H18. 1.31 知財高裁 平成17(行ケ)10565 商標権 行政訴訟事件

平成17年(行ケ)第10565号 審決取消請求事件
口頭弁論終結日 平成17年11月21日
                   判決
原       告      株式会社オカドラ
同訴訟代理人弁護士      木下洋平
被       告   特許庁長官 中嶋誠
同指定代理人         福島昇
同                      宮下正之
                   主文
     1 原告の請求を棄却する。
         2 訴訟費用は原告の負担とする。
                   事実及び理由
第1 請求
    特許庁が不服2003−16799号事件について平成17年5月17日にした審決を取り消す。
第2 当事者間に争いのない事実

 1 特許庁における手続の経緯
    原告は,平成14年10月16日,「サイクロン・ドライヤー」の文字からなる商標(以下「本願商標」という。)について,第7類「乾燥機,その他の化学機械器具」及び第11類「乾燥装置」を指定商品として,商標登録出願をした(商願2002―87340号。以下「本願」という。)ところ,特許庁は,これについて,平成15年6月27日に拒絶査定をした。
    そこで,原告は,平成15年7月28日,拒絶査定不服審判の請求をしたが(不服2003−16799号),特許庁は,平成17年5月17日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決(以下「本件審決」という。)をし,その謄本は同年6月8日に原告に送達された。
 2 本件審決の理由
    別紙審決書写しのとおりである。要するに,登録第618899号商標(以下「引用商標」という。)を引用した上,本願商標及び引用商標は,称呼において類似し,かつ,その指定商品も同一又は類似するものであるから,本願商標は,商標法4条1項11号に該当する,というものである。

    引用商標は,「Cyclo」の文字よりなり,昭和37年2月8日,登録出願され,第9類「産業機械器具,動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具,事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの,これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)機械要素,但し,かいばおけ,養蜂用巣箱,養鶏用かご,蚕種製造または養蚕用機械器具,理髪用椅子,救命用具を除く」を指定商品として,昭和38年6月27日に設定登録され,その後,4回にわたって存続期間の更新登録がされ,さらに,平成16年10月13日,第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,漁業用機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,ミシン,耕うん機械器具(手持ち工具に当たるものを除く。),栽培機械器具,収穫機械器具,植物粗製繊維加工機械器具,飼料圧搾機,飼料裁断機,飼料配合機,飼料粉砕機,ガラス器製造機械,塗装機械器具,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),業務用電気洗濯機,修繕用機械器具,機械式駐車装置,乗物用洗浄機,業務用撹はん混合機,業務用皮むき機,業務用食器洗浄機,業務用切さい機,業務用電気式ワックス磨き機,業務用電気掃除機,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。),廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置」,第9類「アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター」,第11類「乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,工業用炉,原子炉,飼料乾燥装置,ボイラー,暖冷房装置,冷凍機械器具,業務用衣類乾燥機,業務用加熱調理機械器具,業務用食器乾燥機,汚水浄化槽,し尿処理槽,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,業務用ごみ焼却炉,太陽熱利用温水器,浄水装置」,第12類「陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素」と指定商品の書換登録がされ,現に有効に存続しているものである。
第3 原告主張に係る本件審決の取消事由
        本件審決は,本願商標及び引用商標が称呼において類似し,本願商標が商標法4条1項11号に該当すると誤って判断したものであるから,取り消されるべきである。
 1 本願商標の称呼について
    本件審決は,本願商標から「サイクロン」の称呼が生じると認定するが,誤りである。
    すなわち,「サイクロンドライヤー」の称呼は,特に冗長にわたることはなく,無理なく一連に称呼することができるものであるから,本願商標は,全体として一体不可分であり,そこから「サイクロンドライヤー」以外の称呼が生じることはあり得ない。このことは,過去の裁判例からも明らかである。
    また,「サイクロン」と省略して称呼したのでは,「熱帯低気圧」の意味にしかならないから,商取引においてそのような省略がされると認定するのは不合理である。

 2 「サイクロン」と「サイクロ」の類否について
    本件審決は,「サイクロン」と「サイクロ」の称呼を聞き誤るおそれがあると認定するが,仮に,本願商標が「サイクロン」と称呼されることがあるとしても,上記認定は誤りである。
    すなわち,本願の指定商品である「乾燥機」や「乾燥装置」は,産業用の物であり,少なくとも一台1000万円はする高価な商品であるため,その取引は,電話,口頭等により盛んに行われるわけではなく,注意深く行われるものであるから,両者を聞き誤ることはない。
    また,「サイクロ」は,日本人に何の観念も想起させない造語であるのに対し,「サイクロン」は,「熱帯低気圧」の意味を有するので,両者は観念において明確に相違するから,互いに紛れることはない。
 3 本願商標と引用商標の類否について

    本願商標「サイクロン・ドライヤー」と引用商標「Cyclo」を並べて対比すれば,両者の差異は一目瞭然である。本件審決の判断によれば,本願商標を構成する10文字のうち,6文字までが無視されることになり,非常識な結果となる。
    また,今日のような情報化社会においては,人々は多量の情報を識別認識することに慣れているから,総合的全体的な観察を心がける必要があり,そのような観点に立てば,両商標は明らかに非類似である。
    なお,本願商標を付した乾燥機は,原告会社の主力商品であるから,本願商標の登録を認めることは,商標法の目的に寄与するし,引用商標の商標権者は,本願商標の登録後に異議申立てをすることができるのであるから,本願商標の登録を拒絶する必要はない。
第4 被告の反論
    本願商標が商標法4条1項11号に該当するとの本件審決の判断に誤りはなく,原告の主張する取消事由には理由がない。

 1 本願商標の称呼について
    本願商標は,「サイクロン」と「ドライヤー」の間に中点を配しているから,視覚上分離して看取し得る。また,全体が一般に親しまれた熟語的意味合いを有するともいえない。さらに,「ドライヤー」の文字は,「乾燥機」を指称する表示として,一般に認識されている(乙3〜10)。
    これらの事情によれば,本願商標は,その後半部の「ドライヤー」の文字部分が,指定商品中「乾燥機,乾燥装置」との関係で,自他商品識別標識として機能し得ない部分であるから,取引者・需要者が,その前半部の「サイクロン」の文字に着目して,「インド洋に発生する熱帯低気圧」(乙11)の観念を生じると共に,「サイクロン」と称呼するものとみるのが自然である。
 2 「サイクロン」と「サイクロ」の類否について

    本願商標の称呼「サイクロン」と引用商標の称呼「サイクロ」とをそれぞれ称呼するときは,語調・語感が極めて近似し,聞き誤るおそれのある相紛らわしい類似するものである。
    なお,本願の指定商品には,産業用の高価な商品のみならず,小型,安価な商品も含まれており,便利で簡便な電話での取引も容易に推測できる。そして,商標の類否判断は,その商品の一般の需要者が通常有する注意力を基準としてされるべきものである。
 3 本願商標と引用商標の類否について
    上記のとおり,本願商標と引用商標における称呼は,極めて類似するものであるから,両商標は,その外観,観念の差異を超えて,なお類似するものといわざるを得ない。
第5 当裁判所の判断
 1 本願商標の称呼について
    原告は,本願商標から「サイクロン」の称呼が生じるとの本件審決の認定は誤りである旨主張する。

   (1) 本願商標は,「サイクロン・ドライヤー」の文字からなる商標であり,「サイクロン」の文字と「ドライヤー」の文字との間に「・」が存在しているから,取引者,需要者の視覚上,「サイクロン」の文字部分と「ドライヤー」の文字部分とが分離して認識され得るものというべきである。
      また,「ドライヤー」の語が,「乾燥器。乾燥剤。特に,ヘア・ドライヤー。」(広辞苑・第5版,乙1)を意味するものとして,広く一般に認識されていることは,明らかである。現に,本願の出願前である昭和63年4月18日から平成14年7月2日にかけて発行された「日刊工業新聞」及び「日本食糧新聞」にも,各種乾燥機が「○○ドライヤー」の名称で販売されている事実に関する記事が掲載されていることが認められる(乙3〜10)。そうであれば,本願の指定商品中の「乾燥機,乾燥装置」との関係においては,本願商標中の「ドライヤー」の文字部分は,自他商品を識別する標識としての出所表示機能を有さないものといわざるを得ない。

      これらの事情によれば,取引者,需要者が取引において商品の出所を識別する場合,本願商標中の「サイクロン」の文字部分が,取引者,需要者の注意を強く惹く要部であるというべきであり,簡易・迅速を尊ぶ取引の実際においては,本願商標中の上記部分のみをもって称呼,観念されることも少なからずあるものと認められる。したがって,本願商標から「サイクロン」の称呼が生じるとの本件審決の認定は相当であり,原告の上記主張は採用できない。
   (2) この点に関し,原告は,「サイクロンドライヤー」の称呼は,特に冗長にわたることはなく,無理なく一連に称呼することができるものであるから,本願商標は,全体として一体不可分であり,そこから「サイクロンドライヤー」以外の称呼が生じることはあり得ず,このことは,過去の裁判例からも明らかである旨主張する。

      しかしながら,「サイクロンドライヤー」の称呼は,10音にわたるものであるから,簡易・迅速を尊ぶ取引の実際において,冗長なものとして認識される場合がないということはできないし,上記のとおり,本願商標の構成からみて,「サイクロン」と「ドライヤー」の各文字部分が分離して認識され得るものであり,本願の指定商品中の「乾燥機,乾燥装置」との関係においては,本願商標中の「ドライヤー」の文字部分は,自他商品を識別する標識としての出所表示機能を有さないものであるから,当該部分を省略して「サイクロン」の称呼が生じることは十分あり得ることというべきである。なお,原告は,過去の裁判例を引用するが,これらは,商標全体が一連のものとして周知性を獲得しているなど,それぞれ本件と事情を異にする事例に関するものというべきである。したがって,原告の上記主張も採用できない。
   (3) また,原告は,「サイクロン」と省略して称呼したのでは,「熱帯低気圧」の意味にしかならないから,商取引においてそのような省略がされると認定するのは不合理である旨主張する。
      「サイクロン」の語は,一般に「インド洋に発生する熱帯低気圧」(広辞苑・第5版,乙11)を意味するものとして認識されていると認められるところ,それを前提としても,原告の上記主張の趣旨は,必ずしも明らかではないが,本願商標の構成において,「ドライヤー」の文字部分を省略すると,商品との関連性が不明になるから,そのような省略はあり得ない旨をいうものとも解される。
      しかしながら,取引の実際において,本願商標における「ドライヤー」の文字部分のように,指定商品と関連性を有するため出所表示機能を有さない部分が含まれる商標のみならず,そのような部分が含まれない商標(指定商品との関連性を有しない部分のみからなる商標)が多く用いられていることは,当裁判所に顕著である。したがって,指定商品と関連性を有する部分が省略されることがあり得ないとは到底いうことができない。むしろ,前記のとおり,簡易・迅速を尊ぶ取引の実際において,そのような出所表示機能を有さない部分を省略して称呼,観念されることは,当然あり得べきことである。したがって,原告の上記主張も採用できない。

 2 「サイクロン」と「サイクロ」の類否について
    原告は,「サイクロン」と「サイクロ」の称呼を聞き誤るおそれがあるとの本件審決の認定は誤りである旨主張する。
   (1) 本願商標は,前記のとおり,その構成中「サイクロン」の文字部分が取引者,需要者の注意を強く惹く要部であるから,「インド洋に発生する熱帯低気圧」の観念と同時に,「サイクロン」の称呼を生じるものである。
      これに対し,引用商標は,「Cyclo」の文字からなる商標であるから,「サイクロ」の称呼を生じるものである。なお,上記文字は造語であると認められるから,特定の観念を生じないものというべきである。
      上記「サイクロン」及び「サイクロ」の各称呼は,「サイクロ」の音を共通にしており,語尾の「ン」の有無の点が異なるのみである。そして,「ン」の音(撥音)は,「子音だけで母音を含まないため,上につく音節といっしょにして一音節と数える」(日本文法用語辞典・初版,乙12)ものであり,鼻音である(広辞苑・第5版,乙13)から,その発音に際しては強調されることがなく,極めて聴取しにくい音といわざるを得ない。

      したがって,本願商標の称呼「サイクロン」と引用商標の称呼「サイクロ」とは,取引者,需要者が聞き誤るおそれのある極めて類似するものというべきである。これと同旨の本件審決の判断に誤りはなく,原告の上記主張は採用できない。
   (2) この点に関し,原告は,本願の指定商品である「乾燥機」や「乾燥装置」は少なくとも一台1000万円以上である高価な産業用の商品であるため,その取引は,電話,口頭等により盛んに行われるわけではなく,注意深く行われるものであるから,両者を聞き誤ることはない旨主張する。
      しかしながら,本願の指定商品である「乾燥機,その他の化学機械器具」又は「乾燥装置」は,主に産業用のものということができるが,そうであるからといって,直ちに,少なくとも一台1000万円以上である高価な商品のみが含まれるわけではなく,小型の商品や安価な商品も含まれることは明らかである。仮に,原告が現在,本願商標を実際に使用している商品が一台1000万円以上である高価な商品であったとしても,商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは,その指定商品全般についての一般的,恒常的なそれを指すものであって,単に該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的,限定的なそれを指すものではないから,そのような特殊的,限定的な事情を考慮に入れることはできない。そして,このように,小型の商品や安価な商品も含まれる,本願の指定商品について,取引者,需要者が電話や口頭での取引を行うことも,少なからずあるものと認められるから,そのような場合に,本願商標の称呼「サイクロン」と引用商標の称呼「サイクロ」とを聞き誤るおそれがあるものといわざるを得ない。したがって,原告の上記主張も採用できない。

   (3) また,原告は,「サイクロ」が,日本人に何の観念も想起させない造語であるのに対し,「サイクロン」は「熱帯低気圧」の意味を有するので,両者は観念において明確に相違するから,互いに紛れることはない旨主張する。
      確かに,引用商標は,特定の観念を生じないため,本願商標と引用商標の観念を比較することができず,両商標が観念において類似するとはいえない。しかしながら,前記のとおり,両商標は,その称呼において極めて類似するものであるから,観念において類似するものでなくても,両商標は,互いに紛らわしいものといわざるを得ない。したがって,原告の上記主張も採用できない。
 3 本願商標と引用商標との類否について
   (1) 前記のとおり,本願商標は,その構成中「サイクロン」の文字部分が取引者,需要者の注意を強く惹く要部であり,「サイクロン」の称呼を生じるものであるところ,上記称呼は,引用商標の称呼「サイクロ」と聞き誤るおそれのある極めて類似するものであるから,結局,本願商標と引用商標とが類似するものであることは明らかである。

      そして,本願の指定商品が引用商標の商標登録に係る指定商品と同一又は類似するものであることも明らかである。
      したがって,本願商標は商標法4条1項11号に該当するものであり,これと同旨の本件審決の判断に誤りはない。
   (2) この点に関し,原告は,本願商標「サイクロン・ドライヤー」と引用商標「Cyclo」を並べて対比すれば,両者の差異は一目瞭然である旨主張する。
      原告の上記主張の趣旨は,必ずしも明らかではないものの,両商標の外観の差異をいうものと善解できる。しかしながら,取引の実際において,取引者,需要者は常に商標の外観を見比べて商品の出所を識別するとは限らないのであり,外観が異なるからといって直ちに両商標が非類似であるとすることはできない。本願商標と引用商標とは,その外観において相違しているとしても,前記のとおり,称呼の点において,聞き誤るおそれのある極めて類似するものであるといえるから,外観上の相違を考慮してもなお,本願商標と引用商標とが類似するものであることは明らかである。したがって,原告の上記主張は採用できない。

   (3) また,原告は,今日のような情報化社会においては,人々は多量の情報を識別認識することに慣れているから,総合的全体的な観察を心がける必要があり,そのような観点に立てば,両商標は明らかに非類似である旨主張する。
      原告の主張する上記一般論はそのとおりであるが,そのような観点から検討しても,前記のとおり本願商標と引用商標とが称呼において極めて類似するものである以上,前記判断を何ら左右することになるものではない。したがって,原告の上記主張も採用できない。
   (4) さらに,原告は,本願商標を付した乾燥機が原告会社の主力商品であるから,本願商標の登録を認めることは,商標法の目的に寄与するし,引用商標の商標権者は,本願商標の登録後に異議申立てをすることができるのであるから,本願商標の登録を拒絶する必要はない旨主張する。

      しかしながら,商標法1条は,「この法律は,商標を保護することにより,商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り,もつて産業の発達に寄与し,あわせて需要者の利益を保護することを目的とする。」と規定しているところ,本願商標のように,先願に係る他人の登録商標と類似する商標の登録を認めれば,先願に係る登録商標の使用をする者の業務上の信用の維持が図られなくなる結果,産業の発達に悪影響を及ぼすと共に,需要者にも商品の出所の混同を生じさせてその利益を害することが明らかである。また,商標登録異議の申立ては,誤ってされた商標登録を是正するための制度であって,そのような制度があるからといって,本来商標登録を受けることができない商標について登録を認めるべきことにならないことはいうまでもない。したがって,原告の上記主張も採用できない。
 4 結論
    以上のとおり,原告主張の取消事由は理由がなく,他に本件審決を取り消すべき瑕疵は見当たらない。
    よって,原告の本件請求は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。


           知的財産高等裁判所第3部


                   裁判長裁判官      佐  藤  久  夫

                          裁判官    嶋  末  和  秀

                     裁判官       沖  中  康  人