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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

間接侵害

最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、裁判所がおもしろそうな(?)意見を述べている判例を集めてみました。
内容的には詳細に検討していませんので、詳細に検討してみると、検討に値しない案件の可能性があります。
日付はアップロードした日です。

平成24(ネ)10092 特許権侵害差止等請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成25年04月11日 知的財産高等裁判所 

 間接侵害(特許法101条1号)について、専用品であるとの1審認定が維持されました。また、被告の無効主張は、時期に後れた抗弁としての却下はせず、採用したものの、最終的には無効理由無しと判断しました。
 第1審被告は,本件回転板が被告装置のために必須であるからといって,必ずしも本件発明を実施しないで使うことが使用形態として認められないというわけではなく,本件プレート板を使用しない形態が被告装置の経済的,商業的又は実用的な使用形態と認めることはできないとした原判決の認定は,事実を無視したものである,特許法101条1号は,他の用途がないことを要件とするものであって,「全く使用しないという使用形態」が要件となるわけではないし,本件プレート板を使用するか否かは,ユーザーの選択に委ねられているなどと主張する。しかしながら,特許法101条1号は,その物自体を利用して特許発明に係る物の生産にのみ用いる物についてこれを生産,譲渡等する行為を特許権侵害とみなすものであるところ,同号が,特許権を侵害するものとみなす行為の範囲を,「その物の生産にのみ用いる物」を生産,譲渡等する行為のみに限定したのは,そのような性質を有する物であれば,それが生産,譲渡等される場合には侵害行為を誘発する蓋然性が極めて高いことから,特許権の効力の不当な拡張とならない範囲でその効力の実効性を確保するという趣旨に基づくものであると考えられる。このような観点から考えれば,その物の生産に「のみ」用いる物とは,当該物に経済的,商業的又は実用的な他の用途がないことが必要であると解するのが相当である。そうすると,本件回転板及び本件プレート板は,本件発明における「共回り防止装置」の専用部品であると認められる以上,これらにおいて,経済的,商業的又は実用的な他の用途は認め難く,したがって,本件回転板及び本件プレート板は,「その物の生産にのみ用いる物」に当たるといわざるを得ない。したがって,被告装置が本件プレート板を用いないで使用することが可能であることは,本件回転板及び本件プレート板が被告装置の生産にのみ用いる物に該当するとの判断を左右するものではない。
・・・・
 アの認定事実によれば,原審において,第1審被告は,被告装置は本件発明の技術的範囲に属しないと考え,無効の抗弁を提出しなかったところ,その後,第1審被告の予想に反して損害論の審理が行われるに至ったため,無効の抗弁を提出しようとしたが,原審裁判所は時機に後れたものとしてこれを認めなかったものと認められる。ウ 第1審被告は,当審において無効の抗弁を提出し,無効理由として,1)特許法36条違反,2)乙38文献に記載された発明に基づく容易想到性,3)本件発明と乙3文献に記載された発明との同一性について主張するが,特許法36条違反については,本件明細書等の記載を速やかに検討すれば早期に主張が可能であったものといえること,乙3文献は,平成22年9月1日の原審第1回口頭弁論期日において書証として提出されており,また,乙38ないし40の各文献は,平成24年5月9日の原審第12回弁論準備手続期日において書証として提出されたものであること(なお,乙39文献は第1審被告の出願に係る公開特許公報である。)からすると,原審裁判所が時機に後れたものとして主張を許さなかった無効の抗弁を当審に至って提出することは,時機に後れたものというほかない。そして, 無効の抗弁の提出が時機に後れた理由は,本件発明の技術的範囲に属するか否かについて,自らの主張が正しいと信じていたというにすぎないというのであるから,第1審被告には重大な過失が認められるといわざるを得ない。しかしながら,当事者双方は無効の抗弁について主張立証の追加を求めず,当裁判所は,平成25年3月14日の当審第1回口頭弁論期日において,弁論を終結したものである以上,無効の抗弁の提出が「訴訟の完結を遅延させる」(民訴法157条1項)ものとは認められず,また,「審理を不当に遅延させることを目的として提出された」(特許法104条の3第2項)とまで認めることはできない。よって,第1審被告による無効の抗弁の提出は,時機に後れた攻撃防御方法の提出として,これを却下することはできない。

◆判決本文

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平成20(ワ)10819 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟 平成25年02月21日 大阪地方裁判所

 イ号製品は,本件特許発明2による課題の解決に不可欠なものとして、間接侵害が認められました。
 イ号製品は,「混合」を行うか否か(構成要件E及びF),「一時貯留ホッパー」を備えているか否か(構\成要件C)という点を除き,本件特許発明2の構成要件を充足している(被告は争うことを明らかにしない。)。そして,次のとおり,イ号製品は,本件特許発明2の装置生産に用いることができる。すなわち,イ号製品は,後記4−1のとおり,ロ号製品の一部(たとえば,ロ1−1・2号)として用いられる結果,本件特許発明2の構\成要件を充足すると認めることができる。また,前記1−1によると,イ号製品は,ロ号製品の構成をとらなくても,混合にも用いることが可能\な構成といえる。なお,このときでも,一時貯留ホッパー(本件特許発明2の構\成要件C)の具備が求められるが,イ号製品の延伸部(47)は,一時貯留ホッパーの用を果たしているということができるだけでなく,前記1−2のとおり,一時貯留ホッパーを延伸部に置き換えることによる均等侵害の要件についても,これを認めることができる。
(2)本件特許発明2の課題の解決に不可欠なものであることア「発明による課題の解決に不可欠なもの」とは,特許請求の範囲に記載された発明の構成要素(発明特定事項)とは異なる概念であり,当該発明の構\成要素以外の物であっても,物の生産や方法の使用に用いられる道具,原料なども含まれ得る。他方において,特許請求の範囲に記載された発明の構成要素であっても,その発明が解決しようとする課題とは無関係に従来から必要とされていたものは,「発明による課題の解決に不可欠なもの」には当たらない。すなわち,それを用いることにより初めて「発明の解決しようとする課題」が解決されるような部品,道具,原料等が「発明による課題の解決に不可欠なもの」に該当するものというべきである。換言すれば,従来技術の問題点を解決するための方法として,当該発明が新たに開示する,従来技術に見られない特徴的技術手段について,当該手段を特徴付けている特有の構\成ないし成分を直接もたらす,特徴的な部材,原料,道具等が,これに該当するものと解される。したがって,特許請求の範囲に記載された部材,成分等であっても,課題解決のために当該発明が新たに開示する特徴的技術手段を直接形成するものに当たらないものは,「発明による課題の解決に不可欠なもの」には当たらない
・・・・
紙イ号製品目録記載のとおり,イ号製品の構成eは,「横向き管(4B)より上側に,縦向き管(4A)内の樹脂材料のレベルを,該吸引空気源を停止している場合に計測するレベル計(70)が設けられている。」というものである。これは,本件特許発明2に係る上記「従来技術に見られない特徴的技術手段」と同一であるから,イ号製品は課題解決のために本件特許発明2が新たに開示する特徴的技術手段を直接形成するものに当たるというべきである。したがって,イ号製品は,本件特許発明2による課題の解決に不可欠なものであると認めることができる。
・・・
特許法101条2号所定の「日本国内において広く一般に流通しているもの」とは,典型的には,ねじ,釘,電球,トランジスター等のような,日本国内において広く普及している一般的な製品,すなわち,特注品ではなく,他の用途にも用いることができ,市場において一般に入手可能な状態にある規格品,普及品を意味するものと解するのが相当である。本件では,イ号製品の構\成(特に構成e)を備えたホッパーが,日本国内において広く普及している一般的な製品又は市場において一般に入手可能\な状態にある規格品,普及品であること(及びその裏付けとなる事実)を認めるに足りる主張立証はない。

◆判決本文

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平成23(ワ)19435等 特許権侵害行為差止等請求事件 特許権 民事訴訟 平成25年02月28日 東京地方裁判所

 被告の行為は間接侵害(特101条2号)に該当しない、と判断されました。
 以上の本件各明細書の発明の詳細な説明の記載によれば,2型糖尿病に対しては,個々の患者のそのときの症状に最も適した薬剤を選択する必要があるが,個々の薬剤の単独使用においては,症状により十分な効果が得られなかったり,投与量の増大や長期化により副作用が発現する等の問題があり,臨床の場でその選択が困難であったこと,本件各発明は,これを解決するために,インスリン感受性増強剤であり副作用のほとんどないピオグリタゾンと消化酵素を阻害して澱粉や蔗糖の消化を遅延させる作用を有するα−グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース,ボグリボース,ミグリトール),嫌気性解糖促進作用等を有するビグアナイド剤(フェンホルミン,メトホルミン,ブホルミン),膵β細胞からのインスリン分泌を促進するSU剤であるグリメピリドのいずれかとを組み合わせ,これにより,薬物の長期投与においても副作用が少なく,かつ多くの2型糖尿病患者に効果的な糖尿病の予\防や治療を可能にしたことが認められる。これによると,本件各発明が,個々の薬剤の単独使用における従来技術の問題点を解決するための方法として新たに開示したのは,ピオグリタゾンと本件各併用薬との特定の組合せであると認められる(ピオグリタゾンや本件各併用薬は,それ自体,本件各発明の国内優先権主張日より前から既に存在して2型糖尿病に用いられていたのであり,本件各発明がピオグリタゾンや本件各併用薬自体の構\成や成分等を新たに開示したということができないのは当然である。)。そうすると,ピオグリタゾン製剤である被告ら各製剤は,それ自体では,従来技術の問題点を解決するための方法として,本件各発明が新たに開示する,従来技術に見られない特徴的技術手段について,当該手段を特徴付けている特有の構成ないし成分を直接もたらすものに当たるということはできないから,本件各発明の課題の解決に不可欠なものであるとは認められない。
(4) 原告は,ピオグリタゾンが公知であったとしても,これが「その発明による課題の解決に不可欠なもの」に該当することを否定すべき理由はないし,ピオグリタゾンは,これを用いることによって本件各発明の課題を解決することができる重要な成分であり,ピオグリタゾンがなければ本件各併用薬との組合せという従来技術には見られない特徴的技術手段をもたらすことはできず,これを他の有効成分に置き換えることもできないから,当該手段を特徴付けている特有の成分に当たると主張する。しかしながら,本件各発明は,ピオグリタゾンと本件各併用薬という,いずれも既存の物質を組み合わせた新たな糖尿病予防・治療薬の発明であり,このような既存の部材の新たな組合せに係る発明において,当該発明に係る組合せではなく,単剤としてや,既存の組合せに用いる場合にまで,既存の部材が「その発明による課題の解決に不可欠なもの」に該当すると解するとすれば,当該発明に係る特許権の及ぶ範囲を不当に拡張する結果をもたらすとの非難を免れない。このような組合せに係る特許製品の発明においては,既存の部材自体は,その発明が解決しようとする課題とは無関係に従来から必要とされていたものに過ぎず,既存の部材が当該発明のためのものとして製造販売等がされているなど,特段の事情がない限り,既存の部材は,「その発明による課題の解決に不可欠なもの」に該当しないと解するのが相当である。被告ら各製剤の添付文書には,前記前提事実のとおり,【効能\・効果】,【用法・用量】欄に,食事療法と運動療法,又は,食事療法と運動療法に加え,本件各併用薬等を使用する治療で十分な効果が得られずインスリン抵抗性が推定される2型糖尿病に対して被告ら各製剤が効能\,効果を有することやそれらの場合における被告ら各製剤の用量や投与回数及び時期等についての記載があるほか,薬剤の併用投与の場合の注意事項等についての記載はあるが,本件各併用薬との併用投与を推奨するような記載や被告ら各製剤が本件各併用薬との組合せのためのものであるとの趣旨の記載はないから,添付文書の記載内容をもって,被告ら各製剤が本件各発明のためのものとして製造販売等されているということはできず,その他,特段の事情があることを認めるに足りる証拠はない。

◆判決本文

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平成23(ワ)4836 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟 平成25年01月17日 大阪地方裁判所

 使用方法を特定したクレームに基づく、特許権侵害が認定されました。
 前記(1)のとおり,被告各製品は,ジェル剤と顆粒剤のキットからなる化粧料であり,本件特許発明1の各構成要件を充足するが,被告各製品を購入した需要者は,上記2剤を混ぜ合わせて,自らジェル状の「部分肥満改善用化粧料」を調製し,生成することが予\定されており,それ以外の用途は考えられない。したがって,被告各製品を製造,販売する行為は,本件特許発明7に係る特許権の間接侵害に当たるといえる。また,上述のとおり,被告各製品の製造,販売は,本件特許発明7に係る特許権の間接侵害に当たるところ,後記(3)のとおり,被告各製品は,主に顔の部分肥満改善に使用されているので,被告各製品を製造,販売する行為は,本件特許発明8に係る特許権の間接侵害にも当たるといえる。
・・・
前記アの被告各製品に係る広告宣伝の内容からすれば,被告各製品は,小顔効果,顔やせ,部分痩せの効果を奏する化粧料として販売されていることが認められる。そうすると,被告各製品が本件各特許発明の「部分肥満改善用化粧料として使用される」という構成を文言上充足することは明らかである。被告らは,前記アの被告各製品に係る広告宣伝には関与していない旨主張する。しかしながら,上記各広告宣伝は,その体裁・内容自体からして真正に成立したものであると認めることができる(被告らも第三者の作成名義で真正に成立した文書であることについてまで争っているとは解されない。)。そして,被告各製品について上記のような類似した広告宣伝がされていることからすれば,被告らが,小売店等に対し,上記のような作用効果を奏する化粧料として被告各製品を販売していることは優に認められるものというべきである。\n

◆判決本文

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平成23(ワ)24355  特許権 民事訴訟 平成24年10月30日 東京地方裁判所

 技術的範囲に属する、間接侵害を構成する、無効理由無しとして、差止請求のみの請求が認められました。経緯は以下の通りです。無効審判請求に対して、訂正請求がなされ、審判では無効と判断されました(第1次審決)。取消訴訟が提起され、知財高裁はこれを取り消した。差し戻し後、無効理由無しとした審決がなされました。
 本件訂正発明1の特許請求の範囲(本件訂正後の請求項1)の記載中には,「前記受光手段に投光するための光を発光する前記発光部」との記載があり,「発光部」が発光する「光」は,「受光手段に投光するための光」であると規定しているが,この「光」を特定の領域の波長に限定したり,可視光に限定する旨の文言は存在しない。加えて,甲18(岩波理化学辞典(第5版))に,「光」は,「可視光線に限定することもあるが,ふつうは紫外線,赤外線をあわせ波長が約1nm〜1mmの範囲にある電磁波を光とよぶ。」との記載があること,本件訂正明細書(甲24)の「発明の詳細な説明」中には,本件訂正後の請求項1の「光」の用語を定義する記載や,この用語を普通の意味とは異なる特定の意味で使用することを説明した記載がないことに照らすならば,本件訂正後の請求項1の「光」は,その文理上,可視光に限定されるものではなく,赤外線を含むものと解される。
b 次に,本件訂正後の請求項1の文言,前記(イ)の本件訂正明細書の「発明な詳細の説明」の記載事項及び各図面を総合すれば,本件訂正明細書には,i)従来,キャリッジに複数のインクタンクを搭載して使用する記憶装置としてのプリンタにおいては,インクタンクの誤装着を防止するために搭載位置を特定する構成として,インク色に対応するインクタンクの搭載位置を定めた上,搭載部とインクタンクが係合する相互の形状を搭載位置ごとに異ならせ,他のインク色のインクタンクが装着できないようにする構\\成や,インクタンクの電気接点とキャリッジ等の搭載位置における本体側の電気接点とが接続して形成される回路の信号線を,搭載位置ごとに個別のものとし,この個別の信号線を用いてインクタンクからインク色情報を読み出し,インクタンクが正しい位置に装着されているか否かを検出する構成が提案されていたが,これらの構\\成では,インク色ごとに異なる形状のインクタンクを製造したり,信号線の配線数を増す必要があり,コスト増の要因となるなどの課題があったこと,ii)一方で,信号線の配線数を削減するための配線方式としては,複数のインクタンクと記録装置との間に共通の信号配線を用いる共通バス接続方式が有効であるが,共通バス接続方式を採用した場合,全てのインクタンクからの信号が共通の信号配線で送信されてくるため,インクタンクからの信号を受信しただけでは当該インクタンクがキャリッジ内に装着されていることを検出することはできても,その搭載位置を特定することができず,それが正しい搭載位置に装着されているか否かを検出できないという課題があったこと,iii)本件訂正発明1は,共通バス接続方式を採用しながらも,各インクタンクがインク色に応じてキャリッジの所定の位置に正しく装着されているか否かを検出することを目的とし,上記課題を解決するための手段として,キャリッジに搭載された複数のインクタンクにそれぞれのインク色情報を保持可能な情報部と,本体側の記憶装置に設けられた受光部に投光するための光を発光する発光部と,その発光を制御する制御部とを設け,インクタンクが受光部に対向する位置で発光する場合には受光部が受光できるようにし,キャリッジを相対移動させることにより,所定の位置で各インクタンクと受光部とを対向させ,本来装着されるべき位置のインク色のインクタンクを順次発光させ,受光部が受光できたときは当該インク色のインクタンクが本来の正しい搭載位置に装着されていると判断し,受光部が受光できなかったときは受光部に対向する位置には誤ったインク色のインクタンクが装着されていると判断するという「光照合処理」(前記(イ)i)の方法を採用することにより,共通バス接続方式を採用しつつインクタンクの装着位置の誤りを検出するという作用効果を奏するようにした点に技術的意義があることが開示されているものと認められる。そして,上記「光照合処理」は,インクタンクの発光部が発する光が赤外線であっても行うことができること(甲3ないし12)からすると,本件訂正発明1の上記技術的意義に鑑みても,本件訂正発明1の「光」から赤外線を除外すべき理由はない。

◆判決本文

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平成21(ワ)3527等 特許権侵害差止請求事件 特許権 民事訴訟 平成22年06月24日 東京地方裁判所

 少し前の事件ですが、最高裁で上告棄却され、確定しましたのでアップしておきます。
 インクタンクの販売が、本件液体インク供給システムの特許権侵害か争われました。 争点は、技術的範囲、無効、間接侵害等です。
 特許法101条2号所定の「日本国内において広く一般に流通しているもの」とは,より広い用途を有するねじや釘のような普及品を想定して制定されたものである。原告製プリンタにしか使用することができない被告製品2は,発光と受光という本件発明の特徴的機能を有しない機種計67機種の他の原告製プリンタにも使用することができるとしても,汎用品ということは到底できず,「日本国内において広く一般に流通しているもの」とは認められない。上記「日本国内において広く一般に流通しているもの」とは,汎用の部品や材料が,特許発明の侵害する製品の製造に用いられたとしても,間接侵害とならないように設けられた規定であり,被告製インクタンクは,原告製プリンタ専用のインクタンクであるから,到底,汎用の部品とはいえない。したがって,被告製品2は,「日本国内において広く一般に流通しているもの」とは認められない。\n

◆判決本文

◆控訴審はこちらです。平成22年(ネ)10064
 

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平成20(ワ)33440 特許権侵害差止等請求事件 平成23年07月12日 東京地方裁判所

 CS関連発明について、技術的範囲外と認定されました。間接侵害はイ号ソフトをインストールしたサーバが技術的範囲外である以上、これについても否定されました。
 そして,本件発明の特許請求の範囲(請求項1)の記載と上記認定の本件明細書の開示事項を総合すれば,本件発明のデータ入力装置においては,部品表データベースに登録された部品表\を検索キーとし,「画面表示手段」(構\成要件D)によって上記部品表に示された製品の各部位を示す項目を階層関係に従って画面に表\示すること,「項目指示手段」(構成要件E)によって上記画面上の任意の項目を指示すること,「入力処理手段」(構\成要件F)によって上記指示のあった指示項目に対して登録する情報を所定の記憶領域に入力すること,「リンク設定手段」(構成要件G)によって上記入力された情報(登録する情報)に対して上記指示項目及びこれを含む上位の階層関係の項目をリンクさせる情報を付すこと,「メニュー表\示手段」(構成要件H)によって上記指示項目に対して入力する情報の用途別の種類が表\示されたメニューを画面に表示すること,「情報種類設定手段」(構\成要件I)によって上記メニューに表示された情報種類を選択することで,その選択された情報種類を,上記入力された情報(登録する情報)(本来の情報)に対して関連付けること,「情報登録手段」(構\成要件J)によって上記入力された情報(登録する情報)と,上記リンクさせる情報と,上記情報種類の情報とをデータベースサーバに送ってそのサーバ内の統合データベースに登録することを「一連の動作」として行うことができるようにしたことで,データ入力の負担を極力抑えて,各現場で発生する各種情報を誰でもが簡易に入力することができるようにするとともに,入力した情報を簡易に検索して利用できるようにしたことに技術的意義があるものと認められる。・・・そこで検討するに,ネットワーク接続したイ号サーバシステムは,前記(1)イのとおり,部品に関する情報がイ号サーバシステムとは別の複数の既存システムに保持されたまま各既存システムで個別管理され,かつ,その情報の入力・登録も各既存システムが有する入力手段・登録手段によって行われることを前提とし,これらの既存システムに保持された部品に関する情報の検索・参照を容易にすることを目的としたサーバシステムであって,クライアントの要求に従って,これらの既存システムに保持された部品に関する情報が整理・記述された入力用データをコピー及び一部データ変換してイ号サーバシステム内に構築されたイ号データベースを検索し,検索条件(文字列)に合致した部品の部品番号,部品名及び属性情報をクライアントの表\示装置に表示させ,更に指示された部品の上流又は下流にある部品の部品番号等を階層的に上記表\示装置に表示させる機能\(検索機能及び階層展開機能\)を有するものである。しかしながら,ネットワーク接続したイ号サーバシステムにおいては,上記検索機能及び階層展開機能\によりクライアントの表示装置(画面)に表\示又は階層的に表示させた部品の部品番号,部品名及び属性情報について,上記画面上の任意の項目を指示し,その上で,その指示項目に対して登録する部品に関する情報を所定の記憶領域に入力する「入力処理手段」(構\成要件F)を備えるものではなく,また,部品に関する情報を個別管理する既存システム内のデータベース及びイ号データベースのいずれに対しても,上記指示項目に対して登録する情報,上記指示項目と上位の関係の項目とをリンクさせる情報,及び情報種類の情報を登録する「情報登録手段」(構成要件J)を備えるものではない。\n

◆判決本文

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平成20(ワ)19874 特許権侵害差止等請求事件 平成23年06月10日 東京地方裁判所

 特殊な例ですが、間接侵害の主観的要件について、警告だけでは知ったことにならないと判断されました。また、変形イ号については均等の主張は認められませんでした。
 均等論について
 これに対し原告は,2本の穿刺針の「ほぼ平行」な位置関係を維持するために,指を併用するか,部材自体の構成のみによるかは,本件発明1の目的・効果を実現する上で本質的な相違ではない旨を主張する。しかし,本件発明1においては,2本の穿刺針を穿刺した上での縫合による前腹壁と内臓壁との固定を,「容易,かつ短時間に,さらに安全かつ確実に」行うという目的・効果を実現するべく,2本の穿刺針の「ほぼ平行」な位置関係を実現する具体的な手段として,専ら術者の指による保持によって実現される固定などではなく,「固定部材」を用いた固定という,より容易で,安全かつ確実な構\\成を採用したものであると考えられるから,原告の上記主張は失当というべきである。(エ) 以上によれば,構成要件Dの「固定部材」の構\\成は,本件発明1の本質的部分というべきであり,これを欠いている指による重ね保持状態にある被告製品は,本件発明1の構成と均等なものとはいえないから,均等侵害が成立する旨の原告の上記主張は理由がない。
間接侵害について
 X1の代理人弁護士らが,平成18年12月22日に,被告らに対し,被告製品が一体化同時穿刺のできる構造であることを指摘し,本件特許に抵触する旨を警告する内容の本件通知書を送付したことといった諸事情を挙げるので,以下,これらの諸事情が,原告の上記主張の根拠となり得るか否かについて検討する。・・・以上で検討したとおり,原告が指摘する前記の諸事情は,いずれも,被告製品の添付文書の前記(イ)cの記載にもかかわらず,なお医師らが被告製品を一体化同時穿刺の方法で使用することがあり得ることを被告らにおいて認識していたことを推認させるに足りる事情とはいい難いものであり,この点は,これらの諸事情を総合してみても同様である。このほか,被告製品の販売開始の時点(平成19年4月)までに,被告らに上記の認識があったことを示す事情も見当たらない。したがって,被告製品の販売が開始された平成19年4月の時点において,被告らは被告製品が一体化同時穿刺の方法で使用されることを認識していたとする原告の主張は,これを認めることができない。
b 平成20年2月26日時点の被告らの認識について
・・・ しかるところ,原告アンケートは,一方当事者である原告が,原告製品の納入実績のある医療機関の医師の中から任意に選択した医師を対象として行ったアンケート調査であることなど,その結果の信頼性に限界があることを考慮しても,甲8の陳述書においては,被告製品を一体化同時穿刺の方法で使用したと回答した医師が存在したことが具体的な数字によって示されており,かつ,そのうちの1名の医師が作成した回答書の写しが現に裏付資料として添付されていることからすれば,甲8の陳述書の記載は,被告らからみても,被告製品を用いて一体化同時穿刺を行っている医師が存在することを疑わせる一つの証拠資料であることは否定できないことといえる。・・・以上によれば,被告らは,本件訴状及びこれとともに提出された書証の写しの送達を受けることによって,少なくとも被告製品を用いて一体化同時穿刺を行っている医師が存在することを疑わせるに足りる事実を認識したものということができる。(b) さらに,被告製品の使用態様に関する被告らの認識状況を検討するに当たっては,前記(イ)dのとおり,本件調査嘱託の結果から,被告製品を胃瘻造設のための胃壁固定術に使用する医師らの相当数の者が現に被告製品を使用して一体化同時穿刺を行っているという実態が認められることが重要である。すなわち,前記(イ)dで認定したとおり,相当数の医師らが被告製品を使用して一体化同時穿刺を行っているという実態は,被告製品の販売開始当時(平成19年4月)から継続的に存在しているものと考えられ,しかも,その規模については,本件調査嘱託の結果によれば,被告製品の使用経験がある58の医療機関のうちの約45%に当たる26の医療機関で一体化同時穿刺の実績があり,また,上記58の医療機関における被告製品の使用症例数合計2869の約27%に当たる785の症例で一体化同時穿刺が行われているという,広範囲にわたるものであることが認められることは,前記(1)イ(ウ)aのとおりである。しかるところ,このように多数の医療機関における多数の症例において,被告製品を使用した一体化同時穿刺が現に行われており,しかも,そのような実態が相当期間継続しているという事実を前提とすれば,被告製品を使用する多くの医師らと日常的に接触し,これらの医師から被告製品に関する質問や意見を聴取しているはずの被告オリンパスメディカルの営業担当者らが,このような被告製品の使用実態を認識することは,ごく自然な経過ということができる。むしろ,上記のような被告製品の使用実態が現に存在するにもかかわらず,被告オリンパスメディカルの営業担当者らの中に,被告製品を使用して一体化同時穿刺を行っている医師が相当程度存在するとの事実を認識している者が全く存在しないなどということは,およそ考え難いことというべきである。 この点,少なくとも,被告製品の販売が開始された平成19年4月から1年数か月が経過し,上記のような被告製品の使用実態が既に相当期間継続していたものといえる本件訴状の送達時点(被告秋田住友ベークにおいては平成20年8月1日,被告オリンパスメディカルにおいては同年7月31日)を基準とすれば,被告オリンパスメディカルの営業担当者らの中に,被告製品を使用して一体化同時穿刺を行っている医師が現に相当程度存在するとの事実を認識している者がいたことは,優にこれを推認することができる。
 (c) 以上によれば,遅くとも本件訴状が被告らに送達された時点には,被告らにおいて,被告製品の添付文書の前記(イ)cの記載にかかわらず,医師らが被告製品を用いて胃壁固定術を行う際に一体化同時穿刺を行うことがあることを認識していたものと認めることができる。

◆判決本文

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 >> 主観的要件

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平成22(ネ)10089 特許権侵害差止等請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成23年06月23日 知的財産高等裁判所

 地裁では、技術的範囲に属しないと判断されましたが、知財高裁は差止、損害賠償を認めました。
 間接侵害について
 特許法101条4号は,その物自体を利用して特許発明に係る方法を実施する物についてこれを生産,譲渡等する行為を特許権侵害とみなすものであるところ,同号が,特許権を侵害するものとみなす行為の範囲を,「その方法の使用にのみ用いる物」を生産,譲渡等する行為のみに限定したのは,そのような性質を有する物であれば,それが生産,譲渡等される場合には侵害行為を誘発する蓋然性が極めて高いことから,特許権の効力の不当な拡張とならない範囲でその効力の実効性を確保するという趣旨に基づくものである。このような観点から考えれば,その方法の使用に「のみ」用いる物とは,当該物に経済的,商業的又は実用的な他の用途がないことが必要であると解するのが相当である。被告装置1は,前記のとおり本件発明1に係る方法を使用する物であるところ,ノズル部材が1mm以下に下降できない状態で納品したという被控訴人の前記主張は,被告装置1においても,本件発明1を実施しない場合があるとの趣旨に善解することができる。しかしながら,同号の上記趣旨からすれば,特許発明に係る方法の使用に用いる物に,当該特許発明を実施しない使用方法自体が存する場合であっても,当該特許発明を実施しない機能のみを使用し続けながら,当該特許発明を実施する機能\\は全く使用しないという使用形態が,その物の経済的,商業的又は実用的な使用形態として認められない限り,その物を製造,販売等することによって侵害行為が誘発される蓋然性が極めて高いことに変わりはないというべきであるから,なお「その方法の使用にのみ用いる物」に当たると解するのが相当である。被告装置1において,ストッパーの位置を変更したり,ストッパーを取り外すことやノズル部材を交換することが不可能ではなく,かつノズル部材をより深く下降させた方が実用的であることは,前記のとおりである。そうすると,仮に被控訴人がノズル部材が1mm以下に下降できない状態で納品していたとしても,例えば,ノズル部材が窪みを形成することがないよう下降しないようにストッパーを設け,そのストッパーの位置を変更したり,ストッパーを取り外すことやノズル部材を交換することが物理的にも不可能になっているなど,本件発明1を実施しない機能\のみを使用し続けながら,本件発明1を実施する機能は全く使用しないという使用形態を,被告装置1の経済的,商業的又は実用的な使用形態として認めることはできない。したがって,被告装置1は,「その方法の使用にのみ用いる物」に当たるといわざるを得ない。
均等について
 前記1の本件明細書の記載からすると,本件発明1は,その後に続く椀状に形成する工程や封着する工程との関連が強く,その後の椀状に形成する工程や封着する工程にとって重要な工程である外皮材の位置調整を,既に備わる封着用のシャッタで行う点,そして,別途の手段を設けることなく簡素な構成でこのような重要な工程を達成している点に,その特徴があるということができる。本件発明1においては,シャッタ片及び載置部材と,ノズル部材及び生地押え部材とが相対的に接近することは重要であるが,いずれの側を昇降させるかは技術的に重要であるとはいえない。よって,本件発明1がノズル部材及び生地押え部材を下降させてシャッタ片及び載置部材に接近させているのに対し,被告方法2がシャッタ片及び載置部材を上昇させることによってノズル部材及び生地押え部材に接近させているという相違部分は,本件発明1の本質的部分とはいえない。エ 均等侵害の要件ii)についてノズル部材及び生地押え部材を下降させてシャッタ片及び載置部材に接近させているのに代えて,押し込み部材の下降はなく,シャッタ片及び載置部材を上昇させてノズル部材及び生地押え部材に接近させる被告方法2によっても,外皮材が所定位置に収まるように外皮材の位置調整を行うことができ,外皮材の形状のばらつきや位置ずれがあらかじめ修正され,より確実な成形処理を行うことが可能であり(【0008】【0013】),より安定的に外皮材を戴置し,確実に押え保持することができ(【0011】),装置構\成を極めて簡素化することができる(【0012】)といった本件発明1と同一の作用効果を奏することができる。本件発明1の構成要件1C及び1Dは,押え部材が外皮材を受け部材上に保持することができ,押し込み部材が,受け部材の開口部に内材を供給するため一定の深さに進入することにより,達することができるとするものである。そうすると,ノズル部材及び生地押え部材を下降させてシャッタ片及び載置部材に接近させる構\成を,シャッタ片及び載置部材を上昇させることによってノズル部材及び生地押え部材に接近させる構成に置き換えたとしても,同一の目的を達することができ,同一の作用効果を奏するものということができる。オ 均等侵害の要件iii)について本件発明1と被告方法2の上記構成の相違は,ノズル部材及び生地押え部材を載置部材上の生地に接近させるための動作に関して,単に,上方の部材を下降させるか,下方の部材を上昇させるかの違いにすぎない。したがって,被告方法2の上記構\成に想到することは,当業者にとって容易である。・・・以上のとおり,被告方法2は,本件発明1の構成要件1Cの構\成と均等なものである。

◆判決本文

◆原審はこちら。平成21(ワ)1201平成22年11月25日東京地裁
 

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平成21(ワ)35184 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟平成22年12月06日 東京地方裁判所 

 ナビゲーションサービスに対する特許侵害訴訟にて、裁判所は、車載用ではないとして、技術的範囲外と認定しました。また一部構成要件についても充足しないとして、間接侵害も否定しました。
 以上のような被告サーバー及び本件携帯端末の構成からすれば,被告装置においては,現在地及び目的地を入力・設定して,経路探索を行い,その結果をディスプレイに表\示してユーザーに伝達するために,被告サーバーと本件携帯端末が,それぞれ次の機能を分担しているものと認められる。・・・以上のとおり,被告装置は,被告サーバーと本件携帯端末とによって構\成され,両者がそれぞれ機能を分担してナビゲーション機能\を果たしていることから,このような被告装置が「車載ナビゲーション装置」ということができるか否か,すなわち,本件各特許発明における「車載ナビゲーション装置」が,複数の機器に機能が分担され,かつ,その機器の一部が車両に搭載されていないものを含むか否かが問題となる。・・・・証拠(甲22ないし25)によれば,「車載」という語の一般的な意義は,「車に積みのせること」をいうと認められる。また,弁論の全趣旨によれば,「装置」という語の一般的な意義は,「ある目的のために機械・道具等を取り付けること。そのしかけ。」をいい,一定の機能\を持ったひとまとまりの機器をいうと認められる。エ検討(ア) 前記ウの「車載」及び「装置」という語の一般的な意義からすれば,「車載ナビゲーション装置」とは,車両に載せられたナビゲーションのための装置(ひとまとまりの機器)をいい,ひとまとまりの機器としてのナビゲーション装置が車両に載せられていることを意味すると解するのが,自然である。そして,本件各特許の特許請求の範囲の記載のように,A,B,C,Dとの「手段を含むことを特徴とする車載ナビゲーション装置」というとき,「ナビゲーション装置」がA,B,C,Dという手段を備えるとともに,そのような手段を備えたナビゲーション装置が「車載」,すなわち,車に載せられていることが必要であると解するのが,その文言上,自然である。また,本件各明細書に開示されている「車載ナビゲーション装置」の構成は,前記イのとおり,各構\成要素から成る一体の機器としての「車載ナビゲーション装置」であって,被告装置における被告サーバーと本件携帯端末のように,車両内の機器と車両外の機器にナビゲーション装置の機能を分担させ,両者間の交信その他の手段によって情報の交換を行い,全体として「ナビゲーション装置」と同一の機能\を持たせることは開示されていない。したがって,各機器をどのように構成し,また,各機器にどのように機能\を分担するか,各機器間の情報の交換をどのような手段によって行うかについても,本件各明細書には何らの開示もされていない。さらに,本件各特許発明はナビゲーション「装置」に関する特許発明であるから,「装置」の構成が特許請求の範囲に記載された構\成と同一であるか否かが問題となるのであって,同一の機能,作用効果を有するからといって,構\成が異なるものをもって,本件各特許発明の技術的範囲に属するということはできないことはいうまでもない。以上のことからすれば,本件各特許発明にいう「車載ナビゲーション装置」とは,一体の機器としてのナビゲーションのための装置が車両に載せられていることが必要であり,車両に載せられていない機器は,「車載ナビゲーション装置」を構成するものではないと解される。\n

◆判決本文

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平成21(ワ)11464 損害賠償請求事件 特許権 民事訴訟 平成22年11月24日 東京地方裁判所

 方法発明の間接侵害品かが争われました。裁判所は、該当しないと判断しました。
 しかしながら,仮に,サクションマフラーに液体状態の冷媒が存在するとしても,被告製品は,メイン膨張弁による制御だけではなく,コンプレッサー(圧縮機)の回転数の制御,給水ポンプによる給湯熱交換器(冷却装置)に循環させる水の量の制御を総合的に調整して能力制御を行うものであるから(乙8,弁論の全趣旨),見掛け上,サクションマフラー内の液体状態の冷媒の増減と高サイド圧力の変動に関連性が認められたとしても,それをもって直ちに,サクションマフラー内の液体状態の冷媒残量を変更することにより高サイドの圧力制御を行うという因果関係を示しているということはできない。また,サクションマフラー内の液体がすべて冷媒であったとしても,サクションマフラーには底部から高さ約1cmの所に油戻し穴が存在するため,これを超えて液体を蓄積することはできない構造であり,サクションマフラー内に蓄積可能\な液体状態の冷媒は約9gであって,被告製品の閉回路中に循環する冷媒の総量(約1.2kg)の1%にも満たない。総冷媒量に対してわずか1%程度の冷媒を増減させることにより,高サイドの冷媒充填量を制御することができると認めるに足りる証拠はないから,被告製品のサクションマフラーには,蓄積した液体状態の冷媒残量を変更することによって,閉回路の高サイド内の冷媒充填量を変動させてその高サイドの圧力を調整するような機能があると認めることはできない。・・・したがって,仮に通常運転時にサクションマフラー内に液体状態の冷媒が存在するとしても,被告製品のサクションマフラーは,「液体残量を変更することによって,前記閉回路の高サイド内の冷媒充填量を変動させてその高サイドの圧力を調整し,前記蒸気圧縮サイクルの所定の冷却能\力をもたらす」物ということはできないから,構成要件Bの「緩衝用冷媒レシーバ」には該当しない。また,被告製品のサクションマフラーは,「液体残量を変動させることにより」,「閉回路の高サイドにおける冷媒充填量の変動を」達成する物ともいえないため,構\成要件Dの「低圧冷媒レシーバ」にも該当しない。したがって,被告製品は,本件特許発明の方法の使用に用いる物には当たらない。

◆判決本文

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平成20(ネ)10068 特許権侵害差止控訴事件 特許権 民事訴訟 平成21年08月25日 知的財産高等裁判所

 均等侵害も第4,第5要件を満足しないとして、否定されました。
 控訴人は,拒絶査定不服審判の請求の理由として,「切削の対象が正方形または長方形の半導体ウェーハであること…が関連しあって,…独特の作用効果を奏するものである。仮に,切削対象が不定型なワークであるとすると,…」と記載し(乙8の17),その後,本件発明に係る特許出願は,特許査定された(乙8の19)。(ウ) 上記(ア)認定の本件明細書の記載に照らせば,控訴人は,被加工物すなわち切削対象物として半導体ウェーハの外,フェライト等が存在することを想起し,半導体ウェーハ以外の切削対象物を包含した上位概念により特許請求の範囲を記載することが容易にできたにもかかわらず,本件発明の特許請求の範囲には,あえてこれを「半導体ウェーハ」に限定する記載をしたものということができる。また,上記(イ)認定の出願経緯に照らしても,控訴人は,圧電基板等の切削方法が開示されている引用発明1(乙9)との関係で,本件発明の切削対象物が「正方形または長方形の半導体ウェーハ」であることを相違点として強調し,しかも,切削対象物を半導体ウェーハに限定しない当初の請求項1を削除するなどして,本件発明においては意識的に「半導体ウェーハ」に限定したと評価することができる。このように,当業者であれば,当初から「半導体ウェーハ」以外の切削対象物を包含した上位概念により特許請求の範囲を記載することが容易にできたにもかかわらず,控訴人は,切削対象物を「半導体ウェーハ」に限定しこれのみを対象として特許出願し,切削対象物を半導体ウェーハに限定しない当初の請求項1を削除するなどしたものであるから,外形的には「半導体ウェーハ」以外の切削対象物を意識的に除外したものと解されてもやむを得ないものといわざるを得ない。(エ) そうすると,被控訴人方法は,均等侵害の要件のうち,少なくとも,前記5の要件を欠くことが明らかである。ウ均等侵害の要件4についてまた,仮に,被控訴人方法が「半導体ウェーハ」以外の本件発明の構成要件を充足するとすると,後記2(1)で判示するのと同様に,被控訴人方法も,引用発明1から容易に推考することができるというべきであるから,均等侵害の要件のうち,前記4の要件も欠くことに帰する

◆平成20(ネ)10068 特許権侵害差止控訴事件 特許権 民事訴訟 平成21年08月25日 知的財産高等裁判所

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◆平成21(行ケ)10046

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◆平成15(ワ)16924 損害賠償等請求事件 特許権民事訴訟 平成19年02月27日 東京地方裁判所

  本件侵害訴訟では、訂正が認められることを前提にして、約3000万円の損害賠償が認められました。
   争点はいくつかありますが、興味深いのは、併存する無効審判との関係です。本件訴訟の対象である特許権は、無効審決がなされたので、特許権者は取消訴訟を提起するとともに、別途訂正審判を請求をしました。知財高裁は、差し戻し決定をしました。無効審判では、訂正を認めた上で、再度、無効審決がなされました。特許権者は、取消訴訟を提起し、現在、知財高裁に継続中です。
  「本件特許については,その無効審判事件において,本件訂正の請求がなされており,特許庁は,その審決において,本件訂正を認め,本件訂正特許1を無効と判断したものの,原告が同審決に対し審決取消訴訟を提起したために,未だ本件訂正が確定していない状況にある。特許法104条の3第1項における「当該特許が無効審判により無効とされるべきものと認められるとき」とは,当該特許について訂正審判請求あるいは訂正請求がなされたときは,将来その訂正が認められ,訂正の効力が確定したときにおいても,当該特許が無効審判により無効とされるべきものと認められるかどうかにより判断すべきである。したがって,原告は,訂正前の特許請求の範囲の請求項について容易想到性の無効理由がある場合においては,?@当該請求項について訂正審判請求ないし訂正請求をしたこと,?A当該訂正が特許法126条の訂正要件を充たすこと,?B当該訂正により,当該請求項について無効の抗弁で主張された無効理由が解消すること(特許法29条の新規性,容易想到性,同36条の明細書の記載要件等の無効理由が典型例として考えられる,)?C被告製品が訂正後の請求項の技術的範囲に属することを,主張立証すべきである。
 また、間接侵害についても、輸出向け専用品については間接侵害を構成しないと判断しました。
 「特許法101条は,特許権の効力の不当な拡張とならない範囲でその実効性を確保するという観点から,特許権侵害とする対象を,それが生産,譲渡される等の場合には当該特許発明の侵害行為(実施行為)を誘発する蓋然性が極めて高い物の生産,譲渡等に限定して拡張する趣旨の規定であると解される。そうすると,「その物の生産にのみ使用する物」(1号)という要件が予定する「生産」は,日本国内における生産を意味するものと解釈すべきである。外国におけるイ号物件の生産に使用される物を日本国内で生産する行為についてまで特許権の効力を拡張する場合には,日本の特許権者が,属地主義の原則から,本来当該特許権によっておよそ享受し得ないはずの,外国での実施による市場機会の獲得という利益まで享受し得ることになり,不当に当該特許権の効力を拡張することになるというべきである。」
 また、新規事項であるとの主張についても、これを否定しました。
 「本件訂正前明細書には,搬送部(15,16)を伸縮する際に共通駆動部(13)を回動させる構成及び当該共通駆動部の回動の際,他方の搬送部(16,15)が駆動制御手段における制御により見かけ上静止状態を保持し,共通駆動部(13)上に取り込まれた状態で共通駆動アームと同様に旋回する構\成が記載されていることが認められる。そうすると,本件訂正にかかる本件訂正特許発明1は,本件訂正前明細書に記載されていたといえるから,本件訂正は,願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内の訂正である。被告は,前記b)?@の記載を根拠に本件各特許発明の駆動制御手段は,前記b)?@に記載された構成に限定して解釈すべきであると主張し,かかる限定解釈を前提とすれば,本件訂正は本件各特許発明における駆動制御手段に含まれない構\成を含むことになるから特許法126条3項に違反する旨主張する。しかし,本件訂正前の本件各特許発明の特許請求の範囲の記載及び本件明細書の記載から被告が主張するような限定解釈をすべき理由はない。」

◆平成15(ワ)16924 損害賠償等請求事件 特許権民事訴訟 平成19年02月27日 東京地方裁判所

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◆H17. 9.30 知財高裁 平成17(ネ)10040 特許権 民事訴訟事件

 アイコン特許(CS関連発明)について、地裁判決が破棄されました。判決文を見る限り、控訴審で無効資料が新たに提出されたようです。
 知財高裁は、「アイコンの機能説明を表\示させる機能を実行するための手段についてみても,本件特許出願前の1988年(昭和63年)7月に頒布された乙12文献(「ハイパープログラマーのためのハイパーツール」)には,「ハイパーツールは,あなたが異なるツールに関する情報を素早く得ることを可能\とする,組み込みヘルプ機能を含みます。このスクリーン上のツールについてヘルプを得るには,ヘルプ・アイコンをクリックします。そして示されたツールのアイコンのうちいずれかをクリックします。」(訳文〔甲19〕14頁下から7行目ないし下から4行目)と記載されているから,本件特許出願当時,ヘルプを得るためのアイコン,すなわち,機能\説明を表示させる機能\を実行させるアイコンも,既に公知の手段であったことが認められる。そうであれば,乙18発明において,アイコンの機能説明を表\示させる機能を実行させる「機能\説明表示手段」として,「スクリーン/メニュー・ヘルプ」アイテムに代えて「アイコン」を採用することは,当業者が容易に想到し得ることというべきである。」と判断しました。

 少し気になるのは、今回の事例で、101条4号の間接侵害が成立しないと述べている点です。知財高裁は「同号は,その物自体を利用して特許発明に係る方法を実施することが可能である物についてこれを生産,譲渡等する行為を特許権侵害とみなすものであって,そのような物の生産に用いられる物を製造,譲渡等する行為を特許権侵害とみなしているものではない。」といっている点です。もし、方法クレームしかなければ、プログラムが記録されたCD−ROMの差止ができないということになりそうです。

◆H17. 9.30 知財高裁 平成17(ネ)10040 特許権 民事訴訟事件

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◆H17. 2. 1 東京地裁 平成16(ワ)16732 特許権 民事訴訟事件

  パッケージソフトに対して、アイコンの範囲および間接侵害が成立するかが争われました(CS関連発明?)。裁判所は、出願時の技術常識を考慮して、「アイコンとは、「表\示画面上に,各種のデータや処理機能を絵又は絵文字として表\示して,コマンドを処理するもの」であり,かつそれに該当すれば足りるのであって,本件明細書の記載によっても,本件特許出願当時の当業者の認識においても,それ以上に,ドラッグないし移動可能なものであるとか,デスクトップ上に配置可能\なものであるなどという限定を付す根拠はないというべきである。」と認定しました。
 また、間接侵害についても、「被告製品をインストールしたパソコン及びその使用は,本件各発明の構\成要件を充足するものであるところ,被告製品は,「被告製品をインストールしたパソコン」の生産に用いるものであり,かつ,「(従来の方法では)キーワードを忘れてしまった時や,知らないときに機能\説明サービスを受けることができない」という本件発明による課題の解決に不可欠なものであると認められる。また,被告製品が「日本国内において広く一般に流通しているもの」でないことは明らかである。被告は,Windowsというマイクロソフト社のオペレーティングシステムそのものに,本件発明と同様の機能\があるから,被告製品は「その発明による課題の解決に不可欠なもの」ではないと主張する。その主張の趣旨は必ずしも判然としないが,仮に被告がいうように,Windowsのヘルプ表示プログラム等によって,「『ヘルプモード』ボタンの指定に引き続いて他のボタンを指定すると,当該他のボタンの説明が表\示される」という機能が実現されるとしても,別紙イ号物件目録ないしロ号物件目録記載の機能\は,あくまで被告製品をインストールしたパソコンによってしか実行できないものであるから,被告製品は本件発明による課題の解決に不可欠なものであり,被告製品をインストールする行為は,本件特許権を侵害する物の生産であるといわざるを得ない。」と間接侵害認めました。かかる間接侵害の規定の適用は知っている限りでは初めてです。

 関連事件(当事者および該当特許が同じ)(H16. 8.31 東京地裁 平成15(ワ)18830等 特許権 民事訴訟事件)こちら(当事者同じ)にあります。 また、こちらは、(H16.10.29 東京地裁 平成15(ワ)27420 特許権 民事訴訟事件)当事者のみ同じ事件です。  

◆H17. 2. 1 東京地裁 平成16(ワ)16732 特許権 民事訴訟事件

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