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技術的範囲 > 均等 > 第4要件(公知技術からの容易性)

知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

第4要件(公知技術からの容易性)

最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、裁判所がおもしろそうな(?)意見を述べている判例を集めてみました。
内容的には詳細に検討していませんので、詳細に検討してみると、検討に値しない案件の可能性があります。
日付はアップロードした日です。

平成28(ネ)10096  損害賠償請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成29年5月23日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

知財高裁(4部)も、1審と同じく均等侵害を否定しました(第1、第4要件不備)。
 ア 均等の第1要件における本質的部分とは,当該特許発明の特許請求の範囲の 記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分であり,\n上記本質的部分は,特許請求の範囲及び明細書の記載に基づいて,特許発明の課題 及び解決手段(特許法36条4項,特許法施行規則24条の2参照)とその効果(目 的及び構成とその効果。平成6年法律第116号による改正前の特許法36条4項\n参照)を把握した上で,特許発明の特許請求の範囲の記載のうち,従来技術に見ら れない特有の技術的思想を構成する特徴的部分が何であるかを確定することによっ\nて認定されるべきである。ただし,明細書に従来技術が解決できなかった課題とし て記載されているところが,出願時(又は優先権主張日)の従来技術に照らして客 観的に見て不十分な場合には,明細書に記載されていない従来技術も参酌して,当\n該特許発明の従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分が認定\nされるべきである。
イ 本件明細書によれば,本件発明は,従来技術では経路探索の終了時にいくつ かの経由地を既に通過した場合であっても,最初に通過すべき経由予定地点を目標\n経由地点としてメッセージが出力されること(【0008】)を課題とし,このよ うな事態を解決するために,通過すべき経由予定地点の設定中に既に経由予\定地点 のいずれかを通過した場合でも,正しい経路誘導を行えるようなナビゲーション装 置及び方法を提供することを目的とし(【0011】),具体的には,車両が動く ことにより,探索開始地点と誘導開始地点のずれが生じ,車両が,設定された経路 上にあるものの,経由予定地点を超えた地点にある場合に,正しく次の経由予\定地 点を表示する方法を提供するものである(【0018】【0038】)。また,前\n記2(1)エ(ア)のとおり,本件特許出願当時において,ナビゲーション装置が,距離 センサー,方位センサー及びGPSなどを使って現在位置を検出し,それを電子地 図データに含まれるリンクに対してマップマッチングさせ,出発地点に最も近い ノード又はリンクを始点とし,目的地に最も近いノード又はリンクを終点とし,ダ イクストラ法等を用いて経路を探索し,得られた経路に基づいて,マップマッチン グによって特定されたリンク上の現在地から目的地まで経路誘導するものであった ことは,技術常識であったと認められる。 このように,本件発明は,上記技術常識に基づく経路誘導において,車両が動く ことにより探索開始地点と誘導開始地点の「ずれ」が生じ,車両等が経由予定地点\nを通過してしまうことを従来技術における課題とし,これを解決することを目的と して,上記「ずれ」の有無を判断するために,探索開始地点と誘導開始地点とを比 較して両地点の異同を判断し,探索開始地点と誘導開始地点とが異なる場合には, 誘導開始地点から誘導を開始することを定めており,この点は,従来技術には見ら れない特有の技術的思想を有する本件発明の特徴的部分であるといえる。 したがって,探索開始地点と誘導開始地点とを比較して両地点の異同を判断する 構成を有しない被控訴人装置が本件発明と本質的部分を異にすることは明らかであ\nる。

◆判決本文

◆1審はこちらです。平成26(ワ)25928

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平成26(ワ)11110  損害賠償請求事件  特許権  民事訴訟 平成27年3月25日  東京地方裁判所

 第4要件を満たしていないとして均等侵害ではないと判断されました。
 原告は,乙1発明は,役者やモデルのような舞台に上がる者を対象としたメイクアップの技術であるのに対し,乙4発明は,模型等を対象とした塗装技術であって,技術分野が全く異なること,また,乙1発明と乙4発明の解決課題が異なることから,乙1発明に乙4発明を適用する動機付けがないと主張する。しかし,証拠(乙1)によれば,乙1文献の「問題点を解決するための手段」には,「本発明者は,上記の問題点を解決するために,化粧料を,手作業によって塗布する代りに,工業的に吹き付けることに気が付き,塗料を噴霧して吹き付けるのと同様な方法によって化粧料を噴霧して吹き付けることを考え付いたのである。」との記載があり,この記載はまさに,塗料を噴霧して吹き付ける塗装技術を,化粧料を吹き付ける技術に応用することが可能であることを示唆するものであると認めることができる。したがって,上記記載に照らせば,化粧料の吹付けに関する乙1発明に塗装技術である乙4発明を適用する動機付けがあるというべきであり,これに反する上記原告の主張は採用することができない。\n

◆判決本文

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平成26(ワ)11110  損害賠償請求事件  特許権  民事訴訟 平成27年3月25日  東京地方裁判所

 第4要件を満たしていないとして均等侵害ではないと判断されました。
 原告は,乙1発明は,役者やモデルのような舞台に上がる者を対象としたメイクアップの技術であるのに対し,乙4発明は,模型等を対象とした塗装技術であって,技術分野が全く異なること,また,乙1発明と乙4発明の解決課題が異なることから,乙1発明に乙4発明を適用する動機付けがないと主張する。しかし,証拠(乙1)によれば,乙1文献の「問題点を解決するための手段」には,「本発明者は,上記の問題点を解決するために,化粧料を,手作業によって塗布する代りに,工業的に吹き付けることに気が付き,塗料を噴霧して吹き付けるのと同様な方法によって化粧料を噴霧して吹き付けることを考え付いたのである。」との記載があり,この記載はまさに,塗料を噴霧して吹き付ける塗装技術を,化粧料を吹き付ける技術に応用することが可能であることを示唆するものであると認めることができる。したがって,上記記載に照らせば,化粧料の吹付けに関する乙1発明に塗装技術である乙4発明を適用する動機付けがあるというべきであり,これに反する上記原告の主張は採用することができない。\n

◆判決本文

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平成24(ワ)7887 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟 平成26年02月06日 大阪地方裁判所

 均等の第4要件を満たさないとして、均等侵害が否定されました。
 以上によれば,被告製品の各構成は,本件優先日において雨樋の技術分野でごく一般的であった構\成を単に組み合わせたにすぎないものであり,これらごく一般的で公知の構成を組み合わせることについて何らかの阻害要因等が存在したことを窺わせる主張立証も全くない。そうすると,被告製品について,当業者が公知技術から容易に推考できたものではないと認めることはできないから,被告製品について,本件特許発明と均等なものとしてその技術的範囲に属するということはできない。\n

◆判決本文

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平成24(ネ)10054 損害賠償請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成25年12月19日 知的財産高等裁判所

均等の第4要件を満たさないとして均等侵害が否定されました。
 上記ウのとおり,乙27には,ヒトの肝癌組織片をヌードマウスで継代した肝癌腫瘍の継代2代目を,ヌードマウスの肝に移植したことで,右肺下葉に直径約2mmの球状の転移を認めた旨の記載があり(31頁右欄18行〜32頁右欄7行目),その上で,肝移植肝細胞癌が肺転移を惹起したことを明確に証明したものとする記載があるのであるから(33頁左欄11〜19行目),乙27には,ヒトの肝癌組織片を原発臓器であるヌードマウスの肝臓に同所移植することによって肺転移が生じるヌードマウス(モデル動物)を得られるとの知見が開示されているものと認められる。そして,1)乙14発明と乙27発明は,肝癌患者の肝臓から採取した肝腫瘍組織片をヌードマウスの皮下で継代移植して得られた腫瘍組織塊をヌードマウスに同所移植することによってモデル動物を作成するという同一の技術分野に属するものであり,その技術分野において,本件出願の優先権主張日当時,転移過程を再現できるヒトモデル動物を作製することは共通の技術課題とされていたこと,2)その技術課題に直接関するヌードマウスに肺転移が認められたとする部分について,乙14は乙27を参照文献として引用していることに照らすならば,乙14及び乙27に接した当業者であれば,乙14発明に乙27に記載された知見を適用して本訴マウスの構成とすることは,容易であるものと認められる。
キ 小括
以上のとおりであるから,本訴マウスは,本件出願の優先権主張日当時における公知技術から容易に推考できたものであり,均等の第4要件を満たさない。

◆判決本文

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平成20(ネ)10068 特許権侵害差止控訴事件 特許権 民事訴訟 平成21年08月25日 知的財産高等裁判所

 均等侵害も第4,第5要件を満足しないとして、否定されました。
 控訴人は,拒絶査定不服審判の請求の理由として,「切削の対象が正方形または長方形の半導体ウェーハであること…が関連しあって,…独特の作用効果を奏するものである。仮に,切削対象が不定型なワークであるとすると,…」と記載し(乙8の17),その後,本件発明に係る特許出願は,特許査定された(乙8の19)。(ウ) 上記(ア)認定の本件明細書の記載に照らせば,控訴人は,被加工物すなわち切削対象物として半導体ウェーハの外,フェライト等が存在することを想起し,半導体ウェーハ以外の切削対象物を包含した上位概念により特許請求の範囲を記載することが容易にできたにもかかわらず,本件発明の特許請求の範囲には,あえてこれを「半導体ウェーハ」に限定する記載をしたものということができる。また,上記(イ)認定の出願経緯に照らしても,控訴人は,圧電基板等の切削方法が開示されている引用発明1(乙9)との関係で,本件発明の切削対象物が「正方形または長方形の半導体ウェーハ」であることを相違点として強調し,しかも,切削対象物を半導体ウェーハに限定しない当初の請求項1を削除するなどして,本件発明においては意識的に「半導体ウェーハ」に限定したと評価することができる。このように,当業者であれば,当初から「半導体ウェーハ」以外の切削対象物を包含した上位概念により特許請求の範囲を記載することが容易にできたにもかかわらず,控訴人は,切削対象物を「半導体ウェーハ」に限定しこれのみを対象として特許出願し,切削対象物を半導体ウェーハに限定しない当初の請求項1を削除するなどしたものであるから,外形的には「半導体ウェーハ」以外の切削対象物を意識的に除外したものと解されてもやむを得ないものといわざるを得ない。(エ) そうすると,被控訴人方法は,均等侵害の要件のうち,少なくとも,前記5の要件を欠くことが明らかである。ウ均等侵害の要件4についてまた,仮に,被控訴人方法が「半導体ウェーハ」以外の本件発明の構成要件を充足するとすると,後記2(1)で判示するのと同様に,被控訴人方法も,引用発明1から容易に推考することができるというべきであるから,均等侵害の要件のうち,前記4の要件も欠くことに帰する

◆平成20(ネ)10068 特許権侵害差止控訴事件 特許権 民事訴訟 平成21年08月25日 知的財産高等裁判所

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◆平成21(行ケ)10046

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