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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

リパーゼ認定

最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、裁判所がおもしろそうな(?)意見を述べている判例を集めてみました。
内容的には詳細に検討していませんので、詳細に検討してみると、検討に値しない案件の可能性があります。
日付はアップロードした日です。

令和5(行ケ)10023  特許取消決定取消請求事件  特許権  行政訴訟 令和5年10月3日  知的財産高等裁判所

特許異議申立で取消審決がなされましたが、特許権者は知財高裁に取消訴訟を提起しました。知財高裁は、請求項の「内接」の意義を定義した上、審決を維持しました。出願人は「ドクター中松」で、本人訴訟です。
本件特許はこれです。多数の分割出願があります。

◆本件特許

(1) 本件発明は、上昇下降用プロペラの回転軌跡を複数の翼に内接させるこ とでプロペラガードとして兼用するとの構成を備えるものであるところ、個別の取消事由の検討に入る前に、ここでいう「内接」及び「プロペラガード\nとして兼用」の意義を明らかにしておく。
(2) 「内接」とは、国語辞典に「多角形の各辺がその内部にある一つの円に 接する時、その円は多角形に内接する…」との用例が挙げられているとおり (甲11)、図形の各辺とその内部の円などが接していることを表す用語である。\n
本件明細書の【0013】には、「図8は本発明第5の実施例で、上下用 プロペラ4つの回転軌跡39を全部内接させ、プロペラガードを設けずに4 枚の主翼24と先尾翼28と尾翼29をプロペラガードに兼用させたもので ある」との説明が記載され、図8には、上昇下降用の4つのプロペラが示さ れ、うち翼の間に配置された左右2つのプロペラの回転軌跡がそれぞれ前後 の主翼24と接するように示されている。 同様に、図7、9においても、翼の間に配置された上昇下降用の複数のプ ロペラの回転軌跡が前後の翼に接するように示されており、これに本件明細 書の【0012】〜【0014】(前記第2の2(2)イ)の記載を総合すれ ば、図7〜9に係る第4〜6実施例は、上昇下降用プロペラの回転軌跡を複 数の翼に内接させることでプロペラガードとして兼用するとの構成を示すものと解される。\nもっとも、プロペラの回転軌跡と翼が文字通り接する(接触する)場合、 プロペラの回転が妨げられることが明らかであるから、本件発明の「内接」 とは、プロペラの回転軌跡が翼と接触するには至らない限度で十分に近接していることを意味するものと解される。\n
(3) そして、本件発明の「プロペラガードとして兼用」とは、特許請求の範 囲の記載に示されているとおり、複数の翼の間に配置された上昇下降用プロ ペラの回転をガードする機能をいうものであり、この機能\は、複数の翼の間 に配置された上昇下降用プロペラの回転軌跡を前方又は後方の複数の翼に内 接させることによって生じるものであると認められる。また、本件発明の上記第4〜6実施例(図7〜9)では、複数の翼の間に配置された上昇下降用プロペラの回転軌跡の一部のみが翼に内接する構成が示されていることから、上昇下降用プロペラの回転軌跡の少なくとも一部が翼に内接していれば、翼がプロペラガードとして機能\するものと解される。
(4) 原告は、「内接」とは「プロペラ軌跡が両翼に挟まれ、かつ両翼端部を結んだ線を出ないことを意味する」とも主張するが(上記第3の1(2)ア)、図7〜9の実施例がそのような構成を有するものだとしても、特許請求の範囲に当該構\成を加える訂正(減縮)をしたわけでもないのに、「内接」という文言自体をそのような限定的な意味で解釈することは許されないというべきである。

◆判決本文

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令和3(行ケ)10056  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 令和4年2月10日  知的財産高等裁判所

 サブコンビネーション発明の要旨認定について、発明の構造,機能\等を何ら特定してない場合は,除外して認定すると判断し、審決の判断を維持しました。

(1) 発明の要旨認定
特許出願に係る発明の要旨の認定は,特段の事情がない限り,願書に添付 した明細書の特許請求の範囲の記載に基づいてされるべきであるが,特許請 求の範囲の記載の技術的意義が一義的に明確に理解することができないとか, あるいは,一見してその記載が誤記であることが発明の詳細な説明の記載に 照らして明らかであるなどの特段の事情がある場合は,明細書の発明の詳細 な説明の記載を参酌することが許される(最高裁平成3年3月8日第二小法 廷判決・民集45巻3号123頁参照)。 これを本件補正後発明について検討するに,前記1(3)のとおり,本件補正 後発明は,二つ以上の装置を組み合わせてなる全体装置の発明に対し,組み 合わされる各装置の発明(サブコンビネーション発明)であって,特許請求 の範囲請求項1の記載から,第1ユーザによって操作される情報処理装置に 関する発明であることが理解されるが,特許請求の範囲請求項1の記載中に, 情報処理装置とは別の,他の装置であるサーバにおける処理の内容が記載さ れているため,特許請求の範囲の記載の技術的意義を一義的に明確に理解す ることができない特段の事情がある。 したがって,本願明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌して,本件補正 後発明の要旨を認定することとする。
ところで,サブコンビネーション発明においては,特許請求の範囲の請求 項中に記載された「他の装置」に関する事項が,形状,構造,構\成要素,組 成,作用,機能,性質,特性,行為又は動作,用途等(以下「構\造,機能\n等」という。)の観点から当該請求項に係る発明の特定にどのような意味を 有するかを把握して当該発明の要旨を認定する必要があるところ,「他の装 置」に関する事項が当該「他の装置」のみを特定する事項であって,当該請 求項に係る発明の構造,機能\等を何ら特定してない場合は,「他の装置」に 関する事項は,当該請求項に係る発明を特定するために意味を有しないこと になるから,これを除外して当該請求項に係る発明の要旨を認定することが 相当であるというべきである。 以上の観点から,以下,本件補正後発明を検討する。
(2) 構成要件(A)及び(E)について\n
本件補正後発明の構成要件(A)及び(E)は,発明の対象が「第1ユー\nザによって操作される情報処理装置」であることを特定する記載事項である から,これによって,本件補正後発明は「情報処理装置」の発明であること が画定される。
(3) 構成要件(B)について\n
特許請求の範囲請求項1の記載によれば,構成要件(B)における「事業\nに使用されていないが前記第1ユーザが活用を希望する知的財産権を,前記 第1ユーザが保有する1以上の知的財産権の中から特定し,当該知的財産権 に関する公報の情報を,前記サーバに通知する公報通知手段と」の記載は, 情報処理装置が有する公報通知手段を直接的に特定する構成であるといえる。\n一方,「(公報の情報を,)サーバによる第2情報及び第3情報の抽出の 根拠となる情報を含む第1情報として(,前記サーバに通知する)」との記 載は,サーバに通知する公報の情報を更に限定する記載であると認めること はできるが,サーバによって抽出処理を行うことを前提とした限定であって 直接的に情報処理装置を限定する特定事項ではない。 上記第2情報及び第3情報の抽出処理について,請求項の記載をみると 「(C1)前記公報通知手段により通知された前記第1情報により特定される 前記公報に含まれ得る第1書類の内容のうち,所定の文字,図形,記号,又 はそれらの結合が,前記第2情報として抽出され, (C2)当該公報に含まれ得る第2書類の内容のうち,抽出された前記第2 情報と関連する文字,図形,記号又はそれらの結合が,前記第3情報として 抽出され,」 と特定されている。 上記特定事項に対応する発明の詳細な説明の記載を参照すると,構成要件\n(C1)は,特に段落【0023】のクレーム内単語として抽出する構成に,\n構成要件(C2)は段落【0024】の明細書内関連単語として抽出する構成\nに対応すると認められる。 一方,本願明細書等の段落【0021】には,上記「第1情報」に関して, 「特許権者は,活用を希望する特許権の情報(例えば特許番号等)を予めサ\nーバ1に通知しているものとする。即ち,当該特許権の公報(特許掲載公報 若しくは出願公開公報)の内容が公報情報DB61にデータとして記憶され ているものとする。」と記載され,段落【0022】には,「ここで,公報 の内容のデータは,必ずしも公報の謄本のデータである必要は特になく,そ の名称のごとく,公報の内容さえ特定できれば足り,任意の形態のデータで よい。」と記載されていることから,これらの抽出処理に用いられる公報の 情報は,普通に公開されている特許公報の内容であれば足りるといえ,第1 情報としてサーバに通知される知的財産権に関する公報の情報は,普通に公 開されている特許権の公報の内容を表す情報(すなわち,知的財産権に関す\nる公報の情報)以上に格別の内容を含むものではないことは明白である。 すなわち,構成要件(B)における,公報通知手段が「第1情報」としてサ\nーバに通知する公報の情報とは,通常の特許公報又は公開特許公報を示すに すぎないと認められる。そして,本願明細書等を精査しても,当該情報を通 知するに先立って,情報処理装置において,サーバにおける処理(第2情報 及び第3情報の抽出等)に資するため何らかの処理がされること等を開示又 は示唆する記載は,何ら見出すことができない。 そうすると,構成要件(B)の「サーバによる第2情報及び第3情報の抽\n出の根拠となる情報を含む第1情報として」との記載事項は,第1情報の通 知を受けたサーバが当該第1情報から第2情報及び第3情報を抽出するとい う,サーバにおける処理(構成要件(C1)及び(C2))を特定しているにす ぎない。すなわち,上記記載事項は,第1情報自体が,第2情報及び第3情 報を抽出するため通常の公報とは異なる格別の情報を含むことを特定してい るものではない。 このように,本件補正後発明の構成要件(B)のうち「サーバによる第2\n情報及び第3情報の抽出の根拠となる情報を含む第1情報として」の記載事 項は,サーバの処理を特定したものであり,情報処理装置が備える公報通知 手段の内容を特定するものではないから,構成要件(B)によって特定され\nる発明特定事項の認定に当たっては,上記記載事項を除外するのが相当であり,本件審決が(B')のとおり認定したことに誤りはない。
(4) 構成要件(C)及び(C1)ないし(C7)について
本件補正後発明の構成要件(C)及び(C1)ないし(C7)は,情報処理装 置から知的財産権に関する公報の情報(第1情報)の通知(送信)を受けた サーバが,第1情報から第2情報を抽出し,さらに第3情報を抽出し,第3 情報と第4情報とから通知対象を決定して当該公報の情報を第5情報として 通知対象者の端末に通知し,その後,通知対象者の端末から第6情報を受信 し第7情報を生成して情報処理装置に送信するという,サーバが行う処理を 特定したものであって,情報処理装置が行う処理を特定するものではない。 すなわち,情報処理装置から通知された情報に対して,どのような処理を行 い,どのような情報を生成して情報処理装置に送信するかという処理は,サ ーバが独自に行う処理であって,情報処理装置が行う処理に影響を及ぼすものではない。 一方,情報処理装置は,第1情報をサーバに送信し,第7情報をサーバか ら受信するものであるところ,かかる情報処置装置の機能は,サーバに所定\nの情報を送信してサーバから所定の情報を受信するという機能に留まり,当\n該機能は,上記構\成要件(C)及び(C1)ないし(C7)によって影響を受け たり制約されるものではない。このように,構成要件(C)及び(C1)ない し(C7)は,情報処理装置の機能,作用を何ら特定するものではない。\nよって,本件補正後発明の認定に当たっては,構成要件(C)及び(C1) ないし(C7)を発明特定事項とはみなさずに本件補正後発明の要旨を認定す べきであり,これと同旨の本件審決に誤りはない。
(5) 構成要件(D)について\n
本件補正後発明の構成要件(D)は,情報処理装置が備える「受付手段」\nが,サーバから送信される「第7情報」を受け付けることを特定するもので ある。 そして,本件補正後発明の構成要件(C)及び(C1)ないし(C7)の記載 によれば,「第7情報」は,「知的財産権に興味を有する者が存在すること を少なくとも示す情報」であって,「情報処理装置により前記第1情報が (サーバに)通知された結果として生成され」,「(サーバから)情報処理 装置に送信された」情報である。また,同(B)の記載によれば,「前記第 1情報」は「知的財産権に関する公報の情報」である。そして,構成要件\n(C6)及び(C7)に対応する発明の詳細な説明の記載(段落【0029】, 【0040】及び【0041】)も参酌すると,「第7情報」は,サーバの 通知部が特許権者端末に通知する情報であって,特許権者がサーバに登録し た特許掲載公報を見て興味応答を示した事業者のリスト(匿名事業者リス ト)を少なくとも含む情報であるということができ,これは,上記特許請求 の範囲の記載から特定した「第7情報」と格別の相違はない。そうすると, 結局,「第7情報」は,「知的財産権に興味を有する者が存在することを少 なくとも示す情報であって,情報処理装置により知的財産権に関する公報の 情報がサーバに通知された結果として生成され,サーバから情報処理装置に 送信された情報」ということができる。 よって,本件補正後発明の構成要件(D)により特定される事項の認定に\n当たっては,「第7情報」を上記のとおり言い換えるのが相当であり,本件 審決が(D')のとおり認定したことに誤りはない。
(6) 原告の主張に対する判断
ア 原告は,知的財産権を有効活用してくれる候補者を数多くかつ容易に提 示するという本件補正後発明の課題からして,本件補正後発明はサーバと 情報処理装置とを組み合わせたシステムを前提にしたものであって,構成\n要件(C)及び(C1)ないし(C7)によって,情報処理装置の発明の機能\nを特定している旨主張する。 しかしながら,本願明細書等には発明の課題としてそのような記載があ るとしても,親出願についてはともかく,分割出願としての本件補正後発 明は,上記(1)ないし(5)で説示したとおり,システムの発明ではなくあくまで情報処理装置の発明である。そして,上記(4)で説示したとおり,構成要\n件(C)及び(C1)ないし(C7)はサーバの処理を特定するものであって 情報処理装置の機能を特定するものではないから,本件補正後発明を特定\nする事項には含まれない。 よって,原告の前記主張は採用することができない。
イ 原告は,知財高裁平成22年(行ケ)第10056号事件の判決を援用 し,本件補正後発明はサーバと情報処理装置とを組み合わせたシステムを 前提にしたものであってサーバを除外して検討するのは誤りであるとも主 張する。 しかしながら,原告が援用する上記事件は本件とは無関係の全く別の事 件であって,事案も異なるから,上記事件の判決の判断を根拠とする原告 の上記主張はそもそも採用することができない。 なお,付言するに,原告が援用する上記事件に係る発明は,発光部を有 する液体インク収納容器と,前記液体インク収納容器を搭載し前記発光部 の発光を受光する受光手段を備えた記録装置とを組み合わせたシステムに おける液体インク収納容器に関する発明であって,上記システムに専用さ れる特定の液体インク収納容器がこれに対応する記録装置の構成と一組の\nものとして発明を構成するものであることから,容易想到性を検討するに\nあたり,記録装置の存在を除外して検討することはできないとした裁判例 であるところ,原告は,これに関連して,本件補正後発明の情報処理装置 は,第7情報として認識された場合において当該第7情報を受け付ける専 用端末である旨主張する。 しかしながら,本件補正後発明における情報処理装置とサーバからなる システムでは,情報処理装置の機能は,単に,サーバに「公報の情報」\n(第1情報)を送信し,サーバから「知的財産権に興味を有する者が存在 することを少なくとも示す情報」(第7情報)を受信するという機能に留\nまるものであって,サーバに対して情報を送受信する機能を有する情報処\n理装置であればどのような情報処理装置であってもよいから,サーバに対 して専用される特定の情報処理装置とみなすことはできない。また,本願 明細書等には,情報処理装置が種々の情報の中から第7情報を選択して認 識する等の技術事項は開示されておらず,情報処理装置はサーバから送信 された情報を単に第7情報として受け付けるものにすぎないと解されるか ら,原告の上記主張は本願明細書等に開示された技術事項に基づくもので はなく,採用することができない。
ウ 原告は,情報処理装置とサーバが別個のものとしても,本件審決は,発 明の実施形態に強みを有する事業者を選択できるという本件補正後発明の 意義を無視し,「公報通知手段」がサーバに通知する情報について,単に 「当該知的財産に関する公報の情報」と矮小化し,また「受付手段」が受 け付ける情報についても,「知的財産権に興味を有する者が存在すること を少なくとも示す情報」と矮小化して認定しており,本件審決の認定は誤 りである旨主張する。 しかしながら,第1情報を送信するという送信処理自体は,かかる第1 情報からどのようにして第2情報及び第3情報を抽出するのか,その抽出 方法を規定するものではないから,情報処理装置の「公報通知手段」は, 技術的には,知的財産権に関する公報の情報をサーバに送信するものにす ぎないというべきである。また,第7情報は知的財産権に興味を有する者 の情報であるところ,本件補正後発明の構成要件(C5)及び(C6)によれ ば,事業者による選択結果という事業者の自由な意思に基づいた人為的な 情報にすぎないものであって,第1情報と関連するものの第1情報から 「生成された」情報ではない。さらに,情報処理装置の「受付手段」は, サーバから上記第7情報を受け付けるものの,これは単に情報の受信にす ぎないものであって,情報処理装置の側に,当該第7情報を受け付けるた めの特別の構成を有するものでもない。\nしてみると,上記(2)ないし(5)で検討したとおり,本件補正後発明の「公 報通知手段」は,単に「知的財産に関する公報の情報」をサーバに通知す るものにすぎず,本件補正後発明の「受付手段」は「知的財産権に興味を 有する者が存在することを少なくとも示す情報」を受け付けるものにすぎ ないというべきであり,本件審決が「公報通知手段」及び「受付手段」に つき,それぞれ(B')及び(D')のとおり認定したことに誤りはない。

◆判決本文

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平成23(行ケ)10253 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年09月13日 知的財産高等裁判所

 本件発明の要旨認定が異なるとして、進歩性なしとした審決が取り消されました。。裁判所は、用語「りん光」を詳細な説明を参酌して認定しました。
 本願明細書の請求項1の記載は,上記第2の2のとおりであり,その「リン光ドーパント材料」の「リン光」については,「黄燐を空気中に放置し暗所で見るときに認められる青白い微光」等の意味があり(甲9),一義的に定まらないから,その技術的意義は,本願明細書の発明の詳細な説明を参照して認定されるべきである。そして,上記(1) 認定の事実によれば,本願明細書の段落【0016】に「用語“リン光”は有機分子三重項励起状態からの発光を称し」(上記(1)ア )と記載されることから,本願発明の「リン光」とは,有機分子の三重項励起状態のエネルギーから直接発光する現象を指すものと理解され,この解釈は,当該技術分野における一般的な用法(同ウ)に沿うものである。この点,被告は,段落【0014】の記載(同ア)を根拠に,段落【0016】の記載は定義ではない旨主張する。しかし,段落【0014】の「実施態様」とは,「本発明の実施態様は当該図面に関して説明される。」と記載されることから,図面に記載された態様を意味するにすぎず,段落【0016】の「リン光」の説明までも実施態様であって説明的な例であると述べる趣旨とは解されず,被告の上記主張は失当である。

◆判決本文

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平成21(行ケ)10179 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年03月24日 知的財産高等裁判所 

 阻害要因ありとして進歩性なしとした審決が取り消されました。審決は文言通り本件発明の要旨を認定し、裁判所はリパーゼ判決を用いて詳細な説明を参酌したことが原因です。
 本件補正発明の「ポケット」の技術的意義について,原告は,2つの基材の表面を向かい合わせて結合して形成された統一構\造の内表面側から外表\面側に向かって熱成形等の成形手段によって形成された粒状発熱組成物の粒子を充填することのできるくぼみをいうと主張するのに対し,被告は,広辞苑(乙1)に記載された日常用語としての意味を主張するのみであり,本件補正発明が属する技術分野における技術常識に即して「ポケット」の技術的意義が一義的に明確であると主張するものではなく,その他,請求項1の記載から,本件補正発明の「ポケット」の技術的意義を一義的に明確に理解することはできないから,これを明確にするため,以下,本件補正明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌して,その技術的意義を検討することとする。・・・イ 上記発明の詳細な説明の記載によると,本件補正発明の「ポケット」とは,「少なくとも2つの向かい合った表面を有する統一構\造」を構成する2つの基材の一方に熱成形等の何らかの方法により形成され,粒状発熱組成物を充填することができるような底といえる部分を有する賦形された内部空間を意味し,単に,平坦な2つの基材によって形成される袋状の内部空間を指すものではないと解釈するのが相当である。ウ この点に関し,被告は,請求項1の「少なくとも2つの向かい合った表\面を有する統一構造に形成された」との記載からは,2つの対称的な平面で構\成される袋状の形状が想起されるのが普通であると主張する。しかしながら,被告の主張は,「統一構造に形成された」との文言が「一体的に形成された」と同じような意味を有することを前提とするものと解されるところ,上記発明の詳細な説明の記載によると,「統一構\造」とは,2つの基材によって構成される構\造体を指し,そのような構造体に「形成された」ものが「ポケット」であると解釈されるから,被告の主張は,その前提を誤るものであって,採用することができない。\n

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平成21(行ケ)10113  特許権 行政訴訟 平成22年02月03日 知的財産高等裁判所

 本件発明の要旨について実施形態に即して限定した解釈が誤りであるとして、無効理由なしとの審決が取り消されました。
 甲1,2及び16によると,本件特許出願当時において,X線による検査装置の機構を支持するフレームとしては,後記ウ(ア)のとおり,本件明細書の発明の詳細な説明において従来技術として挙げられているように,キャスター付の4本脚によって支持されて引き出し可能となっているもののほか,一体であっても後壁面の縦方向のレールに上下動可能\に片持ち支持されたフレームを採用したものが存在していたことを考慮すると,X線異物検査装置の機構を支持するフレーム自体の支持構\造に関して,本件特許出願時において確立した技術常識が存在していたとは認められない。そうすると,特許請求の範囲の記載に基づいて,本件フレームの支持構造について何らかの限定を加えて解釈することはできない。・・・そうすると,本件明細書の発明の詳細な説明における記載を検討しても,本件発明に係る特許請求の範囲の記載における「片持ちフレーム」の文言について,それ自体の支持構\造に関する何らかの限定を加えて解釈する契機はないといわざるを得ない。・・・以上によると,本件フレームが「X線異物検査装置本体の支持構造体に支持され\nているもの」に限定されることを前提とする本件審決による発明の要旨認定は誤り であるというべきである。

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◆平成19(ワ)8426 不当利得返還請求事件 特許権 民事訴訟 平成21年05月20日 東京地方裁判所

 侵害訴訟における無効判断時に、発明の要旨認定にリパーゼ判決を用いると言及がなされました。
   「そもそも,本件発明も,外部取り出し端子に印加された静電気が,2端子素子の保護回路及び共通浮遊電極を通じて,他の外部取り出し端子へと分割されるという分散放電の技術思想をその必須の内容とするものではないから,乙2文献が分散放電の技術思想を開示していないことによって,相違点1についての前記(ア)の判断が左右されるものではない。すなわち,特許出願手続,無効審判手続及び審決取消訴訟における発明の要旨認定は,特許請求の範囲の記載に基づいて行われ,明細書の発明の詳細な説明の記載や図面が参酌されるのは,特許請求の範囲の記載の技術的意義が一義的に明確に理解することができないとか,あるいは,一見してその記載が誤記であることが明細書の発明の詳細な説明の記載に照らして明らかであるなどの特段の事情がある場合に限られると解すべきところ(最高裁昭和62年(行ツ)第3号平成3年3月8日第二小法廷判決・民集45巻3号123頁参照),侵害訴訟において特許法104条の3第1項に基づく権利行使の制限の主張が行われた場合の当該特許発明の要旨認定においても,同条項が「特許無効審判により無効にされるべきものと認められるときは」と規定されていることに照らし,特許無効審判手続及びその審決取消訴訟における発明の要旨認定の場合と同じ認定手法によるのが相当と認められる。したがって,上記権利行使の制限の主張が行われた場合の発明の要旨認定は,原則として,特許請求の範囲の記載に基づいて行われ,明細書の発明の詳細な説明の記載や図面が参酌されるのは,特許請求の範囲の記載の技術的意義が一義的に明確に理解することができないとか,あるいは,一見してその記載が誤記であることが明細書の発明の詳細な説明の記載に照らして明らかであるなどの特段の事情がある場合に限られると解すべきである。 ところで,本件明細書(甲10添付)には,発明の詳細な説明の欄において,「共通浮遊電極を設けた場合には,静電気は2端子素子から共通浮遊電極さらに2端子素子を通して他の複数の端子に放電されるので,さらに印加電圧を低くすることができる。」,「第6図は,さらに第5図の例において遮光膜を第1主電極延在部27として第1主電極106に接続した例で,両方向に電流を流しやすい構造を有している。」との記載があるが,特許請求の範囲の記載は,前記争いのない事実等の(1)で認定したとおりであり,同記載によれば,本件発明においては,2端子薄膜半導体素子の付加ゲート電極及び第2主電極は外部取り出し端子に接続し,第1主電極は共通浮遊電極に接続するという順方向接続態様で接続する構\\成(構成要件E)であることが明らかであり,この接続態様によれば,電流は,外部取り出し端子から2端子薄膜半導体素子を介して共通浮遊電極へ流れる方向には流れやすいが,共通浮遊電極から2端子薄膜半導体素子を介して他の外部取り出し端子に流れる方向には流れにくくなっているものと認められる。そうすると,本件特許の特許請求の範囲の記載からみて,分散放電の技術思想ないしそれを実現する構\\成は,本件発明の必須の内容とはされていないというべきである。したがって,原告の上記主張は理由がない。b 仮に,原告の主張に係る分散放電を,本件発明の構成でも実現できる程度のものと解した場合でも,以下のとおり,原告の上記主張には理由がない。」

◆平成19(ワ)8426 不当利得返還請求事件 特許権 民事訴訟 平成21年05月20日 東京地方裁判所

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◆平成20(行ケ)10252 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年03月26日 知的財産高等裁判所

  用語「生産,稼働情報」がスケジュール管理情報を意味するが争われました。裁判所は、リパーゼ判決に言及することなく、下記のように判断しました。
 「上記アのとおり,特許請求の範囲の記載によれば,本願発明の「生産,稼働 情報」はスケジュール管理情報を意味するものとは特定されていない。また,「生産,稼働情報」との用語が一義的にスケジュール管理情報を意味するものといえないことも明らかである。次に,上記イの本願明細書の記載を検討するに,発明の実施形態に関する上記イ(イ)及び(ウ)の記載からは,生産,稼働情報がスケジュール管理情報を意味するものと解釈することは困難であり,また,実施例に関する上記イ(エ)の記載によっても,生産,稼働情報に,受注月日又は登録月日,納入日,折丁の完成日(折丁入日),作業開始(予定)時間及び作業終了(予\定)時間等の作業スケジュールに関連した情報が含まれるとはいえるものの,客先名,製造する本のサイズ(A4判,B5判など,製造部数(納入部数,丁合) ) 機3の使用台数,見返りの有無等の作業スケジュールに関連するとはいえない情報も含まれているのであるから,本願発明の「生産,稼働情報」がスケジュール管理情報を意味するものと限定して解釈することは困難である。さらに,本願発明の解決課題や効果に関する上記イ(ア)及び(オ)の記載によっても,本願発明が,遠隔のセンタ通信端末器側からローカル製本機の運転制御を可能とし,センタ通信端末器側においてローカル製本機の集中管理ができるようにする発明であることは理解できるものの,このような抽象的な作用効果の記載から,本願発明の「生産,稼働情報」がスケジュール管理情報に限定されるものと理解し得る訳ではない。エ以上のとおり,本願発明における「生産,稼働情報」は作業スケジュール管理情報を意味するものであるとする原告ら主張は採用することができないから,「生産,稼働情報」は,用語の一般的な意味に解するほかない。」

◆平成20(行ケ)10252 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年03月26日 知的財産高等裁判所

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◆平成18(行ケ)10537 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年12月18日 知的財産高等裁判所

  審決は、「該当する構成部品の前記駆動手段からの解除」という構\成要件について、単に、「装置を停止させることのみ」を意味しているとして、引用例から進歩性無しと主張しましたが、裁判所は、クレームの記載だけでは不明瞭なので、明細書を参酌して、「構成部品が駆動手段からの接続を解かれて容易に動くことができる状態にすること」であると認定して、拒絶審決を取り消しました。
 「審決の上記認定判断によれば,審決は,その認定した相違点にいう「該当する構成部品の前記駆動手段からの解除を制御する第1の駆動解除信号を発生する」こと及び「駆動解除」を「装置の作動を停止させること」と限定的に理解し,その点(「装置の作動を停止させること」)についてのみ,「格別の技術的意義を見いだすことはできず,設計的事項にすぎない」と判断したものと解されるところ,上記(1)において説示したとおり,請求項1中の「該当する構成部品の前記駆動手段からの解除」との要件は,「構\成部品が駆動手段からの接続を解かれて容易に動くことができる状態にすること」を意味するものであるから,審決には,相違点1について,判断を遺脱した違法があるものといわざるを得ない。
 イ(ア) 被告は,「仮に,請求項1中の『該当する構成部品の前記駆動手段からの解除』との要件が,『停止後に容易に動き得る』ことまでを含むものであるとしても,安全の観点からは,装置の停止後,そのままの状態で放置しておくことは,通常あり得ず,復旧作業を行うことが一般的である。復旧,すなわち,元に戻すためには,停止後に逆方向に動き得るものが望ましいことは明らかであり,乙2公報にも記載されたとおり,ごく自然なことにすぎない」旨主張するので,以下,検討する。・・・しかしながら,乙2公報に開示された上記のサーボモータへの電力供給を遮断し,モータフリー状態にする構\成は,前記(1)において説示した本願発明の構成とは技術的に異なるものであるといわざるを得ないから,乙2公報に上記構\成が開示されているからといって,当業者が,相違点1に係る本願発明の構成に容易に想到することができたものと認めることはできない。(エ) また,仮に,被告が主張するように,「安全の観点からは,・・・停止後に逆方向に動き得るものが望ましいことは明らかであり,・・・ごく自然なことにすぎない」ということが一般的にいえるとしても,そのためにどのような技術的構成を具体的に採用するかが問題なのであるから,そのような一般論をもって,当業者が,相違点1に係る本願発明の構\成に容易に想到することができたものと認めることはできず,その他,そのような事実を認めるに足りる証拠はない。」

◆平成18(行ケ)10537 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年12月18日 知的財産高等裁判所

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◆平成17(行ケ)10680 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年04月25日 知的財産高等裁判所

  侵害系事件でなく、査定系事件において、詳細な説明を参酌して本件発明の要旨認定を行いました。ただ、審決も同じ判断をしていると述べていますので、リパーゼ最高裁判決との関係は明確ではありません。
  「以上のとおり,請求項1には,「該CPUボードが,該投入紙幣識別機構と該販売品管理機構\との間に介在され同一のマイクロプロセッサー制御器にて一元化され」ること及び「前記マイクロプロセッサー制御器が,前記入力信号系からのデータを基に前記紙幣を適正と判断したときに,前記販売品管理機構が前記販売品を払い出してなること」が記載され,また,本願明細書の発明の詳細な説明には,投入紙幣識別機構\と販売品管理機構との双方のマイクロプロセッサー制御器を搭載したCPUボードを一元化し,同一のマイクロプロセッサー制御器で,投入紙幣識別機構\と販売品管理機構を制御することが開示されている。そうすると,本願発明では,同一のマイクロプロセッサー制御器にて,CPUボードを一元化しているのであるから,投入紙幣識別機構\と販売品管理機構とを制御するマイクロプロセッサー制御器は,CPUボード上に1個だけ搭載されていると認定するのが相当である。」

◆平成17(行ケ)10680 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年04月25日 知的財産高等裁判所

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◆平成17(行ケ)10490 審決取消請求事件 平成18年06月29日 知的財産高等裁判所

  進歩性無しとされた審決が取り消されました。
  「そもそも,本願発明の相違点1ないし3は,正確にいうと,相違点1及び2であることを特徴とする相違点3に係る光学検出部と言い換えることもでき,相違点1及び2は,相違点3に係る光学検出部であることを前提としている。しかも,審決が相違点3として摘示するとおり,本願発明は「紙葉類識別装置」に係る発明であるのに対し,引用発明は,紙葉類の積層状態検知用装置に係る技術であって,発明の課題及び目的が相違しており,このことは被告も認めるところである。したがって,本願発明の構成を把握する上で,相違点1及び2と相違点3とを分説するのはよいとしても,相違点1ないし3の相互の関係を考慮しながら,本願発明の進歩性について検討しなければならない。」 「確かに,本件周知装置においては,上記(2)ウのとおり,紙葉類の識別を行う際に,紙葉類の特徴箇所を選んで識別することは,当業者が容易に想到し得たことということができる。しかし,このことから,上記(3)のような,複数本の検出ラインの技術的思想のない引用発明について,複数本の検出ラインの技術的思想を前提とし,一対の発光・受光素子によって一括して検出を行うという相違点1及び3に係る本願発明の構成を付加することが容易であるとか,あるいは,単なる設計変更であるということは困難である。」

◆平成17(行ケ)10490 審決取消請求事件 平成18年06月29日 知的財産高等裁判所

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◆H18. 2. 6 知財高裁 平成17(行ケ)10390 特許権 行政訴訟事件

  拒絶審決について、「式I化合物と,式?U〜?W化合物のいずれかを含有し,該混合物のしきい値電圧が 1.6ボルト以下であることを特徴とする液晶媒体。」という請求項の要旨認定が争われました。原告(出願人)は、この請求項の記載は「化合物Iと化合物?U〜?Wのいずれかを含有することにより,その機能によりしきい値電圧を1.6ボルト以下まで低下させることができる」と主張しましたが、裁判所は、拒絶審決を維持しました。
  「発明の要旨認定は,特段の事情のない限り,特許請求の範囲の記載に基づいてされるべきであり,特許請求の範囲の記載の技術的意義が一義的に明確に理解することができないとか,一見してその記載が誤記であることが明細書の発明の詳細な説明の記載に照らして明らかであるなどの特段の事情がある場合に限って,明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌することが許されるにすぎないものというべきである(最高裁平成3年3月8日第二小法廷判決・民集45巻3号123頁)。そこで,本願発明1の特許請求の範囲請求項1の記載をみると前判示のとおりであって,要するに,「正の誘電異方性を有する極性化合物の混合物を基礎とする液晶媒体であって,一般式I…,および一般式?U,?Vおよび?W…から成る群から選択される1種またはそれ以上の化合物をさらに含有し,該混合物のしきい値電圧が1.6ボルト以下であることを特徴とする液晶媒体。」(下線は当裁判所が付した。)というものである。この記載について,技術的意義が一義的に明確に理解することができないなどということはないことは明らかである。  そして,この記載から理解されるところによれば,本願発明1が,「…含有することにより,…1.6ボルト以下まで低下させる」,すなわち,「…含有することにより,その機能により…1.6ボルト以下まで低下させる」とか,「…含有するという構成により,その効果として,…1.6ボルト以下まで低下させる」ということまでを意味するものとは解されないし,「実質的に『シアノ化合物』の使用を,少なくとも多量の『シアノ化合物』の使用を排除している」と解することは到底できない。」

◆H18. 2. 6 知財高裁 平成17(行ケ)10390 特許権 行政訴訟事件

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◆H15.12.11 東京高裁 平成14(行ケ)479 特許権 行政訴訟事件

 審決は、請求項に記載された用語の意義は明瞭であるとしてその用語の通り認定しましたが、裁判所はかかる審決を取り消しました。
「被告は,「スロット」という用語は,一般に用いられる用語であって,一般に用いられる場合のその語意は明確であるから,本願明細書の請求項9における「スロット」も,一般に用いられる場合の語意どおりの意味に解するのが相当である,このことは,最高裁平成3年3月8日判決(民集45巻3号123頁)が,「特許請求の範囲の記載の技術的意義が一義的に明確に理解することができないとか・・・の事情があるときに限って,明細書の発明の詳細な説明を参酌することが許されるに過ぎないのであって,このような特段の事情がない限り,明細書の特許請求の範囲の記載に基づいてなされるべきである」と判示するところにも合致する,仮に,「スロット」に「溝」という広い語意以外の意味もあるとしても,本願発明の「スロット」が「溝」という広い語意をも含むことを否定することはできない,と主張する。しかし,本願発明の「スロット」が,その請求項9の記載自体からその技術的意義を明確に理解することができるものではないことは,上記のとおりである。上記最高裁判決に照らしても,本願発明の「スロット」について,本願明細書の【発明の詳細な説明】を参酌することが許されないとの被告の主張は採用することができない(被告の主張は,特許請求の範囲で用いられている用語は,その用語自体としては,広狭の複数の意味があっていずれの意味でも用いられ得るものであっても,常に,広義の意味で用いられているものと理解されなければならない,というに帰する。これを合理的なものということはできない。)。」

     

◆H15.12.11 東京高裁 平成14(行ケ)479 特許権 行政訴訟事件

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