知財みちしるべロゴマーク
知財みちしるべトップページへ

更新メール
購読申し込み
購読中止

知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

コンピュータ関連発明

最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、裁判所がおもしろそうな(?)意見を述べている判例を集めてみました。
内容的には詳細に検討していませんので、詳細に検討してみると、検討に値しない案件の可能性があります。
日付はアップロードした日です。

平成29(行ケ)10097  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成30年3月29日  知的財産高等裁判所

 ゲームプログラムについて、進歩性ありとした審決が維持されました。
 前記1(1)の認定事実によれば,本件発明は,ユーザがシリーズ化された一連のゲ ームソフトを買い揃えるだけで,標準のゲーム内容に加え,拡張されたゲーム内容\nを楽しむことを可能とすることによって,シリーズ化された後作のゲームの購入を\n促すという技術思想を有するものと認められる。 これに対し,前記1(2)の認定事実によれば,公知発明は,前作と後作との間でス トーリーに連続性を持たせた上,後作のゲームにおいても,前作のゲームのキャラ クタでプレイをしたり,前作のゲームのプレイ実績により,後作のゲームのプレイ を有利にすることによって,前作のゲームをプレイしたユーザに対し,続編である 後作のゲームもプレイしたいという欲求を喚起することにより,後作のゲームの購 入を促すという技術思想を有するものと認められる。 そうすると,公知発明は,少なくとも,前作において実際にプレイしたキャラク タをセーブするとともに,前作のゲームにおいてキャラクタのレベルが16以上と なるまでプレイしたという実績(以下「プレイ実績」という。)をセーブすることが, その技術思想を実現するための必須条件となる。そのため,前作において実際にプ レイしたキャラクタ及びプレイ実績に係る情報をセーブできない記憶媒体を採用し た場合には,後作のゲームにおいても,前作のゲームのキャラクタでプレイをした り,前作のゲームのプレイ実績により,後作のゲームのプレイを有利にすることが できなくなる。このことは,前作のゲームをプレイしたユーザに対し,続編のゲー ムをプレイしたいという欲求を喚起することにより,後作のゲームの購入を促すと いう公知発明の技術思想に反することになる。 したがって,当業者は,公知発明1のディスクについて,前作において実際にプ レイしたゲームのキャラクタ及びプレイ実績をセーブできない記憶媒体,すなわち, 「記憶媒体(ただし,セーブデータを記憶可能な記憶媒体を除く。)」に変更しよう\nとする動機付けはなく,かえって,このような記憶媒体を採用することには,公知 発明の技術思想に照らし,阻害要因があるというべきである。 仮に,先行技術発明A等(甲20の1及び2,甲21の1及びの2,甲91,甲 92のゲーム等を含む。以下同じ。)のように,2本のゲームのROMカセットを所 有し,ゲーム機のスロットに挿入するのみで拡張されたゲーム内容を楽しめるゲー ムが周知技術であったとしても,これを公知発明1に対して適用するに当たり,公 知発明1のディスクを,ゲームのプレイ実績をセーブできない記憶媒体,すなわち, 「記憶媒体(ただし,セーブデータを記憶可能な記憶媒体を除く。)」に変更すると,\n上記のとおり,後作のゲームにおいても,前作のゲームのキャラクタでプレイをし たり,前作のゲームのプレイ実績により,後作のゲームのプレイを有利にすること ができなくなるから,前作のゲームをプレイしたユーザに対し,後作のゲームの購 入を促すという公知発明の技術思想に反することになる。 また,仮に,ゲームに登場するキャラクタをゲームプログラムにプリセットして おき,プレイヤーがキャラクタを適宜選択できるようにすることが,本件特許の出 願当時において,技術常識であったとしても,公知発明1の「キャラクタのレベル が16以上である」というゲームのプレイ実績を,プリセットされたキャラクタに 係る情報に変えると,後作のゲームにおいても,前作のゲームのキャラクタでプレ イをしたり,前作のゲームのプレイ実績により,後作のゲームのプレイを有利にす ることができなくなるから,上記と同様に,公知発明の技術思想に反することにな る。 以上によれば,公知発明1において,所定のゲーム装置の作動中に入れ換え可能\nな記憶媒体,一の記憶媒体及び二の記憶媒体を,ディスクから「記憶媒体(ただし, セーブデータを記憶可能な記憶媒体を除く。)」に変更して相違点1ないし3に係る\n構成とすることは,当業者が容易になし得たことであるとはいえないとした審決の\n判断に誤りはなく,取消事由1は,理由がない。
(3) 原告の主張について
原告は,公知発明1の技術思想について,魔洞戦紀DDI(前作ゲーム)に記憶 された切換キーがゲーム装置で読み込まれている場合に,勇士の紋章DDII(後作 ゲーム)で,標準ゲームプログラムに加えて,拡張ゲームプログラムでもゲーム装 置を作動させるものであり,これによりゲーム内容を豊富化してユーザに前作の購 入を促すというものであるから,本件発明の技術思想と同じであると主張する。そ して,原告は,上記主張を前提とした上で,上記切換キーには,「魔洞戦紀DDIが 装填された」という条件1に係る情報と「キャラクタのレベルが16以上である」 という条件2に係る情報とが含まれているところ,公知発明1の技術思想である「ユ ーザに前作の購入を促す」ことは,切換キーのうち「魔洞戦紀DDI」が装填され たという条件1に係る情報のみで達成できるのであるから,当業者であれば,その 目的を達成するために,「キャラクタのレベルが16以上である」という条件2に係 る情報を切換キーから除くなどして,記憶媒体についてもセーブデータが記憶可能\nな記憶媒体としないことは容易であり,かえって,このような場合には,よりユー ザの負担なく拡張ゲームプログラムが楽しめるようになるのであるから,前作の購 入を促すことが可能であるともいえ,公知発明1の切換キーに「キャラクタのレベ\nルが16以上である」という条件2に係る情報であるセーブデータを含ませるか否 かは,当業者が適宜選択できる設計事項であると主張する。 しかしながら,上記(2)のとおり,公知発明は,前作と後作との間でストーリーに 連続性を持たせた上,後作のゲームにおいても,前作のゲームのキャラクタでプレ イをしたり,前作のゲームのプレイ実績により,後作のゲームのプレイを有利にす ることによって,前作のゲームをプレイしたユーザに対し,続編である後作のゲー ムもプレイしたいという欲求を喚起することにより,後作のゲームの購入を促すと いう技術思想を有するものと認められる。 そうすると,公知発明は,少なくとも,前作のキャラクタをセーブするとともに, キャラクタのプレイ実績をセーブすることが,その技術思想を実現するための必須 条件となるから,キャラクタ及びプレイ実績に係る情報をセーブできない記憶媒体 を採用した場合には,公知発明の技術思想に反することになる。 したがって,「キャラクタのレベルが16以上である」という条件2に係る情報を 切換キーから除くなどして,記憶媒体についてセーブデータが記憶可能な記憶媒体\nとしないことは,公知発明を都合よく分割してその必須条件を省略しようとするも のであるから,上記のとおり,公知発明の技術思想に反することは明らかである。 以上によれば,原告の主張は,その余の点を含め,公知発明の技術思想を正解し ないものに帰し,採用することができない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 動機付け
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成29(行ケ)10148  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成30年3月26日  知的財産高等裁判所(4部)

 CS関連発明の進歩性なしとした審決について、引用発明の認定に誤りはあるが、結論としては妥当として審決が維持されました。
 本件審決は,引用発明の「仮情報」は「固定情報」であることが示唆され ている旨判断した。
a この点について,被告は,本願発明の「固定情報」は,複数の取引ごとに変 化しない情報であればよく,取引のたびごとに生成削除されたとしても,生成のた びに同じ値の「仮情報」が生成されていれば「固定情報」であるといえる,実際, 引用発明において,仮情報は,口座取引の内容と無関係に生成される値であり,口 座取引内容に応じて値を変化させる必要がない旨主張する。 しかし,引用例1の【図3】のステップS310〜S311には,「仮情報」を 口座情報に基づいて生成することの記載はないし,「仮情報」はセキュリティの観 点から取引ごとに異なるものとすることが通常であるところ,引用例1にこれを同 じにすることを示唆する記載もない。したがって,引用発明において,生成のたび に同じ値の「仮情報」が生成されることが示唆されているとはいえない い。
b 被告は,引用例1の「ホストコンピュータ30においては,事前に仮情報デ ータと顧客口座情報の対応を検証し,ホスト側データ保管部302に保管しておい ても構わない。」(【0045】)との記載は,「仮情報」を複数の取引にまたが\nって用い得ることを示唆している旨主張する。 しかし,前記イ(イ)のとおり,事前に仮情報データと顧客口座の対応が検証され る場合であっても,「仮情報」は取引終了時に削除されることからすれば,「仮情 報」が複数の取引にまたがって用い得ることが示唆されているとはいえない。
c 被告は,引用例1の「仮情報使用の有効期限と有効回数を設けることも可能\nである。」(【0086】),「仮情報に有効期限と有効回数を設けることにより, 第3者等による不正利用防止のセキュリティを向上させることができる。」(【0 087】)との記載によれば,引用発明の「仮情報」を有効期限や有効回数が設け られた情報のような固定情報として生成することが示唆されている旨主張する。 しかし,「有効期限」(【0086】【0087】)は,携帯端末装置が仮情報 を受け取ってから,現金自動取引装置に仮情報を入力するまでの期限のことと解さ れ,「有効期限」の定めがあるからといって,1回の取引を超えて「仮情報」が使 用されることを示唆するとはいい難い。そして,「有効回数」(【0086】【0 087】)は,仮情報の使用回数を,1回限りではなく,数回としたものと解され るが,前記イ(イ)のとおり,引用発明は,課題解決手段として,顧客口座情報を用 いない手段を採用しているのであるから,「有効回数」の定めがあるからといって, 「固定情報」であることが示唆されているとはいい難い。
d したがって,引用発明の「仮情報」は「固定情報」であることが示唆されて いる旨の本件審決の判断には誤りがあるが,相違点2を容易に想到することができ た旨の本件審決の判断は,結論において正当である。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 要旨認定
 >> 引用文献
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成29(ネ)10072  損害賠償請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成30年1月25日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 CS関連発明について非侵害であるとした1審判断が維持されました。なお、控訴審の控訴理由書で、均等の主張を追加しましたが、時期に後れた主張として、却下されました。
 当裁判所は,当審の第1回口頭弁論期日において,民事訴訟法297条,1 57条1項に従い,上記均等侵害の主張を時機に後れた攻撃防御方法に当たる ものとして却下した。その理由は次のとおりである。 すなわち,控訴人は,控訴理由書第2の部分(13〜21頁)において,構\n成要件1D,1F及び2Dに関し,原判決の「送信したとき」の文言解釈は明 らかに誤りであるが,仮に原判決のとおりに解釈したとしても,被控訴人サー バが少なくとも本件各発明と均等なものとして,その技術的範囲に含まれるこ とを予備的に主張するとして,新たに均等侵害の主張を追加した。\nしかしながら,前記のとおり,原審における争点整理の経過に鑑みれば,「送 信したとき」に関するクレーム解釈や被控訴人サーバの内部処理の態様如何に よって構成要件充足,非充足の結論が変わり得ることは,控訴人としても当初\nから当然予想できたというべきであり,そうである以上,控訴人は,原審の争\n点整理段階で予備的にでも均等侵害の主張をするかどうか検討し,必要に応じ\nてその主張を行うことは十分可能\であったといえる(特許権侵害訴訟において 計画審理が実施されている実情を踏まえれば,そのように考えるのが相当であ るし,少なくとも控訴人についてその主張の妨げとなるような客観的事情があ ったとは認められない。)。 ところが,控訴人は,原審の争点整理段階でその主張をせず,また,第4回 弁論準備手続期日(平成29年2月14日)において乙25陳述書が提出され た後も,その内容について特に反論することなく,第5回弁論準備手続期日(同 年3月23日)において「侵害論については他に主張・立証なし」と陳述し, そのまま争点整理手続を終了させたものである。 しかるところ,控訴人が,上記のとおり当審に至り均等侵害の主張を追加す ることは,たとえ第1回口頭弁論期日前であっても,時機に後れていることは 明らかであるし,そのことに関し控訴人に故意又は重大な過失が認められるこ とも明らかといえる。 また,予備的にせよ,均等侵害の主張がされれば,均等の各要件についてそ\nれぞれ主張と反論を整理する必要が生じるのであるから,訴訟の完結を遅延さ せることとなることも明らかである。 したがって,当裁判所は,上記のとおり,当審の第1回口頭弁論期日におい て,かかる均等侵害の主張を時機に後れた攻撃防御方法に当たるものとして却 下した次第である。

◆判決本文

◆1審はこちらです。平成28(ワ)14868

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 均等
 >> コンピュータ関連発明
 >> 裁判手続

▲ go to TOP

平成29(ネ)10027  特許権侵害差止請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成29年12月21日  知的財産高等裁判所(2部)  東京地方裁判所

CS関連発明について、控訴審で差止請求が認められました。無効理由については「時機に後れた」として採用されませんでした。1審は、均等侵害も第1、第2、第3要件を満たさない、分割要件違反、および一部のクレームについてサポート要件違反があると判断していました。
 引用発明1は,前記ア(イ)のとおり,「毎度の自動売買では自動売買テーブルでの 約定価より真下の安値の買取り及び約定価より真上の高値の売込みが同時に発注さ れるよう設定されたものであって,それにより,先に約定した注文と同種の注文を 含む売込み注文と買取り注文を同時に発注することで,株価が最初の売買価の値段 の範囲から上下に変動する場合に,所定の収益を発生させることに加え,口座の残 高及び持ち株の範囲において,株の現在価を無視して株の値段への変動を一向に予\n測することなく,従前の株の買取り値より株価が下落すると所定量を買い取り,買 取り値より株価が上がると所定量を売り込むこと」を特徴とするものである。 このように,引用発明1において,従前の株の買取り値より株価が下落すると所 定量を買い取り,買取り値より株価が上がると所定量を売り込む,という,連続し た買取り又は売込みによる口座の残高又は持ち株の増大をも目的とするものである から,このような設定に係る構成を,約定価と同じ価格の注文を含む注文を発注対\n象に含めるようにし,それを「繰り返し行わせる」設定に変更することは,「約定価 より真下の安値の買取り」及び「約定価より真上の高値の売込み」を同時に発注す ることにより,「従前の株の買取り値より株価が下落すると所定量を買取り,買取り 値より株価が上がると所定量を売込む」という,引用発明1の特徴を損なわせるこ とになる。 そうすると,引用発明1を本件発明の構成1Hに係る構\成の如く変更する動機付 けあるといえないから,構成1Hに相当する構\成は,引用発明1から当業者が容易 に想到し得たものとはいえない。
エ 被控訴人の主張について
被控訴人は,本件発明1と引用発明1との相違点は,引用発明1が本件発明1の 構成1Fのうち「前記一の注文価格を一の最高価格として設定し」ていない点であ\nり,その余の点では一致していることを前提に,本件発明1は,引用発明1から容 易想到である,と主張する。 しかし,前記イのとおり,本件発明1と引用発明1とは,引用発明1が本件発明 1の構成1Hの構\成を有していない点について相違している。被控訴人の主張は, その前提を欠き,理由がない。
・・・・
4 なお,被控訴人は,口頭弁論終結後に,本件発明1が無効とされるべきであ ることが明白である事由があるとして,口頭弁論再開を申し立てるが,無効事由の\n根拠となるべき資料は10年以上前に作成されていたものであり,上記無効事由は, 被控訴人が重大な過失により時機に後れて提出した攻撃又は防御の方法であって, これによって訴訟の完結を遅延させることとなるから,却下されるべきものである から,口頭弁論を再開しない。

◆判決本文

◆1審はこちらです。平成27(ワ)4461

関連カテゴリー
 >> 記載要件
 >> サポート要件
 >> 分割
 >> 技術的範囲
 >> 均等
 >> 104条の3
 >> コンピュータ関連発明
 >> 裁判手続
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成29(行ケ)10025  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成29年12月21日  知的財産高等裁判所

 外為オンラインVSマネースクウェアの侵害訴訟の対象となった特許(特5650776号)についての無効審判の審決取消訴訟です。マネースクウェアの保有する特許について無効理由無しとした審決が維持されました。
 本件発明1と引用発明とを対比すると,少なくとも,1)「金融商品の売 買取引を管理する金融商品取引管理装置であること,2)前記金融商品の売買注文を 行うための売買注文申込情報を受け付ける注文入力手段を備えること,3)該注文入 力受付手段が受け付けた前記売買注文申込情報に基づいて金融商品の注文情報を生\n成する注文情報生成手段を備えること,及び,4)一の前記売買注文申込情報に基づ\nいて,所定の前記金融商品の売り注文又は買い注文の一方を成行又は指値で行う第 一注文情報と,該金融商品の売り注文又は買い注文の他方を指値で行う第二注文情 報と,を含む注文情報群を複数回生成することで共通し,5)引用発明が,「前記金融 商品の売り注文又は買い注文の前記他方を逆指値で行う逆指値注文情報」を生成し ていない点で相違している。
イ 本件発明1の構成1Gは,「前記第二注文情報に基づく該指値注文が約定\nされたとき,次の注文情報群の生成を行うと共に,該生成された注文情報群の前記 第一注文情報に基づく前記成行注文の価格と同じ前記価格の指値注文を有効に」(1 G前段)するとともに,「以後,前記第一注文情報に基づく前記指値注文の約定と, 前記第一注文情報に基づく前記指値注文の約定が行われた後の前記第二注文情報に 基づく前記指値注文の約定と,前記第二注文情報に基づく前記指値注文の約定が行 われた後の,次の前記注文情報群の生成とを繰り返し行わせる」(1G後段)という ものである。構成1G前段は,売買取引開始時において,同じ注文情報群に含まれ\nる第一注文情報に基づく成行注文が約定した後で,第二注文情報に基づく該指値注 文が約定されたときに,次の注文情報群の前記第一注文情報に基づく注文が,上記 売買取引開始時に約定された成行注文の価格と同じ価格の「指値注文」として有効 に生成されることとを意味するものである。 これに対し,引用発明は,前記2(2)のとおり,代替実施形態においては,パート 1注文とパート2注文とで形成されるLOCK注文を再度自動的に繰り返すもので ある。このことは,引用文献の図6では,代替実施形態において情報を入力する際 に「指値注文」と「成行注文」を選択する欄しかない上,引用文献の[0085] には,「『サイクル数44』の追加によって,投資家は,より多くの利益を得ること を望んで,LOCK処理に自動的に再入力できるようになるであろう。」と記載され ており,図7には,サイクル数選択「44」を経て同じ注文が繰り返される旨の矢 印が記載されていることからしても,明らかであるということができる。したがっ て,1回目のLOCK注文の第一注文が成行注文である場合には,繰り返されるL OCK注文の第一注文も成行注文であり,1回目のLOCK注文の第一注文が指値 注文である場合には,繰り返されるLOCK注文の第一注文も指値注文であるとい うことができる。
ウ 以上より,本件発明1と引用発明とは,本件発明の構成1Gの点におい\nて相違している。

◆判決本文

◆関連発明(特5525082号)についての審決取消訴訟です。こちらも権利有効維持です。

平成29(行ケ)10024

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 相違点認定
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成29(ネ)10038  損害賠償請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成29年11月28日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 CS関連発明について、1審と同じ理由で、技術的範囲に属しない、均等侵害も否定されました。
 前記イを踏まえて,構成要件Eの「入力手段を介してポインタの位置を\n移動させる命令を受信すると…操作メニュー情報を…出力手段に表示する」を検討\nすると,「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信する」とは,タ ッチパネルを含む入力手段から,画面上におけるポインタの座標位置を移動させる 命令(電気信号)を処理手段が受信することである。そして,利用者がマウスにお ける左ボタンや右ボタンを押す操作に対応する電気信号ではなく,マウスにおける 左ボタンや右ボタンを押したままマウスを移動させる操作(ドラッグ操作)に対応 する電気信号を,入力手段から処理手段が受信することを含むものである。また, 本件発明1は,利用者が入力手段を使用してデータ入力を行う際に実行される入力 支援コンピュータプログラムであり,利用者が間違ってマウスの右クリックを押し てしまった場合等に利用者の意に反して画面上に操作コマンドのメニューが表示さ\nれてしまう等の従来技術の課題を踏まえて,システム利用者の入力を支援するため, 利用者が必要になった場合にすぐに操作コマンドのメニューを画面上に表示させる\n手段を提供することを目的とするものである。 そうすると,「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信する」と は,タッチパネルを含む入力手段から,画面上におけるポインタの座標位置を,入 力支援が必要なデータ入力に係る座標位置(例えば,ドラッグ操作を開始する座標 位置)からこれとは異なる座標位置に移動させる操作に対応する電気信号を,処理 手段が受信することを意味すると解するのが相当である。 そして,前記第2の1(3)イのとおり,本件ホームアプリにおいて,控訴人が「操 作メニュー情報」に当たると主張する左右スクロールメニュー表示は,利用者がシ\nョートカットアイコンをロングタッチすることにより表示されるものであるが,ロ\nングタッチは,ドラッグ操作などとは異なり,画面上におけるポインタの座標位置 を移動させる操作ではないから,入力手段であるタッチパネルからロングタッチに 対応する電気信号を処理手段が受信することは,「入力手段を介してポインタの位置 を移動させる命令を受信する」とはいえない。 したがって,ロングタッチにより左右スクロールメニュー表示が表\示されるとい う本件ホームアプリの構成は,構\成要件Eの「入力手段を介してポインタの位置を 移動させる命令を受信すると…操作メニュー情報を…出力手段に表示する」という\n構成を充足するとは認められない。\n
エ 控訴人は,本件ホームアプリでは,タッチパネルに指等が触れると,「ポ インタの座標位置」の値が変化し,「カーソル画像」もこの位置を指し示すように移\n動するところ,ロングタッチは,タッチパネルに指等が触れるといった動作を含む から,被控訴人製品の処理手段はロングタッチにより「『ポインティングデバイスに よって最後に指示された画面上の座標』を移動させる命令」を受信するといえ,本 件ホームアプリは,「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信する」 という構成を有していると主張する。\nしかし,本件ホームアプリにおいて,ロングタッチに含まれるタッチパネルに指 等が触れることに対応して,ポインタの座標位置を,「ポインティングデバイスによ って最後に指示された画面上の座標」位置から,指等がタッチパネルに触れた箇所 の座標位置に移動させることを内容とする電気信号が生じる(甲7の1・2)とし ても,前記ウのとおり,ロングタッチは,画面上におけるポインタの座標位置を移 動させる操作ではないから,上記電気信号は,画面上におけるポインタの座標位置 を移動させる操作に対応する電気信号とはいえない。また,「ポインティングデバイ スによって最後に指示された画面上の座標位置」は,ロングタッチの直前に行って いた別の操作に係るものであり,入力支援が必要なデータ入力に係る座標位置では ないから,上記電気信号は,画面上におけるポインタの座標位置を,入力支援が必 要なデータ入力に係る座標位置からこれとは異なる座標位置に移動させることを内 容とするものでもない。 そうすると,本件ホームアプリのロングタッチ又はこれに含まれるタッチパネル に指等が触れることに対応して,ポインタの座標位置を,「ポインティングデバイス によって最後に指示された画面上の座標」位置から,指等がタッチパネルに触れた 箇所の座標位置に移動させることを内容とする電気信号が生じることをもって,構\n成要件Eの「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信する」とい う構成を充足するとはいえない。\n オ 控訴人は,タッチパネルでは,指等が触れていれば継続的に「ポインタ の位置を移動させる命令」である「ポインタの位置を算出するためのデータ」を受 信し,「ポインタの位置」が一定時間,一定の範囲内に収まっている場合にはロング タッチであると判断されるから,ロングタッチを識別するために入力されるデータ 群には「ポインタの位置を移動させる命令」が含まれると主張する。 しかし,前記第2の1(3)イのとおり,本件ホームアプリは,ロングタッチにより 左右スクロールメニュー表示がされる構\成であるところ,ロングタッチは,継続的 に複数回受信するデータにより算出された「ポインタの位置」が一定の範囲内で移 動している場合だけでなく,当初の「ポインタの位置」から全く移動しない場合を 含むことは明らかであり(甲8),ロングタッチであることを識別するまでの間に「ポ インタの位置」を一定の範囲内で移動させることを内容とする電気信号は,前者に おいては発生しても,後者においては発生しないのであるから,そのような電気信 号をもって,構成要件Eの「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を\n受信する」という構成を充足するとはいえない。\n カ 以上によると,本件ホームアプリが構成要件Eを充足すると認めること\nはできない。
(2) 均等侵害の成否
ア 控訴人は,本件ホームアプリにおける「利用者がタッチパネル上のショ ートカットアイコンを指等でロングタッチする操作を行うことによって操作メニュ ー情報が表示される」という構\成は,「利用者がタッチパネル上の指等の位置を動か して当該ショートカットアイコンを移動させる操作を行うことによって操作メニュ ー情報が表示される」という本件発明1の構\成と均等であると主張する。 そこで検討すると,前記(1)ア及びイによると,本件発明1は,コンピュータシス テムにおけるシステム利用者の入力行為を支援する従来技術である「コンテキスト メニュー」には,マウスの左クリックを行う等するまではずっとメニューが画面に 表示され続けたり,利用者が間違って右クリックを押してしまった場合等は,利用\n者の意に反して画面上に表示されてしまうので不便であるという課題があり,従来\n技術である「ドラッグ&ドロップ」には,例えば,移動させる位置を決めないで徐々 に画面をスクロールさせていくような継続的な動作には適用が困難であるという課 題があったことから,システム利用者の入力を支援するための,コンピュータシス テムにおける簡易かつ便利な入力の手段を提供すること,特に,1)利用者が必要に なった場合にすぐに操作コマンドのメニューを画面上に表示させ,2)必要である間 についてはコマンドのメニューを表示させ続けられる手段の提供を目的とするもの\nである。 そして,本件発明1は,上記課題を解決するために,本件特許の特許請求の範囲 請求項1の構成,すなわち,本件発明1の構\成としたものであるが,特に,上記1) を達成するために,「入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことに よる開始動作命令を受信した後…において」(構成要件D),「入力手段を介してポイ\nンタの位置を移動させる命令を受信すると…操作メニュー情報を…出力手段に表示\nする」(同E)という構成を採用し,上記2)を達成するために,「利用者によって当 該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を受信するまで」(同 D),「操作メニュー情報を…出力手段に表示すること」(同E,F)を「行う」(同\nD)という構成を採用した点に特徴を有するものと認められる。\nそうすると,入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すること によってではなく,タッチパネル上のショートカットアイコンをロングタッチする ことによって操作メニュー情報を表示するという,本件ホームアプリの構\成は,本 件発明1と本質的部分において相違すると認められる。
イ 控訴人は,利用者がドラッグ&ドロップ操作を所望している場合に操作 メニュー情報を表示することが本質的部分であると主張する。\nしかし,前記(1)ア及びイのとおり,マウスが指し示している画面上のポインタ位 置に応じた操作コマンドのメニューを画面上に表示すること自体は,本件発明1以\n前から「コンテキストメニュー」という従来技術として知られていたところ,前記 (2)アのとおり,本件発明1は,この「コンテキストメニュー」がマウスを右クリッ クすることにより上記メニューを表示することに伴う課題を解決することをも目的\nとして,利用者が必要になった場合にすぐに操作コマンドのメニューを画面上に表\n示させるために,「入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによ る開始動作命令を受信した後…において」(構成要件D),「入力手段を介してポイン\nタの位置を移動させる命令を受信すると…操作メニュー情報を…出力手段に表示す\nる」(同E)という構成を採用した点に特徴を有するものと認められる。したがって,\n本件発明1において,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部\n分は,利用者がドラッグ&ドロップ操作といった特定のデータ入力を所望している 場合にその入力を支援するための操作メニュー情報を表示すること自体ではなく,\n従来技術として知られていた操作コマンドのメニューを画面に表示することを,「入\n力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令を受 信した後…において」(構成要件D),「入力手段を介してポインタの位置を移動させ\nる命令を受信する」(同E)ことに基づいて行うことにあるというべきである。 そうすると,入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すること によってではなく,タッチパネル上のショートカットアイコンをロングタッチする ことによって操作メニュー情報を表示するという,本件ホームアプリの構\成は,既 に判示したとおり,本件発明1と本質的部分において相違するというべきである。

◆判決本文

◆1審はこちら。平成28(ワ)10834


 

◆関連事件はこちら。平成29(ネ)10037

◆1審はこちら。平成28(ワ)13033

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 均等
 >> 第1要件(本質的要件)
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成28(ワ)35763  特許権侵害差止請求事件  特許権  民事訴訟 平成29年7月27日  東京地方裁判所(47部)

 CS関連発明の特許侵害事件です。当事者は、FREEとマネーフォワードです。均等の主張もしましたが、第1、第5要件を満たさないと判断されました。
 本件明細書の従来技術として上記ウの公知文献は記載されておらず,同記 載は不十分であるため,上記公知文献に記載された発明も踏まえて本件発明\nの本質的部分を検討すべきである。 そして,上記公知文献の内容を検討すると,上記ウ1),2)から,取引明細 情報は,取引ごとにマッチング処理が行われることからすれば,乙4に記載 されたSaaS型汎用会計処理システムにおいても,当該取引明細情報を取 引ごとに識別することは当然のことである。 また,上記ウ3)の「取得明細一覧画面上」の「各明細情報」は,マッチン グ処理済みのデータであるから,「取得明細一覧画面」は「仕訳処理画面」 といえる。 さらに,上記ウ3)の「仕訳情報入力画面」は,従来から知られているデー タ入力のための支援機能の一つに過ぎず(段落【0002】,【0057】),表示され\nた取引一覧画面上で各取引に係る情報を当該画面から直接入力を行うこと及 び該入力の際プルダウンメニューを使用することも普通に行われていること (特開2004-326300号公報(乙5)段落【0066】-【0081】)から すれば,「取引明細一覧画面」に仕訳情報である「相手勘定科目」等を表示\nし変更用のプルダウンメニューを配置することは当業者が適宜設計し得る程 度のことである。 以上によれば,本件発明1,13及び14のうち構成要件1E,13E及\nび14Eを除く部分の構成は,上記公知文献に記載された発明に基づき当業\n者が容易に発明をすることができたものと認められるから,本件発明1,1 3及び14のうち少なくとも構成要件1E,13E及び14Eの構\成は,い ずれも本件発明の進歩性を基礎づける本質的部分であるというべきである。 このことは,上記イの本件特許に係る出願経過からも裏付けられる。 原告は,構成要件1E,13E及び14Eの構\成について均等侵害を主張 していないようにも見えるが,仮に上記各構成要件について均等侵害を主張\nしていると善解しても,これらの構成は本件発明1,13及び14の本質的\n部分に該当するから,上記各構成要件を充足しない被告製品1,2並びに被\n告方法については,均等侵害の第1要件を欠くものというべきである。
・・・
(なお,本件においては,原告から「被告が本件機能につき行った特許出願にか\nかる提出書類一式」を対象文書とする平成29年4月14日付け文書提出命令の 申立てがあったため,当裁判所は,被告に対し上記対象文書の提示を命じた上で,\n特許法105条1項但書所定の「正当な理由」の有無についてインカメラ手続を 行ったところ,上記対象文書には,被告製品及び被告方法が構成要件1C,1E,\n13C,13E,14C又は14Eに相当又は関連する構成を備えていることを\n窺わせる記載はなかったため,秘密としての保護の程度が証拠としての有用性を 上回るから上記「正当な理由」が認められるとして,上記文書提出命令の申立て\nを却下したものである。原告は,上記対象文書には重大な疑義があるなどとして, 口頭弁論再開申立書を提出したが,そのような疑義を窺わせる事情は見当たらな\nいから,当裁判所は,口頭弁論を再開しないこととした。)

◆判決本文
 

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 均等
 >> 第1要件(本質的要件)
 >> 第5要件(禁反言)
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成28(ワ)21346  特許権侵害差止請求事件  特許権  民事訴訟 平成29年7月20日  東京地方裁判所(46部)

 CS関連発明について、技術的範囲に属しないと判断されました。
 原告は,上記2)の売りの指値注文が約定した時点が構成要件Eの「検出\nされた前記相場価格の高値側への変動幅が予め設定された値以上となった」\nに該当すると主張し,それによって,高値側の「新たな一の価格」及び 「新たな他の価格」の注文情報群が生成されているとする(原告第3準備 書面17,18頁等)。 そこで,このことを前提として検討すると,被告サービスにおいては, 上記のとおり,上記2)の時点の直後に高値側に買いの成行注文及び売りの 指値注文(上記4)の各注文)の注文情報が生成,発注された。 もっとも,上記4)の各注文のうち,売り注文は指値注文であるが買い注 文は成行注文であるところ,前記(2)のとおり構成要件Eの「注文情報」は\n指値注文に係る注文情報をいい,成行注文に係る注文情報を含まないと解 される。そうすると,4)の買い注文に係る注文情報は,構成要件Eの新た\nな「第一注文情報」に該当しないというべきである。 他方,上記6)の注文はいずれも指値注文であり,これらの注文に係る注 文情報は構成要件Eの「第一注文情報」及び「第二注文情報」に該当し得\nるものといえる。しかし,6)の各注文は,2)の時点の直後に3)の各注文が された後,3)の成行の買い注文の約定価格よりも高値側に価格が変動し, 3)の売りの指値注文が約定した5)の時点の後にされるものである。そうす ると,6)の各注文に係る注文情報は,「検出された前記相場価格の高値側 への変動幅が予め設定された値以上となった」時点である2)の時点におい て,成就の有無が判断できる他の条件の付加なく,また,直ちに生成され たものということはできない。別表1の取引においても,6)の注文は,2) の時点から約35時間50分後にされ,また,その間に5)の売りの指値注 文の約定等がされた後にされている。 そうすると,「検出された前記相場価格の高値側への変動幅が予め設定\nされた値以上となった場合」に,上記6)の注文に係る「第一注文情報」及 び「第二注文情報」が「設定」されたということはできない。 ウ 以上によれば,被告サービスは構成要件Eの「検出された前記相場価格\nの高値側への変動幅が予め設定された値以上となった場合,・・・高値側\nに・・・新たな前記第一注文情報と・・・新たな前記第二注文情報とを設 定」を充足しない。
(6) これに対し,原告は,1)「注文情報」につき,ア)本件発明の特許請求の範 囲上,指値注文か成行注文を区別していない,イ)本件発明の効果に照らすと 注文が指値注文か成行注文かを区別する必要がない,ウ)発明の実施に形態に おける注文に成行注文が含まれる旨の記載がある,以上のことから成行注文 が含まれると解すべきであると,2)「場合」につき上記条件以外の条件を付 加することを排除する趣旨でないと,3)「設定」につき実際に注文情報を生 成するものでなく,情報を生成し得るものとして記録しておけば足りると, 4)被告サービスは指値注文のイフダンオーダーの中に本件発明を構成しない\n買いの成行注文を付加したものにすぎないと各主張する。 しかし,上記1)につき,ア)は,本件明細書において,「注文情報」の語そ れ自体は指値注文と成行注文の区別を明示していない一方で,前記(2)アのと おり,特許請求の範囲の記載全体をみれば,構成要件Eを含む特許請求の範\n囲の記載における「注文情報」は指値注文をいうと解されるのであり,イ)は 背景技術,発明が解決しようとする課題の各記載(前記1(1)ア,イ)の趣旨 を併せて考慮するとむしろ指値注文のイフダンオーダーに関する発明である ことが示唆される。ウ)は,本件明細書の発明の実施の形態の記載(前記1(2)) によれば,当該形態においては成行注文も生成され得る(段落【0031】) 一方で通常の成行注文につきイフダンオーダーの手順(ステップS21〜2 8)を行わないとされている(段落【0101】,【図3】,【図4】)から, 生成された成行注文はイフダンオーダーに関する注文を構成しないことが明\nらかである。そうすると,原告が指摘する上記ア)〜ウ)はいずれも構成要件E\nの「注文情報」に成行注文が含まれると解すべき根拠とならない。 上記2)及び3)については,前記(3)及び(4)において説示したところ 上記4)につき,前記?に説示したとおり,被告サービスにおける買いの成 行注文(注文番号97)は売りの指値注文(同96)と同時に注文されてい るから,当該成行注文がイフダンオーダーの一部を構成していると認められ\nるところ,前記の「注文情報」,「場合」,「設定」の各解釈に加え,本件発明 の意義が指値注文のイフダンオーダーを相場価格の変動にかかわらず自動的 に繰り返し行うことにあることを前提とすれば,イフダンオーダーにおいて 成行注文を介在させる構成は,本件発明において解決すべき課題と異なるこ\nと,成行注文によって直ちに金融商品のポジションを得る効果が得られるこ とにおいて本件発明の構成と異なるものであるから,これを本件発明外の付\n加的構成とみることはできない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成28(ワ)14868  損害賠償請求事件  特許権  民事訴訟  平成29年7月12日  東京地方裁判所(40部)

 CS関連発明についての特許権侵害事件です。文言「送信したとき」が論点となりました。「送信したことを条件として」という意義として、非侵害と判断しました。
イ ところで,広辞苑第六版(甲9)によれば,「とき」とは,「(連体修飾 語をうけ,接続助詞的に)次に述べることの条件を示すのに使う。…の場 合。」を意味するものであり,また,大辞林第三版(甲10)においても 「(連体修飾句を受けて)仮定的・一般的にある状況を表す。(...する) 場合。」とされており,用字用語新表記辞典(乙22)では「『とき』は条\n件・原因・理由・その他,『場合』よりも小さい条件のときに用いること がある。」,最新法令用語の基礎知識改訂版(乙23)では「『時』は時点 や時刻が特に強調される場合に使われるのに対して,『とき』は一般的な 仮定的条件を表す場合に使われる。」と記載されている。これらからすれ\nば,構成要件1D及び1Fにおける「送信したとき」の「とき」は,条件\nを示すものであると解するのが相当である。
ウ この点に関して原告は,「送信したとき」の「とき」は「同じころ」と いう意義を有するものであり,「ある程度の幅をもった時間」を意味する と主張する。 たしかに,広辞苑第六版及び大辞林第三版には,上記イで指摘した意義 の他に,原告が主張するような意義も掲載されている(甲9,10)。し かし,広辞苑第六版(甲9)には「おり。ころ。」を意味する「とき」の用 例として「ときが解決してくれる」「しあわせなときを過ごす」といった ものが掲載されており,「送信したとき」のような具体的な行為を示す連 体修飾語を受けた用例は記載されていない。また,大辞林第三版(甲10) をみると「ある幅をもって考えられた時間」を意味する「とき」の用例と して,「将軍綱吉のとき」「ときの首相」「ときは春」などというものが 掲載されており,やはり「送信したとき」のような具体的な行為を示す連 体修飾語を受けた用例は記載されていない。 そして,抽象的で,空間的及び時間的に広い概念を表現した上記各用例\nと比べると,「送信したとき」という表現は,その指し示す行為が相当程\n度に具体的かつ直接的であることから,およそ用いられる場面が異なると いうべきである。 また,原告が指摘する審決(甲11)には,「とき」という用語につい て「ある程度の幅を持った時間の概念を意味する」旨の判断がされている が,当該審決は,「前記9個の可変表示部の可変表\示が開始されるときに, 前記転送手段によって前記判定領域に転送された前記特定表示態様判定用\n数値情報を読み出して判定する」という記載における「前記9個の可変表\n示部の可変表示が開始されるときに」という文言について,「前記9個の\n可変表示部の可変表\示が開始されると『同時』又は『間をおかずに』」と いう意味ではなく,「前記9個の可変表示部の可変表\示が開始され」た後, 「前記特定表示態様判定用数値情報を読み出して判定する」までの間に他\nの処理がされるとしても,「前記9個の可変表示部の可変表\示が開始され るときに」に当たると判断したものであって,「前記転送手段によって前 記判定領域に転送された前記特定表示態様判定用数値情報を読み出して判\n定」した後に「前記9個の可変表示部の可変表\示が開始され」たとしても, 上記文言を充足するなどと判断したものではないから,本件における「送 信したとき」の解釈において参酌することは相当ではない。 そうすると,構成要件1D及び1Fの「送信したとき」における「とき」\nが「ある程度の幅をもった時間」を意味するものということはできない。 また,本件明細書等1をみても,「送信したとき」の「とき」について, 「条件」ではなく「時間」を意味することをうかがわせる記載はない。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。
エ 以上から,構成要件1D及び1Fの「送信したとき」とは,「送信した\nことを条件として」という意義であると認めることが相当である。
・・・・
以上からすると,被告サーバは,第二のメッセージを受信したことを条件 として「マイミク」であることを記憶し,「マイミク」である旨の記憶をし たことを条件として「第二のメッセージ」を送信するという構成を有してい\nるものであって,第二のメッセージを送信したことを条件として「マイミク」 であることを記憶するという構成を有するものではないと認められる。\nしたがって,被告サーバは,「第二のメッセージを送信したとき」に「上 記第一の登録者の識別情報と第二の登録者の識別情報とを関連付けて上記記 憶手段に記憶する手段」を有しているということはできないから,その余の 点について判断するまでもなく,構成要件1D及び1Fを充足しない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成28(行ケ)10220  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成29年7月4日  知的財産高等裁判所(4部)

 CS関連発明について、認定については誤っていないとしたものの、 引用例には、本願発明の具体的な課題の示唆がなく、相違点5について、容易に想到するものではないとして、進歩性無しとした審決が取り消されました。  確かに,引用例には,発明の目的は,複数の事業者と,税理士や社会保険労務士 のような専門知識を持った複数の専門家が,給与計算やその他の処理を円滑に行う ことができるようにするものであり(【0005】),同発明の給与計算システム及び 給与計算サーバ装置によれば,複数の事業者と,税理士や社会保険労務士のような 専門知識を持った複数の専門家を,情報ネットワークを通じて相互に接続すること によって,給与計算やその他の処理を円滑に行うことができること(【0011】), 発明の実施の形態として,複数の事業者端末と,複数の専門家端末と,給与データ ベースを有するサーバ装置とが情報ネットワークを通じて接続された給与システム であり,専門家端末で給与計算サーバ装置にアクセスし,給与計算を行うための固 定項目や変動項目のデータを登録するマスター登録を行い(【0018】〜【002 1】),マスター登録された情報とタイムレコーダ5から取得した勤怠データとに基 づき,給与計算サーバ装置で給与計算を行い,給与担当者が,事業者端末で給与明 細書を確認した上で,給与振り込みデータを金融機関サーバに送信する(【0022】 〜【0025】,【0041】〜【0043】,図7のS11〜S20)ほか,専門家 が専門家端末を介して給与データベースを閲覧し(【0031】〜【0033】),社 会保険手続や年末調整の処理を行うことができる(【0026】〜【0030】,【0 044】,【0045】,図7のS21〜S28)とする構成が記載されていることが\n認められる。 しかし,引用文献が公開公報等の特許文献である場合,当該文献から認定される 発明は,特許請求の範囲に記載された発明に限られるものではなく,発明の詳細な 説明に記載された技術的内容全体が引用の対象となり得るものである。よって,引 用文献の「発明が解決しようとする課題」や「課題を解決するための手段」の欄に 記載された事項と一致しない発明を引用発明として認定したとしても,直ちに違法 とはいえない。 そして,引用例において,社労士端末や税理士端末に係る事項を含まない,給与 計算に係る発明が記載されていることについては,上記(2)のとおりであるから,こ の発明を引用発明として認定することが誤りとはいえない。 ・・・・ ウ 以上のとおり,周知例2,甲7,乙9及び乙10には,「従業員の給与支払 機能を提供するアプリケーションサーバを有するシステムにおいて,企業の給与締\nめ日や給与支給日等を含む企業情報及び従業員情報を入力可能な利用企業端末のほ\nかに,1)従業員の取引金融機関,口座,メールアドレス及び支給日前希望日払いの 要求情報(周知例2),2)従業員の勤怠データ(甲7),3)従業員の出勤時間及び退 勤時間の情報(乙9)及び4)従業員の勤怠情報(例えば,出社の時間,退社の時間, 有給休暇等)(乙10)の入力及び変更が可能な従業者の携帯端末機を備えること」\nが開示されていることは認められるが,これらを上位概念化した「上記利用企業端 末のほかに,およそ従業員に関連する情報(従業員情報)全般の入力及び変更が可 能な従業者の携帯端末機を備えること」や,「上記利用企業端末のほかに,従業員\n入力情報(扶養者情報)の入力及び変更が可能な従業者の携帯端末機を備えること」\nが開示されているものではなく,それを示唆するものもない。 したがって,周知例2,甲7,乙9及び乙10から,本件審決が認定した周知技 術を認めることはできない。また,かかる周知技術の存在を前提として,本件審決 が認定判断するように,「従業員にどの従業員情報を従業員端末を用いて入力させ るかは,当業者が適宜選択すべき設計的事項である」とも認められない。 (3)動機付けについて 本願発明は,従業員を雇用する企業では,総務部,経理部等において給与計算ソ\nフトを用いて給与計算事務を行っていることが多いところ,市販の給与計算ソフト\nには,各種設定が複雑である,作業工程が多いなど,汎用ソフトに起因する欠点も\nあることから,中小企業等では給与計算事務を経営者が行わざるを得ないケースも 多々あり,大きな負担となっていることに鑑み,中小企業等に対し,給与計算事務 を大幅に簡便にするための給与計算方法及び給与計算プログラムを提供することを 目的とするものである(本願明細書【0002】〜【0006】)。 そして,本願発明において,各従業員が入力を行うためのウェブページを各従業 員の従業員端末のウェブブラウザ上に表示させて,同端末から扶養者情報等の給与\n計算を変動させる従業員情報を入力させることにしたのは,扶養者数等の従業員固 有の情報(扶養者数のほか,生年月日,入社日,勤怠情報)に基づき変動する給与 計算を自動化し,給与計算担当者を煩雑な作業から解放するためである(同【00 35】)。 一方,引用例には,発明の目的,効果及び実施の形態について,前記2(1)のとお り記載されており,引用例に記載された発明は,複数の事業者端末と,複数の専門 家端末と,給与データベースを有するサーバ装置とが情報ネットワークを通じて接 続された給与システムとし,専門家端末で給与計算サーバ装置にアクセスし,給与 計算を行うための固定項目や変動項目のデータを登録するマスター登録を行うこと などにより,複数の事業者と,税理士や社会保険労務士のような専門知識を持った 複数の専門家が,給与計算やその他の処理を円滑に行うことができるようにしたも のである。 したがって,引用例に接した当業者は,本願発明の具体的な課題を示唆されるこ とはなく,専門家端末から従業員の扶養者情報を入力する構成に代えて,各従業員\nの従業員端末から当該従業員の扶養者情報を入力する構成とすることにより,相違\n点5に係る本願発明の構成を想到するものとは認め難い。\nなお,引用発明においては,事業者端末にタイムレコーダが接続されて従業員の 勤怠データの収集が行われ,このデータが給与計算サーバ装置に送信されて給与計 算が行われるという構成を有するから,給与担当者における給与計算の負担を削減\nし,これを円滑に行うということが,被告の主張するように自明の課題であったと しても,その課題を解決するために,上記構成に代えて,勤怠データを従業員端末\nのウェブブラウザ上に表示させて入力させる構\成とすることにより,相違点5に係 る本願発明の構成を採用する動機付けもない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 要旨認定
 >> 引用文献
 >> 相違点認定
 >> 動機付け
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成28(行ケ)10071  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成29年6月14日  知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が取り消されました。理由は、相違点の認定誤りです。
 ア 本件審決は,「保護方法データベース」に記憶された「入力元のアプ リケーション」が保護対象データである「ファイル」を処理するのは自明 であり,機密事項を保護対象データとして扱うことは当該技術分野の技術 常識であることから,引用発明の「入力元のアプリケーション」,「識別 子」はそれぞれ,本願発明の「機密事項を扱うアプリケーション」,「機 密識別子」に相当し,また,引用発明の「保護方法データベース」に「入 力元のアプリケーション」の「識別子」が記憶されていることは明らかで あるから,引用発明の「保護方法データベース」は本願発明の「機密事項 を扱うアプリケーションを識別する機密識別子が記憶される機密識別子記 憶部」に相当する旨認定・判断した。 イ(ア) しかし,前記認定に係る本願明細書及び引用例1の記載によれば, 本願発明における「機密識別子」は「機密事項を扱うアプリケーション を識別する」ものとして定義されている(本願明細書【0006】等) のに対し,引用発明におけるアプリケーションの「識別子」は,アプリ ケーションを特定する要素(アプリケーション名,プロセス名等)とし て位置付けられるものであって(引用例1【0037】等),必ずしも 直接的ないし一次的に機密事項を扱うアプリケーションを識別するもの とはされていない。
(イ) また,本願発明は,「すべてのアプリケーションに関して同じ保護 を行うと,安全性は高くなるが,利便性が低下するという問題が生じ る」(本願明細書【0004】)という課題を解決するために,「当 該アプリケーションが,前記機密識別子記憶部で記憶されている機密 識別子で識別されるアプリケーションであり,送信先がローカル以外 である場合に」「送信を阻止」するという構成を採用したものである。\nこのような構成を採用することによって,「機密事項を含むファイル\n等が送信によって漏洩することを防止することができ」,かつ,「機 密識別子で識別されるアプリケーション以外のアプリケーションにつ いては,自由に送信をすることができ,ユーザの利便性も確保するこ とができる」という効果が奏せられ(本願明細書【0007】),前 記課題が解決され得る。このことに鑑みると,本願発明の根幹をなす 技術的思想は,アプリケーションが機密事項を扱うか否かによって送 信の可否を異にすることにあるといってよい。 他方,引用発明において,アプリケーションは,機密事項を扱うか否 かによって区別されていない。すなわち,そもそも,引用例1には機密 事項の保護という観点からの記載が存在しない。また,引用発明は,柔 軟なデータ保護をその解決すべき課題とするところ(【0008】), 保護対象とされるデータの保護されるべき理由は機密性のほかにも考え 得る。このため,機密事項を保護対象データとして取り扱うことは技術 常識であったとしても,引用発明における保護対象データが必ず機密事 項であるとは限らない。しかも,引用発明は,入力元のアプリケーショ ンと出力先の記憶領域とにそれぞれ安全性を設定し,それらの安全性を 比較してファイルに保護を施すか否かの判断を行うものである。このた め,同じファイルであっても,入力元と出力先との安全性に応じて,保 護される場合と保護されない場合とがあり得る。 これらの点に鑑みると,引用発明の技術的思想は,入力元のアプリケ ーションと出力先の記憶領域とにそれぞれ設定された安全性を比較する ことにより,ファイルを保護対象とすべきか否かの判断を相対的かつ柔 軟に行うことにあると思われる。かつ,ここで,「入力元のアプリケー ションの識別子」は,それ自体として直接的ないし一次的に「機密事項 を扱うアプリケーション」を識別する作用ないし機能は有しておらず,\n上記のようにファイルの保護方法を求める上で比較のため必要となる 「入力元のアプリケーション」の安全性の程度(例えば,その程度を示 す数値)を得る前提として,入力元のアプリケーションを識別するもの として作用ないし機能するものと理解される。\nそうすると,本願発明と引用発明とは,その技術的思想を異にするも のというべきであり,また,本願発明の「機密識別子」は「機密事項を 扱うアプリケーションを識別する」ものであるのに対し,引用発明の 「アプリケーションの識別子」は必ずしも機密事項を扱うアプリケーシ ョンを識別するものではなく,ファイルの保護方法を求める上で必要と なる安全性の程度(例えば,数値)を得る前提として,入力元のアプリ ケーションを識別するものであり,両者はその作用ないし機能を異にす\nるものと理解するのが適当である。
(ウ) このように,本願発明の「機密識別子」と引用発明の「識別子」が 相違するものであるならば,それぞれを記憶した本願発明の「機密識 別子記憶部」と引用発明の「保護方法データベース」も相違すること になる。
ウ 以上より,この点に関する本件審決の前記認定・判断は,上記各相違点 を看過したものというべきであり,誤りがある。
エ これに対し,被告は,相違点AないしBの看過を争うとともに,仮に相 違点Bが存在するとしても,その点については,本件審決の相違点1に 関する判断において事実上判断されている旨主張する。 このうち,相違点AないしBの看過については,上記ア及びイのとお りである。 また,本件審決の判断は,1)引用例2に記載されるように,ファイル を含むパケットについて,内部ネットワークから外部ネットワークへの 持ち出しを判断し,送信先に応じて許可/不許可を判定すること,すな わち,内部ネットワーク(ローカル)以外への送信の安全性が低いとし てセキュリティ対策を施すことは,本願出願前には当該技術分野の周知 の事項であったこと,2)参考文献に記載されるように,機密ファイルを あるアプリケーションプログラムが開いた後は,電子メール等によって 当該アプリケーションプログラムにより当該ファイルが機密情報保存用 フォルダ(ローカル)以外に出力されることがないようにすることも, 本願出願前には当該技術分野の周知技術であったことをそれぞれ踏まえ て行われたものである。 しかし,1)に関しては,本件審決の引用する引用例2には,送信の許 可/禁止の判定は送信元及び送信先の各IPアドレスに基づいて行われ ることが記載されており(【0030】),アプリケーションの識別子 に関する記載は見当たらない。また,前記のとおり,引用発明における 識別子は,アプリケーションが機密事項を扱うものか否かを識別する作 用ないし機能を有するものではない。\n2)に関しては,参考文献記載の技術は,機密情報保存用フォルダ内の ファイルが当該フォルダの外部に移動されることを禁止するものである ところ(【0011】),その実施の形態として,機密情報保存用フォ ルダ(機密フォルダ15A)の設定につき,「システム管理者は,各ユ ーザが使用するコンピュータ10内の補助記憶装置15内に特定の機密 ファイルを保存するための機密フォルダ15Aを設定し,ユーザが業務 で使用する複数の機密ファイルを機密フォルダ15A内に保存する。」 (同【0018】)との記載はあるものの,起動されたアプリケーショ ンプログラムが機密事項を扱うものであるか否かという点に直接的に着 目し,これを識別する標識として本願発明の機密識別子に相当するもの を用いることをうかがわせる記載は見当たらない(本件審決は,参考文 献の記載(【0008】,【0009】,【0064】)に言及するも のの,そこでの着目点は機密ファイルをあるアプリケーションプログラ ムが開いた後の取扱いであって,その前段階として機密ファイルを定め る要素ないし方法に言及するものではない。)。このように,当該周知 技術においては,アプリケーションが機密事項を扱うものであるか否か を識別する機密識別子に相当するものが用いられているとはいえない。 なお,参考文献の記載(【0032】等)によれば,アプリケーショ ンプログラムのハンドル名がアプリケーションの識別子として作用する ことがうかがわれるが,参考文献記載の技術は,アプリケーションが実 際に機密ファイルをオープンしたか否かによって当該アプリケーション によるファイルの外部への格納の可否が判断されるものであり,入力元 と出力先との安全性の比較により処理の可否を判断する引用発明とは処 理の可否の判断の原理を異にする。また,扱うファイルそのものの機密 性に着目して機密ファイルを外部に出すことを阻止することを目的とす る点で,扱うファイルそのものの機密性には着目していない引用発明と は目的をも異にする。このため,引用発明に対し参考文献記載の技術を 適用することには,動機付けが存在しないというべきである。 そうすると,相違点Bにつき,引用発明に,引用例2に記載の上記周 知の事項を適用しても,本願発明の「機密識別子」には容易に想到し得 ないというべきであるし,参考文献記載の周知技術はそもそも引用発明 に適用し得ないものであり,また,仮に適用し得たとしても,本願発明 の「機密識別子」に想到し得るものではない。そうである以上,相違点 Bにつき,本件審決における相違点1の判断において事実上判断されて いるとはいえない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 要旨認定
 >> 本件発明
 >> 引用文献
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成29(ワ)13033  損害賠償請求事件  特許権  民事訴訟 平成29年2月23日  東京地方裁判所

 入力支援コンピュータプログラムクレーム(CS関連発明)についての特許権侵害事件です。東京地裁(46部)は、文言侵害・均等侵害とも否定しました。
 文言侵害の成否
ア 構成要件Eは,本件発明1の特許請求の範囲の記載によれば,処理手段\nが入力手段を介して「ポインタの位置を移動させる命令」を受信すると操 作メニュー情報を表示するものである。この「ポインタの位置を移動させ\nる命令」につき,本件明細書(甲2)には,1)「入力手段を介してポイン タの位置を移動させる命令を受信する」とは,入力手段としてのポインテ ィングデバイスから,画面上におけるポインタの座標位置を移動させる電 気信号を処理手段が受信することである(課題を解決するための手段,段 落【0020】),2)命令ボタンを押し続けたままで出力手段としてのデ ィスプレイの画面上に表示されているポインタの移動命令を行う,例えば,\n利用者がマウスにおける左ボタンや右ボタンを押したままマウスを移動さ せる行為がこれに該当する(発明を実施するための最良の形態,段落【0 079】)と記載されている。これに加え,本件発明1におけるポインタ が画面上に表示され,画面上の特定の位置を指し示すものをいうことに鑑\nみると,「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令」とは,利 用者が画面上に表示されているポインタの位置を移動させる操作を行うこ\nとを意味すると解するのが相当である。 一方,本件ホームアプリにおいて,原告が「操作メニュー情報」に当た ると主張する左右スクロールメニュー表示は,利用者がショートカットア\nイコンをロングタッチすることにより表示されるものであり(前記前提事\n,画面上に表示されているポインタ(ショートカットアイコン並\nびに青い線の交点及び白い円形の画像。前記1(3))の位置を移動させる操 作により表示されるとは認められない。\n以上によれば,本件ホームアプリが構成要件Eを充足すると認めること\nはできない。
イ これに対し,原告は,「ポインタの位置の移動」とは,ポインタが画面 上に表示されるか否かにかかわらず,コンピュータプログラムがポインタ\nの座標位置の情報の書換えを行うことをいうと主張するが,前記1(1)のと おりポインタは画面上に表示されるものであるから,原告の主張は前提を\n欠き,これを採用することができない。なお,本件ホームアプリにおいて は,タップ操作やスライド操作の際にもポインタの座標位置の書換えが行 われることが認められるが(甲8の1及び2),これらの操作では左右ス クロールメニュー表示は表\示されないのであるから,本件ホームアプリが 「ポインタの座標位置の書換え」により左右スクロールメニュー表示を表\ 示するものでないことは明らかである。 また,原告は,タッチパネルでは指等が触れていれば継続的にポインタ の位置を移動させる命令を受信しており,ロングタッチを識別するために 入力されるデータ群には「ポインタの位置を移動させる命令」が含まれる から,本件ホームアプリは構成要件Eを充足するとも主張する。しかし,\nこの主張は「ポインタの位置を移動させる命令」を受信してもロングタッ チと識別されるまでは左右スクロールメニュー表示が表\示されないことを いうものにほかならず,失当というほかない。
均等侵害の成否
ア 原告は,本件ホームアプリにおける「利用者がタッチパネル上のショー トカットアイコンを指等でロングタッチする操作を行うことによって操作 メニュー情報が表示される」という構\成は「利用者がタッチパネル上の指 等の位置を動かして当該ショートカットアイコンを移動させる操作を行う ことによって操作メニュー情報が表示される」という本件発明の構\成と均 等であると主張するので,この点について検討する。
・・・・
ウ 本件明細書の上記各記載によれば,本件発明1は,従来の技術において はドラッグ&ドロップを行うに際して継続的な操作に適用させるのが困難 であるなどといった問題点があったことから,1)利用者が必要になった場 合にすぐに操作コマンドメニューを画面上に表示させ,かつ,2)必要であ る間はこれを表示させ続けられる手段の提供を目的とするものである。そ\nして,上記1)を達成するために「入力手段を介してポインタの位置を移動 させる命令を受信すると」操作メニュー情報を表示し(構\成要件E),上 記2)を達成するために出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタに\nより指定されなくなるまで命令の実行を継続する(同F)という構成を採\n用した点に特徴を有するものと認められる。そうすると,入力手段を介し てポインタの位置を移動させる命令を受信することによってではなく,ポ インタがロングタッチされることによって操作メニュー情報を表示すると\nいう構成は,本件発明1と本質的部分において相違すると解すべきである。\n
エ これに対し,原告は,利用者がドラッグ&ドロップ操作を所望している 場合に操作メニュー情報を表示することが本質的部分であると主張する。\nそこで判断するに,原告が操作メニュー情報に当たると主張する左右スク ロールメニュー表示は,ショートカットアイコンをホーム画面の別のペー\n一方,本件ホームアプリにおいてロングタッチがされた場合に常にショー トカットアイコンをホーム画面の別のページへ移動させるドラッグ&ドロ ップ操作が行われると認めるに足りる証拠はない。そうすると,ロングタ ッチがされたことをもって上記のドラッグ&ドロップ操作が所望されてい るとみることはできないから,本質的部分に関する原告の上記主張を前提 としても,均等による本件特許権の侵害をいう原告の主張は採用すること ができない。

◆判決本文

◆関連事件です。同じく請求棄却です。平成29(ワ)13034

◆こちらも本件特許権は同じで請求棄却です。平成26(ワ)65

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 均等
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成27(ワ)4461  特許権侵害差止請求事件  特許権  民事訴訟 平成29年2月10日  東京地方裁判所

 CS関連発明の特許権侵害訴訟です。東京地裁は、均等侵害も第1、第2、第3要件を満たさない、分割要件違反、および一部のクレームについてサポート要件違反があるとして請求棄却しました。
 特許発明における本質的部分とは,当該特許発明の特許請求の範囲の 記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的\n部分であると解すべきである。 そして,上記本質的部分は,特許請求の範囲及び明細書の記載に基づ いて,特許発明の課題及び解決手段とその効果を把握した上で,特許発 明の特許請求の範囲の記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的 思想を構成する特徴的部分が何であるかを確定することによって認定さ\nれるべきである。すなわち,特許発明の実質的価値は,その技術分野に おける従来技術と比較した貢献の程度に応じて定められることからすれ ば,特許発明の本質的部分は,特許請求の範囲及び明細書の記載,特に 明細書記載の従来技術との比較から認定されるべきである。 ただし,明細書に従来技術が解決できなかった課題として記載されて いるところが,出願時の従来技術に照らして客観的に見て不十分な場合\nには,明細書に記載されていない従来技術も参酌して,当該特許発明の 従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分が認定さ\nれるべきである。 また,第1要件の判断,すなわち対象製品等との相違部分が非本質的 部分であるかどうかを判断する際には,上記のとおり確定される特許発 明の本質的部分を対象製品等が共通に備えているかどうかを判断し,こ れを備えていると認められる場合には,相違部分は本質的部分ではない と判断すべきであり,対象製品等に,従来技術に見られない特有の技術 的思想を構成する特徴的部分以外で相違する部分があるとしても,その\nことは第1要件の充足を否定する理由とはならないと解すべきである (知的財産高等裁判所平成28年3月25日(平成27年(ネ)第100 14号)特別部判決参照)。
イ 原告は,本件発明1の本質的部分は「一の注文手続で,同一種類の金 融商品について,複数の価格にわたって一度に注文を行うこと」及び 「その注文と約定を繰り返すようにしたこと」にとどまると主張する。 この点,確かに,本件明細書等1には,本件発明1の課題として, 「本発明は・・・システムを利用する顧客が煩雑な注文手続を行うこと なく指値注文による取引を効率的かつ円滑に行うことができる金融商品 取引管理方法を提供することを課題としている。」(段落【0006】) との記載がある。この記載に,「請求項1・・・に記載の発明によれば, ・・・一の注文手続きを行うことで,同一種類の金融商品を複数の価格 にわたって一度に注文できる。」(段落【0017】),「請求項1・ ・・に記載の発明によれば,・・・約定した第一注文と同じ第一注文価 格における第一注文の約定と,約定した第二注文と同じ前記第二注文価 格における前記第二注文の約定とを繰り返し行わせるように設定するこ とにより,第一注文と第二注文とが約定した後も,当該約定した注文情 報群による指値注文のイフダンオーダーを繰り返し行うことが可能にな\nる。」(段落【0018】)との各記載も併せれば,原告の主張する 「一の注文手続で,同一種類の金融商品について,複数の価格にわたっ て一度に注文を行うこと」及び「その注文と約定を繰り返すようにした こと」との部分が本件発明1の本質的部分,すなわち従来技術に見られ ない特有の技術的思想を構成する特徴的部分であるように見えなくもな\nい。 しかし,本件発明1に係る特許(本件特許1)の出願時の従来技術に 照らせば,本件明細書等1に本件発明1の課題として記載された「シス テムを利用する顧客が煩雑な注文手続を行うことなく指値注文による取 引を効率的かつ円滑に行うことができる金融商品取引管理方法を提供す ること」(段落【0006】)は,本件発明1の課題の上位概念を記載 したものにすぎず,客観的に見てなお不十分であるといわざるを得ない。\n以下,詳述する。
以上の各記載に,上記エのとおり,引用文献1には既に「一の注文手 続で,同一種類の金融商品について,複数の価格にわたって一度に注文 を行う」という技術が開示されていたことも併せれば,本件発明1は, 単に一の注文手続で複数の価格にわたって一度に注文を行うだけではな く,「請求項1・・・の発明」による「売買注文申込情報」,すなわち,\n「金融商品の種類」(構成要件1B−1),「注文価格ごとの注文金額」\n(構成要件1B−2),「注文価格」(構\成要件1B−3),「利幅」 (構成要件1B−4)及び「値幅」(構\成要件1B−5)を示す各情報 に基づいて,同一種類の金融商品を複数の価格について指値注文する注 文情報からなる注文情報群を生成することにより,金融商品を売買する 際,一の注文手続きを行うことで,同一種類の金融商品を複数の価格に わたって一度に注文できるという点にその本質的部分があるというべき である。
カ これを被告サービス1についてみると,被告サービス1では「利幅」 (構成要件1B−4)及び「値幅」(構\成要件1B−5)を示す情報が 入力されないのであるから,本件発明1と被告サービス1の相違点が特 許発明の本質的部分ではないということはできない。 したがって,被告サービス1については,均等の要件のうち第1要件 を満たさない。
(4) 第2要件(置換可能性)について
次に,均等の第2要件について検討する。 原告は,本件発明1の課題は「専門的な知識がなく,必ずしも正確に相場 変動を予測することができなくても,また,常に相場に付ききりとならなく\nても,FX取引により所望の利益を得ること」にある旨主張している。 しかし,仮に本件発明1の課題が原告の主張するところにあるとしても, 本件発明1と被告サービス1とは,課題解決原理が全く異なる。 すなわち,本件発明1では,顧客に利幅(構成要件1B−4)及び値幅\n(構成要件1B−5)をはじめとして全ての注文を直接的かつ一義的に導き\n出すに足りる情報を入力させた上,これにより,買いの指値注文及び売りの 指値注文からなる注文のペアを複数生成させ,この複数の注文のペアからな る注文を行うことで,上記課題を解決している。 一方,被告サービス1では,顧客が3)「参考期間」を選択しさえすれば, 4)「想定変動幅」を提案し,専門的な知識が必要である利幅(構成要件1B\n−4)及び値幅(構成要件1B−5)を顧客に入力させることなく,複数の\n注文のペアからなる注文を行うことで,上記課題を解決している。すなわち, 被告サービス1では,顧客に全ての注文を直接的かつ一義的に決定させるの ではなく,顧客には専門的な知識が必要とされる情報を入力させないまま, 注文を行わせるものである。 このように,本件発明1と被告サービス1は,金融商品の相場変動を正確 に予測することができなくてもFX取引による所望の利益を得るという課題\nを,顧客に利幅(構成要件1B−4)及び値幅(構\成要件1B−5)という 専門的な知識が必要である情報を入力させることで解決するか(本件発明 1),それともこれらの情報を入力させないまま解決するか(被告サービス 1)という課題解決原理の違いがあり,そのため作用効果も異なってくるも のといわざるを得ない。 したがって,均等の第2要件に関する原告の主張は理由がない。
(5) 第3要件(容易想到性)について
さらに,均等の第3要件について検討する。
ア 原告は,甲15公報及び甲17公報並びに他の証券会社の提供した 「クイック仕掛け(買いゲリラ100pips)」という機能に照らせば,値幅\nを直接入力せずに他の情報を入力してこれらの情報から値幅を算出して 決定するという構成や,あらかじめ設定された値を用いるという構\成は, 被告サービス1の提供開始時において既に公知の構成であったと主張す\nるので,以下検討する。
イ まず,甲15公報の「要約」欄には,以下の記載がある。
・「注文情報生成部は,取り引きの上限価格と,取り引きの下限価格と, 同時に生成される注文情報群の数とを取得し,取得された値に基づいて, 第一注文どうしの価格差が一定となり,第二注文どうしの価格差が一定 となり,かつ,同一の注文情報群に属する第一注文と第二注文との価格 差が一定となるように,第一注文及び第二注文の価格をそれぞれ演算す る。」 また,甲17公報には,以下の記載がある。
・「前記表示手段における上側の接触位置に対応して表\示された前記価 格情報に基づいて上限価格を設定すると共に前記表示手段における下側\nの接触位置に対応して表示された前記価格情報に基づいて下限価格とを\n設定させると共に,前記注文発注手段に対し,前記上限価格と前記下限 価格との間に形成された前記発注価格帯において前記注文情報を発注さ せることを特徴とする金融商品取引システム。」(【請求項1】)
・「前記注文発注手段は,前記任意の発注条件として,前記金融商品の 注文個数情報を備え,前記発注価格帯において,前記注文個数情報に基 づく複数の前記注文情報を,それぞれの価格差が均等な指値注文を発注 するように生成することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一つに記 載の金融商品取引システム。」(【請求項7】)
・「ポジション・ペアの数は,第一形態注文入力画面33(図8)で注文個 数入力欄(図示せず)に入力された注文個数情報の数値,又は,発注価 格帯の数値を値幅入力欄(図示せず)に入力された数値で割った値のう ちの整数値と同じ個数に等しく設定される。」(段落【0082】)
ウ 上記各記載を踏まえ,原告は,甲15公報にはトラップを仕掛ける範 囲(「取引の上限価格」と「取引の下限価格」)と,トラップの本数 (「同時に生成される注文情報群の数」)を入力し,これらの情報に基 づいて値幅及び利幅(「第一注文どうしの価格差」及び「同一の注文情 報群に属する第一注文価格と第二注文価格との差」)を一定となるよう に演算して決定する構成が開示されており,また,甲17公報にも,ト\nラップを仕掛ける範囲(タッチパネルの上下の接触位置に対応する「発 注価格帯」)と,トラップの本数(「注文個数情報」)を入力し,これ らの情報に基づいて,値幅が均等となるように演算して決定する構成が\n開示されていると主張する。 しかし,被告サービス1においては,そもそも注文情報群の数(原告 の主張する「トラップの本数」)を顧客が入力する構成とはなっていな\nい。すなわち,原告の主張によっても,被告サービス1では,顧客は6) 「対象資産(円)」欄に金額を入力するのみであり,被告サーバにおい てその額の証拠金で生成可能な数の注文情報群を生成するというのであ\nる。 加えて,前述のとおり,本件発明1(構成要件1B)と被告サービス\n1の相違点は,本件発明1では構成要件1B−4(利幅を示す情報)及\nび構成要件1B−5(値幅を示す情報)を入力するのに対し,被告サー\nビス1では2)「注文種類」ないし6)「対象資産(円)」の五つの情報を 入力する点にあるところ,甲15公報及び甲17公報にはこれらの五つ の情報の入力については何ら開示されていない。 エ さらに,他の証券会社の提供した「クイック仕掛け(買いゲリラ 100pips)」という機能についてみても,原告によれば,同機能\では利幅 及び値幅はあらかじめ設定されていて,顧客が入力するものではないと いうのである。そうすると,利幅(構成要件1B−4)及び値幅(構\成 要件1B−5)が顧客の入力に係る本件発明1に対し,利幅(構成要件\n1B−4)及び値幅(構成要件1B−5)があらかじめ設定されている\n「クイック仕掛け(買いゲリラ100pips)」の技術を適用する基礎がそも そも存在しないものといわざるを得ない。 オ 以上によれば,本件発明1の構成を被告サービス1のものに置換する\nことについて,当業者が被告サービス1の開始時点において容易に想到 することができたとはいえない。 したがって,均等の第3要件に関する原告の主張は理由がない。
・・・・
原出願である本件特許2に係る本件明細書等2の段落【0005】ないし 【0008】の記載によると,本件特許2は,従来技術の課題として,取引 開始直後の注文が成行注文のイフダンオーダーをすることができなかったこ と及びイフダンオーダーを繰り返し行えなかったことを技術課題として設定 している。 この課題を解決する手段として,本件明細書等2では,取引開始直後に約 定する成行注文の約定価格を基準として,注文情報群を生成し,これに基づ いて,決済注文である指値注文及び逆指値注文を行い,当該指値注文が約定 すると,新たな注文情報群を生成させ,これに基づいて,先行する成行注文 の約定価格と同一の価格の指値注文を行い,当該指値注文が約定すると,当 該新たな注文情報群に基づいて,当該指値注文の決済注文であって,先行す る決済注文である指値注文及び逆指値注文と同一の価格の指値注文及び逆指 値注文を行うことが開示されている。 すなわち,本件明細書等2の段落【0044】では,「・・・成行リピー トイフダンでは,一回目のイフダンでは,第一注文で買い注文または売り注 文の一方を成行で行ったのち,第二注文で買い注文または売り注文の他方を 指値で行う。・・・この第二注文の約定の後,指値の第一注文(このときの 指値価格は一回目の成行注文での約定価格とする)と指値の第二注文とから なるイフダンが,複数回繰り返される。」とされ,段落【0062】では 「ここで,本実施形態の第一注文は,一回目は成行注文で行われるが,二回 目以降は指値注文で行われる。このため,約定情報生成部14は,当該成行 注文の約定価格を,二回目以降の第一注文の指値価格に設定する。」とされ た上,【図7】においても,2回目以降の指値の第一注文の価格を1回目の 成行注文の約定価格とする旨の記載がある。そして,証拠(乙11,13) 及び弁論の全趣旨によれば,これらの段落【0044】及び【0062】並 びに【図7】は,出願当初の明細書等から補正がされていないものと認めら れる。
(4) そこで,構成要件3F−2の「前記指値注文」の構\成と,本件明細書等2 の記載とを比較すると,本件明細書等2には2回目以降の指値の第一注文の 価格を1回目の成行注文の約定価格とすることしか開示されておらず,2回 目以降の指値の第一注文の価格を任意の価格にできるといった記載はない。 また,2回目以降の指値の第一注文の価格をどのような価格にするのか,言 い換えると,1回目の成行注文の約定価格以外のどのような価格に設定する のか,そのための方法等は一切開示されていない。 そうすると,本件明細書等2の出願当初及び分割直前の明細書等には,そ の技術課題及び課題を解決するための手段からみて,2回目以降の指値の第 一注文の価格を任意の価格に設定できることが形式的にも実質的にも記載さ れていないものといわざるを得ない。 したがって,本件発明3の構成要件3F−2は,分割出願の出願日が原出\n 願の出願日へ遡及するための要件である,上記1)及び2)の要件のいずれも満 たさないから,本件発明3に係る特許出願には特許法44条2項の適用がな く,分割要件違反となるものというべきである。
(5) 原告の主張に対する判断
この点に関して原告は,本件発明2及び3の技術思想は「顧客が煩雑な注 文手続を行うことなく複数のイフダンオーダーを繰り返し行うことができて, システムを利用する顧客の利便性を高めると共にイフダンオーダーを行う際 に顧客が被るリスクを低減させることができる。」ことにあり,2回目以降 の第一注文の指値価格をどのようなものにするのかは,上記技術思想とは直 接の関係がないため,当業者において適宜選択・決定すれば足りる事項であ ると主張する。 しかし,上記(3)において引用したところからすれば,本件発明2の技術 思想は,先行する成行注文の約定価格と同一の価格の指値注文を行うところ にもあるということになる。そうすると,本件明細書等2に対し,システム が2回目以降の指値の第一注文の指値価格を決定するという構成を追加する\nことは,新たな技術的事項を導入するものというべきであるから,原告の上 記主張はその前提を欠き,採用することができない。 (6) 以上によれば,本件発明3に係る特許出願の出願日は,原出願の出願日ま で遡及せず,現実の出願日である平成26年11月13日となるところ,本 件発明2に係る特許出願の出願公開の公開日は平成25年7月11日である から(甲4の2),本件発明3の新規性は,本件発明3を下位概念化した本 件発明2によって,否定されることになる。 したがって,本件発明3に係る特許は,特許法29条1項3号に違反して されたものであるから,同法123条1項2号によって特許無効審判により 無効にされるべきものである。
・・・・
(1) 特許制度は,明細書に開示された発明を特許として保護するものであり, 明細書に開示されていない発明までも特許として保護することは特許制度の 趣旨に反することから,特許法36条6項1号のいわゆるサポート要件が定 められたものである。 したがって,同号の要件については,特許請求の範囲に記載された発明が, 発明の詳細な説明の欄の記載によって十分に裏付けられ,開示されているこ\nとが求められるものであり,同要件に適合するものであるかどうかは,特許 請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し,特許請求の範囲に 記載された発明が発明の詳細な説明に記載された発明であるか,すなわち, 発明の詳細な説明の記載と当業者の出願時の技術常識に照らし,当該発明に おける課題とその解決手段その他当業者が当該発明を理解するために必要な 技術的事項が発明の詳細な説明に記載されているか否かを検討して判断すべ きものと解される。
(2) これを本件についてみるに,原告の主張によれば,構成要件3F−2の\n「前記指値注文」とは,その価格については何の限定もなく,任意の指値価 格をその指値価格とする指値注文ということになる(前記10(3))。しかる に,前記10(3)で引用した本件明細書等2の段落【0044】及び【006 2】並びに【図7】は,本件明細書等3の段落【0042】及び【0060】 並びに【図7】に相当するところ,これらの段落等にも,その技術課題及び 課題を解決するための手段からみて,2回目以降の指値の第一注文の価格を 任意の価格に設定できることが形式的にも実質的にも記載されているとはい えない。 そうすると,当業者において,本件発明3の解決手段その他当業者が当該 発明を理解するために必要な技術的事項が,本件明細書等3の発明の詳細な 説明に記載されているものと認めることはできない。
(3) したがって,本件発明3は特許法36条6項1号に規定するサポート要件 を満たしていないことになるから,本件発明3に係る特許は同法123条1 項4号によって特許無効審判により無効にされるべきものである。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 分割
 >> 技術的範囲
 >> 均等
 >> 第1要件(本質的要件)
 >> 第2要件(置換可能性)
 >> 第3要件(置換容易性)
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成28(ワ)37954  承継参加申立事件  特許権  民事訴訟 平成29年1月31日  東京地方裁判所(第47民)

 録画機構を含まないとして、構\成要件を具備せず非侵害と判断されました。外付けのHDDを準備するのはユーザであるというものです。
 以上の特許請求の範囲や「発明の詳細な説明」の記載を総合すると,本 件発明は,デジタル格納部を含むユーザテレビ機器を備えた双方向テレビ 番組ガイドシステムに係る発明であるというべきである。 なお,明細書の【図1】(本件発明による例示的システムとされている。 段落【0011】ないし【0013】参照)においても,本件発明の「双 方向テレビ番組ガイドシステム」が,主設備(12),番組ガイドデータ ソース(14),テレビ配信設備(16),ユーザテレビ機器(22)を\n全て含むことが示されている。 イ 他方で,証拠(甲10の1及び2,14,16)及び弁論の全趣旨によ れば,被告物件である液晶テレビ製品は,単に放送を受信するだけで,い ずれもそれ自体に録画できるメモリー部分(デジタル格納部)を備えてお らず,録画先としては,外付けのUSBハードディスクやレグザリンク対 応の東芝レコーダーとされており,これらを被告物件に接続することによ って初めて,被告物件で受信した番組を上記ハードディスク等に録画する ことが可能であるものと認められる。
ウ 以上のとおり,本件発明は,デジタル格納部を含むユーザテレビ機器を 備えた双方向テレビ番組ガイドシステムに係る発明であるから,被告物件 (液晶テレビ製品)が本件発明の技術的範囲に属するというためには,被 告物件が「番組をデジタル的に格納可能な部分」を含むことが必要である\nところ,被告物件は,それ自体にテレビ番組をデジタル録画可能なメモリ\nー部分を有していないから,この点において,構成要件Cを充足しないと\nいうべきである。
エ これに対し,原告は,本件発明は「双方向テレビ番組ガイドシステム」 の発明であって,テレビ本体やデジタル格納デバイス自体の発明ではなく, 構成要件Aは「双方向テレビ番組ガイドシステム」が「ユーザテレビ機器\n(22)」自体を備えることを規定するものではないし,構成要件Cも,\nあくまで複数の番組をデジタル的に格納する「手段」を構成要件の内容と\nして規定するものであって,デジタル格納デバイスを規定しているわけで はないから,被告物件自体がUSBハードディスクを備えているか否かは, 本件発明の構成要件充足性には無関係である旨主張する。\nしかしながら,原告の上記主張は,上記で説示した特許請求の範囲や明 細書の各記載(例えば,本件発明の目的が「従来双方向番組ガイドシステ ムにより提供されたものよりも高度な機能を提供するように番組ガイドを\n用いることを可能にするデジタル格納部を備えた双方向番組ガイドシステ\nムを提供すること」であるとの明細書の記載(段落【0006】)等)に 明らかに反するものであるから,採用することができない。
(2) 構成要件Dの充足性について\n ア 証拠(甲7,乙14,15)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が 認められる。
・・・
イ このように,本件特許の出願人であったユナイテッド社は,本件特許の 出願段階で,特許庁に対し,本件発明が「引用文献3」(本件の乙20に 相当する。)記載の発明とは異なり,進歩性を有することを示すことを目 的として,本件発明では,同文献記載の発明とは異なり,「番組データが 格納される前に,番組が格納される」旨主張していたものである。そして, 特許庁では,ユナイテッド社の以上のような主張をも考慮した上で,本件 発明は「引用文献3」記載の発明とは異なり,かつ同発明からは容易想到 ではないとして,特許査定をしたものと解される。そうであれば,本件発 明の構成要件Dにおける番組の格納と番組データの格納の先後関係につい\nては,ユナイテッド社の上記主張のとおり,「番組データが格納される前 に番組が格納される」ものと解すべきであり,上記特許出願人の地位を承 継した原告が上記特許出願人による上記主張内容と異なる主張を本件訴訟 においてすることは,禁反言の原則に反するものとして許されないという べきである。
ウ そうであるところ,被告物件において「番組データが格納される前に番 組が格納(録画)される」という先後関係があるものとは認められないか ら,被告物件は,構成要件Dを充足しない。
エ なお,原告は,回答書(乙14)における引用文献3についての説明は, 単に本件発明と引用文献3記載の発明の内容の違いを説明したにすぎない とも主張するが,原告の同主張を前提としても,上記特許出願人が本件特 許の出願過程において上記のような説明をしたことに何ら変わりはないか ら,原告の上記主張は上記説示を何ら左右するものではない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成28(ネ)10027  損害賠償等請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成28年11月24日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 1審判決の後に訂正審判を請求し、独立特許要件ありとして認められましたが、知財高裁は引用文献の認定を誤っているとして、進歩性なしと判断しました。なお、本件においては、訂正の抗弁について、時機に後れた抗弁とは認定されませんでした。
 事案に鑑み,被控訴人が主張する本件各訂正発明に係る特許の無効理由の うち,乙16発明に基づく新規性及び進歩性欠如について,以下判断する(な お,控訴人ら 被控訴人主張の抗弁につき,時機に後れた攻撃防御方法として却下すべき旨を述べるが,少なくとも,これらの主張 が「訴訟の完結を遅延させる」ものでないことは明らかであるから,時機に後れた攻撃防御方法としての却下はしないこととする。)。
・・・
 このように,乙16文献には,ユーザによって選択された商品を表示\nする際に,「はこだてビールオリジナルギフトセット」というジャンル の表題の下に,「はこだてビールギフトAセット」,「はこだてビールギ\nフトBセット」等の複数の商品の商品名,価格,写真が一覧表示された\nWebページ画像( のページ)が表示されることが記載されて\nいるのであるから,選択された商品情報の表示の際に,店舗カテゴリを\n示す情報と店舗カテゴリに分類される商品を示す情報を表示することが\n記載されているものといえるのであって,控訴人らの上記主張は,その 前提において理由がない。 なお,本件訂正を認めた訂正2016−390052事件に係る審決 (甲70)は,本件訂正発明1について独立特許要件の有無を判断する に当たり,乙16文献の記載について,上記と異なる認定(控訴人ら主 張のとおりの認定)をしているが,乙16文献の記載からは、上記で述 べたとおりのことが読み取れるというべきであるから,上記審決の認定 は是認できない。

◆判決本文

◆1審はこちらです。平成26(ワ)25282

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 104条の3
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成27(ワ)8704    特許権  民事訴訟 平成28年5月12日  大阪地方裁判所

 CS関連発明について、技術的範囲に属しないと判断されました。
「電子ショッピングシステム」の意義についても,本件明細書中に明確な定 義はないが,「ショッピング」が一般的な意味において売買を指すことは明らかで あるし,加えて構成要件Fからすると,この電子ショッピングには,少なくとも「注\n文」と「受注」が起きることが必要であるし,また本件明細書の【0001】には, 【発明の属する技術分野】として「本発明は,例えばレコードショップ等が加盟す るフランチャイズ制の電子ショッピングシステムに関し,インターネットを利用し た電子商取引の技術分野に関する。」とあり,さらに【発明の効果】を記載した【0 042】に「受注データにしたがって当該会員に商品を引き渡すと共に代金を受領 することにより,自らホームページを所持しなくても,インターネットを利用した 商取引が可能となる。」とあることから,ここにいう「電子ショッピングシステム」\nとは,インターネットを利用してされる有償の商品の取引を指すものと解するのが 相当であり,その取引においては,「注文」と「受注」,すなわち売買契約締結に 向けて顧客からの具体的法律行為がなされ得ることが必要であると解される。 これに対し,原告は,電子ショッピングシステムの定義について,商品の広告, 受発注,設計,開発,決済などのあらゆる経済活動と捉えるもので,商品の宣伝で あってもこれに含まれる旨主張するところ,確かに,本件明細書には,「電子ショ ッピングシステム」でなす経済活動について,「電子商取引」(【0001】,【0 005】,【0038】,【0043】),「商取引」(【0013】,【004 2】)などとする記載があり,さらに証拠(甲19ないし21)によれば,「電子 商取引」の定義については上記原告主張に一部沿うものが認められる。 しかし,「宣伝」に触れる記載(甲19)は,取引ではなく,インターネット上 の商行為について触れるものであるし,「広告」を含む通商産業省の定義(甲20) は,その当時の郵政省の定義とは異なることからすると,これは省庁の規制目的で 対象範囲の定義をしていると理解でき,直ちに一般的に通用する定義に結びつくも のとはいえない。 そして,そもそも,ここでは本件発明の構成要件にいう「電子ショッピングシス\nテム」の定義を問題にしているのであるから,上記説示のとおり本件明細書の記載 を考慮して解すべきであって,したがって,「電子ショッピンング」に,少なくと も原告の主張するような宣伝,広告までを含んで解することはできないというべき である。 (イ) これを前提に被告システムにつき検討するに,被告システムは,前記認定の とおり,顧客は各提携企業のホームページにおいて,講演会の講師を選択し,当該 講師の「講演を依頼する」タグを選択することにより現れる問合せ画面に名称,住 所,電話番号等の自らを特定する情報を記載し,さらに講演の希望内容を入力する などして送信すると本部のサーバーがこれを受信し,それに伴って各提携企業サー バーにeメールが送信されることで各提携企業が得る上記情報を基に,顧客を訪問 する,電話ないしメール等で連絡を取り合うなど営業活動をして,顧客の希望に沿 った講演会の内容・レベル・対象・講師・構成などを聴取し,顧客と契約できるよ\nう交渉を行うという方式である。 すなわち,被告システムの役割は,講演開催運営を取り扱う各提携企業に対し, 講演開催希望者がインターネットを使ってアクセスするホームページを設けて,そ の潜在的需要を顕在化させ,もって各提携企業が営業活動をすべき講演開催希望者 の情報を得ることができるというところまでであり,その後の講演開催実現に至る までの営業活動は,インターネット外,すなわち被告システム外の接触交渉が予定\nされているというものである。また,その機会における顧客が被告システムを利用 して「お問い合わせ(講演依頼)」をする行為は,漠然とした講演開催希望に基づ くものであってもよく,したがって,これにより提携企業との間で講演開催に向け ての交渉が開始されたとしても,それだけでは当事者間に法的な関係が直ちに生じ たとはいえないから,被告システムは,それは最終的に締結されるだろう講演開催 委託契約に向けての各提携企業の営業活動の契機を与えるものにすぎないものとい える。そして,このように見ると,被告システムでされている内容は,潜在的需要 者をインターネットでアクセスさせ,その潜在的な需要を顕在化させ,その情報を もとに実際の営業活動に結びつけるという,一般的な広告宣伝の手法と何ら変わら ないものといい得る。 なお,被告システム利用者の中には,希望講師のみならず講演会開催の日時,場 所とも確定して利用する者が含まれることはあり得るところ,その場合,そのよう な「お問い合わせ(講演依頼)」によるアクセス行為は,商品購入の注文に極めて 似ているといえるが,その場合であっても,被告システムを介して,そのアクセス を受けた各提携企業は,自らが講演する主体ではなく,また掲載講師のスケジュー ルを管理している主体とも認められないから,直ちに承諾,すなわち「受注」する ことができるわけではなく,その後,講師との関係を調整して,具体的講演開催に 向けて交渉を重ねる必要があるはずであって,したがって,利用者の 「お問い合わ せ(講演依頼)」をいかに具体化しても,これを売買契約における「注文」に準じ るものということができるわけではない。 したがって,被告システムは,構成要件Aにいう「電子ショッピングシステム」\nには相当しないというべきである。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成27(行ケ)10139  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟  平成28年5月18日  知的財産高等裁判所

 ゲーム機について、進歩性違反なしとした審決が維持されました。また、手続き違背についても、無効審判における審理事項通知書とは異なる認定をする場合に意見申立の機会を与える必要はないと判断されました。
     本件発明1は,前記2(2)のとおり,従来のスロットマシンにおいては,メ モリのデータに異常が生じると,遊技店の従業員等の操作により選択・設定された 設定値ではなく,あらかじめ定められた設定値を自動的に設定し,ゲームの進行が 可能な状態に復帰させているので,本来であれば,遊技店側の操作により選択・設\n定された設定値に基づく当選確率を適用して内部抽選が行われ,入賞の発生が許容 されるべきであるのに,スロットマシンにより自動的に設定された設定値に基づい てゲームが行われることとなるため,ゲームの公平性が損なわれてしまうという問 題があったことから,ゲームの公平性を図ることができるスロットマシンを提供す ることを課題とし,その解決手段として,特許請求の範囲請求項1の構成を採用し,\n特に,不能化解除手段については,第1の不能\化手段によりゲームの進行が不能化\nされた状態においても第2の不能化手段によりゲームの進行が不能\化された状態に おいても,設定操作手段の操作に基づいて許容段階設定手段により設定値が新たに 設定されたことを条件に,ゲームの進行が不能化された状態を解除し,ゲームの進\n行を可能とする構\成を採用したものである。
(イ) これに対し,引用発明1は,前記3(2)のとおり,従来のパチンコ機におい て採用されているチェックサムを用いたエラーのチェック方式では,メモリーにバ ックアップ電源を持たないので,チェックサムの内容が電源遮断後,消去されてし まい,スロットマシン固有の設定値に関するエラーのチェックが困難であるという 問題があったことから,設定値を含む遊技データのチェックサムを,バックアップ 電源により保持することにより,電源投入時に,設定値に関するエラーの発生を検 査することができるようにし,エラーを発見した場合には,スロットマシンの遊技 を停止して,段階設定値の設定の待機待ちの状態にすることができるようにすると ともに,段階設定値を手動で変更することができるようにすることを課題とするも のであって,不能化解除手段については,第1の不能\化手段によりゲームの進行が 不能化された状態において,設定操作手段の操作に基づいて許容段階設定手段によ\nり設定値が新たに設定されたことを条件に,ゲームの進行が不能化された状態を解\n除し,ゲームの進行を可能とするが,そもそも第2の不能\化手段を備えず,第2の 不能化手段を備えないため,第2の不能\化手段によりゲームの進行が不能化された\n状態を解除し,ゲームの進行を可能とする構\成も備えないものである。 そして,引用例1には,ゲームの公平性を図るために,第2の不能化手段及びそ\nのための不能化解除手段を備えること,第2の不能\化手段のための不能化解除手段\nを第1の不能化手段のための不能\化解除手段と共通にすることについては,記載も 示唆もない。 したがって,引用発明1において,第2の不能化手段及びそのための不能\化解除 手段を備え,その上で,更に,第2の不能化手段のための不能\化解除手段を第1の 不能化手段のための不能\化解除手段と共通のものとすることについて動機付けがあ るということはできない。
・・・
イ 審理事項通知書(甲21)によれば,「合議体の暫定的な見解」として, 「引用例1に記載されている,ステップ3のRAMチェックサム検査とステップ4 のチェックサムの一致判定とを実行するチェックサム検査手段と,ステップ5の段 階設定値が正常か否かを判定する段階設定値判定手段とは別の構成であるから,引\n用発明1における,段階設定値が適正か否かの判断を個別に行うものではない「チ ェックサム検査手段」は,引用発明1の「記憶データ判定手段」に相当するもので ある。」旨示していたことが認められる。これに対し,本件審決においては,「電 源投入時における「制御を行うためのデータ」に異常があるか否かの判定とに関す る技術が,技術的に関連の深いまとまりのある技術単位であることを考慮して,本 件発明1と引用発明1とを対比し直した。」として,本件発明1と引用発明1との 相違点として,相違点1を認定した。 しかし,審判における最終的な判断の論理が,審判手続の経過において示された 暫定的な見解と異なるとしても,審判手続において,改めて上記論理を当事者に通 知した上で,これに対する意見を申し立てる機会を当事者に与えなければならない\nものではない。そうすると,かかる機会を与えなかったことを理由として,本件審 判手続に審理不尽の違法があるとまでいうことはできない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明
 >> 審判手続
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成27(ネ)10127  損害賠償請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成28年4月27日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 均等の第5要件で侵害なしとした一審判断が維持されました。
 前記(2)の認定事実によれば,第1手続補正前の時点では,特許請求の範囲の請求項1において,「計算」については,「Web−POSサーバ・システム」で行われるのか,あるいは,「Web−POSクライアント装置」で行われるのかを含め,発明特定事項としては何ら規定されていなかったが,控訴人は,第1手続補正によって,特許請求の範囲の請求項1において,「計算」について,「Web−POSサーバ・システム」で行われる構成に限定し,その後にした第2手続補正において,特許請求の範囲を本件請求項1の構\成要件F4のとおり補正し,この第2手続補正に基づく特許請求の範囲の請求項1(本件請求項1)について,特許査定を受けたものであるということができる。そして,第2手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1(本件請求項1)の「該数量に基づく計算」,すなわち,本件特許発明の構成要件F4の「該数量に基づく計算」は,「Web−POSサーバ・システム」では行われず,「Webブラウザ」を備える「Web−POSクライアント装置」で行われるものと解さざるを得ないことは,前記1のとおりである。そうすると,本件出願手続において,第1手続補正前の時点では,「計算」について,発明特定事項として何らの規定もされていなかった特許請求の範囲の請求項1について,控訴人は,第1手続補正により,「計算」が「Web−POSサーバ・システム」で行われる構\成に限定し,その後の第2手続補正によって,この構成に代えて,あえて「該数量に基づく計算」が「Web−POSクライアント装置」で行われる構\成に限定して特許査定を受けたものということができる。上記事実に鑑みれば,控訴人において,「該数量に基づく計算」が,被告方法のように「Web−POSサーバ・システム」で行われる構成については,本件特許発明の技術的範囲に属しないことを承認したもの,又は外形的にそのように解されるような行動をとったものと評価することができる。したがって,均等の第5要件の成立は,これを認めることができない。\n

◆判決本文

◆一審はこちら。平成26(ワ)27277

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 均等
 >> 第5要件(禁反言)
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成26(ワ)34145  損害賠償請求事件  特許権  民事訴訟 平成28年1月14日  東京地方裁判所

 CS関連発明について、「注文情報」に該当しないので非侵害と判断されました。被告がアスクルです。
 本件明細書(甲2)の発明の詳細な説明の欄には,本件発明の実施形態が記載されているところ(段落【0027】〜【0134】,【図1】〜【図21】),この実施形態においては,「Web−POSクライアント装置」の表示画面に「明細フォーム」(カテゴリ,メーカコード,商品番号,商品名,単価,数量,金額といった注文商品明細が表\示されているもの。【図10】〜【図12】,【図17】〜【図21】。)が表示され,「オーダ・ボタン」のクリックに応答して,「Web−POSサーバ・システム」へ明細フォーム中のカテゴリ,メーカコード等の全フィールドを送信し,「Web−POSサーバ・システム」においてこの明細フォームを受信することとなっているところ(段落【0056】,【0111】〜【0125】,【0127】,【図12】),「オーダ・ボタン」のクリックにより「Web−POSサーバ・システム」が受信するのが「注文情報」であることから(構\成要件F4),上記明細フォームは「注文情報」に相当するので,「注文情報」には商品名,価格等の商品基礎情報が含まれている。また,本件明細書には本件発明の他の実施形態の説明も記載されているが(段落【0134】〜【0139】),いずれも「明細フォーム」を利用するものであり,「注文情報」に商品基礎情報を含まない構成についての記載は見当たらない。\nこれら本件明細書の記載を考慮して「注文情報」の意義を解釈すると,本件発明は,「Web−POSクライアント装置」の表示画面に明細フォームその他商品基礎情報を含む情報を表\示した上で,「オーダ・ボタン」のクリックに応答して,これらの情報を「Web−POSサーバ・システム」に送信するという構成を採用したものと認められる。したがって,「Web−POSクライアント装置」が送信して「Web−POSサーバ・システム」が受信する商品の注文に関する情報にカテゴリ,メーカコード,商品名,価格等の商品基礎情報が含まれていない場合には,構\成要件F4,G及びHの「注文情報」に当たらないと解するのが相当である。 ウ 「注文情報」を上記のように解釈することは,本件特許の出願経過における原告の説明とも一致する。すなわち,原告は,平成23年10月9日付け意見書(乙20)において,引用文献1(乙11)との相違点につき,1)引用文献1における注文情報は購入者ごとに生成される情報であって,この購入者ごとの注文情報は,商品識別情報等を含んだ商品ごとの情報である本件発明の「注文情報」とは異なる(乙20の11〜12頁),2)用文献1には,商品注文明細情報の生成及び表示過程に関する詳細な記載がなく,ユーザが注文した情報に売上管理等に必須となる商品識別情報及びこれに対応する商品基礎情報が含まれていないのに対し,本件発明では「注文情報」に商品識別情報とこれに対応する商品基礎情報が含まれている(同12〜13頁)と説明しており,これら1)及び2)の説明は上記の解釈と整合するということができる。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成26(ワ)25282  損害賠償等請求事件  特許権  民事訴訟 平成28年1月14日  東京地方裁判所

 「電子ショッピングモールシステム」について、新規性なしとして侵害否定されました。興味深いのは、当該動作を行うための構成を有することは、当該動作から明らかと認定した点です。被告は楽天です。原告は訂正審判を請求しましたが、訂正拒絶理由が通知されて最終的には、取り下げています。審査における審査メモには「参考文献には、ユーザが電子ショッピングモールを訪れた当初は共通カテゴリを用いて商品が提示され、ある商品が選択された後にはその商品を販売する店舗が独自に定めた店舗カテゴリを用いて商品が提示される構\成が記載されておらず、一方、本願発明はそれにより、電子ショッピングモール全体としての統一感を保ちつつも、店舗の個性を発揮して他店舗との差別化を図ることができるという顕著な効果を発揮。」とあります。
 ア 乙16文献には次の趣旨の記載がある。(乙16) 楽天市場のオンラインショッピングなら,ジャンルを掘り下げていくだけで目的の商品まで簡単にたどり着くことができる。ここでは北海道・函館の地ビールを検索する。トップページの「商品名で調べる」又は「商品別」をクリックして商品名で探すこともできる。表示されているジャンル名「ドリンク・アルコール類」から開始し,その先は「ビール・地ビール」→「地ビール」→「北海道」とジャンルが絞られていき,その度にそれぞれのジャンルでの検索結果に商品名が表\示される。金額も表示されるので,わざわざ店のホームページにアクセスしなくても商品を選べるのは利点だ。(66頁) 商品別で検索したときも,商品名をクリックすれば,店舗のホームページにアクセスして,その商品の紹介ページが見られる。「はこだてビール」の店舗のホームページには「オリジナルギフトセット」というジャンルがあり,このジャンルの画像や価格,セット名を一覧表示することができたので,その中から商品を選ぶことにした。(68頁)
イ 楽天市場のトップページから順次表示されるものであり,楽天市場の全体\nルギフトセット」のジャンルは,特定の商品を取り扱う店舗のホームページに表示されるものであり,当該店舗が設定した商品分類に基づく店舗カテゴリであると,それぞれ認めることができる。そして,乙16文献に記載されたインターネットショッピングモールに係る発明(乙16発明)においては,ある共通カテゴリが示された場合に・・・のであるから,商品と共通カテゴリ及び店舗カテゴリを示す情報が相互に結び付けられるように記憶されていると認められる。また,ある店舗が取り扱う商品に係る情報から当該店舗独自のカテゴリ及びこれに分類される商品が表\示される(同)のであるから,ある商品がどの店舗カテゴリに属するか,その店舗カテゴリにどの商品が属するかを識別するに足りる情報が記憶されているということができる。
ウ 以上によれば,乙16発明は,本件各発明の前記争いのある各構成をいずれも備えていると認められる。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 104条の3
 >> コンピュータ関連発明
 >> ピックアップ対象

▲ go to TOP

平成26(ワ)23926  損害賠償  特許権  民事訴訟 平成27年12月11日  東京地方裁判所

 ソニーのブルーレイレコーダのお出かけ転送機能\について、侵害か否かが争われました。裁判所は侵害なしと判断しました。
 本件明細書等をみると,本件各発明が適用される第1実施形態を説明する図1には,記憶再生装置に当たる「DVDレコーダ1」に「USB I/F」が具備されているものと図示されており,これについて「USBインターフェイス40は,USBポート41を介して接続される外部の機器と各種信号をやり取りするためのインターフェイスである。」(段落【0045】)と説明されている。そして,図1の「DVDレコーダ1」には,上記「USBI/F」とは別に,「無線LANモデム」が図示されており,これについて,「無線LANモデム60は,外部のネットワーク網と接続するためのモデムであ」り,「DVDレコーダ1は,この無線LANモデム60を介してネットワーク網に接続されるとともに,FTPサーバー3(a),及び通信局3(b)を介して,DVDレコーダ4,携帯電話5,及びパーソナルコンピュータ6と通信可能\なように構成されて」おり(段落【0047】),「無線LANモデム60が通信インターフェイスに相当」する(段落【0076】)と説明されている。そして,本件明細書等の図1には,第3の記憶媒体が,\n「DVDレコーダ1」(記憶再生装置)に内蔵された「HDD21〜HDD23」である場合と,無線LANモデム及び外部ネットワークを介して接続される「FTPサーバー3(a)」である場合の両方が図示されているにもかかわらず,通信インターフェイスについては,ネットワーク網に接続する無線LANモデムのみが記載されていること,本件各発明においては,記憶再生装置から動画情報を送信する先の端末が「通信端末」と呼称されており,ネットワーク網を経由した通信機能を有した端末であることが示唆されていると考えられ,ネットワーク網を経由した通信を想定していることがうかがえること,本件明細書等を精査しても,USBインターフェイスが通信インターフェイスに当たる場合があることを示唆する記載がないことなどからすると,本件明細書等は,通信インターフェイスからUSBインターフェイスを除外していると解するのが相当である。したがって,本件各発明における「通信インターフェイス」には,「USBインターフェイス」は含まれないというべきである。
(3) 以上によれば,USBインターフェイスを有しているにすぎない被告製品(イ〜ホ)は,構成要件B1,C1,H1,G2及びH2を充足しない。\n6 争点(1)カ(均等侵害の成否)について
原告の主張する均等侵害は争点(1)エ及びオに関し文言侵害が認められない場合の予備的主張であるところ,前記3及び4のとおり,本件では,その他の構\成要件において文言非充足であるから,原告の主張する均等侵害は理由がない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 均等
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成27(行ケ)10093  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成27年11月30日  知的財産高等裁判所

 CS関連発明について審決は進歩性有りと判断しましたが、知財高裁は引用文献の認定誤りを理由に、これを取り消しました。
 甲1発明3の「データ管理部」に格納されている「安全管理情報」 は,「工事にかかる安全情報で,事故歴等を入力しておくと,同じ工事 を次に行う場合に参考になる」情報であり(甲1の段落【0024】), 例えば,「代表作業用キーワード(細別)」が「コンクリート打設」で\n「規格」が「大」の場合は,「ポンプ車等車の出入りと通行人を誘導す る管理人 1」であり,「代表作業用キーワード(細別)」が「コンク\nリート打設」で「規格」が「小」の場合は,「1輪車運転中,障害物に よるバランスに注意」である(甲1の段落【0041】,【0044】, 図2及び3)。 しかるところ,上記「安全管理情報」の「ポンプ車等車の出入りと通 行人を誘導する管理人 1」とは,「大規模コンクリート打設」には, 「ポンプ車,コンクリートミキサー車,砂利運搬車の出入り等に関する 安全を確保するために交通整理を行う管理人が必要になる。」(甲1の 段落【0044】)というものであり,「ポンプ車等車の出入り」とい う「危険有害要因」に対応して発生し得る交通事故(「事故型分類」) に対する予防策として交通整理を行う管理人が必要であることを示した\nものといえるから,上記「安全管理情報」は,本件発明1の「危険有害 要因および事故型分類を含む危険情報」に該当することが認められる。 また,上記「安全管理情報」の「1輪車運転中,障害物によるバラン スに注意」とは,「障害物」という「危険有害要因」に対応して「1輪 車運転中に障害物によってバランスを崩すことによる事故」(「事故型 分類」)が発生し得ることを示したものといえるから,上記「安全管理 情報」も,本件発明1の「危険有害要因および事故型分類を含む危険情 報」に該当することが認められる。 そして,甲1発明3の「データ管理部」に格納されている「原価管理 情報」及び「安全管理情報」は,甲1の図1ないし図3に示すように, いずれも「代表作業用キーワード(細別)」(「コンクリート打設」)\n及びその各「規格」(「大」,「中」,「小」)ごとに関連付けられて 格納されていることが認められ,「安全管理情報」の格納の態様は,「工 事名称」(「代表作業用キーワード(細別)」)に関連付けられた「要\n素」(「規格」)に関連付けられたものといえるから,甲1発明3の「デ ータ管理部」には,本件発明1の「前記要素に関連付けられた危険有害 要因および事故型分類を含む危険情報が規定されている危険源評価マス ターテーブル」(相違点2に係る本件発明1の構成)が格納されている\nものと認められる。
(ウ) この点に関し,本件審決は1)甲1発明3においては,本件発明1 の「歩掛マスターテーブル」と「危険源評価マスターテーブル」に共通 に格納される「要素」に相当するものが存在しないから,本件発明1の 「要素」の構成を有するものではない,2)甲1の記載をみても,「デー タ管理部」に格納される情報をが「テーブル」として格納するとの記載 はなく,そのことが自明ともいえない,3)甲1発明3の「安全管理情報」 は,本件発明1のように工事にかかるリスクを抽出する目的で,各作業 工程において発生しうる危険としての「有害要因」とその「事故型分類」 とに整理分類して設定したものではないから,本件発明1の「危険有害 要因」及び「事故型分類」に相当する情報は含まれておらず,本件発明 1とは「危険情報」である点で共通するに留まるとして,本件発明1の 「危険源評価マスターテーブル」が存在しない旨認定した。 しかしながら,上記1)の点については,甲1発明3において,「歩掛 マスターテーブル」と「危険源評価マスターテーブル」に共通に格納さ れる「要素」に相当するものが存在することは,前記ア(カ)認定のとお りである。 また,上記2)の点については,前記(イ)認定のとおり,甲1発明3に おける「安全管理情報」の格納の態様は,「工事名称」(「代表作業用\nキーワード(細別)」)に関連付けられた「要素」(「規格」)に関連 付けられたものであるから,複数のデータ項目が関連付けられて「表」\n形式で記憶されているものと認められ,「テーブル」に該当するものと いえる。 さらに,上記3)の点については,本件発明1の特許請求の範囲(請求 項1)には,「事故型分類」に係る「分類」の方式や態様を規定した記 載はなく,本件明細書にも,「事故型分類」の語を定義した記載はない ことに照らすと,甲1発明3の「安全管理情報」は,工事にかかるリス クを抽出する目的で,各作業工程において発生しうる危険としての「有 害要因」とその「事故型分類」とに整理分類して設定したものではない からといって,本件発明1の「危険有害要因」及び「事故型分類」に相 当する情報に該当しないということはできない。 以上によれば,本件審決の上記認定は,誤りである。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 引用文献
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成26(ネ)10102  特許権侵害差止等請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成27年11月30日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 CS関連発明について、進歩性がないので104条の3により権利できないとした1審判断が維持されました。
 相違点に係る本件発明1の構成は,「危険源評価データ生成手段」が「前\n記演算手段を使用して,前記危険源評価マスターテーブルを参照して,前 記内訳データ生成手段により生成された内訳データに含まれる各要素に基 づき,当該各要素に関連する危険有害要因および事故型分類を抽出し,該 抽出した危険有害要因および事故型分類を含む危険源評価データを生成す る」(構成要件2−E)というものである。\n本件発明1の特許請求の範囲(請求項1)の記載には,「危険源評価デ ータ」が抽出した危険有害要因及び事故型分類を含むことのみが特定され ており,その形式や態様等が特定されているわけではないから,「危険源 評価データ」は,抽出した危険有害要因及び事故型分類を含むものであり さえすれば足りるものと解される。 他方,乙5発明において,「内訳データ」に含まれる「要素」である「規 格」に基づき,「危険源評価マスターテーブル」を参照し,「当該要素に 関連する危険有害要因及び事故型分類」(「安全管理情報」)を抽出して いることは,前記(4)オ認定のとおりである。 そして,乙5発明において,上記抽出した「安全管理情報」を利用する ためにこれをデータとして出力し,「危険有害要因及び事故型分類を含む 危険源評価データ」を「生成」するように構成することは,当業者であれ\nば格別の困難なく行うことができたことが認められる。 したがって,乙5に接した当業者であれば,相違点に係る本件発明の構\n成(構成要件2−Eの構\成)を容易に想到することができたものと認めら れる。

◆判決本文

◆原審はこちらです。平成25(ワ)19768

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 要旨認定
 >> 引用文献
 >> 104条の3
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成26(ワ)27277  損害賠償請求事件  特許権  民事訴訟 平成27年10月14日  東京地方裁判所

 CS関連発明について、均等の第5要件を満たしていないとして侵害不成立と判断されました。
 事案に鑑み,まず,前記1において認定説示した本件特許発明と被告方法とが相違する部分(構成要件F4と被告方法との相違部分)に関し,均等の第5要件(上記(1)5))の成否を検討する。
前記1(3)において認定説示したとおり,本件特許の出願人である原告は,本件特許の出願手続において,当初(分割出願時)は,「数量に基づく計算」を「Web−POSクライアント装置」により行うか,「Web−POSサーバ・システム」により行うかについて,本件特許請求の範囲により規定していなかったところ,第1手続補正により,本件特許請求の範囲に「3)商品オーダ内容の操作に関する表示制御,すなわち,上記Web−POSクライアント装置の入力手段を有する表\示装置に表示された上記商品の注文明細情報について,ユーザが,該入力手段により,オーダ内容(数量)を入力(選択)すると,該オーダ内容に基づく計算が上記Web−POSサーバ・システムにおいて行われると共に,その結果が上記Web−POSクライアント装置に通知され,また,ユーザが,該入力装置により,オーダ操作(オーダ・ボタンをクリック)を行うと,該商品の注文明細情報に対する該オーダ内容に基づく計算結果の販売情報または注文情報が該Web−POSサーバ・システムにおいて取得(受信)されること」との構\成を付加しようとしたこと,特許庁審査官は,同構成を付加する補正は,願書に最初に添付された明細書,特許請求\nの範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでなく,特許法17条の2第3項に違反するなどの理由により,第1手続補正を同法53条1項により却下する旨の決定をしたこと,原告は,同却下決定を受けて,第2手続補正により,本件特許請求の範囲に「ユーザが,該入力手段により数量を入力(選択)すると,該数量に基づく計算が行われると共に,」との構成を付加したことが認められ,また,同補正により,本件請求項1記載の発明は,「該数量に基づく計算」が「Web−POSクライアント装置」により行われるものに限定されたと解すべきである。
そうすると,原告は,本件特許の出願手続において,被告方法のような「該数量に基づく計算」が「Web−POSサーバ・システム」により行われ,その結果が「Web−POSクライアント装置」に通知される構成について,これを明確に認識しながら,あえて本件特許請求の範囲から除外したものと外形的に評価し得る行動をとったものというべきである(なお,原告は,前記1において認定説示した本件特許発明と被告方法とが相違する部分〔構\成要件F4と被告方法との相違部分〕以外については,被告方法が本件特許発明と同一であるか,少なくとも均等であると主張しているのであるから,同主張を前提とする限り,被告方法は,客観的にみて,本件特許の出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものにあたることになるといえる。)。
この点,原告は,第1手続補正が却下されているとか,第2手続補正のうち,構成要件F4に関する部分は,サポート要件(特許法36条6項1号)違反の拒絶理由の解消を目的としたものであるなどと主張するが,第1手続補正が却下されたとの事実は,出願人である原告が,被告方法のような「該数量に基づく計算」が「Web−POSサーバ・システム」により行われ,その結果が「Web−POSクライアント装置」に通知される構\成を明確に認識していたとの上記認定を左右するものではなく,また,原告が当該構成を明確に認識しており,第2手続補正により本件請求項1記載の発明が「該数量に基づく計算」が「Web−POSクライアント装置」により行われるものに限定されたと解される以上,第2手続補正のうち,構\成要件F4に関する部分についての補正の目的が原告主張のとおりであったとしても,被告方法のような構成をあえて本件特許請求の範囲から除外したものと外形的に評価し得る行動をとったとの上記認定判断が左右されるものではない。\nしたがって,均等の第5要件の成立は,これを認めることができない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 均等
 >> 第5要件(禁反言)
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成27(ネ)10047  差止請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成27年9月30日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 CS関連発明について、特許権侵害でないとした一審判断が維持されました。
 これを本件ホームアプリについてみるに,本件ホームアプリがイン ストールされた被告製品においては,利用者がタッチパネル上のショー トカットアイコンを指で長押し(ロングタッチ)すると,その際のホー ム画面のページ番号に応じて,画面上に左右スクロールメニュー表示が\n表示され,当該ページが,左端ページであれば「右スクロールメニュー\n表示」のみが,右端ページであれば「左スクロールメニュー表\示」のみ が,それ以外のページであれば「左右スクロールメニュー表示」がいず\nれも表示されるものであり(前記1(3)イ(ア)),左右スクロールメニュ ー表示は,利用者がタッチパネル上のショートカットアイコンを指で長\n押し(ロングタッチ)する操作を行うことによって表示されるものであ\nって,利用者がタッチパネル上の指の位置を動かすことにより,当該シ ョートカットアイコンを移動させる操作によって表示されるものとはい\nえない。 このことは,1)甲32の1及び2(控訴人作成の「被告製品の映像及 び映像説明書」)によれば,本件ホームアプリにおいて,タッチパネル 上のポインタ(ショートカットアイコン)を指で長押し(ロングタッチ) すると,ショートカットアイコンは,ぶるぶる振動する振動状態に遷移 し,振動状態になれば,ショートカットアイコンを移動させる操作(ド ラッグ操作)を行わなくても,画面右端に右スクロールメニューが表示\nされることが認められること,2)甲17の2(被控訴人作成の「IS04 取扱説明書」)によれば,「ロングタッチする」という項目に,「画面 の項目やアイコンを指で押さえたままにします。」と記載されているか ら,本件ホームアプリにおける「ロングタッチ」とは,ショートカット アイコンを指で押さえたままにすること,すなわち,指を移動しないま ま,ショートカットアイコンを押し続ける操作であり,指の移動を伴う ドラッグ操作は含まれないことからも明らかである。 したがって,本件ホームアプリにおいて,控訴人が主張する「操作メ ニュー情報」である左右スクロールメニュー表示を表\示させるための電 気信号は,ショートカットアイコンを押し続ける操作(ロングタッチ) が行われたことを検知した電気信号であって,ショートカットアイコン を移動させる操作(ドラッグ操作)が行われたことを検知した電気信号 ではない。 そうすると,本件ホームアプリにおいては,利用者が入力手段を介し て画面上のポインタ(ロングタッチをしたショートカットアイコン)の 位置を移動させる操作を行ったことを検知して,その操作をポインタの 座標位置を移動させる命令(電気信号)に変換し,処理手段がその電気 信号を受信することによって,控訴人が主張する「操作メニュー情報」 である左右スクロールメニュー表示を画面上に表\示させているものとは いえないから,「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を 受信すると…操作メニュー情報を…出力手段に表示する」(構\成要件E) 処理が実行される構成を備えているものと認めることはできない。\n

◆判決本文

 

◆ 一審はこちらです。平成26年(ワ)第65号

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成26(行ケ)10231  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成27年8月6日  知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、本件発明の要旨認定が誤っているとして、進歩性なしとした審決が取り消されました。  
 補正発明における「第1の写真アルバム」が格納されている「デバイス」 とは,請求項の記載上では「分散型ネットワークに参加しているいずれかのデバイ ス」であればよいから,特定のデバイスに限定されるものではない。また,「同期 させる手段」によって「同期」される「他の写真アルバムであって前記第1の写真 アルバムに関係付けられる他の写真アルバム」が格納されている「前記デバイス以 外のデバイス」も,請求項の記載上では「分散型ネットワークに参加している」デ バイスであればよいから,特定のデバイスに限定されるものではない。 そうすると,ある場合には修正された「第1の写真アルバム」が格納されている 「デバイス」が,別の場合には「同期させる手段」によって当該修正に「同期」さ れる写真アルバムが格納されている「デバイス」となることが想定されており,そ の逆の状況も想定されるから,分散型ネットワークに参加しているデバイスはいず れも,「第1の写真アルバム」が格納されているデバイスとなり得るし,また,「同 期させる手段」によって「同期」される写真アルバムが格納されているデバイスと なり得ることとなる。したがって,補正発明の装置においては,分散型ネットワー クに参加しているある特定の「デバイス」とそれ以外の「デバイス」と間において, 「写真アルバム」変更の検出による関連する他方の「写真アルバム」の自動的な同 期が,双方向に行われるものと認められる。
(2) 引用発明は,第2,3(2)ア記載のとおりに認定されるところ,サーバ2 及びミラーサーバ7は,更新オブジェクト情報やイベントをその都度受信端末へ提 供するが,仮に,受信端末側においてオブジェクトが変更されたとしても,更新オ ブジェクト情報やイベントが,データベース・サーバないし他の受信端末へ提供さ れることは想定されていない。すなわち,オブジェクトの変更等の検出による更新 オブジェクト情報の提供は,一方向にのみ行われるものと認められる。
(3) そうすると,引用発明は,補正発明における「分散された写真アルバムの 集合を自動的に同期させる」との構成,すなわち,ある特定の「デバイス」とそれ\n以外の「デバイス」と間において,「写真アルバム」変更の検出による関連する他 方の「写真アルバム」の自動的な同期を双方向に行う構成に相当する構\成を含むも のではない。この意味で,補正発明と引用発明との相違点は,補正発明の場合は, 「分散型ネットワークにおいて,写真アルバムの集合を自動的に同期させる装置」 であるのに対し,引用発明の場合は,「分散型ネットワークにおいて,多数のデー タベースへデータを同期させる装置」であると認定すべきである。
(4) 被告は,取消事由2は取消事由1を前提とした主張であるところ,取消 事由1は失当であるから,取消事由2も失当である旨主張する。 しかしながら,前記のとおり,審決が,引用発明を「多数のデータベースへの データ配信システム」と認定した点に誤りはないものの,取消事由2における原告 の主張は,引用発明が「分散型ネットワークにおいて,不特定多数のデータベース へデータを同期させる」装置と認定すべきことを前提として,審決がこれを誤認 した結果,補正発明と引用発明との相違点の認定も誤ったというものである。 したがって,必ずしも取消事由1を前提とするものではなく,被告の主張は理 由がない。
(5) 審決は,上記認定の相違点の容易想到性を判断せずに補正発明の進歩性を 否定したものであるから,特許法29条2項の適用を誤ったものであり,取消しを 免れない。 264/085264

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 要旨認定
 >> 本件発明
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成27(ネ)10019  特許権に基づく損害賠償請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成27年7月15日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 クラウドシステムについての特許侵害訴訟(CS関連発明)にて、控訴審でも、技術的範囲に属しないと判断されました。1審は、詳細な説明(目的・効果など)を参酌して、技術的範囲に属しないと判断していました。
 控訴人は,甲30文献を根拠に,テンプレートが,仮想マシンの情報等を含 むデータファイルであり,複写の対象となる実体を有するものであって,ハードウ エア資源を割り付けられることによって仮想マシンとして機能するものであるから,\n被控訴人商品のテンプレートは,本件発明の構成要件Aの「レンタルエンジン」に\n該当するものであり,さらに,インターネット接続も含めて総合試験が実施され動 作保証がされた被控訴人商品の「テンプレート」は,「インターネットに接続する」 「レンタルエンジン」に該当する旨主張する。 そこで,検討するに,甲30号証によれば,仮想マシンによる仮想システムは, ユーザーが,ユーザーインターフェース画面から,所望の処理能力を有する仮想マ\nシンとそのOSを選択し,この選択された仮想マシンとOSに対してハードウエア 資源内の必要なハードウエア資源を割り付けることで行われる(段落【0003】), 構築した仮想システムを別のユーザーに複写したい場合には,テンプレートファイ\nルを複写して複写テンプレートを作成し,その複写テンプレートに新たなハードウ エア資源を割り付けて,元の仮想システムと同じ仮想システムを生成することが行 われている(段落【0006】),データセンタは,管理サーバや複数のサーバと複 数のストレージ及び複数のネットワーク機器を有するハードウエア資源群を備えて おり,ユーザーが作成する仮想マシンを有する仮想システムの情報を有するテンプ レートファイルに,ハードウエア資源群内のハードウエアを割り付けて仮想システ ムを構築し運用する管理サーバを有する(段落【0014】),ユーザーが,仮想マ\nシンとそれにインストールするOS等を選択してオーダーすると,オーダーした仮 想マシンを有する仮想システムのテンプレートがハードウエア資源群内のサーバの ハードディスク領域内に生成され(段落【0022】),管理サーバが,ユーザーが 作成した仮想システムのテンプレート内の仮想マシンや仮想ストレージに,サーバ やストレージなどのハードウエア資源を割り付けることによって,仮想システムが 構築され,運用可能\になる(段落【0027】)ことが認められる。そして,「サー バ群#1内には,複数のサーバが設けられていて,それらのサーバはスイッチSW を介してネットワークで均質に接続され,コアスイッチC−SWを介してネットワ ークNWに接続され,インターネットからアクセス可能である(段落【0016】)」\nとされる。 そうすると,甲30文献におけるテンプレートについても,それのみでは,実体 のある仮想マシン・仮想システムであるとはいえないし,テンプレートにサーバや ストレージなどのハードウエア資源を割り付けることによって,初めて実体のある 仮想マシン・仮想システムとして,インターネットからアクセス可能となることが\n認められるのであるから,このテンプレートと,テンプレートにハードウエア資源 を割り付けることによって生成される仮想マシンは,コンピュータ技術上同一のも のということはできない。そして,前記認定のとおり,被控訴人商品のテンプレー トは,デザインスタジオの頁において,メニューとして表示されるものであるから,\n被控訴人商品におけるテンプレートは,被控訴人商品のサービスポータルの表示画\n面において,顧客が利用する仮想マシン及び仮想システムの構成のメニューとして\nの選択候補を意味するにすぎない。 以上によれば,甲30文献によっても,被控訴人商品の「テンプレート」が本件 発明の「レンタルエンジン」に該当するものと認めることはできない。

◆判決本文

◆原審はこちら。平成25年(ワ)第16060号

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成27(ネ)10006  特許権侵害差止等請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成27年5月21日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 インターネットオークション・ショッピングの価格比較サイトの運営が特許権侵害かが争われました。知財高裁は、侵害でないとした1審判断を維持しました。争点は複数主体による侵害、間接侵害、均等侵害など種々ありましたが、そもそも構成要件が欠落しているとして請求棄却です。
 前記(3)イ(イ)認定のとおり,被告サーバーは,被告サイトにアクセ スしたユーザーのクライアント端末の要求に基づいて,そのディスプレ イ上に,予め被告サーバーに保管されていた過去に開催されたオークシ\nョン商品の縮小画像のアイコン2を含む画面3を表示させ(原判決別紙\n物件目録の別紙図9,12参照),ユーザーによってアイコン2がクリ ックされると,当該クリックされたアイコン2に対応する上記商品の画 像4,落札価格等の商品情報を主表示した画面5を表\\示(同原判決別紙 物件目録の別紙図9,12参照)させる構成を有するが,被告サーバー\nに予め保管されていた過去に開催されたオークション商品の縮小画像,\n画像,落札価格等の商品情報は,ヤフー社が一般に公開しているAPI に接続してヤフー社が運営管理するヤフーサーバーから送信された「ヤ フオク!」のオークション情報であるものと認められる。 しかるところ,ヤフーサーバーから送信された「ヤフオク!」の上記 オークション情報は,「ヤフオク!」のWebサイトのWebページの 情報であり,そのWebサイトの運営又は管理の主体はヤフー社である から,「商品の広告をネット上で紹介提供」する参加企業が運営又は管 理する「Webサイト」又はそのトップページとしてのホームページで ある「参加企業のホームページ」に該当するものと認めることはできな い。 控訴人は,この点について,ヤフーサーバーには,「ヤフオク!」の 個別のオークション商品ごとのWebページのデータがオークションコ ードごとの場所(ドメインないしURL)に保管されており,このオー クション商品ごとのWebページは,「ヤフオク!」における「出店者」 である参加企業が自由に編集可能なオークション商品ごとのWebペー\nジであり,その運用又は管理の主体は参加企業であるといえるから,「 参加企業のホームページ」に該当し,ヤフーサーバーには「参加企業の ホームページ」を保管する「バナーサーバー」が存在する旨主張する( なお,控訴人の上記主張は,前記第3の1(2)アのとおり,「争点1−イ」 に関するものであるが,その主張内容に照らし,「争点1−ア」におい ても主張するものと解される。)。
しかしながら,前記(3)ウ(イ)の認定事実によれば,「ヤフオク!」の サイトの個別のオークション商品のWebページには,「商品の情報」 (「即決価格」,「残り時間」,「入札件数」,「個数」,「開始時の 価格」,「最高額入札者」,「開始日時」,「終了日時」,「商品説明 を読む」等),「商品画像」(小さな画像をクリックすると,拡大表示\nされる。),「出品者の情報」(「出品者(自己紹介),「評価」,「 出品者への質問」,「出品者のその他のオークションを見る」),「商 品画像」等が掲載されるが,当該Webページは,ヤフー社が自ら運営 又は管理する自社のWebページであることが明らかである。 また,「ヤフオク!」のサイトのオークション商品のWebページに 掲載される「商品の情報」及び「出品者の情報」は出品者によって入力 され,「商品画像」は出品者によってアップロードされるが,その入力 項目はヤフー社によって設定され(甲74),Webページにおける各 情報の表示スタイルもヤフー社によって定められたものであり,表\\示さ れる情報の入力等が出品者によって行われるからといって,当該Web ページが出品者が運営又は管理する「Webサイト」又はそのトップペ ージとしてのホームページであるということはできない。

◆判決本文

◆1審はこちらです。平成25年(ワ)247069

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成26(ネ)10107  特許権侵害行為差止等請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成27年5月14日  知的財産高等裁判所  大阪地方裁判所

 CS関連発明について、技術的範囲に属しないとした1審判断が維持されました。争点が「一覧出力形式」という用語の意味です。
 控訴人は,「一覧」とは「全体に一通り目を通すこと」という意味も包含するのであって,「全体を一目で分かるように」する場合に限る必要はないし,本件発明1に対する課題解決のための手段という観点からも,出願経緯からも,出力を1回に限定する必要もなく,被控訴人方法は構成要件1Dを充足すると主張する。\n確かに,「全体を一目で分かるように」するためには,全体が画面に表示される必要があるものの,その場合,画面への表\示までに送信されるデータが一度で出力されなければならない必然性はない。また,【0055】にあるとおり,本件発明1は,画面をスクロールする場合を含むのであって,この場合,画面上表示されない画像データについては事前に送信しなくても,表\示するためのスクロールの時点までに送信されていれば,全体を確認することができる以上,画面上表示されない画像データについては事前に送信しない方法も考えられ,このような観点からしても,画\n 像出力の回数を1回に限定する必要はない。また,本件発明1の目的,作用効果を果たすためには,事業者は,顧客に対し,預かった複数の品物の全てについて一目で分かるように,すなわち,複数の品物の全ての画像を含むように生成したウェブページとして1回の呼出操作で,ウェブページに含まれる品物に対応した画像を閲覧できるように提示する必要があるが,このことを表現するものとして,控訴人の主張するとおり,「一覧」は「全体に一通り目を通す」ものと解釈することも一応は可能\である。 しかしながら,そう解釈した場合であっても,顧客が自らの預かり品の「全体」の範囲を簡単に把握,理解できない方法では,すなわち,自分が行った1回の呼出操作で全ての商品の画像が同一ウェブページに表示されず,出力されていない画像が他に存在する構\成に基づく方法では,顧客が,表示されていない品物の存在を失念している場合には,他のカテゴリーにアクセスしたり,同一カテゴリー内にある他の画像を呼び出したりすることは考えられないのであって,自分が預けた品物を全て正確に把握するという上記課題を解決できないから,「全体に一通り目を通す」ことにならない。そうすると,1回の呼出操作で全ての商品の画像が同一ウェブページに表\示されない新旧いずれの方法についても,被控訴人方法がこの要件を欠くものとなる。 したがって,被控訴人方法は,本件発明1の技術的範囲に属しない。同様の理由で,被控訴人方法は,本件発明2及び3の技術的範囲に属さず,被控訴人装置も,本件発明4から6の技術的範囲に属しない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成26(ネ)10015  債務不存在確認請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成27年3月19日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 控訴審での訂正の再々抗弁も理由なしと判断されました。
 本件訂正発明1のメッセージ提供手段は,特許請求の範囲(甲7の2)の記載によれば,「前記連絡先番号に係る広告主に対し,前記広告情報に基づく架電である旨のメッセージを提供するメッセージ提供手段」というものである。 ここに,「前記広告情報」とあるのは,「いずれの広告情報に基づいて架電してきたかを識別するための識別番号と連絡先番号とを関連情報として有するデータベース」との発明特定事項中の「広告情報」を指すものであるから,この広告情報は,識別番号を有する「いずれの広告情報」を意味することとなる。すると,「前記広告情報に基づく架電である旨」は「いずれの広告情報に基づく架電である旨」と解することができる。このことは,1)本件訂正発明1が,識別番号に基づいて接続処理をするにもかかわらず,一転して,メッセージ提供手段が提供するメッセージのみがその識別番号を利用しないことが不自然なこと,2)メッセージ提供手段が提供するメッセージが,「広告情報に基づく架電である」それ自体を通知するものであるとした場合,「いずれの広告情報に基づいて架電してきたかを識別するための識別番号」と,広告情報と識別番号との関連付けを明示した意味がなくなってしまうことからみても,肯定することができる。 したがって,特許請求の範囲の記載からは,メッセージ提供手段が提供するメッセージは,「いずれの広告情報に基づく架電である旨」すなわち「複数の広告情報のうちのいずれの広告情報に基づく架電である旨」と解することができる。
(b) 本件明細書の記載
本件明細書(甲1)には,次の記載がある。
・・・
これらの記載によれば,CTI演算部は,あらかじめ記録された所定の応答音声データを応答検知部623Cから出力できるところ,その音声データを,識別番号に従った音声データとすることを妨げる記載はないから,本件訂正明細書の記載を参酌しても,上記特許請求の範囲の記載の検討結果を左右するものとまではいえない。 (c) 被控訴人らの主張について 被控訴人らは,本件訂正発明1のメッセージ提供手段が提供するメッセージは,本件訂正明細書の【0039】【0156】【図10】の記載からみて,「広告情報に基づく架電である」旨であると主張する。 しかしながら,当該メッセージの内容についての特許請求の範囲の記載は,前記のとおり解釈され,明細書における上記各記載のメッセージの内容は,例示にすぎないほか,その記載における「○○からの入電です。」の「○○」も,「広告情報を閲覧した利用者からの入電です。」の「広告情報」も,「いずれの広告情報」と解釈する余地があるから,被控訴人ら主張の記載は,メッセージ提供手段が提供するメッセージが,単に,「広告情報に基づく架電である」旨の通知であることを積極的に根拠付けるものとまではいい難い。 被控訴人らの上記主張は,採用することができない。
(d) 小括
以上のとおり,本件訂正発明1のメッセージ提供手段が提供するメッセージは,広告主に対して,「複数の広告情報のうちのいずれの広告情報に基づき架電したきたか」を通知するものであり,その広告情報の具体的な内容を広告主に通知することと特定するものと認められる。
・・・・・
上記(a)〜(c)の記載によれば,発信者からの呼を受けた転送元が,その呼を転送先に転送する際に,呼に関するメッセージを提供しているといえ,このような架電接続方式は周知技術であったと認められる。 控訴人は,甲33は,広告に関するものではなく,受信者の利便を目的とするので,甲12A発明とは分野,目的を異にする旨を主張する。しかしながら,相違点である構成【訂正1−G】は,専ら通話の転送の際のメッセージ提供に係るものといえ,控訴人主張の甲33と甲12A発明との相違が,転送の際のメッセージの提供に係る甲33に記載の事項を,相違点に係る周知技術の認定資料とすることを妨げることはない。したがって,控訴人の上記主張は,採用することができない。
c 容易想到性
甲12A発明は,電話3からの呼を受けたサーバが,その呼をアクセス先の電話に接続(転送)する架電接続方式であるといえる。また,上記bのとおり,発信者からの呼を受けた転送元が,その呼を転送先に転送する際に,呼に関するメッセー ジを提供する架電接続方式は周知技術である。 そうすると,甲12A発明と周知技術は,ともに呼の転送を行う架電接続方式であるから,甲12A発明において,周知技術を採用し,呼をアクセス先の電話に転送する際に,呼に関するメッセージを提供するように設計変更することに格別の困難性は認められない。そして,甲12A発明のサーバは,受けた呼が,どのような種類の広告を見た発信者からの呼であるかを認識できるのであるから(甲12の【0025】),呼をアクセス先の電話に転送する際に,呼に関するメッセージとして,どのような種類の広告を見た発信者からの呼である旨,すなわち,いずれの広告情報に基づく架電である旨のメッセージを提供するように構成することは,当業者であれば容易に想到し得るものであり,その構\成をとったことによる効果も,甲12A発明及び周知技術から当業者が予測し得る範囲内のものである。
(ウ) 控訴人の主張について
1)控訴人は,相違点に係る本件訂正発明1の構成により,着信応答時に,直ちに広告効果があったか否かを広告主に伝えることを可能\とする顕著な効果を奏する旨を主張する。 しかしながら,相違点に係る本件訂正発明1の構成,すなわち,広告主に対しいずれの広告情報に基づく架電である旨のメッセージを提供する構\成が,当業者にとって容易に組み合わせられることは,前記のとおりであり,そのような構成を採用した場合,着信応答時に広告効果があったか否かが分かるのは当然の帰結であるから,控訴人主張の上記効果は,甲12A発明及び周知技術から,当業者が予\測し得る範囲内のものである。 控訴人の上記主張は,採用することができない。 2) 控訴人は,甲12A発明は,架電がすべて広告情報を視聴した者からされるため,アクセス先に対して広告情報に基づく架電である旨のメッセージの提供をする実益はなく,甲12A発明に本件訂正発明1の構成【訂正1−G】を組み合わせる動機付けがない旨を主張する。\n しかしながら,甲12A発明の構成は,広告を視聴せず「アクセス先電話番号」に架電したユーザの存在を排除するものではなく,このことは,本件訂正発明1と全く同様である。\n控訴人の上記主張は,その前提に誤りがあり,採用することができない。 イ 本件訂正発明6 上記アの認定判断によれば,本件訂正発明6が,甲12B発明及び周知技術から容易に想到できたことは明らかである。

◆判決本文

対応する無効審決に対する取消訴訟はこちらです。平成26(行ケ)10184

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 104条の3
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成26(ワ)65  差止請求事件  特許権  民事訴訟 平成27年2月27日  東京地方裁判所

 携帯電話の入力支援方法についての特許権の技術的範囲に属しないと判断されました。
 ア 振動状態のショートカットアイコンが移動可能な状態になることについて甲3,甲17の1,甲32の1・2及び弁論の全趣旨によれば,本件ホームアプリにおいて,振動状態でないショートカットアイコンにドラッグ操作を行っても指の動きに追従して移動することはないが,振動状態のショートカットアイコンにドラッグ操作を行うと,指の動きに追従して移動することが認められる。\nそうすると,ロングタッチは,「ポインタ(=ロングタッチ中の振動状態のショートカットアイコン)の位置を移動可能な状態に切り替える命令」とみることができる。原告は,「させる」とは「ある行為をするように仕向ける」という意味であるから,「ポインタの位置を移動させる命令」とは,「ポインタの座標位置を移動させる状態に切り替える命令」という意味であると主張する。\nしかし,「させる」とは「ある行為をするように仕向ける」という意味であるから(甲27),「ポインタの位置を移動させる命令」とは,「ポインタの位置を移動するよう仕向ける命令」すなわち「ポインタの位置を移動するよう指示する命令」を意味することは一義的に明確であって,これを「ポインタの位置を移動可能な状態に切り替える命令」であると解釈する余地はない。「ある行為をするように仕向ける」ことと,「ある行為が可能\な状態に切り替える」こととが異なることは明らかであるから,「させる」に前者の意味があるとしても,後者の意味があることにはならない。原告の主張は失当である。 本件明細書の段落【0052】〜【0101】の実施例の説明を見ても,構成要件Eにいう「ポインタの位置を移動させる命令」に対応するものとしては,「例えば,マウスにおける左ボタンや右ボタンを押したままマウスを移動させること(ドラッグ操作)や,キーボードにおける特定のキーを押しつつマウスを移動させる行為,等が該当する。」(段落【0079】)とされ,「ポインタの位置を移動するよう指示する命令」をもって「ポインタの位置を移動させる命令」としているのであって,「ポインタの位置を移動可能\な状態に切り替える命令」をもって「ポインタの位置を移動させる命令」とすることについては何らの記載も示唆もない。このような本件明細書の記載を参酌すれば,「ポインタの位置を移動させる命令」が「ポインタの位置を移動するよう指示する命令」を意味し,「ポインタの位置を移動可能\な状態に切り替える命令」を意味しないことは一層明らかである。\nしたがって,ロングタッチが「ポインタ(=ロングタッチ中の振動状態のショートカットアイコン)の位置を移動可能な状態に切り替える命令」であったとしても,構\成要件Eにいう「ポインタの位置を移動させる命令」に当たるということはできない。
イ 振動状態のショートカットアイコンがやや下に移動することについて ロングタッチにより振動状態となったショートカットアイコンは,元々の位置よりやや下に移動して振動するものと認められる。 しかし,甲32の1・2によれば,Facebookアイコンをロングタッチすると,ロングタッチ中のFacebookアイコンのみならず,ロングタッチしていないEvernoteアイコンやTwitterアイコンも元々の位置よりやや下に移動して振動状態となっていることが認められる。 そうすると,ロングタッチが,「ポインタ(=ロングタッチ中の振動状態のショートカットアイコン)の位置」を「元々の位置よりもやや下に移動させる」ことを指示する命令ということはできない。ロングタッチ中の振動状態のショートカットアイコンがやや下に移動するのは,他のショートカットアイコン(非「ポインタ」)の移動と同様,振動状態になったことを示す付随的な動作にすぎず,このような付随的な動作が生じることをもって,ロングタッチが「ポインタの位置を移動させる命令(=移動を指示する命令)」であるということはできない。
ウ 振動状態のショートカットアイコンが小刻みに振動することについて 甲32の1によれば,ロングタッチにより振動状態となったロングタッチ中のショートカットアイコン(=「ポインタ」)は小刻みに振動することが認められるが,これも,他のショートカットアイコン(非「ポインタ」)の振動と同様,振動状態になったことを示す付随的な動作にすぎず,このような付随的な動作が生じることをもって,ロングタッチが「ポインタの位置を移動させる命令(=移動を指示する命令)」であるということはできない。
(6) 「ポインタの位置」を「『Multi Touch』ソフトウェアがカーソ\\ルや数値で表示する座標位置」とした場合原告は,甲32の1・2において「Multi Touch」と題するソフトウェアが赤いカーソ\ルの位置や画面左上の数値で表示する座標位置の変化をもって,「ポインタの位置の移動」であるかのような主張をする(原告準備書面(2)42頁)。しかし,原告は,「Multi Touch」と題するソフトウェア(及びこれにデータを提供していると主張する「MotionEvent」と題するソフトウェア)がどのようなデータを検出しており,それが本件発明にいう「ポインタ」の定義を満たすのかについて主張立証をしないから(指を離した状態でも,また「ショートカットアイコンが指に追従する」状態でなくてもカーソ\ルが表示されているのであるから,「タッチパネル上の指の座標位置」でも,「指の動きに追従するショートカットアイコンの座標位置」でもないことは明らかである。),当該ソ\フトウェアが何を検出しているにせよ,それが本件発明にいう「ポインタ」に当たると認めることはできず,仮にロングタッチにおいて上記ソフトウェア上のカーソ\\ルや数値で表示される座標位置が変動するとしても,ロングタッチが「ポインタの位置を移動させる命令」に当たるとはいえない。(7) 本件ホームアプリが「ポインタ」を用いるものでない場合被告の主張するとおり,本件ホームアプリが「ポインタ」を用いるものでないと解釈した場合には,当然ながら,「ポインタの位置を移動させる命令」も存在しない。 (8) 以上のとおり,本件ホームアプリにおける「ポインタ」をどのように解釈するにせよ,ロングタッチが「ポインタの位置を移動させる命令」であるとはいえないから,その余の点につき判断するまでもなく,本件ホームアプリは,本件発明の構成要件Eの「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すると……操作メニュー情報を……表\示する」出力手段を備えたコンピュータシステムにおけるコンピュータプログラムであるとは認められない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成26(行ケ)10153  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成27年3月5日  知的財産高等裁判所

 スロットマシンについて、進歩性違反なしとした審決が取り消されました。理由は動機付けありおよび本件発明の認定誤りです。
 被告は,甲1発明の扉開閉監視手段(サブCPU82及びセンサ)は,設定値の変更とは無関係であるから,甲1発明の扉開閉監視手段に甲5,甲15及び甲16に記載の設定値の変更に関連する技術事項を適用する動機付けはない旨を主張する。 しかしながら,甲1発明の技術分野(遊技機)と,甲5,甲15及び甲16からうかがわれる周知技術の分野(遊技機)は,同一であり,特段の阻害事由がないのであれば,当業者は,公知の発明に周知の技術を適用しようと動機付けられるところ,上記特段の阻害事由は認められない。 のみならず,甲1発明の扉開閉監視手段は,甲1に,「図55はドアオープン監視機能画面を示している。スロットマシン1の電源が断たれている間,主に遊技店の営業時間外の間に,前面扉37が開けられたことを,例えばセンサといったハードウエアで監視している。そして,スロットマシン1に電源が投入された時に,サブCPU82は,そのハードウエアをチェックし,前面扉37が開けられた形跡を検出した場合には,図示するようなメッセージを液晶表\\示装置22に表示する。遊技店関係者は,このメッセージにより,営業時間外に遊技機に不正行為が行われた可\n 能性が高いことを把握することが出来る。」(【0265】)と記載されているように,不正行為の監視を目的とするものであるところ,その不正行為とは,とりもなおさず,設定の変更のことなのであるから(【0253】),甲1に接した当業者は,更なる不正手段の防止のために,甲1発明の扉開閉監視手段に甲5,甲15及び甲16からうかがわれる不正変更防止の周知技術を適用しようと,強く動機付けられるといえる。\n
・・・
相違点6は,本件発明1の構成【C9】を甲1発明が備えていないというものである。そして,構\\成【C9】は,本件発明1の構成【C2】によって遊技用記憶手段に含まれた,1)所定の確率に基づいて算出される払出率について設定された段階を示す情報を記憶する特定領域,2)遊技の進行状況に関する情報を記憶する領域として記憶すべき情報の重要度に応じて分けられた特別領域,及び3)一般領域の3領域のうち,一般領域に記憶されている情報を,設定変更手段による段階の変更の際に初期化すると特定するものである。 これら,「特定領域」「特別領域」「一般領域」が何を示すものかについては,本件明細書を参酌する必要があるといえるが,これら3領域のうちのいずれが段階変更の際に初期化されるかは,本件明細書の記載を参酌するまでもなく特許請求の範囲の記載から一義的に明らかであり,本件明細書の記載を参酌する必要はない。すな わち,構成【C9】により初期化されるとされたのは一般領域のみであり,特定領域や特別領域の初期化の有無については,構\\成【C9】は何ら限定を付すものではない。
ウ 小括
以上によれば,前記の審決は,相違点6が,一般領域の初期化に係るものであるのにもかかわらず,上記各刊行物記載の発明が,「特定領域」「特別領域」「一般領域」の区分という相違点1に係る事項を有しないことと,特別領域の初期化という相違点6とは関連のない技術事項を有しないことを理由とし,上記各刊行物に相違点6に係る本件発明1の構成の記載がないと判断したものであって,合理的根拠を欠くことが明らかである。\nそうであれば,この点において,審決の判断過程には,誤りがあるといわざるを得ない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 本件発明
 >> 動機付け
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成26(ネ)10114  特許権侵害差止等請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成27年2月26日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 知財高裁は、インターネットショッピングサイト「ZOZOTOWN」に対して、特許権に基づく、損害賠償請求を棄却した1審判断を維持しました。 1審判決はなぜかアップされてません。
 被告ウェブサイトは,被控訴人が多数のファッションブランドの商品を販売するインターネットショッピングサイトであり,被控訴人は,ブランド各社から納入を受けた商品を被告ウェブサイトにアクセスしたユーザーに対し,被控訴人の名義で販売しており,被告ウェブサイトで商品情報画像のアイコン2(別紙1の図2)がユーザーによってクリックされると,関連商品が表示されるリンク先のページ(別紙1の図3及び図4)は,被控訴人の自社のページであること,被告ウェブサイトで表\示される他のページも,いずれも被控訴人の自社のページであり,被告ウェブサイトには,被控訴人以外の他の企業が管理するホームページに誘導するバナー広告が存在しないことが認められる。 したがって,被告ウェブサイトを使用する被告システムには,「商品の広告をネット上で紹介提供」する参加企業が運営又は管理する「Webサイト」又はそのトップページとしてのホームページである「参加企業のホームページ」が存在するものと認めることはできず,ひいては,被告システムにおいて,「参加企業のホームページ」を保管する「バナーサーバー」が存在するものと認めることはできない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成26(行ケ)10146  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成27年2月26日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明「電子カルテの指示文書作成装置」について、拒絶審決が維持されました。
 引用発明は,従前の紙カルテにおいては,患者別の医師指示簿から当日行うべきオーダーを抽出し,実施記録の記入に至るまでの間,かなりの量の人手による転記及び運搬作業を要し,その事務量の多さに加え,医療事故を招くミスを発生させるおそれがあり,また,医療チーム内の情報の共有化が困難であるなどの問題があったことから,それらを解決するために,医師が事前に一定の日付という条件が満たされれば実施するよう指示した処置,すなわち,「日付を条件とする処置」につき,条件が満たされ,看護師等が実施すべき状況に至ったものを自動的に選択し,同選択により確定した指示に係る処置を,画面に一覧表示してスタッフ等の関係者に伝えるネットカルテに係るものである(乙1号証)。
イ 甲2発明は,前述したとおり,処置の失念等の医療上のミス発生防止を目的の1つとしており,前述した引用発明の目的との間に共通性が認められる。また,甲2発明は,医師が事前に一定の「予見される症状」という条件が満たされれば実施するよう指示した処置,すなわち,「予\\見される症状を条件とする処置」につき,当該症状が現れて条件が満たされ,実施すべき状況に至った処置などを自動的に表示し,関係する医療従事者に伝えるという発明であり,医師による事前の条件付指示につき,当該条件が満たされ,実施すべき状況に至った指示に係る処置を自動的に選択し,同選択により確定した指示に係る処置を,表\\示して医療に携わる関係者に伝えるという点において,引用発明と共通する。 ウ 以上に鑑みれば,当業者において,医療上のミス発生防止を更に徹底するために,引用発明につき,対象とする医師による事前の条件付指示の選択肢を増やすことを考えて甲2発明を適用する動機は,十分にあるものといえる。\nそして,引用発明に甲2発明を適用すれば,対象とする医師による事前の条件付指示につき,引用発明に係る日付を条件とするもののみならず,予見される症状を条件とするものも選択できるようにすること,すなわち,相違点1のうち,前述した「1)条件に合致すると処置が確定する,ナースなどが実行する指示項目が,本願 発明においては,「日付」を条件とするもの又は「予見される症状」を条件とするもののいずれかであるのに対し,引用発明においては,前者のみであること」に係る構\\成に,容易に想到し得るものというべきである。 相違点1のうち,前述した「2)実施すべき指示につき,本願発明においては,操作者が選択して確定指示を発行するのに対し,引用発明においては,システムにおいて自動的に選択されて確定指示が発行されること」については,当業者が必要に応じて適宜決定し得る設計的な事項といえる。 以上によれば,相違点1につき,容易想到性を認めた本件審決の判断に,誤りはない。

◆判決本文
 

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成26(ワ)7856  特許権侵害差止等請求事件  特許権  民事訴訟 平成27年2月24日  東京地方裁判所

 CS関連発明について、構成要件を備えていないとして、特許権侵害が否定されました。
 前記前提事実及び上記認定事実に基づき構成要件1D並びに2C及び2Dにいう「第1記録領域」及び「第2記録領域」の意義についてみるに,まず,特許請求の範囲の「記録媒体の第1記録領域」及び「記録媒体の第2記録領域」との記載によれば,第1記録領域及び第2記録領域は,記録媒体が有する記録領域全体のうちそれぞれ一部分を占める領域であり,相互に区別されて存在するものであることが明らかである。また,「第1データを・・・第1記録領域に書き込み」,「第2データを・・・第2記録領域に書き込\nむ」との記載によれば,データを書き込む際には,それが第1データであるか第2データであるかに応じて,記録領域全体のうちどの領域に書き込まれるのかが定まっているとみることができる。 このような特許請求の範囲の記載によれば,記録媒体の記録領域は,第1記録領域及び第2記録領域(並びに管理領域その他の領域)に物理的に区分されており,第1データが記録される第1記録領域に第2データが書き込まれたり,第2データが記録される第2記録領域に第1データが書き込まれたりすることはないと解すべきものとなる。 そして,上記の解釈は,前記(1)イの本件明細書の記載,すなわち,半導体メモリには第1記録領域と第2記録領域が形成されており,第1データの書き込みは第1記録領域の書込可能容量に達した場合に終了し,第2データの書き込みは第2記録領域の書込可能\容量に達した場合に終了する旨の記載に沿うものであって,本件明細書(甲4)の発明の詳細な説明及び図面に,これと異なる構成(第1データが記録されるべき領域への第2データの書き込み又は第2データが記録されるべき領域への第1データの書き込みを許容するような構\成)を示唆する記載は見当たらない。 そうすると,第1記録領域及び第2記録領域は,記録媒体の記録領域を物理的に区分して形成された別個の領域であると解するのが相当である。
・・・
 被告機器及び被告運行管理方法においては,センサから出力され,一次記録領域に記録された加速度データを,トリガ判定閾値を超えるなどの条件を満たすデータ(原告が第1データに当たると主張するもの。以下「甲データ」という。)であるか,事故判定閾値を超えるなどの条件を満たすデータ(原告が第2データに当たると主張するもの。以下「乙データ」という。)であるかに応じて,記録媒体(CFカード)に形成された別個のファイルに記録するとされている(別紙被告機器・・・)。そして,原告の認めるとおり,CFカードの記録領域は物理的に区分されておらず,甲データ又は乙データに対応するファイルが記録領域全体のうちどの部分に形成されるかは書き込みをする際に定まるというのであるから,CFカード中の空き領域には甲データ及び乙データのいずれもが書き込まれ得るということができる。 以上によれば,被告機器及び被告運行管理方法は本件各特許発明の「第1記録領域」及び「第2記録領域」に相当する構成を有していないと判断するのが相当である。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(ワ)15693  特許権侵害差止等請求事件  特許権  民事訴訟 平成27年1月23日  東京地方裁判所

 図書保管管理システム(CS関連発明)について、技術的範囲に属しないと判断されました。また、訂正の抗弁についても、「再訂正によって特許の無効理由が解消されるとは認められない」と判断されました。
 本件発明が物の発明であることに鑑みると,構成要件1Fの「…ステーションに搬送されて,…要求図書が取り出されたコンテナまたは…返却されたコンテナに対して…更新する」との文言から,上記更新手段は,\n ステーションに搬送された状態で,図書が取り出された状態のコンテナ又は図書が返却された状態のコンテナに対して,記憶手段の記憶内容を更新するという構成を示していると解するのが自然である。そして,本件明細書等には,「図書館員がコンソ\ール54を操作して返却完了の指示を中央処理装置39に入力すると,図書コードと,…コンテナ番号とを組み合わせ,その組み合わせたデータを…前記ハードディスク47等に登録する。」(段落【0051】),「…図書館員がコンソール54を操作して取り出し完了の指示を中央処理装置39に入力すると,…更新する。」(段落【0058】)というように上記解釈を裏付ける記載はあるが,その一方で,本件明細書等には,ステーションに搬送されていない状態で,図書の取り出し又は返却の完了していない状態のコンテナに対して更新するものとする更新手段の構\成については,記載されていないし,かかる構成の示唆すらない。\nさらに,前記の本件明細書等の記載には,「…図書の取り出しや返却が行われたコンテナが書庫に戻される際に,…記憶内容が更新される」(段落【0010】),「このようなサイズ別フリーロケーション方式による図書の保管管理手段を採用することにより,…同一寸法の図書ならば,その寸法の図書を収容するためのコンテナ内に任意に返却することが可能となるので,…自動化による図書の取り出し及び返却作業の能\率を効果的に向上させることができる」(段落【0011】)と記載されており,これらの記載から,本件発明において前提とされるサイズ別フリーロケーション方式は,同一寸法の図書ならばコンテナ内に任意に返却することが可能な構\成,すなわち,同一寸法の図書であればその寸法の図書を収容するためのコンテナ内に空きのある限り任意に収容することが可能な構\成とされているものと理解することができる。そして,コンテナ内に空きのある限り図書を任意に収容するためには,図書の取 り出しや返却が行われたコンテナが書庫に戻される際に,更新手段が記憶内容を更新する,すなわち,図書の取り出しや返却が行われた状態にあるコンテナに対して記憶内容を更新することが必要であり,そのような構成が本件発明におけるサイズ別フリーロケーション方式の前提となっているものと解される。
ウ したがって,構成要件1Fの「…ステーションに搬送されて,…要求図書が取り出されたコンテナまたは…返却されたコンテナに対して…更新する更新手段」とは,ステーションに搬送された状態で図書が返却された状態のコンテナに対して記憶内容を更新する構\成を具備する更新手段をいうものと解するのが相当である。
・・・
以上のイないしオによれば,乙22公報,乙26公報,乙23公報,乙27公報には,自動倉庫の分野で幅が異なる棚領域を設けること,又は,自動倉庫の分野で幅及び高さがそれぞれ異なる棚領域を設けることが記載されており,これらのことが従来周知の技術的事項であると認められる。 また,乙26公報及び乙27公報に記載されているように,自動倉庫に格納される収容物がコンテナ又は容器に収納した状態で格納されることは,周知の事項であり,乙27公報に記載されているように,収容物の寸法に応じて大きさの異なる容器を使い分けることも,従来から一般的に行われていることであると認められる。そして,このコンテナ又は容器が収容される棚領域が,収容物の大きさ(寸法)に対応したものとなることは自明の事項である。 以上によれば,前記イないしオから,「収容物の寸法別に分類された幅及び高さがそれぞれ異なる複数の棚領域を有する倉庫とそれぞれが収容された棚領域に対応した寸法を有する複数の収容物を収容する複数のコンテナを備えた自動公庫」との事項が周知技術であると認められる。 キ そして,乙12発明と上記カで認定した周知技術は,コンテナ等に収容物を収容し,このコンテナを,棚等を有する収容場所に格納するものであるという点で共通するから,乙12発明に上記周知技術を適用することは, 当業者が容易になし得たことであると認められる。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 技術的範囲
 >> 104条の3
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成25(ワ)16060  特許権に基づく損害賠償請求事件  特許権  民事訴訟 平成27年1月16日  東京地方裁判所

 クラウドシステムについての特許侵害訴訟(CS関連発明)です。裁判所は詳細な説明(目的・効果など)を参酌して、技術的範囲に属しないと判断しました。
 上記アからすると,被告商品における「テンプレート」は,被告のサービスポータルの表示画面において,顧客が利用する仮想マシン及び仮想システムの構\成のメニューとしての選択候補を意味するにすぎないものと認められる。 この点,原告は,被告商品における「テンプレート」は,総合試験を経て動作保証された,即時稼働可能な状態で提供される仮想マシンそのものであり,予\め用意されたテンプレートのコピーにより仮想マシンが作成されるのであるから,構成要件Aの「レンタルエンジン」に該当する旨主張する。\nしかし,前記認定に係る本件発明の特徴からすれば,ユーザーからのリクエスト時にレンタルエンジンは実在するものでなければならないところ,上記のとおり,被告商品においては,ユーザーの選択により仮想マシンが配備される,つまり,ユーザーが選択しない限り仮想マシンは配備されず,ユーザー自らが必要な構成や機能\を選択してシステム構築を行うものであるから,ユーザーのリクエスト時に実在しない仮想マシンをレンタルエンジンととらえることはできない。まして,テンプレートをコピーすることにより仮想マシンが作成されることを前提としても,テンプレートを実在するレンタルエンジンととらえることもできない。ユーザーからのリクエスト時にテンプレート上に表\示されたリソースの動作保証がされていることと表\示されたリソースから構\成されるコンピューターが現実に存在することが異なることは明らかである。 ウ 以上のとおり,被告商品における「テンプレート」を,構成要件Aの「レンタルエンジン」ととらえることはできず,ほかに被告商品において構\成要件Aにいう「レンタルエンジン」に該当すると認めるべき構成は見当たらない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成26(行ケ)10048  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成27年1月28日  知的財産高等裁判所

 CS関連発明について進歩性無しとした審決が維持されました。
 原告は,発明の容易想到性を肯定するためには,従来技術とは異なる何らかの構成を採用するに至る契機となる事実がなければならないにもかかわらず,審決は,明確な理由なく容易想到性を認めた旨主張する。\nしかし,引用例1発明及び引用例2発明は,複数の商品を置く場合の商品販売システムという点で共通し,引用例2発明は専門店についても含むことが明記され,書店における書籍の販売も含むものである。また,引用例1発明は,書籍の在庫不足の場合などに販売機会を喪失すること,立ち読みによる書籍の破損等を課題としているところ,引用例2発明は,売り場面積の有効活用,商品の汚損等を課題とするものであって,これを書店について考えれば,書籍の種類が少ない場合に多くの顧客を集めることができないこと,書籍の汚損が生じることを課題として含むものであるから,課題としても共通するものである。そうすると,引用例1及び引用例2に接した当業者であれば,書店において書籍ビュアーを置く際に,引用例2発明に開示されている商品見本の一部をディスプレイに置き換えるという技術及びディスプレイに書籍の外観を表示して書籍を陳列する方法と書籍を書棚に陳列する方法を混在させるという技術を適用して,書籍とともに書籍の外観が表\示されたディスプレイを書棚に置く動機付けがあるというべきである。 したがって,引用例1及び引用例2に接した当業者であれば,引用例1発明に引用例2発明を適用する動機付けがあるというべきであって,これにより,相違点(1)に係る構成を容易に想到することができるというべきである。\nしたがって,原告の主張は理由がない。
(3) 以上によれば,相違点(1)について,審決が,引用例2発明の商品見本陳列棚をディスプレイ群に置き換えることは可能であって,この置換えにおいて,商品見本陳列棚の一部をディスプレイに置き換えても,商品見本を陳列するという目的は達成でき,書店においては,引用例2発明の商品の陳列は書棚の書籍に他ならず,書棚の一部をディスプレイにしたところで,書籍の陳列という目的は達成できる旨判断したことは相当であって,原告の取消事由1は理由がない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成25(ワ)3480  特許権侵害差止等請求事件  特許権  民事訴訟 平成26年12月11日  大阪地方裁判所

 CS関連発明について、技術的範囲に属さないと判断されました。
 前記3のとおり,本件特許発明4(請求項4)が,いずれも請求項1の従属項である請求項2または請求項3の発明に,「前記ユーザエージェントは,前記第三者エージェントと協働して仕事を行うマルチエージェントで構成されている」との構\成を付加していることから,本件特許発明1(請求項1)は,マルチエージェントシステムの構成を前提とするものではないと解する余地がある。\nしかしながら,本件特許発明1(請求項1)には,「自律的なソフトウェアモジュールとしてのエージェント」,「コンテンツ提供手段」,「プロフィール情報受付手段」,「マッチング判断を行うエージェント」,「中立性を有する第三者エージェント」,「コンテンツ提供システム」といった構\成が使用されており,単に「マルチエージェント」の言葉が使用されていないことのみを理由として,複数のエージェントが協働するマルチエージェントシステムの構成が開示されていないと即断することはできない。\nむしろ,上記のとおり,原出願はマルチエージェントシステムの構成を前提とするものであるから,その曾\孫出願をさらに分割してされた本件特許が,複数のエージェントの協働という限定のない,単にエージェントの存在のみを内容とするシステムを権利内容とするとは考え難い(仮にそうであるとすると,分割要件の問題となるほか,前記3(2)において認定した従来技術との関係において,新規性,進歩性も問題となる。また,上記のとおり,本件明細書の発明の詳細な説明には,マルチエージェントシステムを前提に課題を解決する発明が開示されていると認められるが,請求項1に単なるエージェントの存在のみで構成される発明が記載されているものとした場合,サポート要件の点も問題となる。)。\nまた,前記3のとおり,原出願の明細書では,発明の実施の形態として,ゼネラルマジック社が開発した通信用言語であるテレスクリプトによる自律ソフトウェアとしてのエージェントを採用することなどが記載されているが,その前後の記載から,これがマルチエージェントシステムの採用を前提とする内容であることは明らかであるところ,本件明細書にも,前述のとおり,発明の実施の形態として,ゼネラルマジック社が開発した通信用言語であるテレスクリプトによる自律ソ\フトウェアとしてのエージェントを採用することが記載されており,これによれば,本件明細書は,原出願にかかる明細書同様,エージェント同士が協調して動作するマルチエージェントシステムを利用することで課題を解決するとの構成を開示するものと認められ,本件特許の特許請求の範囲の文言についても,これを前提に理解すべきものである。
(3) あてはめ
以上によれば,本件特許の構成要件A−1の「自律的なソ\フトウェアモジュールとしてのエージェント」については,他のソフトウェアモジュールとしてのエージェントと,課題解決のために協調して動作するマルチエージェントシステムの一部を意味するものと解するのが相当である。\n被告システムについては,前記2で認定したところであるが,携帯電話等のユーザー端末,被告が利用するサーバー群及びコンテンツ提供業者のそれぞれにソフトウェアがインストールされ,相互に情報のやり取りをする事実は認められるものの,被告システムのエージェントが,ユーザーのエージェントあるいはコンテンツ提供業者のエージェントと,課題解決のために協調して動作するマルチエージェントシステムが構\成されている事実は,本件で提出された証拠によっては認定することができない。 そうすると,被告物件イ−2(iコンシェル)は構成要件A−1を充足せず,本件特許発明1の技術的範囲に属しないというべきである。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成26(行ケ)10051  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成26年10月22日  知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性無しとした審決が維持されました。出願人は住友不動産(株)です。
 本願発明において,「単位改修価格情報」を,「ビル全体を新築するための標準全体新築費用と,既存ビル全体を新築同様の状態へと改修するための標準全体改修費用との割合に応じて,新築ビルの単位規模あたりの新築価格より小さく設定」したのは,改修工事として標準的な工事内容を想定した場合には,改修費用は,新築費用よりも小さくなることに着目して,新築工事と改修工事の全体費用の差に応じて単位規模当たりの改修価格を設定し,同様に,単位規模当たりの改修工期を,単位規模当たりの新築工期より小さい値に設定したものである。ここで,建物の改修工事は,既設建物のうち再利用可能な部分については,再利用することを前提とするものであるから,一定程度の再利用可能\\な部分を有する建物に対する標準的な改修工事においては,躯体,土工事,杭工事の費用が新築工事よりも大幅に安く,給排水,空調,電気,エレベータ,仮設(足場),外構の費用も削減されることは,明らかといえる。一方,著しく老朽化した建物など,再利用可能\\な部分が極めて少ない建物に対する改修工事においては,改修費用が,新築費用よりもむしろ大きくなり,工期も長くなる場合があり得る。建物の状況によっては,上記両用の場合があり得るにもかかわらず,本願発明において,「単位改修価格情報」を,改修工事の対象となる建物の個別の状況を反映することなく,「ビル全体を新築するための標準全体新築費用と,既存ビル全体を新築同様の状態へと改修するための標準全体改修費用との割合に応じて,新築ビルの単位規模あたりの新築価格より小さく設定」し,「単位改修工期情報」を,「ビル全体を新築するための標準全体新築工期と,既存ビル全体を新築同様の状態へと改修するための標準全体改修工期との割合に応じて,新築ビルの単位規模あたりの新築工期より小さく設定」したのは,審決が認定するように,「専ら,ビル全体の改修工事の方が新築の場合よりメリットがあることを顧客に説明し,契約を円滑に進めるための商業上の都合によるもの」と認められる。そして,顧客との契約を円滑に進めるために,顧客に対する契約の提示者が,価格などについて,商業上の都合により設定すること,及びその価格設定に際して,標準的な費用を算出して価格設定の根拠として用いることは,適宜なし得ることといえる。また,概算工事費等を算出する場合において,単位規模当たりの工事費,工期を算出しようとする際,所定の標準値を算出した上で,標準値に対する「割合」を用いて算出することは,常とう手段である。以上によれば,引用例1発明を「ビル全体を新築同様の状態へと改修する全体新築化改修依頼」に適用するに当たり,「工事価格」(改修価格)及び「工事工期」(改修工期)を,所定の標準値との「割合」に応じて,「新築ビルの単位規模あたりの新築価格より小さく設定」し,あるいは,「新築ビルの単位規模あたりの新築工期より小さく設定」することには,格別の技術的意義は認められず,当業者が適宜なし得る設計事項であるといえ,この旨判断した審決の判断に誤りはない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成26(行ケ)10018  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成26年10月16日  知的財産高等裁判所

 コンピュータにおける処理について、クレームの”記憶装置”には、揮発性のRAMは含まないとして、審決を取り消しました。 
 審決は,本願発明の「記憶装置」は,その記憶するデータ内容や記憶構造を限定しない「記憶装置」と捉えることができることから,引用発明の「主記憶装置」に相当するとして一致点を認定した。しかし,前記1(2)及び(3)ウで判示したとおり,本願発明の「記憶装置」は,システム内に含まれ,ファイル・システムを含む記憶装置であるところ(請求項1),本願明細書の発明の詳細な説明に照らして,その技術的意義を理解すると,ハード・ディスク等の不揮発性の大容量記憶手段であり,少なくとも揮発性のRAMはこれに含まれないものと解される。これに対し,引用発明の「主記憶装置」は,「オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムをプログラム格納手段から読み出して一時的に記憶する揮発性の主記憶装置」(【請求項1】)で,【発明の実施の形態】の図1の「RAM103」(【0037】)に相当するものであって,「RAM103はCPU101がプログラムを実行するとき,必要なデータを一時的に記憶させる作業領域として使用される揮発性の記憶装置であり,例えばDRAMからなる。」(【0038】)と記載されており,ファイル・システムによって,プログラム等のファイルをフォルダやディレクトリを作成することにより管理したり,ファイルの移動や削除等の操作方法を定めたりすることは記載されていない。そうすると,本願発明の「記憶装置」と,引用発明の「主記憶装置」は相違するものであるから,両者を一致するとした審決の認定は誤りである。そして,引用発明が,「プログラム起動時,起動時間を短縮できる演算装置および演算装置を利用した電子回路装置を提供することを目的」(【0015】)とし,前回終了時に,主記憶装置に記憶されているデータを不揮発性記憶装置に待避させ,演算装置の再起動時に,当該データを主記憶装置に転送することによって,前回の電源オフ時のオペレーティング・システム及びアプリケーション・プログラムの実行状態を再現するものであることからすれば,引用発明における演算装置の再起動時の不揮発性装置からのデータの転送先は,必ず主記憶装置でなければならず,引用発明における揮発性の「主記憶装置」をファイル・システムを含む不揮発性の記憶装置に置き換えることには阻害要因があるというべきである。したがって,審決には,「記憶装置」に関して,本願発明は「ファイル・システム」が含まれる不揮発性の記憶装置であるのに対し,引用発明は,揮発性の「主記憶装置」であるという相違点を看過した誤りがあり,同相違点の看過は,容易想到性の判断の結論を左右するものである。
(3) 被告の主張について
被告は,請求項1を引用する請求項5には,揮発性か不揮発性か限定されていない「固形メモリ装置」(solid state memory),すなわち,RAMのように揮発性だが高速な固形メモリ装置,及び,メモリカードのように不揮発性だが低速の固形メモリ装置の双方が含まれることが記載されているから,本願発明の「記憶装置」にはあらゆる記憶装置が含まれる旨主張する。しかし,そもそも本願明細書には,「固形メモリ装置」について,「RAMのように揮発性だが高速な固形メモリ装置」が含まれるとの記載はないから,被告の主張は理由がない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 記載要件
 >> 要旨認定
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成26(行ケ)10109 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成26年10月6日  知的財産高等裁判所

 この事件は、出願から審決取消訴訟の判決まで1年6月かかっていません。私の知ってる限り、出願から判決まで最速です。公開公報が出る前に、判決文にて発明の内容が公表された珍しい案件です。
 引用発明の「ロール情報」(保守プログラム識別子)は,前記ア2)のとおり,監視動作の機能であるプログラム(トナーの残量監視プログラム,紙詰まり監視プログラム)や通知動作の機能\であるプログラム(通報プログラム)等の動作内容が類似する機能ごとに付与されているものであり,「トナーの残量」「紙詰まり」及び「通報」等は,各保守プログラムの役割を表\しているといえる。 また,前記(1)アのとおり,「ロール情報」(保守プログラム識別子)が「紙詰まり」である場合の保守プログラムリストの例として,4つ(複数)の紙詰まり検出プログラムがダウンタイムの短い順に順位付けされており,保守プログラム選択部30によって選択の対象とされるものである。 そして,情報処理の技術分野において,複数のプログラムを連続して実行する際に,前に実行した処理結果(情報)に基づいて,後続の処理を行うことは技術常識であると認められる。 そうすると,「紙詰まり」というロール情報(保守プログラム識別子)に,複数の呼び出し用プログラム(保守プログラム)が関連付けられており,その複数の呼び出し用プログラム(保守プログラム)から1つの呼び出し用プログラム(保守プログラム)を選択して実行する引用発明において,「紙詰まり」に対する呼び出し用プログラム(保守プログラム)の呼び出し順序よりも前に実行する呼び出し用プログラム(保守プログラム)がある場合 に,その呼び出し用プログラム(保守プログラム)から出力された情報に基づいて,実行対象とする1つの呼び出し用プログラム(保守プログラム)を選択するように構成することは,当業者であれば容易に想到し得るものである。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> その他特許
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成25(行ケ)10276  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟  平成26年9月11日  知的財産高等裁判所

 CS関連発明について進歩性を否定した審決が維持されました。
 前記(1)アによれば,甲1発明のサイバーマネーが原告の主張する通用ポイントとして利用されることは認められる。 しかし,甲1発明を本件発明1と対比するに当たっては,甲1発明のサイバーマネーが本件発明1の共通ポイントに相当するかを検討するのであるから,本件発明1の共通ポイントの技術的意義を明らかにした上で,甲1発明のサイバーマネーが 共通ポイントに相当するかを検討すべきであり,本件発明1の共通ポイントの意義と関係づけることなく,甲1発明のサイバーマネーの意義を単独で検討しても意味はない。 そこで,本件発明1の共通ポイントの技術的意義について検討するに,本件特許の請求項1の記載によれば,第1のクライアント企業のポイントが交換レートに基づいて共通ポイントに交換され,その共通ポイントが第2のクライアント企業のポイントとして精算レートに基づいて精算されるものである。 そうすると,共通ポイントとは,第1のクライアント企業のポイントと第2のクライアント企業のポイントを交換するに当たり,その仲立ちをするものであり,企業ポイントとの間で設定された交換レート又は精算レートに基づいて,企業ポイントとの間で交換されるものである。 次に,甲1発明の内容をみるに,前記(1)アによれば,売渡注文の場合は,売渡注文のボーナスポイントの数量を注文者のポイント情報DBに保有されている数量から控除するとともに,所定の交換レートに基づいて算出されたサイバーマネーとしてこれを注文者のポイント情報DBに格納して交換し,買受注文の場合は,買い受けるポイントに対して所定の交換レートに基づいて注文者がポイント情報DBに保有するサイバーマネーを控除するとともに,買い受けたボーナスポイントの数量を注文者のポイント情報DBに格納して交換するものである。 そうすると,甲1発明のサイバーマネーは,売渡注文と買受注文を連続的に観察した場合には,A企業のポイントとB企業のポイントを交換する当たり,その仲立ちをするものであり,企業ポイントとの間で設定された所定の交換レートに基づいて,企業ポイントとの間で交換されるものである。そして,甲1公報の発明の効果欄の記載によれば,消費者は少額多種のボーナスポイントを他の一種類のボーナスポイントに交換することができるというのであるから,甲1発明は売渡注文と買受注文が連続的に行われる場合を予定しているものというべきである。\n以上によれば,甲1発明のサイバーマネーは,本件発明1の共通ポイントに相当 するものということができる。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成25(ワ)5744  特許権侵害差止等請求事件  特許権  民事訴訟 平成26年9月18日  大阪地方裁判所

 CS関連発明について、技術的範囲に属しないと判断されました。均等侵害も否定されました。
(ア)「一覧出力形式」のうち,「一覧」には,「全体の概略が簡単にわかるようにまとめたもの」(甲14),「全体が一目で分かるようにしたもの」(乙4)という意味があり,「出力」には,「機器・装置が入力を受けて仕事をし,外部に結果を出すこと」(甲14),「原動機・通信機・コンピュータなどの装置が入力を受けて仕事または情報を外部へ出すこと」(乙4)という意味があり,「形式」には,「物事を行うときの,則るべき一定の手続きや方法・様式」(甲14),「事務などを進めるための,文書の体裁や執るべき手続」(乙4)という意味がある。 構成要件1Dには,第1通信装置の記憶手段に記憶された複数の品物の画像データの中から,ユーザ情報に対応するものを「一覧出力形式」で,すなわち,全体を一覧できるように,情報を外部へ出す方法で,第2通信装置へ送信する旨が記載されている。ここで,「全体」とは,「ユーザ情報に対応するもの」,すなわち,ユーザ情報に対応する複数の品物の画像データの全てであると読み取ることができる。
(イ)発明が解決しようとする課題,課題を解決するための手段及び発明の効果において,顧客がどの衣類を預けたか忘れてしまうことがあるが,事業者が預かっている対象物の内容を画像で視覚的に示すことによって,顧客が,預けている衣類を正確に把握でき,その中から,返却を要求したい衣類を事業者に対して容易かつ的確に知らせることができる旨が指摘されており,P1は,本件特許出願の過程で,同様の指摘や補正をしている。このような目的,作用効果のためには,事業者は,顧客に対し,預かった複数の品物の全てについて,1回の出力で,その画像を閲覧できるように提示する必要がある。 発明の実施の形態においても,預かり物の全ての画像データが読み込まれ,その結果,注文情報データベースから抽出した所定の注文情報と,預かり物画像データベースから読み込んだ衣類の画像データによって生成される「お預かり表」のウェブページに,抽出された全てのレコードに記述されている画像データパスの画像データが表\示され,全ての画像データを閲覧することが可能となる。
(ウ)前記(ア)及び(イ)を併せ考えると,「一覧出力形式」とは,ユーザ情報に対応する複数の品物の画像データが出力された場合,その画像データの全てが一覧できる状態,例えば,ディスプレーに表示される場合には,ひとつの画面上で閲覧できる状態(ディスプレーの大きさや画面の大きさにより,スクロールする必要が生じる場合を含む。)で,情報を外部へ出す方法を意味すると解される。
(2)構成要件1Dに対応する被告方法の構\成 証拠(甲6〜8,乙3)及び弁論の全趣旨によると,被告方法は,別紙被告方法目録記載第2の構成を備えていると認めることができる。 これによると,被告方法では,各画像データが「保管中アイテム」等のカテゴリーに分けられてサーバに記録されており,顧客があるカテゴリーのボタンをクリックすると,旧被告方法の場合,当該カテゴリーについてのみ,カテゴリー内の全ての画像が顧客側へ送信され,新被告方法の場合,当該カテゴリー内の1枚の画像のみが顧客側へ送信される。
(3)被告方法の構成要件1Dへの充足性
そうすると,被告方法は,ユーザ情報に対応する複数の品物の画像データの全てが一覧できる状態で,情報を外部へ出す方法をとっておらず,「一覧出力形式」との構成要件(構\成要件1D)を充足しない。 したがって,被告方法は,本件発明1から3までの構成要件を文言上充足すると認めることができない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 均等
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成26(行ケ)10014  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟  平成26年9月24日  知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、29条柱書違反とした審決が維持されました。コンピュータ関連発明について自然法則の利用性が争われたのは、久しぶりですね。
そうすると,請求項に記載された特許を受けようとする発明が,特許法2条1項に規定する「発明」といえるか否かは,前提とする技術的課題,その課題を解決するための技術的手段の構成及びその構\成から導かれる効果等の技術的意義に照らし,全体として「自然法則を利用した」技術的思想の創作に該当するか否かによって判断すべきものである。 そして,上記のとおり「発明」が「自然法則を利用した」技術的思想の創作であることからすれば,単なる抽象的な概念や人為的な取決めそれ自体は,自然界の現象や秩序について成立している科学的法則とはいえず,また,科学的法則を何ら利用するものではないから,「自然法則を利用した」技術的思想の創作に該当しないことは明らかである。また,現代社会においては,コンピュータやこれに関連する記録媒体等が広く普及しているが,仮に,これらの抽象的な概念や人為的な取決めについて,単に一般的なコンピュータ等の機能を利用してデータを記録し,表\示するなどの内容を付加するだけにすぎない場合も,「自然法則を利用した」技術的思想の創作には該当しないというべきである。 そこで,まず,本件補正発明が前提としている課題についてみると,前記1ウの本願明細書の「従来技術では,文字を組み合わせて意味を持つ単語を生成する。単語は言語の中にあり,言語の中だけでその単語の意味を直接持つ。意味を直接持つ単語で物や,性質,特徴,意味,概念などの属性という情報を表わす。物を表\わす単語と属性を表わす単語とから成る単語の並びを作り,単語の並びで物の性質や物と物との関係を表\わす。複数の単語の並びを蓄積し,蓄積された単語の並びを知識としていた。この方法では,単語そのものの意味を持つ単語だけを使って知識を構築している。」(段落【0025】),「本発明は,上記の課題に鑑みてなされたものであり,物や属性の意味内容を言語に依存せずに表\現することのできる知識ベースシステムを提供することが目的とする。」(段落【0026】)との記載によれば,従来技術では言語(単語)に依存して知識のデータベ ース等を構築し,情報処理をしていたところ,本件補正発明では言語に依存せずに知識のデータベース等を構\築し,情報処理をするという目的を有していることは,一応理解することができる。
しかしながら,上記記載からは,従来技術において,知識のデータベース等が言語に依存していることによって生じている技術的課題は明らかではない。本願明細書の【背景技術】(段落【0002】ないし【段落0024】)の記載をみても,ニューラルネットワーク,人工知能,プログラミング言語,コンピュータ,インターネットなど極めて多様な内容が記載されているものの,知識に関するデータベースが言語に依存していることでどのような課題が生じているかについては,「情報を知識として蓄積する方法や,知識として記録された情報をうまく使う方法が開発できていない。」(段落【0005】)などの抽象的な記載があるにすぎず,「情報を知識として蓄積する方法」が具体的にどのような意味を有しているのか(上記段落【0025】の記載等によれば,従来技術においても情報を知識として蓄積していると考えられる。),「知識として記録された情報をうまく使う方法」において,うまく使うとはどのような意味であるのかについては明らかではない。また,PLOROGというプログラミング言語について,「子→父→祖父のような3階層以上の関係を直接的に表\わすことはできない。」(段落【0018】),「この技術で物と属性と関係とをデータベースとして保持できるが,物や属性や関係を表わす単語の並びを保持しているにすぎない。単語の並びで物の性質である属性を表\現し,単語の並びで関連を表現している。属性も関係も,単語の並びという同じ方法で表\現されている。情報を体系化したものを知識とすると,情報を現す単語を幾つか並べたものを複数個保持し,保持された単語の並びを知識としている。この方法では,3階層以上の物同士の関連を直接表わす情報は保持されていない。」(段落【0020】)などの\n記載もあるが,これらの記載をみても,言語に依存したデータベース全般において,3階層以上の物同士の関連を直接表す方法が存在するか否かについては必ずしも明らかではないし,本件補正発明において,このような関係を直接表\すことができるか否かについても不明である。
・・・・
以上を総合して検討すれば,本件補正発明については,そもそも前提としている課題の位置付けが必ずしも明らかではなく,技術的手段の構成としても,専ら概念の整理,データベース等の構\造の定義という抽象的な概念ないしそれに基づく人為的な取決めに止まるものであり,導かれる効果についてみても,自ら定義した構造でデータを保持するという本件補正発明の技術的手段の構\成以上の意味は示されていない。また,その構成のうち,コンピュータ等を利用する部分についてみても,単に一般的なコンピュータ等の機能\を利用するという程度の内容に止まっている。 そうすると,本件補正発明の技術的意義としては,専ら概念の整理,データベース等の構造の定義という抽象的な概念ないし人為的な取決めの域を出ないものであって,全体としてみて,「自然法則を利用した」技術的思想の創作に該当するとは認められない。

◆判決本文
<

関連カテゴリー
 >> 成立性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成25(ワ)19768  特許権侵害差止等請求事件  特許権  民事訴訟 平成26年9月11日  東京地方裁判所

 CS関連発明について、技術的範囲に属しないと判断されました。
 証拠(甲6,8,11,13,乙4)及び弁論の全趣旨によれば,被告土木積算プログラムは,対象工事に含まれる作業を歩掛データベースで規定された作業に置き換えて積算データを作成することが認められる。これによれば,被告土木積算プログラムにおいては,操作者が,工程・種別・細別をそれぞれ入力して初めて一つの工程が対応し,これを繰り返して工事全体の工程の集合体である積算データ,すなわちSKF600が生成されるというものである。換言すれば,操作者は,設計書に基づき,工事全体のデータを入力する必要があるのであって,このようにして生成されるSKF600は,工事名称を入力することにより,工事名称と歩掛マスターテーブルを対応付けて,工事に含まれる要素を抽出するというステップで生成されるものではない。 そうであるから,被告製品のSKF600は,対象工事の全範囲における積算データであって,本件プログラム発明における「内訳データ」とは生成過程が異なり,その全体ないし一部をもって「内訳データ」に相当すると見ることはできない(被告製品のSKF600は,これを本件プログラム発明に対応させるとするならば,本件明細書記載の外部システムなどから得られる評価対象工事の情報に対応するものと解される。)。 (3) したがって,被告製品においては「内訳データ」が生成されないから,本件プログラム発明の構成要件1−Dを充足しない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成25(ワ)6185  損害賠償請求事件  特許権  民事訴訟 平成26年9月4日  大阪地方裁判所

 (株)ミクシィが個人から特許権侵害訴訟を提起されました。大阪地裁は、技術的範囲外として請求棄却されました。
 前記証拠及び弁論の全趣旨によると,被告物件においては,本件機能を利用して,「一緒にボタンを押す」ボタンを押した他の利用者が検索・表\示された後に,友人申請及び承認を行う場合,他の方法によって検索・表\示された利用者に対する友人申請及び承認を行う場合と同様の処理が行われること,本件機能\を利用してマイミクとなったかどうかは,被告物件のシステム上区別されていないことが認められる。これによると,被告物件において,友人申請に対する承認があったことを確認する際に,その者が所定の地理的エリア内にいることの確認は行われていないことになる。
(5) まとめ
以上を総合すると,被告物件の利用者らが「一緒にボタンを押す」ボタンを押し,付近にいる者が「一緒にいる人一覧」に検索・表示される段階では,地理的情報の利用はあるものの,「コンタクト可能\状態にするための同意」の確認はされず,他方,利用者の友人申請を他の利用者が承認する際には,「コンタクト可能\状態にするための同意」はあるものの,「所定の地理的エリア内にいる」ことの確認はされない。したがって,被告物件は,「所定の地理的エリア内にいる者によるコンタクト可能状態にするための同意がとれたことを確認するための確認手段」であるとの,構\成要件Bを充足しない。
2 争点(3)(被告物件が,構成要件Dを充足するか)について
(1) 構成要件Dは,「前記アクセス要求受付手段によりアクセス要求が受付けられた\nときに,前記確認手段による同意がとれたことの確認が行なわれたことを条件に,同意した者同士がコンタクトを取るためのコンタクト用共有ページへのアクセスを許容するためのアクセス制御手段」というものである。以下,本件特許発明の具体的内容を考慮しつつ,被告物件が構成要件Dを充足するか検討する。\n(2) 上記構成要件Dの文言からして,構\成要件D中の「前記アクセス要求受付手段」とは,構成要件Cにいう「アクセス要求受付手段」であり,「前記確認手段」とは,構\成要件Bの確認手段をいうことは明らかである。 したがって,構成要件Dは,構\成要件Bにいう同意の確認とは別に,コンタクトを希望する相手方に対する「アクセス要求」を受け付ける手段があることを前提として,構成要件Cのアクセス要求が発生した際に,構\成要件Bの同意の有無について判定を行い,同意が確認された場合に,コンタクトを許容することをその要件とするものと認められる。 (3) 原告は,被告物件において,被告構成cの「各利用者の専用ホームページに表\示される「友人リストボタン」,「メッセージボタン」,「新着メッセージが1件あります」,「つぶやきボタン」等のフィールドに張られたリンクを介して画面遷移する操作が受け付けられることが,「アクセス要求受付手段」に該当すると主張する。 この点,前掲証拠及び弁論の全趣旨によると,被告物件において,上記アクセス要求が発生するのは,すでに利用者同士がマイミクの関係にあることを前提としているのであり,マイミクとなっていない利用者同士では,「メッセージ」や「つぶやき」を利用しようとすること(アクセス要求に相当する)すらできない仕様になっていることが認められる。 (4) すなわち,被告物件は,構成要件Bにいう「同意の確認」に相当する友人申\請の承認があってはじめて,「アクセス要求受付手段」を利用できる構成となっており,上記(2)にみたとおりの,同意があるかどうかにかかわらず,コンタクトを取りたい相手方にアクセス要求を受け付ける手段や,そのアクセス要求があったときに,同意の有無を判定した上でアクセスを許容するような構成を備えていないものと認められる。また,逆に,被告物件において,原告の主張する「アクセス要求」が発生した際には,コンタクト可能\状態にすることの同意が取れたことの確認は行われず,まして,その同意が,構成要件Bの要件である,「所定の地理的エリア内にいる者による」ことの確認は行われないものと認められ,この点からも,被告物件は構\成要件Dを備えないものというべきである。 (5) その他原告が主張する事情及び本件明細書を含む全証拠を考慮しても,上記判断を覆すほどのものはない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(ワ)29178 損害賠償等請求事件  特許権 民事訴訟 平成26年06月06日 東京地方裁判所

 CS関連発明について、均等論の主張も否定されました。無効主張に対して、訂正の抗弁をしていましたが、訂正後のクレームも技術的範囲に属しないと判断されました。
 上記(1)に判示した均等侵害の成立要件のうち1)の要件に関し,特許発明の本質的部分とは,特許請求の範囲に記載された特許発明の構成のうち,公開された明細書や出願関係書類の記載から把握される当該特許発明特有の課題解決手段を基礎付ける技術的思想の中核をなす特徴的部分をいうと解するのが相当である。これを本件発明についてみると,本件発明は,従来のネットワークゲームにあった課題,すなわち,くじ引きゲームのようなゲームでは,くじ引きという当たり又は外れによる偶然性に基盤が置かれるため,ユーザはゲームの進行度合いに応じて画像データの獲得率が向上する等の期待感が高まることがないため,ユーザに継続的にゲームを行わせることが困難である,という課題を解決するため,ユーザに「対価データ」の獲得を容易に行わせるとともに,ユーザに継続的にゲームを行わせるために,ユーザに対してゲームを行うことで直接に「対価データ」を付与するのではなく,「対価データ」を獲得するために必要な「ポイント」を付与するものとし,「対価データ」はその「ポイント」の対価としてユーザが獲得するものとした構\成が採用されたのであり,これが本件発明の課題解決手段を基礎付ける技術的思想の中核をなす特徴的部分であるというべきである。そうすると,本件発明と被告サーバ装置との間において構成の異なる部分のうち,構\成要件A,D−1,E,F,G,D−2,C−2における「対価データ」を備える構成は,本件発明の本質的部分であるというべきである。他方,前記3のとおり,本件ゲームにおいては,「対価データ」に相当するものはなく,原告が主張する「強化された選手カード画像」は,強化ポイントによって新たにユーザに付与されるものではないから,本件発明の「対価データ」と本件ゲームの「強化された選手カード画像」の相違点は発明の非本質的部分と認めることはできない。したがって,均等侵害の成立要件の1)の要件を充たさないというべきである。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 均等
 >> 第1要件(本質的要件)
 >> 104条の3
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成25(ネ)10099 損害賠償請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成26年05月21日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明の特許権侵害事件です。知財高裁は、1審と同じく技術的範囲に属しないとして控訴を棄却しました。
 控訴人の主張は,要するに,構成要件A,C及びI に記載された各プログラムの実行手順及び実行内容としての領域確保は,単なる画面表示上の表\現によって他と区別できる部分が表示されることでも十\分であるというものと整理される。しかしながら,前記認定判断(原判決引用部分)のとおり,本件発明は,初期フレームプログラムがクライアント装置において実行されて,商品カテゴリーリストの表示領域が表\示装置に第1フレームとして表示された上で,引き続き,クライアント装置からサーバ装置に対し,第1フレームをターゲットとして商品カテゴリーリストを表\示するためのカテゴリーリストプログラムを送信するよう要求するHTTPメッセージが送信され,これを受けてサーバ装置が読み出したカテゴリーリストプログラムがクライアント装置に送信され,これが実行された結果,商品カテゴリーリストがWebブラウザに表示されるという過程を経るという構\成をとった方法の発明なのである。また,前記認定判断(原判決引用部分)のとおり,本件発明は,初期フレームプログラムがクライアント装置において実行されて,商品PLUリストの表示領域が表\示装置に第2フレームとして表示された上で,引き続き,クライアント装置からサーバ装置に対して,第2フレームをターゲットとしてPLUリストサーバプログラムの実行を指示するHTTPメッセージが送信され,サーバ装置がPLUリストサーバプログラムを起動して生成したPLUリストプログラムがクライアント装置に対し送信され,これが実行された結果,商品PLUリストがWebブラウザに表\示されるという過程を経るという構成をとった方法の発明なのである。したがって,前記説示のとおり,画面上の表\現の前提として観念的には当該部分の表示のための表\示領域の確保が先行しているとみたとしても,構成要件の充足のためには,上記過程がその順序で順次実行されている必要があるところ,前記認定判断(原判決引用部分)のとおり,被控訴人システムにおいては,各画面は一つのHTML文書であって,サーバ装置からクライアント装置に対して一括して送受信されているものであり,各画面の各表\示とその表示領域の確保とは同時にされているのであるから,本件発明の構\成に従った過程が実行されているとみる余地はない。以上のとおりであるから,控訴人の上記主張は,採用することのできないものである。

◆判決本文

◆関連事件です。平成25(ネ)10108平成26年05月21日知財高裁

◆1審はこちらです。平成23(ワ)21126平成25年10月17日東京地裁

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成25(行ケ)10207 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成26年04月17日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、動機付け無しとして、拒絶審決が取り消されました。出願人は、三菱東京UFJ銀行です。
 相違点2は,本願発明は,「インターネットを介して利用者の情報閲覧手段よりリンク先の指定に関する情報を受信する手段」を有するのに対し,引用発明は,そのような手段を有するとはされていない点である。本件審決は,上記相違点2について,引用発明の具体的動作として,「アクセス可能なサーバー/アプリケーションのID/パスワードの束」を受け取る具体例が示されているが,ユーザーがどの「サーバー/アプリケーション」にアクセスしたいかを指定して,その指定された「サーバー/アプリケーション」の「ID/パスワード」を受け取るようにすることは,当業者が適宜になし得ることであり,その際に,「Webのアプリケーション」に対して「SSO環境を構\\築できる」ような製品である場合に,「インターネットを介して」,どの「サーバー/アプリケーション」にアクセスしたいかを指定する情報を「SSOサーバー」に送るようにすることも,当業者が適宜になし得ることにすぎないから,引用発明を,「インターネットを介して利用者の情報閲覧手段よりリンク先の指定に関する情報を受信する手段」を有するようなものとすることは,当業者が適宜になし得ることである旨判断した。 ア 前記1のとおり,本願発明における認証代行処理手段は,利用者の選択により,利用者の認証情報が登録されているリンク先が指定された場合に,利用者に代わって当該リンク先の認証処理を代行する機能を有するものである。すなわち,本願発明における認証代行処理手段は,利用者によるリンク先の指定情報及びその利用者情報を受け取って,リンク先情報登録手段から該当するリンク先情報(URL情報など)を,また認証情報格納手段から利用者のそのリンク先における認証情報(リンク先における利用者のユーザーID及びパスワードなど)を,それぞれ読み出すと共に,ひな形スクリプト/モジュール格納手段から,該当するリンク先のひな形スクリプトを読み出して,リンク先用の認証処理スクリプト(対象とするリンク先に自動的に接続処理を開始する処理をHTMLとJavaScriptにて記載したもの)を作成し,上記リンク先情報及び認証処理スクリプトを,利用者のブラウザに転送するので,利用者側のブラウザは,送られてきたリンク先情報で,目的とするリンク先にリンクすると共に,上記認証処理スクリプトに基づいて,ブラウザが,リンク先で実行される認証処理で表\\示される画面構成に対し,自動的に上記認証情報を埋め込んでいくため,利用者は,何ら選択したリンク先への操作を行わなくても,認証処理が自動的に実行されることになる。その結果,本願発明は,利用者が,ポータルサイトなどにおいてリンク先の選択を行うだけで,該リンク先に対して,何ら特別な操作を行わなくても,認証処理が自動的に実行されるため,それが終了した段階で,当該リンク先へのログインが可能\\となるという効果を奏し得るものである。そうすると,本願発明は,利用者の選択により,利用者の認証情報が登録されているリンク先が指定され,「利用者の情報閲覧手段よりリンク先の指定に関する情報を受信する手段」(相違点2に係る構成)によって,上記利用者によるリンク先の指定情報を受け取った認証代行処理手段が,利用者に代わって当該リンク先の認証処理を代行するものと認められる。
イ これに対し,引用発明は,前記3のとおり,SSOサーバーにログインすると,アクセス可能なサーバー/アプリケーションのID/パスワードの束と,各サーバー/アプリケーションの種類ごとに用意され,ログイン操作を自動化するスクリプトが,SSOサーバーからクライアント・モジュールに配布され,クライアント・モジュールは,ログイン操作を自動化するスクリプトを実行するものである。ここで,アクセス可能\\なサーバー/アプリケーションのID/パスワードの束とは,SSOサーバーにログインしたユーザーが,アクセスすることができる全てのサーバー/アプリケーションのID/パスワードの組合せであると理解することができる。また,前記3アのとおり,引用例の記載及び本技術分野における技術常識に照らせば,引用発明のSSOサーバーは,各サーバー/アプリケーションのリンク先情報を登録しておくリンク先情報登録手段を有し,クライアントモジュールは,SSOサーバーから,各サーバー/アプリケーションのリンク先情報を受け取るものである。そして,引用発明では,上記の構成を採用することによって,ユーザーは,一度のログイン操作で,アクセス可能\\な全てのアプリケーションを利用できるとの機能(シングル・サインオン(SSO)機能\\)を有すると認められる。そうすると,引用発明においては,一度SSOサーバーにログインすれば,クライアント・モジュールは,SSOサーバーにログインしたユーザーがアクセス可能な全てのサーバー/アプリケーションのID/パスワードの組合せ,各サーバー/アプリケーションの種類ごとのログイン操作を自動化するスクリプト,及び各サーバー/アプリケーションのリンク先情報を受け取るから,それ以降,SSOサーバーとの通信を行う必要がなく,ログイン操作を自動化するスクリプトを実行することで,シングル・サインオン機能\\を果たすとの作用効果を奏すると認められる。しかるに,このような構成を採用する引用発明について,SSOサーバーが「利用者の情報閲覧手段よりリンク先の指定に関する情報を受信する手段」を有するものとした上で,ユーザーがどの「サーバー/アプリケーション」にアクセスしたいかを指定して,その指定された「サーバー/アプリケーション」の「ID/パスワード」を受け取るように構\\成を変更するとすれば,利用者が情報閲覧手段よりリンク先の指定を行う都度,クライアント・モジュールは,SSOサーバーとの通信を行い,その指定された「サーバー/アプリケーション」の「ID/パスワード」を受け取り,上記指定された「サーバー/アプリケーション」へのログイン操作を自動化するスクリプトを実行することにより,シングル・サインオン機能を果たすことになる。しかし,それでは,一度SSOサーバーにログインすれば,クライアント・モジュールは,それ以降,SSOサーバーとの通信を行う必要がなく,ログイン操作を自動化するスクリプトを実行できるとの引用発明が有する上記の作用効果が失われることとなる。したがって,引用発明において,相違点2に係る本願発明の構\\成に変更する必要性があるものとは認められない。このように,引用発明について,SSOサーバーが「利用者の情報閲覧手段よりリンク先の指定に関する情報を受信する手段」を有するもの(相違点2に係る構成とすること)とした上で,ユーザーがどの「サーバー/アプリケーション」にアクセスしたいかを指定して,その指定された「サーバー/アプリケーション」の「ID/パスワード」を受け取るように構\\成を変更することについては,引用発明が本来奏する上記作用効果が失われるものであって,その必要性が認められないから,引用発明における上記構成上の変更は,解決課題の存在等の動機付けなしには容易に想到することができない。しかして,引用例には,引用発明について上記構\\成上の変更をすることの動機付けとなるような事項が記載又は示唆されていると認めることはできない。
ウ 前記アのとおり,本願発明は,利用者の選択により,利用者の認証情報が登録されているリンク先が指定され,「利用者の情報閲覧手段よりリンク先の指定に関する情報を受信する手段」(相違点2に係る構成)によって,上記利用者によるリンク先の指定情報を受け取った認証代行処理手段が,利用者に代わって当該リンク先の認証処理を代行するものであるから,本願発明と引用発明とは,相違点2に係る構\\成により,作用効果上,格別に相違するものであり,引用発明において,相違点2に係る本願発明の構成を採用することは,当業者が適宜なし得る程度のものとは認められない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 要旨認定
 >> 動機付け
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成25(行ケ)10246 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成26年03月26日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性無しとした審決が維持されました。また、審決の一致点の認定について誤りがあるものの、相違点として認定しているので結論に影響がないとしました。
 前記1(1),(2)のとおり,本願発明の「電子マネー残高記憶手段」は,「プリペイドタイプの電子マネーの購入時に使用されたユーザ携帯端末の機種固有情報を,電子マネーIDおよび電子マネーの残高と対応付けて電子マネー毎に」「格納」するものであるところ,引用発明の「ユーザ別残高DB」は,「各電子マネー毎の,発行ID,ポイント数(残高),優先順位(支払優先順位),及び各電子マネーのポイント数(残高)を合算した合算残高,が関連付けられて,ユーザ番号毎に蓄積され」るものであり,ここで引用発明の「電子マネー」は「プリペイド型電子マネー」である。そうすると,本願発明の「電子マネー残高記憶手段」と引用発明の「ユーザ別残高DB」とは,審決が一致点として認定した「プリペイドタイプの電子マネーのユーザ特定情報を,電子マネーID及び電子マネーの残高と対応付けて電子マネー毎に」「格納」する点では一致するが,「ユーザ特定情報」に関し,本願発明は,「プリペイドタイプの電子マネーの購入時に使用されたユーザ携帯端末の機種固有情報」であるのに対し,引用発明は,「ユーザ番号(ユーザ固有のユーザID)」である点で相違しており,この点において,引用発明の「ユーザ別残高DB」は,本願発明の「電子マネー残高記憶手段」に相当するとはいえないから,審決の認定には誤りがある。しかし,審決は,この相違する点を「相違点1」として認定しており,後記3のとおり,相違点1についての容易想到性の判断に誤りはないから,この誤りは,審決の結論に影響を及ぼすものではない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成25(ワ)1723 損害賠償請求事件 特許権 民事訴訟 平成26年02月20日 大阪地方裁判所

 CS関連発明について、包袋禁反言の原則により非侵害と認定されました。
 上記ア及びイによれば,本件特許発明1の構成要件Dの「項目定義手段」は,複数のデータベース(テーブル)で用いることのできるデータ項目(フィールド)を定義するための構\成であり,構成要件Eの「データベース・項目関連付け手段」は,項目定義手段によってデータベース(テーブル)の作成とは独立して定義されたデータ項目(フィールド)を各データベース(データベース)に,「追加,削除又は変更する」,すなわち割り当てる構\成であると解される。本件特許発明1は,このような構成を採用したことにより,項目定義手段によってデータ項目(フィールド)の定義を変更すると,それが全てのデータベース(テーブル)に反映されることになる(データ項目(フィールド)を複数のデータベース(テーブル)で共用することができる。)という作用効果を奏するものであることも認められる。また,上記ウによれば,最初に何らかのデータベース(テーブル)を作成し,次にこのデータベース(テーブル)を構\成するデータ項目(フィールド)を作成する構成は,本件特許発明1の技術的範囲から除外されるものと解される。これに反する主張は包袋禁反言の原則により許されないものというべきである。\n
・・・
上記アによれば,被告システムの「バインダ」は本件特許発明1の「データベース」(テーブル)に相当し,被告システムの「部品」のうち「文字入力ボックス」や「数値入力ボックス」等を用いて作成したフィールドは本件特許発明1の「データ項目」に相当するものであることが認められる。原告は,訴状別紙被告システム説明書の「被告製品の構成g」の記載において,被告システムでは,「部品」を任意に追加,削除又は変更することができるから構\成要件Gを充足する旨の主張をしている。これは被告システムの「部品」が「データ項目」に相当するものであることを前提とする主張である(前記第3の1【原告の主張】(1)gはこの主張を前提としたものである。)。しかし,上記のとおり,被告システムの「部品」のうち「文字入力ボックス」や「数値入力ボックス」等を用いて作成したフィールドが,本件特許発明1の「データ項目」に相当するものであり,「部品」自体は「データ項目」ではない。上記原告の主張は前提を誤るものである。・・・・そもそも,被告システムは,最初に「バインダ」(データベース)を作成し,次に「文字入力ボックス」や「数値入力ボックス」等の「部品」を用いてバインダを構成するフィールド(データ項目)を作成する構\成のものである。このようにして作成されたフィールド(データ項目)は,個々のバインダ(データベース)に専属するものである。前記(2)イ(イ)のとおり,本件特許発明1の「データ項目を共用する」とは,項目定義手段によってデータ項目(フィールド)の定義を変更すると,それが全てのデータベース(テーブル)に反映されることをいうものであるところ,上記のような被告システムの構成からすると,このような本件特許発明1の作用効果を奏するものとは認められない。しかも,前記(2)ウのとおり,原告は,本件特許出願の手続において,最初に何らかのデータベース(テーブル)を作成し,次にこのデータベース(テーブル)を構成するデータ項目(フィールド)を作成する構\成は,本件特許発明1の構成と異なることを明確に述べており,このことからすると,被告システムが本件特許発明1の技術的範囲に属する旨の原告の主張は包袋禁反言の原則により許されないものというべきである。以上によれば,被告システムは,本件特許発明1の「複数のデータベースで共用することができるデータ項目を定義する項目定義手段」及び「複数のデータベースの各々と上記データ項目とを関連付けるデータベース・項目関連付け手段」を備えるものと認めることはできない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成25(行ケ)10109 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成25年12月25日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性無しとした審決が取り消されました。
 本願発明は,車等の移動体に搭載されたナビゲーション装置を介して,移動体が走行する経路等の周辺の施設等に関する広告情報を提供する移動体広告システムにおける経路広告枠設定装置に関する発明である。従来の移動体広告システムは,移動体の位置や,予めユーザが目的地を登録することにより決定された経路に応じて広告情報を配信するものであったが,配信する広告情報が地図上の各エリアに対応付けられていたため,移動体が所定の経路を外れても,エリア内であれば,エリアに対応付けられた広告情報が配信されてしまうという解決課題があった。本願発明は,エリアに代えて地図上の経路に応じて広告情報を配信可能\な経路広告枠設定装置を提供することを目的とするものである。本願発明における経路広告枠設定装置は,通信ネットワークを介して広告主の端末と接続しており,この広告主の端末から,地図上の経路に関する,線描写によって設定された経路情報を受信し,受信した前記経路情報に広告枠を設定し,記憶部に有する経路データベースに記憶するとの構成を有するものであり,広告主は,地図上の様々な経路に広告枠を設定することができるとするものである。そして,ユーザの端末からユーザの位置情報を取得し,当該位置情報を含む経路を特定して,当該経路に関連する広告枠の広告情報をユーザの端末に送信する。\n
(2) 容易想到性の有無
引用例1発明は,広告枠を地図上のエリアに設定し,広告主が供給する広告情報と地図上のエリア情報の対応関係をデータベースに記憶し,現在位置が含まれる地図上のエリアに対応した広告情報をデータベースから読み出して,ナビゲーション装置に送信するという,移動体広告システムの発明であり,本願明細書が言及するとおり,移動体が所定の経路を外れても,エリア内であれば,エリアに対応付けられた広告情報が配信されてしまうとの未解決の課題を残した発明である。他方,引用例2は,車載ナビゲーション・システム等を使用した,位置に基づく広告の提供方法に関する発明を記載したものである。引用例2には,広告メッセージを伝えることができる位置として,通行可能な道路沿いの特定位置を「仮想広告掲示板」の位置として指定し,ナビゲーション・サービス・プロバイダは広告主との契約に基づき,設けられた「仮想広告掲示板」の位置を通過するエンドユーザに広告メッセージを伝えるとの技術事項が記載開示されている。引用例2に記載された上記技術は,通行可能\な道路沿いの特定位置を通過するユーザに対して,広告メッセージを伝えるものであり,広告メッセージが送信されるのは,ユーザが特定の位置を通過した時点である。広告枠を地図上のエリアに設定し,広告主が供給する広告情報と地図上のエリア情報の対応関係をデータベースに記憶し,現在位置が含まれる地図上のエリアに対応した広告情報をデータベースから読み出して,ナビゲーション装置に送信するという発明である引用例1発明と,通行可能な道路沿いの特定位置を「仮想広告掲示板」の位置として指定し,位置を通過するエンドユーザに広告メッセージを伝えるとの引用例2に記載された技術事項を組み合わせたとしても,本願発明における地図上の経路に広告枠を設定するとの構\成に至ることはない。また,引用例1発明に引用例2の記載事項を組み合わせても本願発明における上記構成に至らない以上,経路を線描写によって設定することが周知事項であったとしても,引用例1発明に引用例2の記載事項及び上記周知事項を組み合わせることにより本願発明の上記構\成に至ることはない。したがって,広告枠を地図上の経路に対して設定することが引用例2の段落【0060】及び【0061】の記載並びに図11から出願前公知であるとして,経路を線描写によって設定することが周知事項であることを考慮し,引用例1発明の地図上のエリアとして引用例2の記載事項にあるような道路区間(経路)を採用し,相違点の構成とすることが当業者において容易になし得ることであるとした審決の判断には誤りがある。
(3) 被告の主張に対して
被告は,引用例2における「道路区間」は本願発明における「経路」に相当し,引用例2には「道路(経路)に対して広告を設定すること」が記載されているのであるから,引用例1発明に引用例2に記載の技術事項を採用して,相違点に係る構成に至るのは容易であると主張する。しかし,引用例2に記載された「道路区間」の語は,仮想広告掲示板を設定する「道路区間」沿いの位置を特定する文脈の中で用いられたものであって,広告枠を設定する対象を意味するものとして用いられた語ではない。したがって,引用例2における「道路区間」と本願発明における「経路」とは,技術的意義において相違する。引用例2においては,移動体が当該道路区間上を移動中であったとしても,当該特定位置に至らない限り,広告メッセージは配信されないのであるから,「広告枠を経路情報に設定」することが記載されているとはいえず,被告の主張は失当である。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 要旨認定
 >> 引用文献
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成25(行ケ)10109 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成25年12月25日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性無しとした審決が取り消されました。
 本願発明は,車等の移動体に搭載されたナビゲーション装置を介して,移動体が走行する経路等の周辺の施設等に関する広告情報を提供する移動体広告システムにおける経路広告枠設定装置に関する発明である。従来の移動体広告システムは,移動体の位置や,予めユーザが目的地を登録することにより決定された経路に応じて広告情報を配信するものであったが,配信する広告情報が地図上の各エリアに対応付けられていたため,移動体が所定の経路を外れても,エリア内であれば,エリアに対応付けられた広告情報が配信されてしまうという解決課題があった。本願発明は,エリアに代えて地図上の経路に応じて広告情報を配信可能\な経路広告枠設定装置を提供することを目的とするものである。本願発明における経路広告枠設定装置は,通信ネットワークを介して広告主の端末と接続しており,この広告主の端末から,地図上の経路に関する,線描写によって設定された経路情報を受信し,受信した前記経路情報に広告枠を設定し,記憶部に有する経路データベースに記憶するとの構成を有するものであり,広告主は,地図上の様々な経路に広告枠を設定することができるとするものである。そして,ユーザの端末からユーザの位置情報を取得し,当該位置情報を含む経路を特定して,当該経路に関連する広告枠の広告情報をユーザの端末に送信する。\n
(2) 容易想到性の有無
引用例1発明は,広告枠を地図上のエリアに設定し,広告主が供給する広告情報と地図上のエリア情報の対応関係をデータベースに記憶し,現在位置が含まれる地図上のエリアに対応した広告情報をデータベースから読み出して,ナビゲーション装置に送信するという,移動体広告システムの発明であり,本願明細書が言及するとおり,移動体が所定の経路を外れても,エリア内であれば,エリアに対応付けられた広告情報が配信されてしまうとの未解決の課題を残した発明である。他方,引用例2は,車載ナビゲーション・システム等を使用した,位置に基づく広告の提供方法に関する発明を記載したものである。引用例2には,広告メッセージを伝えることができる位置として,通行可能な道路沿いの特定位置を「仮想広告掲示板」の位置として指定し,ナビゲーション・サービス・プロバイダは広告主との契約に基づき,設けられた「仮想広告掲示板」の位置を通過するエンドユーザに広告メッセージを伝えるとの技術事項が記載開示されている。引用例2に記載された上記技術は,通行可能\な道路沿いの特定位置を通過するユーザに対して,広告メッセージを伝えるものであり,広告メッセージが送信されるのは,ユーザが特定の位置を通過した時点である。広告枠を地図上のエリアに設定し,広告主が供給する広告情報と地図上のエリア情報の対応関係をデータベースに記憶し,現在位置が含まれる地図上のエリアに対応した広告情報をデータベースから読み出して,ナビゲーション装置に送信するという発明である引用例1発明と,通行可能な道路沿いの特定位置を「仮想広告掲示板」の位置として指定し,位置を通過するエンドユーザに広告メッセージを伝えるとの引用例2に記載された技術事項を組み合わせたとしても,本願発明における地図上の経路に広告枠を設定するとの構\成に至ることはない。また,引用例1発明に引用例2の記載事項を組み合わせても本願発明における上記構成に至らない以上,経路を線描写によって設定することが周知事項であったとしても,引用例1発明に引用例2の記載事項及び上記周知事項を組み合わせることにより本願発明の上記構\成に至ることはない。したがって,広告枠を地図上の経路に対して設定することが引用例2の段落【0060】及び【0061】の記載並びに図11から出願前公知であるとして,経路を線描写によって設定することが周知事項であることを考慮し,引用例1発明の地図上のエリアとして引用例2の記載事項にあるような道路区間(経路)を採用し,相違点の構成とすることが当業者において容易になし得ることであるとした審決の判断には誤りがある。
(3) 被告の主張に対して
被告は,引用例2における「道路区間」は本願発明における「経路」に相当し,引用例2には「道路(経路)に対して広告を設定すること」が記載されているのであるから,引用例1発明に引用例2に記載の技術事項を採用して,相違点に係る構成に至るのは容易であると主張する。しかし,引用例2に記載された「道路区間」の語は,仮想広告掲示板を設定する「道路区間」沿いの位置を特定する文脈の中で用いられたものであって,広告枠を設定する対象を意味するものとして用いられた語ではない。したがって,引用例2における「道路区間」と本願発明における「経路」とは,技術的意義において相違する。引用例2においては,移動体が当該道路区間上を移動中であったとしても,当該特定位置に至らない限り,広告メッセージは配信されないのであるから,「広告枠を経路情報に設定」することが記載されているとはいえず,被告の主張は失当である。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 要旨認定
 >> 引用文献
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成25(行ケ)10086 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成25年11月14日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が取り消されました。理由は引用文献の認定誤りです。
 審決は,刊行物1の記載(99頁右欄2行〜100頁右欄1行目,100頁表1)から,「・・・・・4種類のアクセス先の区別によるサイトの設定によって決定されていることから,そのために当該Webページに関連付けられたActiveX コントロールが4種類のアクセス先の区別のどれにより『設定されている』かの『判断』を当然に行っているといえ,・・・・・『複数の実行条件に関する区別のうちのどの区別がWebページに関連付けられたActiveX コントロールに与えられるかを査定し,前記与えられた実行条件に関する区別に基づいて前記ActiveX コントロールを抑制すること』がよみとれる。」と認定し(審決5頁21行〜6頁11行目),刊行物1発明は,「複数の実行条件に関する区別のうちのどの区別が前記Webページに関連付けられたActiveX コントロールに与えられるかを査定し,前記与えられた実行条件に関する区別に基づいて前記ActiveX コントロールを抑制すること」との構成(【II】)を有していると認定した(6頁33行〜7頁9行目)。しかしながら,上記アにて認定判断のとおり,刊行物1において登録されるのはActiveX コントロールではなくWebページであり,アクセス先の区別もWebページの区別により設定されるものであるから,刊行物1に,「複数の実行条件に関する区別がWebページに関連付けられたActiveX コントロールに与えられる」との記載があるとはいえない。そうすると,刊行物1発明が,「複数の実行条件に関する区別のうちのどの区別が前記Webページに関連付けられたActiveX コントロールに与えられるかを査定し,前記与えられた実行条件に関する区別に基づいて前記ActiveX コントロールを抑制すること」との構成(【III】)を有しているとはいえない。したがって,上記審決の認定は誤りである。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 要旨認定
 >> 引用文献
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(ワ)8053 損害賠償請求事件 特許権 民事訴訟 平成25年10月31日 東京地方裁判所

 CS関連発明について、技術的範囲に属しないと判断されました。
,原告は,構成要件Cの「実行されることにより」という文言は,構\成要件Dの1)ないし4)の過程全体に係っているものと読むべきであるから,初期フレームプログラムの実行と,カテゴリーリストプログラム及びPLUリストプログラムのダウンロードとの間には,厳密な前後関係は要求されておらず,また,上記の文言は,因果関係を示すものでもなく,構成要件Dの1)ないし4)の過程が初期フレームプログラムの実行なしには行われないという程度の関係を示すものにすぎないと解すべきであると主張する。しかしながら,構\成要件Cにいう「より」は,因果関係等を意味する自動詞「よる」の連用形であって,動詞等に連なる語法において用いられるものであるから,構成要件Cの「ことにより」が,構\成要件Dの1)ないし3)の「送信される」及び4)の「問い合わされる」の各動詞にそれぞれ係っていることは文法上明らかであり,これと異なる読み方をすべき根拠は見当たらない。また,仮に,構成要件Cの「実行されることにより」を原告の主張のように解したとしても,前記ア及びイのとおり,被告システムにおいては,カテゴリーリスト及び個別商品リストの表\示領域を確保するプログラムと,その内容を表示するプログラムとが,それぞれ一つのHTML文書のプログラムの実行過程において同時に実行されており,構\成要件C及びDに記載された手順を順次実行するという形では実行されていないのであるから,いずれにせよ,上記ウの結論を左右するには足りないというべきである。オ よって,原告の主張は理由がなく,被告システムの実施態様1が,構成要件A,C,D及びJに記載された各プログラムの実行手順及び実行内容を充足すると認めることはできない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(ワ)16103 特許権に基づく差止等請求事件 特許権 民事訴訟 平成25年08月29日 東京地方裁判所

CS関連発明について、技術的範囲外と認定されました。
 本件各発明の構成要件CないしFにいう「共用アプリケーションソ\フトウェア」がどのようなアプリケーションソフトウェアを意味するかについて検討すると,・・・本件各発明の「共用アプリケーションソ\フトウェア」は,少なくとも,1)情報データの文字数及び行数,2)印刷用紙に印字する前記情報データの個数,並びに,3)印刷用紙に印字する前記情報データの文字サイズ及び文字フォントを,統一された一定の規則性に基づいて規則正しい(最適な)レイアウトで出力する状態に自動的に設定する機能を有するものでなければならず,そのいずれかの機能\を欠くアプリケーションソフトウェアは,「共用アプリケーションソ\フトウェア」に当たらないものと解される。また,本件各明細書の記載をみても,前記(1)ア(ア)a及び同(イ)aのとおり,本件各発明は,従来の技術では,HTTPの記述言語と情報データを受信した端末装置との間に互換性の相違(端末装置の機種やOS,アプリケーションソフトウェア,フォント環境等の相違)があると,情報データが不規則に散在してディスプレイに表\示されたり,文字が入り乱れた乱雑な状態で印刷用紙に印字されてしまう場合があったところ,これを,情報データを中間データに変換して端末装置に送信し,端末装置にインストールされた共用アプリケーションソフトウェアの機能\により,統一された一定の規則性に基づいて規則正しい(最適な)レイアウトで出力することによって,統一した所定の書式で表示又は印刷させることができるとの作用効果を有するものとされている。そして,本件各明細書において,共用アプリケーションソ\フトウェアは,「印刷用紙における文字数および行数,印刷用紙に印字する個別情報データのデータ数,文字サイズおよび文字フォント,印刷用紙の上下端縁および両側縁のマージン等を自動的に設定する機能を有し,個別情報データをディスプレイ7または印刷用紙に無駄なく最適なレイアウトで表\示または印字する機能」を有するものとされている。さらに,前記(1)ア(ア)b及び同(イ)bのとおり,本件各明細書には,本件各発明の実施例として,(ア)スポーツ用品の販売に供する紙票を出力する場合,(イ)宿泊施設の提供の取次ぎに供する紙票を出力する場合,(ウ)展示会や即売会等のイベントに参加した出展者がイベント会場に来場したユーザーに後日,紹介状や案内状等の郵便物を発送する際の郵便物に貼付する宛名ラベルを出力する場合が挙げられている。そして,このうちの(ア)を例に採ると,本件明細書1中の図6に掲記されたB5縦の紙票には,テニスラケットのメーカー名,商品名,キャッチフレーズ,性能,販売価格及び販売店名が所定の文字数以内,所定の行数以内,所定の列数以内に印字され,テニスラケットの形態(全体図)が所定の範囲に印刷されている。そして,販売店は,この紙票を,テニスラケットやショウケースに貼\付したり,広告として使用したり,紹介状や案内状と共に顧客に郵送したりすることもできる旨の作用効果が記載されている(【0079】,【0080】)。上記の1)ないし3)の一部でもレイアウトが崩れた場合は,このような作用効果を発揮することができず,各販売店が情報データを製造者から郵送やファクシミリ等で取り寄せなければならなくなり,本件各発明の課題(前記(1)ア(ア)a及び同(イ)a参照)を解決することができないこととなる。以上によれば,本件各発明にいう「共用アプリケーションソフトウェア」は,上記1)ないし3)の全てを統一された一定の規則性に基づいて規則正しい(最適な)レイアウトで出力する状態に自動的に設定する機能を有するものであることを要し,これらを設定する機能\を一部でも欠き,又は機能自体はあっても手動で設定しなければならないこともあるようなアプリケーションソ\フトウェアは,上記の「共用アプリケーションソフトウェア」には当たらないものと解するのが相当である。イ これを被告サービスについてみると,前記(1)エのとおり,被告サーバにおいては,あらかじめ用意されているテンプレートに従って利用明細に係るPDFファイルが作成され,これが利用者に送信されると,利用者は,元のレイアウトを変更することなく,単に,受信したPDFファイルをリーダーで表示又は印刷するにすぎないことが認められる。すなわち,被告サービスにおいて,共用アプリケーションソ\フトウェアが有するとされている基本的な機能(利用者端末の機種やOS,アプリケーションソ\フトウェア,フォント環境等の相違にかかわらず,情報データを統一された所定の形式で端末装置が出力することができるようなファイルを作成する機能)を有するアプリケーションソ\フトウェアに相当するのは,PDFファイルの作成機能を有するアクロバット等のアプリケーションソ\フトウェアであって(なお,それは,利用者端末ではなく被告サーバにインストールされているものと認められる。),利用者が利用明細に係るPDFファイルを表示又は印刷する際に使用する利用者端末のリーダーは,これには当たらないものと解される。
 ウ これに対し,原告らは,リーダーにも,元の文書に使用されたフォントが端末装置に存在しない場合に代替フォントを用いて出力する機能,元の文書を縮小して印刷する際に文字サイズ,上下端縁及びマージンを変更して出力する機能\があると主張する。しかしながら,前記(1)ウ(イ)のとおり,リーダーのフォントの設定次第では,別の端末で表示・印刷したときに元のレイアウトを保持することができず,エラーや文字化けが発生する場合もあり,これを補正するためには手動で字形を埋め込むなどの作業をしなければならないこともあることが認められる。また,同(ウ)のとおり,リーダーを使用してPDFファイルを印刷する場合,その設定次第では,常に最適のサイズでの印刷がされるとは限らないことが認められる。そうすると,リーダーに原告らの主張するような機能があるとしても,リーダーが,文字サイズ及び文字フォントを常に一定の規則性に基づいて規則正しい(最適な)レイアウトで出力する状態に自動的に設定する機能\(前記アの3))を有するとは断定することができないものというべきである。また,この点をおくとしても,原告らは,共用アプリケーションソフトウェアが有していなければならない前記アの1)ないし3)の機能のうち,1)の情報データの文字数及び行数並びに2)の印刷用紙に印字する前記情報データの個数については,リーダーにこれを統一された一定の規則性に基づいて規則正しい(最適な)レイアウトで出力する状態に自動的に設定する機能があることについて主張すらしていない。なお,この点に関し,原告らは,リーダーはPDFファイルについて印刷命令が出された場合,プリンタの機種に応じたページ記述言語データを作成するところ,これはページ記述言語データにデータ数,文字数,文字サイズ,文字フォント,行数,上下端縁,マージン等を設定するものであると主張するが,それも,元のファイルのレイアウトを最適なものに設定するものではなく,元のファイルのレイアウトを何ら変更することなく,そのとおりに印刷することしかできない機能\として主張されているものと解されるから,リーダーが上記1)及び2)の機能を有していることの根拠とはならないものというべきである。したがって,原告らの主張はいずれも理由がない。 
 エ 加えて,原告らを含む出願人は,本件各特許権の出願経過において,特許庁審査官の本件各拒絶理由通知書(前記(1)イ(ア))に対して本件各意見書を提出し,これには同(イ)のとおりの記載がされていた。これをみると,原告らは,本件各発明が乙5発明とは異なるもので,かつ,当業者が乙5発明から本件各発明を容易に想到することができないものであることを裏付けるために,リーダーを用いて印刷した場合,文字フォントを統一することができず,クライアントがサーバと同一の文字フォント,サーバと同一の文字数(情報データの個数)で帳票を出力することができない場合があるのに対し,本件各発明の共用アプリケーションソフトウェアにはこのような制約がなく,規則正しく最適なレイアウトで出力することができる旨主張しているのであるから,本件各発明の共用アプリケーションソ\フトウェアはリーダーとは異なるアプリケーションソフトウェアを想定している旨の主張をしていることが明らかである。そうすると,本件各特許の出願経過においてこのような主張をし,その登録を受けた原告らが,本件訴訟において,これを翻し,リーダーが本件各発明の共用アプリケーションソ\フトウェアに当たるとの主張をすることは,信義誠実の原則に反し,許されないというべきである。この点からも,原告らの主張は理由がない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(ワ)16103 特許権に基づく差止等請求事件 特許権 民事訴訟 平成25年08月29日 東京地方裁判所

CS関連発明について、技術的範囲外と認定されました。
 本件各発明の構成要件CないしFにいう「共用アプリケーションソ\フトウェア」がどのようなアプリケーションソフトウェアを意味するかについて検討すると,・・・本件各発明の「共用アプリケーションソ\フトウェア」は,少なくとも,1)情報データの文字数及び行数,2)印刷用紙に印字する前記情報データの個数,並びに,3)印刷用紙に印字する前記情報データの文字サイズ及び文字フォントを,統一された一定の規則性に基づいて規則正しい(最適な)レイアウトで出力する状態に自動的に設定する機能を有するものでなければならず,そのいずれかの機能\を欠くアプリケーションソフトウェアは,「共用アプリケーションソ\フトウェア」に当たらないものと解される。また,本件各明細書の記載をみても,前記(1)ア(ア)a及び同(イ)aのとおり,本件各発明は,従来の技術では,HTTPの記述言語と情報データを受信した端末装置との間に互換性の相違(端末装置の機種やOS,アプリケーションソフトウェア,フォント環境等の相違)があると,情報データが不規則に散在してディスプレイに表\示されたり,文字が入り乱れた乱雑な状態で印刷用紙に印字されてしまう場合があったところ,これを,情報データを中間データに変換して端末装置に送信し,端末装置にインストールされた共用アプリケーションソフトウェアの機能\により,統一された一定の規則性に基づいて規則正しい(最適な)レイアウトで出力することによって,統一した所定の書式で表示又は印刷させることができるとの作用効果を有するものとされている。そして,本件各明細書において,共用アプリケーションソ\フトウェアは,「印刷用紙における文字数および行数,印刷用紙に印字する個別情報データのデータ数,文字サイズおよび文字フォント,印刷用紙の上下端縁および両側縁のマージン等を自動的に設定する機能を有し,個別情報データをディスプレイ7または印刷用紙に無駄なく最適なレイアウトで表\示または印字する機能」を有するものとされている。さらに,前記(1)ア(ア)b及び同(イ)bのとおり,本件各明細書には,本件各発明の実施例として,(ア)スポーツ用品の販売に供する紙票を出力する場合,(イ)宿泊施設の提供の取次ぎに供する紙票を出力する場合,(ウ)展示会や即売会等のイベントに参加した出展者がイベント会場に来場したユーザーに後日,紹介状や案内状等の郵便物を発送する際の郵便物に貼付する宛名ラベルを出力する場合が挙げられている。そして,このうちの(ア)を例に採ると,本件明細書1中の図6に掲記されたB5縦の紙票には,テニスラケットのメーカー名,商品名,キャッチフレーズ,性能,販売価格及び販売店名が所定の文字数以内,所定の行数以内,所定の列数以内に印字され,テニスラケットの形態(全体図)が所定の範囲に印刷されている。そして,販売店は,この紙票を,テニスラケットやショウケースに貼\付したり,広告として使用したり,紹介状や案内状と共に顧客に郵送したりすることもできる旨の作用効果が記載されている(【0079】,【0080】)。上記の1)ないし3)の一部でもレイアウトが崩れた場合は,このような作用効果を発揮することができず,各販売店が情報データを製造者から郵送やファクシミリ等で取り寄せなければならなくなり,本件各発明の課題(前記(1)ア(ア)a及び同(イ)a参照)を解決することができないこととなる。以上によれば,本件各発明にいう「共用アプリケーションソフトウェア」は,上記1)ないし3)の全てを統一された一定の規則性に基づいて規則正しい(最適な)レイアウトで出力する状態に自動的に設定する機能を有するものであることを要し,これらを設定する機能\を一部でも欠き,又は機能自体はあっても手動で設定しなければならないこともあるようなアプリケーションソ\フトウェアは,上記の「共用アプリケーションソフトウェア」には当たらないものと解するのが相当である。イ これを被告サービスについてみると,前記(1)エのとおり,被告サーバにおいては,あらかじめ用意されているテンプレートに従って利用明細に係るPDFファイルが作成され,これが利用者に送信されると,利用者は,元のレイアウトを変更することなく,単に,受信したPDFファイルをリーダーで表示又は印刷するにすぎないことが認められる。すなわち,被告サービスにおいて,共用アプリケーションソ\フトウェアが有するとされている基本的な機能(利用者端末の機種やOS,アプリケーションソ\フトウェア,フォント環境等の相違にかかわらず,情報データを統一された所定の形式で端末装置が出力することができるようなファイルを作成する機能)を有するアプリケーションソ\フトウェアに相当するのは,PDFファイルの作成機能を有するアクロバット等のアプリケーションソ\フトウェアであって(なお,それは,利用者端末ではなく被告サーバにインストールされているものと認められる。),利用者が利用明細に係るPDFファイルを表示又は印刷する際に使用する利用者端末のリーダーは,これには当たらないものと解される。
 ウ これに対し,原告らは,リーダーにも,元の文書に使用されたフォントが端末装置に存在しない場合に代替フォントを用いて出力する機能,元の文書を縮小して印刷する際に文字サイズ,上下端縁及びマージンを変更して出力する機能\があると主張する。しかしながら,前記(1)ウ(イ)のとおり,リーダーのフォントの設定次第では,別の端末で表示・印刷したときに元のレイアウトを保持することができず,エラーや文字化けが発生する場合もあり,これを補正するためには手動で字形を埋め込むなどの作業をしなければならないこともあることが認められる。また,同(ウ)のとおり,リーダーを使用してPDFファイルを印刷する場合,その設定次第では,常に最適のサイズでの印刷がされるとは限らないことが認められる。そうすると,リーダーに原告らの主張するような機能があるとしても,リーダーが,文字サイズ及び文字フォントを常に一定の規則性に基づいて規則正しい(最適な)レイアウトで出力する状態に自動的に設定する機能\(前記アの3))を有するとは断定することができないものというべきである。また,この点をおくとしても,原告らは,共用アプリケーションソフトウェアが有していなければならない前記アの1)ないし3)の機能のうち,1)の情報データの文字数及び行数並びに2)の印刷用紙に印字する前記情報データの個数については,リーダーにこれを統一された一定の規則性に基づいて規則正しい(最適な)レイアウトで出力する状態に自動的に設定する機能があることについて主張すらしていない。なお,この点に関し,原告らは,リーダーはPDFファイルについて印刷命令が出された場合,プリンタの機種に応じたページ記述言語データを作成するところ,これはページ記述言語データにデータ数,文字数,文字サイズ,文字フォント,行数,上下端縁,マージン等を設定するものであると主張するが,それも,元のファイルのレイアウトを最適なものに設定するものではなく,元のファイルのレイアウトを何ら変更することなく,そのとおりに印刷することしかできない機能\として主張されているものと解されるから,リーダーが上記1)及び2)の機能を有していることの根拠とはならないものというべきである。したがって,原告らの主張はいずれも理由がない。 
 エ 加えて,原告らを含む出願人は,本件各特許権の出願経過において,特許庁審査官の本件各拒絶理由通知書(前記(1)イ(ア))に対して本件各意見書を提出し,これには同(イ)のとおりの記載がされていた。これをみると,原告らは,本件各発明が乙5発明とは異なるもので,かつ,当業者が乙5発明から本件各発明を容易に想到することができないものであることを裏付けるために,リーダーを用いて印刷した場合,文字フォントを統一することができず,クライアントがサーバと同一の文字フォント,サーバと同一の文字数(情報データの個数)で帳票を出力することができない場合があるのに対し,本件各発明の共用アプリケーションソフトウェアにはこのような制約がなく,規則正しく最適なレイアウトで出力することができる旨主張しているのであるから,本件各発明の共用アプリケーションソ\フトウェアはリーダーとは異なるアプリケーションソフトウェアを想定している旨の主張をしていることが明らかである。そうすると,本件各特許の出願経過においてこのような主張をし,その登録を受けた原告らが,本件訴訟において,これを翻し,リーダーが本件各発明の共用アプリケーションソ\フトウェアに当たるとの主張をすることは,信義誠実の原則に反し,許されないというべきである。この点からも,原告らの主張は理由がない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(行ケ)10453 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成25年08月09日 知的財産高等裁判所

 スロットマシン(CS関連発明)について、無効理由無しとした審決が維持されました。
原告の技術Bが技術常識であるとの主張について
原告は,記憶領域の初期化において,技術Bが技術常識である旨主張し,その根拠として審決の認定判断並びに刊行物(甲22)及び公開特許公報(甲23〜29,31,32)の記載を挙げているが,以下の理由により,いずれも技術Bが本件特許の原出願時における技術常識であることを認定する根拠とすることはできず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。したがって,技術Bが本件特許の原出願時における技術常識であるとは認められず,原告の上記主張を採用することはできない。
ア 審決の認定判断について
原告は,審決書(26頁5行〜同頁12行)の記載を根拠として,審決が,本件特許発明の認定に際し,初期化テーブルを参照してアドレス情報を取得する構成が技術常識である旨認定していると主張する。しかし,審決書(25頁27行〜26頁12行)の記載によれば,審決は,まず,請求項1の「前記初期化手段は,・・・初期化領域設定手段を含み」との記載の意味につき,初期化手段に含まれる初期化領域設定手段(実施例では図44(b)の初期化テーブル)には,初期化条件の種類に対応してデータ記憶手段における初期化開始アドレスが初期化条件の種類の数だけ設定(登録)されるとともに,2種類以上の初期化条件に共通する一の初期化終了アドレスが設定(登録)されている旨解釈し,本件特許発明が初期化領域設定手段(初期化テーブル)を有するものであるとしている。そして,審決は,上記解釈を前提とした上で,請求項1における初期化手段が「前記2種類以上の初期化条件のうちいずれかの初期化条件が成立したときに,該初期化条件の種類に対応して前記初期化領域設定手段に設定された初期化開始アドレスから前記2種類以上の初期化条件に共通して前記初期化領域設定手段に設定された初期化終了アドレスまでの各アドレスが割り当てられた記憶領域を初期化する」との記載につき,その記載中に記憶領域を初期化する際に初期化領域設定手段(初期化テーブル)を参照してアドレス情報を取得することを明示する部分はないものの,技術常識に照らせば,当然に初期化領域設定手段(初期化テーブル)を参照して情報を取得することがなされているものと理解される,との認定判断をしているものである。そうすると,審決の上記認定判断部分は,請求項1の文言に基づいて同項の解釈をした結果,記憶領域を初期化する際に初期化領域設定手段(初期化テーブル)を参照してアドレス情報を取得するとの構\成を導き出しているにすぎないものと認められ,審決に記載のある「技術常識」の趣旨についても,せいぜい,本件特許発明において,初期化領域設定手段(初期化テーブル)を参照してアドレス情報を取得することは,技術常識といえる程度に当然に理解できるものであることを説示したにすぎないものというべきである。そうすると,原告の指摘する審決の記載は,技術Bが技術常識であることを認定したものと認めることはできず,原告の上記主張を採用することはできない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成25(行ケ)10022 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成25年08月09日 知的財産高等裁判所

 珍しいケースです。CS関連発明について、29条の2で拒絶されました。裁判所は29条の2違反とした審決を維持しました。
(4) 一応の相違点に関する判断について
ア 前記(2)に認定した先願発明の内容及び先願発明における求職クライアント信用評価情報の内容に照らすと,先願発明においても,求職クライアント信用評価情報記憶部には記憶容量の限りがあること,及び,古い求職クライアント信用評価情報は現実性を失い価値が無くなるため常にデータを新鮮にする必要があることが認められる。そうすると,先願発明においてこれらに対処することは,先願明細書に明示されていなくても当然に行われるものであるといえ,先願発明に本件周知技術を付加し,あらかじめ設定された蓄積期間が経過した古い求職クライアント信用評価情報を削除し,常にデータを新鮮なものとする構成とすることは,先願明細書に記載されているに等しい事項といえる。
イ そして,本願発明と上記ア認定の先願発明に本件周知技術を付加した構成とを対比すると,先願発明に本件周知技術を付加した構\成においても,あらかじめ設定された蓄積期間が経過した古い求職クライアント信用評価情報を削除することで,先願発明における「サーバー」は,あらかじめ設定された蓄積期間が経過した求職クライアント信用評価情報を送信せず,当該蓄積期間が経過する前の求職クライアント信用評価情報だけを記憶部から読み出して「求人クライアントの通信端末」に通信手段を介して送信するようにすることができる。したがって,先願発明に本件周知技術を付加した構成は,本願発明の「前記サーバ装置は,前記記憶手段に蓄積したメッセージ情報のうち予\め設定された蓄積期間が経過したメッセージ情報を送信せず,当該蓄積期間が経過する前のメッセージ情報だけを前記記憶手段から読み出して前記求人者側端末に通信手段を介して送信」する構成を備えるものと認められる。また,先願発明に本件周知技術を付加した構\成においても,あらかじめ設定された蓄積期間が経過した古い求職クライアント信用評価情報を削除することで,現実性を失い価値が無くなった古い求職クライアント信用評価情報は削除され,常にデータを新鮮なものとすることができるので,これにより,求職者が過去を清算できるものと認められる。したがって,先願発明に本件周知技術を付加した構成における上記蓄積期間は,本願発明における「前記蓄積期間は前記求職者が過去を清算することを目的として予\め設定された期間」にも当たるものと認められる。さらに,先願発明に本件周知技術を付加することにより,蓄積期間が経過した求職クライアント信用評価情報は,求人クライアントの通信端末に提供されなくなるから,その結果として,本願発明と同様に,求人者は,求職者の印象を表す信用評価情報を見ながら求職者を選ぶことができ,かつ,信用を失った求職者は,その過去を清算して出直すことができるとの作用効果を奏するものと認められる。したがって,本願発明の作用効果は,先願発明の奏する作用効果と本件周知技術がもたらす作用効果との総和にすぎないものと認められる。
ウ 以上によれば,本願発明と先願発明との一応の相違点に係る構成は,先願発明に上記周知技術を単に付加した程度のものであり,かつ,新たな作用効果を奏するものでもない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(行ケ)10409 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成25年07月24日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性無しとした審決が維持されました。
 上記記載によれば,本願発明において,「売却対象受電量」を「最大電力消費量以下」又は「発電増加量分以下」に設定することは,売却対象となる余剰の受電権を確保することを意味するにすぎず,それ以上の意義を有するものではなく,また,「購入対象受電量」を「最大電力消費量以上」又は「発電低下量分以上」に設定することは,購入対象となる不足の受電権を受け入れ可能にすることを意味するにすぎず,それ以上の意義を有するものではないことが認められる。そうすると,本願発明の「売却対象受電量」とは,余剰であるために売却対象となる将来の「電力量」を意味するにすぎないから,引用発明1の「余剰電力」とは,将来において売却対象となる「電力量」という点において一致し,また,本願発明の「購入対象受電量」とは,不足するために購入対象となる将来の「電力量」を意味するにすぎないから,引用発明1の「不足電力」とは,将来において購入対象となる「電力量」という点において一致する。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(ネ)10084 損害賠償請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成25年06月25日 知的財産高等裁判所

 apple vs サムスンの特許侵害事件の控訴審です。控訴審でもファイルサイズはメディア情報には該当しないと判断されました。
 控訴人は,本件発明の「メディア情報」は「メディアアイテムに特有の情報」ではなく「メディアアイテムに関する情報」と解すべきであることを前提に,原判決で,ファイルサイズが構成要件G1及びG2における「メディア情報」には該当しないと判断したのは誤りであると主張する。この点についての判断は,原判決が37頁以下の(2),(3)で説示したとおりであるが,なお次のとおり補足して判断する。本件明細書(甲2)の記載によれば,本件発明は,「ホストコンピュータおよび/またはメディアプレーヤー上のメディアコンテンツをシンクロまたは管理するための改良されたアプローチのための改良された技術」(段落【0005】)として,メディアコンテンツのシンクロ処理において,ファイル名や更新日ではなく,「メディア情報」を比較することにより,シンクロを「データ転送の量が比較的低いか最小限にされるよう適切に管理されるよう」(段落【0022】)にし,「その結果,シンクロプロセスは,よりインテリジェントに実行されえる」(段落【0010】)ようにしたものであり,また,本件特許請求の範囲における文言上,「ファイル情報」と規定することなくあえて「メディア情報」と規定しているばかりか,本件明細書等においても,「メディアアイテムが有するファイル情報」などとの用語ではなく,あえて「メディア情報」の用語が用いられ,しかも,その用語は,「メディア情報は,メディアアイテムの特徴または属性に関する」(段落【0040】)などと,メディアアイテムに関連付けて表現されていることが認められるから,本件発明における「メディア情報」とは,一般的なファイル情報の全てを包含するものではなく,音楽,映像,画像等のメディアアイテムに関する種々の情報のうち,メディアアイテムに特有の情報を意味するものと解するのが相当である。「メディア情報」なる用語はその語そのものからいかなる情報までを包含するか明確でなく,当該発明の技術的課題や作用効果を参酌してその意義を解釈しなければならないところ,原判決は,特許請求の範囲における構\成要件の記載や本件明細書の記載等を踏まえて,「メディア情報」を上記のように解釈したものであり,引用した上記各記載に照らしても,その判断を支持することができる。以上の説示に照らし,ファイルサイズが「メディア情報」に含まれないことは,原判決も「原告の主張について」と題して39頁以下のイの項で詳細に説示しているとおりであり,当裁判所が付加すべき理由はない。控訴人の上記主張は理由がない。

◆判決本文

◆1審はこちら。平成23(ワ)27941
 

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(行ケ)10162 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成25年03月25日 知的財産高等裁判所

 進歩性違反および新規事項であると無効主張しましたが、無効でないとした審決が維持されました。
(3) 上記記載によれば,当初明細書等においては,「番組表を利用した視聴や録画がどの程度行われているのか」を知るために調査された「視聴率」及び「録画率」を番組表\に記載する旨,及び番組表に記載されるものとして,これらは「例示」であって,これら以外に「番組を視聴した平均人数など」が記載されるように構\成してもよい旨が明示されている。したがって,【0079】に記載された「平均人数など」が,視聴率及び録画率と併記されるか又は単独で記載されるかにかかわらず,「視聴率」及び「録画率」のみならず,「番組表を利用した視聴や録画がどの程度行われているのか」を知るための情報を記載し得ることは,当初明細書等に記載されていると認められる。そして,「どの程度行われているのか」を「多少を把握可能\な」と表現すること,及び番組表\に記載される情報を「指標」と表現することは,普通に行われているところであって,このように表\現することによって何らかの技術的な意義が追加されるものではないから,「視聴者数の多少を把握可能な」「指標」及び「録画予\約数の多少を把握可能な」「指標」という表\現が用いられたことによって,当初明細書等に記載された事項に対して新たな技術的事項が導入されたものでもない。したがって,補正事項1,2について,いずれも新規事項ということはできず,特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていないということはできないとした本件審決の判断に誤りはなく,取消事由2,3は理由がない。
・・・・
(3) 上記記載によれば,当初明細書等においては,番組表の提供を受けた利用者が番組表\を利用した視聴や録画がどの程度行われているのかを知りたいという課題について,利用者側端末20から番組表の要求を受けた調査者側装置10が視聴率及び録画率が記載された番組表\を作成して利用者側端末20に送信し,この番組表を受信した利用者側端末20において視聴率及び録画率が記載された番組表\を表示することによって解決することが記載されている。以上を踏まえれば,「前記利用者装置によって表\示される番組表上の番組に対応づけられて表\示されるための前記視聴指標と前記録画予約指標とであって,現在放送中の番組に対応する前記視聴指標と前記録画予\約指標とを送信する指標送信手段」(補正事項7)は,当初明細書等に記載された課題に対応するものとして当初明細書等に記載された解決手段を特定する記載であって,当初明細書等に記載された事項に対して新たな技術的事項を導入するものであるとはいえない。

◆判決本文

◆関連事件はこちらです。平成24(行ケ)10163

◆関連事件はこちらです。平成24(行ケ)10155

◆関連事件はこちらです。平成24(行ケ)10154

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 補正・訂正
 >> 新規事項
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(行ケ)10175 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成25年03月13日 知的財産高等裁判所   

 CS関連発明について、相違点の認定に誤りはあるものの、結論に影響無しとして、進歩性なしとした審決が維持されました。
 原告は,審決が,引用発明は,「更新された行程の基本所要時間を表すデジタル情報を少なくとも含む,所定の幾つかの無線メッセージを認知」し,「受信された前記デジタルデータに応じて,前記行程の基本所要時間を表\す,記憶された前記デジタルデータを更新」するという構成において,本願発明と相違がないと認定した点(審決書12頁11行〜21行)について,引用発明と本願発明との間には,前者が,道路網のうち,現在地点から進行方向に存在する近隣の限られた区間における更新された行程の所要時間(通過所要時間)を表\すデジタルデータを受信するのに対して,後者が,現在地点や進行方向に関係なく所定の道路網の各区間における更新された行程の所要時間を表すデジタルデータを受信するという相違点が存在するにもかかわらず,審決はこれを看過していると主張する。確かに,引用発明は,所定の道路網の全ての区間のリンク旅行時間を受信するものではないことから,審決の上記認定は正確ではない。しかし,引用発明と本願発明とは,引用発明の「外部から現在の道路状況,所定の交差点間の道路(リンク)ごとの通過所要時間(リンク旅行時間)を受」する態様と,本願発明の「更新された行程の基本所要時間を表\すデジタル情報を少なくとも含む,所定の幾つかの無線メッセージを認知」する態様とが,「更新された所定の行程の基本所要時間を表すデジタル情報を少なくとも含む,所定の幾つかの無線メッセージを認知」するとの概念で共通するから,本願発明と引用発明との相違点は,原告が主張する点ではなく,被告が主張する点,すなわち,「更新された行程の基本所要時間を表\すデジタル情報を少なくとも含む,所定の幾つかの無線メッセージを認知」する態様」に関し,本願発明は,更新された行程の基本所要時間を表すデジタル情報を少なくとも含む,所定の幾つかの無線メッセージを認知するものであるのに対し,引用発明は,外部から現在の道路状況,所定の交差点間の道路(リンク)ごとの通過所要時間(リンク旅行時間)を受信するものであって,道路網の全ての区間を含むことは特定されていない点。」(相違点9)と認定すべきである。そうすると,審決には,相違点9を看過した誤りがあることになる。しかし,相違点9は,相違点8(記憶されたデジタルデータおよび受信されたデジタル情報には,当該道路網の所定の区間ごとの行程の基本所要時間が含まれている態様に関し,本願発明は,当該道路網の「各区間ごとの」行程の基本所要時間が含まれているのに対し,引用発明は,「所定の区間の」行程の基本所要時間が含まれるが,全ての区間の行程の基本所要時間が含まれることまでは特定されていない点。)に含まれており,相違点8に係る審決の進歩性判断に誤りはないから(後記3のとおり),相違点9の看過が審決の結論に影響を及ぼすことはない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(行ケ)10199 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成25年02月14日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
 引用文献2には,ユーザ自身が作成した音声,画像(静止画),動画,テキスト等を含むコンポーズドメディアを,インターネットを介して相手に送信するグリーティングカード(カードページ)に盛り込むことができる旨が記載され,引用文献3でも,ユーザが作成した画像や音楽のデータ(ファイル)をインターネットを介して相手に送信するデジタルポストカードに盛り込むことができる旨が記載されているから,審決が認定するとおり,本件優先日当時,サーバを用いてイメージデータを第三者と共用するサービスにおいて,ユーザのコンピュータに記憶されているデータをサーバに記憶させるようにすること,またかかるデータをサーバで運用されるデジタルのポストカード(電子情報で構成され,ネットワークを介して送受信されるポストカード)で利用できるようにする程度の事柄は,当業者の周知技術にすぎなかったと認められる。そうすると,本件優先日当時,引用文献1記載発明に上記周知技術を適用することにより,当業者において相違点2を解消することは容易であったということができ,この旨をいう審決の判断に誤りはない。
 この点,原告は,引用文献1のサービスは美しい料理の写真を送ることを目的としており,サービス提供者側の装置が送信コンピュータから料理の写真を受信する構成に改める動機付けがないなどと主張する。しかしながら,引用文献2において既存の画像(ファイル)に加えてユーザが保有する画像ファイルをサービス提供者のサーバに送信し,後者の画像(ファイル)もデジタルのポストカードで利用できるようにして,ポストカード作成の自由度,サービスの利便性を高めることが記載されているように,ユーザの画像(ファイル)も利用可能\とすることでポストカード作成の自由度,サービスの利便性を高めることは当業者の常識に属する事柄である。したがって,引用文献1に接した当業者において,サービス提供者側の装置が送信コンピュータから料理の写真を受信する構成に改める動機付けに欠けるところはない。仮に引用文献1のサービスが美しい料理の写真を盛り込んだデジタルのポストカードの提供を長所の一つにしているとしても,当業者が引用文献1の料理の写真をユーザのコンピュータから送信(アップロード)される写真一般に改める上で阻害事由とまではならず,当業者にとってかように構\成を改めることは容易である。また,引用文献1ではユーザがメールアドレスやメッセージの入力欄に文字情報(テキスト)を入力したり,画像を選択したりして情報(データ)をサービス提供者側の装置に送信するが,前記のとおりの周知技術を引用文献1記載発明に適用したときにユーザのコンピュータからサービス提供者側の装置(サーバ)に送信されることになるのは,文字情報等に止まらず,画像等のデータ(ファイル)が含まれることが明らかである。結局,相違点2に係る構成に当業者が想到することが容易でないとする原告の主張は採用できない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 動機付け
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(行ケ)10149 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成25年01月30日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
 上記(1) ア認定の事実によれば,本願発明は,バーコード等を利用した認証方法等に関するものであり,従来とは全く異なった方式で個人の身元確認等の認証を行うことができる認証方法等を提供することを目的とし,認証用のバーコードの付与を求める顧客が,認証装置に対して顧客の携帯電話から通信回線を介してバーコード要求信号を発すると,認証装置が発信者番号を受信し,認証装置で,受信した顧客の発信者番号が顧客データベースに記録されているか否かを判定し,受信した顧客の発信者番号が顧客データベース内に存在していた場合には,バーコード信号を,通信回線を介して,顧客の携帯電話に伝送するというものである。すなわち,本願発明は,被認証者(顧客)の携帯電話のバーコード要求信号に含まれる発信者番号と認証装置の顧客データベースに記録されている発信者番号との同一性の有無を確認することによるものであって,当該携帯電話を所持し,提示した者が,被認証者自身であるか否かを照合の対象とするものとはいえない。一般に,携帯電話は,顧客本人のものを使用する可能性が高いため,被認証者の携帯電話のバーコード要求信号に含まれる発信者番号と認証装置の顧客データベースに記録されている発信者番号とが一致すれば,当該携帯電話を所持し,提示した者が顧客データベースに記録されている者である可能\性が高いとはいえるが,他人に貸与することが全くあり得ないとまではいえないから(原告も,他人に貸与することが全くあり得ないことは前提としていない。),本願発明における個人認証は,生体認証のような高い正確性を前提とするものではないと解される。一方,上記(1) イ認定の事実によれば,引用文献1には,記録媒体は,紙及び携帯型記録媒体のうちの少なくともいずれか一方であり,携帯型記録媒体としては,フロッピーディスク,100MB以上の大容量磁気ディスク等のような磁気記録媒体,メモリーカード,ICカード,切手サイズメモリーカード,PCカード等のカード型記録媒体,光磁気,相変化等を記録した光記録媒体,手のひらサイズ等の超小型PC等の小型電子機器等を用いることが可能であること(【0019】,【0021】)が記載され,上記の「記録媒体」とは,通常ユーザー装置に含まれるものであって,必ずしもユーザー装置そのものではないが(【請求項1】,【請求項4】),これを認証のための技術的手段を搭載する媒体としてみるときには,上記の携帯型記録媒体は,本願発明の携帯電話と同様の技術的意義を有するものということができる。また,携帯電話通信回線を使用する場合のユーザー装置は必然的に携帯電話になると考えられるから,ここでは,ユーザー装置として携帯電話を使用することが開示されていると認められる(【0078】)。さらに,上記の携帯型記録媒体には,「手のひらサイズ等の超小型PC」のように,携帯電話と同様に一身専属性の高いものが含まれるといえる。加えて,引用文献1には,記録媒体が宿泊券という紙の形式で利用される場合が示され,この場合にも,乱数によって発生される数字列及び文字列の少なくともいずれか一方を用いたコード情報により第三者による券の偽造を困難にする方法(【0159】,【0160】),券に暗号情報を表\示する方法(【0162】),券発行装置から送信された暗号鍵で暗号化されたパスワード情報を紙に印刷する方法(【0163】)が示される。そうすると,引用文献1には,券の発行を受けたユーザーとの同一性の確認,すなわち個人認証の方法が記載されているから,引用発明においても,一身専属性の高い携帯型記録媒体を用い,上記のような個人認証の方法を行う場合,券の発行を受けた者が券を利用できる者「顧客」である可能性が高いとはいえるが,認証の正確性は,生体認証ほどではないと理解される。したがって,引用発明が,「前記券使用装置は,前記券発行装置から受信した前記照合結果に基づいて,前記ユーザーコード情報が記録されたユーザー装置の記録媒体を持参したユーザーがその記録媒体に記録された券情報の真の利用者であるか否かを判別し,・・・前記ユーザーは,当該券を利用できる『顧客』であり,かつ当該券の利用に当たって,その真の利用者であると認証されるものであり,」との構\成を備えるとした,審決の認定に誤りがあるとはいえず,個人認証を行う点について,本願発明と引用発明との相違点の看過があるとは認められない。これに対し,原告は,引用文献1の段落【0161】に,券を持参したユーザーに身分証明書等を提示してもらい,ユーザーの名前情報と身分証明書の名前とを比較して,券の正規の使用者であるか否かを確認する旨の記載があることから,引用発明では,個人認証はできない旨主張する。しかし,同段落は,引用発明の1つの実施形態を示すものにすぎず,上記のように,引用文献1の他の記載を参照すれば,引用発明においても個人認証を行い得ることが認められるから,原告の主張は理由がない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(行ケ)10053 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年12月25日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について記載要件違反とした審決が維持されました。
 上記記載によれば,本願発明1の構成2において,「伝送ネットワークに,当該移動無線機器においてデータに対するメモリスペースを使用できないことを指示」することの主体は,移動無線機器であり,当該移動無線機器は,伝送ネットワークの記憶手段に中間記憶されたプッシュサービスデータの量を知り,それにより「当該移動無線機器においてデータに対するメモリスペースを使用できないこと」を検知し,このことを伝送ネットワークのネットワークコンピュータに指示するものと解される。しかし,本願明細書の発明の詳細な説明には,移動無線機器が,伝送ネットワークの記憶手段に中間記憶されたプッシュサービスデータの量を知り,「当該移動無線機器においてデータに対するメモリスペースを使用できないこと」を検知するための構\成及び方法について何ら具体的な記載はない。また,当該技術分野の技術常識を参酌しても,移動無線機器が,伝送ネットワークの記憶手段に中間記憶されたプッシュサービスデータの量を知り,「当該移動無線機器においてデータに対するメモリスペースを使用できないこと」を検知するための構成及び方法が,本願明細書の発明の詳細な説明の記載から当業者に自明な事項であるとも認められない。そうすると,本願明細書の発明の詳細な説明には,「伝送ネットワークに,当該移動無線機器においてデータに対するメモリスペースを使用できないことを指示」することについて,当業者が実施することができる程度に明確かつ十\分に記載されているとは認められない。したがって,本願明細書の発明の詳細な説明の記載は,本願発明1の構成2について,当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十\分に記載したものであるとは認められない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 記載要件
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(ワ)3572 損害賠償請求事件 特許権 民事訴訟 平成24年11月30日 東京地方裁判所

 コンピュータ関連発明の侵害事件について、「調査者側」の「サーバ」が「利用者側」の「利用者装置」を兼ねる形態まで、特許の効力が及ぶか、公知技術から無効かが争われました。裁判所は、明細書を参酌して、「調査者側」の「サーバ」が「利用者側」の「利用者装置」を兼ねる形態までは及ばないと判断しました。
 本件発明1−1の特許請求の範囲(請求項1)の文言と本件明細書1の「発明な詳細の説明」の前記(ア)の記載事項(図面を含む。)を総合すれば,本件明細書1には,1)従来,インターネットなどの通信回線網を介して提供される複数の番組を表形式に配列した番組表\には,各番組の詳細な内容を確認したり,希望する番組を録画予約したりできるものがあるが,このような番組表\の提供を受けた利用者が,番組表中からどのような番組を選んで視聴又は録画を行ったのかを知ることができなかったため,この種の番組表\を利用した視聴や録画がどの程度行われているのかを知りたいという要望があったこと(前記(ア)b,c),2)本件発明1−1は,この要望に応えることを課題とし,番組表を利用して視聴率及び録画率を調査することができる技術を提供することを目的とするものであり,この課題を解決するための手段として,「利用者側」から「調査者側」に送信されるデータに基づいて,「調査者側」で現在放送中の番組に対応する視聴指標及び録画予\約指標を算出し,上記視聴指標及び録画予約指標を「利用者側」に送信し,「利用者側」に表\示される番組表上の番組に対応づけられて上記視聴指標及び録画予\約指標が表示されるようにするために,「調査者側」の「サーバ」において,上記データ(視聴状況情報及び録画予\約状況情報)の受信手段,上記視聴指標及び録画予約指標の算出手段及び送信手段の各手段を備える構\成を採用し(前記(ア)c,d),これにより「調査者側」においては番組の正確な視聴率及び録画率を調査することができ,「利用者側」においては利用者が番組表上で番組の視聴率及び録画率を簡単にチェックすることができるという作用効果を奏するようにしたこと(前記(ア)j,k,n,p)が開示されているものと認められる。上記認定の本件発明1 − 1 の目的及び作用効果に照らすならば,「調査者側」が行う視聴指標及び録画予約指標の調査についてはその中立性ないし客観性を確保することは当然の要請であって,かかる観点からみると,「調査者側」が自ら行う調査の調査対象となることは不合理であるから,本件発明1−1においては,「調査者側」の「サーバ」が「利用者側」の「利用者装置」を兼ねること,あるいは「利用者側」の「利用者装置」が「調査者側」の「サーバ」を兼ねることは,想定されていないものと認められる。また,本件明細書1記載の実施例は,前記(ア)lないしpのとおり,「調査者側装置10」と「利用者側端末」とは,別個独立の装置構成として記載されている。もっとも,本件明細書1には,「調査者側装置10」が「複数のコンピュータシステムで構\成されていてもよい。」(段落【0070】。前記(ア)q)との記載があるが,上記記載を段落【0070】の他の記載箇所と併せて読むと,上記記載は,「本実施形態」では「調査者側装置10が1のコンピュータシステムによって構成されたもの」を例示したことを指摘した上で,「調査者側装置10」が,「1のコンピュータシステム」ではなく,「複数のコンピュータシステム」によって構\成し得ることを説明したものであり,それ以上に,「調査者側装置」が「利用者側端末」をも含めて構成し得ることまで述べたものと解することはできない。さらに,本件明細書1を全体としてみても,「利用者側」の「利用者装置」が「調査者側」の「サーバ」の機能\の全部又は一部を兼ねることができることの記載や示唆はない。
ウ 本件発明1−1の「サーバ」の意義
(ア) 本件発明1−1の特許請求の範囲(請求項1)の記載(前記ア)を基礎に,本件明細書1の記載事項(前記イ)を考慮すると,本件発明1−1の「サーバ」(構成要件1−1F)は,「利用者装置」(構\成要件1−1A)とは別個独立の装置であって,「利用者装置」が「サーバ」の機能の全部又は一部を兼ねるものとして「サーバ」に含まれることはないものと解するのが相当である。(イ) これに対し原告は,1)「サーバ」とは,一般的に「ネットワーク上で他のコンピューターやソフト,すなわちクライアントにサービスを提供するコンピューター。」を意味するものであり,本件発明1−1の特許請求の範囲(請求項1)は,本件発明1−1の「サーバ」の装置構\成について限定を付していないこと(以下「根拠1)」という。),2)本件明細書1の【0028】,【0029】,【0070】及び図1によれば,「調査者側装置10」及び「利用者側端末20」は,いずれも「インターネットに接続される周知のコンピュータシステム」であって,特に構成を異にするものではなく,「調査者側装置10」を複数のコンピュータシステムで構\成する場合,その一つのコンピュータシステムが,「利用者側端末20」と同様の周知のコンピュータシステムで構成されてもよいことが読み取れるから,本件発明1−1の「サーバ」は,「利用者装置」とは別異の構\成要素としての「調査者側」の構成要素である必要はないこと(以下「根拠2)」という。),3)本件原出願の出願時において,同一の機能又は異なる機能\を有する複数のコンピュータが協働してサービスを提供することは周知であり,「サーバ」の文言は,利用者側の端末を含み,複数のコンピュータからなる場合を含むものとして理解され,使われていたこと(甲34ないし43)(以下「根拠3)」という。)を総合すれば,本件発明1−1の「サーバ」は,「利用者装置」とは別異の構成要素でなければならないと限定解釈すべき理由はなく,この「サーバ」の機能\の一部を「利用者装置」が担ってもよいと解すべきである旨主張する。しかしながら,原告の上記主張は,以下のとおり理由がない。
a 根拠1)及び2)について
 前記アで述べたとおり,本件発明1−1の特許請求の範囲(請求項1)の文言上,「サーバ」と「利用者装置」とは,本件発明1−1の構成要素として別個のものであることは明らかであり,一方で,請求項1には,「利用者装置」が「サーバ」の機能\の全部又は一部を兼ねることができることを規定した記載やこれをうかがわせる記載はない。次に,前記イ(イ)で述べたとおり,本件発明1−1の目的及び作用効果に照らすならば,視聴指標及び録画予約指標の調査の中立性ないし客観性の確保の観点からみて,「調査者側」が自ら行う調査の調査対象となることは不合理であり,本件発明1−1においては,「調査者側」の「サーバ」が「利用者側」の「利用者装置」を兼ねること,あるいは「利用者側」の「利用者装置」が「調査者側」の「サーバ」を兼ねることは,想定されていないものと認められる。また,原告が指摘する本件明細書1の段落【0070】における「調査者側装置10」が「複数のコンピュータシステムで構\成されていてもよい。」との記載は,「調査者側装置」が「利用者側端末」をも含めて構成し得ることを記載したものではなく,本件明細書1を全体としてみても,「利用者側」の「利用者装置」が「調査者側」の「サーバ」の機能\の全部又は一部を兼ねることができることの記載や示唆はない。以上によれば,原告が主張する根拠1)及び2)の点は,本件発明1−1の「サーバ」の機能の一部を「利用者装置」が担ってもよいと解すべきことの根拠となるものではない。b 根拠3)について原告は,根拠3)に係る具体的な裏付けとして,1)特開平10−207945号公報(甲34)の【図2】,特開平10−247177号公報(甲35)の【図1】には,「サーバ」の文言は,ネットワーク上の複数のコンピュータから構成されるものも含むことが開示されていること,2)「情報システムテクニカルガイド 分散システムのための」(1995年6月30日発行)(甲36)の「(それに対して,ピア・ツー・ピア・モデルではどのプロセスでも相互作用を開始することができる)サーバは,他のサーバに要求を発行することでクライアントになることもありえる。…クライアントとサーバは,…同一のマシンで走ることもあれば,別々のマシンで走ることもある。」(282頁)との記載,特開平10−161777号公報(甲37)の段落【0001】,特開平10−154030号公報(甲38)の段落【0010】,【0014】,特開平9−138810号公報(甲39)の段落【0231】,特開平9−51398号公報(甲40)の段落【0028】,特開平9−73410号公報(甲41)の段落【0003】には,「サーバ」の文言は,利用者側端末と機能を兼ねるコンピュータにも使われることが開示されていること,3)特開平9−91220号公報(甲42)の段落【0004】ないし【0006】,特開平10−149270号公報(甲43)の段落【0012】,【0017】には,サーバ機能とクライアント機能\を兼ねる利用者側コンピュータを「サーバ」と呼ぶことが開示されていることを指摘する。しかしながら,原告主張の上記1)ないし3)に係る開示事項(甲34ないし43)は,「サーバ」の文言が,サーバ機能とクライアント機能\を兼ねるコンピュータ(端末)に使用されていることを示すものにすぎず,サービスを提供する側が管理するサーバコンピュータの機能の一部をサービスの提供を受けるユーザー側が管理する端末に持たせることで,ユーザー側に対するサービスの提供を可能\とする構成を開示したものではない。したがって,原告主張の上記1)ないし3)に係る開示事項(甲34ないし43)は,根拠3)の裏付けとなるものではなく,結局,根拠3)は,本件発明1−1の「サーバ」の機能の一部を「利用者装置」が担ってもよいと解すべきことの根拠となるものではない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(行ケ)10167 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年10月31日 知的財産高等裁判所

 パチスロ機について、独立特許要件違反として訂正を認めなかった無効審決の取消訴訟です。知財高裁は、審判の判断を維持しました。
 原告は,丙1は,ビッグボーナスなるはボーナス当選した場合に遊技効果ランプを点灯開始させるものであるが,遊技効果ランプ点灯の有無を効果音の発生の有無に代えたとしても,効果音は1種類であって,音の種類により内部的当選の種類を知らせることは示唆されていないから,甲28発明に丙1の記載事項を適用する動機付けはなく,適用したとしても相違点4に係る構成にはならないと主張する。しかし,報知すべき役の種類が多ければ,それに応じて複数の効果音を用意すればよいことは,当業者にとって自明である。よって,丙1における遊技効果ランプ点灯の有無を効果音に代えた場合に,効果音が1種類となるとしても,そのこと自体は,甲28発明に丙1の記載事項を適用することを阻害するものとは認められない。原告は,丙1には,遊技効果ランプを点灯開始させることでビッグボーナスあるいはボーナス当選を報知し,リーチ音の発生によりビッグボーナスゲーム当選を報知することに何らかの技術的意義がある旨の記載はなく,甲28発明に適用する動機付けがないと主張する。しかし,遊技効果ランプを点灯開始させることでビッグボーナスあるいはボーナス当選を報知し,リーチ音の発生によりビッグボーナスゲーム当選を報知するということの技術的意義が,遊技効果ランプとリーチ音との組み合わせによる1つの入賞態様の特定にあることは,丙1にその旨の明記がなくとも,丙1に接した当業者であれば当然に理解できる。よって,丙1にその旨が明記されているか否かは,甲28発明に丙1の記載事項を適用することの動機付けの有無を左右するものではない。原告は,訂正発明9では,各列の可変表\示が順に停止して徐々に連動表示態様が判明していき,最後の列の可変表\示が停止して連動表示態様が確定することにより,入賞態様を報知するものであるが,甲28発明は,最初のリールが停止した時に入賞態様を報知するものであり,丙1は,2番目のリールが停止してリーチ状態になったときに報知するものであるから,甲28発明に丙1の記載事項を適用しても,相違点4に係る構\成とはならないと主張する。確かに原告が主張するように,甲28発明に丙1の記載事項を適用しても,訂正発明9のような「各列の可変表示が順に停止して徐々に連動表\示態様が判明していき,最後の列の可変表示が停止して連動表\示態様が確定する」という態様には至らない。しかし,可変表示開始時における報知の種類と,その後の,可変表\示停止時における報知の種類との組合せによって,1つの入賞態様であることが報知されることが容易想到である以上,可変表示停止時における報知をどのような態様で行なうかということに格別の困難性は認められない。可変報知時における報知として,各列の可変表\示の停止と連動した連動表示を採用することによって,連動表\示態様が徐々に判明するという作用効果があるとしても,それ自体は,予測可能\なものにすぎず特別顕著なものではない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(行ケ)10083 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年10月10日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
 引用例2(特開2000−224328号,甲11)によれば,引用発明2は,携帯電話機と一体をなす読取装置により,食品メニュー等に表示されたバーコードを読み取り(段落【0006】,【0007】,【0010】),バーコードに含まれるサーバーやデータベースのアドレスを送信すると(段落【0013】,【0015】),サーバーから携帯電話機に対して食品に含まれるエネルギー量などのデータが返信され,液晶パネルに表\示される(段落【0022】)装置であると認められる。また,引用発明2のサーバーは,商品たる食品の情報を管理し,これを携帯電話機に返信するためのものであるから,補正発明の「商品管理者」に相当するものと認められる。そして,引用発明1及び2は,いずれもバーコード読取装置と双方向の通信機能を備えた携帯端末を使用し,この携帯端末により物品等に表\示されたバーコードに含まれる情報を読み取り,双方向通信機能を利用して,他の装置との間でデータの送受信を行うシステムである点で共通しており,そのような基本的なシステムを前提として,読取り・送受信の対象たるデータの内容等の個々の構\成要素について,これらの発明の組合せにより変更することは,当業者が必要に応じて定める設計上の変更にすぎないというべきである。したがって,引用発明1に引用発明2を組み合わせ,商品管理者のアドレス等の情報を読み取って,情報の送信先とし,商品管理者から送信(返信)される情報を液晶画面に表示するという構\成とし,相違点eに係る補正発明の構成とすることは,当業者であれば容易になし得るといえる。さらに,双方向通信回線としてインターネット回線を使用することについても,文献を挙げるまでもない技術常識であるから,これを上記の構\成に適用して,PHS通信方式によるデータの送受信をインターネット回線を介した送受信に変更し,これに伴い,情報の送信先である商品管理者のアドレスをインターネット情報とすること,すなわち,相違点b,cに係る補正発明の構成とすることも,当業者が容易になし得たことである。
・・・・
原告は,審決が相違点dの判断に際して挙げた甲22公報(特開2000−222520号)について,インターネットを介して取得した画像を表示する点の開示がないと主張し,また,補正発明の構\成要素を一体として判断すべきである旨主張する。しかしながら,相違点dの構成が容易想到であることは,上記(3)イのとおりである。また,各相違点に係る補正発明の構成は,周知文献を挙げるまでもない程度の周知技術,技術常識であるか,設計上の変更にすぎないものであるから,審決が,相違点dと,相違点b,c,eの容易想到性をそれぞれに判断したことに誤りはない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(ワ)27941 損害賠償請求事件 特許権 民事訴訟 平成24年08月31日 東京地方裁判所

 アップルVSサムソンの特許侵害訴訟です。裁判所は、「ファイルサイズ」は,本件発明における「メディア情報」には該当しないとして、技術的範囲に属しない、すなわち、特許権侵害なしと判断しました。損害賠償のみで、差止請求はついてなかったんですね。
 上記記載によれば,本件発明は,従前のデータファイル等の一般的なファイルについて用いられていたファイル名や更新日などの情報の比較によるシンクロ方法には,シンクロが必要か否かの判定についての信頼性に課題があり,また,その処理が遅く非効率であったことから,特にメディアファイルについて,そのような課題を克服し,効率的でインテリジェントなシンクロを実現するために,上記のような一般的なファイルに備わるファイル情報ではなく,タイトル名,アーチスト名などの属性,あるいは,ビットレート,サンプルレート,総時間などの品質上の特徴という「メディア情報」に着目し,そのような「メディア情報」の比較に基づいて,メディアアイテムをシンクロする方法を採用した発明である,と認めることができる。
・・・・
 原告は,本件発明の「メディア情報」には,当然に「ファイルサイズ」が含まれるから,被告方法は構成要件G1及びG2を充足すると主張する。しかし,前記(1)ウのとおり,本件発明における「メディア情報」は,音楽,映像,画像等のメディアアイテムに特有の情報を意味すると解すべきところ,証拠〈略〉によれば,楽曲ファイル,ワードファイル及びエクセルファイルにおいて,「ファイルサイズ」は,ファイル名や更新日時といった項目と同列に扱われている一方,楽曲ファイルにおいては,「ファイルサイズ」はアーチスト,アルバムのタイトル,トラック番号,ジャンル,タイトル,長さ,ビットレート,オーディオサンプルレートといった楽曲に特有の情報項目とは区別された項目として分類されていることが認められるから,「ファイルサイズ」は,ファイル名やファイル更新日と同様に,ワードファイルやエクセルファイルなどの通常のファイルに一般的に備わるものであって,音楽ファイル等のメディアアイテムに特有の情報とはいえないというべきである。したがって,「ファイルサイズ」は,本件発明における「メディア情報」に該当しないと認めるのが相当である。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(行ケ)10302 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年07月26日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
 すなわち,i)引用文献1には,主に手動で行うことを主眼としているものの,「これらのうちいくつかはワクチンソフトウェアに実装され,自動化されている。」との説明がされており,同説明部分は,自動化がされていることを前提とした記述であると解され,また,ii)引用文献1には,「モニタリング法」について,「メモリ常駐型ワクチン」であり,「プログラムのファンクションコールやAPIの呼出しを監視する」と説明がされており,同説明部分も,自動でリアルタイムの監視を行う場合を前提とする記述であると解され,さらに,iii)引用文献1には,「動的ヒューリスティック法」について,「モニタリング法に静的ヒューリスティック法を応用したもので,実行中のプログラムの危険性をより正確に判定する」と説明がされており,同説明部分も,モニタリング法が「実行中のプログラムの危険性」を判定する自動でリアルタイムでの監視であることを前提とする記述であると解される。そうすると,引用文献1の「モニタリング法」は実行中のプログラムを自動でリアルタイムに監視するものと解されることになり,原告の主張は採用できない。
(イ) 「ウィルスの発病」について原告は,「実行形式のファイルプログラム」と「マクロをもちうる文書ファイル」を同一視して一致点と認定した点には誤りがあると主張する。しかし,原告のこの点の主張も採用できない。確かに,引用文献1は,前記1(3)記載のとおり,「実行形式のファイルプログラム」と「マクロをもちうる文書ファイル」とを区別し,それぞれのコンピュータウィルスにより,感染や増殖の機能や機構\\が異なる趣旨の記載がある。しかし,感染や増殖の機能や機構\\において異なるコンピュータウィルスが存在する旨の記述は存在するが,引用文献1の「3.対策」の項では,「実行形式のファイルプログラム」と「マクロをもちうる文書ファイル」を区別して論じていない。異なるコンピュータウィルスのいずれであっても,プログラム又はマクロの実行前にはメモリ上にロードすることが必須であり,ロードに際してファイルI/Oを伴うことに関して相違はない。そうすると,両者について格別の区別をせずに一致点とした審決の認定に誤りはなく,原告の主張は採用できない。
(ウ) 「ファイルI/Oをフックすること」について 原告は,引用文献1の「OSの機能をフックする」との記載から「ファイルI/Oをフックする」と認定することは,誤りであると主張する。しかし,原告のこの点の主張も,以下のとおり採用できない。すなわち,一般に,「OSの機能\」は多数の機能を有するが(甲14,17),これらの「OSの機能\」の中に「ファイルI/O」を含むことは,自明であると解される。そして,プログラムファイルを実行するためには,通常,OSが当該プログラムファイルをメモリ上にロードすることが必要であり,ロードするに際して,当該プログラムファイルのI/Oを伴うことは当業者にとっては自明である。この点は,引用文献1に「PC内に侵入したウィルスは,そのプログラムコードが実行されるまでは何もすることができない。」,「COMやEXEなどの実行形式のプログラムに感染するウィルスの場合は,ユーザによって,もしくはOS(Operating System)やその他のプログラムによって起動されるのを待っている。」,「アプリケーションソフトウェアのデータファイル(文書)のマクロ部分に感染するウィルス(マクロウィルス)の場合は,そのマクロを含む文書が開かれるのを待っている。」と記載されていることからも,明らかである(これはシフトキーを押しながら文書をオープンする際も変わらない。)。そして,モニタリング法が「プログラムの実行前に」プログラムのファンクションコールやAPIの呼出を監視するとされていることからすれば,引用文献1でいう「OSの機能\をフックする」との記載は,OSの機能のうちプログラムの実行前に行われる機能\をフックすることを含む趣旨と理解するのが自然であり,上記の当業者に自明の事項を前提とすると,「OSの機能」には「ファイルI/O」が含まれることが自明であるといえる。以上のとおり,引用文献1の「OSの機能\をフックする」との記載に接した当業者は,「ファイルI/Oをフックする」ことを含むとものと理解するから,「OSの機能をフックする」との記載を「ファイルI/Oをフックする」ことを含むものとした審決の一致点の認定に誤りはない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(行ケ)10001 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年07月11日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、発明の成立性なしとした審決が維持されました。
請求項1は、
 母音「イ」のローマ字表記を“i”と“y”の二字とし,カ行・ダ行・ラ行は,母音と組み合わせる子音を複数化する。ヤ行・ワ行はヤ行のイ段をのぞく全段において,y・wを母音の前に残し,外来語を考慮した「関連音表記」を持つローマ字表\。
です。
 特許法29条1項柱書は,「産業上利用することができる発明をした者は,次に掲げる発明を除き,その発明について特許を受けることができる」と定め,その前提となる「発明」について同法2条1項が,「この法律で『発明』とは,自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう」と定めている。そして,ゲームやスポーツ,語呂合わせといった人間が創作した一定の体系の下での人為的取決め,数学上の公式,経済上の原則に当たるとき,あるいはこれらのみを利用しているときは,自然法則(law of nature)を利用しているとはいえず,「発明」には該当しないと解される。かかる見地から本件出願に係る請求項1〜3をみるに,そこに記載の事項は,いずれも,人為的な取決めないしは人間の精神活動のみに基づく取決めであって,自然法則を利用しているとはいえず,特許法2条1項,29条1項柱書にいう「発明」には該当せず,特許を受けることはできない。3 なお,原告は,本件出願に係る事項は,単語性という統合理念によって要請された取決めであり,人為的取決めではないなどと主張するが,本願請求項,明細書及び図面に記載の事項は,「仮名文字表記」と「ローマ字表\\記」という人間が創作した一定の体系の下で人間が定めた取決めないしルール(人為的取決め)にすぎないことに変わりはない。原告の上記主張は採用することができない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 成立性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成24(行ケ)10096 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年07月11日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、発明の成立性なしとした審決が維持されました。
請求項は、 【請求項1】
入札による一定条件下での選抜と任意抽選または条件付の抽選による土木・建築工事業者(以下,業者という)の選定方法に関するもの。
です。
 特許法における発明とは,「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう」(2条1項)ところ,ここにいう「自然法則を利用した」とは,単なる精神活動,数学上の公式,経済上の原則,人為的な取決めにとどまるものは特許法上の発明に該当しないものとしたものである。請求項1に記載の事項は,入札において一定条件による選抜と抽選を用いて業者を選定することをその構成とするものであって,全体として,人為的取決めに当たることは明らかである。原告は,確率論に基づく抽選が自然法則の利用に当たる旨主張するが,人為的取決めの中に数学上の法則によって説明可能\な部分が含まれているというにすぎず,上記事項が人為的取決めに当たるとする前記判断を左右するものではない。請求項2以下についても,原告が準備書面で主張するところをもってしても,上記判断を超えて,これら請求項記載の事項が人為的取決めではなく自然法則を利用したものに該当するとの判断に至ることはできない。このように,特許請求の範囲に記載の事項は,全体として人為的取決めであり,自然法則を利用したものということはできず,特許法にいう「発明」には該当しないのであって,審決の判断に誤りはない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 成立性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(行ケ)10228 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年06月13日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、引用文献に認定誤りを理由に、進歩性なしとした審決が取り消されました。
 すなわち,上記(2)で検討したとおり,引用発明2において,音声出力手段による文章の読み上げが進む間,ディスプレイ手段の画面には,データ入力可能位置指標によって読み上げ位置が示されるだけで,データ入力可能\位置を指示するカーソルが別に表\示されるとは認められず,また,文章中の表記の誤りが検知され,操作者による停止指示があった時は,文章の読み上げが停止されるとともに,上記データ入力可能\位置指標は,少し戻されて停止され,その位置がデータ入力可能位置として示されるだけで,音声出力手段による文章の読み上げ位置を示すカーソ\ルが別に表示されるとは認められない。そうすると,引用発明2において,「入力可能\位置指標」は,「文書読み上げにおいて,読み上げ位置を指示し(本願発明の「音声カーソル」に相当する。)」ているとしても,文書読み上げにおいて,データ入力可能\位置を指示しているとは認められず,また,「両者は読み上げ中は同じ位置で連動させる連動手段を有し」,「停止指示がなされると所定の距離だけ離間して両カーソルが位置する」とも認められないから,審決における引用発明2の上記の認定には,誤りがある。そして,引用刊行物2の技術と同様,引用発明2は,単一のカーソ\ルを備え,このカーソルの機能\を,本願発明における「音声カーソル」としての機能\と「テキストカーソル」としての機能\とに選択的に切り替えるものである。
5 相違点に係る構成の容易想到性の判断について
 上記2で検討したとおり,引用発明1において,音響的に再生されている言語の強調表示(本願発明の「音声カーソ\ル」に相当。)とは別に,表示画面上の検出誤りがある言語にカーソ\ルが配置及び表示され,この言語を操作者が訂正できるとは認められず,また,引用発明1は「音声カーソ\ルと同じ位置で連動するテキストカーソル,あるいはテキストカーソ\ルと同じ位置で連動する音声カーソルを有して」いるとも認められない。そして,上記3及び4で検討したとおり,引用刊行物2の技術及び引用発明2は,いずれも,単一のカーソ\ルを備えるものであるから,テキストの編集に際してテキストカーソルを表\示することが本件優先日における周知技術であるとしても,音響的に再生されている言語の強調表示とは別に,表\示画面上の検出誤りがある言語にカーソルが配置及び表\示されない引用発明1と,単一のカーソルを備え,このカーソ\ルの機能を,本願発明における「音声カーソ\ル」としての機能と「テキストカーソ\ル」としての機能とに選択的に切り替える,引用刊行物2の技術及び引用発明2とからは,「表\示手段に表示される前記認識テキスト情報の誤ったワードにテキストカーソ\ルを配置及び表示し,ユーザにより入力された編集情報に従って前記誤ったワードを編集する」ようにし,「前記テキストカーソ\ルと前記音声カーソルとを同じ位置又は所定の距離だけ離間した位置に配置するため,前記表\示されたテキストカーソルを前記表\示された音声カーソルに,あるいは前記表\示された音声カーソルを前記表\示されたテキストカーソルに連動させる」本願発明の構\成とすることを,当業者が容易に想到し得たとは認められない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 要旨認定
 >> 引用文献
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(行ケ)10412 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年05月24日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。代理人無しの本人出願です。
 原告は,本願発明は,・・・との3つの技術が同時に働き,カタカナ英語を適切に処理することができるのに対し,引用例には,かかる技術が記載も示唆もされていない,また,本願発明は,カタカナ英語の濫用の抑制,カタカナ英語の使用方法の統一,日本人の平均的な英語のレベル向上との効果を奏するものであって,本願発明と引用発明では奏する効果も異なる,と主張する。しかし,本願発明に係る特許請求の範囲の記載は,前記第2の2記載のとおりであり,原告が主張する本願発明に係る上記技術事項及び効果は,特許請求の範囲の記載に基づかない主張であって,失当である。  

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(行ケ)10229 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年03月28日 知的財産高等裁判所 

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。出願人はインターネット上でナビゲーションサービスを行っている会社です。
 原告は,引用例には「経路外れ地点に進入するリンクに対しては,コストを変更しないコスト変更手段」という特徴に到達するためにしたはずである示唆等が存在しないし,退出リンクを避けた経路は,利用者にとって避けたいルートであり,エリアとは「一定の領域」を意味するから,単なる経路にすぎない「退出リンク」を利用者にとって避けたいエリアと主張するのは,引用例で示唆されていない概念を不当に拡張するものであると主張する。しかしながら,引用例に「退出リンク」のみを逸脱リンクとして記憶する態様が記載されており,本件補正発明と引用発明が「経路外れ地点に進入するリンクに対しては,コストを変更しないコスト変更手段」において一致するとした点に誤りはない。引用例においては,ノードとリンクからなる経路を算出するものである以上,「エリア」が一定の領域の意味であるとしても「ノード」と「リンク」とによって表現されたものであるし,引用例に利用者が渋滞等が生じている経路を避けたい場合が記載されていないということはできず(【0003】【0022】),「利用者が避けたいエリア」は,渋滞等が生じている経路であるリンクを中心としたエリアを含むものである。イ 原告は,本件審決の一致点の認定が正しいとしても,本来の退出リンク(リンクID:n3)のリンクコストのみが高く設定され進入リンク(リンクID:n1)のリンクコストが変更されないとすると,進入リンク,ノード,リンク(リンクID:n2)に至る経路が探索され得ることになり,利用者にとって避けたいエリアに進入する経路が算出され,引用例に記載された発明の課題が解決されないこととなるから,上記発明から本件補正発明を容易に想到することはできないと主張する。しかしながら,引用例の記載によれば,「利用者が避けたいエリア」には,リンクとなる渋滞が生じている経路を中心としたエリアが含まれており,これを利用者が避けたい利用者に対してこの経路を避けることは,「利用者の事情を考慮した最適な目的地経路の算出」(【0005】)という引用発明の目的に合致する。よって,退出リンクのみを記憶する態様が引用例に記載された課題及び目的に反するものであるということはできないし,このことを根拠として本件補正発明が引用発明から容易に想到できないということもできない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(行ケ)10265 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年04月09日 知的財産高等裁判所

 相違点4,5に係る構成に想到することは容易でなかったとして、進歩性違反無しとした審決が維持されました。
 本件明細書の段落・・・」との記載があり,他の実施形態についても同趣旨の記載がある。そうすると,本件発明2にいう「収集条件」とは,単に車両の「特定挙動」に関わるいかなる情報(データ)を収集・記録するかについての条件を意味するというべきであり,データレコーダの利用者(運転者)においてこの条件を任意に変更することができ,条件に係る数値(閾値)が記録媒体に記録される。他方,甲第1号証中の段落【0018】には,「表3はメモリカード3に記憶されるデータを示す表\である。・・・また,データ収集時における指示を予め設定しておくことによってサンプリング周期等を所望の値に容易に変更することができる。」と記載されており,表\3では,入力できるデータ項目として,「サンプリング周期」のほかに「データ選択指示」(サンプリングデータの要否選択データ)が掲げられている。そうすると,甲第1号証発明2にいう「データ収集時における指示」とは,車両の挙動に関わるデータ(交通事故発生時のデータを含む。)を収集・記録するのに先立って,データ収集装置の利用者が,データ収集・記録の周期(頻度)やいかなるデータを収集・記録するかにつき,設定・変更すること(指示)を意味するというべきである。そして,前記のとおり,本件発明1にいう「特定挙動に関わる情報」も甲第1号証発明1にいう「運行状態データ」も,例えば角速度のような車両の挙動ないし客観的状況を示すデータを主として指すもので,相違点1は実質的なものではないから,本件発明2にいう「収集条件」も甲第1号証発明2にいう「データ収集時における指示」も,車両の挙動ないし客観的状況を示すデータ(情報)を収集・記録するかについての条件である点において異なるものではない。そうすると,相違点3は実質的なものでないか,甲第1号証において,乗務員の車両運航を管理する固定局において「データ収集時における指示」を入力することが予定されており(甲1の段落【0017】),複数ないし多数の車両につき同一の条件で一括して「指示」をすることに繋がりやすいことを考慮しても,当業者において甲第1号証発明2に基づいて容易に解消できる程度のものにすぎない。(2) 前記のとおり,本件発明1においては交通事故の発生が必ずしも前提とされていないが,甲第1号証発明1のドライブレコーダとしての機能は,交通事故の発生を前提としており,記録媒体のデータを運転者の交通事故に繋がり得る操作(運転)の傾向を把握するために利用することは,甲第1号証中で記載されていないところ,かかる事情は本件発明2においても異なるものではない。そうすると,相違点4,5は実質的なものであり,また本件優先日当時,当業者において,甲第1号証発明2に甲第2号証に記載された発明を適用することは困難で,甲第3号証に記載された発明を適用しても,相違点4,5に係る構\成に想到することは容易でなかったというべきである。したがって,相違点3に係る構成は容易想到であるが,相違点4,5に係る構\成は容易想到でないから,本件発明2の進歩性を肯定した審決の判断に誤りはない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(ワ)17848 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟 平成24年03月26日 東京地方裁判所

 医療用画像解析ソフトに関して、技術的範囲外と認定されました。
 前記(2)ア(ア)ないし(ウ)のとおり,被告方法において,被告ソフトウェアは上記数式1及び2によりボリュームレンダリング処理を実行するものであるところ,上記ア(ア)の数式1の「V」は視線上の各ボクセルのCT値を,αは不透明度関数を,cは色関数を表すものであり,数式1は,視線上のボクセルにつき設定された色及びオパシティ値につき積算処理を行うものと認められるから,上記ア(ア)の数式1を用いて行う処理は,本件発明1の「空間座標点毎の前記色度および前記不透明度を該視線毎に互いに積算」するものに相当する。(イ) しかし,前記ア(イ)のとおり,被告方法においては,数式1の積算処理に関し,数式2による閾値の設定がされており,数式1の積算処理は,数式2で設定された閾値に達した時点で打ち切られるものと認められるところ,被告方法においては,上記計算打ち切り処理により,視線上のボクセルデータ中に,積算処理の対象とされないものが存在することが認められる。そうすると,被告方法は,「全ての」空間座標点毎の前記色度および前記不透明度を該視線毎に互いに積算するものに当たらないこととなる。
(ウ) したがって,その余の点について検討するまでもなく,被告方法は,構成要件1−Bを文言充足しない。これに反する原告の主張は採用しない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(行ケ)10269 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年03月28日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が取り消されました。クレームも結構、興味深いです。
 本願発明は,複数のデバイスの間におけるデータの送受信を制御する手段として「電子計算機用インターフェースドライバプログラム」の構成を採用したものであり,第1デバイスと第2デバイス,これらに対応する第1デバイスドライバと第2デバイスドライバを構\成に含むものである。これに対し,国際公開98/47074号(甲2,翻訳文は甲3)及び滝口政光「超初心者のためのWindows NT デバイスドライバ入門」Interface1999年6月号(甲4)によれば,これらの文献には,カーネルモードで動作するファイルシステムドライバ,中間ドライバ,デバイスドライバが階層を形成し,I/Oマネージャが,それら階層化されたドライバ間のデータの受渡しを仲介する技術が開示されているものの,そこで示されるドライバは,電子計算機に接続された同じデバイスに対する入出力要求を処理するために階層化されているものであり,このような階層化されたドライバが一体となって対応する各別のデバイス相互の関係に相当するものではないし,さらにその複数のデバイスを制御するそれぞれのデバイスドライバ相互の関係を示すものではない。これらの文献には,複数のデバイスの間におけるデータの送受信を制御するに際し,I/Oマネージャにアプリケーションプログラムからデバイスドライバへのデータの送受信を行うための共通のインターフェース手段として電子計算機を機能させる技術は開示されていない。そうすると,甲2文献及び甲4文献に開示されたI/Oマネージャは,複数のデバイスの間におけるデータの受渡し(送受信)を仲介(制御)するものではないから,本願発明の「電子計算機用インターフェースドライバプログラム」には相当せず,このようなI/Oマネージャを引用発明に適用したとしても,相違点1に係る本願発明の構\成には至らない。また,引用発明は,上記2で認定したとおり,ユーザモードで動作する制御エージェントが複数のソフトウェア・ドライバ(デバイスドライバに相当する。)を相互接続するものであり,かつ,各ソ\フトウェア・ドライバ自体に,ドライバを接続するための「接続ピン・インスタンス」を形成し,これによりソフトウェア・ドライバを相互接続するという方式を採用するものである。被告は,引用例において,ソ\フトウェア・ドライバを相互接続する際にI/OマネージャやIRPを用いてデータを伝送する具体例が記載されている旨主張するが,その具体例においても,ユーザモードで動作する制御エージェントにより相互接続が行われるのであって,I/Oマネージャが制御エージェントに代替し得る関係にはない。そうすると,このようなユーザモードで動作する制御エージェントや「接続ピン・インスタンス」の形成による相互接続に代えて,カーネルモードで動作する本願発明の「電子計算機用インターフェースドライバプログラム」に相当する構成を採用することが,当業者にとって容易に想到し得るとはいい難い。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(行ケ)10182 審決取消請求事件(特許) 特許権 行政訴訟 平成24年02月21日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性否定されました。
 この点に関し原告は,「本願発明は,患者の問診情報を診察部門だけでなく管理,受付部門および待合室の端末機で利用することにより,例えば本願の願書に添付した明細書の段落【0023】に記載されているように診察の準備や優先的な誘導など診察までの手続などを効率よく行うことができるものであり,単に院内に多数の端末を設けて情報の使用を図るというものではないのに対して,引用例2に記載の発明では問診事項に特化したサーバの記載はなく,受付部門に端末がないことからも引用例2に記載の発明の端末機構を引用発明に適用しても本願発明の相違点1にかかる構\成とすることはできない」と主張する。しかし,本願明細書の段落【0023】の記載を考慮しても,本願発明は,端末機が「管理,受付部門,診察室および待合室にそれぞれ設けられ」,及び「入力された個人情報および受診情報(問診情報)は,医療機関のサーバへ送信されるとともに診察室に設置された端末機に送信される」との事項で特定されるにとどまるものであって,個人情報および受診情報が,管理,受付部門の端末機に送信されて,診察の準備や優先的な誘導などの診察までの手続を行うことまで特定されているとは認められない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 相違点認定
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(行ケ)10155 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年02月15日 知的財産高等裁判所 

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
 以上のように,引用例において,「注釈」が,「メモ」及び「ブックマーク」を含むものであって,電子的出版物の読者がドキュメント中の特定箇所(コンテキスト部分)に関連付けることが可能なものであり,かつ,もとの出版物(ドキュメント)とは別々に格納することができる点で「メモ」,「ブックマーク」及び「プレースマーク」と並列して記載されていることに鑑みると,引用例にいう「注釈」は,「メモ」,「ブックマーク」及び「プレースマーク」を包括的に代表\するものとして記載されているものと認められる。このように,引用発明にいう「注釈」は,これに対応するテキスト(コンテキスト部分)とコーディネートにより関連付けられており,かつ,「ブックマーク」を含む概念であるから,引用例には,そこにいう「注釈」(ブックマーク)に,前記アに認定の,ブックマークに関する当該技術分野における周知技術を組み合わせることについて示唆ないし動機付けがあるものといえる。ウ 以上によれば,引用例に接した当業者は,電子的に作成された文書の特定の部分に関連付けられた特定の情報(ブックマーク)をユーザが選択した場合に,当該特定の情報(ブックマーク)に関連付けられた当該文書の特定の部分が表示画面上に別個に表\示されるというブックマークに関する当該技術分野における周知技術を,引用発明にいう「注釈」に適用することで,ユーザがドキュメントとは別々に格納された注釈を選択した場合に,上記関連付けを利用して,当該注釈に対応するドキュメント中の特定箇所(コンテキスト部分)を,当該注釈と併せて表示画面上に別個に表\示することについて容易に想到することができたものというべきである。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(行ケ)10105 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年02月07日 知的財産高等裁判所

 画面の入力インターフェイスについて、進歩性なしとした審決が維持されました。
 上記記載によれば,画面表示部を有する情報処理装置において,メニューを文字又は画像の情報と重ねて配置して表\示することは,原出願の出願時(平成9年11月27日),当該技術分野においてほぼ周知の技術であったと認めることができる。
(4) 本願補正発明と引用発明との対比 前記(1)ないし(3)から本願補正発明と引用発明とを対比すると,両者の一致点及び相違点の認定並びに相違点(1)及び相違点(2)に対する判断は,審決の認定・判断(5頁9行〜7頁下8行)のとおりであって,本願補正発明は,引用発明及び甲2文献に示される周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから,特許法29条2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができないものと認めるのが相当である。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(行ケ)10065 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年01月31日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
 上記(1)認定事実によれば,PC,データ端末を用いて遠隔アクセスできるコンピュータ・ネットワーク装置によってアクセスするために,加入者の個人電話番号帳及び加入者の発信履歴と着信履歴等の加入者に関する電話番号情報をデータベースに記憶し,この電話番号情報の表示のためにコンピュータ・ネットワーク装置を遠隔アクセスすること,また,表\示された電話番号を指定することによって,指定された電話番号へ自動的に発信させること,及びデータ端末と電話端末との連携動作により,効率的かつ操作性に優れたオフィスワークやコミュニケーションが実現できることが,記載されている。そして,引用発明1は,利用者がデータ端末を操作して,このデータ端末とLANで接続され遠隔アクセスできるコンピュータに対し,上記データ端末と協調関係にある音声端末と他の音声端末とを接続するように要求を出し,上記コンピュータから二者間接続のメッセージを受けた交換機が接続を確立するものであるから,引用発明1において,利用者による上記データ端末操作を操作性に優れ,効率よく行えるようにすることは,当然に考慮されることである。そうすると,引用発明1において,データ端末とLANで接続され遠隔アクセスできるコンピュータに,加入者の個人電話番号帳及び加入者の発信履歴と着信履歴等の加入者に関する電話番号情報を記憶し,上記電話番号情報の表示のためにデータ端末から上記コンピュータに遠隔アクセスすることは,音声端末間の接続要求のためのデータ端末操作を操作性に優れ,効率よく行えるようにするために,上記の技術を適用することにより,当業者が容易に想到し得たものと解するのが相当である。また,LAN(構\内通信網)上のサーバに情報を記憶しておき,ウエブ・ブラウザからサーバの該情報にアクセスして,ウエブ・ブラウザ上で該情報を表示することは,本願の優先日前において,当該技術分野における常識的な技術であると認められるから,引用発明1に上記の技術を適用する際に,コンピュータをウエブ・サーバとし,データ端末からLANで接続されたコンピュータへの遠隔アクセスに,ウエブ・ブラウザを用いることは,当業者が通常実施する手段といえる。以上によれば,引用発明1において,相違点2に係る構\成とすることは,上記周知の技術を適用することにより,当業者が容易に想到し得たとした審決の判断に誤りはない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(ネ)10013 特許権侵害差止等請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成24年01月24日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、知財高裁も特許権侵害でないとした1審判断を支持しました。
 上記記載によれば,本件各特許発明は,「券情報」と「発券情報」という2種類の情報を地上の管理センターから受ける場合,伝送される情報が2種になるために通信回線の負担が1種の場合に比べて2倍になってしまうとともに端末機の記憶容量と処理速度も2倍になってしまうという従来技術の問題点を課題として,これを解決すべく,管理センターに備えられるホストコンピュータにおいて,「券情報」及び「発券情報」に基づき,かつ,「座席管理地の座席レイアウト」に基づいて,1つの表示情報である「座席表\示情報」を作成し,これをホストコンピュータから座席管理地に備えられる端末機に伝送し,当該端末機が,これを入力して,その表示手段(ディスプレイ等)において表\示するという構成を採用することによって,前記ホストコンピュータから前記端末機へ伝送する情報量が半減され,通信回線の負担と端末機の記憶容量と処理速度等を軽減するとともに,端末機のコストダウンが図られ,本発明のシステムの構\築を容易にするという効果を達成した発明であると認めることができる。 したがって,本件各特許発明の「座席表示情報」とは,ホストコンピューターにおいて,「券情報」,「発券情報」及び「指定座席のレイアウト」といった個々の情報を1つの情報に統合することによって,これを端末機に送信すれば,端末機において他の情報と照合する等の格別の処理を要することなく座席の利用状況を表\示し,目視することができる情報と認めるのが相当である。
・・・・
前記認定のとおり,本件各特許発明の「座席表示情報」とは,ホストコンピューターにおいて,「券情報」,「発券情報」及び「指定座席のレイアウト」といった個々の情報を1つの情報に統合することによって,これを端末機に送信すれば,端末機において他の情報と照合する等の格別の処理を要することなく座席の利用状況を表\示し,目視することができる情報と認められるところ,前記(1)イで認定した被告システムの構成からすれば,被告システムにおいては,センターサーバーから車掌用携帯情報端末に送信される情報は,「編成パターン情報」と「座席・乗車券情報」という別々の情報であって,本件各特許発明における「座席表\示情報」に相当する情報,すなわち,「端末機において他の情報と照合する等の格別の処理を要することなく座席の利用状況を表示し,目視することができる情報」は,上記「編成パターン情報」と「座席・乗車券情報」を統合処理す ることによって車掌用携帯情報端末において作成されているから,被告システムはホストコンピュータにおいて本件各特許発明にいう「座席表示情報」を作成・記憶・伝送するものでなく,かつ,車掌用携帯情報端末は伝送された上記「座席表\示情報」を入力・記憶・表示するものではないと認められる。したがって,被告システムは,本件各特許発明の構\成要件1−Cないし1−H,2−Cないし2−Hを充足しない。

◆判決本文

◆原審はこちら。平成21(ワ)25303平成22年12月22日東京地裁

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

 平成23(行ケ)10133 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年01月17日 知的財産高等裁判所 

 携帯電話端末のUI(CS関連発明?)について、限定的減縮違反、および新規事項であるとした審決が維持されました。
 甲6補正発明と本願補正発明とを対比すると,甲6補正発明では,通信機能の停止を維持しながら「時計機能\」,「電話帳機能」,「マイクによる音声を電気信号に変換する機能\」及び「スピーカによる電気信号を音声に変換する機能」を含む複数の機能\それぞれを選択可能としているのに対し,本願補正発明では,通信機能\の停止を維持しながら,上記「複数の機能」のうち「時計機能\」及び「電話帳機能」のみをそれぞれ選択可能\としたものであるから,本件補正により,通信機能の停止を維持しながら選択可能\な機能の一部が削除されていると認められる。そして,その結果,本願補正発明では,「時計機能\」及び「電話帳機能」以外の機能\について,どの機能を通信機能\の停止を維持しながら選択可能とするかは任意の事項とされることに補正されたといえる。そうすると,本件補正により,直列的に記載された発明特定事項の一部が削除され,特許請求の範囲の請求項1の記載が拡張されていることは明らかであるから,本件補正は特許請求の範囲を減縮するものとはいえず,「特許請求の範囲の限定的減縮」を目的とするものに該当するとは認められない。また,本件補正は,誤記の訂正,明りょうでない記載の釈明を目的とするものにも該当しないことは明らかである。以上によれば,本件補正について,「平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。」とした審決の判断に誤りはない。
・・・・
 この点,確かに,本願の当初明細書等の上記各段落の記載からすれば,通信機能を停止させた際にも「制御部10」は「電源線22」から電力供給されて動作可能\な状態となっていることから,通信機能停止処理中であっても,「制御部10」が,電源が供給されている「中央処理装置4」,「記憶部5」,「入力部6」,「表\示部7」及び「停止認識部13」と協働して適宜必要な動作を実行することは自明であり,また,図1を参照すると,「マイク8」及び「スピーカ9」は「制御部10」に接続されているから,通信機能停止処理中であっても接続先の本体部(「制御部10」)に電源が供給されている限り使用可能\となり,協働して音声入力及び出力動作を実行し得ることは自明であると認められる。しかし,それは,通信機能停止時,「マイク8」及び「スピーカ9」には電源が供給され,「マイク8」及び「スピーカ9」も協働して音声入力及び出力動作を実行し得ることが自明であるというにとどまり,使用者が,「通信機能\の停止を維持しながら」,「マイクによる音声を電気信号に変換する機能」及び「スピーカによる電気信号を音声に変換する機能\」を適宜選択し,これらの機能を動作させることが本願の当初明細書等の記載から自明な事項であることを意味するものではない。そうすると,甲6補正は,本願の当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入しないものとはいえないから,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものとは認められない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 補正・訂正
 >> 新規事項
 >> 限定的減縮
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(ネ)10056 特許権侵害差止等請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成24年01月16日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、非侵害とした原審が維持されました。
 本件特許発明の特許請求の範囲においては,(使用されている)「すべて」の市外局番及び市内局番という文言が用いられているのであって,範囲の広狭がある場合には,最も広い範囲を指すと解するのが自然であり,逆に,これを「調査対象となる一定の地域」に限定する記載はない。本件明細書(甲1,47)の記載をみても,【課題を解決するための手段】(段落【0009】)には,「調査対象となる一定の地域」の市外局番及び市内局番に限定する旨の記載はなく,唯一の実施例も,「ここまでは1台のパソコン1で北海道・青森県・秋田県・岩手県エリアの調査を行うと説明した。同様にして,全国の電話網をいくつかの地域に分割し,それぞれの地域にて全国の電話番号の調査を複数の地域に分散した複数のパソ\コンで分担実行する。そして,それぞれに担当した地域の前記調査リストを通信などを通じて1つに集約することで,全国的な広域の調査リストを作成できる。」(段落【0032】)と記載されるように,全国を対象として調査するものである。なお,控訴人が主張の根拠とする記載(段落【0011】〜【0013】,【0026】)は,全国を調査する一環として,ある地域を分担したパソコンによる調査方法を説明したものであって,控訴人の主張するような,一定の地域に限定して調査を行う旨の記載であるとは認められない。また,控訴人は,訂正審決が本件明細書の段落【0013】を根拠に訂正を認めたと主張するが,審決は,当該段落に加えて上記の段落【0032】も引用して訂正事項が当初明細書に開示されていると認定したのであり(甲47),控訴人の主張に沿う判断をしたものではない。さらに,本件特許発明の解決課題・作用効果についても,従来技術の2つの課題のうちの1つである「交換局の輻輳の問題」(段落【0006】)に対して,本件特許発明では,全国を複数のパソ\コンで分担調査することにより,コンピュータに近い交換局の輻輳が起きないという効果を奏する旨記載されているのであって(段落【0034】,【0039】),この点においても,全国の調査を前提とするものである。したがって,構成要件Aの「使用されているすべての市外局番および市内局番」とは,調査対象となる一定の地域において使用されているすべての市外局番及び市内局番を意味するという控訴人の主張は,採用することができない。そして,控訴人のその余の主張は,上記説示により排斥された解釈を前提として,一定の地域においては,被控訴人が調査対象としていない局番が存在せず,すべての局番を調査していることになるので,構成要件Aを充足しているというものであるから,その前提を欠くことになる。\n

◆判決本文

◆原審はこちらです。平成21(ワ)35411

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 均等
 >> 第5要件(禁反言)
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(ネ)10049 特許権侵害差止等請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成23年12月08日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、控訴審でも、技術的範囲に属しないと判断されました。
 そして,前記(2)によれば,システム管理者が入力用データのファイルを作成する段階で,ネットワーク接続したイ号サーバシステムにおいては,各既存システム内に存在する製品に関する情報を,イ号ソフトの機能\を用いずに,各既存システムのアプリケーションなどを用いて部品情報テーブル,構成情報テーブル,属性情報テーブルで構\成される所定の形式に整理・記述して,入力用データのテキストファイル(CSV形式)を作成し,イ号ソフトをインストールしたサーバ内にコピーした後,イ号ソ\フトがその一部を専用のファイル形式にデータ変換し,イ号ソフトをインストールしたサーバ内にイ号データベースを構\築する方法を採用している。そうすると,ネットワーク接続したイ号サーバシステムは,画面表示手段によって製品の各部位を示す項目が部品表\に示された階層関係に従って画面に表示され,項目指示手段によって前記画面の任意の項目の表\\示部が指示されたうえで,その指示項目に対して登録する情報を所定の記憶領域に入力処理を行うものではないから,本件発明の構成要件Fに係る「入力処理手段」を備えていない。\n

◆判決本文

◆原審はこちらです。東京地方裁判所平成20年(ワ)第33440号

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成23(ネ)10004 特許権侵害差止等請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成23年11月30日 知的財産高等裁判所

 用語「車載」が争われたナビゲーション特許について、原告は、控訴審で、均等侵害を追加しました。文言侵害については、1審と同じく否定され、均等侵害についても、置換可能でないとして、否定されました。
 原告の上記予備的主張は,控訴審において新たに提出された攻撃方法であり,時機に後れたものと評価されるべきであるが,その点はさておいても,原告の予\備的主張は,以下のとおり失当である。すなわち,本件各特許発明における「車載ナビゲーション装置」における「車載」の意義は,前記のとおり,車両が利用されているか否かを問わず,車両に積載されて,常時その状態に置かれていることを意味する。このような状態に置かれていることにより,ユーザは,ナビゲーションの利用を欲したにもかかわらず,持ち込みを忘れるなどの事情によって,その利用の機会を得られないことを防止できる効果がある。これに対して,被告装置は,前記のとおり,端末等は携帯(保持)されているものであるから,ユーザは,端末等を車内に持ち込まない限り,車両用のナビゲーション装置としては利用することができない。したがって,本件各特許発明における構成要件「車載ナビゲーション装置」を被告装置の「送受信部を含んだ携帯端末」に置換することによって,本件各特許発明が「ナビゲーション装置が車載されたこと」としたことによる課題解決を実現することはなく,本件各特許発明において「車載ナビゲーション装置」としたことによる作用効果が得られず,結局,本件各特許発明の目的を達することができない。以上のとおりであり,被告装置におけるユーザにおいて保持する本件携帯端末が,本件特許発明1の構\成要件1−A及び1−F,本件特許発明2の構成要件2−A及び2−H所定の「車載ナビゲーション装置」と均等であるとする原告の主張は採用できない。\n

◆判決本文

◆原審はこちらです。平成21(ワ)35184平成22年12月06日東京地裁

関連カテゴリー
 >> 均等
 >> コンピュータ関連発明
 >> 裁判手続

▲ go to TOP

平成22(行ケ)10380 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成23年09月28日 知的財産高等裁判所 

 スロットマシン(CS発明)について、異なる構成は、課題解決に不可欠な構\成ではないとして39条違反はないとした審決を維持しました。
 特許法39条2項所定の「同一の発明」について,複数の発明相互の構成において,相違部分がある場合に,その相違点に係る構\成が,解決課題に対して,技術的な観点から何ら寄与しないと評価される場合には,複数の発明は,同一の発明と解すべきであるが,相違点に係る構成が,そのように評価されない場合には,特許法39条2項所定の同一の発明とはいえない。そこで,上記観点から検討する。甲18ないし甲20には,ぱちんこ遊技機において,当たりを表\示と音で報知することが記載されている。ぱちんこ遊技機では,ぱちんこ遊技機自体が所定時間後に自動的に事前に決定された当選フラグ役に対応した図柄で停止させる。これに対し,回胴式遊技機(スロットマシン)では,遊技者が停止ボタンを押して図柄を停止させる必要があり,停止ボタンを押すタイミングによって停止時の図柄が変化し得るから,遊技者はビッグボーナス当選の報知があるとビッグボーナス識別情報を揃えようと努力をするため,当該報知を行うことによる効果において,相違があると認められる。以上の事実に照らすならば,甲18ないし甲20の記載を考慮したとしても,ビッグボーナス役が内部当選していることを音で報知するとの技術が,スロットマシンの技術分野において,解決課題に対して,技術的な観点から何らの寄与をしないと評価されるような構成であると認めることができない。甲46には,スロットマシンの技術分野において,入賞が得やすい停止ボタンの操作時期を音と光で報知する技術が記載されている。しかし,甲46には内部抽選に関する記載がないことからすると,甲46のスロットマシンは内部抽選と引き込み制御を有するパチスロではなく,甲46にいう入賞が得やすいストップスイッチの操作時期とは,入賞を与える絵柄が揃うタイミングを意味し,ビッグボーナス役が内部当選しているという状態とは異なると認められる。したがって,甲46の記載があったとしても,ビッグボーナス役が内部当選していることを音で報知するとの技術が,スロットマシンの技術分野において,解決課題に対して,技術的な観点から何らの寄与をしないと評価される構\成であると認めることができない。甲9及び甲21の記載があったとしても,同様に,ビッグボーナス役が内部当選していることを音で報知するとの構成が,スロットマシンの技術分野において,解決課題に対して,技術的な観点から何らの寄与をしないと評価される構\成であると認めることができない。その他,原告は,縷々主張するが,いずれも,採用の限りでない。本件特許発明と特許第4058084号発明とは,特許法39条2項所定の同一の発明であるとはいえず,審決は同項に違反しない。

◆判決本文

◆関連です

関連カテゴリー
 >> その他特許
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(ワ)35411 特許権侵害差止等請求事件 平成23年08月30日 東京地方裁判所

 CS関連発明について、特許権侵害でないと判断されました。文言侵害、均等侵害とも否定されました。問題となった文言は、「使用されているすべての市外局番および市内局番と加入者番号となる可能性のある4桁の数字のすべての組み合わせからなる電話番号を調査対象とする」です。
 被告サービスが本件発明の特許請求の範囲に記載された構成と均等であるか否かについて検討するに,平成10年最判は,特許請求の範囲に記載された構\成中に対象製品等と異なる部分がある場合に,なお均等なものとして特許発明の技術的範囲に属すると認められるための要件の一つとして,「対象製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情もない」こと(第5要件)を掲げており,この要件が必要な理由として,「特許出願手続において出願人が特許請求の範囲から意識的に除外したなど,特許権者の側においていったん特許発明の技術的範囲に属しないことを承認するか,又は外形的にそのように解される行動をとったものについて,特許権者が後にこれと反する主張をすることは,禁反言の法理に照らし許されないからである」と判示する。そうすると,第三者から見て,外形的に特許請求の範囲から除外したと解されるような行動を特許権者がとった場合には,上記特段の事情があるものと解するのが相当である。
(3) これを本件についてみると,本件訂正がされた経緯は前記1(1)イ(イ)のとおりであり,原告は,本件訂正前の特許請求の範囲請求項1では,単に,「ISDNに接続したコンピュータにより回線交換呼の制御手順を発信端末として実行し」とされ,いかなる電話番号を調査対象とするのかについて特段制限は付されていなかったものを,本件訂正により,「使用されているすべての市外局番および市内局番と加入者番号となる可能性のある4桁の数字のすべての組み合わせからなる」電話番号を調査対象とするものに限定することを明記し,これにより,乙5資料等に記載された先行技術と本件発明との相違を明らかにして,乙5資料等を先行技術とする無効事由を回避しようとしたものであることが認められる。そうすると,原告は,本件特許発明について,本件訂正に係る訂正審判の手続において,被告サービスのように一部の局番の電話番号を調査対象としない構\成のもの,すなわち,調査対象電話番号が「使用されているすべての市外局番および市内局番と加入者番号となる可能性のある4桁の数字のすべての組み合わせからなる」ものでない方法が,その技術的範囲に含まれないことを明らかにしたものと認めるのが相当である。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 均等
 >> 第5要件(禁反言)
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成20(ワ)33440 特許権侵害差止等請求事件 平成23年07月12日 東京地方裁判所

 CS関連発明について、技術的範囲外と認定されました。間接侵害はイ号ソフトをインストールしたサーバが技術的範囲外である以上、これについても否定されました。
 そして,本件発明の特許請求の範囲(請求項1)の記載と上記認定の本件明細書の開示事項を総合すれば,本件発明のデータ入力装置においては,部品表データベースに登録された部品表\を検索キーとし,「画面表示手段」(構\成要件D)によって上記部品表に示された製品の各部位を示す項目を階層関係に従って画面に表\示すること,「項目指示手段」(構成要件E)によって上記画面上の任意の項目を指示すること,「入力処理手段」(構\成要件F)によって上記指示のあった指示項目に対して登録する情報を所定の記憶領域に入力すること,「リンク設定手段」(構成要件G)によって上記入力された情報(登録する情報)に対して上記指示項目及びこれを含む上位の階層関係の項目をリンクさせる情報を付すこと,「メニュー表\示手段」(構成要件H)によって上記指示項目に対して入力する情報の用途別の種類が表\示されたメニューを画面に表示すること,「情報種類設定手段」(構\成要件I)によって上記メニューに表示された情報種類を選択することで,その選択された情報種類を,上記入力された情報(登録する情報)(本来の情報)に対して関連付けること,「情報登録手段」(構\成要件J)によって上記入力された情報(登録する情報)と,上記リンクさせる情報と,上記情報種類の情報とをデータベースサーバに送ってそのサーバ内の統合データベースに登録することを「一連の動作」として行うことができるようにしたことで,データ入力の負担を極力抑えて,各現場で発生する各種情報を誰でもが簡易に入力することができるようにするとともに,入力した情報を簡易に検索して利用できるようにしたことに技術的意義があるものと認められる。・・・そこで検討するに,ネットワーク接続したイ号サーバシステムは,前記(1)イのとおり,部品に関する情報がイ号サーバシステムとは別の複数の既存システムに保持されたまま各既存システムで個別管理され,かつ,その情報の入力・登録も各既存システムが有する入力手段・登録手段によって行われることを前提とし,これらの既存システムに保持された部品に関する情報の検索・参照を容易にすることを目的としたサーバシステムであって,クライアントの要求に従って,これらの既存システムに保持された部品に関する情報が整理・記述された入力用データをコピー及び一部データ変換してイ号サーバシステム内に構築されたイ号データベースを検索し,検索条件(文字列)に合致した部品の部品番号,部品名及び属性情報をクライアントの表\示装置に表示させ,更に指示された部品の上流又は下流にある部品の部品番号等を階層的に上記表\示装置に表示させる機能\(検索機能及び階層展開機能\)を有するものである。しかしながら,ネットワーク接続したイ号サーバシステムにおいては,上記検索機能及び階層展開機能\によりクライアントの表示装置(画面)に表\示又は階層的に表示させた部品の部品番号,部品名及び属性情報について,上記画面上の任意の項目を指示し,その上で,その指示項目に対して登録する部品に関する情報を所定の記憶領域に入力する「入力処理手段」(構\成要件F)を備えるものではなく,また,部品に関する情報を個別管理する既存システム内のデータベース及びイ号データベースのいずれに対しても,上記指示項目に対して登録する情報,上記指示項目と上位の関係の項目とをリンクさせる情報,及び情報種類の情報を登録する「情報登録手段」(構成要件J)を備えるものではない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 間接侵害
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成22(行ケ)10185 審決取消 特許権 行政訴訟 平成23年04月18日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について進歩性なしとした審決が維持されました。
   確かに,審決は,対比に当たり,引用発明の「ウェブサーバー」及び「ホストコンピュータ」は,「後記する相違点はあるものの」本願発明の「コンピュータ」に相当する旨判断した上で,「通信ネットワークを介して端末と接続されたコンピュータ」が行う「中古車オークションにおいて商品の入札を受け付ける方法」のうちの「前記第一のオークションにおいて前記第一の取引が成立しなかった場合」である「一般の購買者が参加可能な販売」の「データ受付ステップ」における,購買者の端末からの購入の要求に係るデータを受け付けて記憶する処理,及びそれに続く「取引決定ステップ」における取引の処理について,「前記コンピュータ」,つまり商品の入札を受け付ける方法が行われる「通信ネットワークを介して端末と接続されたコンピュータ」が行う旨を一致点としているかのようにもみえる。しかし,他方で,審決は,「一般の購買者が参加可能\な販売」が本願発明では「オークション」であり,引用発明ではそうではない点を相違点2として挙げており,その相違点2の判断の具体的な内容として,引用例3を参照して,一般ユーザーを想定した中古車オークションを行うことのみならず,「中古車オークション」を行う「サーバ」が「データを受け付け」て「取引の成否を決定する」旨を含む技術を「引用例3記載事項A」として認定した上で,引用発明における「一般の購買者が参加可能な販売」に対して上記の「引用例3記載事項A」を適用することによって,相違点2に係る構\成が容易想到である旨を説示している。つまり,審決は,オークションを行うコンピュータがデータを受け付けて取引の成否を決定する点が相違点に含まれていることを前提とした判断を示している。これらの審決の記載を総合的にみれば,審決は,「一般の購買者が参加可能な販売」の「データ受付ステップ」における,購買者の端末からの購入の要求に係るデータを受け付けて記憶する処理,及びそれに続く「取引決定ステップ」において取引の処理を行うことを一致点とし,これらの処理を,本願発明では「前記コンピュータ」が行うが引用発明では「前記コンピュータ」が行わない点,つまり原告のいう「主体の相違」を相違点として整理した上で,その容易想到性を判断しているといえる。してみると,審決が上記主体の相違点を看過した旨の原告の主張は,審決を正解しないものである。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成22(行ケ)10239 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成23年04月14日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
 以上によれば,情報処理システムにおいて辞書を用いたデータ変換処理を行う際に,検索時間の短縮化という効果を求める引用発明には,データの変換時ではなく,変換に先立って予めデータをメモリ上に展開しておくことで処理を更に高速化することができる周知技術を組み合わせることについて十\分な動機付けがある。なお,データをメモリ上に全て展開しておけば,高速処理が可能である反面,大きなメモリ容量が必要となり,メモリ展開にも時間がかかるようになることは,技術的に自明であって,当業者は,これらの得失を当然に勘案した上で周知技術の組合せを検討するものであるといえるから,この点において,上記の動機付けが妨げられるものではない。したがって,当業者は,前記周知技術に基づき,引用発明に対して相違点2に係る構\成を適宜に組み合わせることができるものというべきであり,これと同旨の本件審決の判断に誤りはない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 動機付け
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成22(行ケ)10217 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成23年04月07日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について進歩性なしとの審決が維持されました。
 甲第1号証の段落【0015】には,「処理装置1」が店舗,事業グループのセンタ又は「VANセンタ」等に設置される旨が,段落【0022】には,「処理装置1」が店舗に設置されるか,大規模なシステムの場合には計算センタ,事務処理センタに設置される旨が,段落【0085】には,「キャッシュディスペンサなどの銀行端末に同様な機能を追加することにより,設備流用によるシステムコストの低減,銀行・店舗のタイアップよるサービスの強化を図ることができる。」との記載があるから,甲1発明の「処理装置1」をネットワークに接続することにより,ネットワークを通じて販売促進のためのサービスポイントの発行・管理の機能\を果たすことが,甲1発明においても除外されていないことは明らかである。また,前記のとおり,銀行の決済システムを構成するキャッシュディスペンサ等の銀行端末に,サービスポイントの発行・管理を行うという異種のサービスを提供する構\成を追加し得ること(段落【0085】)は,甲第1号証において銀行の決済システムの個性に着目した記載がされていないことにも照らせば,サービスポイントの発行・管理以外のサービスを提供する端末にサービスポイントの発行・管理の機能を追加し得ることを示唆するものであるところ,銀行端末は通常銀行が管理・運営するネットワークに接続されているから,これはさらに,サービスポイントの発行・管理以外のサービスを提供するネットワークにサービスポイントの発行・管理の機能\を追加し得ることも示唆するものである。ところで,本件出願当時,各加盟店に設置された端末をネットワークで相互に接続して,例えば売買代金の決済処理を行ったり,販売すべき物品の管理を行う程度のことは,当業者の技術常識ないし周知技術であったことが明らかである(甲第1号証の段落【0003】,【0004】,【0023】,甲第10号証(本件明細書)の段落【0002】,【0003】参照)。そうすると,審決が説示するとおり,甲第1号証においても,「加盟店ごとに設置された複数の加盟店端末を備えたネットワーク」に「処理装置1により点数の発行・集計を行うサービスポイントの点数管理システム」の機能を追加することが示唆されていると解して差し支えない。したがって,甲第2号証(特開平7−73247号公報)や甲第3号証(特開平7−210763号公報)で各加盟店に設置された端末装置とホスト装置とをネットワークで接続して,サービスポイントの発行・管理を行う構\成が開示されていることにもかんがみれば,本件出願当時,当業者において,甲1発明に基づいて,相違点1に係る構成に容易に想到することができたというべきであって,これと同趣旨の相違点1の構\成に係る審決の容易想到性の判断に誤りがあるとはいえない。
 イ この点,原告は,セキュリティ上の観点から,銀行端末に複数のネットワーク回線が接続されるとしても,接続しているネットワークを適宜切り替えるようにするのが常識的であり,顧客は銀行端末機能とサービスポイント点数管理機能\のいずれかを適宜選択して使用することになる等と主張する。しかしながら,仮に銀行の決済システムを構成する端末に高度のセキュリティ上の配慮が必要になるとしても,他のサービスを提供するネットワークを接続してはならなかったり,銀行の決済機能\とサービスポイントの発行・管理等の機能を一つの端末で同時に使用してはならないまでの理由はなく,単にセキュリティ上の格段の措置を講ずれば足りるから,原告の上記主張は失当である。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成22(行ケ)10202 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成23年02月17日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
 原告は,本件補正発明と引用発明1とでは,目的,課題及び作用効果が相違しており,本件補正発明のように,Webページからメール作成画面に切り換えて表示するとともに,表示されていたWebページのURLを当該メールに貼り付け,メール送信完了後に先に表示していたWebページに表示を戻すことまでを含めた一連の制御を行うことは,引用発明1では想定し得ないと主張する。しかしながら,前記ア(イ)のとおりの引用発明2のWWWブラウザと電子メール送受信機能とを備える携帯電話は,WWWブラウザ機能と電子メール送受信機能\とを実現する情報処理端末であるということができ,他方,引用発明1は,前記(1)ア(エ)のとおり,閲覧中のWebページのURL情報をメールに貼り付けて送信しようとするものであって,WWWブラウザ機能と電子メール送受信機能\とを実現する情報処理端末であるコンピュータにおいて,これらの両機能を連係しようとするものである。そうすると,引用発明1におけるWWWブラウザ機能と電子メール送受信機能\を実現し,これらを連係しようとするコンピュータに換えて,同じく,WWWブラウザ機能と電子メール送受信機能\を実現する情報処理端末である引用発明2の携帯電話のような携帯端末を採用することの動機付けが認められるものである。そして,このような引用発明において,携帯電話のような携帯端末を採用することによって,アンテナを介して信号を送受信する無線部が備わることになる。(ウ) また,前記1(2)の記載によると,本件補正発明は,簡単な操作で閲覧中のWebページのURLをメールに貼り付けて送信することができるようにして利便性を向上しようとするものである。これに対し,前記(1)ア(ア)及び(イ)のとおり,引用発明1は,閲覧中のWebページのURLを伝えるに際し間違いやすいことから,ほとんどのメールソフトに付いているアクティブURLの機能を利用して,閲覧中のWebページのURL情報をメールで送信するに当たって,Outlook ExpressやNetscape Messengerを使えば,ブラウザから直接URL情報をメールで送信でき,これによって,閲覧中のWebページのURL情報を簡単に送信することができるというものである。(エ) そうすると,本件補正発明と引用発明1とのいずれも,閲覧中のWebページのURL情報を簡単な操作でメールに貼り付けて送信しようとするものであって,その更なる動機が,本件補正発明では,ユーザは小さなキーを何度も押し下げる必要があり,煩雑な操作をしなければならず,不便であるとの問題点があったことであり,引用発明1では,WebページのURLを伝える場合の間違いを防ぐためであったこととの点において,仮にこれらが相違するということができるとしても,上記の閲覧中のWebページのURL情報を簡単な操作でメールに貼り付けて送信したいとし,それを実現しようとするものであるという点で,目的,課題及び作用効果が一致しているものということができる。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 動機付け
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(ワ)25303 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟 平成22年12月22日 東京地方裁判所

 CS関連発明について、非侵害と判断されました。  特許請求の範囲の記載及び前記アの本件明細書の記載からすれば,本件各特許発明における「座席表示情報」は,券情報及び発券情報に基づき,かつ,座席管理地の座席レイアウトに基づいて表\示するものとして,管理センターに備えられるホストコンピュータにおいて作成され,ホストコンピュータから座席管理地に備えられる端末機に伝送され,当該端末機が,これを入力して,その表示手段(ディスプレイ等)において表\示するものと解される。そして,端末機の表示手段における座席表\示情報の表示は,座席管理地の座席レイアウトに基づいて座席の利用状況を表\示するものであって,座席管理者が,各指定座席の利用状況を目視することができるものであると認められる。他方で,本件明細書には,端末機において,座席表示情報とそれ以外の他の情報とを処理することにより,座席のレイアウトに基づいて座席の利用状況を表\示して,各指定座席の利用状況を目視することができるものとすることに関する記載はない。以上のことからすれば,本件各特許発明における「座席表示情報」は,当該情報を端末機に表\示すれば,座席管理地の座席レイアウトに基づいて座席の利用状況が表示されるものであって,各指定座席の利用状況を目視することができるものをいうと解される。・・・これに対して,原告が主張する表\示構成情報とは,表\示イメージ情報を作成するためのものであって,それだけでは,座席管理地の座席レイアウトに基づいて座席の利用状況が表示され,各指定座席の利用状況を目視することができるものではないから,このような情報が,本件各特許発明にいう「座席表\示情報」に該当すると認めることはできない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成22(行ケ)10126 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年12月28日 知的財産高等裁判所 

 CS関連発明について、無効審決が維持されました。
 ア 前記(1)アのとおり,UMLのクラス図や記号は周知の事項である。また,地物が,一般地物・基準地物・被覆地物に分けられ,一般地物が人為的地物・非人為的地物に分けられ,人為的地物が境界・人工物に分けられ,非人為的地物である自然地物のうち水部は,河川水涯線・河川水涯線一条・海岸線・湖沼に分けられること,行政境界に含まれる街区界が複数あること,道路が道路縁,道路路線,歩道自転車道,道路中心線,分離帯に分けられることなど,図5に示された事項は,地図の分野において周知のことといえる。また,図5に示されたように,オブジェクトである地物に属性があり,それが空間属性・時間属性などに分けられることも,地図の分野において当然に認識し得ることである。そうすると,本件発明1の相違点2に係る構成のうち第1の空間データベースのデータを特定する「オブジェクトをUMLクラス図とその属性データで管理する第1の空間データベースのUMLクラス図で規定されたオブジェクトのデータ構\造」との構成,及び第2の空間データベースを特定する「オブジェクトをUMLクラス図とその属性データで管理する第2の空間データベースを構\築する」との構成も,周知の事項から容易に想到し得るものであったと認められ,これらの構\成を,地物の図形データをその図形情報と属性情報で管理する引用発明のデータベースに適用することも,容易に想到し得るものであったといえる。
イ さらに,例えば,オブジェクトの一つである都道府県界が,都道府県コードとしての管理番号,都道府県名称,都道府県界の代表的な地点のXY座標を有するように,各オブジェクトがそれぞれに属性データ又は属性データに付随するデータを有するように構\成することは,地図の分野においては普通に行われることであると推認される。そうすると,本件発明1の相違点2に係る構成のうち第1の空間データベースのデータの特定に係る「オブジェクトの属性データ又は属性データに付随するデータを示すデータ定義」との構\成は,容易に想到し得るものであったといえる。ウしたがって,本件発明1の相違点2に係る構成は,容易に想到し得るものであったとした審決の判断に誤りはない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(ワ)36145 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟平成22年12月03日 東京地方裁判所

 CS関連発明について、技術的範囲外と認定されました。
 以上のとおり,本件明細書の上記イの記載及び図示は,上記アの文言解釈と整合するものであり,これらの記載及び図示を考慮しても,本件発明は,構成要件Bで生成された番組ディレクトリ(記録された番組の位置を含んでいる。)をそのまま構\成要件Dで表示するものであると解釈するのが相当である。・・・他方,被告製品については,「録画番組一覧表\」において,「記録された番組の前記ディレクトリ」に含まれる情報のうち「記録された番組のタイトル」を表示していることは認められるものの,「記録された番組の位置」を表\示しているとは認められない。すなわち,被告製品では,番組を記録する記録媒体として,先頭から順次アクセスするテープではなく,任意の位置にランダムにアクセスすることが可能なHDDを利用しているのであるから,「録画番組一覧表\」に表示されている順序は,HDD上での記録位置とは何らの関連がないものであり,その他,本件全証拠を検討しても,被告製品について,「記録された番組の位置」を表\示していることを認めることはできない。オ したがって,被告製品方法は,本件発明の構成要件Dを充足するものと認めることはできない。2 以上のとおり,被告製品方法は,本件発明の構成要件Dを充足するものと認めることはできないから,被告製品は本件発明の方法の使用に用いられる物ということはできず,その製造,販売が特許法101条5号のみなし侵害に該当するということはできない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(ワ)35184 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟平成22年12月06日 東京地方裁判所 

 ナビゲーションサービスに対する特許侵害訴訟にて、裁判所は、車載用ではないとして、技術的範囲外と認定しました。また一部構成要件についても充足しないとして、間接侵害も否定しました。
 以上のような被告サーバー及び本件携帯端末の構成からすれば,被告装置においては,現在地及び目的地を入力・設定して,経路探索を行い,その結果をディスプレイに表\示してユーザーに伝達するために,被告サーバーと本件携帯端末が,それぞれ次の機能を分担しているものと認められる。・・・以上のとおり,被告装置は,被告サーバーと本件携帯端末とによって構\成され,両者がそれぞれ機能を分担してナビゲーション機能\を果たしていることから,このような被告装置が「車載ナビゲーション装置」ということができるか否か,すなわち,本件各特許発明における「車載ナビゲーション装置」が,複数の機器に機能が分担され,かつ,その機器の一部が車両に搭載されていないものを含むか否かが問題となる。・・・・証拠(甲22ないし25)によれば,「車載」という語の一般的な意義は,「車に積みのせること」をいうと認められる。また,弁論の全趣旨によれば,「装置」という語の一般的な意義は,「ある目的のために機械・道具等を取り付けること。そのしかけ。」をいい,一定の機能\を持ったひとまとまりの機器をいうと認められる。エ検討(ア) 前記ウの「車載」及び「装置」という語の一般的な意義からすれば,「車載ナビゲーション装置」とは,車両に載せられたナビゲーションのための装置(ひとまとまりの機器)をいい,ひとまとまりの機器としてのナビゲーション装置が車両に載せられていることを意味すると解するのが,自然である。そして,本件各特許の特許請求の範囲の記載のように,A,B,C,Dとの「手段を含むことを特徴とする車載ナビゲーション装置」というとき,「ナビゲーション装置」がA,B,C,Dという手段を備えるとともに,そのような手段を備えたナビゲーション装置が「車載」,すなわち,車に載せられていることが必要であると解するのが,その文言上,自然である。また,本件各明細書に開示されている「車載ナビゲーション装置」の構成は,前記イのとおり,各構\成要素から成る一体の機器としての「車載ナビゲーション装置」であって,被告装置における被告サーバーと本件携帯端末のように,車両内の機器と車両外の機器にナビゲーション装置の機能を分担させ,両者間の交信その他の手段によって情報の交換を行い,全体として「ナビゲーション装置」と同一の機能\を持たせることは開示されていない。したがって,各機器をどのように構成し,また,各機器にどのように機能\を分担するか,各機器間の情報の交換をどのような手段によって行うかについても,本件各明細書には何らの開示もされていない。さらに,本件各特許発明はナビゲーション「装置」に関する特許発明であるから,「装置」の構成が特許請求の範囲に記載された構\成と同一であるか否かが問題となるのであって,同一の機能,作用効果を有するからといって,構\成が異なるものをもって,本件各特許発明の技術的範囲に属するということはできないことはいうまでもない。以上のことからすれば,本件各特許発明にいう「車載ナビゲーション装置」とは,一体の機器としてのナビゲーションのための装置が車両に載せられていることが必要であり,車両に載せられていない機器は,「車載ナビゲーション装置」を構成するものではないと解される。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> 間接侵害
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成22(行ケ)10071 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年10月27日 知的財産高等裁判所

CS関連発明について、進歩性なしとの審決が維持されました。
 原告は,本件補正発明には,i)自然な態様の表記による数式を,難解な記述言語を理解する必要なく容易に表\記できるという効果,ii)数学的に自然な表記による数式を,既存の文書編集アプリケーションで作成した書類に取り入れることで,同アプリケーションを資源として確保できるという効果,iii)数式の編集に要する時間が格段に短縮されるという効果がある旨を主張する。(2) しかしながら,引用発明は,アイコンテーブルからの選択により,通常用いられる表記形式による数学記号を指定して数式を入力するものであって,自然な態様の表\記による数式を,難解な記述言語を理解する必要なく容易に表記できるものであるから,前記i)の作用効果を備えているといえる。また,前記iii)の作用効果は,このような引用発明に周知技術を適用することで予想できる範囲内のものである。したがって,上記i)及びiii)に関して,本件補正発明の有する作用効果が格別なものであるとはいえない。また,前記ii)の作用効果については,そもそも本件補正明細書には何ら記載がないばかりか,例えば「ワード」に関する甲8技術からも予想できる範囲内のものである。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(ワ)5717 損害賠償請求事件 特許権 平成22年10月15日 東京地方裁判所

 ワープロソフトに対して間接侵害を主張しましたが、技術的範囲外として非侵害と認定(CS関連発明)
。  (1)で説示したように,本件特許発明における「文法辞書」とは,現代仮名遣いの文法規則並びに歴史的仮名遣いの文法規則及び各仮名遣いに対する漢字候補を統合的に登録した「ファイル」であり,「ファイル」として仮名漢字変換部によって参照されるものであるが,被告装置における文法辞書の一部である「活用語尾テーブル」は,ファイルα(ATOK21W.IME)に格納されているデータではあるものの,仮名漢字変換に当たり参照される際にはメインメモリ上に展開されており,「ファイル」として存在するものではないため,被告装置の仮名漢字変換部は,「ファイル」としての「文法辞書」を参照するものと認めることはできない。そうすると,被告装置は,本件特許発明の構成要件B〜Dの上記「『ファイル』として仮名漢字変換部によって参照される」「文法辞書」の構\\成を有しないものであるから,上記構成要件を充足するものとは認められない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10400 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年10月13日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、新規事項か否かが争われました。知財高裁は新規事項とした審決を維持しました。
 ところで,前記1で判示したとおり,当初明細書及び図面には,ダウンロードページの細部項目メニュ画面中の使用案内ボタンをクリックした場合,使用案内ページのどの画面に移動するかについて,明確な記載が認められず,当初明細書及び図面の記載を総合すると,使用案内ページのモデルメニュ画面に移動すると解するのが,最も自然な画面移動であって,選択したパソコンモデルに対応した,細部項目のメニュ画面やグラフィック情報及びテキスト情報を提供する画面などに直接移動することを示唆する記載は,当初明細書及び図面には見当たらない。また,ダウンロードボタンをクリックした場合も,ダウンロードページのモデルメニュ画面に移動すると解するのが,最も自然な画面移動であって,当初明細書及び図面には,選択したパソ\コンモデルに対応した他の画面に直接移動することを示唆する記載も見当たらない。したがって,上記の補正事項を実現するために,前記のような直接的な画面移動を実現することは,各種のサービスページに共通して,選択されたパソコンモデルの種類を認識・保存するとの技術的事項を導入するものであり,また,移動メニュの同じサービスページのボタンであっても,そのボタンが設けられている画面(又はその表示内容)によって,ボタンをクリックした場合の移動する先の画面又はその表示内容が異なるという技術的事項を導入するものであるから,当初明細書及び図面に記載された事項ではなく,明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入しないものであるということはできない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 補正・訂正
 >> 新規事項
 >> 新たな技術的事項の導入
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10418 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年09月30日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について進歩性なしとした審決が維持されました。
 原告は,周知技術1は,キャラクタを動き回らせることが可能なゲーム空間のような仮想空間でなく,2次元画像である掲示板やチャットの画面に貼\り付けるものであり,引用発明のようにキャラクタがゲーム空間を動き回ることを想定したものではなく,周知技術1を引用発明に適用する動機付けや根拠が存在しないと主張する。しかし,原告のこの点の主張も,採用できない。確かに,原告主張のとおり,周知技術1は,アバターを2次元画像である掲示板やチャットの画面に貼り付けるものであり(甲3),引用発明のようにキャラクタがゲーム空間を動き回ることを想定したものではない。しかし,甲3には「自分の分身であるアバターを設定し,ネット上に持てるのが特徴だ。」,「アバターは(中略)自分と似せてもいいし,奇抜にして目立つのもいい。」との記載があることから,周知技術1における「アバター」は,ユーザ本人を象徴し,その分身としてユーザの代わりを務めるキャラクタ画像をいうものであることと理解できる。そして,引用発明のキャラクタはゲーム上でユーザの代わりを務めるものであり(引用例の段落【0025】),仮想空間上でユーザ本人の代わりを務める点で,周知技術1のアバターと共通するから(甲3),引用発明に周知技術1を適用する動機付けや根拠が存在するというべきである。原告の主張は,採用の限りでない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10283 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年09月30日 知的財産高等裁判所

 パチスロ機発明(CS関連発明?)について、訂正要件違反無し、無効理由無しとした審決が維持されました。
 原告は,訂正事項6(A)について,審決のようにエリア4からエリア1までを順次チェックして最初にハズレとなる回をリーチ目に変更するものと解釈すると訂正事項6(B)の記載と重複し,訂正事項6(A)が無意味な記載となるから訂正目的違反に当たる旨主張する。しかし,訂正事項6(A)と訂正事項6(B)の記載に一部重複する部分があるとしても,これらはいずれも事前報知を行う場合を限定するものであり,重複記載により特許請求の範囲を不明確にするものでもないから,訂正事項6(A)が訂正目的違反に当たるということもできない。なお,原告は,審決引用部分Aの記載はエリア4が当たり(特定の識別情報に対応する表示結果)の場合について説明したものであるのに対し,訂正事項6(A)はエリア4が当たりでない(特定の識別情報に対応するものでない表\示結果)場合の記載であること,審決引用部分Aの記載は,明細書の記載からはほとんど想定できない実施例であること,審決引用部分Aの記載に従うと,エリア3ないしエリア1のデータは,打玉の始動入賞領域への入賞により生成された表示結果決定用データではない場合にも,再度リーチ目表\示用データに変更されることになり,打玉の始動入賞領域への入賞により生成された表示結果決定用データがハズレか否かを判定するという訂正事項6(A)の構\成となっていないことから,審決引用部分Aの記載に基づき訂正事項6(A)が新たな技術事項の導入に当たるか否かを判断することは誤りである旨主張する。しかし,審決引用部分Aには,常にエリア4の停止図柄データをリーチ目表示用の停止図柄データに変更するように構\成することに代えて,エリア4に記憶されている停止図柄データが当たりであった場合にはエリア4をリーチ目表示用の図柄データに変更することなくエリア3からエリア1を順次チェックすることが記載されているのであって,エリア4が当たりでない場合はエリア4により事前報知を行うことも記載されているから,審決引用部分Aの記載を根拠として,訂正事項6(A)が新たな技術事項の導入に当たらないとした判断に誤りはない。また,エリア4に記憶されている停止図柄データが大当たり又は中当たりの値であった場合には,エリア3にはハズレのデータではなく,既にリーチ目表\示用の図柄データに変更されたデータが入っている可能性が少なくない(エリア2及びエリア1についても同様)としても,そのことと新たな技術事項の導入に当たるか否かとは無関係であり,これをもって審決引用部分Aの記載から訂正事項6(A)が新たな技術事項の導入に当たらないとした判断が誤りであるということもできない。\n

◆判決本文

◆関連事件です。平成21(行ケ)10282

関連カテゴリー
 >> 補正・訂正
 >> 新規事項
 >> 新たな技術的事項の導入
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10408 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年08月19日 知的財産高等裁判所 

 CS関連発明について、公知文献から進歩性が無いとして訂正を認めなかった審決が維持されました。
 そうすると,引用発明では,送出部に要求番組がない場合には,番組ライブラリから送出部に要求番組を転送してコピーしながら,それを第1の受信者に送出するのであるから,要求番組をコピーし始めた当初においては,要求番組の先頭部分しかコピーされていないことになり,この状態において,第2の受信者から同じ番組に対して,途中から番組情報を見たいという要求,特に番組の後半の部分を見たいというような要求があった場合には,その要求には応えられず,結局,第2の受信者から同じ番組に対して途中から番組情報を見たいという要求があったとしても,要求番組のコピー済みの部分からしか提供できないことは明らかであり,このコピー済みの部分が,コピー開始からの経過時間に応じて徐々に増加していくことも明らかである。したがって,引用発明において,読出開始位置が,「一連のデータの書込領域への書込開始からの経過時間に応じて設定される読出可能な範囲内」となることは,刊行物1の記載から自明な事項であって,訂正発明5は,引用発明及び刊行物1に記載の事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるとした審決の判断に誤りはない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10394 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年08月19日 知的財産高等裁判所 

CS関連発明について、進歩性なしとの審決が維持されました。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10293 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年07月28日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明(?)について進歩性なしとした審決が維持されました。
 先に指摘したとおり,引用例1には,番組表に表\\示される情報の種類及び量を増加させるという技術課題が示されているものということができる。そして,かかる課題を解決するために,限られた表示領域に,より多くの情報を見やすく一覧表\示するために,情報の項目に対応する一部の情報を項目自体の表示位置に表\示せず,当該項目が選択された際など,必要に応じて参照できるように当該項目自体とは異なる位置に表示する周知技術を適用し,選択されたセルに関連付けられている項目に対応する番組説明情報を,選択されたセルが配置されているモニタースクリーン上の領域とは異なるモニタースクリーン上の領域に表\示するように構成することは,当業者が容易に行い得たことと認められる。\n

◆判決本文

◆関連事件です。平成21(行ケ)10294

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成22(ワ)4486 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟 平成22年07月08日 大阪地方裁判所

 CS関連発明(?)について、技術的範囲外であるとして非侵害と認定されました。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10222 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年06月29日 知的財産高等裁判所

CS関連発明について、記載不備があるとの審決が取り消されました。
 この点について,被告は,本願発明における「発明を展開している度合いを示す」という記載が明確でない旨主張する。確かに,被告が指摘するとおり,クレーム中の用語「発明を展開している度合い」だけを,単独で解釈すれば,用語の定義が不明確であるとする余地があるともいえないわけでない。しかし,「発明を展開している度合いを示す発明展開度」との請求項2の記載を,全体として解釈すれば,各用語(「発明」,「展開」,「度合い(度)」)の対応関係から,この部分は,本件独自の用語である「発明展開度」を,単に分かりやすく言い換えて説明しているにすぎないと認めるのが自然である。したがって,「発明を展開している度合いを示す」という記載のみを取り出して,それが不明確であるということは適切ではなく,上記のとおり解釈すれば,「発明を展開している度合いを示す」との記載が含まれているとしても,別段請求項2の記載が不明確であるとはいえない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 記載要件
 >> 明瞭性要件
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10310 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年06月16日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性違反理由無しとした審決が維持されました。
 原告は,本件発明1は複数ユーザの個人認証に限定されるものではないから,引用発明1における「URL」は,本件発明1の「管理マスタID」に相当すると主張する。しかし,上記(1)イ,ウのとおり,本件発明1の「管理マスタID」は,複数のユーザが存在することを前提に,第1のシステムのユーザと第2のシステムのユーザとを関連付けるために,ユーザごとに設定されたユーザ固有の識別コードであるのに対し,引用発明1の「URL」は,複数のユーザが存在することを前提としているともいえないし,ユーザごとに設定されたユーザ固有のものともいえないから,引用発明1における「URL」が,本件発明1の「管理マスタID」に相当するということはできない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 要旨認定
 >> 引用文献
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10321 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年05月27日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について新規事項、不明瞭であるとした審決が取り消されました。
 前記当初明細書の記載によれば,サーバ及び端末がそのハードウエア構成として中央処理装置(CPU)を有すること,CPU312は,データの処理又は演算を行うと共に,バス311を介して接続された各種構\成要素を制御するものであること,サーバ又は端末のCPUの処理や制御により図37(A)〜(D)の処理を行うことが示されている。このように,当初明細書においては,サーバ及びその端末の構成が共通性を有するものとして記載されており,補正明細書の各請求項の冒頭に記載された「コンピュータを用いたゲーム情報供給装置であって」との部分は,サーバと端末を含んだ全体の構\成を意味するものと解するのが合理的である。・・・そうすると,当初明細書には,「ゲーム情報供給装置」において,サーバが,「ネットワークを介して端末装置からのアクセスを受信すると,前記記憶手段からクイズ形式の広告情報を読み出して前記端末装置に送信し表示させる表\示手段」を有するとの技術事項が記載されていると解すべきである。本件補正が,当初明細書に記載した事項の範囲内においてしたものとはいえないとした本審決の判断は,誤りである。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 記載要件
 >> 明瞭性要件
 >> 補正・訂正
 >> 新規事項
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10163 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年04月28日 知的財産高等裁判所 

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
 上記記載によれば,引用例1に記載された発明(引用発明1)の半導体製造装置は,半導体製造ラインの進捗管理及び工程管理において,工程管理用電子ファイルの作成及び管理を容易にすることを基本的な課題とし,そのために次の構成を備えたものであることが認められる。・・・そして,引用発明1は,上記構\成を備えることにより,管理部署と半導体製造ライン間における工程管理情報の作成が容易になる,複数の設備群管理計算機と複数の部署別管理計算機との間の電子ファイルの流れを効率良く管理できる,半導体製造ライン及び管理部署のハード構成並びにプログラムの簡素化を図ることができる等の効果が得られるものである。・・・・そこで検討するに,引用例1には,前記のとおりの技術的事項が記載されているところ,半導体製造ラインシステムの複数の設備群管理計算機及び製品管理計算機は通信回線により情報転送可能\に接続されており,管理部署システムの複数の部署別管理計算機も通信回線により情報転送可能に接続されている。また,電子ファイル管理計算機は,半導体製造ラインシステムと管理部署システムとを接続し,複数の設備群管理計算機と複数の部署別管理計算機との間の送受信先を指定してそれぞれの電子ファイルの情報転送を管理する機能\を備えることから,電子ファイル管理計算機と半導体製造ラインシステムとの間,及び電子ファイル管理計算機と管理部署システムとの間にも,情報の転送を行う通信回線が存在するということができる。そして,計算機を通信回線により情報転送可能に接続する場合,送受信機能\を有する装置を介在させることは,コンピュータネットワークの技術分野における技術常識といえる事項であり,電子ファイル管理計算機,管理部署システムの部署別管理計算機,半導体製造ラインシステムの設備群管理計算機及び製品管理計算機は,いずれも通信回線により情報転送可能に接続されているのであるから,それぞれ送受信機能\を有する装置,すなわち「送信・受信装置」を介して情報転送可能に接続されていると認めることができる。」\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 要旨認定
 >> 引用文献
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成18(ワ)28244 損害賠償請求事件 特許権 民事訴訟 平成22年03月25日 東京地方裁判所

 パチスロ機の特許について、技術的範囲外と判断されました。
 以下,構成要件1Hの共通報知の解釈について,本件明細書1の記載を考慮しつつ検討する。
ア 本件発明1に係る特許請求の範囲の記載によれば,構成要件1Gにおいて「前記可変表\\示開始手段によって前記可変表示が開始され,前記可変表\\示停止手段によって前記可変表示が停止される1回の遊技の中で,前記入賞態様決定手段で決定された入賞態様に対応した報知情報を所定確率で遊技者に報知する報知手段を備え」と定め,これを受けて構\\成要件1Hは,構成要件1Gの「入賞態様に対応した報知情報」を共通報知とその後の報知からなるものに限定するものであることは明らかであり,そうすると,2つの異なる報知態様の各組合せが入賞態様に対応していることが必要であると解される。そして,ハズレを含むすべての入賞態様に共通する演出については,その後の報知と合わせた報知全体として入賞態様の絞り込みが行われたとしても,それはその後の報知が入賞態様に対応していることによる結果にすぎず,ハズレを含むすべての入賞態様に共通する演出とその後の報知との組合せが入賞態様に対応しているとみることは困難である。そうすると,共通報知というためには,それ単独であっても,入賞態様を絞り込むことのできる情報を有していなければならず,ハズレを含むすべての入賞態様に共通する演出のような入賞態様を絞り込む情報を有しない演出については,共通報知に当たらないものと解するのが自然である。・・・上記のとおり,本件明細書1及び図面中には,遊技開始時に鳴る2種類の遊技開始音と,その後の各リール停止時における複数のリールランプ消灯パターンの組合せに対応して報知当選フラグが割り当てられ,「遊技が進行して行くのに伴って入賞態様が判明して行く」ものが開示されており,共通報知もそれ単独で,入賞態様の絞り込みができるものとなっている。また,発明の効果について「報知は各入賞態様に対して行われるため,例えば,停止ボタンの操作等が容易に行えるようになる」とし,これは共通報知により入賞態様について一定の絞り込みがされることを前提とした記載であると解される。このような本件明細書1及び図面の記載に鑑みても,共通報知というためには,それ単独であっても,入賞態様を絞り込むことのできる情報を有していなければならず,配当のない当選役(ハズレ)を含むすべての入賞態様に共通する演出のような入賞態様を絞り込む情報を有しない演出については,共通報知に当たらないものと解するのが相当である。・・・・以上のとおり,被告物件の各演出は,いずれも,共通報知を備えないか,又は,共通報知を備えていても,その後の報知を備えないものであるから,被告物件は,構\\成要件1Hを充足するものと認めることができず,本件発明1の技術的範囲に属するものということはできない。・・・・,本件発明2は,報知態様を遊技状態及び当選フラグを参照して選択するとされていたものを,現在の特許請求の範囲のとおり訂正されたのであって,この訂正は,遊技状態及び当選フラグを参照する方法について,これらの変数からなるデモ抽選テーブル選択テーブルを参照してデモ抽選テーブルを選択し,抽選値と乱数値を演算する方法に限定することで,特許請求の範囲を減縮するものである。すなわち,構成要件2Eは,報知態様を遊技状態及び当選フラグを参照して選択するという機能\\を果たすために,その計算処理過程を具体的に規定するものということができる。論理的には,遊技状態及び当選フラグの組合せごとにテーブル番号が割り当てられた表(デモ抽選テーブル選択テーブル)と,抽選値に報知態様が割り当てられた表\\(デモ抽選テーブル)とを1つの表に統合することは可能\\であり,かつ,これらのテーブルは,遊技状態,当選フラグ及び乱数という3つの変数によって報知態様を決定するという1つの機能を果たしていると見ることが可能\\なものである。そうであるにもかかわらず本件発明2において,デモ抽選テーブル選択テーブルとデモ抽選テーブルを別個のテーブルと位置付けていることに照らすと,本件発明2における「テーブル」は,論理的又は機能的に見て該当性を判断するのではなく,複数の変数から1つの値を抽出するための表\\を指し,あるアドレスの範囲において複数の変数から1個の値が抽出され,その抽出された値と他の変数を用いて別のアドレスの範囲において別の値が抽出される場合は,それぞれが別個のテーブルであるというべきである。以上のような解釈を前提とすると,原告が「デモ抽選テーブル選択テーブル」に当たると主張する被告物件の2つのアドレス範囲(アドレス0EC3C74Hないし0EC3F8BH及びアドレス0EC3180Hないし0EC3C73H)は,これを一体として本件発明2における「テーブル」に当たるとは評価することができず,被告物件が「デモ抽選テーブル選択テーブル」を具備するものと認めることはできない。エ また,2つのアドレス範囲を一体として「テーブル」と評価することができないことを措いたとしても,以下のとおり,被告物件は,構成要件2E−1を充足するものとは認められない。・・・以上のとおり,被告物件が「デモ抽選テーブル選択テーブル」を具備するものと認めることはできないから,その余の点について判断するまでもなく,被告物件は,本件発明2の技術的範囲に属するものということはできない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(ネ)10055 特許権侵害差止等請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成22年03月30日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明(?)についての侵害訴訟の控訴審です。1審後に訂正審決がなされましたが、訂正後の発明に対して技術的範囲外と判断されました。
 当裁判所は,被告製品は本件訂正発明の構成要件gの「選択手段」を具備せず,また,被告製品は,本件訂正発明の均等物ではないと判断する。その理由は,以下のとおりである。・・・本件訂正発明の特許請求の範囲には,「上記携帯コンピュータは,・・・\n上記ディスプレイに表示された所定の業務名を文字画像で示す発信先一覧から選択された選択項目の名称に基づき,上記位置座標データ入力手段の位置座標データに従って,所定の業務を行う複数の個人,会社あるいは官庁の中から現在位置に最も近いものの発信先番号を選択する選択手段と,・・・を備え」と記載されている。上記特許請求の範囲の記載によれば,「選択」は,「所定の業務を行う複数の個人,会社あるいは官庁の中から現在位置に最も近いものの発信先番号」を対象としているが,「所定の業務を行う複数の個人,会社あるいは官庁」の発信先番号等の情報取得態様及び選択態様について,必ずしも明確であるとはいえない。そこで,本件訂正明細書の発明の詳細な説明を参酌する。・・・以上によれば,本件訂正発明は,従来の無線電話装置と,携帯型コンピュータとGPS利用者装置とをすべて携帯することができず,かつ相互を組み合わせてそれらを複合した機能\を得ることができないとの課題を解決するために,複合した機能を,実用的に得ることを目的とするものである。そうすると,本件訂正発明は,携帯型の情報装置がこれらの装置の機能\を複合させた機能を有することに特徴があり,機能\の一部を他のサーバ等に置くことを想定したものということはできない。そして,前記認定の本件訂正明細書の発明の詳細な説明の記載によれば,「携帯型コミュニケータ」は,CPUを備えた携帯コンピュータと無線電話装置とGPS利用者装置とを備えるとともに,地図情報を備えた地図データROMが接続されており,CPUにより実行される最寄発信処理においては,まず,現在位置の座標と発信先の名称が入力され,次に,地図データROMから現在位置から最も近い発信先番号を選択する処理を行い,それは,現在位置の座標と地図データROMから読み込まれた地図情報とに基づいて選択しているものと認められる。したがって,「選択手段」による「発信先番号の選択」は,携帯コンピュータのCPUが,携帯型コミュニケータ自体で取得できるデータを用いて,発信先番号の選択に係る処理を実行することを指すと解するのが相当である。以上からすると,被告製品においては,専らナビタイムサーバが,そのデータベースを用いてディスプレイに表示される発信先番号の「選択」に係る検索処理を実行しており,被告製品は,地図情報も備えておらず,構\成要件gの「選択手段」に相当する検索処理を実行することなく,単に,施設カテゴリーの選択及び現在位置情報の送信と検索結果の取得のみを行っている。したがって,被告製品は,構成要件gの「選択手段」を具備するものではなく,同構\成要件を充足しない。・・・(ア) 原告は,構成要件gは,どのメモリ領域から電話番号を選択すべきかについて何らの限定も付していないから,ネットワークのいずれの記憶領域であっても,同構\成を充足する旨主張する。しかし,構成要件gは,前記のとおり,携帯コンピュータのCPUが,携帯型コミュニケータ自体で取得できるデータを用いて,発信先番号の選択に係る処理を実行する技術を提供するものであるから,これを外部のコンピュータにデータ処理を指令して,これが送り返される態様を含むものではない。したがって,原告の主張は,理由がない。(イ) 原告は,本件訂正明細書の段落【0074】,【0104】の記載には,構成要件gでは,先方のコンピュータにデータを処理を指令してこれが送り返される技術が開示されていると主張する。しかし,原告が指摘する本件訂正明細書の段落【0074】,【0104】の記載は,電話が接続されている相手方との間でデータ交換をするというにすぎず,一方のCPUで行うべき処理を接続先のコンピュータに命令して実行させ,その結果を得るとの技術事項は記載されていない。また,上記【0074】,【0104】の記載は,構\成要件gの「選択手段」に関する記載ではなく,前記認定の本件訂正明細書の記載に他の通信装置に指令を送りデータを受け取る場合についての記載や示唆は認められない。原告の上記主張は理由がない。

◆判決本文
原審はこちらです。 ◆平成20(ワ)12952 平成21年07月10日 東京地方裁判所

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10212 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年03月24日 知的財産高等裁判所 

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
 上記記載によれば,引用文献1に基づく引用発明は,インターネットを利用した保険契約システムに関するものであり,上記システムは,利用者が提示された入力フォームに必要事項を入力し,次に入力した事項を含む契約確認データが利用者に提示され,利用者は内容を確認した上,同意の意味で電子署名を付し,更に利用者は保険料の支払方法を指定し,電子署名が付された契約内容確認データ及び保険料の支払方法の指定に基づいて保険契約がなされ,その旨が契約内容を含む契約完了通知データに電子署名を付して,利用者に通知されるとともに,この一連の処理の内容及び処理時刻がログデータとして記録されることにより,ウェブ上で容易かつ迅速,安全かつ確実に保険契約を行うとともに,後に契約の有無や契約内容について疑義が生じた場合にログデータによる証明を行うものであることを認めることができる。(3) 原告の主張に対する判断本願発明における証券は,投資者が債権者となって債務者である事業者の事業活動の結果得た利益の分配を受けられるようにすることなどを内容とする証券であるのに対し,引用発明の証券は旅行会社が代理して販売する保険商品(海外旅行保険)に係る証券であり,証券に表わされる権利義務の内容は異なる。また,本願発明の証券が市場で取引(売買)されることを前提としているのに対し,引用発明における保険証券は海外旅行の傷害保険であり,市場で取引(売買)がされることを前提としたものではなく,両者は流通性の点で異なる性格を有する。しかし,本願発明における証券が本願における優先権主張日当時の証券取引法2条1項各号に該当しないとしても,審決が認定した相違点1は,電子化証券の電子データに含まれる「契約内容を示すデータ」が本願発明と引用発明とでは異なるというものであるところ,上記のとおり,本願発明と引用発明では証券に表\わされる権利義務の内容が異なること,及び本願発明における証券は証券取引法2条1項各号に該当せず新規な権利関係を表わす証券であることは,電子化証券の電子データに含まれる契約内容を示すデータの変更をもたらすものではあるが,契約内容を示すデータの変更は「電子化証券発行システム」のみならず証券分野一般において取り扱う証券の契約内容の問題にすぎないのであって,特許法2条が想定する「自然法則を利用した技術思想の創作」の問題ではない。そうすると,相違点1に係る本願発明の構\成は,当業者(その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者)が引用発明に基づいて,契約の内容を適宜取捨選択して容易に想到し得たものというべきであり,これと結論を同じくする審決の判断に誤りはない。なお,原告は,本願発明の証券は流通性を有するからこそ,証券の正当性を保証するための証券発行者の電子署名が含まれ,さらに電子証券の電子データに対してコピー・プロテクトを電子的に施すとともに,1回のみの印刷を可能とするプロテクトを電子的に施しており,本願発明の証券の流通性と電子署名やコピープロテクトや印刷回数制限の考え方は,ひとまとまりの構\成ないし技術的思想として把握すべきものであって,証券の内容や流通性との関係で技術的変更を要するものである旨主張する。しかし,証券の内容(契約内容を示すデータ)の変更が自然法則を利用した技術思想の問題ではなく,引用発明における「電子化証券発行システム」に技術的な変更を必要とさせるものでないことは前記のとおりである。また,証券の流通性故に,電子署名,電子データに対するコピー・プロテクト及び印刷回数制限が必要であるとして本願発明がこれを備えるに至ったものであり,その点において引用発明との関係で技術的変更が必要であるとしても,審決は,本願発明及び引用発明における電子化証券がいずれも「契約内容を示すデータと証券の正当性を保証するための証券発行者の電子署名が含まれた電子データ」からなる点で一致することを認定した上,コピー・プロテクト及び1回のみの印刷を可能とするプロテクトが施された電子化証券の電子データを処理するための機能\手段の有無の点を相違点2として認定した上,その容易想到性について判断している。したがって,原告の上記主張は,相違点1に関する判断の誤りをいう点においては理由がなく,採用することができない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10291 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年03月24日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
 引用発明は,「アクチュエータ22a及びアクチュエータ22b」と,制御装置を備えている自動車であるのに対し,本願補正発明は,「a)流体治療装置及び流体源の一方または両方と,b)患者と上記流体治療装置及び流体源の一方または両方との間で流体を輸送するための流体路」と,制御装置を備えている薬液管理装置であるが,上記(1)のとおり,流体治療装置及び流体源の一方または両方と,患者と上記流体治療装置及び流体源の一方または両方との間で流体を輸送するための流体路と,少なくとも二つのプロセッサシステムを有する薬液管理装置は,本件特許出願の優先日(平成11年11月9日)当時,よく知られていたものと認められる上,ソフトウェアプログラムの更新という点では,自動車であるか,薬液管理装置であるかで格別異なる点があるとも認められないから,当業者(その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者)は,相違点1に係る構\成を容易に想到することができたというべきである。この点について,原告は,薬液管理装置においては患者を危険にさらすことなく治療が行われるように構成することが要求されている旨の主張をするが,ソ\フトウェアプログラムの更新を始めとする装置のメンテナンスが確実に行われなければならないことは,薬液管理装置に限らないソフトウェアプログラムを用いる装置に共通する一般的な課題であって,上記のとおり自動車であるか薬液管理装置であるかで格別異なる点があるとは認められない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成20(ネ)10085 特許権侵害差止等請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成22年03月24日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明についての侵害判断です。インターネットにおいて、クライアントからのリクエストに応じて、サーバが情報を配信することについて、侵害しているのは誰かが1つの争点となりました。裁判所は、サーバ運営者が侵害主体であると判断しました。
 被控訴人が本件特許権の侵害主体であるか否かについて検討する。本件特許に係る発明の名称は「インターネットサーバーのアクセス管理およびモニタシステム」とされており,上記2(1)アのとおり,本件発明に係る特許請求の範囲の記載から,本件発明における「アクセス」が「インターネットよりなるコンピュータネットワークを介したクライアント」による「サーバーシステムの情報ページ」に対するものであることが明らかである上,構成要件BないしFに規定される各段階は,本件発明において提供される「アクセス」が備える段階を特定するものであると解されるから,このような本件発明の実施主体は,上記のような「アクセスを提供する方法」の実施主体であって,被控訴人方法を提供して被控訴人サービスを実施する被控訴人であると解するのが相当である。(2) この点について,被控訴人は,被控訴人方法を使用しているのはパソコンのユーザーであって,被控訴人ではないから,被控訴人は本件発明の実施主体ではないとして,本件特許権を侵害していないと主張するが,その主張は,要するに,「アクセス」はクライアント(ユーザーのパソ\コン)によって行われる行為であるから,本件発明の実施主体は,インターネットよりなるコンピュータネットワークのユーザーであるクライアントであって,被控訴人ではないという趣旨に解される。しかしながら,上記のとおり,本件発明は「アクセス」の発明ではなく,「アクセスを提供する方法」の発明であって,具体的にクライアントによるアクセスがなければ本件発明に係る特許権を侵害することができないものではない。また,本件発明に係る「アクセスを提供する方法」が提供されている限り,クライアントは,被控訴人方法として提供されるアクセス方法の枠内において目的の情報ページにアクセスすることができるにとどまるのであり,クライアントの主体的行為によって,クライアントによる個別のアクセスが本件発明の技術的範囲に属するものとなったり,ならなかったりするものではないから,クライアントの個別の行為を待って初めて「アクセスを提供する方法」の発明である本件発明の実施行為が完成すると解すべきでもない。そうすると,被控訴人による「アクセスを提供する方法」が本件発明の技術的範囲に属するのである以上,被控訴人による被控訴人方法の提供行為が本件発明の実施行為と評価されるべきものである。(3) そして,甲60及び弁論の全趣旨によると,平成21年10月19日の時点において,被控訴人は現に被控訴人方法を実施していることが認められるから,被控訴人は本件特許権を侵害する者であると認められる。したがって,控訴人は,被控訴人に対し,特許法100条1項に基づき,被控訴人方法による被控訴人サービスの提供の停止を請求するとともに,同条2項に基づき,被控訴人サービスに供された「NLIA サーバー」の除却及び「登録情報データベース」の消去を請求することができるといわなければならない。なお,控訴人は「NLIA サーバー」及び「登録情報データベース」のいずれについても除却を求めているが,「NLIA サーバー」について,これが除却の対象となり得るかどうかは同サーバーの設置・管理の状況によるものであり,共用サーバーの一部が当該サーバーとして利用されている場合,サーバー全体の除却ではなく,当該利用部分がその機能を果たさなくなるようにプログラムを削除したり消去したりすることによって対応すべきものである。上記において「NLIA サーバー」の除却とは,上記のような意味を含むものである。また,「登録情報データベース」については,「データベース」の性質上,除却の対象になじまないと考えられるところ,控訴人の請求はデータベースの機能を喪失させることを求めるものと解されるから,上記のとおり,同データベースの消去を認めるのが相当である。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10288 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年03月24日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明(?)について、進歩性なしとした審決が維持されました。
 原告は,甲2文献及び甲3文献に記載された発明は,本願発明とは異なる技術思想に基づくものであり,構成も異なると主張する。しかし,前記2及び上記(1)(2)によれば,本願発明,引用発明並びに甲2文献及び甲3文献に記載された技術は,いずれも複数の情報端末表示装置を複数の者の間のコミュニケーションツールとして使用することに関する発明であって,その手段として複数の表\示装置に同じ映像が表示されることがあり,その点においては共通していることが認められる。そうすると,本願発明とは異なる技術思想や構\成に基づくものとはいえず,原告の上記主張は採用することができない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10185 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年03月24日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
 上記(1)によれば,刊行物2に記載されている「警報パターン」は,無線受信機における着信時の報知音であって,楽曲を含むと認められるところ,刊行物2に記載されている発明は,メッセージデータを受信する無線受信機において,楽曲を含む「警報パターン」を再プログラミングするための新しいかつ改良された方法であって,それは,送信機から無線受信機に,利用者が予め選択した,楽曲を含む「警報パターン」を送信し,無線受信機において当該「警報パターン」がメモリに再プログラムされて置き換えられるというものであると認められる。そうすると,引用発明2は,利用者が予\め選択した,着信時の報知音として使用されるメロディのデータを着信するものであると認められる。また,そのデータがメモリに再プログラムされて置き換えられるということは,そのデータが記憶部に格納されるということができる。なお,原告は,引用発明2は,警報パターンを再プログラムして置き換えるものであるから,メッセージのデータを着信するアドレスとは異なるアドレスでメロディのデータを着信して記憶部に追加して格納するという本件発明の技術思想とは異質であると主張するが,上記のとおり,引用発明2は,メッセージデータを受信する無線受信機において,利用者が予め選択した,着信時の報知音として使用されるメロディのデータを着信して,記憶部に格納するというものであるから,本件発明と技術思想において共通するということができ,後記5のとおり,引用発明1と組み合わせて本件発明を容易に想到することができたということができるものである。・・・・引用発明1と引用発明2は,ともに,i)無線受信機という同一の技術分野に属し,ii)新たな着信時の報知音として使用されるメロディのデータを取得することを目的としている点で,発明の課題が共通し,iii)着信時の報知音として使用するメロディのデータを取得して記憶部に格納する点で,機能・作用も共通しているから,引用発明1と引用発明2を組み合わせることができるというべきである。原告は,引用発明2の目的は,無線受信機の外部からメロディのデータを供給して再プログラムして置き換える点にあり,ユーザーが選択呼出受信機で自ら好みのメロディを作曲するという引用発明1の目的とは反すると主張するが,引用発明1と引用発明2には,原告が主張するような違いがあるとしても,そのことをもって,引用発明1に引用発明2を結びつけることに阻害要因があるということはできず,引用発明1と引用発明2には,上記のとおり共通点があるから,それらを組み合わせることができるというべきである。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10117 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年03月18日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとの審決が維持されました。
 原告は,本願発明の請求項1の「前記副次データは,前記副次データの作成・修正を行う者の端末により,直接,前記副次データファイルより取出されて,作成・修正が行われて,再度前記副次データファイルに保存され,」という記載の意味について,「端末より副次データを修正」するとは,サーバに格納されているファイルから直接データを取り出し,修正・保存することを意味するのであって,ファイルの転送という概念は含んでいない旨主張する。しかしながら,本願発明の請求項1の記載からすれば,「‥‥端末により,直接,‥‥修正が行われて」の意味につき,サーバに格納されているファイルから直接データを取り出し,それを修正・保存する者の端末により,直接修正・保存することのみに限定されると一義的に解釈することはできず,むしろ,「直接」の文言を素直に読めば,それは,サーバ上のデータに個人の端末がインターネットにより直接アクセスすることができるという程度の意味とも解し得る。そこで,本願明細書の発明の詳細な説明を参酌すると,そこには「直接」という用語を定義するような記載はみあたらず,むしろ,前記1(1) クのとおり,本願明細書には,「副次データ12が‥‥音声情報のときは,音声情報ファイル‥‥を別途作成し」「副次データ12が‥‥画像情報のときも同様に,画像情報ファイル‥‥を別途作成し」と記載されているから,発明の詳細な説明を参酌する限り,本願発明の「副次データ」は,データそのもののみならず,ファイルという形態をも含むものであると認められる。また,前記1(1) コのとおり,本願明細書には,「複数の副次データ12が第2のサーバ42bの副次データファイル48に格納されており」と記載されているから,発明の詳細な説明を参酌する限り,本願発明の「副次データファイル」は,複数のファイルを格納するものをも含むものであると認められる。さらに,前記1(1) ケのとおり,本願明細書には,「‥‥,翻訳者の自宅のパソコン等で容易かつ短時間に副次データ12を作成し,自宅からインターネットを通じて依頼者に即座に届けることができる」と記載されているところ,翻訳者の自宅から即座に依頼者に届け出るとの記載は,ファイルとして直接交付する意味と解され,少なくとも,副次データをサーバ上に置いたままである状態を意味するものではないと解される。そうすると,本願発明の「前記副次データは,前記副次データの作成・修正を行う者の端末により,直接,前記副次データファイルより取出されて,作成・修正が行われて,再度前記副次データファイルに保存され」るとの記載には,サーバからファイルを取り出し,端末でファイルを修正し,ファイルを保存することも含まれるものと認めるのが相当である。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10068 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年03月08日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について進歩性なしとした審決が維持されました。
 「HTTPサーバであるApache」が,通常,ブラウザからの要求を受けてホームページのHTMLファイルなどを転送することは,「既存情報処理手段」が「情報処理」することに相当する。引用発明1の「誤ったURLを指定した場合」は,「エラーが発生した時」に相当する。引用発明1で「誤ったURLを指定した場合」,CGIを使ったものを表示させるためには,当然にErrorDocumentで指定されたCGIプログラムを実行しているものであって,このCGIプログラムの実行はHTTPサーバであるApache(そのhttpdプログラム)とは別の情報処理手段に処理を分岐させることに相当する。また,CGIプログラムを実行させるのは,HTTPサーバであるApacheが誤ったURLの指定を検出した場合と解されるから,引用発明1も既存情報処理手段における情報処理結果の一部または全部を利用しているといえる。以上から,両者の一致点,相違点は次のとおりである。
<一致点>
「既存情報処理手段が情報処理するに際して前記既存情報処理手段における情報処理結果の一部または全部を利用して処理を行う別の情報処理手段と,エラーが発生した時に前記既存情報処理手段から別の情報処理手段へと処理を分岐させる分岐手段とを備える装置」
<相違点1>
本願発明14においては,既存情報処理手段に対して,その外に外部情報処理手段があるのに対して,引用発明1では,既存情報処理手段に相当するWWWサーバが,別の情報処理手段に相当するCGIプログラムを備えている点。
<相違点2>
本願発明14は「機能拡張装置」の発明であるのに対して,引用発明1はWWWサーバである点。
イ<相違点1>についての判断
誤ったURLを指定した場合に実行されるCGIプログラムは,既存情報処理手段であるHTTPサーバであるApache(そのhttpdプログラム)によりその実行を制御される別のプログラムであって,エラードキュメントの表示に関して付加的な情報処理手段を構\成しているから,既存情報処理手段に対して外部情報処理手段といえるものである。また,情報処理分野において,付加的な情報処理手段を既存の情報処理手段に対して外部の情報処理手段として構成することは,何ら格別なことではなく適宜の設計事項である。よって,引用発明1のCGIプログラムを既存情報処理手段に相当するWWWサーバに対して外部情報処理手段として構\成することは,当業者(その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者)が容易に想到し得ることである。
ウ<相違点2>についての判断
前記のとおり,引用発明1のCGIプログラムは,HTTPサーバであるApache(そのhttpdプログラム)に対して付加的な情報処理手段を構成し,CGIプログラムに記述された処理を行い,所定の表\示をする機能を付加するものであるから,HTTPサーバであるApache(そのhttpdプログラム)に対して機能を拡張しているといえる。よって,引用発明1においてCGIプログラムによる処理を行う構\成は,本願発明14の機能拡張装置に相当するといえるものである。
エ 以上によれば,本願発明14は引用発明1から当業者が容易に想到することができたものであると認めるのが相当である

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10192 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年03月02日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について進歩性なしとの審決が維持されました。
上記(ア)記載のとおり,引用例3には,最終来店日,来店回数及び売上金額に応じて顧客をスコア化して評価し,評価に応じた種類のクーポン券をボーナスとして送付して,顧客の固定化,来店促進,売上増又は顧客の再来店を図る営業上の手法が開示されており,以上からすれば,営業上の手法として,顧客を優遇するに当たり,来店回数及び取引額を条件として設定することが知られていたといえる。
エ 商業を営む者にとって,売上げを促進することは一般的・普遍的な課題であって,その上で,営業上の具体的な課題を設定し,同課題を解決するための手法を創意工夫することは,営業における一般常識といえることである。そして,前記アないしウによれば,期間,取引額又は複数日の取引(取引回数)を組み合わせて条件として設定し,所定の条件を満たした顧客を優遇することにより,顧客の購買行動を誘導する,様々な営業上の手法が知られていたものである。このような一般常識及び営業上の手法を前提とすれば,「一定期間の間に,一定額以上の取引を複数日において行う顧客」を得意客と取り決めて優遇することは,顧客の購買行動を誘導するための営業上の手法の一つということができ,また,条件を満たした顧客を優遇することにより,日ごとの取引量あるいは取引額が一定以上になるように購買行動が誘導され,ひいては営業の安定化が図られることは,商業を営む者にとって,当然に考慮し得ることである。したがって,審決が,「一定期間(例えばひと月)の間に,一定額以上の取引を複数日において行う顧客を優遇することにより,日ごとの取引量が一定以上になるように得意客を誘導し,営業の安定を図る」ことが,商業を営む者が考慮し得る「営業上の一手法」であると認定したことが誤りとはいえない。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10082 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年11月30日 知的財産高等裁判所 

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
 「原告は,引用発明では,ユーザーコード情報の照合により判明するのは,券が真正なものであるか否かであって,人の同一性の認証ができないのに対し,本件発明1においては,一身専属性が極めて高い携帯電話を利用することにより,バーコードを人に付したのと同様の効果が得られるため,人の同一性の認証(個人認証)ができる点において相違すると主張する。しかし,原告の主張は,以下のとおり,失当である。すなわち,本件発明1における個人認証の仕組みは,被認証者が記録した携帯電話のバーコードと認証装置側のバーコードとの同一性の有無を確認することによるものであって,当該携帯電話を所持し,提示した者が,被認証者自身であるか否かを照合の対象とするものではない。したがって,本件発明1と引用発明は,個人認証の有無において相違するということはできない。」

◆判決本文

関連事件はこちら◆平成18年(行ケ)第10478

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成20(行ケ)10297 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年11月05日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が、取り消されました。理由は、動機づけ無しというものです。
 「上記イ及びウによると,本件発明1の「REDIRECTコマンド」がクライアントにおいて情報ページを自動的に表示させるためのコマンドであって,ディレクトリサーバーによって行われるものであるのに対して,引用発明の「リダイレクト」は,ローカルエリア・ネットワーク内のサーバーに対する「インターネットの至る所」からのクライアントによるアクセスを確立する方法であって,このようなクライアントに対してローカルエリア・ネットワーク内で唯一のホストとなるフラグシップ・ホストによって行われるものであるということができる。そして,一貫してインターネットにおけるアクセスを念頭に置く本件発明1は,ローカルエリア・ネットワーク内のサーバーとのアクセスを実現するためのフラグシップ・ホストに相当するサーバーの存在及びその機能\としての「リダイレクト」によって,その技術的課題を解決しようとするものではないのであり,本件発明1の存在を知らない当業者がこのような引用例の記載に接したとしても,フラグシップ・ホストを必要としないインターネットのアクセス方法において,このような「リダイレクト」の構成を採用して,本件発明1のディレクトリサーバーによる「REDIRECTコマンド」に係る構\成とするように動機付けられるということはできないし,引用例において,フラグシップ・ホストの機能から離れて「リダイレクト」の機能\を採用しようと動機付ける記載も存在しない。そして,仮に,引用例に開示された事項についての技術的意義を離れて,「リダイレクト」という用語の抽象的な意義のみに基づいて本件発明1の「REDIRECTコマンド」と対比することを前提とするならば,排除されるべき「後知恵」の混入を避けることはできないといわなければならない。」

◆平成20(行ケ)10297 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年11月05日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 動機付け
 >> 阻害要因
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成21(行ケ)10090 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年10月29日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
 「審決は,相違点(相違点1,2)に関し,「保険会社が奨学金を支給すること,あるいは奨学金支給の支援をすることは,本願の出願日において周知となっていた」(14頁4行〜6行)とした上で,「保険会社が奨学金を支給すること,あるいは奨学金支給の支援をすることが本願の出願日において周知となっていた現状に照らせば,被保険者に重大な保全変更事情が発生した場合,就学している子供がいれば奨学金を給付するようにすることは,当業者が容易に考えつくサービスの仕組みといえる。そして,奨学金の給付に結びつく重大な保全変更事情として,死亡保険金給付,高度障害時における保険金給付,介護保険金給付のいずれかの申請情報,または死亡保険金給付,高度障害時における保険金給付,介護保険金給付のいずれかの給付完了情報などが考えられることも,当業者が普通に想起することである。」(14頁7行〜15行)とした。上記4で検討したとおり,保険会社が奨学金支給を支援すること,及び保険会社が財団を設立して奨学金を支給することが周知であることに照らせば,被保険者に重大な事情の変更が生じた場合に,就学している子供がいれば,保険会社が奨学金を直接給付することについても,当業者において普通に想起できるものと解される。そして上記重大な事情の変更として本願補正発明の挙げる死亡保険金給付等があるとすることも,当業者が普通に想起するものである。イ また,引用発明の記載された刊行物1(甲1)には,上記2(1)ア(イ)で摘記したとおり,「…子供の進学年齢毎に国公私立の中学校や高校や大学の各種案内を表示することもできる。あるいは,家族や子供の誕生日毎にお祝いのメッセージなどを表\示することもできる。…」(段落【0050】)と記載され,同(ウ)摘記の図3に記載のとおり顧客登録情報として家族の構成・性別・年齢・趣味等が記載されていることからすると,引用発明でも被保険者及び家族の個人情報を検索し,必要と思われる情報を取得して印刷する機能\を備えるものと解される。そうすると,引用発明において,入力する情報を本願補正発明における保険金給付等の情報とし,印刷し提供する情報を奨学金支給の案内状とすることに格別の技術的課題を見出すことはできないから,結局これら構成の相違点についても,当業者が容易になし得る設計的事項の範囲内のものであると認められる。そうすると,審決が相違点に係る構\成について容易想到と判断したことに誤りはない。」

◆平成21(行ケ)10090 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年10月29日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 動機付け
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

平成20(ネ)10080 特許権侵害差止等請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成21年07月29日 知的財産高等裁判所

 決済管理サーバを備えていないので技術的範囲外とした1審判断を維持しました。
 「原告らは,被告方法においては,「承諾しMUSIC.JP300に登録」 をクリックすることによって,当該携帯電話機から一旦MTIサーバに対し, 当該携帯電話機を特定する情報と30コイン分の楽曲の代金が315円である であるという情報とを含む30コイン分の楽曲が購入できる30コインの発行 を希望する希望信号を発信し,これを受信したMTIサーバは,当該携帯電話 機を特定する情報が記録されているか否かを判断していると主張する。 しかし,本件全証拠によっても,被告方法が,マイメニュー登録の段階で, MTIサーバが携帯電話機から上記の希望信号を受信した後に,当該携帯電話 機を特定する情報がMTIサーバのデータベースに記録されているか否かを判 断した上で当該携帯電話機をiモードサーバに接続させる処理経路が採用され ていることを認めることはできない。」

◆平成20(ネ)10080 特許権侵害差止等請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成21年07月29日 知的財産高等裁判所

1審判断はこちらです

◆平成19(ワ)13244平成20年10月02日 大阪地方裁判所
 

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成20(行ケ)10426 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年07月02日 知的財産高等裁判所

 UI(ユーザインターフェイス)の発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
  「上記(ア)によれば,「形態」の語は,原告主張のとおり,通常,物のかたち等の意味で用いられることが認められるものの,上記(1)アによれば,本願補正発明における「表示形態」の意味については,色,形,サイズ等による表\示上の視覚的属性をいうものであることは,既に検討したとおりである。また,上記(1)ア(イ)摘記によれば,図2Dに示された画面は,図2Cの画面からのユーザーインタフェースにおける形態の変更を示すものであるところ,(1)ア(ウ)の図2C,図2Dの記載から明らかなとおり,両者でウインドウの境界線の太さは異なっているものの,タイトルバー及び境界線により画定されたウインドウの形状及びタイトルバー内のクローズボックスの形状には差異がなく,ウインドウの外形形状に変化がないことが理解できる。従来のユーザーインタフェース画面とは外形形状において差異がない図2Dについても表示形態が異なるテーマに設定されたユーザーインタフェース画面として示されていることからしても,本願補正発明における「表\示形態」の意味は,主として表示する上での形状であるとする原告の主張が採り得ないことは明らかである。・・・・以上によれば,審決が相違点(3)に関し,「…ユーザの一般的な要望に従ってイメージを一変させ見栄えのするデスクトップとするため,引用例1記載発明において,第1のセット及び第2のセットにインタフェースオブジェクト及びオブジェクトパーツの配色パターンのみならず,インタフェースオブジェクトの形状をも含ませるようにし,インタフェースオブジェクトが第1セットを使用して表\示される場合には第1形状の第1アウトラインを有し,前記インタフェースオブジェクトが第2セットを使用して表示される場合には第2形状の第2アウトラインを有するものとすることは当業者が格別困難なくなしうることと認められる。」(10頁28行〜35行)とした判断に誤りはない。

◆平成20(行ケ)10426 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年07月02日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 要旨認定
 >> 本件発明
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成20(行ケ)10375 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年07月29日 知的財産高等裁判所

 マピオン特許(CS関連発明?)について、無効理由無しとした審決が維持されました。

◆平成20(行ケ)10375 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年07月29日 知的財産高等裁判所
関連判決はこちらです
  ◆平成20(行ケ)10373
  ◆平成20(行ケ)10374

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成19(ワ)27187 特許権侵害差止等 特許権 民事訴訟 平成21年07月15日 東京地方裁判所

 ユーザインターフェイス関係の特許(CS関連発明)について最終的には、進歩性違反を理由に権利行使不能と判断されましたが、用語の解釈について興味深い判断がなされました。
  「被告は,原出願の拒絶査定に対する審判手続及び原出願審決に対する審決取消訴訟手続では,原告が,「テレビジョン番組リスト」の用語を「個々の番組単位における番組情報」の意味では使用しておらず,各手続における特許庁の主張及び裁判所の判決においても,「テレビジョン番組リスト」とは,テレビジョン番組のタイトルのリスト,すなわち,テレビジョン番組のタイトルが並んだものと解されているから,本件発明における「テレビジョン番組リスト」の文言についても,「テレビジョン番組のタイトルが並んだもの」を意味すると解すべきであり,分割出願に係る本件特許権による権利行使の際に,同用語の意義を違えて主張することは,信義則に基づく禁反言法理から許されないと主張する。しかしながら,分割出願制度は,一つの出願において二つ以上の異なる発明の特許出願をした出願人に対し,出願を分割する方法により,各発明につき,それぞれ元の出願の時に遡って出願がされたものとみなして特許を受けさせるものであるから,原出願で特許出願された発明と,分割出願で特許出願された発明は,本来,内容を異にするものであり,分割出願された発明の「特許請求の範囲」に記載された文言の解釈が,原出願の手続における文言の解釈と必ずしも一致する必要はないというべきである。したがって,本件特許の「テレビジョン番組リスト」の文言の解釈において,仮に,原出願の拒絶査定に対する審判手続及び原出願審決に対する審決取消訴訟手続において使用された「テレビジョン番組リスト」の文言の意味とは異なる解釈をしたとしても,禁反言法理から許されないとはいえず,被告の上記主張は採用できない。」

◆平成19(ワ)27187 特許権侵害差止等 特許権 民事訴訟 平成21年07月15日 東京地方裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 要旨認定
 >> 本件発明
 >> 技術的範囲
 >> 104条の3
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成20(ワ)12952 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟 平成21年07月10日 東京地方裁判所

 CS関連発明について、一部の構成をサーバが実施しているとして技術的範囲に属しないと判断されました。
  「構成要件Fは,「位置座標データ入力手段の位置座標データに基づいて,所定の業務を行う複数の個人,会社あるいは官庁の中から現在位置に最も近いものの発信先番号を選択する選択手段とを備え」と規定されているところ,ここにいう「選択手段」とは,CPU及びプログラムがなし得る機能\を意味するにすぎず,当然に特定の処理を指し示すものではないから,その意義は特許請求の範囲からは一義的に明らかなものとはいえない。そこで,本件明細書の記載を参酌すると,本件明細書には次のとおりの記載がある(甲2)。・・・・以上からすると,本件特許発明1の「選択手段」とは,現在位置の位置座標データに基づいて最も近い施設を選択し,それと関連付けて記憶されている,同施設の発信先番号を取り出すことであり,また,「選択手段」による処理は,「携帯コンピュータ」自体のCPUが実行するものであって,「選択手段」は「携帯コンピュータ」自体が備えるものであると解釈するのが相当である。・・・以上からすると,被告製品の「選択手段」による処理は,ナビタイムサーバが実行しているものであって,被告製品においては,「選択手段」を「携帯コンピュータ」自体が備えてはいないものと認められる。したがって,被告製品は,構成要件Fを充足するものということはできない。」

◆平成20(ワ)12952 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟 平成21年07月10日 東京地方裁判所
以下は、原告vs携帯電話会社との過去の事件です
    ◆平成15(ワ)28554 平成16年10月01日 東京地方裁判所
    ◆平成15(ワ)28575 平成16年10月01日 東京地方裁判所

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 文言侵害
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成20(行ケ)10413 審決取消請求事件,審決取消請求承継参加事件 特許権 行政訴訟平成21年05月27日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明(?)について、進歩性なしとの拒絶審決が維持されました。
 問題となったクレームは 「バッジの携帯者による保護域へのアクセスをチェックする装置において, 前記バッジは, 特定の身体的特徴を記憶する第1のメモリと, 前記第1のメモリに接続された第1の無線手段を含み, 前記装置は, 前記第1のメモリに記憶された前記特定の身体的特徴を無線により読み取る 第2の無線手段と, 前記バッジの携帯者の特定の身体的特徴を取得する取得手段と, 前記第2の無線手段により読み取った特定の身体的特徴と,前記取得手段で 取得した前記バッジの携帯者の特定の身体的特徴とを比較する比較手段と, 前記比較手段の結果により施錠を制御するアクセス施錠手段とを含む ことを特徴とする前記アクセスチェック装置。」 というものです。

◆平成20(行ケ)10413 審決取消請求事件,審決取消請求承継参加事件 特許権 行政訴訟平成21年05月27日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成20(行ケ)10279 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年06月16日 知的財産高等裁判所

 パチンコゲーム機(CS関連発明(?))について、29条1項柱書き違反無しとした審決が維持されました。
   「上記(1)によれば,本件訂正発明1〜5は,いずれも,スロットマシン等の遊技機に関する発明であり,従前の遊技機における高確率再遊技期間は予め定められたゲーム数分継続しそのゲーム数分継続しなければ高確率再遊技が終わることがなかったことから,その遊技も単調になる傾向があり,遊技者は期待感を維持することが困難であったが,本件訂正発明1〜5により,高確率再遊技期間中に所定の内部当選役が決定されたことを条件に,高確率再遊技期間を終了させるとともに,その内部当選役を複数設け,それらの内部当選役毎に終了確率が異なるようにしたもので,終了確率の多様化が図れ,遊技性が広がり面白みが増すという効果が生じるものであることが認められる。・・・・3 特許法29条1項柱書にいう「発明」性の有無について(1) 原告は,前記のような内容を有する本件訂正発明1〜5は特許法29条1項柱書にいう「発明」に該当しないと主張するので,以下,検討する。(2) 特許法29条1項柱書は,「産業上利用することができる発明をした者は,次に掲げる発明を除き,その発明については特許を受けることができる」と定め,その前提となる「発明」について同法2条1項が,「この法律で『発明』とは,自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう」と定めている。そうすると,本件訂正発明1〜5が,i)産業上利用できる発明ではない場合,ii)自然法則を利用した発明でない場合,iii)技術的思想の創作となる発明でない場合,iv)技術的思想の創作のうち高度なものでない場合,のいずれかに該当するときは,同法29条1項柱書にいう「発明」に該当しないことになる(なお原告は,前記のとおり,本件訂正発明1〜5が上記i)及びiv)には該当しないことを自認している)。ところで,本件訂正発明1〜5は,前記のようにスロットマシン等の遊技機に関する発明であって,そこに含まれるゲームのルール自体は自然法則を利用したものといえないものの,同発明は,ゲームのルールを遊技機という機器に搭載し,そこにおいて生じる一定の技術的課題を解決しようとしたものであるから,それが全体として一定の技術的意義を有するのであれば,同発明は自然法則を利用した発明であり,かつ技術的思想の創作となる発明である,と解することができる。そこで,以上の見地に立って本件訂正発明の特許法29条1項柱書にいう発明該当性について検討する。(3) 前記2のとおり,本件訂正発明1〜5は「遊技機」という機器に関する発明であり,上記ゲームのルールを機器に定着させたもの(例えば,実施例として「ゲームを実行するための予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU(クロックパルス発生回路,乱数発生器を含む。),スタートレバーを操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル,停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止制御テーブル,副制御回路82へ送信するための各種制御指令(コマンド)等を格納(記憶)するROMを含むマイクロコンピュータを主たる構\\成要素とする制御回路を用いて遊技処理動作を制御する技術を用いる」もの)であるから(なお,審決は,本件訂正発明1〜5が前記甲1発明〔特開2001‐314559号公報〕及び〔特開2000‐210413号公報〕との関係で特許法29条2項にいう進歩性があると判断しており,原告も本件訴訟においてこれを争わない),全体として本件訂正発明1〜5は,自然法則を利用した発明であり,かつ技術的思想の創作となる発明であるというべきである。。(4) 原告の主張に対する補足的判断ア原告は,特許法39条,29条の2,29条1項及び2項の特許要件を判断するに際し,2つの発明を対比する場合に,周知慣用技術等を除外して検討することを挙げ,それと同様に特許法29条1項柱書の要件についても,「技術的に意義のある部分」について,自然法則利用の有無や技術的思想の創作該当性を判断すべきであると主張する。しかし,前記のように,特許法2条1項が「『発明』とは,自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。」と定め,同法29条1項柱書において,「産業上利用することができる発明をした者は,次に掲げる発明を除き,その発明について特許を受けることができる。」とした上で,「次に掲げる発明」として,1〜3号に公知発明等を挙げている。このような特許法の規定の仕方からすると,特許法は,特許を受けようとする発明が自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものであり,かつ産業上利用することができるものであるかをまず検討した上で,これらの要件を満たす発明であっても公知発明等に当たる場合には特許を受けることができないものと定めていると解すべきである。そうすると,特許法29条1項柱書該当性の判断に当たっては,特許法39条,29条の2,29条1項及び2項のように,2つの発明を対比することにより特許要件の有無を判断する場合とは異なり,特許請求の範囲によって特定された発明全体が自然法則を利用した技術的思想の創作に当たるかどうかを全体的に検討すべきであって,公知発明等に当たらない新規な部分だけを取り出して判断すべきではないと解される。原告の主張は独自の論理に基づくものであって,採用することができない。」

◆平成20(行ケ)10279 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年06月16日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 成立性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成20(ワ)6226 損害賠償請求事件 特許権 民事訴訟 平成21年06月04日 大阪地方裁判所

 CS関連発明ではありませんが、新規性無しとして権利行使不能とされました。
 「これらの記載によると,本件明細書に記載された本件発明の実施例において,書込と読出は同時に行われることはなく,「タイムスリット」と呼ばれる短い時間を単位として,書込と読出が時分割で行われていることが示されている。具体的には,1個の書込タイムスロット「0」で書込を行い,次に,63個の読出タイムスロット「1」〜「63」で読出を行うという,合計64個のタイムスロットを繰り返すことが示されており,書込中の箇所を含む複数個の任意の位置から読出するのではなく,書込中の箇所を除く複数個の任意の位置から読出することがわかる(なお,仮に,本件発明1の「任意の複数の位置」が,引用発明3のタイムスロットのn個全体における任意の位置を意味するのであれば,引用発明3を理由として,本件発明1の無効をいうことはできなくなるが,そのときは,特許庁による判定〔乙1〕で示されたとおり,被告製品は,本件発明1を文言上侵害していないということになる。)。」

◆平成20(ワ)6226 損害賠償請求事件 特許権 民事訴訟 平成21年06月04日 大阪地方裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 104条の3
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成20(行ケ)10151 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年05月25日 知的財産高等裁判所

 知財高裁がCS関連発明について、自然法則を利用した技術思想であるとした審決を維持しました。積極的に認める判断は初めてです。飯村判事です。
 「当裁判所は,審決が,本件特許発明は自然法則を利用した技術的思想の創作に該当するとした判断に誤りはなく,取消事由2は理由がないと判断する。その理由は,以下のとおりである。(1) 請求項1に係る発明についてア請求項1に係る発明は,旅行業向け会計処理装置の発明であり,経理ファイル上に,「売上」と「仕入」とが,「前受金」,「未収金」,「前払金」,「未払金」と共に,一旅行商品単位で同日付けで計上されるようにしたことを特徴とする(1P)。その構成は,電子ファイルである経理ファイル(1A),第1の計上要求操作(「売上」及び「仕入」の同日付計上を要求)と第2の計上要求操作(「入金」又は「支払」の計上を要求)があったことをそれぞれ判別する操作種別判定手段(1B),操作種別判定手段により第1の計上要求操作ありと判定されたときに実施される第1の計上処理手段(1C),操作種別判定手段により第2の計上要求操作ありと判定されたときに実施される第2の計上処理手段(1D)を有し,第1の計上処理手段(1C)は,前受金判定手段(1E),売上計上処理手段(1F),前払金判定手段(1G),仕入計上処理手段(1H)を含み,第2の計上処理手段(1D)は,売上仕入済み判定手段(1I),売上仕入前計上処理手段(1J),売上仕入後計上処理手段(1K)を含み,さらに,売上仕入前計上処理手段(1J)は,操作種別判定手段(1L),前受前払金の計上処理手段(1M)を含み,売上仕入後計上処理手段(1K)は,操作種別判定手段(1N),未収未払金の計上処理手段(1O)を含むものである。そして,上記各手段は,コンピュータプログラムがコンピュータに読み込まれ,コンピュータがコンピュータプログラムに従って作動することにより実現されるものと解され,それぞれの手段について,その手段によって行われる会計上の情報の判定や計上処理が具体的に特定され,上記各手段の組み合わせによって,経理ファイル上に,「売上」と「仕入」とが,「前受金」,「未収金」,「前払金」,「未払金」と共に,一旅行商品単位で同日付けで計上されるようにするための会計処理装置の動作方法及びその順序等が具体的に示されている。そうすると,請求項1に係る発明は,コンピュータプログラムによって,上記会計上の具体的な情報処理を実現する発明であるから,自然法則を利用した技術的思想の創作に当たると認められる。\nイ この点,原告は,i)請求項1において特定された「手段」は,本件特許の特許出願の願書に添付された図面の図3ないし5に示された処理手順の各ステップの内容を特定したものであるところ,この処理手順及び各ステップの内容は,請求項1にいう同日付計上の会計処理を,伝票と手計算で実行する際の手順及び内容と同様のものであり,上記特定は,手計算に代えてコンピュータを使用したことに伴い必然的に生じる特定にとどまること,ii)本件特許発明の作用効果である「売上と仕入を一旅行商品単位で同日計上することから,従前の旅行業者向けの会計処理装置では不可能であった,一旅行商品単位での利益の把握が可能\となる。また,同様に従前の旅行業向け会計処理装置では不可能だった債権債務の管理が可能\となるため,不正の防止や正しい経営判断が容易となる。」は,自然法則の利用とは無関係の会計理論又は会計実務に基づく効果にすぎないことなどから,請求項1に係る発明は,自然法則を利用した技術的思想の創作とはいえない,と主張する。しかし,原告の上記主張は,採用することができない。すなわち,i)本件特許の特許出願の願書に添付された図面の図3は,本件特許発明に係る旅行業向け会計処理装置による処理操作の一例を示す概略フローチャート,図4は,第1計上処理を示す詳細フローチャート,図5は,第2計上処理を示す詳細フローチャートであり(甲10),コンピュータプログラムに従ってコンピュータにより行われるべき情報処理の流れが開示されていること,ii)請求項1においては,それぞれの手段について,その手段によって行われる会計上の情報の判定や計上処理が具体的に特定され,コンピュータに対する制御の内容が具体的に示されていること,iii)その処理手順等は,その性質上,伝票と手計算で実行する際の処理手順等と全く同様ではなく,相違する点があることに照らして,原告の主張は,その前提を欠くものであって,採用の限りでない。また,コンピュータを利用することによって,所定の情報処理を迅速・正確に実現することを目的とする発明の構成中に,伝票と手計算によって実現できる構\成要素が含まれていたとしても,そのことによって,当該発明全体が,自然法則を利用した技術的思想の創作に該当しないとするいわれはないから,この点の原告の主張も採用の限りでない。さらに,本件明細書(【0068】)には,本件特許発明の作用効果として,「売上と仕入を一旅行商品単位で同日計上することから,従前の旅行業者向けの会計処理装置では不可能であった,一旅行商品単位での利益の把握が可能\となる。また,同様に従前の旅行業向け会計処理装置では不可能だった債権債務の管理が可能\となるため,不正の防止や正しい経営判断が容易となる。」と記載されており,本件特許発明は,上記の作用効果を目的とするものであることが認められ,上記の作用効果は,人の精神活動に基づいて体系化された会計理論,会計実務を前提とし又は応用したものを含むといえる。しかし,上記のような作用効果が含まれていたとしても,そのことによって,コンピュータの利用によって実現される発明全体が,自然法則を利用した技術的思想の創作に該当しないとするいわれはないから,この点の原告の上記主張も採用の限りでない。以上のとおり,請求項1に係る発明は,自然法則を利用した技術的思想の創作に当たる。」

◆平成20(行ケ)10151 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年05月25日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 成立性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成20(行ケ)10270 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成21年02月26日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、新規事項であるとして補正を認めなかった審決を取り消しました。
  「上記のとおり,位置移動情報はユーザー側が送信し,サーバーシステムが受信するものであり,上記の「前記試着アバターを前記商品bに近づく位置へ移動させ」は,上記アのとおり,ユーザー側からの(他の仮想店舗B内において)「更に同店内の商品bに近づく」という内容の位置移動情報をサーバーシステムが受信したことを前提として記載されているものであることからすると,試着アバターを商品bに近づく位置へ移動させるという内容の位置移動情報に基づいて,そのように試着アバターを移動させる(そのようなデータを生成し,送信する)というサーバーシステムの処理が記載されていると理解する以外にないというべきである。このように理解することについて,被告は,既に受信したユーザー側からの位置移動情報と全く同じ内容の操作指示を再度ユーザーが行うことになり,不自然であり,合理的でない旨主張するが,上記アのとおりユーザー側からの位置移動情報を受信したことに基づいて,その受信内容に応じた処理を行うことに,何ら不自然な点はないから,被告の主張を採用することはできない。仮に,「前記試着アバターを前記商品bに近づく位置へ移動させ」との記載について被告の主張するように理解するとするならば,この記載は,請求項1のどこにも記載されていない「ユーザーの操作指示によらずにサーバーシステムが実行する処理」を何の説明を加えることなく記載したものということになってしまい,かえって不自然であるといわざるを得ない。」

◆平成20(行ケ)10270 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成21年02月26日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 補正・訂正
 >> 新規事項
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成20(行ケ)10176 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成21年01月29日 知的財産高等裁判所

 ゲーム装置(CS関連発明?)について、進歩性なしとした審決が取り消されました。 
  「審決は,引用発明の電子チップが本願発明のゲーム的メリットと共通する(実質的具備事項5)とした上で,引用発明と本願発明とが「電子データであるメリットをネットワークを介して端末装置に送信する送信手段」を有する点で一致すると認定している。しかしながら,上記ア及びイに認定説示したところによれば,本願発明は,ゲーム的メリットをネットワークを介して端末装置に送信するものであるのに対し,引用発明は,電子チップを端末装置に送信するものではないから,引用発明の電子チップが本願発明のゲーム的メリットと共通するかについても争いのあるところであるが,仮にこれが認められるとしても,引用発明が「電子データであるメリットをネットワークを介して端末装置に送信する送信手段」を有するとした審決の認定は誤りというべきである。(イ) この点について,被告は,引用発明においては,電子チップ情報をクライアント装置に送信して供給することにより,消費あるいはゲームの進行に従った電子チップ数の演算及び表示をクライアント装置に実施させ,ひいてはユーザが電子チップを消費し,あるいはゲームの進行に従って電子チップ数を変化させることを可能\としているから,電子チップ情報の供給は,実質的には,クライアント装置に対して利用可能な形態で電子チップを送信して供給するものであるということができると主張する。しかしながら,引用発明において,ユーザがクライアント装置を使用してその保有する電子チップに関する情報を確認できたり,電子チップを使用できたりしたとしても,そのような機能\を実現するための具体的構成は複数存在するのであって,引用発明と本願発明とでは同じ機能\を実現するための具体的な構成が異なるのであるから,単に実現される機能\が同一であるという理由から,両者の具体的な構成を同一視することはできないというべきである。したがって,被告の上記主張は採用することができない。」

◆平成20(行ケ)10176 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成21年01月29日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 相違点認定
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成20(行ケ)10107 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年10月30日 知的財産高等裁判所

   CS関連発明について、記載不備、進歩性なしとした審決を維持しました。ただ、36条の記載不備については下記のような付言がなされています。
  「なお,審決が特許法36条6項2号該当性の有無について判断した点について付言する。特許法36条6項2号は,特許請求の範囲の記載において,特許を受けようとする発明が明確でなければならない旨を規定する。同号がこのように規定した趣旨は,特許請求の範囲に記載された発明が明確でない場合には,特許発明の技術的範囲,すなわち,特許によって付与された独占の範囲が不明となり,第三者に不測の不利益を及ぼすことがあるので,そのような不都合な結果を防止することにある。そして,特許を受けようとする発明が明確であるか否かは,特許請求の範囲の記載のみならず,願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し,また,当業者の出願当時における技術的常識を基礎として,特許請求の範囲の記載が,第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるかという観点から判断されるべきである。
 ところで,審決は,請求項1(1)についての「コード番号を付してコード化し」,「暗号化し」,「転送する」などの記載,請求項1(2)についての「平文化できる範囲を設定し」などの記載,請求項1(3)についての「顧客個人情報を登録し」,「再暗号化して登録する」,「階層別に管理する」などの記載,請求項1(5)についての「登録してデーターベース化し」などの記載が,「人間がPCを操作して行う処理であるとも,PCが人間を介さず自動的に行う処理であるとも解することができ,そのいずれを意味しているのかが不明であるため,その特定しようとする事項が明確でないから,特許法36条6項2号に規定する要件を満たさない」と判断した。
 しかし,審決の上記判断は,その判断それ自体に矛盾があり,特許法36条6項2号の解釈,適用を誤ったものといえる。すなわち,審決は,本願発明の請求項1における上記各記載について,「人間がPCを操作して行う処理であるとも,PCが人間を介さず自動的に行う処理であるとも解することができ(る)」との確定的な解釈ができるとしているのであるから,そうである以上,「そのいずれを意味しているのかが不明であるため,その特定しようとする事項が明確でない」とすることとは矛盾する。のみならず,審決のした解釈を前提としても,特許請求の範囲の記載は,第三者に不測の不利益を招くほどに不明確であるということはできない。むしろ,審決においては,自らがした広義の解釈(それが正しい解釈であるか否かはさておき)を基礎として,特許請求の範囲に記載された本願発明が,自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものといえるか否か(特許法2条1項),産業上利用することができる発明に当たるか否か(29条1項柱書)等の特許要件を含めて,その充足性の有無に関する実質的な判断をすべきであって,特許法36条6項2号の要件を充足しているか否かの形式的な判断をすべきではない。前記のとおり,その判断の結果にも誤りがあるといえる。」

◆平成20(行ケ)10107 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年10月30日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 記載要件
 >> 明瞭性要件
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成19(行ケ)10327 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年08月28日 知的財産高等裁判所 

  CS関連発明について、成立性違反、進歩性違反で拒絶した審決を維持しました。ただ、29条1項柱書違反について、「当裁判所は,本願補正発明が法2条1項に規定する発明に該当しないとした審決の判断を正当とするものではないが,事案にかんがみ,まず,原告ら主張の取消事由1のうち,進歩性がないとした判断(理由(1)イ)の誤りの有無について検討する。」としたのが気になります。
  補正却下されたクレームです。
【請求項1】商品の販売元が彩色商品カタログのデジタル・データ情報を,インターネット通信販売システムを介して送信し,この商品カタログのデジタル・データを受信した消費者が自己のパソコンのモニタに表\示された商品カタログのデジタル画像を見て,その中から購買希望の商品を選択して,販売元にその選択された商品の注文情報を送信することにより所望の商品を購入するインターネット通信販売システムを介 する商品の販売方法であって, (イ)販売元が少なくとも一つの彩色商品の見本画像と色変化尺度としての基準色画像を組込んだ商品カタログを作成し,この商品カタログのカラー画像データをデジタル商品カタログとしてインターネット通信販売システムを介して消費者に送信し, (ロ)このデジタル商品カタログを受信した消費者が,受信データをパソコンのモニタにデジタル画像として表\示し, (ハ)この消費者が,パソコンを操作してモニタに表\示されたデジタル商品カタログの基準色画像の色を自己が所有する印刷された前記基準色画像の色に実質的に合致させ,同時に色が調整されたモニタ表示のデジタル商品カタログの彩色商品画像の中から所望の商品を選択して,販売元にその選択された商品の注文情報を送信することを特徴とするインターネット通信販売システムを介する商品の販売方法。」

◆平成19(行ケ)10327 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年08月28日 知的財産高等裁判所 

関連カテゴリー
 >> 成立性
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成19(行ケ)10374 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年08月28日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
  

◆平成19(行ケ)10374 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年08月28日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成20(行ケ)10001 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年08月26日 知的財産高等裁判所

   発明成立性なしとして拒絶された審決が取り消されました。審決はCS基準における成立性を満たしていないので成立性無しと判断しましたが、裁判所は、CS基準における成立性の是非については検討することなく、成立性ありと判断しました。
 「のみならず,前記のとおり,本願の特許請求の範囲の記載においては,対象となる対訳辞書の特徴を具体的に摘示した上で,人間に自然に具わった能力のうち特定の認識能\力(子音に対する優位的な識別能力)を利用することによって,英単語の意味等を確定させるという解決課題を実現するための方法を示しているのであるから,本願発明は,自然法則を利用したものということができる。」

◆平成20(行ケ)10001 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年08月26日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 成立性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成19(行ケ)10403 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年07月23日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明(?)について、「〜手段」の記載がサポート要件違反(36条6項1号)、不明瞭(同2号)、29−2違反が争われましたが、裁判所は、36条6項1号、2号については、審決の判断は誤りであると認定し、一部の審決を取り消しました。  
  「本件請求項1の記載のうち「ROM又は読み書き可能な記憶装置に,前記自動起動スクリプトを記憶する手段」という文言の解釈につき当事者間に争いがあるので,まずこの点について検討する。ア 本件請求項1の記載を全体として捉えると,本件請求項1の「着脱式デバイス」は,「所定の種類の機器が接続されると,その機器に記憶された自動起動スクリプトを実行するコンピュータ」の汎用周辺機器インタフェースに着脱されるものであって,前記汎用周辺機器インタフェースに接続された際に「前記コンピュータからの機器の種類の問い合わせ信号に対し,前記所定の種類の機器である旨の信号を返信」するなどして,「前記コンピュータに前記自動起動スクリプトを起動させる手段」を備えるものである。したがって,「自動起動スクリプト」は,「所定の種類の機器」を用いる場合にはその機器に記憶され,コンピュータによって起動されるものであり,同様に,本件請求項1の「着脱式デバイス」を用いる場合には,着脱式デバイスに記憶され,コンピュータによって起動されるものである。そして,本件請求項1の「着脱式デバイス」は,「主な記憶装置としてROM又は読み書き可能\な記憶装置を備え」るものであり,「前記ROM又は読み書き可能な記憶装置に,前記自動起動スクリプトを記憶する」と記載されていることに照らせば,「自動起動スクリプト」は着脱式デバイスの主な記憶装置であるROM又は読み書き可能\な記憶装置に記憶されるものである。イ ところで,一般に「手段」とは,「目的を達するための具体的なやり方」を意味するものである(広辞苑第6版)ところ,本件請求項1における「ROM又は読み書き可能な記憶装置に,前記自動起動スクリプトを記憶する手段」との記載が,「前記コンピュータに前記自動起動スクリプトを起動させる手段」,「前記コンピュータから前記ROM又は読み書き可能\な記憶装置へのアクセスを受ける手段」とともに併記されたものであることからすれば,上記「記憶する手段」が,「ROM又は読み書き可能な記憶装置に前記自動起動スクリプトを記憶する」という目的を達するための具体的なやり方を意味するのか,それとも本件特許発明1全体の目的を達するための構\成要素の一つを意味するのか,いずれに解することも可能であって,特許請求の範囲の記載の技術的意義が一義的に明確に理解することができない場合に当たる。ウそこで,本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌して,本件請求項1の「ROM又は読み書き可能\な記憶装置に,前記自動起動スクリプトを記憶する手段」の解釈につき検討する(なお,被告は,特許法36条6項1号該当性の判断をするに当たって発明の詳細な説明の記載を参酌すべきではないと主張するが,最高裁平成3年3月8日第二小法廷判決〔民集45巻3号123頁〕も判示するように,特許を受けようとする発明の要旨を認定するのに特許請求の範囲の記載のみではその技術的意義が一義的に明確に理解することができない場合には,発明の詳細な説明の記載を参酌することは許されると解する。・・・以上の記載によれば,本件特許発明1は,USBメモリ等の着脱式デバイスをコンピュータに接続した際に,煩雑な手動操作を要することなく自動起動スクリプトに記述された所定のプログラムを自動実行させることを課題とするものであり,かかる課題の解決手段として,自動起動スクリプトを着脱式デバイスの記憶装置内に予め記憶し,コンピュータからの問い合わせに対してCD−ROMドライブなど自動起動スクリプト実行の対象機器である旨の信号(擬似信号)を返信することによって,コンピュータが着脱式デバイスの記憶装置内に記憶された自動起動スクリプトを起動させるという構\成を備えたものであることが認められる。そして,かかる解決手段を実現するためには,自動起動スクリプトは,着脱式デバイスがコンピュータに接続されたときにコンピュータから読み出すことが可能な状態でデバイスの記憶装置内に記憶されていることが必要であり,かつ,それで足りる。そうすると,ROM等の記憶装置が,その製造時に自動起動スクリプトを記憶するものであっても,上記解決手段を実現するのに何ら差し支えなく,また,ROM等の記憶装置の製造後に自動起動スクリプトを記憶させなければならないとすることは,上記解決手段の実現にとって特段の意味を有しないものである。(ウ) したがって,本件請求項1の「ROM又は読み書き可能な記憶装置に,前記自動起動スクリプトを記憶する手段」という文言は,「ROM又は読み書き可能\な記憶装置に自動起動スクリプトを記憶する」という目的を達するための具体的なやり方を意味するものと解すべきではなく,本件特許発明1の目的を達するための構成要素の一つとして「自動起動スクリプトがROM又は読み書き可能\な記憶装置に記憶されている状態であること」を意味するものと解釈すべきである。」

◆平成19(行ケ)10403 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年07月23日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 記載要件
 >> 明瞭性要件
 >> サポート要件
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成19(行ケ)10429 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年07月23日 知的財産高等裁判所

   CS関連発明に関して、発明の成立性、記載不備および進歩性を理由になされた拒絶審決の取り消し訴訟について、裁判所は、周知技術から進歩性なしとして審決を維持しました。
 「審決は,上記第2の3のとおり,請求項1の発明は,?@「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当せず,?A明確であるとも認められず,?B本願明細書の発明の詳細な説明が,当業者が容易に実施できる程度に明確かつ十分に記載されているとは認められないとしたほか,?C本願発明は,引用例に記載された発明及び周知技術等に基づいて当業者が容易に発明をすることができたと判断したものであるところ,審決の上記?@〜?Cの判断の関係については,審決が「仮に,請求項1に係る発明が,特許法上の発明である『自然法則を利用した技術思想の創作』に該当し,かつ,明確であるとしても,・・・請求項1に係る発明は,引用例1に記載された発明,引用例2に記載された事項,上記周知技術,上記周知事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない」としているところから明らかなように,上記?Cの判断は,上記?@〜?Bの判断を前提としないものであり,仮に上記?@〜?Bの判断の誤りをいう取消事由1〜3に理由があったとしても,取消事由4に理由がなければ,本訴請求は棄却されるべき性質のもの,すなわち,審決の取消しに至るためには,上記?Cの判断が誤りであることが不可欠であるという関係にある。そこで,まず,取消事由4について検討する。」

◆平成19(行ケ)10429 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年07月23日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 成立性
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成19(行ケ)10369 審決取消請求事件 特許権 平成20年06月24日 知的財産高等裁判所

 裁判所は、コンピュータ診断(CS関連発明(?))について、発明ではないとした審決を取り消しました
 「ウ ところで,特許の対象となる「発明」とは,「自然法則を利用した技術的思想の創作」であり(特許法2条1項),一定の技術的課題の設定,その課題を解決するための技術的手段の採用及びその技術的手段により所期の目的を達成し得るという効果の確認という段階を経て完成されるものである。したがって,人の精神活動それ自体は,「発明」ではなく,特許の対象とならないといえる。しかしながら,精神活動が含まれている,又は精神活動に関連するという理由のみで,「発明」に当たらないということもできない。けだし,どのような技術的手段であっても,人により生み出され,精神活動を含む人の活動に役立ちこれを助け,又はこれに置き換わる手段を提供するものであり,人の活動と必ず何らかの関連性を有するからである。そうすると,請求項に何らかの技術的手段が提示されているとしても,請求項に記載された内容を全体として考察した結果,発明の本質が,精神活動それ自体に向けられている場合は,特許法2条1項に規定する「発明」に該当するとはいえない。他方,人の精神活動による行為が含まれている,又は精神活動に関連する場合であっても,発明の本質が,人の精神活動を支援する,又はこれに置き換わる技術的手段を提供するものである場合は,「発明」に当たらないとしてこれを特許の対象から排除すべきものではないということができる。・・・・カ 以上によれば,請求項1に規定された「要求される歯科修復を判定する手段」及び「前記歯科修復の歯科補綴材のプレパラートのデザイン規準を含む初期治療計画を策定する手段」には,人の行為により実現される要素が含まれ,また,本願発明1を実施するためには,評価,判断等の精神活動も必要となるものと考えられるものの,明細書に記載された発明の目的や発明の詳細な説明に照らすと,本願発明1は,精神活動それ自体に向けられたものとはいい難く,全体としてみると,むしろ,「データベースを備えるネットワークサーバ」,「通信ネットワーク」,「歯科治療室に設置されたコンピュータ」及び「画像表示と処理ができる装置」とを備え,コンピュータに基づいて機能\する,歯科治療を支援するための技術的手段を提供するものと理解することができる。キ したがって,本願発明1は,「自然法則を利用した技術的思想の創作」に当 たるものということができ,本願発明1が特許法2条1項で定義される「発明」に該当しないとした審決の判断は是認することができない。」

◆平成19(行ケ)10369 審決取消請求事件 特許権 平成20年06月24日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 成立性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成19(行ケ)10366 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟

 ゲーム装置(CS関連発明)の進歩性に関する判断です。裁判所は進歩性なしとした審決を維持しました。
 「上記の検討によれば,引用発明の適用対象である仮想現実技術と,周知 のゲーム装置における画像処理方法とでは,仮想現実技術として技術分野 が共通し,また引用発明も周知のゲーム装置における画像処理方法が有す る技術的課題を解決する方法であるといえることから,引用発明を周知の ゲーム装置における画像処理方法に適用することにより本願発明の構成とすることは当業者(その発明の属する技術の分野における通常の知識を有\nする者)にとり容易であるとした審決の判断に誤りはない。」

◆平成19(行ケ)10366 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成20年06月18日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成19(行ケ)10294 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年03月25日 知的財産高等裁判所

  CS関連発明の進歩性が否定されました。
  なお、本事件は、出願時の補正が新規事項であるとして拒絶した前拒絶審決を取り消した判決が確定していますが(◆H17.12. 8 知財高裁 平成17(行ケ)10393 特許権 行政訴訟事件)、当該審判中で再度、29条2項違反の拒絶理由を通知すべきとまではいえないとも判断しました。
 「引用例1は,通信ネットワークを用いた商品販売方法における商品一覧表を問題とするところ,本件出願当時,そのような通信ネットワークを用いた商品販売方法\nにおいて,通信ネットワークとしてインターネットを想定することは当業者が設計 事項としてするような事項であるし,また,そのように通信ネットワークとしてイ ンターネットを使用するとき,商品一覧表のデータの入力に際し,インターネットにおいてごく普通に使用されている言語であるHTMLの編集等に用いられるHT\nMLエディタを使用することは当業者が設計事項としてするようなことであったと 認められる。そうすると,当業者は,引用例1の商品一覧表の作成に当たり,引用例7を適用し,本願補正発明の構\成に容易に想到することができたというべきである。」
 「原告は,特許庁が,平成14年5月21日付けの最後の拒絶理由通知にお いて進歩性を否定しなかったにもかかわらず,その後発明の進歩性を否定する主張 をすることを問題とするのであるが,これは,特許庁が,補正について,特許法1 7条の2第3項に違反すると判断した場合でも,その他に,特許法29条について の拒絶理由があると示さなければ,その後,特許法29条を理由として特許出願の 拒絶をしてはならない旨の主張と解される。これは,結局,特許庁は,補正につい て,特許法17条の2第3項に違反すると判断した場合でも,その判断が誤りであ る可能性を考慮して,補正後の発明について特許法29条の拒絶理由があると考えるなら,そのことを拒絶理由通知,拒絶査定で示すべきであり,そのような手続を\n経なければ,その後,特許法29条の拒絶理由に基づいて拒絶してはならないとい うものである。 しかし,特許法17条の2第3項に違反した補正がされれば,そのことのみによ って特許出願は拒絶査定されるのであるから,特許庁は自らの判断が誤りであるこ とを前提として予備的に特許法29条の判断をしなければならないとまではいえない。また,特許請求の範囲について. 特許法17条の2第3項に違反した補正がさ れた場合には,特許法29条の判断の基礎となる発明が補正前と異なることから, 上記のように必ず特許法29条について予備的に判断しなければならないとすると,新たな審査を要する場合も多いのであり,このことを考慮すると,特許法17条の\n2第3項に違反する補正がされたと判断する場合に特許庁は自らの判断が誤りであ ることを前提として必ず予備的に特許法29条の判断をしなければならないとすることが合理的であるとはいえない。」\n

◆平成19(行ケ)10294 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年03月25日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成19(行ケ)10185 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年03月25日 知的財産高等裁判所

   CS関連発明について、当業者が容易にできた発明ではない(進歩性あり)とした審決を取り消しました。
「上記イ(エ)において,審決は,孤立点のチェック,報知表示につい\nて,閉ループとして抽出されなかった図形であるか否かと無関係に孤立点がチェックされる ものを本件特許発明1の構成と異なると記載していて,本件特許発明1について,閉ループとして抽出されなかった図形と孤立点のチェックを関係付けている。\nしかし,前記(8)のとおり,報知表示するためにどのように「不連続となる始点及び終点」を発見するかが,特許請求の範囲に一義的に直接,記載されているもの\nではないし,発明の詳細な説明においてもその具体的な手法の記載はなく,第2の 実施例とされているものにおいては,不連続部の修正作業に関連し,点データへ接 続する線分の本数を検出して孤立点を検出することが記載されている。これらによ れば,本件特許発明1は,閉ループとして抽出されなかった図形と孤立点のチェッ クを関係付けることまで規定したものと限定することはできない(なお,原告は, 報知表示の対象となる孤立点の検索方法がいかなる方法であっても,閉じていない面データの中に存在している不連続点ないし孤立点を報知表\示すれば,当該構成要\n件は充足されるとし,補助参加人も,何らかの方法で孤立点を検索し,閉じていな い面データの不連続点を報知表示すれば足りる旨主張する。)。また,上記イ(オ)において,審決は,甲2文献のダングリングノートと本件特許 発明1の不連続となる始点及び終点が一致しないことを述べている。 ここで,本件特許発明1の不連続となる始点及び終点については,必ずしも明確 ではないのであるが,前記( )イのと8 おり,本件特許発明1において,「不連続と なる始点及び終点」は,点データから出る線データが一本のみである孤立点と一致 するものと一応認められ,そうすると,これは,単一のアークのみのノードとなっ ているものであるから,甲2文献のダングリングノードと同じものとなる。 さらに,上記イ(カ)においては,審決は,本件特許発明1が,孤立点を求めるた めに線分を所定方向に探索することを前提としていると解釈できるが,前記(8)の とおり,構成要件1Eにおいて,不連続となる始点及び終点の報知表\示に当たり, 線分を所定方向に接続することによって,不連続点を求めることが規定されている ものではない。 エ上記に照らすと,審決は,実質的に,本件特許発明1の要旨を誤って認定 しており,これらは,その内容に照らしても,審決の結論に影響を及ぼすものであ る。」

◆平成19(行ケ)10185 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年03月25日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成19(行ケ)10194 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年03月31日 知的財産高等裁判所

  CS関連発明について進歩性無しとした審決が維持されました。
  問題となったクレームは以下の通りです。 
 「ユーザ認証システムを有するネットワークにして, 複数のユーザ・モードの下でプログラムを実行するオペレーティング・ システムを有するウェブ・サーバと, プログラム実行リクエストと共にユーザ情報を前記ウェブ・サーバに処 理依頼する機構を有するウェブ・クライアントと,最初はデフォルト・ユーザ・モードの下で実行され,前記ユーザ情報を\n検査する機能,前記ウェブ・サーバにおける前記オペレーティング・システムに非デフォルト・ユーザ・モードの下で該プログラムを動的に実行さ\nせる機能,及び前記ウェブ・クライアントに前記ユーザ情報を戻す機能\を 前記ウェブ・サーバに実現させるプログラムと, を含むネットワーク。」

◆平成19(行ケ)10194 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年03月31日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成19(行ケ)10226 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年03月31日 知的財産高等裁判所

  CS関連発明について進歩性無しとした審決が維持されました
  

◆平成19(行ケ)10226 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年03月31日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成19(行ケ)10239 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年02月29日 知的財産高等裁判所

  ハッシュ法によりコンピュータ処理を高速に行うための計算手法(アルゴリズム)に関する発明が,29条1項柱書にいう「発明」に該当するかが争われました。
 裁判所は、CS基準に合致しないとして発明に該当しないとした審決を維持しました。
 「上記数学的課題の解法ないし数学的な計算手順(アルゴリズム)そのものは,純然たる学問上の法則であって,何ら自然法則を利用するものではないから,これを法2条1項にいう発明ということができないことは明らかである。また,既存の演算装置を用いて数式を演算することは,上記数学的課題の解法ないし数学的な計算手順を実現するものにほかならないから,これにより自然法則を利用した技術的思想が付加されるものではない。したがって,本願発明のような数式を演算する装置は,当該装置自体に何らかの技術的思想に基づく創作が認められない限り,発明となり得るものではない(仮にこれが発明とされるならば,すべての数式が発明となり得べきこととなる。)。この点,本願発明が演算装置自体に新規な構成を付加するものでないことは,原告が自ら認めるところであるし,特許請求の範囲の記載(前記第3,1(2))をみても,単に「ビットの集まりの短縮表現を生成する装置」により上記各「演算結果を生成し」これを「出力している」とするのみであって,使用目的に応じた演算装置についての定めはなく,いわば上記数学的なアルゴリズムに従って計算する「装置」という以上に規定するところがない。そうすると,本願発明は既存の演算装置に新たな創作を付加するものではなく,その実質は数学的なアルゴリズムそのものというほかないから,これをもって,法2条1項の定める「発明」に該当するということはできない。」

◆平成19(行ケ)10239 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年02月29日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 成立性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成16(ワ)25576 特許権侵害差止等請求事件 特許権民事訴訟 平成19年12月14日 東京地方裁判所

    CS関連発明について、複数主体による特許権侵害に関して、構成要件の充足性の判断と、差止および損害賠償を求める人とは分けて考えるとの判断がなされました。
   「ア(ア) 本件発明3は,「眼鏡レンズの供給システム」であって,発注する者である「発注側」とこれに対向する加工する者である「製造側」という2つの「主体」を前提とし,各主体がそれぞれ所定の行為をしたり,システムの一部を保有又は所有する物(システム)の発明を,主として「製造側」の観点から規定する発明である。そして,「発注側」は,「製造側」とは別な主体であり,「製造側」の履行補助者的立場にもない(前提事実(3)ウ)。(イ) この場合の特許請求の範囲の記載や発明の詳細な説明の記載は,2つ以上の主体の関与を前提に,実体に即して記載することで足りると考えられる。この場合の構成要件の充足の点は,2つ以上の主体の関与を前提に,行為者として予\定されている者が特許請求の範囲に記載された各行為を行ったか,各システムの一部を保有又は所有しているかを判断すれば足り,実際に行為を行った者の一部が「製造側」の履行補助者ではないことは,構成要件の充足の問題においては,問題とならない。(ウこれに対し,特許権侵害を理由に) ,だれに対して差止め及び損害賠償を求めることができるか,すなわち発明の実施行為(特許法2条3項)を行っている者はだれかは,構成要件の充足の問題とは異なり,当該システムを支配管理している者はだれかを判断して決定されるべきである。」

◆平成16(ワ)25576 特許権侵害差止等請求事件 特許権民事訴訟 平成19年12月14日 東京地方裁判所

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成18(行ケ)10564 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成19年11月07日 知的財産高等裁判所

  CS関連発明(美術品販売支援システム)について、進歩性なしとした審決が維持されました。  

◆平成18(行ケ)10564 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成19年11月07日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成18(行ケ)10511 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年09月27日 知的財産高等裁判所

  CS関連発明について、実施可能要件違反として拒絶された審決が維持されました。
   「しかるところ,1個の発明は,通常,まとまりのある複数の部分に区分することができ,この場合には,区分されたそれぞれのまとまりのある部分を構成する各構\成要件が,それぞれの部分を特定する発明特定事項となるところ,そのようにして特定された各部分は,必ずしも,特許出願人又は特許権者が,当該発明において重要と考える構成要件を含むものとは限らないが,そのような構\成要件を含むと否とに関わらず,一つでも実施可能ではない部分があれば,当該発明は,全体として実施可能\でないことになる。本件についていえば,審決が特定した発明特定事項は,「複数種類のデジタルコンテンツと制御プログラムとを一つの時間帯に一斉に配信すること,制御プログラムの実行環境を形成して実行することにより,複数種類のデジタルコンテンツのいずれかを選択して再生すること」というものであり,これに,原告の挙げる「デジタルコンテンツを,・・・コンテンツ提供者が望む再生内容を表す再生ルールに従って関連付けて編集する」との要件が含まれていないとしても,この発明特定事項によって特定される部分が実施可能\でなければ,本願発明全体が実施可能でないことになることは明らかである。そして,審決は,上記発明特定事項によって特定される部分が実施可能\でないと判断するものであるところ,そうであれば,他の発明特定事項(例えば,原告の挙げる要件を含む発明特定事項)によって特定される部分が実施可能であるか否かは,審決の結論に影響を及ぼすものではないから,当該他の発明特定事項によって特定される部分を摘示し,これについて,実施可能\であるか否かを判断する必要がないことも明白である。」 

◆平成18(行ケ)10511 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年09月27日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 記載要件
 >> 実施可能要件
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成18(行ケ)10173 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年07月19日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとの審決が維持されました。

◆平成18(行ケ)10173 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年07月19日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成18(行ケ)10315 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年05月30日 知的財産高等裁判所

  CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました
  「引用例1ないし3に接した当業者であれば,引用例2記載の前記(1)アの技術的事項(利用者側装置で,自己消去機能を持つプログラムに設定されている日限になったところで,前記プログラムが起動され,提供された自己消去機能\付ソフトウェアが前記プログラムを含めて消去すること)及び引用例3記載の前記イの技術的事項(書籍のデジタルコンテンツをメモリに記憶する表\示装置において,該書籍のデジタルコンテンツを処理可能なソ\フトウェアに,書籍のデジタルコンテンツがメモリに記憶されてから予め定められた期間が経過すると,書籍のデジタルコンテンツを自動的に消去する機能\を有する構成)を適用することによって,引用例1において,あらかじめ所定時間が設定され,提供後該所定時間が経過すると,提供された該プログラム自身とデジタルコンテンツとを自動的に消去する機能\を持つ,デジタルコンテンツを処理可能とするプログラムを用いることは,当業者が容易に推考し得たことであると解される。その際,あらかじめ設定された所定時間の計時の開始の時期は提供者により適宜決定される設計的事項であるものと認められるから,プログラムの計時動作の開始時期をデジタルコンテンツを組み込んだときとし,消去動作の契機をプログラムの起動又は動作ステップとした上で,消去動作に伴って消去確認用のデータを提供者側装置に送るようにすることは,当業者が容易に想到し得たことであると解される。」

◆平成18(行ケ)10315 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年05月30日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成19(行ケ)10003 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年05月24日 知的財産高等裁判所

   CS関連発明(BM発明)について進歩性なしとした審決が維持されました。
 「原告らは,売上額累計額が所定の条件を満足したときに特典の内容を付与することについては,何ら引用例が示されていないと主張するが,売上額累計額が所定の条件を満足したときに特典の内容を付与すること自体を内容とする引用例が示されていないとしても,上記(4)のとおり,引用例1発明と引用例2に記載されている事項から,「処理装置が売上金額を累計し,売上金額の累計額が購入条件テーブルに格納されている予め設定したボーナスポイントを発行する条件を満足したときには,購入者に対してボーナスポイントを発行する点数管理システム」を容易に想到することができるのであるから,相違点3に係る本願発明の構\成については,容易に想到することができるというべきであって,売上額累計額が所定の条件を満足したときに特典の内容を付与すること自体を内容とする引用例が示されていないことは,この判断を左右するものではない。また,原告らは,本願発明は,売上額の累計額に基づいて特典を付与するから,その時々の店舗の経済的な力量に見合った特典を付与することができるという発明の効果を奏するとも主張するが,本願明細書(甲3を甲4〜7で補正したもの)には,そのような効果についての記載はないから,原告らが主張する上記効果が本願発明の効果とは認められない。また,仮に,原告らが主張する上記効果が本願発明の効果と認められるとしても,上記のとおり当業者が容易に想到することができる構成から予\想し得る範囲内のものというべきである。」

◆平成19(行ケ)10003 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年05月24日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成18(行ケ)10281 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年04月26日 知的財産高等裁判所

  CS関連発明について、進歩性なしとした審決を取り消しました。理由は、”審査及び審判手続で挙示されなかった文献を周知技術として摘示し,かつ,これを引用例として用いることは、手続違反である”というものです。
  「以上検討したように,審決が認定した「業務の中で,一方の部署から,他方の部署へ書類を送付し,他方の部署で審査処理を行う場合に,その処理に要する時間を短くするために,一方の部署でできあがった書類を順に他方の部署に送付し,他方の部署では,それらの書類を順次受け取って処理を順次開始し進行させていき,最後に順次進行させた処理の総合的な結果に基づいて承認するか否かの結果を示すこと」は,たとえ周知技術であると認められるとしても,特許法29条1,2項にいう刊行物等に記載された事項から容易想到性を肯認する推論過程において参酌される技術ではなく,容易想到性を肯認する判断の引用例として用いているのであるから,刊行物等に記載された事項として拒絶理由において挙示されるべきであったものである。しかも,本件補正発明1が引用例1に記載された発明と対比した場合に有する相違点2の構成は,本願発明の出願時から一貫して最も重要な構\成の一つとされてきたのであり,出願人である原告が,審査及び審判で慎重な審理判断を求めたものであるのに,審決は,この構成についての容易想到性を肯認するについて,審査及び審判手続で挙示されたことのない特定の技術事項を周知技術として摘示し,かつ,これを引用例として用いたものであるから,審判手続には,審決の結論に明らかに影響のある違法があるものと断じざるを得ない。したがって,拒絶通知をした理由と異なる理由に基づいてされた措置が原告の防御の機会を与えなかったなどとして違法であるとする取消事由2は,上記の趣旨を主張するものとして理由があるものというべきである。」

◆平成18(行ケ)10281 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年04月26日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明
 >> 審判手続

▲ go to TOP

◆平成18(行ケ)10355 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年04月26日 知的財産高等裁判所

  タクシーの表示装置(CS関連?)について、進歩性有りとした審決が取り消されました。
  「甲1の上記記載によれば,・・・したがって,甲1の39頁の「表示部」には,料金にとどまらず,運賃料金を計算する条件を文字で表\示することが予定されているというべきである。本件明細書においては,「空車,賃走,割増,迎車,支払等」をタリフとして例示しているが,甲1の表\示部にも「割増の事由や割増率」などを表示することが記載されているのであるから,甲1の39頁にいう「表\示部」には,タリフ表示も含むということができる。・・・・このように,甲1は,少なくとも人数,荷物,迎車等のタリフ表\示を,ディスプレイタッチで表示することが示唆され,そのためには,これらのタリフ表\示をドットマトリックス方式で行うことが前提となる。以上のとおり,甲1には,タリフ表示も含む表\示部にドットマトリックス方式を採用することが記載されているということができる。したがって,「タリフ表示部までにもドットマトリックス方式を採用することが記載されているとは読み取ることができない」とした審決の認定は誤りである。」

◆平成18(行ケ)10355 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年04月26日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成17(ワ)1199 特許権侵害差止等請求事件 特許権民事訴訟 平成19年04月19日 東京地方裁判所

 CS関連発明について、他のソフトウェアのマニュアルに記載された発明から容易であるとして、権利行使不能\と判断されました。
 「ARC/INFO のマニュアル類は,ARC/INFO マニュアルV5も含め,多数のライセンシーとその社員,従業員,学生など不特定多数の人に頒布され,その内容が公開されていること,マニュアル類自体には,ソースコード等の開示はなく(乙24,25),高度の秘密情報が記載されているものではないこと,ARC/INFO の営業活動においては,当該マニュアル類が実際には厳格に秘密として管理されておらず,契約条項において定められている秘密保持条項は,実際には,ソフトウエアを念頭に置かれたものであり,マニュアルについては営業政策上厳格な秘密保持義務を課していたとまでみることはできないことが認められ,以上によれば,ARC/INFOマニュアルV5を含む上記マニュアル類は「日本国内又は外国において,頒布された刊行物」に該当するものと認められる。」

 同じ特許に対する判決です。
   ◆平成16(ワ)17929等 特許権侵害差止請求権不存在確認等請求事件 特許権民事訴訟 平成19年03月29日 東京地方裁判所

◆平成17(ワ)1199 特許権侵害差止等請求事件 特許権民事訴訟 平成19年04月19日 東京地方裁判所

関連カテゴリー
 >> 104条の3
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成18(行ケ)10161 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年03月26日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明における進歩性判断事例です。争点はいくつかありますが、パチンコ機におけるの引例として、テレビ会議システム等に採用されている技術を組み合わせる動機付けがあるのか等が争われました。
 「以上によれば,複数の画像表示領域を有する引用刊行物1発明において,大当たりの組合せとなるか否かを表\示する画像表示技術という性質上,大当たりの組合せとなるか否かを最終的に表\示するものである,中デジタルBの画像が注目されるものであり,同発明は,その注目される中デジタルBの画像を見やすくするという課題を有していたということができるし,また,画像を拡大表示することを開示している。一方,前記(2)のとおり,本件出願の出願日当時,注目される部分の表示内容を見やすくするという課題を解決するため,複数個の表\示領域を備える表示装置において,注目すべき表\示領域を他の表示領域にまで拡大することは,周知・慣用の技術であったと認められる。そうすると,引用刊行物1発明は,上記周知・慣用技術と同様の課題を有していたものと認められ,引用刊行物1発明が画像を拡大表\示することを開示し,その点において,画像を拡大表示する上記周知・慣用技術と共通することからすれば,引用刊行物1発明に対して,画像表\示技術分野における同様の課題を映像領域の拡大等の手段により解決する上記周知・慣用技術を適用することに動機付けがあったというべきである。このことに,引用刊行物1発明が属する遊技機の分野では,複数の画像表示領域からなる画像表\示技術において,複数の表示領域を使用して,図柄を見やすくすることは既に知られていたことも併せ考慮すると,当業者は,引用刊行物1発明に対して上記周知・慣用技術を適用することに容易に想到することができたものと認められる。」
こちらは関連事件です。
    平成18(行ケ)10162 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年03月26日 知的財産高等裁判所
    平成18(行ケ)10163 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年03月26日 知的財産高等裁判所
    平成18(行ケ)10196 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年03月26日 知的財産高等裁判所
    平成18(行ケ)10197 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年03月26日 知的財産高等裁判所

◆平成18(行ケ)10161 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年03月26日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成18(行ケ)10245 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年03月08日 知的財産高等裁判所

   発明は、特定のラベルを印刷するプリンタに関するものですが、CS関連発明の進歩性判断の参考になるかもしれません。
   「甲第1号証の・・・との記載によれば,甲1発明において,「特売期間」の設定に係るフラグYF2が,印字機構部の選択に関与しないこと,すなわち,「特売価格」は,通常の計量ラベルに印字されることが認められる。しかしながら,審決が,この「特売価格」ではなく,「広告文データ」を,本件発明の「値引価格」と対比させ,両者が「通常データ(計量データ)とは異なるデータである点で共通している。」と認定したことが誤りであるということはできない。すなわち,発明の進歩性の判断に際し,当該発明の発明特定事項と,引用発明の発明を特定するための事項とを対比するに当たっては,当該発明の発明特定事項の機能\,作用,性質等に着目し,引用発明のそれと共通する機能,作用,性質等を備える発明特定事項と対比することにより,両発明の一致点,相違点を認定することは,通常行われている手法である。そして,本件発明の要旨に照らし,本件発明は,印字データ中に「値引価格」が含まれているときには,通常ラベルを発行する通常ラベル印字部ではなく,臨時ラベル印字部に,値引価格と通常データとが合わせて印字された臨時ラベルを発行させるものであることが認められる。他方,甲1発明においては,上記のとおり,「特売価格」は,通常の計量ラベルに印字されるものであるのに対し,甲第1号証の・・・との記載によれば,通常の計量ラベルデータと「広告品」等の広告文データとから成るラベルを,プロモーションラベルとして,通常の計量ラベル印字機構\部(第1の印字機構部3)とは異なる印字機構\部(第2の印字機構部4)によって印字することが開示されているものと認められる・・。そうすると,本件発明の「値引価格」が,通常ラベルには印字されず,臨時ラベル印字部によって臨時ラベルにのみ印字されること,すなわち,「値引価格」に係る印字データが通常のデータと異なるデータとしての機能\,性質を有することに着目し,甲1発明において,通常の計量ラベルに印字される「特売価格」ではなく,通常の計量ラベル印字機構部とは異なる印字機構\部によって,通常の計量ラベルとは異なるラベルに印字される「広告文」を,それに係るデータ(広告文データ)が通常のデータと異なるデータとしての機能,性質を有するものとして,本件発明の「値引価格」と対比することは合理的であり,したがって,審決の上記認定に誤りはない。」

◆平成18(行ケ)10245 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年03月08日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成17(行ケ)10779 特許取消決定取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年02月28日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
  「上記の事項からは,刊行物1記載発明において,OSがアプリケーションの印刷処理に共通な機能を提供する印刷制御プログラムを有し,印刷制御プログラムはプリンタドライバを介してプリンタに印刷コマンドを転送すること,プリンタドライバがプリンタを制御することが認められる。また,プリンタドライバがプリンタとのインターフェイスを動作させる部分をOSから独立させた別のプログラムであることは,コンピュータの分野では技術常識であり,ワイヤドットプリンタとの接続方式とレーザプリンタとの接続方式とは,異なるのが一般的であるから,刊行物1記載発明の各プリンタドライバが本件発明のホストコンピュータデータインターフェイス制御部に対応するものであることは,明らかである。したがって,刊行物1記載発明におけるOSの印刷制御プログラムの一態様として,プリンタドライバの機能\以外の,印刷処理に共通な機能のみを有する場合,すなわち,ホストコンピュータと印刷装置の接続方式について共通な機能\のみを有する場合も含まれる。以上によれば,刊行物1記載発明におけるOSの印刷制御プログラムは,本件発明のホストコンピュータデータ処理部に対応するものと解するのが相当である。刊行物1記載発明において,OS205は,ワイヤドットプリンタドライバ208とレーザプリンタドライバ209を介して,低速で安価なワイヤドットプリンタ103と高速なレーザプリンタ104の2種類のプリンタを制御しているから,印刷装置が異なる場合でもOS205をそのまま使うことができ,刊行物1記載発明のOS205(本件発明1の「ホストコンピュータデータ処理部」に相当)を,ホストコンピュータと印刷装置の接続方式が異なる場合でも共通にすることは,当業者が容易になし得るとした決定の判断は,是認し得るものである。」

◆平成17(行ケ)10779 特許取消決定取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年02月28日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成18(行ケ)10203 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年02月27日 知的財産高等裁判所

  CS関連発明について、進歩性なしとした審決が取り消されました。
 「甲第3号証には,・・・との各記載があり,これらの記載によれば,引用発明2は,ネットワークサービスに関する利用者の認証システムであり,認証用コードである「一時的なパスワード」は,例えば「VWXYZ」のような文字メッセージであって,利用者(被認証者)により,利用者のパーソナルコンピュータに入力されるものであることが認められ,また,認証用コードを使用する場所は,利用者の自宅等,被認証者の支配領域内であり,被認証者と認証要求者(ネットワーク資源の提供者)とは対面しておらず,認証用コードは,利用者のパーソ\ナルコンピュータのキーボードという,通常,パーソナルコンピュータに付属し,かつ,汎用性の高い入力機器によって入力されることが示唆されているということができる。そうすると,上記甲第2号証の場合において,認証用コードとしてバーコードを利用することを合理的とした事情,とりわけ,店舗内という他の来店客等の目を考えなければならない状況,認証要求者側の者と被認証者が,認証要求者の支配領域内で対面し,認証コードの入力を認証要求者側が,認証要求者の装置で行い得るという不正に対処する上での利点,バーコード読取り装置の汎用性のないという欠点を,多数の来店客について使用することによって補い得ること等は,引用発明2においては存在し得ない条件となるから,これらの点について何ら考慮することなく,甲第2号証に,携帯電話を認証に用いる際,認証用コードとしてバーコードを表\示するものが示されているとの理由により,引用発明2に,認証用コードとしてバーコードを適用することが,当業者に容易になし得ることとするのは誤りである。」

◆平成18(行ケ)10203 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年02月27日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成18(行ケ)10255 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年02月15日 知的財産高等裁判所

  CS関連発明について、進歩性なしとした審決が維持されました。
  「上記(1)のとおり,求人情報を閲覧した求職者が所望の求人情報を選択して応募するシステムは,引用例1の従来の人材募集サイトとして,本件出願前既に実現されていたと認められるから,引用例1に記載された発明の案件情報の検索システムと求人情報を閲覧した求職者が所望の求人情報を選択して応募するシステムを単に寄せ集めてホームページを作成する程度のことは,当業者が容易に想到し得たものである。そして,上記イのとおり,本願補正発明は,それぞれ独立した案件情報の検索システムと求人情報の検索システムを単に寄せ集めてホームページを作成することにより複数情報の検索を実現するという態様をも含むのであるから,クライアントに案件情報と求人情報とを同時に提供することは,当業者が適宜なし得るものであるといわなければならない。」

◆平成18(行ケ)10255 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年02月15日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成18(行ケ)10253 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成18年12月25日 知的財産高等裁判所

  ビジネスモデル特許(CS関連)に関する進歩性が争われました。裁判所は、進歩性なしとした審決を維持しました。
 「結婚式場の決定プロセスが,多様な制約条件の中で試行錯誤を繰り返すことを本質とするものであり,予めユーザにおいて具体的なニーズが決まっているホテル予\約情報等と異なる性質を有することを前提としたとしても,上記(2)イで説示したように,情報サービス端末用プラットフォームや双方向情報提供装置といった仕組みにおいて,ホテル等旅行情報と結婚式場等ブライダル情報とが,提供する情報の内容の例として並記され,ホテル等旅行情報の案内と結婚式場等ブライダル情報の案内とが,提供すべき情報の内容を構成するものとして,本願の出願前によく知られていたというのである。これに照らせば,ユーザによるホテル等と結婚式場等の決定プロセスに原告主張のような相違があったとしても,当業者が刊行物2や乙1,2の記載内容を引用発明に適用することを技術的に妨げる要因になるとまでは解することができない。以上によれば,原告の上記主張は採用することができない。」

◆平成18(行ケ)10253 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成18年12月25日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成17(行ケ)10844 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成18年11月08日 知的財産高等裁判所

  CS関連発明の進歩性について争われました。無効理由なしとして審決が維持されました。
 「換言すれば,相違点cに係る本件特許発明1の構成を得るためには,甲第1号証及び上記周知事項のほか,認証の結果を利用したい主体が「端末機」であるような構\成からなる発明が,公知事実(特許法29条1項各号所定の発明)として必要であり,このような公知事実なくして,甲第1号証発明と上記周知事項のみに基づいて,認証の結果を何ら必要としていない「発信者ID取得蓄積装置」に,認証の結果を送信する構成を採用し,相違点cに係る本件特許発明1の構\成とすることは,当業者であっても容易になし得るところではないというべきである。」
 原告は、審決では採用されていない新たな証拠を提出しましたが、これについても、「甲第5,第7号証記載の発明をもって,このような公知事実と主張し得ない」と判断されています。

◆平成17(行ケ)10844 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成18年11月08日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成17(行ケ)10704 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成18年10月04日 知的財産高等裁判所

  ビジスネモデル発明(CS関連)について、記載不備が争われました。知財高裁は、不明瞭とした審決を維持しました。
  「これらの記載によれば,本願明細書の発明の詳細な説明には,実施例の説明として,キャッシュの割引率・・・との2つに分離し,【数10】により定式化すること,[0,1]を100等分した各ρの値で,一般化最小2乗法による演算を実行し,100個の平均割引関数オーバーバーD (s)を計測すること,一般化最小2乗和が最小となtるρを求め,その下での平均割引関数を最適解とすることが,開示されている。したがって,本願発明の「国債市場価格と国債理論価格との差額を算出」する手法の一つとして,一般化最小2乗法による演算を実行して,一般化最小2乗和を求めるという手法があり,その場合,請求項1の「複数の国債間の相関を表現するパラメータの最適値を該差額を用いて算出」するとは,一般化最小2乗和が最小となるρを求めることを意味することは,明らかである。しかしながら,一般化最小2乗法は,回帰分析の一手法にすぎず,本願発明の特許請求の範囲の記載は,回帰分析の手法を一般化最小2乗法に限定するものではない。また,一般化最小2乗法のみに限定して解釈するとしても,請求項1は,「複数の国債間の相関」としてどのようなものを想定するかを特定するものではない。しかるに,本願明細書には,一般化最小2乗法以外の回帰分析の手法や,実施例に例示された「λ 」「φ 」以外の相関構造について,全くght ght.jr」記載されていない。また,公知技術や周知技術を参酌することによって,一般化最小2乗法以外の回帰分析の手法や,「λ 」「φ 」以外の相ght ght.jr関構造を採用した場合について,「企業の倒産確率及び回収率を正確に計測する」という本願発明の効果を奏することの立証もされていない。そうすると,一般化最小2乗法以外の回帰分析の手法や,「λ 」「φ 」以ght ght.jr外の相関構造を構\成として含む本願発明は,明確でないというべきである。」

◆平成17(行ケ)10704 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成18年10月04日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 記載要件
 >> 明瞭性要件
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成17(行ケ)10425 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成18年09月26日 知的財産高等裁判所

 パチンコホールで得た景品の換金システム(CS関連発明)について、記載不備(36条4項、6項)および進歩性(29条2項)無しとした審決について、記載不備については取消理由ありとの判断がなされましたが、進歩性については取消理由無しとの判断がなされました。

◆平成17(行ケ)10425 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成18年09月26日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 記載要件
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成17(行ケ)10698 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成18年09月26日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、成立性なしとした審決が維持されました。
 「したがって,上記旧請求項11の記載からは,本願発明の「ポイント管理方法」として,コンピュータを使ったものが想定されるものの,ソフトウエアがコンピュータに読み込まれることにより,ソ\フトウエアとハードウエア資源とが協働した具体的手段によって,使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより,使用目的に応じた特有の情報処理装置の動作方法を把握し得るだけの記載はない。」

◆平成17(行ケ)10698 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成18年09月26日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 成立性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆平成17(行ケ)10514 審決取消請求事件 平成18年06月21日 知的財産高等裁判所

ゲーム機(CS関連発明?)について、進歩性および記載不備が争われました。裁判所は、進歩性無しおよび記載要件違反とした拒絶審決を取り消しました。
 1)進歩性については以下のように認定しました。
 「リーチ目による演出においては,「演出が実行されている場合に・・・演出を強制的に終了させる」ことは想定できず,審決が「リーチ目による演出の場合,メダルが投入された時に,前記演出が実行されている場合には,リールが回転することにより前記演出が強制的に終了させられることは自明である。」と認定したことは誤りである」
 2)記載不備については以下のように認定しました。
 「本願発明においては,演出の実行途中であってもこれを強制的に終了させることができるため,同じ演出が繰り返されるたびに一定時間待つ必要がなくなり,ゲームの次の操作へスムーズに移行できること,が記載されているものと認められる。 以上のとおり,本願発明において演出を強制的に終了させることが所定の効果を奏することについては,本願明細書に十分に記載されているということができ,審決が「実行されている演出を強制的に終了させることが,なぜ,ゲームの流れが阻害されることはなく,遊戯者の趣向を損なわない,遊戯意欲の高い遊戯台を提供することができるという効果を奏するのか不明である。」と判断したことは,誤りである。」

◆平成17(行ケ)10514 審決取消請求事件 平成18年06月21日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 記載要件
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17. 6.28 知財高裁 平成17(行ケ)10335 特許権 行政訴訟事件

 CS関連発明について、進歩性なしとの審決が維持されました。
 本願補正発明は,物品リストに物品の数を入力し,その入力情報に基づいて運送費の見積りの計算を行うというにとどまり,物品の数を用いた具体的な見積り計算については,何ら特定されていないし,明細書にも,具体的な見積り計算の方法は記載されていない。そして,「予め設定されたプログラムによって表\示される物品リスト中の該当するものにその物品の数を入力する」ように,通信ネットワークを利用してシステム化することで,「人手を要せず,無人での運用」が可能となることは当然である。そうすると,引用例1記載の費用の見積りという通信ネットワークを利用した機能\を,運送費の計算に適用した場合には,運送費の見積りの際に人手が介在されることがなく,このために見積りに要する時間とコストとを最小限に抑えることが可能になり,業者側の負担が著しく軽減されることになるのは当然であるから,本願補正発明の作用効果が,格別顕著なものであるということはできない。

◆H17. 6.28 知財高裁 平成17(行ケ)10335 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17.12. 8 知財高裁 平成17(行ケ)10393 特許権 行政訴訟事件

  CS関連発明について、新規事項か否かが争われました。裁判所は新規事項であるとした審決を取り消しました。
   「当初明細書等には,プログラムの機能として,購入者による購入数量等の入力を受けた演算と,その演算結果(購入金額)の画面への出力が記載されているにすぎない。しかし,本願発明は,商品を桝目で選択するプログラムを用いたものであり,単に,購入者による購入数量等の入力を受けた演算とその結果の出力を行うにとどまるものではない。すなわち,当初明細書等の記載によれば,従来は商品に共通事項があっても,商品の規格やサイズ等が異なれば,販売者において個別に入力し,購入者において個別に閲覧する必要があったところを,商品を桝目で選択するプログラムを用いることによって,販売者の入力を省力し,購入者の閲覧を容易にしたところに本願発明の本旨があるとされているのであるから,このプログラムが共通事項をまとめて表\示する機能を有することは,本願発明において当然の前提とされているものである。このことは,当初明細書等の図面2において,・・・項目が示され,これらを含む全体が「商品を桝目で選択するプログラム」として示されていることからも,裏付けられるものである。以上から,発明特定事項A「プログラムが共通事項をまとめて表\示する。」は,当初明細書等の記載から自明であると認められる。」
 「本願発明は,商品を桝目で選択するプログラムを用いたものであって,同プログラムによって,購入者は,桝目の商品を選択することができるのであるから,単なる販売者の設定行為があるだけでは足りず,プログラムによって各商品が桝目ごとに特定されていることが,本願発明においては当然の前提とされているものである。また,当初明細書等の図面2において,購入者に閲覧させる表示情報として商品一覧表\が示され,同表は「商品を桝目で選択するプログラム」の一部とされていること,図面3において,販売者の入力行為を受けた「商品」という項目が「商品を桝目で選択するプログラム」の一部として示されていることに照らせば,商品一覧表\の表示,ひいては同表\の桝目により特定された商品の表示が,プログラムによるものであることが,これらの図面に示されているものといえる。以上によれば,発明特定事項B「プログラムが桝目の縦軸,横軸の条件に合った商品を商品一覧表\に表示し特定する。」は,当初明細書等の記載から自明であると認められる。」

◆H17.12. 8 知財高裁 平成17(行ケ)10393 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 補正・訂正
 >> 新規事項
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17.11.24 知財高裁 平成17(行ケ)10170 特許権 行政訴訟事件

  CS関連発明について、発明の成立性および記載不備が争われました。
  裁判所は、前者については、「こうしたソフトウエアを利用するソ\フトウエア関連発明が,”自然法則を利用した技術的思想の創作”であるためには,発明はそもそもが一定の技術的課題の解決手段になっていなければならないことから,ハードウエア資源を利用したソフトウエアによる情報処理によって,技術的課題を解決できるような特有の構\成が具体的に提示されている必要がある。」として、審決を維持しました。
 また、後者については、特許庁の「サーバーコンピュータのハードウェア(データベース)に記憶された情報をどのように読み出し,ハードウェア資源を利用してどのような情報処理を行うことにより,当該(オ)の「前記複合投資受益権を前記特定目的会社に譲渡することで,受託者において再投資資金を調達し,これを新たに複数の委託者に再投資する出資金の再運用によって収益力を高めることを可能とする」ことができ,「コンピュータネットワークによる証券化システム」を実現できるのかという点については,一切記載がなく不明である。」とした審決を維持しました。

◆H17.11.24 知財高裁 平成17(行ケ)10170 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 成立性
 >> 記載要件
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17.11.10 知財高裁 平成17(行ケ)10125 特許権 行政訴訟事件

  データ構造関連発明(CS関連?)についての進歩性が争われました。裁判所は、進歩性無しとした審決を取り消しました。
 「乙1文献には,トラックに変調を施すことで記録される信号がアドレス情報に限定されるものではなく,種々の情報を記録し得ることが示されているということができるが,乙1文献においてトラック変調によりコードを記録する際に,アドレスコードと補助コード等その他の情報を同一のフォーマットで交互に記録することが示唆されているとまで認めることができない。したがって,被告が主張する周知技術を引用発明に適用するに際して乙1文献を参照しても,トラックに変調を施すことで「適合化情報」を記録し得ることが想定されるにすぎず,「補助コードをアドレスコードと交互に同一のフォーマットで記録する」という本願発明の構成を容易に想到することができたものと認めることはできない。・・・・乙2文献記載のレベル検出信号は,各セクタのヘッダー領域にアドレス信号と共に記録されるものであって,本願発明のように,「アドレスコードが位置する逐次トラック部分のアドレスを規定するアドレスコード」と交互に配置されるものではなく,また,レベル検出信号は,読み出しレーザ光の検知に用いる飽和信号レベルや未記録信号レベルを与えるものであって「コード」ではないから,本願発明にいう「記録システムによる使用のための制御データを規定する補助コード」に該当するものと認めることはできない。」

◆H17.11.10 知財高裁 平成17(行ケ)10125 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17.10.13 知財高裁 平成17(行ケ)10348 特許権 行政訴訟事件

 CS関連発明について、詳細な説明に記載されたものではないとして訂正を認めなかった審決が、取り消されました。
 裁判所は、「以上の記載によれば,入力された文字情報を検索キーとして検索をするのは,文字情報記憶部42に登録されている文字情報群であり,管理テーブルは,検索キーが登録されている(登録済みキーと一致する)ときに,これに対応する図形情報を図形情報記憶部41から読み込む際に参照されるものであるということができる。エ そうであれば,請求項1の「(b)・・・記憶する管理テーブルに登録する」,「(c)入力された文字情報を検索キーとして前記管理テーブルに登録された文字情報群」との記載は,それぞれ「(b)・・・文字情報記憶部に登録する」,「(c)入力された文字情報を検索キーとして前記文字情報記憶部に登録された文字情報群」の誤記であると認められる・・・。したがって,訂正事項1は,誤記の訂正を目的とするものであるということができる。」と述べました

◆H17.10.13 知財高裁 平成17(行ケ)10348 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 補正・訂正
 >> 新規事項
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17. 9.30 知財高裁 平成17(ネ)10040 特許権 民事訴訟事件

 アイコン特許(CS関連発明)について、地裁判決が破棄されました。判決文を見る限り、控訴審で無効資料が新たに提出されたようです。
 知財高裁は、「アイコンの機能説明を表\示させる機能を実行するための手段についてみても,本件特許出願前の1988年(昭和63年)7月に頒布された乙12文献(「ハイパープログラマーのためのハイパーツール」)には,「ハイパーツールは,あなたが異なるツールに関する情報を素早く得ることを可能\とする,組み込みヘルプ機能を含みます。このスクリーン上のツールについてヘルプを得るには,ヘルプ・アイコンをクリックします。そして示されたツールのアイコンのうちいずれかをクリックします。」(訳文〔甲19〕14頁下から7行目ないし下から4行目)と記載されているから,本件特許出願当時,ヘルプを得るためのアイコン,すなわち,機能\説明を表示させる機能\を実行させるアイコンも,既に公知の手段であったことが認められる。そうであれば,乙18発明において,アイコンの機能説明を表\示させる機能を実行させる「機能\説明表示手段」として,「スクリーン/メニュー・ヘルプ」アイテムに代えて「アイコン」を採用することは,当業者が容易に想到し得ることというべきである。」と判断しました。

 少し気になるのは、今回の事例で、101条4号の間接侵害が成立しないと述べている点です。知財高裁は「同号は,その物自体を利用して特許発明に係る方法を実施することが可能である物についてこれを生産,譲渡等する行為を特許権侵害とみなすものであって,そのような物の生産に用いられる物を製造,譲渡等する行為を特許権侵害とみなしているものではない。」といっている点です。もし、方法クレームしかなければ、プログラムが記録されたCD−ROMの差止ができないということになりそうです。

◆H17. 9.30 知財高裁 平成17(ネ)10040 特許権 民事訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 間接侵害
 >> 104条の3
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17. 9. 1 知財高裁 平成17(行ケ)10306 特許権 行政訴訟事件

  パチスロ機についての進歩性が争われました。裁判所は、審決の判断に誤りはないと判断しました。

◆H17. 9. 1 知財高裁 平成17(行ケ)10306 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17. 8. 3 知財高裁 平成17(行ケ)10203 特許権 行政訴訟事件

 CS関連発明の進歩性が争われました。裁判所は、拒絶審決を維持しました。
◆H17. 8. 3 知財高裁 平成17(行ケ)10203 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17. 8. 3 知財高裁 平成17(行ケ)10216 特許権 行政訴訟事件

 メールシステムの仕組み(CS関連発明)の進歩性が争われました。裁判所は、特許庁の拒絶審決を維持しました。
◆H17. 8. 3 知財高裁 平成17(行ケ)10216 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17. 5.17 知財高裁 平成17(行ケ)10099 特許権 行政訴訟事件

 (CS関連発明?)「対象画像を読み取ってデジタル画像データに変換する手段」という文言が、分割要件を満たしているか(当業者自明事項であるのか)が争われました。裁判所は、分割要件を満たしていないとした特許庁の審決を認容しました。
 「原出願当時,?@デジタル画像データを作成する装置として,テレビカメラ,スキャナ,電子カメラ,ビデオカメラなど,種々の装置,?A上記種々の装置のいずれかにより作成した,いずれのデジタル画像データに対しても,パソコン等の画像処理装置により,所定の画像処理を施すことは,いずれも周知であったことが認められる。しかし,原出願当初明細書に記載された画像処理システムが,フィルムの像を読み取りデジタル画像データに変換するスキャナ手段を備え,画像処理された「デジタル画像データ」をラボ側システムに送信してプリントすることを特徴とするものであることは,上記記載のとおりであるから,一般にデジタル画像データを作成する装置として,テレビカメラ,電子カメラ,ビデオカメラが周知であっても,原出願当初明細書には,装置の構\成として,これらの手段やこれによって作成されたデジタル画像データを画像処理システムに取り込む装置は何ら記載がない以上,テレビカメラ,電子カメラ,ビデオカメラで得られた「デジタル画像データ」が撮影者側で編集され,ラボ側システムに送信されてプリントされることが,原出願当初明細書の記載から自明であるということはできない。」

◆H17. 5.17 知財高裁 平成17(行ケ)10099 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 分割
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17. 5.12 知財高裁 平成17(行ケ)10300 特許権 行政訴訟事件

 電子マネー関係の特許(CS関連発明?)について、「残高を読取り,出金後にそれを更新するとの記載はないものの,そのような動作を行っているとするのが自然であり合理性がある。」と推断した審決を取り消しました。
 

◆H17. 5.12 知財高裁 平成17(行ケ)10300 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> 要旨認定
 >> 引用文献
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17. 3.30 東京地裁 平成15(ワ)1068等 特許権 民事訴訟事件

  カーナビ装置(CS関連?)についての侵害事件です。特許請求の範囲だけ見ると基本特許のようにも見えます。明細書検討してみたいですね。裁判所は無効については判断せず、技術的範囲に属しないと判断しました。

◆H17. 3.30 東京地裁 平成15(ワ)1068等 特許権 民事訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17. 3.22 東京高裁 平成16(行ケ)99 特許権 行政訴訟事件

  CS関連発明に関する進歩性が争われた事件です。裁判所は、進歩性なしとした特許庁の判断を取り消しました。
  問題となった請求項は、「可搬型メディアを駆動するための第1の電子計算機と,前記可搬型メディアの内容に関連するメディア関連情報と前記可搬型メディアの内容の表示・出力の方法とを提供する第2の電子計算機とから少なくとも構\成され、前記第1と第2の電子計算機は,ネットワーク等を経由してそれぞれ通信することが可能であり,前記可搬型メディアは,当該メディアと他のメディアとを区別できるメディア識別情報をその一部に含むメディア活用情報を,当該メディアの本来の記憶領域とは異なる専用の箇所に電子的に記録している媒体であり,前記第1の電子計算機は,前記可搬型メディアを駆動するメディア駆動手段と,情報を表\示・出力する情報表示・出力手段と,ネットワークに対する入出力を行なう第1の情報送受信手段とを備え,前記第2の電子計算機は,ネットワークに対する入出力を行なう第2の情報送受信手段と,前記第1の電子計算機上での前記メディアの表\示・出力に利用するデータとその表示・出力の方法とを規定する対象・方法情報を前記メディア識別情報をもとに生成する対象・方法情報生成手段とを備え,前記情報表\示・出力手段が,前記対象・方法情報に規定された方法に従って前記可搬型メディア内のデータを表示・出力することを特徴とする,可搬型メディアとネットワークの連携装置。」というのものです。
 裁判所は、「そうすると,引用例1及び2は,いずれも,個々のメディアに対応付けられたメディア識別情報に基づいて,メディアの表示・出力に利用するデータとその表\示・出力の方法とを規定する「対象・方法情報」を情報提供者システムないしホストコンピュータ(本願発明の第2の電子計算機)で生成し,この「対象・方法情報」を送信することによって,利用者端末装置2ないしユーザ側端末(本願発明の第1の電子計算機)で表示される表\示内容を変えるという発想も動機付けも与えるものではないというべきである。・・・以上のとおりであるから,相違点1について「引用例1に記載の発明においても,引用例2に記載の手段を採用し,当該CD−ROMを特定する情報に基づいてアクセス情報を得て,それによって表示内容を変えるようにすることは,容易に考えられること」であるとして,相違点1に係る本願発明を容易想到とした審決の判断は,誤りというべきであって,この誤りが審決の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから,原告の取消事由2の主張は,理由がある。」と判断しました。

◆H17. 3.22 東京高裁 平成16(行ケ)99 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17. 3. 3 東京高裁 平成15(行ケ)530 特許権 行政訴訟事件

 CS関連発明について、特許請求の範囲に記載された「同時に」という構成要件を「特定の情報フィールドの指示に『連動してないし自動的に』,あらかじめその特定の情報フィールドにリンクされている所定のツールを表\示するということ」を意味するものと解し得るか否かということが争われました。
 裁判所は、「参加人は,「同時に」という用語を,「特定の情報フィールドの指示に『連動してないし自動的に』,あらかじめその特定の情報フィールドにリンクされている所定のツールを表示するということ」を意味するものと主張するが,「同時に」との日本語の意義は,「二つ以上のことがほとんど同じ時に行われるさま」であれば,様々な態様を広く含む意味を有するのであって,「一方のことが他方のことに『連動して』いるとか,一方のことから『自動的に』他方のことが生じる」などという意味ないしニュアンスを含むものではない。参加人主張の意義をもたせるには,特許請求の範囲の記載においてしかるべき表\記をすべきところ,本件においては,単に「同時に」とされて,特段の定義付けがされているわけではなく(明細書においても定義は見当たらない。),また,特許請求の範囲の記載全体を精査しても,上記日本語の通常の意義と異なる意味に使われていることをうかがわせる記載は存在しない。  よって,「同時に」の解釈に関する参加人の主張は採用し得ず,これを前提とする主張も採用することができない。」と判断しました。

◆H17. 3. 3 東京高裁 平成15(行ケ)530 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17. 2.21 東京高裁 平成15(行ケ)36 特許権 行政訴訟事

   パチスロ(CS関連?)について、下記の80億の損害賠償請求が認められた特許について、無効審決が維持されました。

(H14. 3.19 東京地裁 平成11(ワ)13360 特許権 民事訴訟事件) (H14. 3.19 東京地裁 平成11(ワ)23945 特許権 民事訴訟事件)  

◆H17. 2.21 東京高裁 平成15(行ケ)36 特許権 行政訴訟事

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17. 2.15 東京高裁 平成15(行ケ)430 特許権 行政訴訟事件

   CS関連発明について、進歩性が争われた事例です。裁判所は拒絶審決を維持しました。
  問題のクレームは、「オークションセンタ用機器とでマンション売買支援システムを構成するデータセンタ用機器であって、 各種物件の事例データを格納するデータベース部と、オークションセンタ用機器からの事例データ検索依頼を受ける検索依頼受付部と、検索依頼物件の事例データを検索する検索部と、検索結果の事例データを返送する検索結果返送部と、を備えることを特徴とするデータセンタ用機器」というものです。

◆H17. 2.15 東京高裁 平成15(行ケ)430 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17. 2.15 東京高裁 平成15(行ケ)580 特許権 行政訴訟事件

   パチスロ(CS関連?)特許です。特許庁の無効審決が維持されました。下記の80億の損害賠償請求が認められあと、無効審決がなされたた特許とは関係ありません。分割要件を満たしていないと判断されました。
(H14. 3.19 東京地裁 平成11(ワ)13360 特許権 民事訴訟事件) (H14. 3.19 東京地裁 平成11(ワ)23945 特許権 民事訴訟事件)  

 関連事件は(本件特許に基づく侵害訴訟:請求棄却)(H16. 5.14 東京地裁 平成14(ワ)13726 特許権 民事訴訟事件)こちらにあります。  

また、本件特許の親出願も、同様に、侵害訴訟で権利者敗訴、審決取消訴訟にて特許無効と判断されています(H14. 6.25 東京地裁 平成12(ワ)3563 特許権 民事訴訟事件)、 (H15. 5.29 東京高裁 平成14(行ケ)205 特許権 行政訴訟事件)  

◆H17. 2.15 東京高裁 平成15(行ケ)580 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 分割
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17. 2. 1 東京地裁 平成16(ワ)16732 特許権 民事訴訟事件

  パッケージソフトに対して、アイコンの範囲および間接侵害が成立するかが争われました(CS関連発明?)。裁判所は、出願時の技術常識を考慮して、「アイコンとは、「表\示画面上に,各種のデータや処理機能を絵又は絵文字として表\示して,コマンドを処理するもの」であり,かつそれに該当すれば足りるのであって,本件明細書の記載によっても,本件特許出願当時の当業者の認識においても,それ以上に,ドラッグないし移動可能なものであるとか,デスクトップ上に配置可能\なものであるなどという限定を付す根拠はないというべきである。」と認定しました。
 また、間接侵害についても、「被告製品をインストールしたパソコン及びその使用は,本件各発明の構\成要件を充足するものであるところ,被告製品は,「被告製品をインストールしたパソコン」の生産に用いるものであり,かつ,「(従来の方法では)キーワードを忘れてしまった時や,知らないときに機能\説明サービスを受けることができない」という本件発明による課題の解決に不可欠なものであると認められる。また,被告製品が「日本国内において広く一般に流通しているもの」でないことは明らかである。被告は,Windowsというマイクロソフト社のオペレーティングシステムそのものに,本件発明と同様の機能\があるから,被告製品は「その発明による課題の解決に不可欠なもの」ではないと主張する。その主張の趣旨は必ずしも判然としないが,仮に被告がいうように,Windowsのヘルプ表示プログラム等によって,「『ヘルプモード』ボタンの指定に引き続いて他のボタンを指定すると,当該他のボタンの説明が表\示される」という機能が実現されるとしても,別紙イ号物件目録ないしロ号物件目録記載の機能\は,あくまで被告製品をインストールしたパソコンによってしか実行できないものであるから,被告製品は本件発明による課題の解決に不可欠なものであり,被告製品をインストールする行為は,本件特許権を侵害する物の生産であるといわざるを得ない。」と間接侵害認めました。かかる間接侵害の規定の適用は知っている限りでは初めてです。

 関連事件(当事者および該当特許が同じ)(H16. 8.31 東京地裁 平成15(ワ)18830等 特許権 民事訴訟事件)こちら(当事者同じ)にあります。 また、こちらは、(H16.10.29 東京地裁 平成15(ワ)27420 特許権 民事訴訟事件)当事者のみ同じ事件です。  

◆H17. 2. 1 東京地裁 平成16(ワ)16732 特許権 民事訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 用語解釈
 >> 間接侵害
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H17. 1.26 東京高裁 平成15(行ケ)540

 個性診断情報提供システム(CS関連発明?)について、自然法則を利用した発明でないので、進歩性主張が認められず、特許庁では拒絶審決がなされました。裁判所は、「本願発明が,生年月日という情報のみに基づいて個性因子を決定することを要素とするものである以上,例えば,生日に対応した「本質」の個性因子を決定する過程において自然法則が利用されているということができないのは明らか」と、特許庁の判断を維持しました。
 

◆H17. 1.26 東京高裁 平成15(行ケ)540

関連カテゴリー
 >> 成立性
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H16.12.27 東京高裁 平成16(行ケ)209 特許権 行政訴訟事件

 CS関連発明において、クレームの用語が特許法36条4項1号の要件を満たしているかが争われました争われました。裁判所は、「36条違反である」とした審判を取り消しました。
  「訂正発明1が,カルテ作成やレセプト処理の機能を備える歯科情報処理装置のエラー項目の訂正を容易にするものであり,例えば,レセプト作成時に,同じ処置部位に対して重複して行われることのない処置が入力されている場合をエラーとして検出し,訂正を可能\にするものであることは上記(1)のとおりであり,レセプト処理のために歯科情報処理装置へ治療情報を入力する場合には,保険報酬を適法に請求するために歯科診療報酬点数表に従った入力がされることが必要であることは,上記(2)のとおり,歯科情報処理装置の分野における当業者の技術常識である。そうすると,訂正明細書(甲3添付)の特許請求の範囲【請求項1】記載の「同じ処置部位に対する過去の処置からして同じ処置部位に対して重複して行われることのない不適切な処置情報」の判別ないし発明の詳細な説明の段落【0072】の「同じ処置部位に対して重複して行われる事の無い処置」の抽出は,当業者の技術常識を参酌すれば,算定ルールに従って判断されるものと理解すべきものと認められる。」   

◆H16.12.27 東京高裁 平成16(行ケ)209 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 記載要件
 >> サポート要件
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H16.12.27 東京高裁 平成15(行ケ)132 特許権 行政訴訟事件

  ゲーム装置(CS関連?)の進歩性が争われました。裁判所は、「模型体の走行態様の自由度を増してゲームを面白くするために,模型体の走行経路が規制されないようにしたゲーム装置を発明することは,当業者が容易に想到し得ることであった」と認定しました。
 

◆H16.12.27 東京高裁 平成15(行ケ)132 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H16.12.27 東京高裁 平成16(行ケ)209 特許権 行政訴訟事件

  CS関連発明についての記載不備が争われました。争点は、「一括変換して再登録する再登録手段」について技術的な矛盾があるかでした。裁判所は、36条4項及び6項違反とした審決を取り消しました。
 

◆H16.12.27 東京高裁 平成16(行ケ)209 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 記載要件
 >> 要旨認定
 >> 明瞭性要件
 >> サポート要件
 >> 実施可能要件
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H16.12.20 東京高裁 平成15(行ケ)340 特許権 行政訴訟事件

  CS関連発明の進歩性についての判断です。
 

◆H16.12.20 東京高裁 平成15(行ケ)340 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H16. 9.30 東京高裁 平成16(行ケ)37 特許権 行政訴訟事件

 「暗号モード」という文言が不明瞭として36条4項、6項違反として拒絶した審決が維持されました。その他、新規事項に該当するかも争点となっていましたが、こちらについては判断することなく、請求が棄却されました。
  裁判所は「本願明細書の特許請求の範囲に記載される「暗号モード」は、その意味・内容をそれ独自で規定することができないばかりでなく、「暗号」や「暗号等」を手がかりとしても規定することができないことから、不明瞭な記載であると解さざるを得ないところ、本願発明は、この「暗号モード」が適正と判断されると、「監視手段で捕捉したデータを中継側である前記管理コンピュータへセンシング情報として送信するステップ」へと進むものであるから、この「暗号モード」が不明瞭なままでは、該ステップも不明確であって、結局、本願発明の要旨を特定することはできないというべきである」と述べました。

◆H16. 9.30 東京高裁 平成16(行ケ)37 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 記載要件
 >> 明瞭性要件
 >> サポート要件
 >> 実施可能要件
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H16. 9.15 東京高裁 平成13(行ケ)159 特許権 行政訴訟事件

  歯科情報処理方法及び装置(CS関連発明?)についての進歩性が争われました。この種の情報処理装置における進歩性判断を争ったものはあまりありませんので検討に値するかもしれません。
 

◆H16. 9.15 東京高裁 平成13(行ケ)159 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H16. 9. 6 東京高裁 平成15(行ケ)325 特許権 行政訴訟事件

  プログラムによるデータ演算処理が具体的でないという理由で拒絶した審決が裁判所でも維持されました。
 裁判所は、「”商品に基づく商品コード,商品サイズデータ,デザインデータの一以上と自己の身体のサイズデータをコンピュータにて演算,比較”という記載では,商品コードを用いてどのように演算し,あるいは比較するのか,その処理が不明であるというほかはない」と述べました。  

◆H16. 9. 6 東京高裁 平成15(行ケ)325 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 記載要件
 >> 明瞭性要件
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H16. 8.31 東京地裁 平成15(ワ)18830等 特許権 民事訴訟事件

 CS関連発明に関する判決です。特許請求の範囲の用語「アイコン」に該当するのかについて争われました。
 出願前の公知資料、明細書における記載を参酌して、「本件製品をインストールしたパソコンに表\示される「?」ボタン及び「表示」ボタン等は,本件各構\成要件にいう「アイコン」に該当しないから,本件発明の技術的範囲に属さず,同パソコンを製造等する行為は本件特許権を侵害しない」と認定されました。プログラムの販売行為が間接侵害に該当するのかも争点でしたが、こちらについては判断はなされていません。
 

◆H16. 8.31 東京地裁 平成15(ワ)18830等 特許権 民事訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 技術的範囲
 >> 用語解釈
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H16. 7.30 東京高裁 平成15(行ケ)222 特許権 行政訴訟事件

 ゲームの操作インストラクションに関する特許について、無効理由無しとの判断がなされました。
 裁判所は下記のように述べました。「上記周知技術等と主張されるものは,単に,ある一つのボタンが押され,・・・一つ又は一連の操作の結果として生じる一つの動作ないし状態に関する情報のみを表示するものである。一方,本件第1発明は,「ゲーム表\示手段」であるテレビの画面上に,「操作入力手段」であるコントローラ(各種操作ボタンを有する)を模した表示をしておき,遊戯者が「操作入力手段」(コントローラ)を操作した際に,どの操作ボタンが操作されたのかを,上記のコントローラを模した表\示画像中に選択された「表示エレメント」を表\示することによって示すものであって,一連のボタン操作がされた場合には,そのことが順次かつ逐一,コントローラを模した状態で表示されるものである。このように,両者は,技術思想を異にするものというべきである。」

 

◆H16. 7.30 東京高裁 平成15(行ケ)222 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H16. 6.29 東京高裁 平成14(行ケ)541 特許権 行政訴訟事件

 ゲーム機の進歩性が争われました。
 ゲーム機の進歩性が真っ正面から争われたという点でおもしろそうな事例です。

 ちなみに、訂正審判も同様の判断がなされました。
H16. 6.29 東京高裁 平成15(行ケ)322 特許権 行政訴訟事件
 

◆H16. 6.29 東京高裁 平成14(行ケ)541 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H15. 4.16 東京地裁 平成13(ワ)15719 特許権 民事訴訟事件

  パソコンの画面上でウィンドウを複数重ね合わせて表\示する特許が侵害されたとして、差止および損害賠償を求めていた裁判で、東京地裁は、出願前の公知文献に記載された発明から進歩性がないとして、権利行使を認めませんでした。
主な争点としては、1)出願日前(86/2/15)より以前の(86/1/16)に当該マニュアルが配布されたか、2)当該配布がされているとして、容易想到性があるかが争われました。
上記争点1)について、裁判所はいろいろな資料から見て、86/1/16に当該マニュアルが配布されたと認定しました。たしかに、86/1/16に当該マニュアルが存在したことは立証できていると思われますが、86/1/16に当該マニュアルが配布されたかというと疑問がないわけではありません。当該マニュアルは、配布物としての保護を受けるために、訴外第三者によって米国政府へ著作権登録がなされています。そのときの申請内容では86/1/16発行となっていたことが、決め手になったのでしょうか?、確かに第三者がわざわざ嘘をつくことはないのですが、特許法における文献公知の認定としては少し甘いのではないでしょうか?。この点は控訴審で争われるかもしれません。もしかすると、裁判所は、訴外の第三者が86/1/16からショーで展示即売してと意思表示している以上、見ようと思えば見れる状態で展示されたので、販売されたという事実がやや疑問でも、文献公知と考えて差し支えないと考えたのでしょうか?
 争点2)については、当該マニュアルには、「表示優先順位が決められた」複数のウインドウを”その表\示優先順位に従って”重ね合わせることまでは開示されていない」と判断したものの、当該マニュアルと、Macintosh Revealedに記載されている技術を組み合わせることによって,容易に想到し得たものということができると容易であると認定しました。

 

◆H15. 4.16 東京地裁 平成13(ワ)15719 特許権 民事訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 104条の3
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H14.10.30 東京高裁 平成14(行ケ)38 特許権 行政訴訟事件

 ゲームの規則に関する進歩性が争われました。
  「しかし,周知例2〜4に例示される周知技術であるパチンコ機等におけるリーチ予告表\示は,遊技者において,変動している図柄がそろうか否かを期待と不安をもって注視している状態で,これに続くリーチを予告することで,その後の大当たりの期待を増大させ,遊技の興趣を高めるために表\示されるものであることは明らかであるから,リーチが確定していない図柄変動状態が予定されている遊技機一般に適用し得るものというべきであり,図柄再変動機能\を有するがゆえにその適用が妨げられる理由は見いだせない。その場合の当該リーチ予告表\示を行う時期については,リーチが確定していない図柄変動状態 である限り,いったん非リーチ状態から図柄が再変動した図柄再変動状態であっても,遊技者において変動している図柄がそろうか否かを期待と不安をもって注視している状態であることに変わりはないのであるから,再変動機能を備えた遊技機にリーチ予\告表示を組み合わせる場合に,非リーチ状態を経た図柄再変動状態に適用することは,当業者の当然に想起するところというべきである。」と述べました

 

◆H14.10.30 東京高裁 平成14(行ケ)38 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP

◆H14. 9.12 東京高裁 平成12(行ケ)392 特許権 行政訴訟事件

CS関連発明の侵害事件としては、アッセ対マイクロソフト事件が有りましたが、当該特許権の特許無効審判の審決取消訴訟について、高裁は無効審決を維持しました。
前回の侵害事件で間接侵害が問われましたが、無効理由があるというのも非侵害の結論に影響を与えたのかもしれません。

 

◆H14. 9.12 東京高裁 平成12(行ケ)392 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 新規性・進歩性
 >> コンピュータ関連発明

▲ go to TOP