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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

商4条1項各号

平成25(行ケ)10165 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年12月18日 知的財産高等裁判所 

 本件商標は、「RAFFINE」、引用商標1は、「ら・フィネ」の文字を,下段に「LA・FINE」の文字を二段書きに配して成る商標、引用商標2は,「LA FINE」の文字と図形から成る商標、引用商標3は,上段に「LA・FINE」の文字を,下段に「ラ・フィネ」の文字を二段書きに配した商標でした。 裁判所は、引用商標と類似する(4条1項11号)とした審決を維持しました。
   引用商標を構成する語のうち,欧文字の「LA・FINE」及び「LAFINE」の部分については,イタリア語で,「la」が子音で始まる女性名詞単数の前に付けられる定冠詞であり,「fine」が「終わり,終点,最後,結果,結末」などを意味する女性名詞であるから(なお,男性名詞として用いられる場合,「目的,意図」などの意味で用いられる。以上につき,小学館「伊和中辞典」,白水社「新伊和辞典」参照),「その終わり,最後,結末」との意味を有することとなる。しかし,引用商標の「LA・FINE」ないし「LA FINE」は,イタリア語であるため,我が国において一般的に知られた語であるとはいえない。そのため,引用商標からは,特段の観念は生じない。もっとも,引用商標1の「ら・フィネ」の部分及び引用商標3の「ラ・フィネ」の部分については,これらに併記された「LA・FINE」の部分がイタリア語で「ラ・フィネ」と発音されることに照らすと,いずれも「LA・FINE」の部分の読みを表したものと解され,その結果,引用商標1及び引用商標3からは,「ラフィネ」という称呼が生じるということができる。かかる読みが併記されていない引用商標2についても,上記のイタリア語の称呼が生じ得るといえる。ただし,「la」の語がフランス語の定冠詞とも理解され,「fine」の語が英語で「みごとな,完成された」などの意味を有する(研究社「リーダーズ英和辞典」参照)ことからすると,これらの語を組み合わせた造語と捉えることもでき,この場合には,「ラファイン」という称呼も生じ得ると考えられる。\n3 本件商標と引用商標の類否について 以上を踏まえ,本件商標と引用商標とを比較すると,両者はいずれも「ラフィネ」の称呼を生じる点では同一であり,また,どちらも我が国において一般的に知られた語ではないため,必ずしも特段の観念が生じるとはいえず,観念上区別することは困難であると考えられる。一方,外観については,本件商標が「R」から始まる一続きの欧文字を一段書きにして成るものであるのに対し,引用商標は,欧文字部分については綴りが「L」から始まり「F」の重複がない上,「・」やスペースによって「LA」の部分と「FINE」の部分とに区分されている点で明確に相違するため,それぞれの欧文字の意味が不明であるとしても,両者は明らかに異なる語として認識される。また,引用商標1及び引用商標3については日本語の文字とともに二段書きにされ,引用商標2については文字部分の下に図形部分が存在するとの差異もある。このように,本件商標と引用商標との間には,外観上顕著な差異があり,取引者及び需要者が引用商標の外観から受ける視覚上の印象は本件商標のそれと明確に異なるものということができる。また,指定商品である化粧品の取引の実情については,取引者及び需要者は,店頭販売,通信販売,あるいはインターネットを介した化粧品の販売においては,商品の外観を見て購入するのが通常であり,その際に商品に付された商標の外観や製造販売元を見て商品の出所について相応の注意を払って購入することが多いと考えられる。また,化粧品については,既に商品自体ないしその出所等を認識している場合には,電話等による取引をすることが考えられるものの,この場合も,取引者及び需要者が商標の称呼のみをもって商品の出所を識別して商品を購入するとは考えにくい。上記のとおり,本件商標と引用商標とは,称呼が同一であるものの,外観上顕著な差異があることや指定商品に係る上記のような取引の実情を踏まえると,取引者及び需要者が商品の出所を誤認混同するおそれがあるとはいえないから,互いに類似するものということはできない。これと同旨の審決の判断に誤りはない。

◆判決本文

関連事件です。

◆平成25(行ケ)10065

◆平成25(行ケ)10167

◆平成25(行ケ)10044

◆平成25(行ケ)10042

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 >> 商4条1項各号

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平成25(行ケ)10158 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年12月17日 知的財産高等裁判所

 商標「LADY GAGA」を指定商品「レコードなど」に使用する場合、識別性が無いとした審決が維持されました。出願人はアーチスト自身の会社ですので、4条1項8号は問題になっていません。
 以上によれば,「LADY GAGA」(レディ(ー)・ガガ)は,アメリカ合衆国出身の女性歌手として,我が国を含め世界的に広く知られており,「LADY GAGA」の欧文字からなる本願商標に接する者は,上記歌手名を表示したものと容易に認識することが認められる。そうすると,本願商標を,その指定商品中,本件商品である「レコード,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」に使用した場合,これに接する取引者・需要者は,当該商品に係る収録曲を歌唱する者,又は映像に出演し歌唱している者を表\示したもの,すなわち,その商品の品質(内容)を表示したものと認識するから,本願商標は,自他商品の識別標識としての機能\を果たし得ない。したがって,本願商標は,商標法3条1項3号に該当する。また,本願商標を,本件商品である「レコード,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」のうち「LADY GAGA」(レディ(ー)・ガガ)が歌唱しない品質(内容)の商品に使用した場合,「LADY GAGA」(レディ(ー)・ガガ)が歌唱しているとの誤解を与える可能性があり,商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。したがって,本願商標は,商標法4条1項16号に該当する。\n

◆判決本文

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平成25(行ケ)10126 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年10月10日 知的財産高等裁判所

 商標「きょロッケ」は「ギョロッケ」は非類似した審決が維持されました。
 本件商標を一連・全体として見て,これを引用商標と対比すると,両者は外観が著しく異なることが明らかであり,本件商標は特定の観念が生じないものであるのに対し,引用商標は魚に関するものという観念が生ずるか,または特定の観念を生じないものであるから,両者は観念において相違するかあるいはこれを比較することができないものである。また,称呼は構成音及び構\成音数が明らかに相違し,一連に称呼した場合,両者は全く異なるといえる。次に,本件商標の要部たる「きょロッケ」の文字部分と引用商標とを対比すると,「きょロッケ」の文字部分と,引用商標とは,綴り,書体,色,上下2段に表示されているか否かなどの構\成が異なり,外観において相違する。また,「きょロッケ」の文字部分は特定の観念が生じないものであるのに対し,引用商標は魚に関するものという観念が生ずるか,または特定の観念を生じないものであるから,両者は観念において相違するかあるいはこれを比較することができないものである。もっとも,「きょロッケ」はその文字部分に相応する「きょろっけ」の称呼を生じ,引用商標は,その構成文字に相応する「ぎょろっけ」の称呼を生ずるものであるから,両者の称呼は,「きょ」と「ぎょ」において相違するだけであり,比較的近似するものであるといえる。しかし,語頭音である「きょ」と「ぎょ」の称呼上の差異は清音と濁音の違いであり,比較的容易に認識できるものであるといえる。さらに,取引の実情として,外観や観念よりも称呼によって商品の出所を識別しているなど,称呼上の識別性が外観及び観念上の識別性を上回っているような特段の事情も認められない。そうすると,本件商標の要部たる「きょロッケ」の文字部分と引用商標とは,外観が異なる上,観念については相違するかまたは比較することができないものであって,称呼においても上記の程度に区別できるから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合判断すると,両商標を取り違えて商品の出所の誤認混同を生ずるおそれは考えられず,両者は類似しないものというべきである。\n

◆判決本文

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平成25(行ケ)10122 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年09月24日 知的財産高等裁判所

 商標法4条1項10号に該当するとした拒絶審決が維持されました。
 上記(1)ア,イによれば,1)引用商標2を付して電磁的方法により広告が提供されていたファベ社製の枕は,本願商標出願日前から,相当数のウェブサイトで高い人気を得た売れ筋商品として取り上げられていたことが認められ,これによれば,引用商標2は,これらウェブサイトを通じて多数の需要者の目に触れられたものと推認され,また,2)引用商標1を付された同枕は(乙1,2),原告以外の大手通販業者内で販売される寝具類の中での販売ランキングで上位を占め多数の者がこれを購入したものと認められ,これによれば,引用商標1は直接多数の需要者の目に触れられたものと推認される。したがって,引用商標は,遅くとも本願商標出願日までにはファベ社製の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されていた商標であると認めるのが相当である。\n
イ 本願商標出願日後の周知性につき
ひとたび周知性を得た商標は,短期間のうちにその周知性を喪失することはないのが通常であるところ,上記(1)ウのとおり,引用商標を付されたファベ社製の枕は,本願商標出願日後も相当数のウェブサイトで高い人気を得た売れ筋商品として取り上げられ続け,また,大手通販業者内で販売される寝具類の中での販売ランキングでも上位を占めている。したがって,引用商標は,現在においてもファベ社製の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているものと認められる。
・・・
 原告は,真正商品にのみ本願商標を使用すれば出所の誤認混同を生じない旨を主張するが,当該真正商品を扱う複数の者がその商品についての同一又は類似の商標を自己の商標として使用すれば,特段の取引事情のない限り,誤認混同を生じるおそれが生じ,商標の出所識別機能が害されることは明らかであるところ,そのような特段の取引事情のあることについての主張立証はない。また,原告は,本願商標が商標登録されても真正商品の並行輸入ができる旨を主張するが,真正商品の並行輸入の可否は,当該商標が非登録事由が認められないとして登録された後における商標権の効力の問題であり,非登録事由の存否についての審査において考慮すべきことではない。さらに,原告は,真正商品を取り扱っている業者に対しては権利行使をしない旨を明らかにすれば商標法4条1項10号の非登録事由が回避されると解される主張をするが,独自の見解であって採用することはできない。引用商標1と引用商標2とを二段に併記して成る商標の登録出願をしたファベ社と本願商標を登録出願した原告との間では,現に深刻な紛争が生じている(甲19〜21)。\n

◆判決本文

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平成25(行ケ)10030 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年07月18日 知的財産高等裁判所

 「SAMURAI JAPAN」の下段にすこし小さく「Tudo:para futsal」と表示した商標について、「SAMURAI JAPAN」と図形が組み合わされた商標が類似するとした審決が維持されました。
 本願商標は,「SAMURAI JAPAN」の欧文字と「Tudo:parafutsal」の欧文字とを上下2段に書してなる結合商標である。そして,本願商標の構成中,上段の「SAMURAI JAPAN」の文字部分は,全て大文字であって,下段の「Tudo:para futsal」の文字部分と比べて,1文字1文字が大きく,太く表されており,外観上,下段の「Tudo:para futsal」の文字部分と明瞭に区別することができる。また,「SAMURAI」,「JAPAN」の語が広く一般に使用されており,「SAMURAI JAPAN」の文字部分から,「サムライジャパン」の称呼及び「日本の侍」の観念が自然に生じるのに対し,「tudo」,「para」の語は,いずれもポルトガル語であって(甲3),「SAMURAI」,「JAPAN」の語のように広く一般に使用されているものとはいえず,「Tudo:para futsal」の文字部分から,「トゥードパラフットサル」の称呼や,「フットサルのためのあらゆるものごと」といった観念が自然に生じるものとはいい難い。以上によると,本願商標を構成する「SAMURAI JAPAN」の文字部分と「Tudo:para futsal」の文字部分とは,それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえず,本願商標においては,「SAMURAI JAPAN」の文字部分が取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえるから,これを要部と認めるのが相当である。この点に関し,原告は,本願商標は,上段・下段とも使用されている書体が同じで,上段・下段の幅がほぼ同じであり,全体として,まとまりよく一体のものであり,視覚上も一体不可分のものとして看取されるものであること,「SAMURAI JAPAN」あるいは「サムライ ジャパン」の語は,スポーツ業界では親しみやすいことばであって,識別力が弱く,本願商標の上段の「SAMURAI JAPAN」の文字部分も識別力が弱いことからすると,上記文字部分は,本願商標の指定商品との関係において,取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものではないなどと主張する。しかしながら,前記のとおり,本願商標の構成中,上段の「SAMURAI JAPAN」の文字部分と下段の「Tudo:para futsal」の文字部分とは明瞭に区別することができるものであって,これらが視覚上一体不可分のものであるとはいえないし,また,「SAMURAI JAPAN」の文字部分は取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえる。なお,商品の出所識別標識としての機能は,当該商品の指定商品との関係において検討すべきであるところ,「SAMURAI JAPAN」あるいは「サムライ ジャパン」の語が,スポーツ業界では親しみやすいことばであるからといって,本願商標の指定商品(「フットサル用の運動用特殊衣服,フットサル用の運動用特殊靴」)に使用された場合に,商品の出所識別標識としての機能が弱いということはできない。\n

◆判決本文

◆関連事件はこちらです。平成25(行ケ)10029

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平成25(行ケ)10008 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年06月27日 知的財産高等裁判所

 図形商標について、類似するとした審決が維持されました。問題となった商標はドクロマークです。
 上記(2)に認定判断のとおり,本件商標と引用商標とが「正面を向いた頭蓋骨と扁平に交差させた2本の骨を組み合わせた図形をシルエット風(黒塗り)に表した構\図」として共通する一方で両商標における構成上の差異が微差の範囲にとどまる以上,相違点は個々に又は総体として考慮しても上記共通点に凌駕されるものであり,両者を同一又は類似の商品に使用した場合には,需要者がその出所について誤認混同するおそれがあるというべきである。本件商標は引用商標に類似するものと認めるのが相当であり,これと同旨の審決の判断に誤りはない。原告は,本件商標と引用商標とがそれぞれ与える印象に顕著な差異がある旨の主張をするが,上記判断のとおりの共通点を有する両商標が取引者及び需要者に与える印象に,差異があるものとは認められない。\n

◆判決本文

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平成24(行ケ)10454 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年06月27日 知的財産高等裁判所 

 pumaのパロディ商標について、4条1項15号(出所混同)違反、および同7号違反の審決が維持されました。
 原告は日本観光商事社のライセンス管理会社であるが(弁論の全趣旨),日本観光商事社は,本件商標以外にも,欧文字4つのロゴにピューマの代わりに馬や豚を用いた商標や,他の著名商標の基本的な構成を保持しながら変更を加えた商標を多数登録出願し(甲4,5,14),商品販売について著作権侵害の警告を受けたこともあること(甲15,16)が認められる。これらの事実を総合考慮すると,日本観光商事社は引用商標の著名であることを知り,意図的に引用商標と略同様の態様による4個の欧文字を用い,引用商標のピューマの図形を熊の図形に置き換え,全体として引用商標に酷似した構\成態様に仕上げることにより,本件商標に接する取引者,需要者に引用商標を連想,想起させ,引用商標に化体した信用,名声及び顧客吸引力にただ乗り(フリーライド)する不正な目的で採択・出願し登録を受け,原告は上記の事情を知りながら本件商標の登録を譲り受けたものと認めることができる。そして,本件商標をその指定商品に使用する場合には,引用商標の出所表示機能\が希釈化(ダイリューション)され,引用商標に化体した信用,名声及び顧客吸引力,ひいては被告の業務上の信用を毀損させるおそれがあるということができる。そうすると,本件商標は,引用商標に化体した信用,名声及び顧客吸引力に便乗して不当な利益を得る等の目的をもって引用商標の特徴を模倣して出願し登録を受けたもので,商標を保護することにより,商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り,需要者の利益を保護するという商標法の目的(商標法1条)に反するものであり,公正な取引秩序を乱し,商道徳に反するものというべきである。

◆判決本文

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 >> 誤認・混同

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平成25(行ケ)10028 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年05月30日 知的財産高等裁判所

 商標「御用邸」が公序良俗違反であるとした審決が維持されました。
 甲4,甲5及び弁論の全趣旨によれば,「御用邸」とは皇室の別邸を意味し,天皇又は皇族の静養等に用いられるもので,現在,那須御用邸,葉山御用邸,須崎御用邸の3つがあること,御用邸は国有財産であって,行政財産のうち皇室用財産に属し,宮内庁が管理するものであることが認められる。「御用邸」が皇室の別邸であることは広く知られており,「御用邸」の文字には,皇室と関係があるかのように感じさせる効果があり,顧客誘因力がある(甲6,22)。そうすると,皇室と何らの関係もない者が,自己の業務のために指定商品について「御用邸」の文字を独占使用することは,皇室の尊厳を損ね,国民一般の不快感や反発を招くものであり,相当ではない。このことは,本件商標の登録査定時である平成7年11月16日においても,現在でも同様である。したがって,本件商標は,その登録査定時において既に,指定商品について使用することが社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反するものであったと認めることかできる。そうすると,本件商標は,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標であり,その登録は,7号に違反してされたものであるから,商標法46条1項1号により登録を無効とした審決に誤りはない。原告は,一般国民は「御用邸」が「皇室の別荘」と理解しても,それが現存する三つの御用邸の総称とまでの理解はないと主張するが,「御用邸」が皇室の別邸を意味することは広く知られていて誰でもが理解することであるから,理由がない。原告は,他にも「御用邸」の文字からなる商標や「御用邸」の文字を含む商標が登録されていること,「御所」の文字からなる商標や「御所」の文字を含む商標が登録されていることを主張するが,それらの商標登録に瑕疵があるか否かは,本件の判断とは別論であるから,理由がない。原告は,原告が経営する株式会社庫やでは,本件商標を用いて永年に亘りチーズケーキ等を製造販売し,那須土産として相当数の販売量を誇る人気商品となって,メディアでも取り上げられているが,皇室の尊厳を損ねる等のクレームを受けたことがないと主張するが,原告が指定商品について「御用邸」の文字を独占していることが国民一般に知られているとはいえないし,そもそもその独占自体が相当でないから,理由がない。

◆判決本文

 

◆関連事件です。平成25(行ケ)10026

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平成24(行ケ)10336 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年04月24日 知的財産高等裁判所

 商標「NINA L’ELIXIR」は「ELIXIR」と混同しないとした審決が維持されました。
 これを本件商標についてみると,外観上,本件商標を構成する各文字の大きさ及び書体は同一の全角で,等間隔でまとまりよく一体的に表\されており,「NINA」と「L’ELIXIR」の間に空白部分があるものの,その広さは,半角程度にすぎず,全体として横に一行でまとまりよく表されているものであり,「L’ELIXIR」の文字部分だけが独立して見る者の注意をひくように構\成されているということはできず,まして,「ELIXIR」の文字部分だけが独立して見る者の注意をひくように構成されているということはできない。
・・・・
 原告は,本件商標「NINA L’ELIXIR」を構成する12文字のうち,「ELIXIR」の文字列が占める割合は半分の6文字にも及ぶことから,「ELIXIR」の部分が「L’ELIXIR」の部分の一部にすぎないものとして捉えられるとは考え難く,さらに,「ELIXIR」の文字列の前部に「’」の記号が配されていることも考慮すると,簡易迅速を尊ぶ取引の場においては,視覚的に「L」との結合性が否定され,「ELIXIR」の部分のみが印象付けられやすいと主張する。しかし,本件商標における「ELIXIR」の文字は,エリジオンにより,一つの語として認識される「L’ELIXIR」の一部に埋没しているものであるから「L’ELIXIR」の部分の一部にすぎないし,「L」のアルファベットとの結合性が否定され「ELIXIR」の部分のみが印象付けられるということもない。簡易迅速を尊ぶ取引の場においては,むしろ無理に分断することなく,1語として理解し一体に把握されるものである。
 イ 原告は,本件商標の実際の使用態様をみると,「NINA」と「L’ELIXIR」の文字とを分離して2段書きにするのに加え,下段の部分を「L’ELIXIR」の全て大文字ではなく,「L’Elixir」と表記していることを根拠として,本件商標が「ELIXIR」を構\成中に含んでいると実際の取引において容易に把握され,本件商標の使用者もその事実を自覚していると主張する。しかし,本件商標が実際の使用態様において,「NINA」と「L’ELIXIR」の文字を2段書きにしているからといって,「NINA」と「L’ELIXIR」に分離して看取されるものではない。また,本件商標における「ELIXIR」の文字は,1つの語として認識される「L‘ELIXIR」の一部に埋没しているものであるから,本件商標が「ELIXIR」を構成中に含んでいると実際の取引において容易に把握されるなどということはなく,まして,本件商標の使用者がその事実を自覚しているなどということもない。このことは,「L’ELIXIR」の全てを大文字ではなく,「L’Elixir」と表\記していても同じことである。

◆判決本文

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平成24(行ケ)10360 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年04月18日 知的財産高等裁判所

 商標「INTEL」は、半導体以外の分野で著名だとは認められないとして、商標「インテルグロー」には商標法4条違反はないとした審決が維持されました。
 原告の略称である「インテル」が,原告の業務に係る商品(半導体・集積回路等)の取引者・需要者を始めとして、相当に広い範囲にわたり知られるに至っていたことは,審決認定のとおりである(甲13〜18,20〜51)。これに対し,本件商標は,「インテルグロー」の片仮名を標準文字で同書,同大,等間隔に書され外観視覚上極めてまとまりよく一体に表され,これより生ずると認められる「インテルグロー」の称呼も冗長でなく無理なく一気一連に称呼し得るものであるから,一体不可分の造語として理解されるとみるのが相当である。したがって,本件商標は,その構\成文字中に「インテル」の文字を有するけれども,一体不可分のものとして認識されるものであるから,「インテル」の文字は,本件商標全体の中に埋没していて,それのみが独立して把握されるものではない。したがって,本件商標は,原告を想起させるものではなく,8号の「他人の略称を含む商標」には当たらないとした審決の判断に誤りはない。原告は,表示「インテル」又は「INTEL」が原告の略称として著名であるから,一般世人は本件商標から原告の著名な略称である「インテル」又は「INTEL」を容易に想起すると主張するけれども,集積回路又は半導体以外の商品分野において,表\示「インテル」又は「INTEL」が原告の略称として著名であるとは認められない。防護標章登録の事実から,当該標章が著名であることを推認することもできない。原告はまた,本件商標における「グロー」が「成長する」を意味する英単語として一般人になじみの深い語であることをもって,「インテル」の部分を「グロー」と分離して認識するというが,「成長する」に対応する英単語“grow”の発音が「グロウ」であることは一般人にとって常識であって(甲55),後記のとおり,被告が「グロー」に「成長」の意味を込めたとしても,「インテルグロー」から「インテル」が「グロウ」すると認識するものとは,一般的には推測しにくい。いずれにしても,「インテルグロー」が一気一連に称呼されるものであることは上記認定のとおりである。本件商標が8号に違反して登録されたものということはできないとの審決の判断に誤りはなく,取消事由1には理由がない
・・・
本件商標と引用商標とが非類似であることは上記1で判示したとおりであるが,引用商標に係る商品の取引実態についてみる。甲2〜54,56,57によれば,原告は,半導体・集積回路等の世界最大の製造販売業者であって,その略称でもある商標「インテル」や「INTEL」が,半導体・集積回路等の取引者・需要者の間では著名であり,他方,原告の業務に係る商品を組み込んだパソコン,サーバや,それらの広告に「intel inside」ロゴを表示するマーケティング手法によって,一般消費者へも認知度を高めており,本件商標の登録出願時において既に,上記商標が半導体・集積回路等の分野での原告商標であるものとして相当に広い範囲にわたり知られるに至っていたことを認めることができる。しかし,原告の業務に係る商品(半導体・集積回路等)は,電子機器の部品であり,ブランド構\築の難易度が高い業界に属し,「intel inside」プログラム等のマーケティング的努力によって,商標「インテル」,「INTEL」が,半導体・集積回路等や,パソコン,サーバの取引分野において,これら商標のブランド力を浸透させるのに成功したことは優に認めることができるものの(甲49など),これらの取引分野を超えて,著名となっていることまで認めるに足りる証拠はない。原告が住宅設備機器・建材商品の販売・施工を行っているとは認められず,原告主張の防護標章登録の事実からは,これら商標が防護標章登録の商品,役務の分野において著名となっていることを推認することはできない。(2) 本件商標の指定商品又は役務は,原告の上記商標「インテル」,「INTEL」が使用して取引される商品又は役務と異なり,商標「インテル」,「INTEL」が,半導体・集積回路等や,パソコン,サーバ以外の取引分野においても著名であるとは認められない。そして,本件商標は前記のとおり「インテルグロー」と一連に称呼されるものであり,イタリアのサッカーチーム「InternazionaleMilano(インターナショナル・ミラノ)が我が国において「インテル」の略称で有名であることは当裁判所にも顕著であり,我が国における一般消費者がパソコン,サーバ以外の取引分野において「インテル」の音を聞いたときに,原告の商標「インテル」,「INTEL」を想起すると限らないものと認められる。これらを合わせ考慮すると,本件商標が指定商品又は役務に使用されることによって,原告又はこれと営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのように,出所について混同を生じるおそれがあるとは認められない。

◆判決本文

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平成24(行ケ)10403 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年03月28日 知的財産高等裁判所

審決では、商標「ボロニアジャパン」は無効理由無しと判断されましたが、裁判所は、フリーライドやダイリューションを招くので、商4条1項15号違反として、審決を取り消しました。
 本件商標は,「ボロニアジャパン」の片仮名からなり,「ボロニア」と「ジャパン」からなる結合商標である。本件商標の構成中「ジャパン」の部分は,我が国の国名「日本」を表\す語であって,日本と何らかの関係性がある会社や商品であることを示すために,商号や商標の一部に含めることが広く一般的に行われており(甲53,54),自他商品の出所識別力は乏しく,出所識別標識として支配的な印象を与えるものではない。他方,本件商標の構成中「ボロニア」の部分は,イタリアの地方・都市名であり,ボロニア地方が起源とされている「ボロニアソ\ーセージ」(ボロニヤソーセージ)が知られている(甲72〜75)。本件商標を構\成する「ボロニア」及び「ジャパン」は,上記のとおりいずれもよく知られた概念であり,簡易迅速性を重んずる取引の実際においては,その一部分のみによって簡略に表記ないし称呼されることもあり得るものである。(イ) 後記イのとおり,「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示は,原告又は原告商品を示すものとして一定の周知性を有している。なお,原告の「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」は,「ボロニヤソ\\ーセージ」の「ボロニヤ」に由来するものであり,イタリアの地方・都市名である(甲8,9)。(ウ) そうすると,本件商標「ボロニアジャパン」を,指定商品のうち「パン」に使用した場合は,「ボロニアジャパン」のみならず,「ボロニア」という称呼・観念も生じることもあり得る。そして,その場合には,原告又は原告商品を示すものとして周知な「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」と類似性を有するものということができる。
イ 「BOLONIYA」及び「ボロニヤ」の周知著名性及び独創性の程度(ア) 前記1(1)認定のとおり,「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示は,原告が元々はソ\\ーセージの名称「ボロニヤソーセージ」に用いられていた「ボロニヤ」をパン屋の屋号として採択したものである。そして,「ボロニヤソ\\ーセージ」の「ボロニヤ」は,イタリアの地方・都市名であって,これをソーセージではなくパンに用いる場合には,独創性がないとはいえない。(イ) 前記1(1)認定の事実を総合すれば,平成10年頃までには,原告及びそのフランチャイジーが製造販売するデニッシュ食パンは,「元祖デニッシュ食パン」などとして,全国的に周知となったことが認められる。そして,原告商品には,「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示が使用されていたものであり,「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表\示は,当時,原告又は原告商品を示すものとして周知性を有していたものと認められる。前記1(2)認定のとおり,その後,株式会社ボロニヤによるフランチャイズ契約が解消された結果,店舗数が減少し,株式会社ボロニヤの清算や株式会社東京ボロニヤの破産等があって売上げが低下した時期もあったが,原告は,平成20年9月以降,毎年1億円以上の売上げを上げ,平成22年頃からは再び「伝説のパン」「京都祇園ボロニヤの元祖デニッシュ」などとして雑誌等にも採り上げられ,インターネット販売等でも売上げランキング1位を獲得するなど,「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示は,近時も,原告又は原告商品を示すものとして周知性を有しているものと認められる。そして,「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表\示が,一旦,原告又は原告商品を示すものとして周知性を獲得し,近時も周知性を有していることに照らすと,特段の事情がない限り,その間の期間においても,周知性が継続していたものと推認されるところ,店舗数が減少し売上げが低下した時期もあったものの,インターネットによる通信販売等もあって原告の売上げ自体が大幅に減少したものでもないから,本件商標の登録出願の時点及び登録査定の時点においても,一定の周知性があったものと認められる。
ウ 商品の関連性本件指定商品等には,「パン」が含まれ,原告を示す表示として周知性のある「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の「デニッシュ食パン」を包含するものである。よって,原告商品と本件商標の指定商品は,取引者及び需要者が共通する。
エ 本件商標の使用態様と取引の実情前記1(3)のとおり,被告は,「BOLONIA.JP」というドメインネームを取得して,「BOLONIAJAPAN」(ボロニアジャパン)というウェブサイトにおいて「京都祇園生まれのデニッシュ食パン」と記載した上で,デニッシュパン等を販売し,楽天市場でも,「BOLONIAJAPAN」について「京都祇園生まれのデニッシュ食パン」「京都祇園ボロニア ジャパン」「BOLONIAデニッシュ」などと記載した上で,デニッシュパン等を販売しており,被告のレシートにおいては,「BOLONIA」と大きく記載され,その下に小さく「JAPAN」と記載されている。なお,本件商標の指定商品が日常的に消費される性質の商品であることや,その需要者が特別な専門的知識経験を有しない一般大衆であることからすると,これを購入するに際して払われる注意力はさほど高いものでない。上記のような被告の本件商標の使用態様及び需要者の注意力の程度に照らすと,被告が本件商標を指定商品に使用した場合,これに接した需要者は,かつて周知性を有していた「京都祇園ボロニヤの元祖デニッシュ」や現在も一定の周知性を有する「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示を連想する可能\性がある。
オ まとめ前記のとおり,1)本件商標を,指定商品のうち「パン」に使用した場合は,原告又は原告商品を示すものとして周知な「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」と類似性を有すること(前記ア),2)「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示は,独創性が高いとはいえないものの,「デニッシュ食パン」の分野では,原告又は原告商品を示すものとして一定の周知性を有していること(前記イ),3)本件商標の指定商品は,「デニッシュ食パン」を包含するから,原告商品と取引者及び需要者が共通すること(前記ウ),4)被告の本件商標の使用態様及び需要者の注意力等に照らし,被告が本件商標を指定商品に使用した場合,これに接した需要者が,「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示を連想する可能\\性があること(前記エ)を総合的に判断すれば,本件商標を,指定商品のうち「パン」に使用した場合は,これに接した取引者及び需要者に対し,原告使用に係る「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示を連想させて,当該商品が原告との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表\\示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信され,商品の出所につき誤認を生じさせるとともに,原告の表示の持つ顧客吸引力へのただ乗り(いわゆるフリーライド)やその希釈化(いわゆるダイリューション)を招くという結果を生じかねない。そうすると,本件商標は,商標法4条1項15号にいう「混同を生ずるおそれがある商標」に当たると解するのが相当である。\n

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平成24(行ケ)10290 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年03月21日 知的財産高等裁判所

 3段分離表示された商標「Baby Mon chouchou」が、「Mon chouchou」と類似するとした審決が維持されました。
 本件商標は,飾り文字で表してなる「Baby」,「Mon」及び,これらよりわずかに小さく表\される「chouchou」の各欧文字を3段に配したものの左側にバラのつぼみの図形を配し,「Baby」の欧文字の左斜め上側に羽根のような図形及び交差部を太く表してなる十\字図形を配してなるものである。この構成態様に照らせば,本件商標は,各欧文字と各図形とを組み合わせてなる結合商標であり,各図形部分は,いずれも飾りとして認識され,出所識別標識としての称呼,観念を生じることはないとみるのが相当である。そうすると,本件商標の構\成中の「Baby」,「Mon」及び「chouchou」の欧文字部分は,これに接する者をして,その構成中の各図形部分から分離して看取,把握され得るものと認めるべきである。\n

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平成24(行ケ)10363 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年03月21日 知的財産高等裁判所

 「Augusta Club」と表示した商標が、4条1項15号違反ではないとした審決が取り消されました。
 本件商標は,その構成中にゴルフスイングをする人物を描いた図形が表\示されていること,「Augusta Club」の欧文字部分が顕著に大きく表されていること,「Club」の語が「政治・社交・娯楽,あるいは学校の課外活動で,共通の目的によって集まった人々の団体。また,その集合所。(会員制の)バー・娯楽場。」を意味すること(広辞苑第六版),「Club」の語が,上記の意味において,片仮名表\記だけでなくアルファベット文字としてもよく知られた英語であって,自他役務の識別機能を有しないか,極めて弱いものといえるものであることに照らすと,本件商標は,全体として,看者に対し,「Augusta Club」という名称のゴルフに関する団体又はバーないし娯楽場(ゴルフの関係ではゴルフ場)を想起させるものであり,また,上記のとおり,「Augusta Club」の欧文字部分は顕著に大きく表されていることに照らすと,本件商標は,そのうちの「Club」以外の「Augusta」の文字部分が独立して識別力を有するものである。
2 「Augusta National Golf Club」(オーガスタナショナル・ゴルフ・クラブ)が,マスターズ・トーナメントが開催されるゴルフ場であって,「Augusta」(オーガスタ)がオーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブの略称として著名であるかについて判断する。
・・・
上記によれば,「オーガスタ」の語は,本件商標の登録出願時及び査定時において,マスターズ・トーナメントが開催される米国ジョージア州オーガスタ所在の被告が経営するゴルフ場である「オーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブ」の略称として,また,マスターズ・トーナメントなど,被告経営の上記ゴルフ場において提供される被告の業務に係る役務を表すものとして,日本のゴルフに関連する商品又は役務の取引者・需要者の間で広く認識されるに至っていたものと認めることができる。原告は,「Augusta」(オーガスタ)はマスターズ・トーナメントが開催される土地の名称であって,オーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブの略称として周知著名であったものではないなどと主張する。しかし,「Augusta」(オーガスタ)が土地の名称であること,ジョージア州オーガスタに被告経営のゴルフ場以外に「Augusta」の語を冠したゴルフ場や新聞が存在すること,日本国内及び海外に「Augusta」又は「オーガスタ」の語を含むゴルフ・トーナメント,不動産会社,飲食店,医療クリニック等が存在すること(甲1〜42)は上記認定を左右するものではない。原告が援用する判例は,被告の役務が著名でない場合にその適用が問題となりうるのであり,被告の役務が著名である以上,その適用は問題外である。
3 本件商標の指定役務と被告の業務に係る役務は,いずれもゴルフに関連する役務であるから,役務の内容,質,用途,提供の用に供する物等を共通にする関連性が高いものであって,かつ,その取引者,需要者を共通にするものと認めることができる。
4(1)前記認定によれば,「オーガスタ」及びその英語表記である「Augusta」の語は,本件商標の登録出願時及び査定時において,被告が経営するゴルフ場であるオーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブの略称として,また,被告の主催するマスターズ・トーナメントを意味するものとして,日本の取引者・需要者の間で広く認識されるに至っていたものと認められる。そして,本件商標は,全体として,「Augusta Club」という名称のゴルフに関する団体又はバーないし娯楽場(ゴルフ場)を想起させるものであって,その構成中,「Augusta」の欧文字部分が独立して着目され得るものであるところ,本件商標の指定役務と被告の業務に係る役務がいずれもゴルフに関するものであるという高い関連性及び取引者,需要者の共通性等に照らせば,商標権者が本件商標をその指定役務に使用した場合,これに接する者に,「Augusta」の文字部分から,被告が経営するオーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブを連想させ,当該役務を被告自身あるいは被告と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように,役務の出所について混同を生じさせるおそれがあるものということができる。n

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平成24(行ケ)10392 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年03月21日 知的財産高等裁判所

  「ROSEO’NEILLKEWPIE」の欧文字と「ローズオニールキューピー」の片仮名文字を2段に横書きした商標について、「キユーピー」と類似すると認めました。
 以上によれば,原告(キユーピー株式会社)は,本件商標の出願日及び登録査定日当時,我が国の食品関係の取引者及び一般消費者の間で,マヨネーズを中心とする調味料や加工食品を製造・販売するほか,飲食物の料理方法を教授する会社として著名であり,引用商標1ないし3は,当該分野における役務の提供について,原告を出所として識別させる商標として著名であったものと認められる。さらに,我が国においては,前記1ウに認定のとおり,食品製造会社がそのブランド名と同一又は類似する店舗名の飲食店を経営している例が多数見られることを併せ考えると,引用商標1ないし3は,加工食品の製造・販売及び飲食物の料理方法の教授という役務と密接に関連する「飲食物の提供」という役務においても,取引者,需要者である食品関係の取引者及び一般消費者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。このことは,前記1オに認定のとおり,本件商標が飲食店の名前として使われた場合に多くの者が原告又は原告の主要商品を製造する会社を想起したとのアンケート調査の結果によっても裏付けられる。そして,本件商標の指定役務は,前記第2の1に記載のとおり,第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」であるところ,本件商標がこれらのうち「飲食物の提供」に使用される場合,「KEWPIE/キューピー」の部分は,上記のとおり,取引者,需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える引用商標1ないし3と称呼及び観念が同一のものであるから,当該部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものというべきである。カ 他方,キューピーのキャラクターは,前記1に認定のとおり,その創作後から高い人気を博しており,原告及び被告を含む複数の企業が広告や商品販売等に使用し続けるなどしてきたものであるところ,引用商標1ないし7は,本件商標の指定役務のうち「飲食物の提供」を除く各役務については,取引者,需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるという事情を認めるに足りる証拠はない。また,本件商標のうち「ROSEO’NEILL/ローズオニール」の部分は,本件商標の構成の半分以上を占めるものであって,「KEWPIE/キューピー」の部分に密接に関連する一般的ないし普遍的な文字であると直ちにいうこともできないから,出所識別標識としての称呼,観念が生じないとまでは認められない。\n
キ よって,本件商標は,それが指定役務のうち「飲食物の提供」に使用される場合には,本件商標のうち「KEWPIE/キューピー」の部分だけを他の商標と比較することで類否を判断することができるものというべきであり,この場合,「キューピー」との称呼及びキューピーのキャラクターとの観念を生じるが,上記のような場合でない限り,原則として,その全体をもって他の商標との類否を判断する必要があり,この場合,「ローズオニールキューピー」との称呼及び「ローズ・オニール(という女性)のキューピー」との観念を生じるものというべきである。
・・・・
また,本件全証拠によっても,本件商標の指定役務のうち「飲食物の提供」以外の役務に係る取引に当たり,取引者,需要者が,「ROSEO’NEILL/ローズオニール」との部分が付加された本件商標と,「キューピー」との称呼及び観念が生じる引用商標とで出所について混同を生じる実情があるとは認められない。よって,本件商標は,指定役務のうち「飲食物の提供」以外の役務に使用する場合,引用商標1ないし7とは非類似の商標であるといえる。
・・・・
原告は,本件商標が冗長であり,我が国において広く認識されている3語の名称を結合させたものであるばかりか,本件商標がキャラクターの「キューピー」等と無関係に使用されることがなく,また,訴外会社が本件商標のうち「KEWPIE/キューピー」の部分を強調して使用しているから,当該部分が強い印象を与えることが多々あるほか,アンケート調査の結果がこれを裏付けているとして,本件商標のうち「KEWPIE/キューピー」の部分のみを引用商標1ないし7と比較すべきであると主張する。しかしながら,キャラクターの「キューピー」が我が国で周知である以上,訴外会社が「Rose O’Neill Kwepie」とのロゴの入った商品を販売するに当たり,「Kewpie」の部分を強調したロゴを使用することは,それ自体何ら不自然ではない。また,上記アンケート調査は,前記1オに認定のとおり,専ら本件商標が飲食店の名前として使われた場合を想定しているにとどまるから,「飲食物の提供」以外の役務において「KEWPIE/キューピー」の部分が取引者,需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えることを直ちに裏付けるものではない。
・・・・
被告は,本件商標について行われたアンケート調査の結果に証拠能力がなく,また,当該結果からは,「飲食物の提供」という役務において本件商標から「キューピー」の称呼及び観念が生じるとはいえないと主張する。しかしながら,上記アンケート調査の結果は,「飲食物の提供」という役務において本件商標がどのような印象を与えるかを調査したものであって,審判に提出されていないからといって直ちに証拠能\力が否定されるものではないし,前記1オに認定の調査結果に照らせば,「飲食物の提供」という役務に関する限り,「キューピー」との名称が取引者,需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えることを裏付けるに足りるものというべきである。

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平成24(行ケ)10338 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年03月25日 知的財産高等裁判所

 「Monolith Tower」と「Monolith」は非類似とした審決が維持されました。
 本件商標のうち「タワー」の部分は,本件における商標登録の無効審判請求の対象とされている指定役務「宿泊施設の提供,飲食物の提供,会議・集会のための施設の提供」との関係では,直接的な意味を有するものでない。また,「モノリス」及び「Monolith」の部分が,取引者,需要者にとって,出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる証拠もない。さらに,片仮名の「モノリスタワー」は,同じ大きさ及び同じ間隔で,標準文字により表記されていること,「モノリスタワー」や「Monolith Tower」の称呼は「モノリスタワー」と6音で短いことからすると,取引者や需要者は,本件商標における「モノリスタワー」や「Monolith Tower」を一連一体のものと認識するといえる。そうすると,本件商標が上記指定役務に使用された場合,その出所識別機能を有する部分は,「モノリス」及び「Monolith」のみに限られるものではなく,「タワー」及び「Tower」の部分を含めた全体であるというべきである。以上によると,本件商標と引用商標との類否の判断をするに当たっては,「モノリスタワー」及び「Monolith Tower」のそれぞれと引用商標とを対比すべきである。「モノリスタワー」及び「Monolith Tower」のそれぞれと引用商標とを対比すると,上記のとおり,外観,表したものと認識するものといえる。したがって,被告標章は,「na」,本件図形1,称呼,観念のいずれにおいても相違し,本件商標は,引用商標とは類似しない。したがって,本件商標は商標法4条1項11号に該当しない。
(2) 原告の主張に対して原告は,一般に,「親しまれた語」と「親しまれていない語」との組合せからなる商標においては,「親しまれた語」は自他役務の識別力がないか極めて弱いが,「親しまれていない語」は需要者の注意を引き,役務の出所表示として,強く機能\するとして,本件商標のうち需要者の注意を引く部分は,「モノリス」及び「Monolith」の部分のみであると主張する。しかし,結合商標等を構成する部分が「親しまれた語」であったとしても,指定商品又は指定役務の品質(質)や用途等との関連性を欠く場合には,「親しまれた語」は,格別,自他役務等の識別力がないか又は極めて弱いとはいえない。したがって,原告の主張は,主張自体失当である。\n

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平成24(行ケ)10273 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年02月06日 知的財産高等裁判所

 被告による「数検」の使用が公序良俗に反する(商4条1項7号)かが争われました。裁判所は無効理由ありとした審決を取り消しました。
 ア 上記(1) 認定の事実によれば,本件商標又はこれに類似する標章は,被告が財団法人として認可を受ける前にも,任意団体である日本数学検定協会の数学検定試験に使用されており,財団法人(被告)の設立年度には受検者数が約9万4000人(団体受験校2500校)に達していたこと,被告の設立後,被告の実用数学検定試験の受検者数が大幅に増加し,本件商標もより広く知られるようになったが,原告は,平成22年1月21日に退任するまで被告の理事(理事長)であったこと,原告と被告とは,平成11年,平成21年及び平成23年に商標のパテント料に関する契約を締結し,被告が原告に対し,パテント料の支払(本件商標登録前の分も含む。)を行ったこと,原告が被告の理事を退任した後も,被告が,合意書や誓約書において,原告が本件商標権を有することを前提としていることが認められる。すなわち,本件商標は,当初,原告によって使用されており,被告の設立後,被告によって使用されるようになったが,被告は,上記誓約書を作成した平成23年4月ころまでは原告が本件商標権を有することを前提としており,その後,被告が本件商標権を取得したとか,被告に対し本件商標に関する専用使用権が設定されたとの事実は認められない。上記の事情からすると,被告の設立後,本件商標の周知著名性が高まった事実があるとしても,本件商標が被告によって使用されるべき性格の商標になったということはできない。
 イ また,上記(1) 認定の事実によれば,本件商標権のパテント料支払に関する契約の有効性等につき原告と被告との間に見解の相違があること,本件商標に係るパテント料支払について文部科学省から改善を要する事項について通知を受けたこと,実用数学技能検定事業に関し,原告と被告とが同時期に同様な検定を実施したことから受検者等に混乱が生じた経緯があることが認められる。しかし,上記のような当事者間の民事上の紛争や受検生等の混乱は,もっぱら当事者間の反目や当事者による本件商標の使用態様その他の行動に起因して発生したものというべきであり,本件商標登録によって生じたとは認められない。そうすると,仮に,被告の実用数学技能\\検定事業が何らかの公的性格を有するとしても,民事上の紛争等が発生していることを根拠として,本件商標が被告によって使用されるべき性格の商標になったとか,社会通念に照らして著しく妥当性を欠き,公益を害するようになったということはできない。加えて,本件商標の構成自体も社会的妥当性を欠くとはいえない。したがって,本件商標登録が,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると認めることはできない。\n

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◆こちらは関連事件です。平成24(行ケ)10274

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平成24(行ケ)10334 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年01月31日 知的財産高等裁判所

 商標法4条1項11号違反に該当せずとした審決が取り消されました。
 本件商標は,片方を尖らせた楕円様の青色の輪郭線を左右に2つずつバランスよく組み合わせ,その内の3つに若草色を施した構成からなる図形部分(本件図形部分)の右側に接着して,本件図形部分の下半分を占める高さで,「eams」との欧文字を青色の筆記体で横書きして配置した構\成からなるものである。  イ 本件商標のうち,本件図形部分は,それ自体に着目した場合,これが文字であるとは直ちにいえず,例えば単に植物の葉を図案化したものとみることも可能である。したがって,このように本件図形部分を植物の葉等の何らかの物体を図案化したものと把握した場合,本件商標からは,文字部分に対応する「イームス」又は「イーエーエムエス」との称呼が生じるほか,当該文字部分に対応する英語又は日本語は,直ちに想起し難いから,特定の観念が生じないとみる余地も,ないではない。しかしながら,英語では固有名詞を書き表\す際などに頭文字のみを大文字で書く場合があることは,我が国でも周知であるところ,本件商標の上記文字部分は,いずれも欧文字の小文字で書かれており,本件図形部分の下半分を占める高さで本件図形部分に接着して配置されている。しかも,本件図形部分は,上記文字部分と接着する右側部分が,主に片方をとがらせた2つの楕円様の青色の輪郭線で構成され,その左側部分よりも大きく描かれ,かつ,左側部分とはわずかに離れて配置されているばかりか,本件図形部分の輪郭線及び当該文字部分は,いずれも同じ青色で構\成されている。以上のような本件図形部分と文字部分(「eams」)との配置関係や本件図形部分の構成及び配色に照らすと,本件図形部分は,当該文字部分と一連一体となって,「Beams」という「梁」又は「光線」を意味するものとして我が国でも周知の英単語を書き表\すために,欧文字の大文字である「B」を筆記体ふうに図案化したものであるとみることができる。したがって,このように本件図形部分を欧文字の大文字である「B」を図案化したものと把握した場合,本件商標からは,「ビームス」との称呼が生じるほか,その英語の意味に従い,「梁」又は「光線」との観念が想起されるというべきである。  ウ 以上によれば,本件商標からは,「イームス」又は「イーエーエムエス」との称呼が生じ,特定の観念が生じないとみる余地もあるが,同時に,「ビームス」との称呼が生じ,「梁」又は「光線」との観念が想起されるものと認められる。

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平成24(行ケ)10293 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年01月15日 知的財産高等裁判所

 類似および混同判断について、一連称呼した審決の判断が維持されました。
本件商標は,「Deep Sea Driver」の欧文字を上段に,これより若干小さな「ディープシードライバー」の片仮名文字を下段に,それぞれ横書きで配したものであり,上段の「Deep Sea Driver」部分は,「Deep」,「Sea」及び「Driver」のそれぞれの間に,半角文字分の間隔が空けられている。ここで,下段の「ディープシードライバー」部分が上段の「Deep Sea Driver」部分の日本語表記であることは,その音に照らして明らかであるところ,「Deep Sea Driver」部分と「ディープシードライバー」部分のそれぞれが,普通にある字体で同じ大きさの文字により表記されていること,上段の「Deep Sea Driver」部分については,「Deep」と「Sea」,「Sea」と「Driver」との間に間隔が設けられているものの,2つの間隔は共に英単語を区切るスペース程度のものであって,「Deep Sea」と「Driver」に分けて観察される態様とはなっておらず,全体としてまとまり良く配されていること,また,各英単語は共通して日本人にもなじんでいるもので,特定の単語が特別の印象を持つものでないこと,そして,下段に並記された「ディープシードライバー」部分は全体が一体として表記されていることからすると,本件商標に接した需要者は,少なくとも「Deep Sea Driver」部分と「ディープシードライバー」部分をそれぞれに一体として認識するものと認められる。また,本件商標からは「ディープシードライバー」の称呼を生じるが,この程度であれば冗長であるとはいえず,一気に発音し得るものである。さらに,「Deep」,「Sea」及び「Driver」のそれぞれの部分からは,「深い」,「海」,「運転者」等の観念が生じ得るが,いずれも日本人にもなじみのある一般的な名詞又は形容詞であって,いずれかの部分が需要者に特に強い印象を与えるものではないし,その中の単語が格別に指定商品との関係で識別力の強弱を有するものでもない。なお,原告が主張するように,「Deep Sea」部分から「深海」,「Driver」部分から「運転者」の観念が生じ得るとした場合であっても,これらはいずれも一般的な語にすぎないから,「Deep Sea」部分のみが需要者に強い印象を与えるものとはいえないし,「Driver」部分を除外して識別力を生じるということもできない。以上検討したところを総合すると,本件商標は,少なくとも「Deep SeaDriver」部分及び「ディープシードライバー」部分がそれぞれに一体のものとして認識されるというべきであるから,それらの部分をそれぞれ全体として他の商標と対比すべきであり,その一部である「Deep Sea」あるいは「ディープシー」部分のみを抽出して要部となし,これを他の商標と対比するのは相当でない。
・・・
取消事由2に関する原告の主張は,本件商標と「ROLEX DEEPSEA」の欧文字からなる先願商標の双方について,「ディープシー」の称呼が生じることから,両商標は類似するというものである。しかしながら,取消事由1で説示したとおり,本件商標からは「ディープシードライバー」の称呼が生じるのであって,本件商標の一部を抽出して,そこから「ディープシー」の称呼が生じるとするのは相当でない。したがって,先願商標から「ディープシー」の称呼が生じるかどうかについて検討するまでもなく,両者が「ディープシー」の称呼において類似する旨の原告の主張は理由がない。3 取消事由3(法4条1項15号に関する判断の当否)について証拠(甲7,8,10〜69,71〜121)によれば,審決認定のとおり,本件商標の出願前において,原告使用商標のいずれか,すなわち,「OYSTER PERPETUAL SEA DWELLER DEEPSEA」,「オイスター パーペチュアル シードゥエラー ディープシー」,「SEA−DWELLER DEEPSEA」又は「シードゥエラー ディープシー」が付された,原告の製造又は販売する商品「腕時計」が,多数の雑誌又は新聞の記事で紹介され,あるいは広告として掲載された事実が認められる。他方で,「ディープシー」の語のみによって原告の腕時計が紹介された記事は,甲9,70のわずか2つにすぎない。そのほかに,記事中で「ディープシー」の語が単体で使用されている証拠として,甲26,36,53,61,62,65,66,80が挙げられるが,これらについては,高級時計を紹介するに際して「ディープシー」あるいは「DEEPSEA」の語を含む原告使用商標を商品名として記載した上で,説明記事中で「ディープシー」の語が使用されるにとどまる。さらに,上記の証拠(甲7,8,10〜69,71〜121)によれば,原告使用商標は,全体として同じ字体,同じ大きさの文字で表記され,「DEEPSEA」及び「ディープシー」部分を強調する態様にはなっていないことが認められる。このように,大多数の記事や広告において,原告の腕時計の商品名としては,複数の語の組み合わせからなる原告使用商標が記載されているだけであり,「DEEPSEA」及び「ディープシー」の標章単体で説明されているのは一部だけであるし,商品名についてみても,原告使用商標のうち「DEEPSEA」及び「ディープシー」部分が特に強調される態様にはなっていないのであるから,単体としての「DEEPSEA」又は「ディープシー」標章が,原告の商品に係る商標として需要者に広く認識されていたとは認められない。この点について,原告は,原告使用商標のうち,「DEEPSEA」及び「ディープシー」以外の部分は従来から原告製の製品に使用されていたことから,需要者の注意を惹くのはもっぱら「DEEPSEA」及び「ディープシー」部分であるなどと主張する。しかしながら,原告使用商標が付された腕時計が,1220メートルの深さの潜水に対応可能\な腕時計の後継機であるとする原告の主張に照らすと,当該商品との関係からして,潜水に関係する「深海」を意味し,日本人にとってもこの意味を容易に理解する「DEEPSEA」及び「ディープシー」部分の識別力は,原告使用商標に含まれる他の語との対比において低いというべきであり,この部分のみが原告使用商標の要部として需要者の注意を惹くとする原告の主張は採用することができない。また,原告は,原告使用商標は冗長であるから,「DEEPSEA」及び「ディープシー」部分が要部と認識されるなどと主張する。しかしながら,上記説示のとおり,「DEEPSEA」及び「ディープシー」部分は,原告使用商標が付された商品との関係で識別力が低いというべきであるから,たとえ原告使用商標の称呼が冗長であるとしても,このうち「DEEPSEA」及び「ディープシー」部分のみが,原告の商品を表示する商標として需要者に広く認識されていたとは認められず,原告の上記主張も採用することができない。以上のとおり,「DEEPSEA」及び「ディープシー」が原告の業務に係る商品を表\示する商標として需要者に広く認識されていたとは認められないから,「DEEPSEA」及び「ディープシー」が需要者に広く認識されていたことを前提とする取消事由3も理由がない。

◆判決本文

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 >> 商4条1項各号

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