の形状・寸法が患者の具体的な症状に 適したものであるかどうか,生体適合性,耐摩耗性,強度等の商品の材質 の物性に着目するものであり,商品の色彩が着目されることは通常ないも のといえるから,本願商標が自他商品識別力を生来的に備えているものと認 めることはできない。

◆判決本文

◆関連事件です。平成27(行ケ)10002

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平成25(ワ)31446  商標権 民事訴訟 平成26年05月21日 東京地方裁判所 

 エルメスのバックの立体商標について商標権侵害が認定されました。不競法2条1項1,2号も認定されています。
 原告商標は立体商標であるところ,上記類否の判断基準は立体商標においても同様にあてはまるものと解すべきであるが,被告標章は一部に平面標章を含むため,主にその立体的形状に自他商品役務識別機能を有するという立体商標の特殊性に鑑み,その外観の類否判断の方法につき検討する。立体商標は,立体的形状又は立体的形状と平面標章との結合により構\成されるものであり,見る方向によって視覚に映る姿が異なるという特殊性を有し,実際に使用される場合において,一時にその全体の形状を視認することができないものであるから,これを考案するに際しては,看者がこれを観察する場合に主として視認するであろう一又は二以上の特定の方向(所定方向)を想定し,所定方向からこれを見たときに看者の視覚に映る姿の特徴によって商品又は役務の出所を識別することができるものとすることが通常であると考えられる。そうであれば,立体商標においては,その全体の形状のみならず,所定方向から見たときの看者の視覚に映る外観(印象)が自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たすことになるから,当該所定方向から見たときに視覚に映る姿が特定の平面商標と同一又は近似する場合には,原則として,当該立体商標と当該平面商標との間に外観類似の関係があるというべきであり,また,そのような所定方向が二方向以上ある場合には,いずれの所定方向から見たときの看者の視覚に映る姿にも,それぞれ独立に商品又は役務の出所識別機能\が付与されていることになるから,いずれか一方向の所定方向から見たときに視覚に映る姿が特定の平面商標と同一又は近似していればこのような外観類似の関係があるというべきであるが,およそ所定方向には当たらない方向から立体商標を見た場合に看者の視覚に映る姿は,このような外観類似に係る類否判断の要素とはならないものと解するのが相当である。そして,いずれの方向が所定方向であるかは,当該立体商標の構成態様に基づき,個別的,客観的に判断されるべき事柄であるというべきである。
(2) これを本件について検討するに,原告標章,被告標章はいずれも,内部に物を収納し,ハンドルを持って携帯するハンドバックに係るものであるから,ハンドルを持って携帯した際の下部が底面となり,この台形状の底面の短辺と接続し,ハンドルが取り付けられていない縦長の二等辺三角形の形状を有する面が側面となることはそれぞれ明らかである。そして,その余の面のうち,蓋部,固定具が表示されている大きな台形状の面が正面部に該当し,かつこの正面部には,その対面側に相当する背面部とは異なり,装飾的要素をも備えた蓋部,ベルト,固定具が表\示されており,ハンドルを持って携帯した際に携帯者側に向かって隠れる背面部とは異なって外部に向き,他者の注意を惹くものであるから,この正面部は,少なくとも所定方向の一つに該当するものと解される。これは,被告の開設したインターネットショッピングサイトにおいて,いずれもこの正面部を含む写真が表示されていることのほか,各商品の紹介においては,全てこの正面部のみが表\示されていることも,正面部が所定方向であることを裏付けるものであるということができる。〔甲1〕そして,この正面部から観察した場合,原告標章と被告標章とは,本体正面の形状において底辺がやや長い台形状であり,上部に,略凸状となるように両サイドに切り込みを有し,横方向に略三等分する位置に鍵穴状の縦方向の切込みを二箇所有する蓋部が表示されていること,前記蓋部上に,前記略凸状の両サイドの切り込みから本体正面中央まで延在する左右一対のベルトが表\示されていること,前記蓋部の凸型部分と前記左右一対のベルトとを本体正面の上部中央にて同時に固定することができる位置に,先端にリング状を形成した固定具が表示されていること,前記鍵穴状の切込みの外側の位置において,前記蓋部の凸型部分と前記各ベルトとを同時に固定する左右一対の補助固定具が表\示されていること,上部に円弧状をなす一対のハンドルが表示され,前記正面側のハンドルは前記鍵穴状の切込みを通るように表\示されていること,以上の点においていずれも共通しており,原告標章と被告標章とは,所定方向である正面から見たときに視覚に映る姿が,少なくとも近似しているというべきであり,両者は外観類似の関係にあるということができる。被告標章は,原告標章では立体的構成とされている蓋部,左右一対のベルトとこれを固定する左右一対の補助固定具,先端にリング状を形成した固定具,ハンドルの下部(正面部と重なりベルト付近まで至る部分)について,これらの質感を立体的に表\現した写真を印刷して表面に貼\付した平面上の構成とされているところ,これを正面から見た場合に上記共通点に係る視覚的特徴を看取できるものというべきである。一方,上部及び側面方向から被告標章を観察した場合には,原告標章では立体的に表\現された上記蓋部等が立体的でないことは看て取れるものの,上部及び側面は,いずれも所定方向には該当せず,上記所定方向から観察した場合の外観の類否に影響するものではない。
(3) そして,原告商標ないし被告標章において,何らかの観念ないし称呼が生じ,これらが著しく相違するものとも認められない。
(4) 以上によれば,被告標章は原告商標と類似しているということができ,被告につき,過失の存在の推定を覆すに足る事情も認められない(商標法39条,特許法103条)。
(5) この点に関して被告は,被告各商品につき,そのデザインは写真として似ているかもしれないが,素材や価格などで明確に区別できる等と主張するが,本件全証拠によっても,上記所定方向である正面から観察した場合に,被告標章が原告標章と類似するとの判断を覆すに足る事実は何ら認めることができないし,商品の出所の誤認混同をきたすおそれがないものとも認められない。

◆判決本文

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平成24(行ケ)10346 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年06月27日 知的財産高等裁判所

 立体商標について識別性なし、使用による顕著性無しとした審決が維持されました。
 しかしながら,他のジョイントボックスの形状等を見ても,電気配線の結合部分を覆うためにボックス部分の形状が円筒形のものが多く,より詳細に観察した際には,上部に向かってやや広がっていき,最上端部には縁部が設けられているものが多数存在し,色は透明なものがある上に,本体のカバー部分内部は,結線束を入れるために空洞となっており,本体の上面縁部には,本体を造営材(固定できる部材)に固定するための固定孔が設けられ,本体下方には,汚水の排水用の突起部が存在することは,ジョイントボックスにとって一般的に採用された極めてありふれた形状であるといえる(甲1ないし7,乙1ないし5)。開口部の弁についても,使用商品にのみ取り付けられているわけではなく,他にもワンタッチでかぶせるジョイントボックスが実際に存在するから(乙4。ただし,弁は2枚である。もっとも,使用商品同様に位置としては開口部に有する。),本願商標の弁自体は機能に資する目的のための形状であるといってよい。弁自体は,電気配線の結束部分にかぶせることによって配線の結束部分が弁体を通過し,弁体が戻ろうとする働きによりジョイントボックスが固定されるという,正に機能\に資するための形状にほかならないのであって,当該形状は商品の機能向上の観点から選択されたものであり,機能\について特許を受けるのは別として,自他商品を識別するための標識としては認識し得ないものというべきである。本願商標の弁体の並びがグレープフルーツを切断したような形状を有している点も,結線束を保護するためにカバー内に固定するという機能を果たすために弁がカバー全体にわたって整然と並んでいるにすぎず,機能\に資する目的の形状であることを超えるものではない。とりわけ,結線束をカバー内に収納した後はジョイントボックスの円筒部分を上向きにして使用することが一般的であることをふまえると,設置後に特別な印象を与えるものとはいえない。審決の上記判断に誤りはなく,この判断を前提にして本願商標は法3条1項3号に該当するとした審決の判断にも誤りはない。この誤りをいう取消事由1は理由がない。
・・・
エ 使用商品の販売数量及び販売金額は,平成8年度は455万個で約7700万円に始まり,最も多いときは,平成16年度ないし平成18年度は約920万個で約1億5700万円であって,平成23年度は約675万個で約1億4800万円である(甲9,40,44)。5 使用商品の販売数量については,上記認定事実のとおり,それ相当の数量が製造,販売されていることは認められるものの,業界におけるジョイントボックスに相当する商品の総販売数量についての立証がないので,使用商品の市場シェアは明らかであるとはいえない。この点につき,原告は,木造住宅一戸当たり平均20個のジョイントボックスが使用されるとの前提で,電気事業者の証言書を提出し(甲53ないし57),使用商品は主に木造住宅に使用されると述べ,これを国土交通省資料による木造住宅着工数(平成22年度であれば46万4140戸)を基礎数値として算出すれば,使用商品の市場シェアは70%以上になるし(甲9,40),仮に誤差が±20%あったとしても市場シェアは50%を下らないことは明白であると主張する。しかしながら,使用商品に係るリーフレット(甲1,2)ですら,主たる用途が木造住宅用とは記されておらず,むしろ,雑誌の記事(甲17)には「ジョイントボックスは,木造,鉄骨住宅などの電気工事において,・・・結線部分を絶縁するときに使う。」との記載があるし,また,原告のウェブサイト(乙12)にある「よくある質問」の中にも,「Q:ナイスハットHタイプとMタイプどう違いますか?」(判決注:ナイスハットHタイプは,甲1のとおり,使用商品である。)との質問に対し,「A:Hタイプは主に木造住宅用。Mタイプは主に鉄筋・鉄骨の二重天井の先行配線用に開発しましたが,用途は同じですので状況に応じて選んで下さい。」との回答があり,これらのことからすれば,使用商品の開発時の意図はともかくとして,実際に使用される使用商品の用途が木造住宅用に限定されるものでないことは明らかである。原告は,主として木造住宅に利用されていると主張しているが,原告作成の納入実績表(甲10)の中には,工場,官庁の合同庁舎,学校,ビル,病院,ごみ焼却場といったように,明らかに木造とは考えられず,鉄筋造りでしかも巨大な建造物も含まれているのであって,鉄筋造りの建造物用を除外して市場占有率を算定することについては疑問がある。そして,鉄筋造りの巨大な建造物には大量のジョイントボックスが使用されることが想定されるから,この場合には,原告が主張するように市場占有率の誤差が10%や20%にとどまらず,原告商品の市場占有率の数値がかなり小さくなることが十\分考えられる。そうすると,需要者が本願商標につき原告商品との認識を持つことが可能という法3条2項の要件を充足することは困難である。\n

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平成22(行ケ)10253等 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年06月29日 知的財産高等裁判所 

 立体商標について、3条1項3号の該当性については審決の判断を肯定しましたが、3条2項の該当性については、使用による特別顕著性を取得していたと判断し、拒絶審決を取り消しました。
 そこで,本願商標が,商標法3条2項に該当するか否かについて,検討する。立体的形状からなる商標が使用により自他商品識別力を獲得したかどうかは,当該商標ないし商品等の形状,使用開始時期及び使用期間,使用地域,商品の販売数量,広告宣伝のされた期間・地域及び規模,当該形状に類似した他の商品等の存否などの諸事情を総合考慮して判断するのが相当である。そして,使用に係る商標ないし商品等の形状は,原則として,出願に係る商標と実質的に同一であり,指定商品に属する商品であることを要するというべきである。もっとも,商品等は,その製造,販売等を継続するに当たって,技術の進歩や社会環境,取引慣行の変化等に応じて,品質や機能を維持するために形状を変更することが通常であることに照らすならば,使用に係る商品等の立体的形状において,ごく僅かに形状変更がされたことや,材質ないし色彩に変化があったことによって,直ちに,使用に係る商標ないし商品等が自他商品識別力を獲得し得ないとするのは妥当ではなく,使用に係る商標ないし商品等にごく僅かな形状の相違,材質ないし色彩の変化が存在してもなお,立体的形状が需要者の目につき易く,強い印象を与えるものであったかなどを総合勘案した上で,立体的形状が独立して自他商品識別力を獲得するに至っているか否かを判断すべきである。・・・・上記に挙げた事実及び前記1(2)アの事実に照らすと,i)原告製品は,背もたれ上部の笠木と肘掛け部が一体となった,ほぼ半円形に形成された一本の曲げ木が用いられていること,座面が細い紐類で編み込まれていること,上記笠木兼肘掛け部を,後部で支える「背板」(背もたれ部)は,「Y」字様又は「V」字様の形状からなること,後脚は,座部より更に上方に延伸して,「S」字を長く伸ばしたような形状からなること等,特徴的な形状を有していること,ii)1950年(日本国内では昭和37年)に販売が開始されて以来,ほぼ同一の形状を維持しており,長期間にわたって,雑誌等の記事で紹介され,広告宣伝等が行われ,多数の商品が販売されたこと,iii)その結果,需要者において,本願商標ないし原告製品の形状の特徴の故に,何人の業務に係る商品であるかを,認識,理解することができる状態となったものと認めるのが相当である。

◆判決本文

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平成22(行ケ)10366 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年04月21日 知的財産高等裁判所

 立体商標について、3条2項により識別性を取得したとして、拒絶した審決が取り消されました。
 上記のとおり,本願商標の容器部分が女性の身体の形状をモチーフにしており,女性の胸部に該当する部分に2つの突起を有し,そこから腹部に該当する部分にかけてくびれを有し,そこから下部にかけて,なだらかに膨らみを有した形状の容器は,他に見当たらない特異性を有することからすると,本願商標の立体的形状は,需要者の目につきやすく,強い印象を与えるものであって,平成6年以降15年以上にわたって販売され,香水専門誌やファッション雑誌等に掲載されて使用をされてきたことに照らすと,本願商標の立体的形状が独立して自他商品識別力を獲得するに至っており,香水等の取引者・需要者がこれをみれば,原告の販売に係る香水等であることを識別することができるといって差し支えない。以上の諸事情を総合すれば,本願商標は,指定商品に使用された場合,原告の販売に係る商品であることを認識することができ,商標法3条2項の要件を充足するというべきである。・・・被告は,本願商標に係る香水の販売地や販売地域,販売数量や宣伝広告費が不明で,市場占有率も高くないから,香水の一般的な需要者が,本願商標が,原告の出所に係る商品であると認識し得るものではないと主張する。しかしながら,販売地域,販売数量や宣伝広告費等が明らかにされることが望ましいものの,それらが必ずしも明らかではないとしても,その形状の特徴から自他商品識別力を獲得することはあり得るし,香水は安価な日用品とは異なるものであり,香水専門誌やファッション雑誌等による宣伝広告をみた需要者は,その特徴的な容器の形状から,原告の出所に係る商品であることを認識し得るということができる。

◆判決本文

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平成22(行ケ)10406 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成23年04月21日 知的財産高等裁判所

 立体商標について、識別性無しとして拒絶した審決が維持されました。
 商品及び商品の包装の形状は,多くの場合,商品等に期待される機能をより効果的に発揮させたり,商品等の美感をより優れたものとする等の目的で選択されるものであって,直ちに商品の出所を表\示し,自他商品を識別する標識として用いられるものではない。このように,商品等の製造者,供給者の観点からすれば,商品等の形状は,多くの場合,それ自体において出所表示機能\ないし自他商品識別機能を有するもの,すなわち,商標としての機能\を果たすものとして採用するものとはいえない。また,商品等の形状を見る需要者の観点からしても,商品等の形状は,文字,図形,記号等により平面的に表示される標章とは異なり,商品の機能\や美感を際立たせるために選択されたものと認識するのであって,商品等の出所を表示し,自他商品を識別するために選択されたものと認識する場合は多くない。そうすると,客観的に見て,商品等の機能\又は美感に資することを目的として採用されると認められる商品等の形状は,特段の事情のない限り,商品等の形状を普通に用いられる方法で使用する標章のみからなる商標として,商標法3条1項3号に該当することになる。また,商品等の機能又は美感に資することを目的とする形状は,同種の商品等に関与する者が当該形状を使用することを欲するものであるから,先に商標出願したことのみを理由として当該形状を特定人に独占使用を認めることは,公益上適当でない。よって,当該商品の用途,性質等に基づく制約の下で,同種の商品等について,機能\又は美感に資することを目的とする形状の選択であると予測し得る範囲のものであれば,当該形状が特徴を有していたとしても,同号に該当するものというべきである。\n

◆判決本文

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平成22(行ケ)10169 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成22年11月16日 知的財産高等裁判所

 ヤクルトの容器について立体商標としての識別性が争われた事件で、知財高裁は識別性ありとして審決を取り消しました。
 以上によれば,本件容器を使用した原告商品は,本願商標と同一の乳酸菌飲料であり,また同商品は,昭和43年に販売が開始されて以来,驚異的な販売実績と市場占有率とを有し,毎年巨額の宣伝広告費が費やされ,特に,本件容器の立体的形状を需要者に強く印象付ける広告方法が採られ,発売開始以来40年以上も容器の形状を変更することなく販売が継続され,その間,本件容器と類似の形状を有する数多くの乳酸菌飲料が市場に出回っているにもかかわらず,最近のアンケート調査においても,98%以上の需要者が本件容器を見て「ヤクルト」を想起すると回答している点等を総合勘案すれば,平成20年9月3日に出願された本願商標については,審決がなされた平成22年4月12日の時点では,本件容器の立体的形状は,需要者によって原告商品を他社商品との間で識別する指標として認識されていたというべきである。そして,原告商品に使用されている本件容器には,前記のとおり,赤色若しくは青色の図柄や原告の著名な商標である「ヤクルト」の文字商標が大きく記載されているが,上記のとおり,平成20年及び同21年の各アンケート調査によれば,本件容器の立体的形状のみを提示された回答者のほとんどが原告商品「ヤクルト」を想起すると回答していること,容器に記載された商品名が明らかに異なるにもかかわらず,本件容器の立体的形状と酷似する商品を「ヤクルトのそっくりさん」と認識している需要者が存在していること等からすれば,本件容器の立体的形状は,本件容器に付された平面商標や図柄と同等あるいはそれ以上に需要者の目に付きやすく,需要者に強い印象を与えるものと認められるから,本件容器の立体的形状はそれ自体独立して自他商品識別力を獲得していると認めるのが相当である。

◆判決本文

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◆平成19(行ケ)10293 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年06月30日 知的財産高等裁判所

  立体商標について、識別性なし(3条1項3号)とした審決を取り消しました。
  「本願商標においては,車えび,扇形の貝殻,竜の落とし子及びムラサキイガイの4種の図柄を向って左側から順次配列し,さらにこれらの図柄をマーブル模様をしたチョコレートで立体的に模した形状からなるのであり,このような4種の図柄の選択・組合せ及び配列の順序並びにマーブル色の色彩が結合している点において本願商標に係る標章は新規であり,本件全証拠を検討してもこれと同一ないし類似した標章の存在を認めることはできない。そして,これらの結合によって形成される本願商標が与える総合的な印象は,本願商標が付された前記のシーシェルバーを購入したチョコレート菓子の需要者である一般消費者において,チョコレート菓子の次回の購入を検討する際に,本願商標に係る指定商品の購入ないしは非購入を決定する上での標識とするに足りる程度に十分特徴的であるといえ,本件全証拠を検討しても本願商標に係る標章が「一般的に使用される標章」であると認めるに足りる証拠はないし,本願商標が「商標としての機能を果たし得ないもの」であると認めるに足りる証拠もない。
  オ 被告は,商品等の形状は,基本的に識別標章たり得ないし,商品等の形状には選択し得る形状に一定の幅があるのが通常であり,・・・商品等の形状そのものからなる立体商標は,それが商品等の形状として一般に採用し得る範囲内のものと認識される限りにおいては,多少特異なものであっても,選択し得る形状の一つと理解されるにとどまるのであって,商品等の機能又は美感と関係のない特異な形状以外は,「商品等の形状を普通に用いられる方法で表\示する標章のみからなる商標」に当たると主張する。・・・しかしながら,商品の形状は,取引者・需要者の視覚に直接訴えるものであり,需要者は,多くの場合,まず当該商品の形状を見て商品の選択・選別を開始することは経験則上明らかであるところ,商品の製造・販売業者においては,当該商品の機能等から生ずる制約の中で,美感等の向上を図ると同時に,その採用した形状を手掛かりとして当該商品の次回以降の購入等に結び付ける自他商品識別力を有するものとするべく商品形体に創意工夫を凝らしていることもまた周知のところであるから,一概に商品の形体であるがゆえに自他商品識別力がないと断ずることは相当とはいえないものである。これをチョコレート菓子についてみると,前記のとおり,チョコレート菓子の選別においては,多くの場合,第一次的には味が最も重要な要素であるといえるが,同時にその嗜好品としての特質からチョコレート菓子自体の形体も外形からチョコレート菓子の識別を可能\ならしめるものとして取引者・需要者の注目を引くものと見ることができるのであり,このことはチョコレート菓子の形体に板状タイプ,立体形状タイプ,立体装飾タイプなどがあり,各製造業者が様々な立体模様等を採用して独自色を創出しようとしていることからも容易に窺うことができるところであり,ここにおいてはチョコレート菓子の外形,すなわち形体が,美感等の向上という第一次的要求に加え,再度の需要喚起を図るための自他商品識別力の付与の観点をも併せ持っているものと容易に推認することができるのである。このように見てくると,嗜好品であるチョコレート菓子の需要者は,自己が購入したチョコレート菓子の味とその形体が他の同種商品と識別可能な程度に特徴的であればその特徴的形体を一つの手掛かりにし,次回以降の購入時における商品選択の基準とすることができるし,現にそのようにしているものと推認することができるのであるから,その立体形状が「選択し得る形状の一つと理解される限り識別力はない」とする被告の主張は,取引の実情を捨象する過度に抽象化した議論であり,にわかに採用し難いところである。」

◆平成19(行ケ)10293 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年06月30日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10215 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年05月29日 知的財産高等裁判所

 コカコーラの瓶の形状について立体商標における使用による識別性は認めらないとした審決が取り消されました。
  「リターナブル瓶とほぼ同じ形状の瓶を使用した原告商品は,既に,1916年(大正5年)に,アメリカで販売が開始され,開始当時から,その瓶の形状がユニークかつ特徴的であるとして評判になったこと,そして,我が国では,リターナブル瓶入りの原告商品は,昭和32年に販売が開始されて以来,その形状は変更されず,一貫して同一の形状を備えてきたこと(イ) リターナブル瓶入りの原告商品の販売数量は,販売開始以来,驚異的な実績を上げ,特に,昭和46年には,23億8000万余本もの売上げを記録したが,その後,缶入り商品やペットボトル入り商品の販売比率が高まるにつれて,売上げは減少しているものの,なお,年間9600万本が販売されてきたこと(ウ) リターナブル瓶入りの原告商品を含めた宣伝広告は,いわゆる媒体費用だけでも,平成9年以降年間平均30億円もの金額が投じられ,テレビ,新聞,雑誌等において,リターナブル瓶入りの原告商品の形状が需要者に印象づけられるような態様で,広告が実施されてきたこと特に,缶入り商品やペットボトル入り商品の販売が開始され,その販売比率が高まってから後は,リターナブル瓶入りの原告商品の形状を原告の販売に係るコーラ飲料の出所識別表示として機能\させるよう,その形状を意識的に広告媒体に放映,掲載等させていること(エ) 本願商標と同一の立体的形状の無色容器を示された調査結果において,6割から8割の回答者が,その商品名を「コカ・コーラ」と回答していること(オ) リターナブル瓶の形状については,相当数の専門家が自他商品識別力を有する典型例として指摘していること,また,リターナブル瓶入りの原告商品の形状に関連する歴史,エピソード,形状の特異性等を解説した書籍が,数多く出版されてきたこ(カ) 本願商標の立体的形状の本願商標の特徴点aないしfを兼ね備えた清涼飲料水の容器を用いた商品で,市場に流通するものは存在しないこと,また,原告は,第三者が,リターナブル瓶と類似する形状の容器を使用したり,リターナブル瓶の特徴を備えた容器を描いた図柄を使用する事実を発見した際は,直ちに厳格な姿勢で臨み,その使用を中止させてきたこと(キ) リターナブル瓶入りの原告商品の形状は,それ自体が「ブランド・シンボル」として認識されるようになっていること以上の事実によれば,リターナブル瓶入りの原告商品は,昭和32年に,我が国での販売が開始されて以来,驚異的な販売実績を残しその形状を変更することなく,長期間にわたり販売が続けられ,その形状の特徴を印象付ける広告宣伝が積み重ねられたため,遅くとも審決時(平成19年2月6日)までには,リターナブル瓶入りの原告商品の立体的形状は,需要者において,他社商品とを区別する指標として認識されるに至ったものと認めるのが相当である。」

◆平成19(行ケ)10215 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成20年05月29日 知的財産高等裁判所

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◆平成17(行ケ)10673 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成18年11月29日 知的財産高等裁判所

 使用による特別顕著性(商標法3条2項)が認められて登録された立体商標について3条2項の規定を具備していないとして無効審判が提起されました。審決は無効理由なしと判断しましたが、知財高裁はこれを取り消しました。
 特許法180条の2の規定(特許庁長官の意見の聴取)を言及した判決は初めてです。
  「以上のア〜ウによれば,被告の直営店舗の多くは九州北部,関東地方等に所在し,必ずしも日本全国にあまねく店舗が存在するものではなく,また,菓子「ひよ子」の販売形態や広告宣伝状況は,需要者が文字商標「ひよ子」に注目するような形態で行われているものであり,さらに,本件立体商標に係る鳥の形状と極めて類似した菓子が日本全国に多数存在し,その形状は和菓子としてありふれたものとの評価を免れないから,上記「ひよ子」の売上高の大きさ,広告宣伝等の頻繁さをもってしても,文字商標「ひよ子」についてはともかく,本件立体商標自体については,いまだ全国的な周知性を獲得するに至っていないものというべきである。したがって,本件立体商標が使用された結果,登録審決時において,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができたと認めることはできず,本件立体商標は,いわゆる「自他商品識別力」(特別顕著性)の獲得がなされていないものとして,法3条2項の「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」との要件を満たさないというほかない。・・・当裁判所の上記判断は,同種の形状の菓子が多数存在することのみで本件立体商標が自他商品識別力を欠くとしたものではなく,同種の形状の菓子の数,全国への分布度,その販売期間,販売規模等をも考慮して検討したものであり,また,鳥の形状を有する和菓子が伝統的に存在することにも照らし,鳥の形状が菓子として特徴的なものとはいえないこと,被告の菓子「ひよ子」の販売,広告宣伝において,菓子「ひよ子」の形状が単独で用いられているといえるものは見当たらないことをも考慮した上で,かかる状況においては,本件立体商標については全国的な周知性を獲得するに至っていないとしたものである。そして,被告に本件立体商標の使用を独占させることが,特徴的なものといえない形状につき,一定の販売期間,販売規模を有する業者を含め多数の業者のかかる形状の使用を排除する結果を招来することにも鑑みると,公益上望ましいとは言い得ないことは明らかと言わざるを得ない。これらに鑑みると,使用による出所識別力を否定できる場合が,被告のいうような事実の主張立証があった場合に限られると解さなければならない理由はないから,被告の上記主張は採用することができない。」

◆平成17(行ケ)10673 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成18年11月29日 知的財産高等裁判所

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◆H15.10.15 東京高裁 平成15(行ケ)102 商標権 行政訴訟事件

商品又は商品の包装の形状にかかる立体商標について、識別性があるかについて判断されました。審決、判決とも否定しました。
 判決は、「商品等の形状は、本来、当該商品の機能を保持するための一定の制約を受けながらも、その機能\をより一層効果的に発揮させるため、あるいは、看者に及ぼす美感をより一層高めるために採択されるものであり、商品の出所を表示したり、自他商品を識別する標識としての役割を担うものではないところ、当該商品の取引者・需要者も同様の認識を有するものというべきである。したがって、商品等の形状は、商品等の通常の機能\又は美感と関わりがなく、これを普通に用いられる方法で表示するものではない特異な形状あるいは装飾的な形状であると認められる場合に限り、自他商品の識別標識となり得るものと解すべきである。また、商品等の形状を普通に用いられる方法で表\示するのみであって、通常の機能又は美感とは関わりのない特異な形状あるいは装飾的な形状ではない商品等の形状についてまで、特定人にその独占的使用を認め、更新を続ける限り永続的に保護を及ぼすことは、公益にも反するものといわなければならない。」と述べました。 

      

◆H15.10.15 東京高裁 平成15(行ケ)102 商標権 行政訴訟事件

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◆H15. 8.29 東京高裁 平成14(行ケ)581 商標権 行政訴訟事件

ウイスキーの瓶の形状が立体商標として識別性を有しているかが争われました。
裁判所は、3条1項3号の記述的商標に該当すると判断し、さらに、3条2項の使用による識別性も認めませんでした。理由は、「使用に係る商標と同一でない」というものです。具体的には、以下のように述べました。「本願商標と使用に係る本件ウイスキー瓶とは,その立体的形状は同一と認められる範囲内のものであると認められるものの,両者は,立体的形状よりも看者の注意をひく程度が著しく強く商品の自他商品識別力が強い平面標章部分の有無において異なっているから,全体的な構成を比較対照すると,同一性を有しないというべきである。」

 

◆H15. 8.29 東京高裁 平成14(行ケ)581 商標権 行政訴訟事件

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