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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

商標の使用

最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、裁判所がおもしろそうな(?)意見を述べている判例を集めてみました。
内容的には詳細に検討していませんので、詳細に検討してみると、検討に値しない案件の可能性があります。
日付はアップロードした日です。

平成29(ワ)6906  商標権侵害差止等請求事件  商標権 平成30年11月5日  大阪地方裁判所

 漏れていたのでアップします。ミニオン語をミニオンの図柄と一緒に使用した場合に、商標的使用ではないと判断されました。

  被告各商品において,被告各標章は,ミニオンの図柄とともに表示されて\nいるところ,被告各商品のようなTシャツ,下着,帽子,靴下等の服飾品には,一 般に様々な図柄や単語ないしフレーズが装飾的なデザインとして用いられることが 多く見られ,被告各商品に付されたミニオンの図柄と被告各標章も,そのようなデ ザインとしての性質を有すると認められる。他方,服飾品では,被告各商品で被告 各標章が付されている位置には,装飾的なデザインと兼ねてブランド名が表示され\nる場合もある(前記1(6))。このことからすると,被告各商品に接した需要者が, 被告各標章を「需要者が何人かの業務に係る商品…であることを認識できる態様に より使用されていない商標」(商標法26条1項6号)と認識するか否かは,ミニ オンの図柄や被告各標章が服飾品のデザインとしての性質を有することを前提にし つつ,更に被告各標章の使用態様や取引の実情等を総合考慮して検討する必要があ る。
(2) 前記1(1)ア(ア)で認定したとおり,ミニオンは,それが登場する米国の映 画が大ヒットとなり,●(略)●という対象者を限定した被告のアンケートにおい てであるとはいえ高い周知度があったことから,一般的に高い周知性を有している とキャラクターであると推認される。そして,被告各商品はそのようなミニオンの キャラクターグッズであるから,需要者は,ミニオンのキャラクターに関心を有し, 被告各商品がミニオンのキャラクターグッズであるという点に着目してこれを購入 するものと考えられる。
そして,前記1(1)イのとおり,被告各商品は主としてUSJのパーク内及び近隣 の直営店舗で公式グッズとして販売されているところ,USJを訪れる需要者が上 記のような関心を有することに加え,パーク内のキャラクターとしてミニオンが導 入されていることからすると,需要者にとっては,ミニオンが,USJ(被告)が 擁するキャラクターであり,被告各商品は,そのUSJ(被告)がパーク内と近隣 で運営する店舗で販売している公式のキャラクターグッズであるということをもっ て,他の商品との出所の識別としては十分であり,それ以上に被告各商品の出所の\n識別を意識する動機に乏しいと考えられる。 また,前記1(2)のとおり,パーク内及び近隣の直営店舗では,ミニオンのキャラ クターグッズは,服飾品である被告各商品に限らず,服飾品でない文房具,歯ブラ シ,コップ,菓子に至るまで多岐にわたって展開されており,それらに広く被告各 標章ないし「BELLO!」が付されている。また,USJのパーク内でも,具体 的商品を離れて,周知のミニオンのキャラクターに関連して,看板等に「BELL O!」との表示がされている。このように,被告各標章や「BELLO!」が,広\nくミニオンのキャラクターとセットで使用されていることからすると,パーク内及 び近隣の直営店舗を訪れた需要者は,被告各標章や「BELLO!」をもって,少 なくとも周知のミニオンのキャラクターと何かしら関連性を有する語ないしフレー ズとして認識すると考えられる(なお,被告は,「BELLO」という語は,ミニ オンが用いるミニオン語として認識されると主張する。しかし,映画の設定上はそ のようにされているとしても,ミニオン語は18種類以上あり,映画の宣伝等でも ミニオン語〔特にBELLO〕に着目した宣伝がされているとも認められないこと 〔前記1(1)ア(イ)〕からすると,ミニオンというキャラクターが周知であることを 超えて,「BELLO」という語がミニオン語であることまでが被告各商品の需要 者の間で周知となっているとは認められないから,需要者が「BELLO」という 語がミニオン語であるとまで認識するとは認められない。)。 これらの状況からすると,パーク内及び近隣の直営店舗を訪れた需要者が,被告 各標章をミニオンの図柄とは関連のないものと認識し,それによって被告各商品の 出所を識別するとは考え難く,需要者は,被告各標章をもって少なくともミニオン のキャラクターと関連する何らかの語ないしフレーズとして認識し,被告各商品の 出所については,それがUSJ(被告)の直営店舗で販売されるミニオンのキャラ クターの公式グッズであることや,被告各商品にも一般に商品の出所が表示される\n部位である商品のタグやパッケージに本件被告ロゴが表示されていることによって\n識別すると認めるのが相当である。
(3) もっとも,本件各商標が周知なものであれば,需要者は,それを既知の出 所表示として認識しているから,被告各標章が周知のミニオンの図柄と共に表\示さ れ,上記のような状況で販売される場合でも,被告各標章を出所表示として認識す\nることになると考えられる。そして,上記1(5)のとおり,原告が,その創業以来, オリジナルブランドを周知させるべく,「BELLO」の文字ないしその筆記体風 の文字で構成される本件各商標を取り扱う商品に付すなどしてきたことは認められ\nる。
しかし,原告が取り扱う商品が掲載された雑誌は印刷部数が格別多いわけでもな い男性誌に限られ(乙29ないし31,弁論の全趣旨),掲載された頻度も,上記 1(5)ウのとおり短期間に限られている。また,上記1(5)アのとおり百貨店等で原 告が取り扱う商品の販売コーナーが設けられたこと自体は,原告が取り扱う商品の 需要者層に対する訴求力があるとはいえ,販売コーナーはさほど大きなものではな く,コーナーが設けられた期間も短期間にとどまっている。また,原告は,その取 り扱う商品を複数の展示会に出展しているが,いずれも短期のものである上に,回 数も5回にとどまっている。さらに,検索エンジンである「Google」で「BELL O 帽子」等の検索ワードで検索した場合に原告の取り扱う商品に関するウェブペ ージが上位にヒットすること(甲9の1ないし4)は,原告以外にも「BELL O」という文字を含むブランド名を採用する同業者がある程度存在しないのであれ ば,当然のことであって,それをもって本件各商標の周知性を推認することはでき ない。これらからすると,本件各商標が被告各商品の需要者の間で周知性を有する とは認められないから,その既知性に基づいて被告各商品の需要者が被告各標章を 出所表示として認識するとはいえない。\n
(4) 以上に対し,原告は,1)被告各標章が幅広く使用され始めたのは,被告各 商品の販売開始時期の頃ではなく比較的最近のことであり,需要者が,被告各標章 を何らかの出所表示として認識する具体的可能\性が否定される前提を欠く,2)US Jではコラボ商品としてコラボ先の出所が表示された商品が販売されていたり,ウ\nェブサイトではミニオンのキャラクターに係る権利のライセンス先がライセンス商 品を販売したりしていることに照らせば,需要者が,被告各標章を何らかの出所表\n示として認識する可能性は否定されないと主張する。\nまず,1)についてみると,確かに,被告各標章の使用状況が,被告各商品の販売 時期から次第に拡大している可能性は否定できない。しかし,乙54の各写真自体\nには,撮影年月日の表示はないものの,被告において商品販売等を担当する部署の\n者が,新たな店舗展開や装飾展開をするに当たり,これらの履歴を保存しておくた めに店舗状況を写真撮影しておいたという被告の説明に格別不自然な点はない。し たがって,乙54の各写真は,被告が各写真ファイルの作成日から特定したと主張 する各写真の撮影年月日に撮影したものと認められ,この写真から認められる状況 に加え,新規の訪問客を開拓し,リピーターを増やすためにキャラクターを導入し ていると考えられる被告のキャラクターグッズに係るマーケティング戦略としては, 当初からある程度の商品ラインアップを揃えることが合理的に想定されることを考 慮すれば,被告は,ミニオンのキャラクターグッズの販売開始当初から,既に多様 な商品について被告各標章を使用していたと推認するのが合理的である。したがっ て,原告の上記1)の主張は採用できない。 次に,2)についてみると,確かに,上記1(3)のとおり,ミニオンについては,こ れまで複数のコラボレーション商品やライセンス商品が販売されてきたと認められ る。しかし,上記1(3)で認定した事実によれば,コラボレーション商品の場合には, 各商品主体において,それがコラボレーション商品である旨を明示していると認め られるところ,コラボレーション商品は,異なる商品主体同士がコラボレーション することで商品価値の相乗効果を狙う商品であるから,コラボレーション商品であ りながらその旨を明記しないことは通常考え難いことである。そうすると,USJ (被告)の直営店舗で販売されるミニオンのキャラクターの公式グッズであるとい う以上に被告各商品の出所の識別を意識する動機に乏しい需要者において,コラボ レーション商品であることを特に表記していない被告各商品について,他社とのコ\nラボレーション商品であるとの認識が生じる可能性は乏しいと考えられる。また,\nライセンス商品の場合には,一般的にはライセンス先の商標等が表示されることも\n多いと考えられるが,本件では前記のように多岐にわたる商品群や看板等について 被告各商標ないし「BELLO!」が使われていることからすると,上記のような 需要者において,被告各標章が特定のライセンス先の出所を表示するものであると\nの認識が生じる可能性も乏しいというべきである。したがって,原告の上記2)の主 張は採用できない。
(5) また,被告各商品は,USJのオンラインストアでも販売されているが, USJのオンラインストアのトップページには,本件被告ロゴが表示され,USJ\nのオンラインストアであることが明確に認識されるようになっている(乙50)上, 弁論の全趣旨によれば,USJのオンラインストアでは,USJのパーク内及び近 隣の直営店舗で販売されているのと同じ商品が販売されていると認められるから, 同ストアを訪れた需要者は,そこで販売されているキャラクターグッズがUSJの 公式グッズであると認識すると考えられる。 このことからすると,USJのオンラインストアで被告各商品が販売される局面 でも,被告各商品に接した需要者は,それがUSJの公式のキャラクターグッズで あるという以上に商品の出所の識別を意識する動機に乏しいと考えられ,また,同 ストアには多数の公式キャラクターグッズが掲載されているのであるから,やはり, 需要者が,商品の写真に写っている被告各標章をミニオンの図柄とは関連のないも のとして,それによって被告各商品の出所を識別するとは考え難いというべきであ る。
(6) また,被告各商品は,USJのオンラインストア以外のオンラインストア 等で第三者により販売されることもあるが,上記1(4)のとおり,アマゾンでの販売 では,出品者が「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」,商品が「USJ 公式 限定 商品 《ミニオン キッズ キャップ》ミニオン グッズ」と記載され,フ リルでの販売でも,商品が「ハロウィン 子供 ミニオン ミニオンズ ハット キャップ 子供 帽子 USJ」と記載され,いずれも出所がUSJであるミニオ ンのキャラクターグッズであると明記されている一方,それらの商品の写真に写っ ている「BELLO!」ないし「bello!」について言及する記載はない。そ して,被告各商品のような公式グッズは,被告ないしUSJを出所とする公式グッ ズとしての独自の価値があることからすると,第三者が被告各商品を販売するに当 たり,これらと異なり,被告各商品の出所が被告ないしUSJであることを明記し ないとは考え難い。 これらからすると,USJのオンラインストア以外のオンラインストア等で被告 各商品に接した需要者は,USJが自前のミニオンというキャラクターを用いた商 品として,その出所をその表記によって識別すると考えられ,被告各標章をミニオ\nンの図柄とは関連のないものとして,それによって被告各商品の出所を識別すると は考え難いというべきである。
(7) 以上からすると,証拠により示されたこれまでの取引の実情に基づく限り, 被告各商品が販売されているいずれの局面においても,被告各標章が出所表示とし\nて機能していないから,被告各標章は,「需要者が何人かの業務に係る商品…であ\nることを認識することができる態様により使用されていない」(商標法26条1項 6号)と認められる。また,将来の被告各標章の使用についても,取引の実情の変 化の有無やその態様が明らかではないから,将来における取引の実情の変化を前提 とする判断をすることはできない。

◆判決本文

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平成30(ネ)20 商標権侵害差止等請求控訴事件  商標権  民事訴訟 平成31年2月21日  大阪高等裁判所

 3文字のアルファベットで構成された登録商標「LDR」について、一覧で「LDR−○○」という使用形態については、商標として機能していないと判断されました。1審判決の最後に原告商標、被告標章が掲載されています。  1審でも、「被告標章2は,極めて多数の型式が存する被告商品の中にあって,基本となる型式,発光色,寸法等を間違いなく発注,納品等し得るようにする型式名の一部として用いられていると解するのが相当であって,商品の出所を表示したり,顧客を吸引したりする機能\は,基本的に有しないと考えられる。」と判断されていました。
 控訴人は,被控訴人が,被告標章2を商標として使用していると主張し,当 審においては,その理由として前記第2の5(1)のとおり述べる。しかし,次の とおり,いずれの主張も採用することはできない。
(1) 標章が商品の型式名の一部として使用されることについて
控訴人は,従来の裁判例において商標としての使用が否定され得る使用態 様として,1) 標章が単に商品等の属性・内容・由来等について説明するため の表示として付されていたり,別の商品の名称,種類等を示す表\示として付 されていたりすると認識される場合,2) 標章が商品等の装飾・意匠として付 されていると認識される場合,3) 標章が専ら商品の宣伝のためのキャッチフ レーズや宣伝文句として付されていると認識される場合を挙げ,本件はその どれにも当たらないと主張する。 そこで,本件における被告標章2の使用態様を検討すると,上記2),3)に 当たらないことは明らかである。しかし,引用に係る原判決「事実及び理由」 第3の5(5)イのとおり,被告標章2は,専ら,極めて多数の型式が存する被 告商品の中で,基本となる型式,発光色,寸法等を間違いなく発注,納品等 し得るようにするための型式名の一部として用いられており,それ以外の役 割を果たしていると認めることができないので,上記1)に準じて考えること ができる。また,この点を措くとしても,後記(2)のような使用態様に照らすと,被告標章2は,商品の出所を表示したり,顧客を吸引したりする機能\を 有していないというべきである。 したがって,控訴人の上記主張は採用することができない。
(2) 被告標章2の使用態様について
控訴人は,現在の被控訴人のカタログやウェブサイトに被告標章2が直接 表示されていないからといって,被告標章2が商標として使用されているこ\nとを否定する根拠とはならないと主張する。 しかし,商標としての使用というためには,出所表示機能\を発揮する態様での使用でなければならないので,どのような態様で表示されているかが重\n要であるところ,引用に係る原判決「事実及び理由」第3の5(5)のとおり, 被控訴人が現在使用する本件カタログに被告標章2が表示されていないだけ\nでなく,被告標章2に相当する記載は,製品の仕様の詳細を示す一覧表にお\nける型式名の一部として,あるいは製品の仕様及び価格を列挙した価格表に\nおける型式名の一部として表示されるにとどまっている。\n以上によると,被告標章2が商標として使用されていると認めることはで きない。
(3) 画像処理用LED照明装置の取引の実情について
控訴人は,画像処理用LED照明装置の分野において,商品名(型式名) のみで商品を特定する取引が少なからず行われていると主張し,証拠(甲2 6,27,29)を提出する。 たしかに,甲26(現品票)及び甲27(請求書)には,同装置の売買に 際し,型式名をもって商品を特定していることが認められる。しかし,これらの文書は,商品の購入が決まり,注文があった後に作成されたものである。 そして,当該商品を注文するに至るまでの間,どのようなやり取りがされた か不明であり,上記各文書に記載された型式名だけで注文が行われたとまで 認めることはできない(これらの文書に記載された型式名は,前記(1)のとお り,基本となる型式,発光色,寸法等を間違いなく発注,納品等し得るよう にするために使用されているものということができる。)。 また,甲29によれば,インターネット通販サイトにおいて,「日進電子 工業 直接照射照明 リング型 DRシリーズ」と「CCS(シーシーエス) リ ング照明 LDR2シリーズ」の表示のもとに,各商品が販売されていること\nが認められる。このようにメーカー名も左上部に表示されていることからも,\n需要者において型式名のみで商品を買い受けているとは認め難い。
(4) 以上のとおりで,被告標章2は,商標としては使用されていないと認められる。
4 本件商標1に係る商標権の損害額について
被控訴人が被告標章1を使用したことによる控訴人の損害額,被控訴人の不 当利得額について検討する。なお,本件商標1登録後の平成23年9月1日か ら平成29年7月31日までの被控訴人の売上を算定の基礎とすることは争 いがない。
(1) 損害の基礎となる金額
ア 被告商品の売上総額
被控訴人における平成24年12月1日から平成25年10月31日 までの被告商品の売上高は3億0191万5347円,同年11月1日か ら平成29年7月31日までの売上高は12億5406万9731円,合 計15億5598万5078円であった(争いがない)。 なお,控訴人は,平成23年9月1日から平成25年10月31日の間 について不当利得の返還を請求するが,被控訴人は,平成24年12月1 日から平成25年10月31日までの間の売上高を開示し,その額は上記 のとおり3億0191万5347円である。控訴人は,同額を平成23年 9月1日から平成25年10月31日までの算定の基礎とすることとし た。
イ 被告標章2を付した商品の売上額 一方,被告商品のうち,被告標章2を付した被告商品1−1−1ないし 6の,平成18年11月1日から平成25年10月31日までの売上高は 4848万1830円,同年11月1日から平成29年7月31日までの 売上高は2012万6460円,合計6860万8290円であった(争 いがない)。
ウ 算定の基礎となる金額
被告標章1は,被告商品に付されているのではなく,カタログに使用されているので,これによる個別の損害額を算定することは困難であるが, 商標の自他識別機能を害する形態で使用されているので,不法行為に基づ\nく損害賠償として使用料相当額の請求が認められる(商標法38条3項)。 また,不当利得返還請求としても使用料相当額を認めることができる。 ところで,前記3に説示したとおり,被告標章2については商標権侵害 が成立しないところ,被告標章1の使用にかかる販売額を算定するに当た り,前記イの額を控除する必要はない。 したがって,控訴人が算定の基礎として主張する,平成23年9月1日 から平成29年7月31日までの「被告標章1固有の販売額」は,前記ア の15億5598万5078円ということになる。
(2) 使用料相当額
被告標章1は,本件カタログの比較的目立つ位置に掲載されているところ, 顧客がこれに目にする可能性は高いが,「照明の解決」という意味内容は,\n被告商品及び役務の特長を直接的に表すものであり,一定の顧客吸引力を有\nすると認められるものの,照明装置のカタログに付すものとしては,常識的 な発想の範囲内の言葉である。 引用に係る原判決「事実及び理由」第3の5(4)のとおり,画像処理用LE D照明装置の需要者・取引者が商品に求めるものは特定の機能や性能\であり, 一定期間の検討を経て購入の決定に至るのが一般的と考えられ,一般家庭用 の商品でもないから,カタログに記載された文言が顧客を強く吸引し,購入 の有無に強く影響するということも考え難い。また,被告標章1は,平成2 7年の本件カタログには使用されているものの,従前のカタログ(平成8年, 11年,15年,16年)には使用されておらず,価格表やウェブサイト,\nあるいは被告商品自体に付された事実もなく,被告標章1が,被告商品に関 する惹句として,あるいは企業としての被控訴人自体を需要者に印象付ける 語句として,継続的に,あるいは広範囲に使用されたとの事実を認めることはできない。よって,上記認定した被告標章1の顧客吸引力の程度,被告標章1使用の 態様を総合すると,被告標章1が被控訴人の取引に影響した程度は極めて低 いというべきであり,支払うべき許諾料相当額は,不法行為及び不当利得に 基づく請求のいずれの期間においても,算定の基礎となる被控訴人の売上高 の0.2%と認めることが相当であるから,その額は311万1970円(不 当利得につき上記3億0191万5347円の0.2%である60万383 1円,不法行為につき上記12億5406万9731円の0.2%である2 50万8139円)となる。

◆判決本文

1審判決はこちらです。

◆平成28(ワ)9753

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平成28(ワ)6268  商標権侵害差止請求事件  商標権  民事訴訟 平成29年5月11日  大阪地方裁判所

会社名をロゴ化したについては商標については侵害、その他については、自己の名称を「普通に用いられる方法」により表示したものと判断されました。
 (ア) 被告標章4は,まず,被告の事務所の正面玄関口の看板として表示さ\nれているところ,通常,企業の事務所においては当該企業の商品又は役務に関する 需要者向けの業務が,あるいは,そのための広告宣伝がなされるのであり,現に「AD EBiS」と「EC-CUBE」の広告物が陳列されている。そうすると,被告の事務所の正面 玄関口における被告標章4の使用は,少なくとも「AD EBiS」と「EC-CUBE」につい ての使用であると認められる。 また,被告標章4は,セッションの壁面においても表示されているところ,そこ\nには同時に,「AD EBiS」及び「THREe」の広告の表示があるから,被告は,セッショ\nンにおいて,「AD EBiS」及び「THREe」について被告標章4を表示して使用している\nと認められる。(争点2) また,これらからすると,被告4サービス中の他のものについても被告標章4を 使用するおそれがあるというべきである。
(イ) そして,被告の商号の英訳は「LOCKON CO.,LTD.」であり(甲32の1 頁,乙2の1頁,乙8),「LOCKON」との被告標章4はその略称であるから,被告標 章4が「自己の名称」を表示するものとはいえない。なお,この略称が著名である\nことを認めるに足りる証拠はないから,被告標章4が「著名な略称」を普通に用い られる方法で表示する場合に当たるものともいえない。(争点3)\n

◆判決本文

◆原告と被告が逆の事件です。平成28(ワ)5249 こちらは、原告の請求は全て棄却されています。

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平成28(ワ)5249  商標権侵害差止請求事件  商標権  民事訴訟 平成29年5月11日  大阪地方裁判所

 ウェブサイトにおける使用が35類の広告サービスとしての側面があるかが争われました。裁判所は、42類のプログラムの提供としての使用であり、35類の広告サービスではないと判断しました。
(1) 前記のとおり,被告のホームページにおいて,被告サービスは,「スマート フォン対応のケイータイサイト作成ASP」,「華やかなケータイサイトが専門知識 なしで簡単に作成できる」として総括的に紹介されており,被告サービスの17の 機能の多くはホームページの作成支援に関わる機能\であることからすると,被告サ ービスは,ホームページ作成支援を主たる機能とするものであると認められる。そ\nして,前記のとおり,被告サービスは,「ASP」とされ,ASPとは,ソフトウェ\nアをインターネットを介して利用させるサービスをいうこと(弁論の全趣旨)から すると,被告標章が使用されている被告サービスは,全体として,インターネット を介してスマートフォン等の携帯電話用のホームページの作成・運用を支援するた めのアプリケーションソフトの提供を行うものであり,第42類の「電子計算機用\nプログラムの提供」に該当すると認められ,本件商標の指定役務第35類の「広告」 には該当せず,また,これに類似する役務とも認められない。
(2) これに対し,原告は,被告サービスのうちのプッシュ通知機能及びメール\nマーケティング機能に着目し,これらの機能\のうち,メールサーバによる電子メー ルの配信を提供するインターネット役務部分は広告業に当たるから,広告及び操作 画面に被告標章を表示する行為が「広告業」について被告標章を使用するものであ\nる旨主張する。
しかし,まず,被告サービスの内容は上記のとおりであり,これらの機能は,被\n告サービスの機能として広告されてはいるものの,それぞれ,被告サービスに付随\nする17種類の機能のうちの1つにすぎず,価格面でもこれらの機能\の有無によっ て区分されておらず,これら機能が独立して提供されているわけではないから,被\n告標章がそれらの機能について独立して使用されていると認めることはできない。\nそして,前記のとおり,被告サービスは全体としてインターネットを介してスマー トフォン等の携帯電話用のホームページの作成・運用を支援するためのアプリケー ションソフトの提供を行うものであると認められ,被告標章はそのような被告サー\nビスの全体について使用されているのであるから,被告サービスのうちのプッシュ 通知機能及びメールマーケティング機能\のみに着目して,被告標章が「広告業」に 使用されているとする原告の上記主張は採用できない。 また,被告サービスのプッシュ通知機能及びメールマーケティング機能\が,メー ルサーバによる電子メールの配信を提供する要素を含んでおり,それが広告機能を\n営むものであるとしても,それは,被告サービスによって提供されるアプリケーシ ョンソフトを被告の顧客が使用することにより自動的に行われるものであるから,\n被告の提供する役務は,そのような配信機能を有するプログラムを提供するものと\nいうべきであり,被告自身が広告配信サービスを提供していると捉えることはでき ない。

◆判決本文

◆原告と被告が逆の事件です。平成28(ワ)6268 こちらは、原告の請求が一部認められています。

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平成28(ワ)28591  商標権侵害差止等請求事件  商標権  民事訴訟 平成29年4月27日  東京地方裁判所(47部)

 商標「医の心」「医心」について、ウェブサイトでの使用形態は、商標的使用でないと判断されました。
 前記(1)ア(ア)のとおり,「医の心」という語は,従前から医療関係の書 籍や番組等で頻繁に用いられている語であり,その文言からしてその意味は 医師ないし医療の心得といったものであると自然に理解できるところ,現に, 昭和62年に発行された心臓外科の権威とされる医師による「医の心」と題 する書物(乙8)では,「医の心」につき,医師の心得ないし医師の心情と の意味である旨が詳細に記載されている。 また,「医心」という語も,「医の心」を短縮した語であると解され,現 に,前記(1)ア(イ)のとおり,「医術の心得」(広辞苑第6版)といった意 味で一般に用いられている。 そして,前記(1)イ(ア)ないし(カ)のとおり,被告は,本件ウェブサイト 等を含む被告のウェブサイト及びパンフレット等において,被告標章1「医 の心」や被告標章2「医心」という語を,上記のような一般的な意義と同様 に,医師としての心構えや医師が有すべき素養等といった意味で用いている\nものであり,被告標章3「医心養成ゼミ」も,そのような「医の心」や「医 心」を養成するためのゼミであることを説明しているものである。実際に, 被告は,前記(1)イ(キ)のとおり,「医心養成ゼミ」において,医学部受験 のための知識ではなく,医師としての心構えや素養を養うことを目的とした\nカリキュラムを提供している。 以上のとおり,本件ウェブサイト等を含む被告のウェブサイト及びパンフ レットにおいて,被告標章1及び2は,医学部志望者が医師になるために学 力とともに備えるべき心構えや素養を記述的に説明した語であり,被告標章\n3も,医師として必要な心構えや素養の養成を目的とするゼミであることを\n記述的に説明した語であると認められるから,これらの標章は自他識別機能\nを有する標識として商標的に使用されているものではなく,したがって,被 告のウェブサイト及びパンフレットにおける被告標章1ないし3の使用には, 本件商標権1及び2の効力は及ばない(商標法26条1項6号)。 なお,仮に,原告から使用許諾を受けた者が本件商標を商標的に用いてい るとしても,同事実によって,被告が被告標章を商標的に使用していること にはならない。
(3) また,本件検索結果における被告標章1ないし3の表示についても,被\n告が開講している「医心養成ゼミ」に関する被告のウェブサイトの記載の 一部が表示されるものであるところ,そもそもそれが被告による使用に当\nたるか否かの点(争点(2))は措いて,その表示内容を検討しても,上記\n(2)の被告のウェブサイト及びパンフレットにおける被告標章の使用の場合 と同様に,被告標章を商標的に使用しているものではなく,本件商標権1 及び2の効力は及ばない。

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平成28(ネ)10014  商標権侵害損害賠償請求控訴事件  商標権  民事訴訟 平成28年7月20日  知的財産高等裁判所  横浜地方裁判所  横須賀支部

 類似する商標であると判断されたものの、商標的使用でないと判断され、非侵害とした1審判決が維持されました。
 しかしながら,登録商標に類似する標章の商標権者以外の者による使用が 当該商標権の侵害に当たるとするためには,その標章が,商品・役務出所表示機能\, 自他商品・役務識別機能を発揮する態様で,すなわち,需要者が何人かの業務に係\nる商品又は役務であることを認識できる態様で,使用されていることが必要である と解すべきである。なぜなら,法律上,商標の果たすべき最大の機能は,商品・役\n務出所表示機能\,自他商品・役務識別機能であり,商標権によってまず守られるの\nは,登録商標のそのような機能であり,商標権侵害とされるのは,登録商標のこの\n機能を阻害する態様の行為に限られると考えるのが合理的であるからである。
(4) そこで,検討するに,前記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,被控訴人 は,「FRANGIPANI」を屋号として,宝石様のガラス等に貼付された医療用\nシートを耳のつぼに貼付する「耳つぼジュエリー」の施術方法を教授する「耳つぼ\nジュエリープロ通信講座」を開催しており,インターネット上にホームページを開 設して,前記講座の広告に伴う自己紹介として,1)「現在はサロンワークの傍ら, 自身のセミナー,通信講座の運営など「耳つぼジュエリスト」として後進の指導と 女性(特に育児中のママ)の起業サポートに力を注ぎ,日々「大人を教える技術」 に磨きをかける。」という被控訴人標章を含む文言を記載したこと,被控訴人標章が 記載された前記ホームページには,その上部に「FRANGIPANI」という被 控訴人の屋号の記載があり,その下に「耳つぼジュエリープロ通信講座」との記載 があったこと,被控訴人の開設したホームページには,いずれもその上部に「FR ANGIPANI」という被控訴人の屋号の記載があり,被控訴人は,当該ホーム ページ又はこれらにリンクされているページ中に,2)「耳つぼジュエリースクール では,お仕事として耳つぼジュエリーをしていきたい耳つぼジュエリストの育成も してまいりました。」,3)「そんな耳つぼジュエリストとしてのやりがいや幸せを感 じていただきたいと思っています。」,4)「また,受講いただいた方への十分なコミ\nュニケーションとサポート,サービス提供もとことんさせていただき,自信を持っ て耳つぼジュエリストデビューをしていただくまでのお手伝いをするために,今回 プレミアム特典も別に用意させていただきました。」,5)「学ぶことで,ご心配なく 取り組んでいただけます,学んだらいいかわからない,耳つぼジュエリストのYが 開発いたしました。」,6)「痛くない施術,説明するときにも役立ちます,通信教育 って途中で勉強,そんな耳つぼジュエリストとしてのやりがいや幸せ,ピンクリボ ンフェスタ2013出展。」という被控訴人標章を含む記載をし,また,投稿動画に 添える表題的な文言として,7)「ネイリストより簡単!自宅で学べる耳つぼジュエ リストのプロを目指す」という被控訴人標章を含む記載をしたことが認められる。 前記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,前記ホームページ又はこれらにリンク されているページにおいて,「耳つぼジュエリスト」は,ラインストーンに貼付され\nた医療用シートを耳のつぼに貼付する「耳つぼジュエリー」の施術を業として行う\n者という意味で使用されており,「耳つぼジュエリープロ通信講座」の開催及び「D ipLoma」と題する文書の発行の主体は,「FRANGIPANI」であること が明示されているといえる。 そして,前記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,被控訴人のほかにも,相当数 の者が,インターネット上において,「耳つぼジュエリー」の施術方法を教授する講 座を開催していたことが認められる。 以上の事実及び弁論の全趣旨によれば,本件商標権の指定役務である知識の教授 に係る事業の需要者において,インターネット上の被控訴人の前記1)ないし7)の被 控訴人標章を含む記載のあるホームページ等を見た場合,「FRANGIPANI」 が,その行う事業の一環として,その受講者に「DipLoma」と題する修了証 を発行する通信講座を開催し,その広告を掲載しており,前記講座は,前記施術を 行う技術を教授する講座であり,前記1)及び5)の記載は被控訴人が自らが前記施術 を業として行っていることを示したもの,前記2)ないし4),6)及び7)の各記載は, 一般的な資格として前記施術を業として行う者を示したものであると理解するので あって,「FRANGIPANI」という表示によって役務の出所を識別するのが通\n常であると考えられ,被控訴人標章から役務の出所を想起することはないものと認 められる。 したがって,前記の被控訴人標章の各記載は,需要者が何人かの業務に係る役務 であることを認識することができる態様により使用されているものと認めることは できず,「登録商標に類似する商標の使用」(商標法37条1号)には該当しないと いうべきである。

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平成27(行ケ)10032  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成27年9月30日  知的財産高等裁判所

 指定商品「コーヒー」について「ヨーロピアン」が商標として機能する使用であるかが争われました。知財高裁は、「他の自他商品識別機能\の強い商標と併用されることなく,単独で使用され,かつ,他の文字に比べると大きく,商品の目立つ位置に表示され,さらに(R)が付されて表示されている場合には、書体の違いおよび(R)の記載があり・・」なので、需用者は一応自他商品識別機能を有する商標と認識すると判断しました。原告はコカコーラです。
 このような例について考察すると,「ヨーロピアン」の語は,他の自他商品識別機 能が強い商標と併用されてコーヒーやコーヒー豆に使用されている場合には,単に\nコーヒーの品質を表示するだけであり,自他商品識別機能\を有する商標として使用 されているものとは認めることはできない場合が多い,ということができる。 (2) これに対し,本件包装袋には「ヨーロピアン コーヒー」の二段書き標章が 付されていることは前記認定のとおりである。本件包装袋には,このほかに,「無糖」,「お湯を注ぐだけ」との表示と「ホットコーヒーが入ったコーヒーカップの図柄」\nとが表示されているだけであり,これらが本件商品の品質や内容の単なる説明であ\nって,商標として表示されているものではないことは明らかであり,本件商品には,\nほかに自他商品識別機能を有する商標は使用されていない。そして,本件包装袋に\nおける「ヨーロピアン コーヒー」の二段書き標章は,いずれも同じ書体で同じ大 きさの文字で,他の文字に比べると大きく,包装袋の表面上部の目立つ位置に表\示 され,さらにが付されて表示されているものである。これらの本件包装袋に\nおけるが登録商標であることを示す記号として広く使用されていることを考慮すると,取引者及び需要者は,本件包装袋における「ヨーロピアン コーヒー」の二段書き標章が,本件商品の商標として本件包装袋に表示されていると認識し,理解するほかなく,その観念も「ヨーロッパ風のコーヒー」とかあるいは「深煎りの豆を使用したコーヒー」,「苦味が強いコーヒー」又は「コクが強いコーヒー」として認識されるものと認められる。\n(3) 以上によれば,「ヨーロピアン」との標章は,コーヒーあるいはコーヒー豆 に使用されている場合は,ほかに強い自他商品識別機能を有する商標と併用されて\nいるときには,単なる品質を表示するものとして使用されていると解される場合が\n多いものの,本件包装袋における「ヨーロピアン コーヒー」の二段書き標章のよ うに,他の自他商品識別機能の強い商標と併用されることなく,単独で使用され,\nかつ,他の文字に比べると大きく,商品の目立つ位置に表示され,さらにが\n付されて表示されているときには,それ程強いものではないけれども,一応自他商\n品識別機能を有する商標として使用されているものと認められる。\n

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平成26(ネ)10129  商標権侵害差止請求控訴事件  商標権  民事訴訟 平成27年8月27日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 控訴審でも商標法26条に該当するので、商標権の効力は及ばないと判断されました。
 被控訴人は,被控訴人が被控訴人各商品の錠剤に被控訴人各標章を表示しているのは,調剤ミスや誤飲等を避けるためであって,自他商品識別機能\を奏するために表示しているものではなく,被控訴人各商品における被控訴人各標章の使用は,いわゆる商標的使用に当たらないから,被控訴人各標章は,「需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができる態様\nにより使用されていない商標」(商標法26条1項6号)に該当する旨主張 する。 ア そこで検討するに,前記1の認定事実によれば,1)被控訴人各商品は, 一般的名称(JAN)を「ピタバスタチンカルシウム」とする化学物質を 有効成分とする「HMG−CoA還元酵素阻害剤」であり,医療用後発医 薬品(ジェネリック医薬品)であること,2)医薬品の販売名等の類似性に 起因した医療事故等を防止するための対策の一環として平成17年9月2 2日付で発出された本件厚労省課長通知は,医療用後発医薬品の承認申請に当たっての販売名の命名に関し,「販売名の記載にあたっては,含有す\nる有効成分に係る一般的名称に剤型,含量及び会社名(屋号等)を付すこ と」を定めており,被控訴人各商品の販売名である「ピタバスタチンCa 錠1mg「サワイ」」,「ピタバスタチンCa錠2mg「サワイ」」及び 「ピタバスタチンCa錠4mg「サワイ」」は,本件厚労省課長通知に従 って命名されたこと,3)被控訴人を含む後発医薬品メーカー二十数社は,平成25年12月から,ピタバスタチンカルシウムを有効成分とする後発\n医薬品(「HMG−CoA還元酵素阻害剤」)の製造,販売を開始し,被 控訴人以外の各社も,本件厚労省課長通知に従って,上記後発医薬品の販 売名を命名し(例えば,「ピタバスタチンCa錠1mg「明治」),剤型 及び含量が同じであれば,被控訴人各商品との販売名の違いは「会社名(屋 号等)」だけであること,4)「スタチン系薬」又は「スタチン系化合物」 は,医師,薬剤師等の医療従事者の間において,HMG−CoA還元酵素 阻害薬の総称として一般に知られていたこと,5)「スタチン系薬」又は「ス タチン系化合物」に属する具体的な物質を表記する場合,「スタチン」の用語を除外した部分を略称として使用することが一般的であるとまではいえないが,「スタチン系薬」又は「スタチン系化合物」を説明する際に,\n「ピタバスタチン」,「アトルバスタチン」,「ロスバスタチン」等につい て「ピタバ」,「アトルバ」,「ロスバ」等の略称で表記する場合もあり医師,薬剤師等の医療従事者であれば,「スタチン系薬」又は「スタチン系化合物」を説明する文献又は文脈の中で,上記表\記がされた場合,それらが「ピタバスタチン」,「アトルバスタチン」,「ロスバスタチン」等を意味することを理解すること,6)本件厚労省課長通知には,「有効成分の 一般的名称については,その一般的名称の全てを記載することを原則とす るが,当該有効成分が塩,エステル及び水和物等の場合にあっては,これ らに関する記載を元素記号等を用いた略号等で記載して差し支えないこ と。また,他の製剤との混同を招かないと判断される場合にあっては,塩, エステル及び水和物等に関する記載を省略することが可能であること。」との記載があることが認められる。上記認定事実によれば,被控訴人各商品の錠剤に付された「ピタバ」の\n表示(被控訴人各標章)は,有効成分である「ピタバスタチンカルシウム」について,その塩に関する部分(「カルシウム」)の記載及び「スタチン」の記載を省略した「略称」であることが認められる。
イ 次に,被控訴人各商品の包装態様は,錠剤が10錠ずつPTPシートに パッケージされ,その複数のPTPシートを内袋に入れる「ピロー包装」 がされ,さらに,内袋が外箱に入れられたものであり(前記1(1)イ(イ)), 被控訴人各商品の錠剤は,通常は,PTPシートから取り出して服用する ことが想定されているといえる。 また,被控訴人商品1の外箱には,「ピタバスタチンCa錠1mg「サ ワイ」」と横書きで大きく表示され,その上部には「HMG−CoA還元酵素阻害剤」,その下部には「PTP100錠 ピタバスタチンカルシウ ム錠」との表示があり,内袋には,「ピタバスタチンCa錠1mg「サワイ」」との表\示があり,さらに,PTPシートの表面には,上部に「ピタバスタチンCa錠1mg「サワイ」」,一錠ごとに「ピタバスタチン」,\n「Ca 1」との表示があり,その裏面には,「ピタバスタチン」,「Ca 1mg「サワイ」」との表示があり,被控訴人商品2及び3の外箱及びPTPシートについても,含量及び「Ca」に続く数字の表\記が「2」又は「4」である点で異なるほかは,被控訴人商品1と同様の表示があることは,前記1(1)イ(イ)のとおりである。 さらに,被控訴人各商品の外箱,内袋又はPTPシートに記載された「ピ タバスタチンCa」,「ピタバスタチン」等の表示と被控訴人各商品の錠剤に付された「ピタバ」の表\示(被控訴人各標章)を同じ機会に目にした場合,「ピタバスタチンCa」又は「ピタバスタチン」と「ピタバ」の言 語構成から,「ピタバ」が「ピタバスタチンCa」又は「ピタバスタチン」の頭部分の3字を略記したものであることを自然に理解するものと認められる。\nそして,医師,薬剤師等の医療従事者の間においては,後発医薬品の販売 名は含有する有効成分に係る一般的名称に剤型,含量及び会社名(屋号等) から構成されていることは一般的に知られているものと認められるから,医療従事者が,被控訴人各商品に接した場合,被控訴人各商品が「ピタバスタチンCa錠1mg「サワイ」」等を販売名とする後発医薬品であるこ\nとを認識し,被控訴人各商品の錠剤に付された「ピタバ」の表示(被控訴人各標章)は,有効成分である「ピタバスタチンカルシウム」の略称であることを認識するものと認められる。\n一方で,患者においては,PTPシートに入れられた状態で被控訴人各 商品の交付を受けた場合,PTPシートから被控訴人各商品を取り出して 服用する際に,PTPシートに記載された「ピタバスタチンカルシウム」 等の表示が自然に目に触れ,被控訴人各商品は「ピタバスタチンカルシウム」が含有された錠剤であること認識するものと認められるから,被控訴人各商品の錠剤に付された「ピタバ」の表\示(被控訴人各標章)は,被控訴人各商品の含有成分を略記したものであることを理解するものと認められる。 また,被控訴人各商品は,医師等の処方箋により使用する「処方箋医薬 品」であり(前記1(1)イ(ア)),被控訴人各商品と他の薬剤とが一つの袋 にまとめて包装される「1包化調剤」により処方される場合があるが,こ の場合,患者は,1包化した袋を開封し,その袋内に薬剤が入ったままの 状態で服用するので,被控訴人各商品の錠剤に付された「ピタバ」の表示を認識することはないのが通常である。もっとも,患者は,1包化した袋からいったん薬剤を取り出して服用する場合もあるが,その際には,取り出\nした薬剤を一緒に服用すべきひとまとまりの薬剤として認識し,個々の薬剤 の表示が目に触れたとしても,その表\示が薬剤の出所を示すものと理解する ことはないものと認められる。 以上によれば,被控訴人各商品の需要者である医師,薬剤師等の医療従 事者及び患者のいずれにおいても,被控訴人各商品に付された「ピタバ」 の表示(被控訴人各標章)から商品の出所を識別したり,想起することはないものと認められるから,被控訴人各商品における被控訴人各標章の使用は,商標的使用に当たらないというべきである。\nウ したがって,被控訴人各標章は,「需要者が何人かの業務に係る商品で あることを認識することができる態様により使用されていない商標」(商 標法26条1項6号)に該当するものと認められる。
(2) 控訴人は,これに対し,1)患者は,通常,被控訴人各商品の有効成分の名 称が何であるかについて興味も知識もなく,医師,薬剤師等から説明も受け ていないから,被控訴人各商品の錠剤に表示された「ピタバ」に触れたときに,それが「有効成分」を示すものであると認識するものとはいえないし,たとえ,患者が被控訴人各商品のPTPシートに付された「ピタバスタチン\nCa錠1mg「サワイ」」等の表示に触れた上で,被控訴人各商品の錠剤に表\示された「ピタバ」に触れたときに,「ピタバ」の表示が販売名たる「ピタバスタチンCa錠1mg「サワイ」」等のうちの「ピタバスタチンCa」\nの一部の表示あるいはそれに由来する表\示であると認識することがあったと しても,「ピタバ」を「有効成分」としての「ピタバスタチンCa」を意味 するものと認識することはないから,被控訴人各商品の取引者,需要者であ る患者において,被控訴人各標章が出所識別機能を発揮する表\示であると認 識されないということはできない,2)薬剤の錠剤に付された「ピタバ」の表示に関するアンケート調査結果(甲23)によれば,「ピタバ」の表\示が「この薬の有効成分(薬の効果をもたらす成分)の名前(またはその一部)」と 回答したのは全体の15%にすぎず,残りの85%は有効成分の名称(また はその一部)であるとは認識しなかったこと,全体の43%が薬剤の錠剤に 付された「ピタバ」の表示を「この薬の商品名」と認識していたことからすると,患者が被控訴人各標章を有効成分の説明的表\示であると認識するとはいえないとして,被控訴人各標章は,商標法26条1項6号に該当しない旨 主張する。 ア しかしながら,前記(1)イ認定のとおり,患者は,PTPシートに入れら れた状態で被控訴人各商品の交付を受けた場合には,PTPシートから被 控訴人各商品を取り出して服用する際に,PTPシートに記載された「ピ タバスタチンカルシウム」等の表示が自然に目に触れ,被控訴人各商品は「ピタバスタチンカルシウム」が含有された錠剤であること認識するものと認められるから,被控訴人各商品の錠剤に付された「ピタバ」の表\示(被控訴人各標章)は,被控訴人各商品の含有成分を略記したものであることを理解するものと認められる。 次に,被控訴人各商品が「1包化調剤」により処方された場合には,前 記(1)イ認定のとおり,患者は,1包化した袋を開封し,その袋内に薬剤が 入ったままの状態で服用するので,個々の薬剤の表示には被控訴人各商品の錠剤に付された「ピタバ」の表\示を認識することがないのが通常であり,また,患者が1包化した袋からいったん薬剤を取り出して服用する場合も あるが,その際には,患者は,取り出した薬剤を一緒に服用すべきひとまと まりの薬剤として認識し,個々の薬剤の表示が目に触れたとしても,その表\ 示が薬剤の出所を示すものと理解することはないものといえるから,患者に おいて,被控訴人各商品に付された「ピタバ」の表示(被控訴人各標章)から商品の出所を識別したり,想起することはないものと認められる。イ また,控訴人の挙げる「ピタバ」の表示に関するアンケート調査(甲23)は,「ピタバ」の表\示が付された「錠剤」の写真と「PTPシート」の写真とを対比して質問に対する回答を求めたものであり,患者が被控訴 人各商品を処方され,これを服用する際の実情を踏まえたものといえない から,上記アンケート調査の結果は,患者において被控訴人各商品に付さ れた「ピタバ」の表示(被控訴人各標章)から商品の出所を識別したり,想起することはないとの上記アの認定を左右するものではない。したがって,被控訴人各商品における被控訴人各標章の使用は,商標的\n使用に当たらないから,控訴人の上記主張は,採用することができない。 (3) 以上によれば,被控訴人各商品の錠剤に付された被控訴人各標章は,商標 法26条1項6号に該当するから,控訴人が有する本件分割商標権の効力は, 被控訴人各標章に及ばないというべきである。

◆判決本文

◆1審はこちらです。平成26(ワ)768

◆被告が異なる関連事件です。平成26(ネ)10098

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◆被告が異なる関連事件です。平成26(ネ)10128

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◆被告が異なる関連事件です。平成26(ネ)10138

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◆被告が異なる関連事件です。平成26(ネ)10137

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平成27(行ケ)10057  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成27年7月30日  知的財産高等裁判所

 商標「加護亜依」について、指定役務に不使用であるとした審決が維持されました。
 すなわち,原告が,本件取消審判請求において提出した「navi☆Road U SA」と題するウェブページ(乙1の1添付資料)の作成者と思われる「アメリカ 留学 ナビロード」という団体又は会社が本件商標の商標権者,専用使用権者又は 通常使用権者であるとは認められない上に,「加護ちゃん的・・・」という記載や加 護亜依の写真の掲載しかなく,これらの記載等が,本件商標と同一又は社会通念上 同一の商標の使用とは認められず,本件指定役務のいずれかに関する使用ともいえ ない。また,原告の了解を取得せずにテレビ番組に出演したことに関して交わされ た,原告と株式会社C.A.Lとの間の合意書(乙1の1添付資料)における「加 護亜依」という記載は,原告に所属するタレントの氏名を明らかにするために使用 されただけであって,本件指定役務である「放送番組の制作」に関し,出所識別標 識として表示されたものではなく,商標法2条3項各号に定める「使用」のいずれ\nにも該当しない。 さらに,原告は,本件取消審判請求において,商標不使用の正当事由として,加 護亜依が商標権使用に協力的でなかったことや,加護亜依のスキャンダルのために 使用ができなかったことを主張したが(乙1の2),これらは,いずれも原告の所属 タレント自身ないし同人と原告との関係に関する事情であって,いわば,原告の内 部的な紛争にかかわる事情にすぎないから,本件商標の不使用がやむを得なかった といえる事情には該当せず,本件商標の不使用についての正当な理由とは認められ ない。

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平成26(ネ)10098  商標権侵害差止請求控訴事件  商標権  民事訴訟 平成27年7月16日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 販売名「ピタバスタチンCa錠1mg「明治」」が商標的使用でないと判断されました。問題の商標は「PITAVA」です。
 上記認定事実によれば,被控訴人各商品の錠剤に付された「ピタバ」の 表示(被控訴人各標章)は,有効成分である「ピタバスタチンカルシウム」について,その塩であることを示す部分(「カルシウム」)の記載及び「ス\nタチン」の記載を省略した「略称」であることが認められる。
・・・
そして,医師,薬剤師等の医療従事者の間においては,後発医薬品の販売 名は含有する有効成分に係る一般的名称に剤型,含量及び会社名(屋号等) から構成されていることは一般的に知られているものと認められるから,医療従事者が,被控訴人各商品に接した場合,被控訴人各商品が「ピタバ\nスタチンCa錠1mg「明治」」等を販売名とする後発医薬品であること を認識し,被控訴人各商品の錠剤に付された「ピタバ」の表示(被控訴人各標章)は,有効成分である「ピタバスタチンカルシウム」の略称であるこ\nとを認識するものと認められる。 一方で,患者においては,PTPシートに入れられた状態で被控訴人各 商品の交付を受けた場合,PTPシートから被控訴人各商品を取り出して 服用する際に,PTPシートに記載された「ピタバスタチンカルシウム」 等の表示が自然に目に触れ,被控訴人各商品は「ピタバスタチンカルシウム」が含有された錠剤であること認識するものと認められるから,被控訴\n人各商品の錠剤に付された「ピタバ」の表示(被控訴人各標章)は,被控訴人各商品の含有成分を略記したものであることを理解するものと認められ\nる。
・・・
以上によれば,被控訴人各商品の需要者である医師,薬剤師等の医療従 事者及び患者のいずれにおいても,被控訴人各商品に付された「ピタバ」 の表示(被控訴人各標章)から商品の出所を識別したり,想起することはないものと認められるから,被控訴人各商品における被控訴人各標章の使\n用は,商標的使用に当たらないというべきである。 ウ したがって,被控訴人各標章は,「需要者が何人かの業務に係る商品で あることを認識することができる態様により使用されていない商標」(商 標法26条1項6号)に該当するものと認められる。

◆判決本文

◆被告が異なる関連事件です。平成26(ネ)10128

◆被告が異なる関連事件です。平成26(ネ)10138

◆関連事件です。平成27(ネ)10074

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平成26(ネ)10128  商標権侵害差止請求控訴事件  商標権  民事訴訟 平成27年6月8日  知的財産高等裁判所

 薬の有効成分について商標法26条で商標権の効力は及ばないと判断されました。原審は4条1項16号違反で無効と判断していましたが、原告は、指定商品を2件の商標権に分割し、品質誤認が起きない商標権にだけの請求に変更しました。
 前記争いのない事実等(3)ウによれば,被控訴人各全体標章を構成する語である「ピタバスタチン」とは,被控訴人各商品の有効成分である本件物質の慣用名で,本件物質の一般的名称である「ピタバスタチンカルシウム」から,塩についての記載である「カルシウム」を省略したものであり,本件商標権2の指定商品である「ピタバスタチンカルシウムを含有する薬剤」の「原材料」に当たるものである。\nそこで,本件における被控訴人による被控訴人各全体標章の使用が,法26条1項2号の「原材料」を「普通に用いられる方法で表示する」ものに当たるか否かを検討する。\nイ まず,「普通に用いられる方法で表示する」とは,一般的には,取引者や需要者の観点から見て,当該標章を自他商品識別力を発揮する態様で使用する場合を含まないと解されるところ,被控訴人各全体標章については,PTPシートに和文販売名を記載すべきとする本件取扱いに準拠して被控\n 訴人各商品のPTPシートに付されたものと認められる以上,被控訴人各商品の販売名の一部として使用されているとも解し得るから,自他商品識別力を発揮する態様での使用に当たることを否定することができないのではないかが問題となる。 しかし,被控訴人各商品のような「後発医薬品」に関しては,本件留意事項により,販売名を,有効成分の一般的名称を基本としたものにすることが要求されているところ,その趣旨は,有効成分が同一の後発医薬品に関しては,すべて同一の有効成分名が販売名に記載され,薬(有効成分)の取り違えが起きないようにすることにあると解される。したがって,後発医薬品について,PTPシートに販売名を記載するという取扱いの趣旨は,自他識別力のある販売名を表示させるというよりは,有効成分名をきちんと記載させるというところにあるとも解することができるから,少なくとも,後発医薬品のPTPシート等に,「ピタバスタチン」(あるいはピタバスタチンカルシウム)などといった有効成分名のみが記載されている限りにおいては,それがPTPシートに販売名を記載するという本件取扱いに準拠して行われたものであったとしても,その実質は,有効成分名(原材料名)を記載したものにとどまると評価することができるものというべきである。\nそして,PTPシートに「ピタバスタチン」という語を記載する行為が,原材料名を「普通に用いられる方法で表示する」場合に当たるかどうかを,需要者の観点も踏まえて検討してみると,前記(2)ア及びイのとおりの,本件物質を有効成分とする先発医薬品や後発医薬品の販売状況,医療現場で繁用されている医療専門書の記載内容,さらに,前記(2)イのとおりの後発医薬品の販売名についての本件留意事項の内容に照らせば,「ピタバスタチン」の語は,指定商品の需要者や取引者のうち少なくとも医師,薬剤師,看護師等の医療従事者においては,脂質異常症の治療に用いられる HMG−CoA還元酵素阻害薬である本件物質を指すものであることは広く認識されていたと認めることができる。 これに対し,需要者のうち患者については,医薬品について医療従事者と同程度の知識を有するとはいい難いし,本件留意事項の内容を一般的に認識しているともいい難いから,患者において,「ピタバスタチン」の語は脂質異常症治療薬である本件物質を指すことが広く認識されていたとはいい難い。 しかしながら,被控訴人各商品は,いずれも処方箋医薬品に指定されているから,患者は,医師等の処方箋なしにこれを購入することはできず,医師から処方を受ける際には,医師から,少なくともどのような性質で,どのような効能を持った薬剤を処方されるのかの説明を受け,さらに,被控訴人各商品を購入する際には,薬剤師から,被控訴人各商品の性質や効能\に加え,購入する商品が,その有効成分である本件物質の一般的名称や慣用名,あるいは販売名を成す「ピタバスタチン」あるいは「ピタバスタチンカルシウム」であるとの説明を受けることが一般的であると考えられる。これに加えて,本件物質を有効成分とする後発医薬品が,多数の製薬業者によって,「ピタバスタチンカルシウム」や「ピタバスタチンCa」を販売名の一部として現に販売されていることも併せてみると,「ピタバスタチン」の語は,実際には販売名というよりもむしろ,脂質異常症の治療に用いられるHMG−CoA還元酵素阻害薬である本件物質を指すものであることを容易に理解することができるものと考えられる。 以上の点を総合考慮すると,「ピタバスタチン」の語をPTPシート等に表示する行為は,脂質異常症の治療に用いられるHMG−CoA還元酵素阻害薬である本件物質の原材料名を表\示するものであり,これを自他商品識別力を発揮する態様で使用するものではないということができる。
ウ 次に,被控訴人各全体標章が,本件物質の一般的名称である「ピタバス タチン」の語のうち,「ピタバ」の部分を「スタチン」に比べて強調して表示する構\成であることが,「普通に用いられる方法で表示する」場合に当たるかどうかが問題となる。\n被控訴人各全体標章は,原判決別紙被告標章目録記載4ないし6のとおり,いずれもゴシック体の「ピタバ」と「スタチン」の各語を上下二段に横書きして成る構成であるところ,「ピタバ」の部分は,一見して目に付きやすい一段目に配置され,「スタチン」の部分と比較して相当大きな書体で記載され,その幅も「スタチン」の部分よりも広く外側に張り出している。よって,「ピタバ」の部分が視覚上強調されて感得されるものとみることができる。\nとはいえ,医療従事者にとっては,「ピタバスタチン」はHMG−CoA還元酵素阻害薬である本件物質を指すものであることが広く認識されていたと認めることができるのは前記イのとおりである。また,被控訴人各全体標章においては,「ピタバ」の部分が「スタチン」の部分に比べて視覚上強調された構成であるものの,前記(2)オに認定した事実を踏まえると,医療従事者にとっては,「ピタバ」の語は,少なくとも「ピタバスタチン」の語の一部として,あるいはこの語とともに用いられる場合には,明らかにその略称であると解されるから,かかる構成であることをもって,被控訴人各全体標章から本件物質を想起することが妨げられるということはできない。さらに,前記(2)ウのとおり,被控訴人各商品のPTPシートには,被控訴人各全体標章のほか,横書き一段の「ピタバスタチン」の記載があり,これと外箱における販売名の記載などを併せて見ると,被控訴人各全体標章が「ピタバ」ではなく「ピタバスタチン」を表したものであると認識することは,医療従事者にとっては容易であるということができる。\nそうすると,結局,医療従事者にとって,被控訴人各全体標章を見たと きには,一体として「ピタバスタチン」を表していること(あるいは,「ピタバ」の部分のみを取り出した場合には,「ピタバスタチン」の略称として用いられているのにすぎないこと)を,容易に理解することができるというべきである。\n次に,患者にとっては,被控訴人各商品は,いずれも処方箋医薬品に指定されているから,医師等の処方箋なしにこれを購入することはできず,医師から薬剤の処方を受ける際には,少なくともどのような性質でどのような効能を持った薬剤を処方されるか等について説明を受け,被控訴人各商品を購入する際には,薬剤師から,被控訴人各商品の性質や効能\,購入する商品が,その有効成分である本件物質の一般的名称や慣用名,あるいは販売名を成す「ピタバスタチン」あるいは「ピタバスタチンカルシウム」であるとの説明を受けることが一般的であると考えられることは,前記イにおいて説示したとおりである。 これに加え,前記(2)ウのとおり,被控訴人各商品のPTPシートにおいては,耳部に横書き一段の「ピタバスタチン」あるいは「PITAVASTATIN」の記載があること,被控訴人各全体標章が付された裏面にはそれと交互に横書き一段の「ピタバスタチン」の記載があること,表面には横書き一段の「ピタバスタチン」の記載のみがあり,仮にPTPシートを一錠ずつに切り離したとしても,表\面には必ず横書き一段の「ピタバスタチン」の語が付されていることとなることなども併せてみると,患者において,被控訴人各商品に付された被控訴人各全体標章が,一体として「ピタバスタチン」を指すものであること(あるいは,「ピタバ」の部分のみを取り出した場合には,それが「ピタバスタチン」の一部を取り出した略称にすぎないこと)を,さしたる困難もなく理解することができるというべきである。 したがって,被控訴人各全体標章は,取引者や需要者において,全体と して「ピタバスタチン」を表示するものとして認識されるか,又は「ピタバスタチン」の略称と容易に理解することができる語としての「ピタバ」を表\示するものとして認識されるものということができるから,その表示は,「普通に用いられる方法で表\示する」ものの域を出るものではないと認められる。
エ 以上によれば,被控訴人が被控訴人各商品のPTPシートに付して使用している被控訴人各全体標章は,本件商標権2の指定商品の原材料である「ピタバスタチン」を,普通に用いられる方法で表示するものと認められるから,法26条1項2号に当たり,これに対し,控訴人の有する本件商標権2の効力は及ばないというべきである。\n

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平成26(ワ)766  商標権侵害差止請求事件  商標権  民事訴訟 平成27年4月27日  東京地方裁判所

 商標的使用に該当せず,また,本件商標は,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標(商標法4条1項7号)に該当すると判断されました。
上記2(1)及び(2)で認定した厚労省通知及び日本ジェネリック製薬協会の要請は,類似した名称の使用による取違えを回避する観点から,販売名を見れば,需要者等に,当該後発医薬品の有効成分,剤型,有効成分の含有量及び販売している会社を認識できるようにすることを目的とするものといえる。そうすると,販売名のうち,有効成分,剤型,有効成分の含有量に係る部分は,あくまで後発医薬品の性質に係る情報を示すために付される名称であり,需要者等も同部分をかかる情報が表示されたものであると認識するのであるから,同部分は出所識別機能\を有するものと認めることはできない。
・・・
商標法4条1項7号は,商標登録を受けることができない商標として,「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」を規定しているところ,ある商標を指定商品又は指定役務について使用することを特定人に独占させることが著しく社会的妥当性を欠くと認められるような場合には,当該商標は,同号に該当するものと解するのが相当である。 イ これを本件についてみるに,前記前提事実,前記2の認定事実及び弁論の全趣旨(当裁判所に顕著な事実を含む。)を総合すれば,1)本件商標を構成する「PITAVA」の文字は,医学分野の学会発表\や研究報告において,「Pitavastatin」(原告商品及び被告各商品の有効成分である「ピタバスタチンカルシウム」について,塩に関する記載を省略した「ピタバスタチン」の英語表記である。)の略称として用いられている「Pitava」を大文字で表\記したものであること,2)被告各標章を構成する「ピタバ」の文字は,被告商品の有効成分である「ピタバスタチンカルシウム」について,塩に関する記載を省略した「ピタバスタチン」の略称として用いられるものであること,3)原告は,平成15年9月以降,ピタバスタチンカルシウムを有効成分とする原告商品を製造販売してきたが,同商品の販売に当たり,本件商標を使用したことはないこと,4)原告は,本件特許権の存続期間が平成25年8月3日をもって満了し,同年12月以降,原告商品に対する後発医薬品の製造販売が開始されたことを受けて,当該後発医薬品の錠剤自体に「ピタバ」との記載を付している会社(キョーリンリメディオを除く。)に対して,商標権侵害訴訟を提起したこと,5)上記後発医薬品(被告各商品を含む。)の錠剤に「ピタバ」との記載がされた趣旨は,取違えを回避することを目的とした厚労省通知及び日本ジェネッリク製薬協会の要請に従おうとしたものであることが,いずれも認められる。 そうとすれば,原告による本件商標に係る商標登録出願は,本件特許権の存続期間満了後,原告のライセンシー以外の者による後発医薬品の市場参入を妨げるという不当な目的でされたものであることが推認されるばかりか,本件商標を指定商品「ピタバスタチンカルシウムを含有する薬剤」に使用することを原告に独占させることは,薬剤の取違え(引いては,誤投与・誤服用による事故)を回避する手段が不当に制約されるおそれを生 じさせるものであって,公共の利益に反し,著しく社会的妥当性を欠くと認めるのが相当である。
なお,付言するに,原告のような先発医薬品を製造販売する者が後発医薬品の市場参入を阻止したいと考えること自体は,無理からぬところであるが,その手段は,特許権など医薬品それ自体に関する権利の行使によるべきであって,化合物の一般的名称である「ピタバスタチンカルシウム」の略称として用いられる「PITAVA」の文字を標準文字で書してなる本件商標と,薬剤の取違えを回避するため被告商品の錠剤表面に印字された「ピタバ」(有効成分である「ピタバスタチンカルシウム」の略称として用いられることは,前示のとおりである。)との文字からなる標章(被告標章)とが類似する旨主張することは,公益上,容認することができないというべきである。\n

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平成25(ワ)27442  商標権侵害差止等請求事件  商標権  民事訴訟 平成26年11月14日  東京地方裁判所

 被告の使用形態は、商標的使用であると認定されました。
 前記(2)のとおり,被告商品においては,30cm四方のデザインの一単位に一つの被告標章が配されているところ,証拠〈略〉によれば,被告標章は,そのデザインの中において,他の文字列から分離して表記されており,その「SHIPS」の文字列は,全て大文字で,かつ,「ANCHOR」の文字列とともに,他の文字列よりもやや大きい文字サイズであり,さらに,他の\n 文字列がいずれも文又は句を構成しているのに対して,この「SHIPS」及び「ANCHOR」はそれぞれ一単語のみで独立して用いられていることが認められる。そして,「ANCHOR」の文字列は,それが意味するところの「錨」のマークの上に配置され,同マークの下の「Anchors can either be temporary or permanent.」の英文を含めて,一つの固まりとして一体的に表示されているのに対して,被告標章は,それが意味するところの「船」ではなく,「錨」のマークの下に配置され,同マークの上の「SINCE1981」の文字列を含めて,一つの固まりとして一体的に表\示されている。 このような被告商品における被告標章の配置,文字の大きさ及び表示態様からすれば,被告標章は,被告商品のデザインの中で,十\分に独立して認識可能な標章として表\示されているということができる。 このことに加えて,被告標章が,一般に企業や団体の創業年又はブランドの設立年などを表す際に用いられる「SINCE」の表\記を伴い,上記のとおり「SINCE1981」の文字列と一体的に表示されていること,及び,前記(1)のとおり,「SHIPS」の文字列からなる本件商標が服飾品のブランドとして広く一般消費者に認識され強い識別力を持つ商標であることを総合すると,被告商品において被告標章は,その需要者に対して,商品の自他を識別し,出所を表示する態様で用いられていると認めることができる。\nしたがって,被告標章は,被告商品において,商標として使用されていると認めるのが相当である。
(4) 被告らの主張について
ア この点に関して被告らは,被告商品において被告標章は装飾的・意匠的な図柄の一部をなしているにすぎず,商標的使用に当たらないと主張する。 しかし,仮に被告標章が被告商品のデザインの一部であるといえるとしても,そのことによって,直ちに商標としての使用が否定されるものではなく,装飾的・意匠的な図柄の一部をなしている標章であっても,その標 章に装飾的・意匠的な図柄を超える強い識別力が認められるときは,装飾的・意匠的図柄であると同時に自他識別機能・出所表\示機能を有する商標としての役割を果たす場合があるというべきである。そして,被告商品のデザインにおいては,約30cm四方の一単位に,被告標章以外にも複数のマークや文字が表\示されており,赤色で表示された「ANCHOR」の文字が目立つ態様であることは否めないが,それらの中においても被告標章が十\分に独立した標章として認識されて,被告商品において自他識別・出所表示の機能\を果たしていると認められることは前記(3)のとおりであるから,被告らの上記主張は採用することができない。 また,被告らは,被告標章が錨マークと一体となって分離不能な「単位表\示部」を形成しているから,単独で取り出すことができないと主張する。 この点,確かに被告標章は,錨マークのすぐ下に記載されているから,同マーク及びそのすぐ上に記載された「SHINCE1981」の表示も合わせて,一つの固まりとして一体的に配置されているといえる。しかし,錨マークは,「錨」の形をした図形であり,一方,被告標章である「SHIPS」の文字列は「船」を意味する英単語であるから,一つの固まりの中でも,それぞれが異なる観念を持つものとして,独立して認識し得ることは明らかである。\nしたがって,被告標章が錨マークと分離不能であるとの被告らの主張は採用できない。\n

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平成25(行ケ)10023 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年06月20日 知的財産高等裁判所

 「業務用テレビゲーム機,家庭用テレビゲーム機,ゲーム機(テレビジョン受像機専用のもの),コンピュータ用プログラムを記憶させた記憶媒体」(以下「本件指定商品」という。)について不使用であるとした審決が維持されました。
 原告は,本件ソフトウェアを記憶させたCD−Rに本件商標を付する行為は商標法2条3項3号の使用に該当するとか,本件ソ\フトウェアを記憶させたCDRを,すずめ,AIRCAST及びLSコミュニケーションズに提供することによって役務を提供した行為は,同項4号の使用に該当するなどと主張する。しかしながら,商標法2条3項3号及び同項4号は,役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為(同項3号)又は利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為(同項4号)を標章の使用と定めているのであって,いずれも役務の提供における標章の使用についての規定であるから,これらの規定に基づき,本件指定商品についての本件商標の使用を認定することはできない。したがって,原告の主張は,採用することができない。
 (2) 原告は,ホームページにおいて,本件商標を付して「麻雀ゲームジャンナビ(PC版)」「麻雀ゲームジャンナビ(携帯版)」を掲載した行為は,商標法2条3項8号に規定する商標の広告的使用に当たると主張する。しかし,原告のホームページ(甲4,5)には,「ジャンナビ」との標章が付されたパソコン版又は携帯版の麻雀ゲームが掲載されているものの,これらの麻雀ゲームは,パソ\コン上又は携帯電話の画面上でいわゆるオンラインゲームとして遊戯するものであるから(甲4,5),いずれも本件指定商品である業務用テレビゲーム機,家庭用テレビゲーム機,ゲーム機(テレビジョン受像機専用のもの)又はコンピュータ用プログラムを記憶させた記憶媒体に該当するものではない。

◆判決本文

関連事件です。

◆平成25(行ケ)10024

◆平成25(行ケ)10025

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平成23(ネ)2238等  商標権 民事訴訟 平成25年03月07日 大阪高等裁判所

 堂島ロールで有名なモンシュシュの商標権侵害控訴事件です。高裁は地裁の判断を維持しました。損害賠償額における寄与率ですが、原審0.3%でしたが、平成21年10月までが0.3%,同年11月以降が0.2%と認めるのが相当であると判断しました。
 平成21年11月以降は,前提事実記載のとおり,被告標章1ないし6を包装箱,紙袋,保冷バッグに使用することが中止されたことからすると,被告各標章がその購買動機の形成に寄与する割合は,それ以前よりもさらに低下したものと認められる。

◆判決本文

◆原審はこちらです。平成22(ワ)4461平成23年06月30日大阪地裁

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平成23(ワ)23260 商標権侵害差止等請求事件 商標権 民事訴訟 平成24年09月06日 東京地方裁判所

 Tシャツに「SURF'SUP」を含む標章の表示が、原告商標「SURF\SUP」の使用に該当するかどうかが争われました。裁判所は、被告標章に含まれている「SURF\SUP」の部分には識別力がないとして、請求を棄却しました。
 被告標章は,胸元に目立つように表示され,その中でも「SURF\SUP」の部分が大きく表\示されているが,「SURF'S UP」は, 原告の造語などではなく,サーフィン関連のものとして,一般にも,また,Tシャツ等にもしばしば使用されるありふれた表現であり,需要者がその標章により原告の商品であると認識するなど,それが原告の商標として周知又は著名であると認めるに足りる証拠もないから,それ自体が有する出所識別力はもともと弱いものということができる。そして,被告標章は,「SURF\S UP」のみからなるものではなく,その「P」の縦棒部分には,白抜きで「GOTCHA」の文字が「C」を左右反転させた人目を引く形態で配され,また,「UP」の上部には波の図やGマーク商標が配され,これらが一体として表示されているものである。Tシャツの出所が一般に表\示される襟ネームや前身頃の裾付近に付された2か所のタグには,胸元に付された「GOTCHA」の文字やGマーク商標に対応するGOTCHA商標やGマーク商標等が付され,襟ネームの下方にも「GOTCHA」の文字が記載され,背面側にもGOTCHA商標2等が表示されていて,商品タグにも「GOTCHA」の文字やGマーク商標が記載されている。これに対し,「SURF\S UP」は上記の胸元部分以外には表示されていない。こうした表\示態様に照らすと,被告商品に接した需要者は,被告商品を,「SURF'S UP」なるブランドのものとしてではなく,むしろ「GOTCHA」というブランドのものと認識するものと考えられる。とりわけ,被告が,「GOTCHA」の名を冠したサーフィンの大会を協賛し,雑誌にも「GOTCHA」や被告の各商標を頻繁に掲載していることからすると,被告の「GOTCHA」や被告の各商標は,サーフィン愛好家はもちろんのこと,被告商品の需要者と考えられる10代から20代の若者の間においても相当程度周知性を有すると推認される上,被告商品は,被告やその関連会社の直営店で,「GOTCHA」と明示される態様で販売され,かつ,それらの店舗では被告やその関連会社以外の商品は取り扱われていないから,被告商品の胸元に「SURF'S UP」が目立つように表示されているとしても,被告商品に接した需要者は,「SURF\S UP」ではなく,むしろ「GOTCHA」によってその出所を識別するのが普通であると考えられる。そうすると,被告標章における「SURF'S UP」の表示は,商品の出所識別機能\を果たす態様で使用されていると認めることはできないから,被告標章の使用は本来の商標としての使用には当たらないというべきである。
 (3) 原告は,「SURF'S UP」が被告商品の胸元に目立つように,しかも周辺の文字等とは区別して明確に認識し得る態様で表現されているから,出所識別機能\をも有するものとして使用されていると主張をする。確かに,胸元にブランド名等を目立つように表示した衣料品も日常的に目にするところではあるが,衣料品のデザインは,通例,その装飾性やファッション性と切り離し難いものであり,胸元に目立つように表\示されたものであるからといって,当然にそれが出所識別機能を有するものであるということはできない。そして,被告標章においては,「GOTCHA」の文字が「SURF\S UP」の「P」を白抜きし,しかも「C」を左右反転させた目立つ形態で使用されるなどしているから,被告商品に接する需要者は,胸元のみならず襟ネームやタグ等にも記載されている「GOTCHA」がその商品の出所を表示するものと認識するというべきである。また,原告は,「GOTCHA」が周知であるとは認められないし,仮に被告の商標として周知であるとしても,被告による「SURF\S UP」の使用行為が本件商標権の侵害を免れることにはならないと主張する。しかしながら,前記(2)の認定事実によれば,「GOTCHA」は,被告商品をはじめとする被告の取扱商品の需要者に対して相当程度の周知性を獲得していると考えられるのであって,そうであれば,需要者が,当該商品の出所を「GOTCHA」であると認識することは当然というべきである。さらに,原告は,「SURF'S UP」は英和辞典に載っていないし,「いい波が来た」との意味を理解する者は極めて少数であるから,ありふれた一般的な英語表現であるということはできないと主張する。しかしながら,被告商品の需要者が「SURF\S UP」の意味を理解しているかどうかにかかわらず,サーフィンに関連して「SURF'S UP」がしばしば用いられていることに鑑みると,その表現はありふれたものであって,出所識別力が弱いことは否定することができない。\n

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平成24(行ケ)10011等 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成24年06月06日 知的財産高等裁判所

 不使用であるとした審決が取り消されました。
 ここで,ネオンブラケットが用いられるパイロットランプは,これが取り付けられた機器の状態(例えばスイッチのオン,オフ)を示す表示灯としての機能\を果たすものであるが,甲第25,第44号証によれば,ネオンランプ(ネオンブラケット)をその定電圧特性を活かして回路保護のために用いることがあることが認められるから,上記カタログにおける使用商標1,2の使用をもって,「電子応用機械器具及び部品」についての使用と評価することが可能である。この点,被告は,ネオンランプの主たる用途は照明にあるとか,原告の「ネオンランプ」が電球の類として用いられることは明らかであると主張するが,種々の発光色のネオンランプを用いて照明装置を構\成することがあるとしても,原告の「ネオンブラケット」を照明装置ないしその部品にすぎないとしてよいと断定することはできないし,カタログ(甲8の3)に電球交換型ネオンブラケットのための「ネオン交換電球」が掲載されているとしても(21頁),ネオンランプを交換できるようにするために電球型のネオンランプが採用されているにすぎず,その名称ゆえに一般の照明用の「電球」と単純に同一視してよいかは疑問である(上記カタログには,ネオンランプを交換できないタイプのネオンブラケットも掲載されている。)。そうすると,被告の上記主張を採用することはできない。2 甲第10ないし第19号証によれば,原告は,平成20年7月ないし平成23年1月ころ,顧客に対し商品「センサー用LED基板Assy」,「拡散照明装置」,「透過照明装置」,「2面バックライト照明」を納入するに当たり,取引書類である納品書や納入仕様書に使用商標1を使用したことが認められる。上記「センサー用LED基板Assy」は基板上に複数のLED(発光ダイオード)を並べて実装したもの(甲10),「拡散照明装置」,「透過照明装置」は基板上にLEDのほかに,ツェナーダイオード,トランジスタ,コンデンサー等を実装して装置を構成したもの(甲11,12,29,30,51),「2面バックライト照明」も基板上にLEDのほかに,定電圧ダイオード等を実装し,偏光板と組み合わせるなどして装置を構\成するもの(甲13,14)であるが,これらは顧客が画像解析装置を製造するために,注文を受けた原告においてその構成部品(装置)を設計,製造したものである(弁論の全趣旨)。ここで,上記「センサー用LED基板Assy」等が画像解析を行うために,対象となる物に光を照射する機能\を果たすものであるとしても,日常生活において光を照らして空間を明るくする目的とは程遠いことは明らかである。そして,上記「センサー用LED基板Assy」等は,電子部品であるLEDやダイオード等を使用して構成されており,その機能\に照らせば,電子の作用を応用し,その電子の作用が当該機械器具にとっての構成要素となっているということができる。そうすると,原告は,「電子応用機械器具及びその部品」につき,取引書類である納品書や納入仕様書に使用商標1を使用したということができる。\n

◆判決本文

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平成22(ワ)18759 損害賠償請求事件 平成23年06月29日 東京地方裁判所

 パソコンの一部の機能\についての使用は、商標的使用でないと判断されました。平成22(ワ)18759号と同じ判断ですね。
 被告は,「HP QuickLook」又は「HPQuickLook2」,「HP QuickLook3」との表示を,上記ソ\フトウェア又は機能の名称として使用しているものであって,甲9又は10に接したコンピュータ商品の需要者は,前記(3)ア(ア)でみた甲9及び10における「クイックルック」,「HP QuickLook」,「HP QuickLook2」,「HP QuickLook3」,「HP QuickLook(クイックルック)」及び被告標章3−2に関する説明表示の内容並びに前記(ウ)でみた甲9及び10の広告目的に加えて,前記(1)ウでみたとおり,「quick look」が「速く(すばやく)見る」との意味を有するものと理解されることとも相まって,被告各標章(ただし被告標章3については被告標章3−2)につき,被告製のノート型コンピュータの電源が切られているなど,直ちにメールやスケジュールを開くことができない状態であっても,専用ボタンを押すことにより,すばやくメール等の内容をコンピュータの画面に表示させることができるという,被告製のノート型コンピュータが一般的に有する一つの機能\又は上記機能を実現させるために当該コンピュータに搭載されたソ\フトウェアの名称を表示又は意味すると認識するにとどまるものと認められ,被告各標章から,特定のコンピュータ商品としての被告商品の出所を識別するものとしてその出所を想起するものではないと認められる。(オ) したがって,被告各標章が甲9及び10のウェブページにおいて被告商品の自他商品識別機能・出所表\示機能を果たす態様で用いられているものと認めることはできないから,甲9及び10のウェブページにおける被告各標章の使用は,被告商品に関して,商標としての使用(商標的使用)に当たらない。\n

◆判決本文

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平成22(ワ)4461 商標権侵害差止等請求事件 平成23年06月30日 大阪地方裁判所

 堂島ロールの販売元である「モンシュシュ」の使用が、商標「モンシュシュ」にかかる商標権侵害であるとして、差止、損害賠償が認定されました。ただ、賠償額は寄与度を考慮して0.3%と判断されました。
 したがって,被告の売上げについては,平成18年度から平成20年度までは,堂島ロールの知名度が大きく寄与しており,平成21年度以降も,堂島ロールの製造販売元である菓子店としての,固有の顧客吸引力が寄与していたといえる。また,被告商品は,原告商品とは異なり,洋菓子全般であって,通年販売されていたものであるから,需要者が被告商品を購入する場合,被告各標章がその購買動機の形成に寄与することは,それほど多くないと考えられる。エ 前記イ,ウの事情及び本件に現れた一切の事情を総合考慮すれば,使用料相当額を算定するにあたって採用すべき本件商標の使用料率は,0.3%と認めるのが相当である。

◆判決本文

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平成22(ワ)18759 損害賠償請求事件  平成23年05月16日 東京地方裁判所

 「Mac OS X」の一部の機能である「Quick Look」について商標的使用でないとして非侵害と判断しました。
 このような甲47のウェブページに接したコンピュータ商品およびOS商品の需要者は,「Quick Look」が,ファイルを開かずにファイルの内容をすばやくプレビュー表示するという機能\を有する,被告のOSソフトウェア商品である「Mac OS X」の主なアプリケーションの一つであると認識し,被告標章1も,当該機能を有する被告のOSソ\フトウェア商品の主なアプリケーションの一つを表示するものと認識すると認められる。そして,被告は,後記エのとおり,ファイルを開かずにファイルの内容をすばやくプレビュー表\示するという機能を使えるようにするために埋め込むプログラム(プラグイン)を作成するために必要な技術仕様を公開,提供していることが認められる。しかしながら,前記アのとおり,被告は,ファイルを開かずにファイルの内容をすばやくプレビュー表\示するという,被告OSソフトウェア商品が有する機能\を「Quick Look」(クイックルック)と表示していることが認められるところ,後記エのとおり,被告は,当該機能\を使えるようにするためのプログラム(プラグイン)を作成するために必要な技術仕様の公開,提供をしていることは認められるものの,当該プラグインを自ら作成したり,これを配布したりするなどの行為を行っていると認めることはできないから,結局,被告が被告のOSソフトウェア商品の主なアプリケーションの一つとして表\示する「Quick Look」(クイックルック)は,被告のOSソフトウェア商品の有する当該機能\を,被告のOSソフトウェア商品の「アプリケーション」と称して表\示したものにすぎないというべきである。そうすると,甲47のウェブページの「Quick Look」との表示は,被告のOSソ\フトウェア商品が有する機能の一つを表\示したものであり,甲47のウェブページに接した被告コンピュータ商品あるいは被告OSソフトウェア商品の需要者は,「Quick Look」が,被告のOSソフトウェア商品がアプリケーションとして有するファイルを開かずにファイルの内容をすばやくプレビュー表\示するという機能を表\示するものであると認識するものと認められるが,他方で,被告のOSソフトウェア商品の出所については,甲47のウェブページの「Quick Look」の表示がその左上部に記載された,「Mac OS X」の一機能として記載されていることからすると,被告のOSソ\フトウェア商品の出所については,その左上部に記載された「Mac OS X」の標章から想起し,「Quick Look」の語から想起するものではないものと認められる。したがって,被告標章1が甲47のウェブページにおいて被告OSソフトウェア商品の自他商品識別機能\・出所表示機能\を果たす態様で用いられているものと認めることはできないから,甲47のウェブページにおける被告標章1の使用は,商標としての使用(商標的使用)に当たらない。

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平成20(ワ)34852 商標権侵害差止等請求事件 商標権 民事訴訟 平成22年11月25日 東京地方裁判所

 商標的使用でないとして非侵害と判断されました。
 原告は,被告各標章を構成する「塾なのに家庭教師」の語は,「塾であるにもかかわらず,家庭教師のように個別対応の懇切丁寧な教授を行うこと」を暗示する造語であって,役務の性質を,日常的には使用されることのないインパクトのある言葉で表\現したものであり,被告の提供する役務の自他識別標識として機能するものであるから,被告による被告チラシ及び被告ウェブサイトにおける被告各標章の使用は,商標的使用に当たる旨主張する。しかしながら,「塾なのに家庭教師」の語は造語であるが,前記(1)イ認定のとおり,「塾であるにもかかわらず家庭教師」のようであることを示す語であるというにとどまり,「塾なのに家庭教師」の語それ自体から直ちに一義的な特定の観念が生じるものとはいえない。そして,ある標章の使用が商標的使用に当たるかどうかは,その具体的使用態様にかんがみて判断すべきであるところ,前記アないしオで認定したとおり,被告チラシ及び被告ウェブサイトにおける被告各標章の具体的な使用態様に照らすならば,被告各標章は,被告の提供する「学習塾の教授」の役務の出所表示機能\・出所識別機能を果たす態様で用いられているものと認めることはできない。・・・・原告は,「塾なのに家庭教師」の語が,被告チラシにおいて,他の記述と区別された態様で「東京個別指導学院」,「関西個別指導学院」の語と被告チラシの上下位置で対になるように使用され,あるいは,被告ウェブサイトにおいて,他の記述と区別された態様で「TKG」の語と並べて使用されることによって,需要者は,「塾なのに家庭教師」の語を「東京個別指導学院」,「関西個別指導学院」あるいは「TKG」の語と結びつけて記憶するようになるのであり,「塾なのに家庭教師」の語は,これに接した需要者が即座に一定の出所を想起するように使用されていることは明らかである旨主張する。しかしながら,被告標章1ないし被告標章4は,前記アないしエのとおり,被告チラシにおいて,「東京個別指導学院名古屋校」の標章等及び「TKG」の標章とは別の位置にそれぞれ離れて記載され,また,被告標章5は,前記オのとおり,被告ウェブサイトにおいて,「TKG」の標章と並記されて表\示されているものの,同標章と文字色と大きさも異なるのであるから,需要者において,必ずしも「東京個別指導学院名古屋校」等の標章又は「TKG」の標章と「塾なのに家庭教師」の語を結びつけて記憶するのが自然であるとまではいえない。また,前記(2)イのとおり,学習塾の業界関係者,生徒及びその保護者の間においては,「東京個別指導学院」の標章は,被告が経営する個別指導方式の学習塾を表示するものとして著名なものとなっており,「TKG」の標章は,「東京個別指導学院」の略称として広く認識され,周知なものとなっていたことに照らすならば,むしろ,需要者は,「東京個別指導学院」や「TKG」の文字に着目して,役務の出所が被告であると認識すると解するのが自然である。さらに,仮にこれらの語を結びつけて認識したとしても,前記アないしオのとおり,需要者は,被告チラシや被告ウェブサイトにおける他の記載部分と相俟って,「塾なのに家庭教師」の語は,学習塾であるにもかかわらず,自分で選んだ講師から家庭教師のような個別指導が受けられるなどの学習指導の役務を提供していることを端的に記述した宣伝文句であると認識し,その役務の出所については「塾なのに家庭教師」の語から想起するものではないものと認められる。\n

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平成21(ワ)30827 商標権侵害差止等請求事件 商標権 民事訴訟 平成22年09月30日 東京地方裁判所

    商標的使用でないとして侵害でないと判断されました。
 前記(ア)及び(イ)の認定事実に加えて,2匹の猿のキャラクターのうち,「BABY MILO」(ベイビーマイロ)のキャラクター及びその下部に表示された「*A BATHING APE®」のブランドは,被服等のファッションに関心のある若者層の間では広く認識されていたこと(前記(1)エ(ウ))からすると,これらの若者層が被告商品1に接した場合には,被告商品1の前身頃の中心部分にある「BABY MILO」(ベイビーマイロ)のキャラクター及び雌の猿のキャラクターについて着目し,これらのキャラクターから商品の出所の識別標識として強く支配的な印象を受けるものと認められ,一方で,これらのキャラクターの背景の一部として模様的に描かれた被告標章1については,「ピースマーク」として「平和」を表現するために用いられたものと認識し,商品の出所を想起させるものではないものと認められる。また,これらの若者層以外の一般消費者においても,「ピースマーク」は「平和」の象徴として広く認識されていること,被告商品1の前身頃において上記キャラクターが中心部分に配置され,被告標章1がキャラクターの背景の一部として模様的に描かれていることに照らすならば,被告標章1については,「ピースマーク」として「平和」を表\現するために用いられたものと認識し,商品の出所を想起させるものではないものと認められる。そうすると,被告標章1が被告商品1において商品の出所表示機能\・出所識別機能を果たす態様で用いられているものと認めることはできないから,被告商品1における被告標章1の使用は,本来の商標としての使用(商標的使用)に当たらないというべきである。\n

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平成21(ワ)33872 商標権侵害差止等請求事件 商標権 民事訴訟 平成22年08月31日 東京地方裁判所

 商標権侵害等について、電子モール運営者が行為主体に該当するかについて、裁判所は該当しないと判断しました。
 前記前提事実によれば,i)被告が運営する楽天市場においては,出店者が被告サイト上の出店ページに登録した商品について,顧客が被告のシステムを利用して注文(購入の申込み)をし,出店者がこれを承諾することによって売買契約が成立し,出店者が売主として顧客に対し当該商品の所有権を移転していること,ii)被告は,上記売買契約の当事者ではなく,顧客との関係で,上記商品の所有権移転義務及び引渡義務を負うものではないことが認められる。これらの事実によれば,被告サイト上の出店ページに登録された商品の販売(売買)については,当該出店ページの出店者が当該商品の「譲渡」の主体であって,被告は,その「主体」に当たるものではないと認めるのが相当である。したがって,本件各出店者の出店ページに掲載された本件各商品についても,その販売に係る「譲渡」の主体は,本件各出店者であって,被告は,その主体に当たらないというべきである。・・・以上のとおり,本件各出店者の出店ページに掲載された本件各商品の販売に係る「譲渡」(商標法2条3項2号)の主体は,出店者であって,被告は,その主体に当たらないというべきであり,これと同様に,「譲渡のために展示」する主体は,出店者であって,被告はこれに当たらないというべきである。また,不正競争防止法2条1項1号及び2号の「譲渡のための展示」又は「譲渡」についても,商標法2条3項2号と同様に解するのが相当である。

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平成21(ワ)33872 商標権侵害差止等請求事件 商標権 民事訴訟 平成22年08月31日 東京地方裁判所

 商標権侵害等について、電子モール運営者が行為主体に該当するかについて、裁判所は該当しないと判断しました。
 前記前提事実によれば,i)被告が運営する楽天市場においては,出店者が被告サイト上の出店ページに登録した商品について,顧客が被告のシステムを利用して注文(購入の申込み)をし,出店者がこれを承諾することによって売買契約が成立し,出店者が売主として顧客に対し当該商品の所有権を移転していること,ii)被告は,上記売買契約の当事者ではなく,顧客との関係で,上記商品の所有権移転義務及び引渡義務を負うものではないことが認められる。これらの事実によれば,被告サイト上の出店ページに登録された商品の販売(売買)については,当該出店ページの出店者が当該商品の「譲渡」の主体であって,被告は,その「主体」に当たるものではないと認めるのが相当である。したがって,本件各出店者の出店ページに掲載された本件各商品についても,その販売に係る「譲渡」の主体は,本件各出店者であって,被告は,その主体に当たらないというべきである。・・・以上のとおり,本件各出店者の出店ページに掲載された本件各商品の販売に係る「譲渡」(商標法2条3項2号)の主体は,出店者であって,被告は,その主体に当たらないというべきであり,これと同様に,「譲渡のために展示」する主体は,出店者であって,被告はこれに当たらないというべきである。また,不正競争防止法2条1項1号及び2号の「譲渡のための展示」又は「譲渡」についても,商標法2条3項2号と同様に解するのが相当である。

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平成21(ワ)657 商標使用差止等請求事件 商標権 民事訴訟 平成21年11月12日 東京地方裁判所

 「朝バナナダイエット」を含む題号の本について、商標権侵害、不競法違反は成立しないと判断されました。
 ところで,商標の使用が商標権の侵害行為であると認められるためには,登録商標と同一又は類似の第三者の標章が,単に形式的に指定商品又はこれに類似する商品等に表示されているだけでは足りず,その商品の出所を表\示し自他商品を識別する標識としての機能を果たす態様で使用されていることを要するものと解すべきである。前記1で認定したところによれば,被告書籍の内容は,「朝バナナダイエット」というダイエット方法を実行し,ダイエットに成功するために,著者が成功の秘訣と考える事項を40項目挙げるというものであり,題号の表\示も,被告書籍に接した読者において,書籍の題号が表示されていると認識するものと考えられる箇所に,題号の表\示として不自然な印象を与えるとはいえない表示を用いて記載されているといえる。そうすると,被告書籍に接した読者は,「朝バナナ」を含む被告書籍の題号の表\示を,被告書籍が「朝バナナダイエット」というダイエット方法を行ってダイエットに成功するための秘訣が記述された書籍であることを示す表示であると理解するものと解される。なお,被告書籍の題号のうち,「朝バナナ」の文字部分は,「ダイエット成功のコツ40」の部分に比べて大きく記載されており,被告書籍の題号中当該部分が強調されているといえる。しかしながら,「朝バナナ」という用語は,朝食時にバナナと水を摂取することを基本とするダイエット方法として知られる「朝バナナダイエット」を略称した用語として一般に知られていること(甲7ないし18,30,32,34ないし40,42),両部分は統一感のあるデザイン,色調で記載されていることに照らせば,被告書籍に接した読者は,「朝バナナ」という部分を,原告の出版活動と関連させて理解するというよりは,むしろ,被告書籍が「朝バナナダイエット」に関する内容の書籍であることを強調する部分であると理解するものと考えられる。(4)以上によれば,被告書籍のカバーや表\紙等における被告標章の表示は,被告標章を,単に書籍の内容を示す題号の一部として表\示したものであるにすぎず,自他商品識別機能ないし出所表\示機能を有する態様で使用されていると認めることはできないから,本件商標権を侵害するものであるとはいえない。・・・自己の商品表\示中に,他人の商品等表示が含まれていたとしても,その表\示の態様からみて,専ら,商品の内容・特徴等を叙述,表現するために用いられたにすぎない場合には,他人の商品等表\示と同一又は類似のものを使用したと評価することはできない。前記1で認定したところによれば,被告書籍の内容は,「朝バナナダイエット」というダイエット方法を実行し,ダイエットに成功するために,著者が成功の秘訣と考える事項を40項目挙げるというものであり,題号の表示も,被告書籍に接した読者において,書籍の題号が表\示されていると認識するものと考えられる箇所に,題号の表示として不自然な印象を与えるとはいえない表\示を用いて記載されているといえる。そうすると,被告書籍に接した読者は,「朝バナナ」を含む被告書籍の題号の表示を,被告書籍が「朝バナナダイエット」というダイエット方法を行ってダイエットに成功するための秘訣が記述された書籍であることを示す表\示であると理解するものと解され,被告標章を含む被告書籍の題号は,専ら,被告書籍の内容を表現するために用いられたものであると認めるのが相当である。」\n

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◆平成18(ワ)4029 商標権侵害差止等請求事件 商標権民事訴訟 平成19年05月16日 東京地方裁判所

   著名商標「ELLE 」を含む名称のロックバンド名「ELLEGARDEN」を付したTシャツ等について一部の使用態様は商標権侵害であると認定されました。
   「被告標章は,それぞれ具体的なデザインに相違はあるものの,いずれも「ELLEGARDEN」の10文字の欧文字から成る。このうち,「ELLE 」の部分は,上記のとおり我が国において著名な商標である本件ELLE 商標と同じ綴りから成る。また,「GARDEN 」の部分は,我が国における英語教育の水準からすると,それに接した需要者により,「庭,庭園」等の意味を有する普通名詞であると理解されるため,被告標章は,同需要者により,「ELLE 」と「GARDEN 」の2つの単語より成るものとして理解されるものと認められる。なお,我が国におけるドイツ語教育の水準からすると,同需要者により,「ELLE 」がドイツ語において長さの単位を意味する単語であると理解されることはないと認められる。著名商標は,その著名性故に看者の強い注意を惹き,結合商標の中に著名商標と同じ綴りが含まれる場合,当該著名商標と同じ綴りの部分に看者の注意が向くと考えられるところ,「ELLEGARDEN 」のうち「ELLE 」の部分は,著名な本件ELLE 商標と同じ綴りから成るから,当該部分は極めて強い出所表示機能\を有すると認められる。他方,「GARDEN 」の部分は,著名商標と同じ綴りの「ELLE 」部分に比し,出所表示機能\が弱いというべきである。したがって,被告標章の要部は,「ELLE 」の部分であると認められる。・・・前記1(3)アに述べたことに加え,被告標章(10)が本件ELLE 商標に極めて類似したデザインを採用していることからすると,被告標章(10)の要部は「ELLE 」の部分であると認められる。このため,前記1(3)イ〜エで述べたと同様に,本件ELLE 商標と被告標章(10)とは,外観,称呼及び観念において類似する。b 前記1(3)オで述べたとおり,原告はファッション関係の事業を行うものであり,音楽関連事業その他のエンタテインメント関連事業を行っていないが,弁論の全趣旨によれば,音楽はファッションに関心のある人々が現代における生活の一部として関心を持つ分野であると認められるから,ファッションと音楽とは,商品又は役務の類似性の観点から見ても,類似性のある分野であると認められる。c しかも,前記(1)セ(ア)のとおり,その使用態様及び本件ELLE 商標に極めて類似した本件標章(10)の字体等から,使用態様(10)に接した需要者が被告標章(10)から本件CD のミュージシャンを想起するものではない。d よって,被告標章(10)を使用態様(10)で使用した被告商品が原告又は原告と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であると誤認混同されるおそれがあると認められる。」

◆平成18(ワ)4029 商標権侵害差止等請求事件 商標権民事訴訟 平成19年05月16日 東京地方裁判所

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◆H17.12. 8 大阪地裁 平成16(ワ)12032 商標権 民事訴訟事件

   サイトのトップページを表示するためのhtmlファイルに、メタタグとして、「meta name="description"content="クルマの110番。輸入、排ガス、登録、車検、部品・アクセサリー販売等、クルマに関する何でも弊社にご相談下さい。"」と記載することが、登録商標「クルマの110番」の使用といえるかが争われました。裁判所は、役務に対する広告であるとして、損害賠償を認めました。
   「一般に、事業者が、その役務に関してインターネット上にウェブサイトを開設した際のページの表示は、その役務に関する広告であるということができるから、インターネットの検索サイトにおいて表\示される当該ページの説明についても、同様に、その役務に関する広告であるというべきであり、これが表示されるようにhtmlファイルにメタタグを記載することは、役務に関する広告を内容とする情報を電磁的方法により提供する行為にあたるというべきである。・・・さらに、被告会社は、「クルマの110番」という表\示を見て、被告サイトを閲覧した者がいたとしても、被告サイトにはどこにも「クルマの110番」という表示はないのであるから、被告サイトが原告のものとは異なることはすぐに分かるのであって、出所識別機能\は害されず、注文時には誤認混同が生じないとも主張する。しかしながら、ある事業者が、複数の標章を並行して用いることはしばしばあることであるから、インターネットの検索サイトにおけるページの説明文の内容と、そこからリンクされたページの内容が全く異なるものであるような場合はともかく、ページの説明文に存在する標章が、リンクされたページに表示されなかったとしても、それだけで、出所識別機能\が害されないということはできない。」

◆H17.12. 8 大阪地裁 平成16(ワ)12032 商標権 民事訴訟事件

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◆H17. 7.20 知財高裁 平成17(行ケ)10246 商標権 行政訴訟事件

 商標の使用が争われた事例です。争点は何点かありますが、あるソフトに同梱されている付属品ないし付加されている場合に、そのソ\フトが商標法上の商品に該当するのかが1つの争点となりました。
 裁判所は、「ソフトウエアが必ずしも常に単独で販売されるとは限らず,独立した複数のソ\フトウエアを収録して1つの商品として販売されることがあることは,よく知られているところであるが,OCRソフトウエアは,画像データとして読み取った文字情報を文字データに変換するという機能\を有するソフトウエアであり,そのようなソ\フトウエアが各種機器や文字データを扱う別のソフトウエアに添付,同梱される例が多いこと,その種類も決して少なくなく,多くのメーカーからさまざまな名称が付されて提供されていることは,当裁判所に顕著である。そして,そのような添付,同梱されたOCRソ\フトウエアがいかなる者(会社)によって開発,作成,販売されているものであるかは,機器等を購入する者にとっても大きな関心事であり,需要者としては,これを商品パッケージ等に付された当該ソフトウエアに係る商標によって識別することになるのであるから,本件ソ\フトウエアが商標法上の商品に当たらないということはできない」と特許庁の審決を維持しました。

   ◆H17. 7.20 知財高裁 平成17(行ケ)10246 商標権 行政訴訟事件

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◆H17. 3.30 東京地裁 平成16(ワ)25661 商標権 民事訴訟事件

  「スタビライゼーションフィジカル・コントロール・テクニック(PC)」(指定役務:運動法の教授)という商標権を有する原告が、書籍、DVD、ビデオの題号として「スタビライゼーション」を含む表記をした被告に対して行った事件です。裁判所は、”「スタビライゼーション」が特定のトレーニング方法を表\す普通名称であり・・・”と判断しました。

◆H17. 3.30 東京地裁 平成16(ワ)25661 商標権 民事訴訟事件

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◆H17. 1.13 東京高裁 平成16(ネ)3751 商標権 民事訴訟事件

 適合機種表示が商標として機能\しているかが争われました。原審と同じく、非侵害と判断されました。
 「これらの事情に照らして本件をみるに,本件「brother」又は「ブラザー」との表示に接した被告製品の一般需要者は,控訴人が被告製品の製造者又は販売者であるとは速断せず,むしろ,「For brother」又は「(新)ブラザー用」との態様で表\示されていることから,これらの表示が適合機種表\示であって,被告製品はファクシミリのメーカー以外の業者により製造,販売されるものであると認識する可能性の方が高いものと判断される。これに,前判示のように,「OHM ELECTRIC INC.」及び「お客様相談室」の表示などから,被告製品の一般需要者は,「OHM ELECTRIC INC.」が被告製品の製造者又は販売者であって,控訴人とは別の主体であると認識するものと認められることをも考慮すると,被告標章が自他商品識別機能や出所表\示機能を発揮しているとは認められない。」
 なお、その前段にて、「ファクシミリに使用されるインクリボンにつき,ファクシミリのメーカー以外の業者が製造,販売する実例が見られ,その場合には,「対応機種」との表示に続いて当該メーカーの名称が記載されたり,「○○」部分にメーカーの名称を入れて「○○用」と記載されたり,「適用機種」・「メーカー名」との表\示に続いて当該メーカーの名称が記載されたり,「○○」部分にメーカーの名称を入れて「FOR USE ON ○○」と記載されたりして,このような表示によって適合機種が示される実情にあることが認められる(このような態様の表\示が直ちにメーカーの商標権侵害となるものとは考えにくいが,その具体的な表示のいかんによっては商標権侵害となり得ないわけではないであろう。」とも述べています。
 
原審はこちらです。
◆H16. 6.23 東京地裁 平成15(ワ)29488 商標権 民事訴訟事
 

◆H17. 1.13 東京高裁 平成16(ネ)3751 商標権 民事訴訟事件

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◆H16.11.30 大阪地裁 平成15(ワ)11200 商標権 民事訴訟事件

 被告製品の輸入行為は真正商品の並行輸入に実質的に準じるものとして違法性が阻却されるものかが争われました。
 裁判所は、「我が国において商標権を有しない者が、我が国における商標権者の許諾を受けないで、当該登録商標の指定商品と同一の商品につき、その登録商標と同一又は類似の商標を付したものを輸入する行為は、当然に商標権を侵害するものであり、前記(2)に記載した要件を充足する場合に初めて、真正商品の並行輸入として商標権侵害の実質的違法性を欠くことになるものというべきである。本件が厳密な意味での真正商品の並行輸入とは異なるものとして、上記の要件のすべてを充足しなくても実質的違法性を欠くという主張は、独自の主張であって採用することができない。」と判断しました。

◆H16.11.30 大阪地裁 平成15(ワ)11200 商標権 民事訴訟事件

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◆H16.12. 1 東京地裁 平成16(ワ)12137 商標権 民事訴訟事件

  被告ホームページのURLとして「http:/www.esite.nttdocomo.co.jp/」との使用が、登録商標「e−sight」の使用に該当するかが争われました。
  裁判所は、「本件商標と被告esite標章とは,称呼において共通しているが,前記観念の相違,外観の相違及び取引の実情を併せ考慮すると,同一又は類似の役務に使用されたとしても,被告esite標章と本件商標との間で出所の誤認混同を生じるおそれは認められず,被告esite標章は本件商標に類似するとは認められない。」と判断しました。

◆H16.12. 1 東京地裁 平成16(ワ)12137 商標権 民事訴訟事件

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◆H16. 8.31 東京高裁 平成15(ネ)899 商標権 民事訴訟事件

 使用済みの空の容器に再度インキを詰め替えたインクボトルを販売する行為について、「控訴人らが被控訴人インクの販売の際に使用するパンフレット,注文書等には,控訴人印刷機やこれに対応したインクカートリッジの名称がそのまま使用されている反面,上記パンフレットには,「被控訴人インクが控訴人と無関係に製造されたものである」旨のいわゆる打ち消し表示もされておらず,むしろ被控訴人インクが控訴人の純正インクであるかの如き誤解を招く記載もあり,・・・これらの事情によれば,被控訴人らの被控訴人インクの販売行為が,市場における取引者,需要者の間に,「本件登録商標が付されたインクボトルに充填されたインクが控訴人を出所とするものである」との誤認混同のおそれを生じさせていることは明らかであるから,本件登録商標は,商品(インク)の取引において出所識別機能\を果たしているものであって,被控訴人らの行為は,実質的にも本件登録商標の「使用」に該当し,本件商標権を侵害するものというべきである。」と判断し、原審の判断を一部取り消しました。
 

 原審では「商標法上の商標の「使用」に該当するというためには,当該商標が商品の取引において出所識別機能を果たしている必要がある。この点に照らせば,個別の取引において,買主から商品の容器又は包装紙等が提供され,売主が商品を当該容器に収納し,あるいは当該包装紙等により包装して,買主に引き渡す場合には,当該容器ないし包装紙等に商標が表\示されていたとしても,商標法上の商標の「使用」には該当しない。けだし,この場合には,容器ないし包装に付された商標とその内容物である商品との間には何らの関連もなく,当該商標が商品の出所を識別するものとして機能していないことが外形的に明らかだからである(例えて言えば,顧客が酒店に空瓶を持参して,酒を量り売りで購入する場合や,顧客が鍋等の容器を豆腐店に持参して豆腐等を購入する場合と,同様である。)」と述べて非侵害と認定されていました。
  ◆H15. 1.21 東京地裁 平成14(ワ)4835 商標権 民事訴訟事件
 

◆H16. 8.31 東京高裁 平成15(ネ)899 商標権 民事訴訟事件

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◆H16. 1.15 大阪地裁 平成14(ワ)1919等 著作権 民事訴訟事件

 少し前の事件です。
   訴外Aの社員と被告が共同で開発したパチスロ機の関する著作権の帰属および商標権侵害が争われました。原告Bは、訴外Aの破産管財人から知的財産権の譲渡を受け、自己が権利者であると主張しました。
 具体的には、著作物に該当するのか、著作者は誰か、商標の使用に該当するのか等が争われました。裁判所はパチスロ機の液晶画面について美術の著作物に当たり、また、共同著作物ではないと判断しました。
 また、商標権については、「ソフトウエアは、一般に、その記憶媒体のいかんにかかわらず、プログラム自体が商品の本質をなすという特質を有するものである。そして、ソ\フトウエアを実行した場合にその導入部で表示される標章は、需要者に認識され、出所識別機能\を果たすものであるから、商標として使用されているというべきであり、これをプログラムに組み込むことも、商品に標章を付することに当たるというべきものである。・・・したがって、同ソフトウエアの「隠しムービー」で別紙標章目録2記載の標章が表\示されるように同ソフトウエアに組み込むことは、本件商標に類似する標章を商品に付して使用することに当たるというべきである。」と判断しました。

 

◆H16. 1.15 大阪地裁 平成14(ワ)1919等 著作権 民事訴訟事件

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◆H16. 3.24 東京地裁 平成15(ワ)25348 商標権 民事訴訟事件

 特別号として「がん治療の最前線」という標章を、雑誌の表紙,裏表\紙及び1枚目表側に表\記した雑誌を販売していた行為が、「がん治療最前線」という登録商標(指定商品、新聞・雑誌)の使用に該当するかが争われました。
東京地裁は、「被告が本件書籍において被告標章を用いた行為は,被告標章を,本件書籍の自他商品識別機能ないし出所表\示機能を有する態様で使用する行為,すなわち商標としての使用行為であると解することはできないから,本件商標権の侵害には当たらない。」と、類似性にはふれず、商標的使用でないとして、侵害を否定しました。

◆H16. 3.24 東京地裁 平成15(ワ)25348 商標権 民事訴訟事件

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◆H15.10.16 東京高裁 平成15(行ケ)349 商標権 行政訴訟事件

指定商品「印刷物」に対する商標の使用に該当するかが争われました。審決では不使用と判断されましたが、裁判所は、認定の判断は誤っているとその判断を取り消しました。ただ、一言付け加えています。
 ”原告自身又はその意を受けた者が本件会報を発行したと認められる以上,審決の,「本件商標権者である「A」が本件商標を使用していたとは認め難いところである。」とし,かつ,「また,本件商標が使用権者によって使用されているとする証拠はない。」とする認定判断は,明白な誤りという以外にない。商標法50条により本件登録を取り消す,との審決の結論は,仮に最終的には正しいと認められるべきものであるとしても,審決が説示した理由からは,導き出すことができないのである”

   

◆H15.10.16 東京高裁 平成15(行ケ)349 商標権 行政訴訟事件

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◆H15. 6.27 東京地裁 平成14(ワ)10522 商標権 民事訴訟事件

商標「花粉のど飴」を商品「キャンディー」に使用することは、「のど飴及びその他のキャンデー」を範囲とする商標権「花粉」の専用使用権を侵害するか否かが争われました。争点は、1)「花粉」と「花粉のど飴」は類似するか、2)被告の使用方法は、商標法26条1項2号に該当する効力の及ばない範囲か否か等です。
裁判所は、1)については両者類似、2)については効能ではなくまた、普通に用いられる方法でもないとして、侵害を認めました。
  個人的には、春先には花粉症が話題にならない日はないくらいですので、「花粉のど飴」ときけば、一般の人は花粉症用ののど飴と認識すると思います。証拠は結構出したようですが、裁判所としては立証不十\分に写ったんでしょうか?、また、4条1項16号は後発的無効理由でもあるので、これを根拠に権利濫用の主張をしていれば結果は変わったのでしょうか?

◆H15. 6.27 東京地裁 平成14(ワ)10522 商標権 民事訴訟事件

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◆ H15. 1.21 東京地裁 平成14(ワ)4835 商標権 民事訴訟事件

   インクボトルにインクを充填して顧客に納品する行為が、商標の使用に該当するかが争われました。
  裁判所は、「個別の取引において,買主から商品の容器又は包装紙等が提供され,売主が商品を当該容器に収納し,あるいは当該包装紙等により包装して,買主に引き渡す場合には,当該容器ないし包装紙等に商標が表示されていたとしても,商標法上の商標の「使用」には該当しない。けだし,この場合には,容器ないし包装に付された商標とその内容物である商品との間には何らの関連もなく,当該商標が商品の出所を識別するものとして機能\していないことが外形的に明らかだからである(例えて言えば,顧客が酒店に空瓶を持参して,酒を量り売りで購入する場合や,顧客が鍋等の容器を豆腐店に持参して豆腐等を購入する場合と,同様である。)。・・・ なお,原告は,論拠として改造ファミコン事件第一審判決を挙げるが,同判決の事案は,商品にXの商標が付されて市場において流通した事案であり,買主から提供された容器に商標が付されていた本件とは,事案を異にするものであるから,同判決を引いて被告らの商標権侵害をいう原告の主張は,失当である。・・・顧客としては同一の種類形状のインクボトルが返還されれば,それをもって自己の提出したインクボトルと同一のインクボトルが返還されたものと認識しているものであり,社会的にも同一物が返還されたものと評価されるものであるから,いずれにしても商標の「使用」に該当するものと解することはできない。」と判断しました。

 

◆ H15. 1.21 東京地裁 平成14(ワ)4835 商標権 民事訴訟事件

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