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補正・訂正 > 限定的減縮

知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

限定的減縮

最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、裁判所がおもしろそうな(?)意見を述べている判例を集めてみました。
内容的には詳細に検討していませんので、詳細に検討してみると、検討に値しない案件の可能性があります。
日付はアップロードした日です。

令和4(行ケ)10061  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 令和5年3月16日  知的財産高等裁判所

不明瞭とされた拒絶理由に対してした補正について、不明瞭記載の釈明ではない、および新規事項であるとした審決が維持されました。

また、本件補正は、「前記検知手段の出力と前記油圧アクチュエータの 動作とに対応させて危険である場合」との記載を削除し、「前記検知手段 が人を検知している場合」との記載を追加する補正を含むところ、「前記 検知手段の出力と前記油圧アクチュエータの動作とに対応させて危険であ る場合」であっても警報を行わない場合を含むことになるから、同5項2 号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものでない。
イ 原告は、前記第3の1(1)アのとおり、本件補正は、本件拒絶理由通知書 の指摘に応じ、「警報を行う」条件を「前記検知手段が人を検知している 場合」に特定することにより、「前記検知手段の出力と前記油圧アクチュ エータの動作とに対応させて危険である場合」の意味内容を明確にしたも のであるから、特許法17条の2第5項4号の明りょうでない記載の釈明 に当たる旨主張する。
しかし、本件補正後の「前記検知手段が人を検知している場合」との記 載は、本件補正前の「前記検知手段の出力と前記油圧アクチュエータの動 作とに対応させて危険である場合」との記載の本来の意味内容に含まれる べき「前記油圧アクチュエータの動作」との対応関係を明らかにするもの と理解することはできず、本来の意味内容において「警報」を行う対象が オペレーターであったと理解することもできない。 そうすると、本件補正後の記載は本件補正前の記載本来の意味内容とは 異なるものになっているから、本件補正は、本件補正前の記載本来の意味 内容を明らかにするものにはなっておらず、明りょうでない記載の釈明に 当たるとは認められない。
(2) 小括
以上によれば、本件補正は、特許法17条の2第5項各号に掲げるいずれ の事項を目的とするものにも該当しないとした本件審決の判断に誤りはない。
3 取消事由2(本件補正における新規事項の追加に対する判断の誤り)につい て
(1) 前記2において説示したとおり、本件補正は、特許法17条の2第5項各 号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、認められないもの であるから、この点で既に却下されるべきものであるが、なお念のため、本 件補正が新規事項を追加するものであるかについても検討する。 本件補正では、「前記検知手段が人を検知している場合に」警報を行うこ と及び「オペレーターに対して」警報を行うことを発明特定事項として新た に導入するものであるが、当初明細書等には、そもそも、コントローラが何 らかの条件で警報を行う構成すら記載されていない。\n当初明細書における【0002】の「機械と周囲の作業員等の障害物との 接触を防止するため、障害物との距離や建設機械の切削や旋回などの動作に 対応させて危険である場合に警報を行う」との記載は、その前の「この技術 においては、」という主語からみれば、特許文献1に記載された従来技術に ついての説明であり、このような従来技術の構成を【発明を実施するための\n形態】に記載の構成が備えることを開示するものではないし、このような構\ 成を前提としなければ【発明を実施するための形態】に記載の構成が成立し\nないという事情もなく、その他【発明を実施するための形態】に記載の構成\nが従来技術の構成を前提とするものであることをうかがわせる記載もない。\nそして、上記記載の本件補正による新たな発明特定事項は、当初明細書にお ける【発明を実施するための形態】に記載されていないことはもちろん、背 景技術に関する【0002】にも記載されていない。よって、本件補正は、新規事項を導入するものであるといえる。
(2) 原告は、前記第3の2(1)のとおり、補正前発明は従来技術が開示している 技術と関連している旨主張するが、仮に、補正前発明が従来技術が開示する 技術と関連性を有するとしても、当初明細書等に、補正前発明に関する構成\nとして、従来技術の構成が開示されているとはいえないことは明らかである\nから、いずれにしても、本件補正は、新規事項を導入するものというべきで ある。

◆判決本文

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令和3(行ケ)10097  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 令和4年4月28日  知的財産高等裁判所

 補正前後の請求項に係る発明が一対一又はこれに準ずるような対応関係にない補正が限定的減縮(特17-2第5項)に該当するかが争われました。裁判所は、該当しないとした審決を維持しました。

 ア 特許法17条の2第5項は、拒絶査定不服審判を請求する場合において、 その審判の請求と同時に特許請求の範囲についてする補正(同条1項ただし 書4号)は、同条5項1号から4号までのいずれかの事項を目的とするもの に限ると規定し、同項2号は、「特許請求の範囲の減縮」(同法36条5項の 規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するも のであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該 請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同 一であるものに限る。)と規定している。同法17条の2第5項の趣旨は、拒 絶査定を受け、拒絶査定不服審判の請求と同時にする特許請求の範囲の補正 について、既に行った先行技術文献調査の結果等を有効利用できる範囲内に 制限することにより、迅速な審査を行うことができるようにしたことにある ものと解される。このような同項の趣旨及び同項2号の文言に照らすと、補 正が「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当するというためには、 補正後の請求項が補正前の請求項の発明特定事項を限定した関係にあること が必要であり、その判断に当たっては、補正後の請求項が補正前のどの請求 項と対応関係にあるかを特定し、その上で、補正後の請求項が補正前の当該 請求項の発明特定事項を限定するものかどうかを判断すべきものと解される。 また、補正により新しい請求項を追加する増項補正であっても、補正後の新 しい請求項がそれと対応関係にある補正前の特定の請求項の発明特定事項を 限定するものであれば、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当す るものと解される。 以上を前提に、補正事項1が「特許請求の範囲の減縮」を目的とするもの に該当するかどうかについて判断する。
・・・
ア 前記(1)ウ認定のとおり、本件補正後の請求項8は、本件補正前の請求項1 0と対応関係にあることが認められる。 しかるところ、前記(1)ウ認定のとおり、本件補正後の請求項8は、本件補 正前の請求項10の発明特定事項から、「前記ストラップセンサが、前記スト ラップの第1の部分に備えられた1個以上の第1接点と、前記ストラップの 第2の部分に備えられた1個以上の第2接点とを備えるか、あるいは、第1 接点および第2接点と通信可能であり、第1接点のうちの1個以上が、第2\n接点のうちの1個以上と選択的に接触可能であり、前記ストラップが閉じら\nれるか固定されたときに、第1接点の1個以上および第2接点の1個以上の 間の接触により測定回路を完成させるように構成されている導体によって、\n第1接点と第2接点とが結合されて、該システムが、前記ストラップセンサ によって測定された前記測定回路の少なくとも1つの電気特性に基づいて、 前記ストラップの前記調整位置、周囲長さ、形状、または長さを特定するよ うに構成されている」との構\成を削除した請求項であるところ、この削除に よって、本件補正前の請求項10の発明特定事項を限定したものと認めるこ とはできず、かえって、本件補正前の請求項10に係る発明を上位概念化し たものといえるから、補正事項1は、「特許請求の範囲の減縮」を目的とする ものと認められない。
イ これに対し原告は、1)本件補正後の請求項8は、本件補正後の請求項1な いし7に従属し、本件補正前の請求項1に内的付加に相当する追加的要件を 規定したものであるから、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定する ために必要な事項を限定するものである、2)本件拒絶理由通知では、本件補 正前の請求項1について新規性及び進歩性などの実体的要件に関する拒絶理 由の指摘はなく、本件補正前の請求項1に特許性が認められていることから すると、本件補正後の請求項8は、本件補正前の請求項1に対する従前の審 査内容に沿って特許性を具備するものといえるから、本件補正前の請求項1 についての審査を十分に有効活用して、補正された発明の審査を行うことが\n可能であり、新たな先行技術調査等を要求することで審査遅延などの事態を\n生じさせないことも明らかである、3)厳密には、本件補正後の請求項8は、 本件補正前の請求項1と一対一で対応する請求項ではないとしても、これに 準ずるような対応関係に立つものであり、補正事項1は、既にされた審査結 果を有効に活用できる範囲内で補正を認めることとした特許法17条の2第 5項の制度趣旨に反するものではなく、同項2号が許容する増項補正に相当 するから、本件補正前の請求項1との関係で「特許請求の範囲の減縮」(同号) を目的とするものに該当する旨主張する。
しかしながら、前記(1)エで説示したとおり、本件補正後の請求項8は、本 件補正前の請求項1と一対一で対応する請求項に該当しないのはもとより、 これに準ずるような対応関係に立つものと認めることはできないから、この 点において、原告の上記主張は、その前提を欠くものである。 また、前記アで説示したとおり、本件補正後の請求項8は、本件補正前の 請求項10の発明特定事項の構成の一部を削除した請求項であるが、本件に\nおいては、本件補正前の請求項10の発明特定事項から上記構成を削除した\n請求項について、サポート要件等の記載要件の審査が行われた形跡はうかが われず、かかる審査が新たに必要となるものと考えられるから、本件補正後 の請求項8は、本件補正前の請求項1に対する従前の審査内容に沿って特許 性を具備するものと直ちにいえるものではなく、この点においても、原告の 上記主張は、その前提を欠くものである。

◆判決本文

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平成28(行ケ)10265  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成29年10月3日  知的財産高等裁判所(4部)

 特許庁では、無効審判における訂正請求が独立特許要件違反として否定されました。 知財高裁は、引用文献どおしを組み合わせる動機付けはあるが、本件発明には想到しないとして、審決を取り消しました。
 引用発明Aが検知の対象とするタグと引用例3事項の付け札とは,いずれ も盗難防止装置に使用されるタグ(付け札)の技術分野に関するものである。 また,引用発明Aと引用例3事項の付け札が使用される電子物品管理システムは, いずれも,タグ(付け札)が警報動作を開始する際には,電波送出パネル22(出 口送信機ユニット)が信号を発信し,タグ1(付け札)がこれを受信するものであ って,警報動作を終了する際には,コード信号出力ユニット(勘定所送信機ユニッ ト又は携帯送信機ユニット)が信号を発信し,タグ1(付け札)がこれを受信する ものである。このように,引用発明Aと引用例3事項の付け札が使用される電子物 品管理システムとは,タグ(付け札)が警報動作を開始する際及び終了する際の作 用機序において共通する。 さらに,引用発明Aは,警報動作を開始させる所定の周波数の電波及び警報動作 を終了させるコード信号のみを使用するものであるが,引用例3事項の付け札が使 用される電子物品管理システムは,これらに相当する信号(出口メッセージ及び終 了メッセージ)に加えて,能動的包装メッセージ,オーディオ包装メッセージ,受\n動的包装メッセージ及び保管メッセージを含む信号を使用し,電子物品監視システ ムの作動能力を拡張するものである。このように,引用例3事項の付け札は,引用\n発明Aが検知の対象とするタグと比較して,その作動能力が拡張されたものである。
(イ) 以上によれば,当業者は,引用発明Aが検知の対象とするタグに,盗難防 止装置に使用されるものであって,警報動作の開始及び終了の作用機序が共通し, さらに作動能力が拡張された引用例3事項の付け札を適用する動機付けがあるとい\nうべきである。
エ 引用例3事項を適用した引用発明Aの構成
(ア) 本件訂正発明8において,盗難防止タグは,警報出力手段が作動可能であ\nる状態及び警報出力状態を解除するに当たり,「一致判定手段が「前記識別手段が 識別した解除指示信号に含まれる」暗号コードが一致するか否かを判定する」もの である。一致判定手段は,前記識別手段が解除指示信号を識別した後に,その解除 指示信号に含まれる暗号コードと,暗号記憶手段が記憶する暗号コードが一致する か否かを判定するから,識別手段による解除指示信号の識別に用いられるコードと, 一致判定手段による暗号コードの一致判定に用いられるコードとは無関係なものと いうことができる。
・・・
(ウ) そうすると,警報動作を終了させるに当たり,本件訂正発明8の盗難防止 タグは,解除信号の一部に含まれる,解除指示信号の識別とは無関係な「暗号コー ド」と,記憶された暗号コードとの一致判定を行うのに対し,引用例3事項を適用 した引用発明Aのタグは,解除信号である「コード信号」と,記憶された「それぞ れ異なるメッセージを含む信号」中の「コード信号」との一致判定を行うものであ る。したがって,引用発明Aに引用例3事項を適用しても,相違点2に係る本件訂正 発明8の構成に至らないというべきである。
オ 本件審決の判断について
(ア) 本件審決は,引用例3事項の「終了メッセージを含む信号」は,警報オフ とする点において,「解除指示信号」と共通するとした上で,引用例3,甲5(米 国特許第5148159号明細書。平成4年公開)及び甲6(「NEC MOS集 積回路 μPD6121,6122データシート」NEC株式会社。平成7年公開) から,「信号が設定可能なコードを一部に含み,一致判定手段が前記信号に含まれ\nる前記コードが一致するか否かを判定する」という周知技術(以下「審決認定周知 技術」という。)が認められるから,引用例3事項を適用するに当たって,引用例 3事項の「終了メッセージを含む信号」を,設定機能によって所望に設定できるコ\nードを一部に含み,引用発明Aの一致判定手段において信号に含まれるコードが一 致するか否かを判定するように構成することは,当業者にとって格別困難ではない\nと判断した。
(イ) 本件審決は,引用発明Aに引用例3事項を適用するに当たり,周知技術を 考慮して変更した引用例3事項を適用することによって,本件訂正発明8を容易に 想到することができるとするものである。 しかしながら,前記エのとおり,引用発明Aに引用例3事項を適用しても,相違 点2に係る本件訂正発明8の構成に至らないところ,さらに周知技術を考慮して引\n用例3事項を変更することには格別の努力が必要であるし,後記(ウ)のとおり,引 用例3事項を適用するに当たり,これを変更する動機付けも認められない。主引用 発明に副引用発明を適用するに当たり,当該副引用発明の構成を変更することは,\n通常容易なものではなく,仮にそのように容易想到性を判断する際には,副引用発 明の構成を変更することの動機付けについて慎重に検討すべきであるから,本件審\n決の上記判断は,直ちに採用できるものではない。

◆判決本文

本件特許の侵害事件の控訴審です。こちらは技術的範囲に属しないと判断されています。

◆平成29(ネ)10022

◆原審はこちら。平成26(ワ)20319

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平成27(行ケ)10115  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成28年2月24日  知的財産高等裁判所

 補正が限定的減縮でないとした判断は取り消されるべきと判断されました。ただ、補正後のクレームについて独立特許要件なしの判断は誤りはないとして全体としては拒絶審決が維持されています。
 補正前発明は,請求項において「前記光方向変換素子に設けられるホルダ片とを 有し」と特定され,「光方向変換素子」に「ホルダ片」を設けることが記載されると ともに,「前記発光素子から放射される光を入射する入射面と,前記入射面から入射 した光を反射する反射面と,前記反射面で反射した光を屈折して側面方向へ出射す る出射面」を「有する」ことが記載されているところ,この「前記発光素子から放 射される光を入射する入射面と,前記入射面から入射した光を反射する反射面と, 前記反射面で反射した光を屈折して側面方向へ出射する出射面」は,本願明細書の 記載によれば,「光方向変換部」と呼ばれるものである。そうすると,「光方向変換 素子」中には,「光方向変換部」と「ホルダ片」を設ける部分が記載されているもの の,その「ホルダ片」を設ける部分の具体的形状が特定されていないものと解され る。一方,補正発明は,「光方向変換部」を明示するとともに,「光方向変換素子」 の具体的形状,ホルダ片を設ける態様などについて,請求項に記載のとおり「嵌合 部が形成されたケース部」に限定したものである。 そうすると,本件補正は,補正発明の「光方向変換素子」を前記のとおり規定す ることによって,補正発明を特定するために必要な事項を限定するものと認められ る。
イ 産業上の利用分野及び解決課題について
補正発明及び補正前発明は,いずれも,「光源モジュール」であり,両者の産業上 の利用分野は同一である。 また,前記1のとおり,補正発明及び補正前発明の解決しようとする課題は,光 方向の厳密な調整を不要とし,輝度ムラのない光源モジュールを提供することであ る。 したがって,補正発明及び補正前発明の解決しようとする課題は,同一であると 認められる。
ウ よって,本件補正は,補正前発明を特定するために必要な事項を限定す るものであって,補正前発明と補正発明の産業上の利用分野及び解決しようとする 課題は同一であるから,特許法17条の2第5項2号にいう「特許請求の範囲の減 縮」に該当し,これを目的要件違反とした審決の判断は,誤りである。
・・
被告は,本件補正によれば,補正発明は,「光方向変換部」(光学的機能を有する\nもの)により特定されることに加え,「ホルダ片」を嵌合するための手段である「嵌 合部が形成されたケース部」(機械的機能を有するもの)によっても新たに特定され\nることになり,「光方向変換部」により特定される補正前の「光方向変換素子」(光 学的機能を有するもの)を限定するものでないと主張する。\nしかし,前記のとおり,補正前発明の「光方向変換素子」は,請求項1にあると おり,「『入射面』と,・・・『反射面』と,・・・『出射面』とを有する『透明材料』 からなる」もの,すなわち,「光方向変換部」を「有する」,「透明材料」からなるも のであるとともに,「前記光方向変換素子に設けられるホルダ片とを有し」と特定さ れ,「光方向変換素子」に「ホルダ片」を設けるものである(被告は,これを機械的 機能と称する。)から,本件補正は,発明特定事項を新たに追加するものではなく,\n上記主張を採用することはできない。 また,被告は,発明が解決しようとする課題が,補正前発明では,光方向の厳密 な調整を不要とし,輝度ムラのない光源モジュールを提供することであったのに対 し,補正発明では,嵌合部を持つ光方向変換素子を有する光源モジュールを提供す ることを追加しており,本件補正は,発明が解決しようとする課題を追加して変更 するものである旨主張する。 しかし,前記のとおり,補正発明は,補正前発明と同様の課題を有しているが, それに加えて,光方向変換素子がケース部と円形の光方向変換部からなり,ホルダ 片が光変換素子の嵌合凹部11aに内嵌固定されるということが,補正前発明又は 補正発明の課題であることを示す記載は存在せず,ケース部の形状やホルダ片の固 着態様に格別の意義があるとは認められないから,光方変換素子の「光方向変換部」 以外の形状を限定したからといって,新たな課題を追加したものとはいえない。

◆判決本文

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平成26(行ケ)10057  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成27年2月18日  知的財産高等裁判所

 いわゆる限定的減縮について、補正前後で1対1対応である必要はなく、「,1)特許請求の範囲の減縮であること,2)補正前の請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであること,3)補正前の当該請求項に記載された発明と補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であること」を満たせばよいとの判断基準が示されました。本件では、「請求項1の補正は,補正前の請求項には存在しなかった構成を付加するものというべきである」として、審決が維持されました。\n
 ア 原告は,いわゆる増項補正が特許法17条の2第5項2号所定の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当するか否かについては,請求項の数から外形的,抽象的に判断すべきではなく,補正前後の請求項の内容に基づいて,新たに審査すべき必要を生じさせるものであるか否かを個別的,具体的に検討して判断すべきであると主張する(前記第3の1。これに対し,被告は,同項の趣旨が,出願人の便宜と迅速,的確かつ公平な審査との調整の趣旨に基づき,例外的に一定の範囲に限って補正を認めたものであることに照らすと,同項2号は,補正前の請求項と補正後の請求項とが一対一の対応関係にあることを前提としているというべきであり,一対一の対応関係にないような請求項を増加させる補正は,同号かっこ書の規定に該当しないと主張する。そこで,まず,この点について検討する。
イ 特許法17条の2第5項は,「前2項に規定するもののほか,第1項第1号,第3号及び第4号に掲げる場合(同項第1号に掲げる場合にあっては,拒絶理由通知と併せて第50条の2の規定による通知を受けた場合に限る。)において特許請求の範囲についてする補正は,次に掲げる事項を目的とするものに限る。」と規定し,同項2号は,「特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために 必要な事項を限定するものであつて,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」と規定している。 特許法17条の2第5項の趣旨は,特許請求の範囲について補正が行われると,審査官は補正後の特許請求の範囲について再度審査を行う必要があるところ,審査の長期化防止及び円滑化のため,最後の拒絶理由通知以降に行う特許請求の範囲の補正について,既に審査においてなされた先行技術文献の調査などの審査結果を有効に活用することができる範囲内に限り補正を認めることにあるものと解される。 そして,同項2号は,単に「特許請求の範囲の減縮」とのみ規定するのではなく,「特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するもの・・・に限る。)」と規定している。その趣旨は,単に「特許請求の範囲の減縮」とのみ規定したのでは,出願当初の明細書又は図面に記載された事項の範囲内において,請求項に新たな構成要素を付加することにより,特許請求の範囲の減縮を行う補正も「特許請求の範囲の減縮」に含まれることとなることから,このような補正を許容すると,既に審査においてなされた先行技術文献の調査などの審査結果を有効に活用することができなくなり,再度審査を行う必要が生じ,上記17条の2第5項の趣旨に反することになるため,同法36条5項が,「特許請求の範囲には,請求項に区分して,特許出願人が特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項のすべてを記載しなければならない。」と規定していることを受けて,請求項に記載したすべての事項のうちの個々の事項を上記規定の趣旨で限定する補正に限る旨を明確化することにあると解される。
ウ 以上のような特許法17条の2第5項2号の規定振り及びその趣旨に照らすと,同号に該当する補正は,多くの場合,補正前の請求項の発明特定事項を限定して減縮補正することにより,補正前の請求項と補正後の請求項とが一対一の対応関係にあるようなものになることが考えられる。しかし,同号が,補正により,単に形式的に請求項の数が増加することがないという意味を含めて,補正前の請求項と補正後の請求項が一対一の対応関係にあることを定めていると解すべき根拠はない。 したがって,被告の前記主張の趣旨が,補正により請求項の数が増加するものはすべからく同号かっこ書の規定に該当しないというのであれば,そのような主張には法的根拠がなく,採用の限りではない。 同号は,かっこ書を含めてその要件を明確に規定しているのであるから,問題となる補正が同号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当するといえるためには,それがいわゆる増項補正であるかどうかではなく,1)特許請求の範囲の減縮であること,2)補正前の請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであること,3)補正前の当該請求項に記載された発明と補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であること,という要件(以下,上記各要件を単に「1)の要件」のようにいう。)を満たすことが必要であり,かつそれで十分であるというべきである。\nしたがって,原告の前記主張中,これと異なり,補正前後の請求項の内容に基づいて,新たに審査すべき必要を生じさせるものであるか否かを個別的,具体的に判断すべきであるとする部分も採用することができない。
エ ところで,審決は,請求項2を新たに追加する補正は,特許法17条の2第5項各号に掲げるいずれの事項も目的とするものではない旨を述べるのみであり,上記1)から3)のいずれの要件を欠くことをその判断の理由としたのかは明らかではない。仮に,審決が,請求項2を新たに追加する補正は当然に同項2号所定の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当しないと判断したのであるとすれば,判断の手法として,不適当なも のといわざるを得ない。 そこで,項を改めて,請求項1の補正及び請求項2を追加する補正が,原告の主張する特許法17条の2第5項2号所定の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当するか否かについて,更に検討する。

◆判決本文

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平成25(行ケ)10292 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成26年04月23日 知的財産高等裁判所

 補正が限定的減縮には該当しないと審決が維持されました。
 そこで,検討するに,本件補正は,補正前の請求項1(甲1)の末尾の「発光装置」を「光源」と補正するとともに,「一の方向に隣接して配置された複数の発光装置を有する光源であって」を追加する補正をして,補正後の請求項1(甲7)とする補正事項を含むものであるから,補正前発明における「発光装置」を「一の方向に隣接して配置された複数の発光装置を有する光源」とするものである。補正前発明における「発光装置」は,本願明細書に示されるように,長尺状の基板と,前記基板上に当該基板の長手方向に沿って一直線状に配列された複数の半導体発光素子と,光波長変換体を含み,前記複数の半導体発光素子を封止する封止部材と,を備え,前記封止部材は,前記複数の半導体発光素子を一括封止するとともに,前記複数の半導体発光素子の配列方向に沿って直線状に前記基板の長手方向の両端縁まで形成され,前記封止部材を平面視した場合,前記封止部材の端部の輪郭線は曲率を有するもの(請求項1,段落【0010】,【0022】,【0027】,【0042】,【0100】,【0105】)である。そして,実施例において,発光装置100につき,以下の図1が示され,さらに,「本発明1の第1の実施形態に係る発光装置を複数個並べる場合」(段落【0095】)として,「発光装置100A」と「発光装置100B」を隣接配置する,以下の図6が示されている。これに対して,補正後の請求項1の「光源」は,「一の方向に隣接して配置された複数の発光装置を有する光源」であり,補正前発明の「発光装置」を一の方向に隣接して複数配置するものである。そうすると,補正前の請求項1の「発光装置」を補正後の請求項1の「一の方向に隣接して配置された複数の発光装置を有する光源」とすることは,特許請求の範囲を減縮することにはなるものの,補正前の「発光装置」を,より下位の発明の構成に限定するものではないから,本件補正は,補正前の請求項1における,発明を特定するために必要な事項を限定するものであるということはできない。よって,本件補正に係る請求項1の補正事項は,特許法17条の2第5項2号にいう,特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものとはいえない。したがって,本件補正は,特許法17条の2第5項2号の要件を満たしておらず,その他同項に定める要件に該当しないことは明らかであるから,本件補正を却下した審決に誤りはない。\n

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平成23(行ケ)10319 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年06月20日 知的財産高等裁判所

 いわゆる限定的減縮でないとした審決が維持されました。
 この点について,原告らは,本件補正発明は,「通信イベントの発呼者」と明記されているとおり,通信イベントを発信するのは発呼者であるし,本件明細書【0044】の記載からしても,本件補正発明の「変更」の主体は「発呼者」というべきであるなどと主張する。しかしながら,本件補正発明の特許請求の範囲には,「通信イベントの発呼者」と,「前記の情報信号を受信した後のトランシーバユーザの入力に応じて,前記サーバにコマンド信号を送信する手段であって,該コマンド信号は,前記通信イベントのメディア・フォーマットが,前記複数のメディア・フォーマットの内の別のものに変更されるべきことを示す,手段」との関係を示す発明特定事項は存在しないことは,先に述べたとおりである。そして,「通信イベントを発信する」ことと,「通信イベントのメディア・フォーマットを変更する」こととは,機能や処理内容が異なるから,両者の主体が同一とは限らないことはむしろ当然である。そうすると,原告らが指摘するとおり,本件明細書に「発呼者に,…通信イベントをオーディオまたはビジュアル・フォーマットで選択させる」との記載があるとしても,本件補正発明の特許請求の範囲の記載からすると,「通信イベントのメディア・フォーマット」の「変更」の主体が,本願発明と同様に,通信イベントを発信する者である「通信イベントの発呼者」に限定されているということはできない。(4) 以上からすると,本件補正が特許請求の範囲の減縮に該当しないとして,本件補正を却下した本件審決の判断に誤りはない。
 (5) なお,本件補正を却下した本件審決の判断に誤りがない以上,本件補正発明が独立特許要件を欠くとした判断の誤りに係る原告らの主張は,その前提自体を欠き,失当である。

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平成23(行ケ)10226 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年03月28日 知的財産高等裁判所

 審判請求時の補正(限定的減縮要件)について争われました。補正要件違反とした審決が維持されました。
 本件補正のうち,本願発明の特許請求の範囲の記載から,本願発明の各吸収性物品形体に関する「着用者の発達の第一段階」と「着用者の発達の第二段階」との相違についての「発達の種々の段階」に「対応するように設計されたシャーシを含む」ものであるという限定を削除し,本件補正発明における「第一」及び「第二」の各吸収性物品形体の相違について,単に「異なる形体を有している」とするにとどめた点についてみると,これは,本願発明における「着用者の発達の第一段階」と「着用者の発達の第二段階」との相違に関する上記限定を削除するものであって,本願発明の特許請求の範囲を拡大するものというほかない。したがって,本件補正のうち上記の点は,特許請求の範囲の減縮を目的とするものとはいえず,本件補正は,法17条の2第4項2号に違反するものというべきである。
 オ さらに,法17条の2第4項2号は,同条1項4号に基づく場合において特許請求の範囲についてする補正について,「特許請求の範囲の縮減(第36条5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって,その補正前の当該請求項に記載された発明その補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」を目的とするものと規定しているところ,これは,審判請求に伴ってする補正について,出願人の便宜と迅速,的確かつ公平な審査の実現等との調整という観点から,既にされた審査結果を有効に活用できる範囲内に限って認めることとしたものである。そして,同号かっこ書が,補正前の「当該請求項」に記載された発明と補正後の「当該請求項」に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る旨を規定していることも併せ考えると,同号は,補正前の請求項と補正後の請求項とが,請求項の数の増減はともかく,対応したものとなっていることを前提としているものと解され,構成要件を択一的に記載している補正前の請求項についてその択一的な構\成要件をそれぞれ限定して複数の請求項とする場合あるいはその反対の場合などのように,請求項の数に増減はあっても,既にされた審査結果を有効に活用できる範囲内で補正が行われたといえるような事情のない限り,補正によって新たな発明に関する請求項を追加することを許容するものではないというべきである。
 しかしながら,本件補正は,請求項の数を22から56に増加させるものであるところ,例えば,第一の吸収性物品の形体が「臍の緒のくぼみを有している」(本件補正後の請求項2),「第一の吸収性物品の毛布のような感触を提供する特徴を有している」(同3),「第一の吸収性物品を第一の装着者により良く適合させる」(同4),「第一の装着者の自由な動きを可能にする」(同5),「狭い股領域を有している」(同6),「可撓性ファスナーを有している」(同7),「高拡張側部を有している」(同8)又は「第一の吸収性物品の湿り度を示す」(同9)など,いずれも本件補正前の各請求項には全く存在しない構\成を付加することで,新たな発明に関する請求項を多数追加しているから,既にされた審査結果を有効に活用できる範囲内で補正を行っているといえるような事情が見当たらない。したがって,本件補正のうち,以上のとおり請求項2以下に請求項を多数追加している点は,特許請求の範囲の減縮を目的とするものとはいえず,本件補正は,法17条の2第4項2号に違反するものというべきである。

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 平成23(行ケ)10133 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年01月17日 知的財産高等裁判所 

 携帯電話端末のUI(CS関連発明?)について、限定的減縮違反、および新規事項であるとした審決が維持されました。
 甲6補正発明と本願補正発明とを対比すると,甲6補正発明では,通信機能の停止を維持しながら「時計機能\」,「電話帳機能」,「マイクによる音声を電気信号に変換する機能\」及び「スピーカによる電気信号を音声に変換する機能」を含む複数の機能\それぞれを選択可能としているのに対し,本願補正発明では,通信機能\の停止を維持しながら,上記「複数の機能」のうち「時計機能\」及び「電話帳機能」のみをそれぞれ選択可能\としたものであるから,本件補正により,通信機能の停止を維持しながら選択可能\な機能の一部が削除されていると認められる。そして,その結果,本願補正発明では,「時計機能\」及び「電話帳機能」以外の機能\について,どの機能を通信機能\の停止を維持しながら選択可能とするかは任意の事項とされることに補正されたといえる。そうすると,本件補正により,直列的に記載された発明特定事項の一部が削除され,特許請求の範囲の請求項1の記載が拡張されていることは明らかであるから,本件補正は特許請求の範囲を減縮するものとはいえず,「特許請求の範囲の限定的減縮」を目的とするものに該当するとは認められない。また,本件補正は,誤記の訂正,明りょうでない記載の釈明を目的とするものにも該当しないことは明らかである。以上によれば,本件補正について,「平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。」とした審決の判断に誤りはない。
・・・・
 この点,確かに,本願の当初明細書等の上記各段落の記載からすれば,通信機能を停止させた際にも「制御部10」は「電源線22」から電力供給されて動作可能\な状態となっていることから,通信機能停止処理中であっても,「制御部10」が,電源が供給されている「中央処理装置4」,「記憶部5」,「入力部6」,「表\示部7」及び「停止認識部13」と協働して適宜必要な動作を実行することは自明であり,また,図1を参照すると,「マイク8」及び「スピーカ9」は「制御部10」に接続されているから,通信機能停止処理中であっても接続先の本体部(「制御部10」)に電源が供給されている限り使用可能\となり,協働して音声入力及び出力動作を実行し得ることは自明であると認められる。しかし,それは,通信機能停止時,「マイク8」及び「スピーカ9」には電源が供給され,「マイク8」及び「スピーカ9」も協働して音声入力及び出力動作を実行し得ることが自明であるというにとどまり,使用者が,「通信機能\の停止を維持しながら」,「マイクによる音声を電気信号に変換する機能」及び「スピーカによる電気信号を音声に変換する機能\」を適宜選択し,これらの機能を動作させることが本願の当初明細書等の記載から自明な事項であることを意味するものではない。そうすると,甲6補正は,本願の当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入しないものとはいえないから,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものとは認められない。\n

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平成20(行ケ)10432 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年08月20日 知的財産高等裁判所

 補正要件(限定的減縮)違反として補正前のクレームについて拒絶審決がなされました。裁判所は、かかる補正要件違反の判断は誤りであるとして、拒絶審決を取り消しました。
「本件審決は,本件補正のうち特許請求の範囲の補正部分について,「補正後の特許請求の範囲には,各新請求項の記載からして,自動装着機の作動方法,自動装着機,及びシステムに係る発明が記載され,新請求項5及び新請求項6に係る発明は,前記自動装着機に係るものと認められる。一方,補正前の特許請求の範囲にも,各旧請求項の記載からして,自動装着機の作動方法,自動装着機,自動装着機用の交換可能なコンポーネント,及びシステムに係る発明が記載され,旧請求項5に係る発明のみが,前記自動装着機に係るものと認められる。そこで,検討すると,補正事項a(判決注:特許請求の範囲の補正部分)は,自動装着機に係る発明が記載されていた請求項の数を,旧請求項5の1つから,新請求項5及び新請求項6の2つとするもので,請求項の数を増やすものといえ,このような補正は,請求項の削除,限定的減縮,誤記の訂正又は明りようでない記載の釈明のいずれかを目的にしているということはできない。」として,本件補正を却下する決定をした。これに対して,原告は,本件補正の請求項の対応関係をみると,旧請求項5が新請求項5,旧請求項7が新請求項6と対応することが明らかであって,本件審決のいうように請求項の数を増やすものではなく,当該補正に係る部分は,法17条の2第4項2号にいう「特許請求の範囲の減縮」を目的とする場合に該当するから,当該部分がその場合に該当しないとて本件補正を却下した本件審決は誤りであると主張する。以上,要するに,本件審決は,本件補正が自動装着機の発明についての旧請求項5を同じく自動装着機についての新請求項5及び6とするものであることを前提としているのに対して,原告は,新請求項6は,旧請求項5を補正したものではなく,旧請求項7を補正したものであると主張していて,ここに本件補正についてのとらえ方の相違がある。そうすると,仮に,本件補正に係る新請求項6が,原告の主張するとおり,旧請求項7を補正したものであれば,旧請求項7と新請求項6との対応関係を前提に,その補正が法17条の2第4項各号(本件では,原告が主張している同項2号)を充足するか否かを判断することが求められることになるから,本件補正を却下するに当たっても,これを前提として判断される必要があるところ,本件審決は,原告の主張するような請求項の対応関係を前提とする補正について判断を示していないことは明らかであるから,本件補正を却下した本件審決は,その前提を誤った違法なものということになる。・・・上記記載から本件補正の内容についてみると,補正前には,「交換可能\\なコンポーネント(3,5,17)」とされていたものが,本件補正に係る手続補正書においては,「装着ヘッド(5)」に改められていることが明らかである。その結果として,旧請求項の「交換可能なコンポーネント」の記載が新請求項の「装着ヘッド」の記載に補正されているものと容易に理解することができる。また,それは「交換可能\\なコンポーネントは,装着ヘッドとして構成されていることを特徴とする交換可能\\なコンポーネント」として記載されていた旧請求項8が,本件補正に係る新請求項中において当該事項を発明特定事項として加える必要がなく,本件補正に際して削除された理由であると認められるのである。また,旧請求項6は,「幾何学的特性データに対する所属の記憶装置」であることを特定事項としていたが,当該事項は,新請求項の記載中にこれを見出すことができない。ここに,前記認定のとおり,旧請求項6が本件補正に際して削除された理由もある。さらに,新請求項5についてみると,上記のほか,旧請求項5の「定置の基準点」を「定置の基準点としての一つの保持装置(4)」とし,同「求められた」を「,自動装着機(7)内へのマウント前に求められた」とし,同「幾何学的特性データ」を「他の保持装置(4)の幾何学的特性データ」とするとともに,「結合された記憶装置(15,16,18)」を「割り当てられた記憶装置(15)」としたものであると理解することができる。また,旧請求項7の発明特定事項である「記憶装置(15,16,18)は,無接触式に書き込み可能及び,読出し可能\\なメモリとして構成され」ることは,新請求項6に含まれている。ウそうすると,本件補正は,その内容からみても,旧請求項6及び8を削除し,旧請求項7を新請求項6に補正したものと解するほかない。」

◆平成20(行ケ)10432 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年08月20日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10394 特許権 行政訴訟 平成21年05月26日 知的財産高等裁判所

 不明瞭な記載の釈明、および限定的減縮違反については取り消したものの、独立特許要件違反は存在するとして、拒絶審決が維持されました。
 「・・・本件補正前の特許請求の範囲の請求項2の記載は,前記したとおりであって,同記載において,押しピンについては,「…構造である押しピンを内部に収容しうる…」,「…により押しピンを押圧する…」と記載されているにとどまることから,本件審決が判断し,また,被告も主張するように,押しピンは,本願発明2における発明の対象ではなく,発明の対象であるカートリッシが備える構\成の1つとして記載されているにすぎないと理解する余地もないわけではない。他方,請求項2の記載において,押しピンは「筒状部と,筒状部に収容された弾性部材及びピン部とを有し,非使用時にピン部は弾性部材によって筒状部内に収容され,使用時に筒状部の上部に設けられた押入部材が挿入される孔部を通じて押入部材により押圧され,下部に設けられた孔部からピン部先端が外部に突出する構造である」ことが特定されており,本願発明2は,このような押しピンと,「筒状部の上部に設けられた押入部材が挿入される孔部を通じて押入部材により押しピンを押圧する押圧部」を有するものであることによって特定されるカートリッジとによって構\成されるものであると理解する余地もないわけではない。そして,そのような理解を前提にすると,本件補正前の請求項2は,これとは反対に,押しピンを発明の対象とせず,その対象であることが記載上明らかなカートリッジの備える構成の1つとして記載されているにすぎないと理解されなくもない記載となっていたということができるのであって,その意味で,当該記載は法17条の2第4項にいう「明りようでない記載」に当たるといわなければならない。・・・これに対し,補正事項2は,本件補正前の請求項2における「押しピンを内部に収納しうる空洞部と」及び「押しピンのカートリッジ。」の記載を,補正後の請求項1においては,「押しピンと,該押しピンを内部に…収納しうる空洞部と」及び「押しピンおよびそのカートリッジ。」の記載に改めるものであり,その記載内容から,本願発明2が「カートリッジ」だけでなく,「押しピン」も発明の対象とするものであることを明示しようとするものであることが明らかである。そして,上記(ア)のとおり,本件補正前の請求項2の記載からは,「押しピン」と「カートリッジ」と,その両者を本願発明2の対象とするものであったと解することが可能であったところ,その反面,「押しピン」を当該発明の対象とするものではなく,「カートリッジ」のみを対象とするものであったと解する余地もないわけではなく,明りょうでない記載といわざるを得ないものであったのであるから,補正事項2は正にその明りょうでない記載を釈明するものであるということができる。実際,補正事項2による補正前後の記載を比較してみれば,本件補正前の請求項2のように,本願発明2の対象である「押しピン」がもう1つの発明の対象である「カートリッジ」が備える構\成の1つにとどまるかのように記載されていることを前提として,両者の構造を認識し,これらを対比して両者が発明の対象であると理解する場合に比較して,本件補正後の請求項2の記載のように「押しピン」と「カートリッジ」とを並列的に記載したほうが,その趣旨がより明りょうとなっているということができる。この点について,被告は,本件審決の判断と同様に,本件補正前の請求項2に係る発明が「カートリッジ」の発明であって,「押しピン」の発明ではないなどとるる主張するが,本件補正前の請求項2が「カートリッジ」のみを対象とする発明として明りょうに記載されていた場合であれば格別,既に説示したとおり,当該記載が「明りようでない記載」であった以上,被告の主張を採用することはできない。・・・法17条の2第4項4号は,「明りようでない記載の釈明」として補正が許されるのは,「拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る」と規定するところ,被告は,本件においては,「押しピンのカートリッジ」が「明りようでない」との拒絶の理由は示されていないから,補正事項2は「拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするもの」ではないと主張するので,この点についても検討する。甲11によると,平成18年3月22日付け拒絶査定には,本件特許出願は平成17年8月22日付け拒絶理由通知書に記載した理由によって拒絶されるべきことが記載されていることが認められ,甲7によると,平成17年8月22日付け拒絶理由通知書には,拒絶の理由として,請求項1及び同2に係る発明(本願発明1及び同2)が特許法29条1項3号又は同条2項の規定により特許を受けることができない旨記載されるとともに,請求項2に係る発明(本願発明2)については,引用発明1の画鋲刺入装置において,引用発明2の画鋲を収容することによって,本願発明2のように構\成することは容易である旨記載されていることが認められる。これに対し,補正事項2は,前記認定の経緯からして,本願発明2が「押しピン」と「カートリッジ」と,その両者を当該発明の対象とするものであることを明示することにより,上記拒絶理由通知書において指摘された本願発明2に係る拒絶の理由を回避しようとするものであると認められるから,補正事項2が「拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするもの」であるということが妨げられるものではなく,被告の主張を採用することはできない。・・・原告は,補正事項3に係る補正が本願発明2の「押しピン」を限定する補正であるとして,この補正が法17条の2第4項2号にいう「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものではないとした本件審決の判断に誤りがあると主張するので,以下,検討する。・・・これに対し,補正事項3は,補正前の請求項2においては,「押しピン」の構造が「使用時に…下部に設けられた孔部からピン部先端が外部に突出する」と記載されていたところ,補正後の請求項1においては,その構\造に「使用しないときには手でどの部分に触れてもピン部が動くことはなく,」という限定を付加して記載されているのであって,その記載内容を比較すると,本願発明2における「押しピン」の構造に上記限定を付加するものであると認められる。そして,本願発明2の「押しピン」が特定の構\造を有するものであることは前記で説示したところであるから,このような「押しピン」に上記限定が加えられることにより,使用しないときに手でいずれかの部分を触れればピン部が動く可能性があった本件補正前の「押しピン」が,本件補正後においては「使用しないときには手でどの部分に触れてもピン部が動くことはな(い)」ものに限定されたということができ,本願発明2においては,「押しピン」も当該発明の対象となるものであることも前記ア(ア)で説示したとおりであるから,その構成が限定されることによって,特許請求の範囲は減縮されるものと認めることができる。この点について,被告は,本願明細書の発明の詳細な説明に「使用しない時には…手にとってどの部分に触れてもピン部3が動くことはない」(段落【0006】)との記載があることから,本件補正前の請求項2に記載されていた「押しピン」はそのようなもの(補正事項3による補正後のもの)と理解されるから,補正事項3は本願発明2の「押しピン」を具体的に限定するものではないと主張するが,本件補正前の請求項2には,「押しピン」が「使用しないときには手でどの部分に触れてもピン部が動くことはな(い)」ものであることを示す記載は存在しないから,被告の主張は失当である。なお,被告は,本願発明2の対象は「カートリッジ」のみであって,「押しピン」それ自体は本願発明2の対象ではないから,「押しピン」の構\造に上記制限が加えられたとしても,特許請求の範囲の減縮にはならないとも主張するが,「押しピン」も「カートリッジ」と並んで本願発明2の対象となることは前記アで説示したとおりであるから,この点に関する被告の主張は,その前提において,失当といわなければならない。」

◆平成20(行ケ)10394 特許権 行政訴訟 平成21年05月26日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10350 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年12月10日 知的財産高等裁判所

  補正が限定的減縮でないとした審決が取り消されました。
   「被告は,特許法旧17条の2第4項2号「特許請求の範囲の減縮」にいう「減縮」とは,発明を特定するために必要な事項を「限定する」ことであり,これに該当するといえるためには,補正後の一つ以上の発明を特定するための事項が補正前の発明を特定するための事項に対して,概念的に下位になっていることを要するものであると主張するところ,同主張は,補正が「特許請求の範囲の減縮」(特許法旧17条の2第4項2号)に該当するためには,これに該当する個々の補正事項のすべてにおいて下位概念に変更されることを要するとの趣旨を含むものと解される。しかし,特許請求の範囲の減縮は当該請求項の解釈において減縮の有無を判断すべきものであって,当該請求項の範囲内における各補正事項のみを個別にみて決すべきものではないのであるから,被告の上記主張が減縮の場合を後者の場合に限定する趣旨であれば,その主張は前提において誤りであるといわざるを得ない。また,特許請求の範囲の一部を減縮する場合に,当該部分とそれ以外の部分との整合性を担保するため,当該減縮部分以外の事項について字句の変更を行う必要性が生じる場合のあることは明らかであって,このような趣旨に基づく変更は,これにより特許請求の範囲を拡大ないし不明瞭にする等,補正の他の要件に抵触するものでない限り排除されるべきものではなく,この場合に当該補正部分の文言自体には減縮が存しなかったとしても,これが特許法旧17条の2第4項2号と矛盾するものではない。

◆平成19(行ケ)10350 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年12月10日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10335 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年10月30日 知的財産高等裁判所

 請求項を追加する補正が限定的減縮には該当しないと判断されました。
   なお、面接審査をして、補正案について拒絶理由解消と見解したにもかかわらず、意見を述べる機会を与えることなく、補正要件を満たしていないとして補正却下したことは手続き違反として取り消しました。

◆平成19(行ケ)10335 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年10月30日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10110 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年06月11日 知的財産高等裁判所

 『仙骨上又は仙骨に沿って力を集中させる』を『骨盤内の腰骨稜間の仙骨の上方部分上又は上部分に沿って力を集中させる』とする補正が、限定的減縮に該当するかが1つの争点でした。裁判所は、限定的減縮要件違反とした審決を取り消しました。
  「しかしながら,上記部分の補正に係る,「それらが骨盤内の腰骨稜間の仙骨の上 方部分上又は上部分に沿って力を集中させる」との記載は,「上方部分」に付加された「上」との文言と「上部分」に付加された「に沿って」との文言とが対応して用いられていると考えられるから,「『それらが骨盤内の腰骨稜間の仙骨の上方部分上に力を集中させる』又は『それらが骨盤内の腰骨稜間の仙骨の上部分に沿って力を集中させる』」という趣旨であると考えることができ,そうであれば,「上方部分」及び「上部分」が,それ自体は同じ部分(仙骨そのものの一部であって,その上下方向の中央よりも上の部分)を意味するとしても,力を集中させる対象である部位としては,前者は,仙骨自体を,後者は,仙骨の近傍をそれぞれ意味するものと理解することができるから,上記両表現が意味するところは異なることとなって,格別不自然ということはできない(なお,原告は,「上部分」が「上方部分」の誤記であると主張するところ,そうであれば,このことはより明確であるが,仮に,「上部分」が「上方部分」の誤記であるとは認められないとしても,上記のように考えることの妨げとはならない。)。したがって,「上部分」との文言が,「仙骨上の何れかの部分」ないし「仙骨の上下方向の中央よりも上の部分」を意味するとすれば,「上方部分」との文言が同じ部分を意味するのは不自然であるとして,「仙骨の上方部分」との文言が,仙骨を含まない,それよりも上方の部分であるとする審決の判断は,直ちに是認できるものではない。
    (3) そこで,発明の詳細な説明の記載を参酌するに,本件特許出願に係る公表特許公報(甲第1号証。なお,平成16年3月16日付け手続補正(甲第4号証)及び本件補正(甲第2号証)ともに,発明の詳細な説明の部分に係る補正はない。)によれば,発明の詳細な説明には,本願発明の支持部材が力を及ぼす作用に関連して,以下の各記載がある。・・・(4) 上記(3)の各記載によれば,発明の詳細な説明においては,本願発明は,特定の仙骨圧を創造することによって所望の姿勢位置を確立する背骨支持システムであり,本願発明の支持部材ないしブロック部材44は,仙骨に対し,とりわけ仙骨の上方3分の1の領域である仙骨基部に対し,圧力を加えるものとされており,また,上記(3)のクには,当該圧力を仙骨上に,又は仙骨に沿って,集中させるようにすることも記載されている。これに対し,仙骨そのものではなく,仙骨よりも上方に存在する他の部位に圧力を加える旨の記載は,発明の詳細な説明中に,見当たらない。そうすると,かかる発明の詳細な説明の記載を参酌すれば,請求項1についての上記(2)の部分の補正に係る「それらが骨盤内の腰骨稜間の仙骨の上方部分上又は上部分に沿って力を集中させる」との記載は,「『それらが骨盤内の腰骨稜間の仙骨の上方領域(仙骨自体の一部であって,その上下方向の中央よりも上の部分)に力を集中させる』又は『それらが骨盤内の腰骨稜間の上記仙骨の上方領域に沿って力を集中させる』」という趣旨であるものと,すなわち,「仙骨の上方部分」も仙骨の「上部分」も,ともに仙骨自体の一部であって,その上下方向の中央よりも上の部分を意味するものと理解されることは明らかである。」

◆平成19(行ケ)10110 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年06月11日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10055 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年02月27日 知的財産高等裁判所

  特許法17条の2第4項2号限定的減縮の要件について、本件補正を却下した審決の判断に誤りはないと判断しました。
    「(1) 本件出願の請求項19は,前記第2の2のとおりであるところ,アノードの「ホスト材料の中にリチウム金属を分散する」こと及び「ホスト材料中とその中に分散された前記リチウム金属」は記載されているが,「アノード内のリチウム金属の量」については,全く記載されていない。原告は,特許請求の範囲中の記載に「(アノード内の)リチウム金属」に関する言及がある場合には,その量に関する事項は,「(アノード内の)リチウム金属」という概念に内在する特定事項であると主張する。しかし,「リチウム金属」という記載では,物質の種類を特定したにすぎず,その「量」については,何らの言及がないのであるから,上記の「(アノード内の)リチウム金属」なる記載が「リチウム金属の量」についての特定を含むものではないことは一般的な用語法に照らして明らかであるというべきであって,原告の主張を採用することはできない。そうすると,本願発明19の特定事項として,「アノード内のリチウム金属の量」が含まれていない以上,請求項19に係る本件補正は,発明を特定するために必要な事項を限定するものではない。」

◆平成19(行ケ)10055 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年02月27日 知的財産高等裁判所

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◆平成18(行ケ)10174 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年09月26日 知的財産高等裁判所

 新たなステップを追加することは、限定的減縮に該当しないとの考え方についてはこれを維持しましたが、相違点を看過しているとして、拒絶審決が取り消されました。
 「・・?Dのステップの後に,新たに「前記安定した基板を上記物体に付属させるステップ」を追加するものである。ところで,上記追加に係る「前記安定した基板を上記物体に付属させるステップ」は,?@ないし?Dのステップとは無関係であり,請求項11の全体を減縮するものではあるが,?@ないし?Dのいずれかのステップを減縮するものではない。そうすると,本件補正は,平成18年法律第55号による改正前の特許法17条の2第4項2号に規定する「特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」にいう「第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定する」場合には当たらないと解するのが相当である。したがって,本件補正を却下すべきものとした審決の判断に誤りはない。」 
  「結局,審決は,刊行物1記載の発明を基本としつつ,被告が自ら認めるとおり,刊行物1,3記載の発明が「光硬化性流動物質」又は「液体,粉末等の材料」を使用するものであるとすることによって,「光硬化性流動物質」と「液体,粉末等の材料」とを一つのまとまりとして取り扱い,「材料」の上位概念をもって一致点とした際に,その「材料」の中に,「光硬化性流動物質」のみならず「材料粉末」をも含めてしまったため,本願発明について,進歩性の有無を判断すべき相違点を看過する結果となったものといわざるを得ない。」 

◆平成18(行ケ)10174 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年09月26日 知的財産高等裁判所

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◆H16. 4.14 東京高裁 平成15(行ケ)230 特許権 行政訴訟事件

 1つの争点は、「いわゆる限定的減縮について、請求項の増加ができるか」でした。
原告(出願人)は「4項には,請求項を増加させてはならないと明記されていないから,請求項の増加が禁止されるわけではなく,請求項の数が増加しても,補正後の特許請求の範囲により特定される発明が全体として補正前の特許請求の範囲により特定される発明に対して減縮されていれば,当該補正は,4項2号に該当するものとして,許されるべきである」と主張しました。
これに対して、裁判所は、「4項2号は,・・・補正前の請求項と補正後の請求項との対応関係が明白であって,かつ,補正後の請求項が補正前の請求項を限定した関係になっていることが明確であることが要請されるものというべきであって,補正前の請求項と補正後の請求項とは,一対一又はこれに準ずるような対応関係に立つものでなければならない。そうであってみれば,増項補正は,補正後の各請求項の記載により特定される各発明が,全体として,補正前の請求項の記載により特定される発明よりも限定されたものとなっているとしても,上述したような一対一又はこれに準ずるような対応関係がない限り,同号にいう「特許請求の範囲の減縮」には該当しないというべきである。」とこれを否定しました。
 

◆H16. 4.14 東京高裁 平成15(行ケ)230 特許権 行政訴訟事件

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