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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

商4条1項各号

平成21(行ケ)10055 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年12月21日 知的財産高等裁判所

 商標「テディベア」が公序良俗違反かが争われました。裁判所は、公序良俗違反ではないとした審決を維持しました。
 「以上のとおり,本件商標の登録査定前にテディベアに関する記載等のある雑誌,書籍,レコード,テレビ番組等があったことを考慮に入れたとしても,本件商標の登録査定時,我が国において,「テディベア」との語が一般的に知られていたとは認められず,また,一説に「teddy bear」の語の由来とされるセオドア・ルーズベルトの逸話も,本件商標の登録査定時,我が国において知られていたとは認められない。本件商標の登録査定時に,我が国において,「テディベア」との語の意味内容及びセオドア・ルーズベルトに関する逸話が広く知られていたと認めることはできないから,商標法4条1項7号に該当するとする原告の主張は,その前提を採用することはできず,主張自体失当というべきである。したがって,本件商標は,商標法4条1項7号に該当しない。

◆判決本文

類似案件はこちらです◆平成21(行ケ)10057

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平成21(行ケ)10211 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年12月01日 知的財産高等裁判所 

 商標法4条1項19号違反でないとした審決が取り消されました。
「上記事実,ことに本件各米国商標を使用した店舗の数,カタログ頒布部数,ウェブサイトの開設状況及びその利用状況等の事実関係によれば,本件商標の登録出願がなされた平成17年11月2日及び本件商標の登録査定がなされた平成18年6月13日の時点において,本件各米国商標は少なくとも米国において女性用被服及びハンドバッグ等の需用者の間に広く認識されていた商標であると認めることができる。よって,本件各米国商標を「他人の業務にかかる商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需用者の間に広く認識されている商標」には当たらないとした審決の判断は誤りである。・・・そして,前記のとおり,原告は,1989年(平成元年)に「ANTHROPOLOGIE」の商標の使用を始め,1992年(平成4年)10月31日には「ANTH ROPOLOGIE」の商標を使用した店舗を米国で開店していた上,1998年(平成10年)には「ANTHROPOLOGIE」の商標を使用したカタログを発行していたところ,被告は被服のブランドライセンス事業を行っており外国の服飾ブランドについても専門知識を有していたと推認されることからすれば,被告が別件商標を出願した平成10年10月7日の時点で本件各米国商標を知っていた可能性が認められる。まして,被告は平成15年1月には海外ブランドの発掘を目的として米国ニューヨーク市に事務所を設立していたのであるから,本件商標を出願した平成17年11月2日の時点で,当時米国において女性用被服及びハンドバッグ等の需用者の間に広く認識されていた本件各米国商標を知っていたと認めるのが相当である。そして,前記1(2)で認定した被告の応訴態度その他本件において認められる上記各事情を総合すると,被告は,本件商標が米国における周知商標である本件各米国商標と類似することを知りながら,本件商標を自ら使用することによって不当な利益を得るため本件商標の登録出願をしたものと推認するのが相当であり,被告は本件商標を使用するにつき不正の目的を有していたというべきであるから,これと異なる審決の判断には誤りがある。」

◆判決本文

関連事件です◆平成21年(行ケ)第10210

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平成21(行ケ)10071 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年10月28日 知的財産高等裁判所

 取引実情を考慮すると「優肌」と「肌優」とは観念、外観において類似すると判断され、無効理由無しとした審決が取り消されました。
(イ) 対比a 引用商標は,漢字「優」の右に「肌」を配置させて,組み合わせた語からなる商標であって,「優」は,「優しい,優美な,優れた,優雅な,上品な,気品のある」等を意味する語(形容詞的に用いられる。)であり,「肌」は「人の体の表皮,皮膚」等を意味する語(名詞的に用いられる。)であり,既存の語ではないものの,消費者,需要者に対して,「肌に優しい」,「優しい肌」,「優美な肌」等の観念を生じさせる。本件商標も,漢字「肌」の右に「優」配置させて,組み合わせた語からなる商標であって,既存の語ではないものの,消費者,需要者に対して,「肌に優しい」,「優しい肌」,「優美な肌」等の観念を生じさせる。特に,左右の配置は異なるものの,漢字「肌」は名詞として,漢字「優」は修飾語として用いられることに照らすならば,配置の相違が観念の相違を来すことはなく,引用商標と本件商標は,観念において同一であるといえる。\nb 前記(1)で認定した取引の実情を踏まえると,引用商標からは,医療関係者を含む取引者,需要者に対して,「肌に優しい」等の観念を生じさせる。特に,造語であることに照らすならば,引用商標が需要者,取引者に対して,強い印象を与えるものというべきである。本件商標からも,医療関係者を含む取引者,需要者に対して,同様に「肌に優しい」等の観念を生じさせる。なお,指定商品中には,医療関係商品のみならず,衛生関係商品も含まれるが,その多くは肌(皮膚)に接して使用する商品であるといって差し支えないから,「肌に優しい」等の観念を生じる点で,変わりはない。そうすると,本件商標と引用商標は,観念において同一(又は類似)である。
イ 外観における対比 前記アで述べたとおり,引用商標は,漢字「優」の右に「肌」を配置させて,組み合わせた語からなる商標であり,本件商標は,漢字「肌」の右に「優」配置させて,組み合わせた語からなる商標である。他方,本件商標は,引用商標中の漢字2字の左右を入れ替えて,配置,表記したものである。引用商標と本件商標とを対比すると,両者とも,既存の語を利用した商標ではなく,新しく創作された語(造語)であるため,確定した固有の意味を有していないこと,したがって,商標を構\成する文字(漢字)そのものも持つ意味が,重要な判断の要素となること,各商標を構成する2つの漢字,すなわち,「優」と「肌」とが共通すること,「優」,「肌」の漢字は,いずれも指定商品と関連性の強い文字が選択されていること,各商標とも,横書きであるため,取引者,需要者は,語順を正確に記憶して理解することが必ずしも容易でない場合があること等の諸点を総合考慮するならば,離隔的に観察するときには,両商標の外観は,紛らわしいものということができるから,両者は,外観においても,類似する。・・・
オ 小括 以上のとおり,取引の実情を考慮して,本件商標と引用商標とを対比すると,観念及び外観において類似する。本件商標と引用商標がいずれも造語であり,特に本件商標については,複数の称呼が生じ得ることにかんがみると,本件商標と引用商標の類否を判断するに当たり,本件において称呼を重視するのは妥当とはいえない。

◆平成21(行ケ)10071 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年10月28日 知的財産高等裁判所

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平成21(行ケ)10074 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年10月20日 知的財産高等裁判所

 商標「INTELLASSET」が、著名商標「Intel」を含むのか(4条1項8号違反)か否かが争われました。審決は同号違反とされましたが、知財高裁はこれを取り消しました。
 「本件商標の内容は,前記のとおりであり,文字部分「INTELLASSET」のうち冒頭の5文字は被告の略称である「INTEL」と同一であるから,本件商標は物理的には被告略称を含んでいることになる。しかし,法4条1項8号が,他人の肖像又は他人の氏名,名称,著名な略称等を含む商標はその他人の承諾を得ているものを除き商標登録を受けることができないと規定した趣旨は,人の肖像,氏名,名称等に対する人格的利益を保護すること,すなわち,人(法人等の団体を含む)は,自らの承諾なしにその氏名,名称等を商標に使われることがない利益を保護することにあるところ(最高裁平成17年7月22日第二小法廷判決・裁判集民事217号595頁),問題となる商標に他人の略称等が存在すると客観的に把握できず,当該他人を想起,連想できないのであれば,他人の人格的利益が毀損されるおそれはないと考えられる。そうすると,他人の氏名や略称等を「含む」商標に該当するかどうかを判断するに当たっては,単に物理的に「含む」状態をもって足りるとするのではなく,その部分が他人の略称等として客観的に把握され,当該他人を想起・連想させるものであることを要すると解すべきである。イ かかる見地からみると,本件商標は,前記のとおり図形部分と「INTELLASSET」の文字部分から成るものであるところ,図形部分は青い縁取りのある正方形内の中央に欧文字の「I」を白色で表し,「I」の文字の背景には全体として青色と白色とが混ざり合った色彩が施されており,「I」の文字の左側部分は青色が勝っているものの,同右側部分は上部において白色が青色をぼかしたように白色が強調されて描かれており,白色で表\された「I」の文字は右上部から中間部にかけて背景と同じような色から成る図形である。一方,「INTELLASSET」の文字部分は,このような図形の下部に,黒字の活字体で大きく明瞭に,各文字を同一の書体・同一の大きさ・同一の間隔で配置されている。そして,本件商標の文字部分が,黒色の活字体で大きく明瞭に,かつ各文字を同一の書体・同一の大きさ・同一の間隔で表されていることに照らすと,「INTELLASSET」の文字部分は外観上一体として把握されるとみるのが自然である上,「INTELLASSET」が日本においてなじみのない語であり,一見して造語と理解されるものであって,特定の読み方や観念を生じないと解される(本件商標中の図形部分を考慮しても同様である。)。したがって,被告の略称である「INTEL」は,文字列の中に埋没して客観的に把握されず,被告を想起・連想させるものではないと認めるのが相当である。そうすると,本件商標は物理的には被告の略称である「INTEL」を包含するものの,「他人の氏名・・・の著名な略称を含む商標」(法4条1項8号)には当たらないというべきであり,原告主張の取消事由2は理由がある。」\n  

◆平成21(行ケ)10074 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年10月20日 知的財産高等裁判所

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◆平成21(行ケ)10048 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年07月21日 知的財産高等裁判所

 両商標は類似しないので無効理由無し、とした審決が維持されました。
   「以上によれば,本件商標と引用商標3とは,「P」「E」「Z」の3文字を含む点に共通性があるということはできる。しかし,本件商標においては,「E」の文字と「Z」の文字との間に「’」様の記号が存在し,3文字の大きさも同じではなく,各文字が毛筆で丸味を帯びた態様で書して成り,立体的ではなく平面的であるのに対し,引用商標3では,「P」「E」「Z」の各文字は同じ大きさであり,14〜15個の長方形を組み合わせており,文字自体も「P」の文字の曲線部分以外は直線的で角張った印象を与えるものであり,文字自体に立体的な厚みを感じさせる影が付されている。そうすると,本件商標と引用商標3とは外観上区別することができるというべきである。また,上記のとおり,本件商標からは「ペズ」の称呼が生じるところ,引用商標3からは「ペッツ」の称呼が生じ,称呼においても両者は区別することができる。さらに両商標から生じ得る観念としては,「ジャズバンドのペズ」(本件商標),「原告の販売する上部にキャラクターの付いたディスペンサー入りのキャンデーないしディスペンサー」(引用商標3)との観念が生じ得るものであるから,両者は区別し得るものである。このように,本件商標は,外観,観念,及び称呼のいずれにおいても引用商標3と区別することができるのみならず,前記のように本件商標は音楽活動としてのジャズバンドの演奏会場における商品販売等を中心とするものであるのに対し,引用商標3は菓子販売等に伴うものに使用される等の取引の実情も併せ考慮すると,本件商標は引用商標3と類似するものと認めることはできない。そうすると,本件商標が法4条1項11号に該当しないとした審決の判断は正当として是認できる。」

◆平成21(行ケ)10048 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年07月21日 知的財産高等裁判所

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◆平成21(行ケ)10052 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年07月02日 知的財産高等裁判所

 「天使のスィーツ」と「エンゼルスィーツ」が非類似であるとした審決を取り消しました。
  「本件商標は,「天使のスィーツ」の文字を横書きにし,指定商品を第30類「菓子及びパン」とするものであるから,本件商標が菓子に使用された場合は,菓子と密接に関連する「甘い菓子」を意味する一般的な文字である本件商標中の「スィーツ」の部分からは,出所の識別標識としての称呼,観念は生じず,「天使のスィーツ」全体として又は「天使」の部分としてのみ称呼,観念が生じる。また,引用商標は,「エンゼルスィーツ」の片仮名文字及び「Angel Sweets」の欧文字を上下二段に表し,指定商品に第30類「菓子及びパン」を含むものであるから,引用商標が菓子に使用された場合は,菓子と密接に関連する「甘い菓子」を意味する一般的な文字である本件商標中の「スィーツ」の部分からは,出所の識別標識としての称呼,観念は生じず,「エンゼルスィーツ」「Angel Sweets」全体として又は「エンゼル」「Angel」の部分としてのみ称呼,観念が生じる。よって,本件商標からは,「天使の甘い菓子」,「天使のような甘い菓子」又は「天使」という観念が生じる。また,上記(1)のとおり,「エンゼル」「Angel」が「天使」の意味を有する我が国で親しまれた語であることに照らすと,引用商標からも,「天使の甘い菓子」,「天使のような甘い菓子」又は「天使」という観念が生じる。本件審決は,両商標がいずれも特定の観念を生じないと判断しているが,両商標の観念は,以上のとおり共通するのであって,本件審決の判断は是認することができないといわざるを得ない。」

◆平成21(行ケ)10052 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年07月02日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10380 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年04月27日 知的財産高等裁判所

 裁判所は、標章「ラブコスメ」は、標章「LOVE」、標章「ラブ」とは類似するとした審決を取り消しました。
  「本件商標は,「ラブコスメ」の片仮名文字を標準文字により,一連に表記したものであり,その音数は5音であって短く,本件商標に接した需要者及び取引者は,これを一連一体に認識,理解するものと解するのが相当であるから,本件商標からは,片仮名横書きの「ラブコスメ」との外観及び称呼を生じる。他方,本件各引用商標は,引用商標1ないし6から,順に,欧文字「Love」(Lが大文字,他の文字は小文字)を,特有の書体による横書きで表\\記したものであり,・・・表記した外観を示し,このうち,引用商標2ないし4,6からは,「ラブ」の称呼を生じる。したがって,本件商標と本件各引用商標は,外観及び称呼において,類似しない。・・・被告は,化粧品の取引や需要者間においては,周知・著名商標に,続けて「コスメ」を付加することが慣行的に行われる例があることから,需要者は,本件商標「ラブコスメ」が付された化粧品を見た場合には,「ラブ」の商標を有する被告の化粧品であると認識すると主張する。しかし,本件全証拠によるも,本件商標が出願され,登録査定された,平成18年3月13日ないし平成19年4月20日ころに,本件商標が付された化粧品等に接した場合,取引者が「ラブ」を商標とする化粧品であると認識される程度に,本件各引用商標の「ラブ」の構\\成が周知・著名であったと認めることは到底できず,この点の被告の主張は採用できない。なお,知的財産高等裁判所平成20年5月28日判決(平成20年〔行ケ〕10042号事件)においては,「アンダーラインを挟んで上段に大きく「Love cosmetic」の欧文字及び下段に小さく「for two persons who love」の欧文字とを2段に表し,その下部に「ラブコスメティック」の片仮名文字を横書きし,上部に左方向に横向きのハート状図形を配した図形について,引用商標2ないし6と類似するとの判断がされている(乙101)。しかし,上記商標は「Love cosmetic」の文字部分の「Love」と「cosmetic」との間に間隙が存在すること,一連一体に把握することが困難な商標であること等,本件商標と相違するものであるから,互いに判断の結果が相違しても,齟齬があるものとはいえない。」

◆平成20(行ケ)10380 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年04月27日 知的財産高等裁判所

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◆平成21(行ケ)10031 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年06月25日 知的財産高等裁判所

 商品の類似が争われましたが、類似するとした審決が維持されました。
  「指定商品が類似のものであるかどうかは,商品自体が取引上誤認混同のおそれがあるかどうかにより判定すべきものではなく,それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により,それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められる関係にある場合には,たとい,商品自体が互いに誤認混同を生ずるおそれがないものであっても,それらの商標は商標法4条1項11号にいう「類似の商品」に当たると解するのが相当である(最高裁昭和33年(オ)第1104号昭和36年6月27日第三小法廷判決・民集15巻6号1730頁参照)。イこれを本件についてみると,本願商標の指定商品「レーザー光照射型混入異物検査装置」の属する「異物検査機(異物検出機)」と「牛乳殺菌機」の属する「殺菌機」とは,i)製造業者の一部が食品の製造・加工用の機械メーカーであることにおいて共通していること,ii)両商品を販売する会社もあること,iii)いずれも食品の製造・加工メーカーにおいて使用されていること,以上の諸点に照らせば,両商品の対象とする食品の種類や具体的な目的及び機能ないし用途に,前記(1)ウのような違いがあるとしても,「レーザー光照射型混入異物検査装置」の属する「異物検査機(異物検出機)」と「牛乳殺菌機」の属する「殺菌機」とに同一又は類似の商標が使用されるときは,同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認・混同するおそれがあると認められる関係にあり,商標法4条1項11号にいう「類似の商品」に当たると解するのが相当である。」

◆平成21(行ケ)10031 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年06月25日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10351 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年05月28日 知的財産高等裁判所

 4条1項6号違反を理由として拒絶された商標について、拒絶審決が維持されました。
  原告は,免震装置等に係る取引の実情についてるる主張し,両商標が類似しない旨主張するが,前記(1)において説示したところによれば,本願商標のISO部分と引用標章とは,その外観,観念及び称呼において共通するといえ,引用標章が国 際標準化機構を表\示するものとして著名であることにも照らせば,原告が主張する取引の実情を考慮してもなお,本願商標に接した需要者及び取引者は,同商標を付した商品,当該商品を製造・販売するなどする業者等が国際標準化機構が定める国際規格に適合するなどの印象を抱くものと認められるから,両標章は,互いに類似するものと認めるのが相当であり,これと同旨の本件審決の判断に誤りはないというべきである。

◆平成20(行ケ)10351 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年05月28日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10439 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年05月28日 知的財産高等裁判所

 商標「Factory900」と「サッポロファクトリー」とが類似するとした審決が取り消されました。
 「そして,証拠(乙2,3)によれば,日本の眼鏡人口は約6000万人であると認められ,その範囲は,被告が主張するように広範かつ重層的であると推認されるが,上記(ア)認定の事実,殊に,上記(ア)bのとおり「メガネの国際総合展」(IOFT)については多くの一般紙でも紹介されていること,上記(ア)cの雑誌は一般の消費者を対象とするものであること,小売店のウェブページも一般の消費者を対象とするものと考えられることなどに照らせば,本願商標は,原告が製造販売する眼鏡を表示するものとして,業界のみならず,広範かつ重層的な需要者の間においても,広く知られていると認めることができるのであって,これに反する被告の主張は採用することができない。・・・(ア) 前記(2)のとおり,商標は,その構成部分全体によって他人の商標と識別すべく考案されているものであるから,商標構\成部分の一部を抽出し,この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判定することは,その部分が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や,それ以外の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないと認められる場合などを除き,許されない。(イ) 上記アのとおり,本願商標は,原告が製造販売する眼鏡を表示するものとして,需要者,取引者の間に広く知られているものと認められること,上記イのとおり,本願商標のうち「900」の数字部分は,必ずしも商品の型式,規格等を表\示するための記号,符号と認識されるとは限らないこと,上記ウのとおり,必ずしも本願商標のうち「FACTORY」の部分のみが識別力が高いということはできないこと,及び本願商標は,「Factory900」と同じ書体でかつ同じ大きさの文字で一連に記載したものであることを総合すると,本願商標は,一連一体のものとして認識されると解するのが相当である。そして,本願商標について,商標の構成部分の一部を抽出し,この部分を他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することができるというべき事情,すなわち,前記(2)の「複数の構成部分の一部が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や,それ以外の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないと認められる場合」などの事情が存するとは認められない。」

◆平成20(行ケ)10439 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年05月28日 知的財産高等裁判所

関連判決はこちらです
    ◆平成20年(行ケ)第10439号

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◆平成20(行ケ)10449 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年05月12日 知的財産高等裁判所

 図形商標について、混同生ずるとした審決を維持しました。
「上記のような法4条1項10号ないし15号の趣旨からすると,15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には,当該商標をその指定商品等に使用したときに,当該商品等が他人の商品等に係るものであると誤信されるおそれがある商標のみならず,当該商品等が他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ(広義の混同を生ずるおそれ)がある商標を含むものと解される。そして,「混同を生ずるおそれ」の有無は,i)当該商標と他人の表示との類似性の程度,ii)他人の表示の周知著名性及び独創性の程度,iii)当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質,iv)用途又は目的における関連性の程度,v)商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし,当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として,総合的に判断されるべきものである(最高裁平成12年7月11日第三小法廷判決・民集54巻6号1848頁参照)。そこで,上記の観点から,本件商標登録が法4条1項15号の規定に違反するものであるかどうかについて検討する。・・・・基本的に引用商標1の形状を有する被告バックポケットの表示の周知著名性及び独創性の程度についてみると,被告バックポケットの形状は,ジーンズの元祖ともいえるメーカーによるものとして100年以上にわたり基本的に変化がなく,バックポケットの形状に注意を喚起する旨の多数の宣伝広告がされ,我が国においてもトップレベルの販売実績・シェアを持つこと等により,本件商標の出願時(平成17年6月8日)及び登録時(平成18年1月13日)において,ファッション関連商品の取引者及び一般消費者を含む需要者の間で広く知られており,しかもその周知著名性の程度は極めて高いものであると認めることができる。・・・以上を総合すると,本件商標をその指定商品について使用したときには,引用商標1又は被告バックポケットの形状が強く連想され,本件で想定される一般消費者を含む取引者ないし需要者において普通に払われる注意力を基準とした場合,被告ないし被告と関係のある営業主の業務に係る商品等であると誤信させ被告の商品等との混同を生じさせるおそれがあると認めるのが相当である。そうすると本件商標は,被告の商品と混同を生じさせるおそれがあるものとして,法4条1項15号に該当するということになり,その旨をいう審決の判断に誤りはない。」

◆平成20(行ケ)10449 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成21年05月12日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10311 商標登録取消決定取消請求事件 商標権行政訴訟 平成21年02月10日 知的財産高等裁判所

 図形商標について、類似するとした審決を取り消しました。
 「これに対して本件商標における動物図形は,たしかにその向きや基本的姿勢,跳躍の角度,前足・後足の縮め具合・伸ばし具合や角度,胸・背中・腹から足にかけての曲線の描き方において上記「PUMA」ブランドの商標と似ている点があるものの,取引者・需要者に印象付けられる特徴は「PUMA」ブランドの商標とは異なるものである。すなわち,本件商標に描かれた動物は,「PUMA」ブランドのピューマに比べて頭部が大きく,頭部と前足の付け根部分とが連なっているために,上半身が重厚でがっしりとした印象を与える。また,「PUMA」ブランドのピューマには模様は描かれず,輪郭のラインやシルエットですっきりと描かれているのに対し,本件商標では首,前足・後足の関節,尻尾に飾りや巻き毛のような模様が描かれている。さらに,「PUMA」ブランドのピューマの特徴である,右上方に高くしなるように伸びた細長い尻尾の代わりに,全体的に丸みを帯びた尻尾が描かれている。このように本件商標の動物図形は,「PUMA」ブランドのピューマとは異なる印象を与えるものである(なお,甲19〜29〔枝番を含む〕によれば,本件商標は主として,原告が代表取締役を務める観光土産品等の販売等を行う有限会社沖縄総合貿易が観光土産品たるTシャツ・エコバッグ・雑貨等を販売する際に使用されている。)。ウそうすると,「PUMA」ブランドのピューマを記憶している取引者・需要者は,本件商標に接したときに「PUMA」ブランドのピューマを連想することがあるとしても,本件商標を「PUMA」ブランドの商標とまで誤って認識するおそれはないというべきである。」

◆平成20(行ケ)10311 商標登録取消決定取消請求事件 商標権行政訴訟 平成21年02月10日 知的財産高等裁判所

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