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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

相違点認定

最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、裁判所がおもしろそうな(?)意見を述べている判例を集めてみました。
内容的には詳細に検討していませんので、詳細に検討してみると、検討に値しない案件の可能性があります。
日付はアップロードした日です。

平成29(行ケ)10025  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成29年12月21日  知的財産高等裁判所

 外為オンラインVSマネースクウェアの侵害訴訟の対象となった特許(特5650776号)についての無効審判の審決取消訴訟です。マネースクウェアの保有する特許について無効理由無しとした審決が維持されました。
 本件発明1と引用発明とを対比すると,少なくとも,1)「金融商品の売 買取引を管理する金融商品取引管理装置であること,2)前記金融商品の売買注文を 行うための売買注文申込情報を受け付ける注文入力手段を備えること,3)該注文入 力受付手段が受け付けた前記売買注文申込情報に基づいて金融商品の注文情報を生\n成する注文情報生成手段を備えること,及び,4)一の前記売買注文申込情報に基づ\nいて,所定の前記金融商品の売り注文又は買い注文の一方を成行又は指値で行う第 一注文情報と,該金融商品の売り注文又は買い注文の他方を指値で行う第二注文情 報と,を含む注文情報群を複数回生成することで共通し,5)引用発明が,「前記金融 商品の売り注文又は買い注文の前記他方を逆指値で行う逆指値注文情報」を生成し ていない点で相違している。
イ 本件発明1の構成1Gは,「前記第二注文情報に基づく該指値注文が約定\nされたとき,次の注文情報群の生成を行うと共に,該生成された注文情報群の前記 第一注文情報に基づく前記成行注文の価格と同じ前記価格の指値注文を有効に」(1 G前段)するとともに,「以後,前記第一注文情報に基づく前記指値注文の約定と, 前記第一注文情報に基づく前記指値注文の約定が行われた後の前記第二注文情報に 基づく前記指値注文の約定と,前記第二注文情報に基づく前記指値注文の約定が行 われた後の,次の前記注文情報群の生成とを繰り返し行わせる」(1G後段)という ものである。構成1G前段は,売買取引開始時において,同じ注文情報群に含まれ\nる第一注文情報に基づく成行注文が約定した後で,第二注文情報に基づく該指値注 文が約定されたときに,次の注文情報群の前記第一注文情報に基づく注文が,上記 売買取引開始時に約定された成行注文の価格と同じ価格の「指値注文」として有効 に生成されることとを意味するものである。 これに対し,引用発明は,前記2(2)のとおり,代替実施形態においては,パート 1注文とパート2注文とで形成されるLOCK注文を再度自動的に繰り返すもので ある。このことは,引用文献の図6では,代替実施形態において情報を入力する際 に「指値注文」と「成行注文」を選択する欄しかない上,引用文献の[0085] には,「『サイクル数44』の追加によって,投資家は,より多くの利益を得ること を望んで,LOCK処理に自動的に再入力できるようになるであろう。」と記載され ており,図7には,サイクル数選択「44」を経て同じ注文が繰り返される旨の矢 印が記載されていることからしても,明らかであるということができる。したがっ て,1回目のLOCK注文の第一注文が成行注文である場合には,繰り返されるL OCK注文の第一注文も成行注文であり,1回目のLOCK注文の第一注文が指値 注文である場合には,繰り返されるLOCK注文の第一注文も指値注文であるとい うことができる。
ウ 以上より,本件発明1と引用発明とは,本件発明の構成1Gの点におい\nて相違している。

◆判決本文

◆関連発明(特5525082号)についての審決取消訴訟です。こちらも権利有効維持です。

平成29(行ケ)10024

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平成28(行ケ)10220  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成29年7月4日  知的財産高等裁判所(4部)

 CS関連発明について、認定については誤っていないとしたものの、 引用例には、本願発明の具体的な課題の示唆がなく、相違点5について、容易に想到するものではないとして、進歩性無しとした審決が取り消されました。  確かに,引用例には,発明の目的は,複数の事業者と,税理士や社会保険労務士 のような専門知識を持った複数の専門家が,給与計算やその他の処理を円滑に行う ことができるようにするものであり(【0005】),同発明の給与計算システム及び 給与計算サーバ装置によれば,複数の事業者と,税理士や社会保険労務士のような 専門知識を持った複数の専門家を,情報ネットワークを通じて相互に接続すること によって,給与計算やその他の処理を円滑に行うことができること(【0011】), 発明の実施の形態として,複数の事業者端末と,複数の専門家端末と,給与データ ベースを有するサーバ装置とが情報ネットワークを通じて接続された給与システム であり,専門家端末で給与計算サーバ装置にアクセスし,給与計算を行うための固 定項目や変動項目のデータを登録するマスター登録を行い(【0018】〜【002 1】),マスター登録された情報とタイムレコーダ5から取得した勤怠データとに基 づき,給与計算サーバ装置で給与計算を行い,給与担当者が,事業者端末で給与明 細書を確認した上で,給与振り込みデータを金融機関サーバに送信する(【0022】 〜【0025】,【0041】〜【0043】,図7のS11〜S20)ほか,専門家 が専門家端末を介して給与データベースを閲覧し(【0031】〜【0033】),社 会保険手続や年末調整の処理を行うことができる(【0026】〜【0030】,【0 044】,【0045】,図7のS21〜S28)とする構成が記載されていることが\n認められる。 しかし,引用文献が公開公報等の特許文献である場合,当該文献から認定される 発明は,特許請求の範囲に記載された発明に限られるものではなく,発明の詳細な 説明に記載された技術的内容全体が引用の対象となり得るものである。よって,引 用文献の「発明が解決しようとする課題」や「課題を解決するための手段」の欄に 記載された事項と一致しない発明を引用発明として認定したとしても,直ちに違法 とはいえない。 そして,引用例において,社労士端末や税理士端末に係る事項を含まない,給与 計算に係る発明が記載されていることについては,上記(2)のとおりであるから,こ の発明を引用発明として認定することが誤りとはいえない。 ・・・・ ウ 以上のとおり,周知例2,甲7,乙9及び乙10には,「従業員の給与支払 機能を提供するアプリケーションサーバを有するシステムにおいて,企業の給与締\nめ日や給与支給日等を含む企業情報及び従業員情報を入力可能な利用企業端末のほ\nかに,1)従業員の取引金融機関,口座,メールアドレス及び支給日前希望日払いの 要求情報(周知例2),2)従業員の勤怠データ(甲7),3)従業員の出勤時間及び退 勤時間の情報(乙9)及び4)従業員の勤怠情報(例えば,出社の時間,退社の時間, 有給休暇等)(乙10)の入力及び変更が可能な従業者の携帯端末機を備えること」\nが開示されていることは認められるが,これらを上位概念化した「上記利用企業端 末のほかに,およそ従業員に関連する情報(従業員情報)全般の入力及び変更が可 能な従業者の携帯端末機を備えること」や,「上記利用企業端末のほかに,従業員\n入力情報(扶養者情報)の入力及び変更が可能な従業者の携帯端末機を備えること」\nが開示されているものではなく,それを示唆するものもない。 したがって,周知例2,甲7,乙9及び乙10から,本件審決が認定した周知技 術を認めることはできない。また,かかる周知技術の存在を前提として,本件審決 が認定判断するように,「従業員にどの従業員情報を従業員端末を用いて入力させ るかは,当業者が適宜選択すべき設計的事項である」とも認められない。 (3)動機付けについて 本願発明は,従業員を雇用する企業では,総務部,経理部等において給与計算ソ\nフトを用いて給与計算事務を行っていることが多いところ,市販の給与計算ソフト\nには,各種設定が複雑である,作業工程が多いなど,汎用ソフトに起因する欠点も\nあることから,中小企業等では給与計算事務を経営者が行わざるを得ないケースも 多々あり,大きな負担となっていることに鑑み,中小企業等に対し,給与計算事務 を大幅に簡便にするための給与計算方法及び給与計算プログラムを提供することを 目的とするものである(本願明細書【0002】〜【0006】)。 そして,本願発明において,各従業員が入力を行うためのウェブページを各従業 員の従業員端末のウェブブラウザ上に表示させて,同端末から扶養者情報等の給与\n計算を変動させる従業員情報を入力させることにしたのは,扶養者数等の従業員固 有の情報(扶養者数のほか,生年月日,入社日,勤怠情報)に基づき変動する給与 計算を自動化し,給与計算担当者を煩雑な作業から解放するためである(同【00 35】)。 一方,引用例には,発明の目的,効果及び実施の形態について,前記2(1)のとお り記載されており,引用例に記載された発明は,複数の事業者端末と,複数の専門 家端末と,給与データベースを有するサーバ装置とが情報ネットワークを通じて接 続された給与システムとし,専門家端末で給与計算サーバ装置にアクセスし,給与 計算を行うための固定項目や変動項目のデータを登録するマスター登録を行うこと などにより,複数の事業者と,税理士や社会保険労務士のような専門知識を持った 複数の専門家が,給与計算やその他の処理を円滑に行うことができるようにしたも のである。 したがって,引用例に接した当業者は,本願発明の具体的な課題を示唆されるこ とはなく,専門家端末から従業員の扶養者情報を入力する構成に代えて,各従業員\nの従業員端末から当該従業員の扶養者情報を入力する構成とすることにより,相違\n点5に係る本願発明の構成を想到するものとは認め難い。\nなお,引用発明においては,事業者端末にタイムレコーダが接続されて従業員の 勤怠データの収集が行われ,このデータが給与計算サーバ装置に送信されて給与計 算が行われるという構成を有するから,給与担当者における給与計算の負担を削減\nし,これを円滑に行うということが,被告の主張するように自明の課題であったと しても,その課題を解決するために,上記構成に代えて,勤怠データを従業員端末\nのウェブブラウザ上に表示させて入力させる構\成とすることにより,相違点5に係 る本願発明の構成を採用する動機付けもない。\n

◆判決本文

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平成29(行ケ)10061  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成29年4月12日  知的財産高等裁判所(3部)

 無効理由なしとした審決が取り消されました。取消理由は、引用文献の認定誤りです。
 そして,上記のように相違点1´を認定した場合,仮に同相違点に係る構\n成(移動体の位置検出を行うために複数の起動信号発信器を出入口の一方側 と他方側に設置する構成)が本件特許の出願時において周知であったとすれ\nば,引用発明Aとかかる周知技術とは,移動体の位置検出を目的とする点に おいて,関連した技術分野に属し,かつ,共通の課題を有するものと認めら れ,また,引用発明Aは,複数の固定無線機の設置位置を特定(限定)しな いものである以上,前記の周知技術を適用する上で阻害要因となるべき事情 も特に存しないことになる(前記のとおり,第1図に関連する「施設の所定 の部屋」を固定無線機の設置位置とする実施例の記載は,飽くまで発明の一 実施態様を示したものにすぎず,そのことにより刊行物1から「施設の各部 屋」を設置位置とする以外の他の態様による実施が読み取れないとはいえな い。)。 したがって,以上の相違点の認定(相違点1´)を前提とすれば,上記技 術分野の関連性及び課題の共通性を動機付けとして,引用発明Aに対し前記 の周知技術を適用し,相違点1´に係る本件訂正発明1の構成を採ることは,\n当業者であれば容易に想到し得るとの結論に至ることも十分にあり得ること\nというべきである。
(3) ところが,本件審決は,かかる相違点を,前記第2の3(3)イ(ア)のとおり, 「第1起動信号発信器が設けられる『第1の位置』及び第2起動信号発信器 が設けられる『第2の位置』に関し,本件訂正発明1では,『第1の位置』 が『出入口の一方側である第1の位置』であり,また,『第2の位置』が『 出入口の他方側である第2の位置』であるのに対し,引用発明Aでは,『第 1の位置』,『第2の位置』の各位置が施設の各部屋に対応する位置である 点」(相違点1。なお,下線は相違点1´との対比のために便宜上付したも のである。)と認定した上,「引用発明Aによる移動体の位置の把握は,ビ ルの各部屋単位での把握に留まる」と断定し,「刊行物1には,移動体の位 置の把握を各部屋の出入口単位で行うこと,即ち,相違点1における本件訂 正発明1に係る事項である,第1起動信号発信器が設けられる第1の位置を 『出入口の一方側』とし,第2起動信号発信器が設けられる第2の位置を『 出入口の他方側』とする点については,記載も示唆もない」から,他の相違 点について検討するまでもなく,本件訂正発明1が刊行物1発明(引用発明 A)から想到容易ではないと結論付けたものである。 これは,本来,複数の固定無線機の設置位置を特定(限定)しない(「施 設の各部屋」は飽くまで例示にすぎない)ものとして認定したはずの引用発 明Aを,本件訂正発明1との対比においては,その設置位置が「施設の各部 屋」に限定されるものと解した上で相違点1を認定したものであるから,そ の認定に誤りがあることは明らかである。 また,本件審決は,上記のように相違点1の認定を誤った結果,引用発明 Aによる移動体の位置の把握が「ビルの各部屋単位での把握に留まる」など と断定的に誤った解釈を採用した上(刊行物1にはそのような記載も示唆も ない。),刊行物1には相違点1に係る構成を適用する動機付けについて記\n載も示唆もない(から想到容易とはいえない)との結論に至ったのであるか ら,かかる相違点の認定の誤りが本件審決の結論に影響を及ぼしていること も明らかである。
(4) 以上によれば,原告が主張する取消事由2は理由がある。
(5) 被告の主張について
これに対し,被告は,刊行物1発明によって実現される作用効果からすれ ば,同発明が実現を意図しているのは,移動体がどの「部屋」(あるいは固 定無線機の設置箇所を含む一定領域)に所在するのかを把握することであり, 言い換えれば,同発明は,「固定無線機からの電波受信可能領域」(検知エ\nリア)と「その固定無線機が置かれた部屋の領域」とが,ほぼイコールであ るという認識を前提とした発明である(取消事由2に関し)とか,刊行物1 発明は大まかな範囲で対象者(物)の所在を把握することを目的とするもの である(取消事由3に関し)などと指摘して,本件訂正発明と刊行物1発明 の違いを強調し,本件審決の認定判断に誤りがない旨を主張する。 しかし,いずれの指摘も刊行物1の記載に基づかないものであり,その前 提が誤っていることは,これまで説示したところに照らして明らかであるか ら,上記被告の主張はその前提を欠くものであって採用できない。
3 以上のとおり,本件審決は,本件訂正発明1に係る相違点1の認定を誤って 同発明が想到容易ではないとの結論を導いているところ,本件審決は,本件訂 正発明2ないし7についても,実質的に同じ理由に基づいて(すなわち,本件 訂正発明2ないし5については,本件訂正発明1の発明特定事項を全て含むこ とを理由に,本件訂正発明6及び7については,相違点1と実質的に差異がな い相違点が認定できることを理由に),本件訂正発明1におけるのと同じ結論 を導いているのであるから,結局のところ,本件訂正発明全部について本件審 決の判断に取り消すべき違法が認められることは明らかである。

◆判決本文

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平成27(行ケ)10090  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成28年2月17日  知的財産高等裁判所

 相違点の認定誤りを理由として、進歩性なしとした審決が取り消されました。
 他方,引用発明は,本願発明の従来技術であるスリットによる変形作用を 前提として,スリットに相当する溝孔6の長さ方向中央部に応力的に弱い部分とし て拡大溝部6aを形成することにより,狭幅部4aを形成して,狭幅部4aをスリ ット(溝孔6)間の軸部の変形の中心点(起点)としたものである。そして,変形 区域については,軸の長さ方向でいえば,本願発明が,穴(7)を挟んで頭部(3) から雌ねじ(4)の間である(変形区域(5))のに対して,引用発明は,従来技術 におけるスリットに相当する溝孔6のある領域であると認められるところ,引用発 明は,「軸部壁の弱体化部」に相当する溝孔6のある領域全体の中で,特に応力的に 弱い部分として拡大溝部6aにより狭幅部4aを形成して,軸部の変形の中心点(起 点)としたのであって,従来技術のスリットと同様,狭幅部4aの上下に位置する 溝孔6と溝孔6の間の軸部壁6が“く”の字状に折れ曲がることにより,拡開部9 が形成されるものである。 すなわち,引用発明は,従来技術のスリット(溝孔6)において,拡大溝部6a により特に応力的に弱い部分を形成して,スリット(溝孔6)間の管状部材4を折 り曲げやすくしたものに相当すると認められる。他方,本願発明は,変形区域の中 央の周範囲に穴を設けることによって,応力的に弱い部分を形成し,折り曲げる際 の起点とするものである。そして,本願発明にいう「穴」とは,閉じられた線図で 画された部分をいい,これが応力的に弱体化部を形成するところ,これに該当する のは,引用発明では,溝孔6と拡大溝部6a両方で構成される部分ということにな\nる。 この点,被告は,引用発明の「複数の溝孔6が形成された領域」は「変形区域(5)」 に,「複数の狭幅部4a」は本願発明の「軸部壁(6)の弱体化部」に相当すると主 張するところ,本願発明における「穴」及び「穴」と「弱体化部」の関係に関する 解釈を必ずしも明確に主張していないが,少なくとも,弱体化部に相当する「複数 の狭幅部4a」は,拡大溝孔6aのみによって形成される前提と解される。しかし ながら,このような被告の主張は,「穴」全部ではなく,その一部にのみ着目し,「弱 体化部」に相当するとするものであって,前提において採用できない。 したがって,引用発明は,変形区域全体が弱体化部であり,本願発明のように, 「変形区域(5)の中央の周範囲にのみ,・・・軸部壁(6)の弱体化部を持ってい る」ものではない。よって,この点において,審決の一致点の認定には誤りがあり, 変形区域と穴の位置関係に関する相違点の看過があると認められる。

◆判決本文

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平成26(行ケ)10270  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成27年7月30日  知的財産高等裁判所

 相違点の認定誤りを理由として、補正要件を満たしていないとした審決を取り消しました。
 ・・,本願補正発明と引用発明との一致点・相違点は,次のとおりである。 <一致点> 【A】プロバイオティク構成成分,及び【F】他の構\成成分,を含む,組成物で あって,【C】前記他の構成成分及びプロバイオティク構\成成分は共に混合されてな り,【D】前記組成物は,実質的にチューインガム基質を有しない,【E】組成物。
<相違点ア>
プロバイオティク構成成分として,本願補正発明は,「切除及び洗浄されたイヌ科\n動物又はネコ科動物の胃腸管から単離された株を含み(構成A1),かつビフィドバ\nクテリウム,ラクトバシラス,及びこれらの組み合わせからなる群から選択される 属を含む細菌を含む(構成A2)」ものであるのに対し,引用発明は,そのような特\n定がされていない点。
<相違点イ>
他の構成成分として,本願補正発明は,「ソ\ルビトール,マンニトール,グルコー ス,マンノース,フルクトース,及びこれらの混合物からなる群から選択される単 糖類を含む(構成B1),甘味剤構\成成分,を含む(構成B)」ものであるのに対し,\n引用発明は,「スクロース,初乳,プレバイオティック」を含むとはされているもの の,そのような特定がなされていない点。
そうすると,相違点アのうち,構成A2の点(相違点ア´),及び相違点イを相違\n点と認定せず,これを一致点と認定した審決の一致点・相違点の判断には,誤りが あり,原告の前記主張には理由がある。 すなわち,引用された発明が「プロバイオティック」との上位概念で構成されて\nいる場合,その下位概念に「ビフィドバクテリウム,ラクトバシラス」が含まれる ものであるとしても,「ビフィドバクテリウム,ラクトバシラス」により具体的に構\n成された発明が当然に開示されていることにはならない。また,本願補正発明の「甘 味剤構成成分」と,引用発明の「プレバイオティック」とが同一成分で重なるから\nといって,両者を直ちに同一のものととらえることはできない。
(2) 被告の主張について 被告は,刊行物1に,特に好ましい「プロバイオティック」として,ビフィドバ クテリウムやラクトバシルスが例示されていること,技術常識を踏まえれば,「プロ バイオティック」の生存率を高めるために,「プレバイオティック」として例示され た中からグルコース,フルクトース,マンノースに着目することは不自然ではない として,当業者は,引用発明を,「プロバイオティック」として,ラクトバシラスア シドフィラス及びビフィドバクテリウム属の各菌のいずれかを用い,「プレバイオテ ィック」として,グルコース,マンノース及びフルクトースのいずれかを用いた発 明であると認識できると主張する。 そこで,以下,検討する。
・・・
上記のとおり,引用発明の「プレバイオティック」は,「主として大腸の末端部に 対して有益である」とされているから,少なくとも,大腸の末端部まで到達できる ものである必要がある。一方,哺乳動物において,単糖類が小腸から吸収されるこ とは技術常識である。そうすると,当業者が,引用発明の「プレバイオティック」 として,グルコース,マンノース,フルクトースのような単糖類を用いていると認 識するとは直ちにいえない。そして,刊行物1に列挙された「プレバイオティック」 は,前記のとおり多岐にわたっているから,これらの「プレバイオティック」のい ずれと「プロバイオティック」との組合せが,引用発明に作用効果を導いたのかは 判然とせず,当業者が,引用発明「プロバイオティック」と「プレバイオティック」 は,刊行物1に記載されたもののいかなる組合せであってもよいと認識するとはい えない。

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平成26(行ケ)10237  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟  平成27年5月12日  知的財産高等裁判所

「・・姿勢にあるとき,〜後縁の最後方位置が,〜〜と比較して前方に位置するものではない」という相違点があるとして、進歩性違反なしとした審決が維持されました。
 以上のことから,相手コネクタ33は,回転中心突起53が溝部49に形成された肩部56のケーブル44側に当接している状態(甲1の第3図の状態)では,コネクタ突合方向の軸線に対してある角度をもった状態,すなわち,相手コネクタ33の前端がもち上がって,上向き傾斜姿勢にある状態であり,この状態から相手コネクタ33を回転させ,嵌合終了状態にしていることがわかる。このときの回転の中心は回転中心突起53であるから,回転中心突起53の断面が円形であるとすると,相手コネクタ33の回転の前後で,回転中心突起53の最後方位置(ケーブル44側の位置)は変わらないことになる。そして,甲1の第3図の記載,回転中心突起56は,肩部56の中で回転するときの中心となるものであり,相手コネクタ33が円滑に回転するように形成されていると解されることや,回転させる前後及びその途中において,相手コネクタ33がコネクタ31に対して上下左右方向に移動できるような隙間が回転中心突起53と肩部56との間に生じるのはコネクタ同士の確実な嵌合という観点から見て望ましいものではないことを考慮すると,回転中心突起53の断面の形状は,基本的には円形が想定されていると考えられる。 もっとも,円滑な回転動作やコネクタの確実な嵌合に支障が出ない限度で,回転 中心突起53の断面が円形以外の形状となることも許容されているものと解される。そして,回転中心突起の断面が円形でない場合には,その形状に応じて回転中心突起53の最後方位置が相手コネクタ33の回転の前後で変わることになるが,甲1にはそのような事項は記載されていないのであって,回転によって,回転中心突起53の最後方位置が回転前に比較して後方に位置するという技術思想が記載されているとはいえない。 したがって,甲1発明は,コネクタ31から相手コネクタ33が外れることを防止するために,回転中心突起53が肩部56の上面に当接して,相手コネクタ33がコネクタ31に対して上方へ動くのを防いでいるものであるが,回転中心突起53の上方に肩部56の上面が位置するように,相手コネクタ33が傾斜している状態で肩部56の前側から後側(ケーブル側)へ回転中心突起53を移動させているものであって,相手コネクタ33の回転により回転中心突起56の最後方位置が後方(ケーブル側)へ移動するものではないから,甲1発明は回転中心突起56の断面形状に関する事項を特定した発明ではないと考えられる。
イ 対比
以上を前提に,本件発明3と対比すると,甲1発明は,「コネクタ嵌合過程にて上記ケーブルコネクタの前端がもち上がって該ケーブルコネクタが上向き傾斜姿勢にあるとき,上記ロック突部の突部後縁の最後方位置が,上記ケープルコネクタがコネクタ嵌合終了姿勢にあるときと比較して前方に位置」するものではないという点において,本件発明3と相違する。したがって,回転中心突起53の形状を円柱状に限定した審決の甲1発明の認定の当否にかかわらず,相違点を肯定した審決の判断に誤りはない。

◆判決本文

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平成26(行ケ)10237  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成27年5月12日  知的財産高等裁判所

「・・姿勢にあるとき,〜後縁の最後方位置が,〜〜と比較して前方に位置するものではない」という相違点があるとして、進歩性違反なしとした審決が維持されました。
 以上のことから,相手コネクタ33は,回転中心突起53が溝部49に形成された肩部56のケーブル44側に当接している状態(甲1の第3図の状態)では,コネクタ突合方向の軸線に対してある角度をもった状態,すなわち,相手コネクタ33の前端がもち上がって,上向き傾斜姿勢にある状態であり,この状態から相手コネクタ33を回転させ,嵌合終了状態にしていることがわかる。このときの回転の中心は回転中心突起53であるから,回転中心突起53の断面が円形であるとすると,相手コネクタ33の回転の前後で,回転中心突起53の最後方位置(ケーブル44側の位置)は変わらないことになる。そして,甲1の第3図の記載,回転中心突起56は,肩部56の中で回転するときの中心となるものであり,相手コネクタ33が円滑に回転するように形成されていると解されることや,回転させる前後及びその途中において,相手コネクタ33がコネクタ31に対して上下左右方向に移動できるような隙間が回転中心突起53と肩部56との間に生じるのはコネクタ同士の確実な嵌合という観点から見て望ましいものではないことを考慮すると,回転中心突起53の断面の形状は,基本的には円形が想定されていると考えられる。 もっとも,円滑な回転動作やコネクタの確実な嵌合に支障が出ない限度で,回転 中心突起53の断面が円形以外の形状となることも許容されているものと解される。そして,回転中心突起の断面が円形でない場合には,その形状に応じて回転中心突起53の最後方位置が相手コネクタ33の回転の前後で変わることになるが,甲1にはそのような事項は記載されていないのであって,回転によって,回転中心突起53の最後方位置が回転前に比較して後方に位置するという技術思想が記載されているとはいえない。 したがって,甲1発明は,コネクタ31から相手コネクタ33が外れることを防止するために,回転中心突起53が肩部56の上面に当接して,相手コネクタ33がコネクタ31に対して上方へ動くのを防いでいるものであるが,回転中心突起53の上方に肩部56の上面が位置するように,相手コネクタ33が傾斜している状態で肩部56の前側から後側(ケーブル側)へ回転中心突起53を移動させているものであって,相手コネクタ33の回転により回転中心突起56の最後方位置が後方(ケーブル側)へ移動するものではないから,甲1発明は回転中心突起56の断面形状に関する事項を特定した発明ではないと考えられる。
イ 対比
以上を前提に,本件発明3と対比すると,甲1発明は,「コネクタ嵌合過程にて上記ケーブルコネクタの前端がもち上がって該ケーブルコネクタが上向き傾斜姿勢にあるとき,上記ロック突部の突部後縁の最後方位置が,上記ケープルコネクタがコネクタ嵌合終了姿勢にあるときと比較して前方に位置」するものではないという点において,本件発明3と相違する。したがって,回転中心突起53の形状を円柱状に限定した審決の甲1発明の認定の当否にかかわらず,相違点を肯定した審決の判断に誤りはない。

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平成26(行ケ)10103  審決取消請求事件  特許権  行政訴訟 平成26年12月24日  知的財産高等裁判所

 本件発明と引用文献との相違点に認定に誤りがあるとして、進歩性なしとした審決を取り消しました。
 以上のとおり,審決は,甲3発明においては,回転ドラム本体内の湿度調整が行われているか明らかではないにもかかわらず,湿度調整をしているかどうかという相違点を看過したものといえる。 原告は,相違点6として,「本件発明3は,「前記製麹原料の攪拌が,前記回転ドラム本体の回転により生じる原料層の傾斜面からの落下により行われ」,「温度及び湿度が任意に調整された前記回転ドラム本体内で前記製麹原料が前記傾斜面から順次落下する時に,前記回転ドラム本体内の空気に触れることにより熱交換が行われ」るのに対し,甲3発明は,ドラムの回転中に温度及び湿度の調整が行われているかは不明であり,また,原料層の傾斜面からの落下による攪拌,及び製麹原料が傾斜面から順次落下する時に熱交換が行われているかも不明である点。」があると主張する。原告の主張する相違点6の中の温度管理の点のうち,最初の室温及び回転ドラム本体内の温度を共に製麹開始温度とする点は相違点2,それ以降の回転時における上昇した温度の調整の点は相違点4の中に含まれていると評価することができるが,湿度調整の有無という相違点について,審決はどの相違点においても実質的に挙げているとはいえないから,この限度で原告の指摘は正当なものである。そして,上記相違点の看過が,本件発明3の進歩性判断に影響を与える可能性があるから,取消事由1は,その限度で理由がある。\n

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平成23(行ケ)10335 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年09月12日 知的財産高等裁判所

 進歩性なしとした審決が維持されました。得異な効果も発明の構成に基づくものではないとして採用されませんでした。
 原告は,相違点3及び4は,相互に密接に関連しており,それらを組み合わせた効果も相乗的なものであるから,これを分断して判断したことは,進歩性判断の誤った手法によるものであると主張する。相違点3は,本願発明の走査方法が点順次走査であることに関し,相違点4は,点順次走査を前提とした上で,標本化定理を尊重した検出周波数の選定に関するものであることから,両者は,点順次走査という点で一定の関連性を有するものである。しかしながら,標本化定理は,本来,画像の復元性の保証という観点から走査方法の如何を問わず考慮されるべき基本的事項であって,走査方法とは技術的観点が異なるから,相違点3及び4を別々に判断したとしても,誤りがあるとはいえない。また,本件審決は,相違点4の判断において,相違点3及び4をあわせ,全体として総合的に効果の点も含めて,容易想到性を判断したのであるから,原告の上記主張には理由がない。
 イ 原告は,本願発明の特徴は,リアルタイムで「高品質」の画像形成を可能にするために,「解像度」と「フレーム・レート(リアルタイム)」と「感度」という互いに相反する3つのパラメータの間に適切なバランスを新たに提供するものであると主張する。本願発明は,本願明細書に記載されたとおり,「リアルタイム表\示」すると同時に「画像の品質を最適化」,特に「高解像度化」することを目的とし,その目的を達成するために,本願発明の構成を採用し,特定したものである。しかしながら,本願発明の特許請求の範囲には,リアルタイムで「高品質」の画像形成を可能\にするための「解像度」と「フレームレート(リアルタイム)」と「感度」の間の適切なバランスを特定することについても,リアルタイム性を表す「フレームレート」,画像の品質を表\す「解像度」及び「サンプリング周波数」が具体的な高い値として得られることについても,何ら特定されてはいない。本願発明は,「数千本の光ファイバ」及び「リアルタイムで使用するに充分な毎秒画像数の取得に対応する速度」という発明特定事項を有するものの,上記発明特定事項だけからでは,従来実現していなかった,あるいは,従来知られていなかった,「解像度」と「フレーム・レート(リアルタイム)」と「感度」の組合せが実現できる発明が特定されているとはいえない。そうすると,原告の上記主張は,特許請求の範囲に基づくものではなく,失当である。

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平成23(行ケ)10314 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成24年03月22日 知的財産高等裁判所

 相違点の認定が誤りであるとして、進歩性なしとした審決が取り消されました。
 本件訂正発明における「原料の表面を該無機質粘結材で被覆し」における「被覆」とは,原料の表\面の一部分に無機質粘結材が存在する程度では足りず,炭化炉内に酸素が供給された状態であっても酸化を抑制して炭化させることができる程度に原料の表面を覆うが,他方,原料に着火でき,原料のガス成分を燃焼できる程度を超えるほどには原料の表\面を覆わないことを意味するものと解される。これに対し,上記刊行物1の記載によれば,引用発明は,ロータリーキルンにて炭化処理して粒状化したパルプ廃滓をコークス代用成分として配合使用した豆炭,煉炭等の固形燃料に関する発明であり,i)パルプ廃滓は,予め圧搾プレス処理してケーキ状に脱水したものをロータリキルンへ装入するのが好ましいこと,ii)ベントナイト等のバインダを添加しなくても,所定の収率で炭化物が得られるが,炭化物の微粉化を避け,比較的そろった粒状物を得るため,及びその収率を向上させるため,パルプ廃滓に予め0.5〜3.0%程度,水ガラス,でんぷんのり,ベントナイト等のバインダを添加すると有効的であること,iii)生成される粒状炭化物の結晶構造は多孔質であり,空気を豊富に含有することから,燃焼時にその含有空気が寄与して不完全燃焼のおそれがないことが認められる。以上によれば,引用発明は,炭化した際の微粉化を避け,比較的そろった粒状物を得るため,水ガラス,でんぷんのり,ベントナイト等をバインダとして添加するものであり,微粉化が避けられる結果,収率の向上が図られるものと理解することができる。したがって,引用発明において,原料であるパルプ廃滓とベントナイト等のバインダが混練された結果,パルプ廃滓の表\面にベントナイト等が一部存在しているとしても,ベントナイト等を用いてパルプ廃滓を被覆することにより,炭化炉内に酸素が供給された状態であっても酸化を抑制して炭化させることができる程度に原料の表面を覆っていると認めることはできない。上記のとおり,引用発明は,脱水したパルプ廃滓の表\面をベントナイト等で被覆しなくても酸化が抑制され炭化することができるものであり,本件訂正発明の上記炭化方法とは,その技術的意義を異にする。したがって,本件訂正発明の相違点1及び4に係る構成は,実質的な相違点とはいえないとした審決の判断には,誤りがあり,また,本件訂正発明の相違点1及び4に係る構\成に至ることが容易であるということもできない。

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平成23(行ケ)10182 審決取消請求事件(特許) 特許権 行政訴訟 平成24年02月21日 知的財産高等裁判所

 CS関連発明について、進歩性否定されました。
 この点に関し原告は,「本願発明は,患者の問診情報を診察部門だけでなく管理,受付部門および待合室の端末機で利用することにより,例えば本願の願書に添付した明細書の段落【0023】に記載されているように診察の準備や優先的な誘導など診察までの手続などを効率よく行うことができるものであり,単に院内に多数の端末を設けて情報の使用を図るというものではないのに対して,引用例2に記載の発明では問診事項に特化したサーバの記載はなく,受付部門に端末がないことからも引用例2に記載の発明の端末機構を引用発明に適用しても本願発明の相違点1にかかる構\成とすることはできない」と主張する。しかし,本願明細書の段落【0023】の記載を考慮しても,本願発明は,端末機が「管理,受付部門,診察室および待合室にそれぞれ設けられ」,及び「入力された個人情報および受診情報(問診情報)は,医療機関のサーバへ送信されるとともに診察室に設置された端末機に送信される」との事項で特定されるにとどまるものであって,個人情報および受診情報が,管理,受付部門の端末機に送信されて,診察の準備や優先的な誘導などの診察までの手続を行うことまで特定されているとは認められない。

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平成22(行ケ)10408 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成23年08月25日 知的財産高等裁判所

 進歩性なしとした審決が相違点に至る容易想到性が誤っているとして、取り消されました。
 本願発明は,前記認定のとおり,羽根車とケーシングライナーとの隙間を大きくすることなく,ポンプ効率を低下させないで羽根車に絡み付く異物を除去し,ポンプ内をスムーズに通過させるために,ケーシングライナーの内周に異物捕捉体としての凸部材を設け,捕捉された異物を羽根車の間を通過させることをその技術内容とするものである。また,引用発明1は,前記認定のとおり,ポンプ性能を効率的に得るためには,羽根先端とケーシングあるいはケーシングライナーとの間の間隙を十\分小さく設定する必要があることを前提として,そのような設定をした場合,間隙内に汚水中の塊状固体をかみ込み,ポンプ性能が減少することから,ケーシングライナーの内周に異物捕捉体としての溝を設け,汚水中の塊状固体を羽根先端とケーシングライナーとの間にかみ込んだ場合,この塊状固体を,羽根先端によって溝内に押し込み,溝を経て吐出口側に吐出させることをその技術内容とするものである。さらに,引用発明2は,ケーシングライナーの内周の捩り羽根の外縁に近接させて異物切断用のカッターを配置することにより,流入した異物を捩り羽根の回転によってカッターに押し付けて切断し,異物がポンプを詰まらせることを防止することをその技術内容とするものである。イ そうすると,本願発明,引用発明1,引用発明2は,いずれもポンプの羽根に絡み付く異物を除去してポンプ内を通過させることをその技術内容とするものであるが,本願発明は,その手段として,ケーシングライナーの内周に凸部材を設けることにより,異物を引っ掛けて捕捉して羽根から取り除き,さらに異物を羽根と羽根の間を通過させてポンプ外に排出させる構成を有することをその技術的特徴とするものであるということができる。これに対し,引用発明1は,溝に異物を押し込んで捕捉し,溝内を通過させる構\成を有するものであり,本願発明1とは,異物捕捉体の具体的構成及び捕捉後の異物の排出方法が異なるものである。さらに,引用発明2は,ケーシングライナーの内周にカッターを設けるものであり,当該カッターは突起形状を有するものの,あくまで異物を切断する目的で設けられた部材であって,異物を引っ掛けて捕捉することを目的として設けられた構\成ではない。
 ウ したがって,本願発明は,異物捕捉体として,引用発明1のように,異物を押し込んで排出する溝や,引用発明2のように,異物を切断して排出するカッターを設けることなく,凸部材を設けるだけで,異物を引っ掛けて捕捉し,羽根と羽根の間を通過させて排出する構成を有する点に,その技術的な特徴を有する発明であるというべきであって,引用発明1及び2とは,異なる技術思想を有するものということができる。また,引用発明1の「溝」に換えて,引用発明2のカッターから刃を除いた「凸部材」の構\成を採用することは,動機付け欠くものというほかない。よって,相違点に係る構成は,当業者が容易に想到し得たものということはできない。\n

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平成22(行ケ)10271 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成23年05月30日 知的財産高等裁判所

 無効審決(不成立)が取り消されました。
 上記のとおり,甲1には,S2ないしS4の経過時間においては,タイマ15dの起動によって,タイマ15dで設定した経過時間の間は,ボウル部用弁機構17の開状態が保たれており,その間にボウル部3とタンク10への洗浄水の供給が行なわれており,使用者が再度操作部16のスイッチを操作して洗浄を開始しようとしても,上記経過時間が経過しない時点では,洗浄開始信号は受け付けないという技術が開示されている。この点,甲1には,洗浄水の供給をタイマ15dで設定した時間が経過しない状態で終了させることは記載されていない上,仮にそのような状態で終了した場合には,溜水水位が隔壁2の下端より高くならず,上記サイホン状態を生じさせることができず,汚物・汚水の排水が行なわれなくなるから,上記経過時間が経過しない間に洗浄開始信号を受け付けるとの構\成を採ることは,技術常識に反する。また,同様に,ポンプが駆動停止した(S7)後,S8ないしS10の経過時間においても,タイマ15dで設定した経過時間の間は,ボウル部用弁機構17の開状態が保たれており,その間にボウル部3とタンク10への洗浄水の供給が行なわれており,使用者が再度操作部16のスイッチを操作して洗浄を開始しようとしても,上記経過時間が経過しない時点では,洗浄開始信号は受け付けられないものと解される。そうすると,甲1には,タイマの働きにより,タンクに洗浄水を再充てんするため,一定時間の後れを設定し,その間,ポンプの動作を停止する技術が開示されているから,本件発明1の「前記制御手段(80)は前記ポンプの最後の動作後一定の遅延時間前に前記ポンプ(18)が作動するのを防止する時間遅延手段を有している」といえる。
・・・
 以上のとおり,被告の上記主張は採用することができず,甲1発明は,本件発明 1の「前記制御手段(80)は前記ポンプの最後の動作後一定の遅延時間前に前記 ポンプ(18)が作動するのを防止する時間遅延手段」を有している。したがって, 審決には,本件発明1の甲1発明との相違点1について認定の誤りがあり,同認定 の誤りは,結論に影響を及ぼす違法があることとなる。

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平成22(行ケ)10060 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年11月29日 知的財産高等裁判所

 記載不備違反については無しとしたものの、当該構成については容易として、進歩性違反なしとの審決が、取り消されました。
 遺体の肛門筋が弛緩することは,例えば特開2003−111830号公報(甲48)に記載されるように,当業者にとって自明の事柄又は技術常識であるといえる。そうすると,遺体の肛門内に吸液剤を挿入することで体液の漏出を防止しようとする場合,筋が弛緩する肛門部分にのみ吸液剤を挿入したのでは,吸液剤が漏出してしまうことになるから,吸液剤を肛門の奥の直腸まで挿入するようにすることは,当業者であれば容易に想到し得るものというべきである。そして,実用新案登録第3056825号公報(甲5)には,吸液剤供給管を肛門内に挿入しやすいように形成するとの記載があるから(段落【0006】),上記の自明の事項や技術常識を勘案し,甲5発明の吸液剤収納容器の一端開口部側に当たる吸液剤供給管を「肛門から直腸に挿入されるように形成される」ようにすることは,当業者にとって適宜なし得る事項というべきである。・・・本件発明の構成e2については,上記1(2)で説示したとおり,肛門への挿入前,すなわち遺体処置装置の使用前に吸水剤が案内部材の外部に出ることが抑制されていれば,どのような形状・構造であってもよいと解され,これには別部材を用いて抑制する場合も含まれると解される。そして,吸水剤を収容する容器に漏出防止用のキャップを用いることは特開2001−288001号公報(甲6)の請求項17に記載されるように周知であるか,当業者にとって適宜なし得る事項であるといえる。また,特開2001−288001号公報(甲6)記載の体液漏出防止装置も甲5発明も,遺体の肛門等から体液が漏出するのを防止するため,肛門等から吸水剤を充填するという同一の技術分野に関するものである。したがって,甲5発明に上記の技術事項を付加して,「肛門への挿入前に吸水剤が案内部材の外部に出るのを抑制するように構\成する」ことは,当業者にとって容易に想到し得るというべきである。審決は,(無効理由5の判断部分ではあるが,)本件発明の構成e2については,別部材により吸水剤が外部に出るのを抑制する構\成が含まれることを認めていながら,原告主張の文献である特開2001−288001号公報(甲6),特開平10−298001号公報(甲7)及び特開平7−265367号公報(甲8)に関しては,別部材による抑制が容易かどうかの検討を行っておらず,誤りがある。

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平成21(行ケ)10289 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成22年08月31日 知的財産高等裁判所

 相違点の認定誤りがあるとして、進歩性なしとの審決が取り消されました。
 相違点2中の「前記サンプル上の前記焦点から前記光学部品へ向う前記蛍光X線が前記光学部品にほとんど全て当たる」との構成が,引用発明から容易に想到することができるとした審決の判断の当否を検討する。特許請求の範囲(請求項1)の記載によれば,本願発明の「単色集光光学部品(140/240)」は,少なくとも1つの「二重湾曲回折光学部品」を有し,その「二重湾曲回折光学部品」は,「点SをX線源の位置,点Iを焦点,Rを点Iと点Sを含む集束円の半径として,集束円の面において2Rの曲率半径を有し,セグメントSIに垂直な中間面において2Rと異なる曲率半径を有する」ものであるとともに,「二重湾曲単色光学部品」を有し,その「二重湾曲単色光学部品」は「一重湾曲の光学部品よりも大きな集光立体角で前記サンプル上の前記焦点から前記光学部品へ向う前記蛍光X線が前記光学部品にほとんど全て当たり,ブラッグ角度条件を用いて前記蛍光X線を単色化する」ことを構\\成要件としている。そして,上記「二重湾曲単色光学部品」の構成部分に着目するならば,「前記光学部品」は「二重湾曲回折光学部品」を指すものであり,かつ「前記蛍光X線」はX線放射源からのX線放射を集光して当該X線放射をサンプル上の焦点に集束させることで,サンプルの分析物を刺激して発生したものであるということができるから,「前記サンプル上の前記焦点から前記光学部品へ向う前記蛍光X線が前記光学部品にほとんど全て当たり」という構\\成は,単に,二重湾曲単色光学部品が発揮する機能を一般的に記載したにすぎないと解するのは妥当といえない。同構\\成は,サンプル上の焦点から発生し,単色集光光学部品を有する二重湾曲回折光学部品へと向かう「蛍光X線」のほとんど全てが二重湾曲回折光学部品に当たること,すなわち,本願発明の波長分散蛍光X線分光(WDS)システム全体からみた,サンプルから発生し二重湾曲回折光学部品へと向かう「蛍光X線」の態様ないし挙動を限定した記載と解するのが合理的である。これに対して,審決は,相違点2についての容易想到性の判断として,「集光効率の良い光学部品を用いようとすることは,周知の事項であるので,当業者が必要に応じて適宜成し得る設計事項にすぎない」とのみ理由を示している。同記載部分は,「一重湾曲の光学部品よりも大きな集光立体角」であるとの構成部分が容易想到であることの理由付けということはできたとしても,「前記サンプル上の前記焦点から前記光学部品へ向う前記蛍光X線が前記光学部品にほとんど全て当たり」との構\\成部分が容易想到であることの理由付けということはできない。

◆判決本文

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平成21(行ケ)10080 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年12月22日 知的財産高等裁判所

 進歩性なしとした審決が、相違点の認定誤りを理由として取り消されました。
 「しかしながら,前記(2)認定のとおり,参考例2に示された関節部位に適用されるサポータにおいて,X状になっているのは,関節部分に使用するサポータの形状であり,電熱片(電熱線)そのものがX状に布設されているわけではない。そして,参考例2のサポータの使用方法としては,X状に裁断されたサポータの交点で関節を覆い,関節を挟んだ各片同士を接続することにより,サポータを身体に装着するもの,具体的には,例えば肘に装着する場合,肘の外側にサポータにおけるX状の交点をあてがい,上腕側,下腕側にそれぞれ位置する2つの片同士を,互いに腕に巻き付けて上腕側片同士,下腕側片同士を相互に接続することにより,肘に装着するものと認められるのである。参考例2に示されたサポータは,上記のように装着することにより,肘の折り曲げ部内側にはサポータ片が存在しないため,肘を屈伸しても,サポータが障害とならないことから,参考例2のサポータは,活発に活動する関節部位の使用に適合するとされ,またそのためにサポータの全体形状がX状とされているものと解される。ウ 他方,前記(1)認定の事実によれば,本件補正発明のヒートセルがX字型に隔離して配設されているのは,身体のねじりのような斜め方向の曲げに対して,ヒートセルが障害とならず,全体形状としては長方形に近い温熱身体ラップが,ねじりに追随して曲がりやすいことを意味し,これにより身体の様々な領域に順応することができるとされているものと解される。エ 上記イ,ウのとおり,参考例2のサポータが全体形状としてX状であることと,本件補正発明の全体形状としては長方形に近い身体温熱ラップにおいて,ヒートセルがX字型に隔離して配設されることは,X状ないしX字型といっても,その意義ないし機能は本質的に異なるものであり,またそれにより身体の適用可能\\な部位も異なることになる。このように,X状ないしX字型に関する両者の意義ないし機能が異なるのであるから,参考例2における,内部に電熱線が均一に布設されたサポータが全体形状としてX状にされている構\\成のうち,「X状」という技術事項のみを取り出し,本件補正発明の身体温熱ラップ内に存在するヒートセルの配設の形態に適用する動機付けは存在せず,引用発明1に参考例2を適用して,相違点2に係る構成とすることはできないといわざるを得ない。オ本件審決は,「使用者が装着している時,使用者の身体または各部位のさまざまな領域の運動に順応することは,当然に要求される事項」とした上,「そのような目的の配置として,X字型の配設は,従来周知」として,参考例2を挙げるが,参考例2をもって,上記周知技術ということはできない。そして,他に,上記事項が周知であることを認めるに足りる証拠はない。カ したがって,引用発明1に周知技術を適用して相違点2に係る構\\成を想到することが,当業者にとって容易であるとした本件審決の判断は,誤りといわなければならない。

◆判決本文

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平成20(行ケ)10405 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年09月01日 知的財産高等裁判所

 設計事項なので当業者にとって容易である、とした審決が取り消されました
 「引用例の記載によると,引用発明におけるインクカートリッジは,インクカートリッジホルダに接合する面が長方形であるものを想定していると認められるところ,その長方形の内部において,インク導入口のような他の必要な部材と共に回路基板及び開口穴を配置しようとする場合,これらの部材をスペースに余裕のある長手方向に配列しようとするのが自然な発想であり,あえて短手方向に複数の部材を配置しようとするには,何らかの示唆に基づくそれなりの動機付けを必要とするというべきである。したがって,引用発明において,回路基板と開口穴とを近傍に配置しようとしたからといって,必ずしも本件補正発明の相違点に係る構成を採用することとなるわけではない。これに対し,本願明細書の記載によると,本件補正発明において,本件相違点に係る構\成が採用されたのは,接続電極部における位置ずれを極めて小さくし,製造のばらつきによる位置決め部を中心とする上下の回動による影響も最小限に抑えようとの動機に基づくものであると認められるところ,上記(1)のとおり,そもそも引用発明が課題として製造のばらつきを意識したものであるとは認められないし,引用例における位置決め機構に関する上記3の記載や他の記載において,本件相違点に係る構\成を示唆する記載が存在するとは認められない。そうすると,引用発明に基づいて,本件補正発明との本件相違点に係る構成を採用することは,当業者にとって単なる設計事項であるということはできないというべきである。」

◆平成20(行ケ)10405 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年09月01日 知的財産高等裁判所

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平成20(行ケ)10345 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年08月31日 知的財産高等裁判所

 周知技術であるとした認定を誤りを理由として進歩性なしとした無効審決が取り消されました。
 「上記各記載によれば,周知例1ないし3においては,いずれも膨縮袋により手又は足の両側から挟持して空圧施療するために膨縮させる事項が開示されている。しかし,各周知例は,いずれも,肘掛部上面に形成された膨縮袋群は,内側他端の立ち上がりによって肘掛部上面の肘幅方向内側の先端部を隆起させて肘掛部上に人体手部を安定的に保持させるとの構成は示されていない。すなわち,(ア) 周知例1(甲12)は,従前のマッサージ機では施療部を押し上げるようにしてマッサージし,拡縮袋の膨張時に施療部が前方へ押し出されるという課題があったため,拡縮体を施療部の左右両側に分割配置してこの課題を解決しようとするものであり,被施療部を安定的に保持させるという課題は存在しない。(イ) 周知例2(甲17)は,底面と底面の左右両側から立設された側壁を備えた1つの凹状脚収納部内に使用者の両脚を左右並べて収納し(脚の後方部が底面と接し,脚の両外側が左右両面と接する),空気の給排により膨張収縮して凹状脚収納部に収納された両脚の側部を押圧する側面エアセルが両側壁の内面に設けられた脚用空気マッサージ機に関するものであって,底面に設けられた底面エアセルの膨張収縮により両脚の後方側を押圧してマッサージするものである。周知例2は,側面エアセルからの押圧は脚の形状に沿って側方から押圧し,底面エアセルの押圧は,脚の形状に沿って後方から押圧する構成が採用されている。両脚は,一つの凹状収納体に,縦方向に収納されるため,底面エアセルによって,安定的に保持して脱落を防止するという技術的課題はない。(ウ) 周知例3(甲22)は,使用者の手部及び下腕部を両側から挟持してマッサージするものであって,被施療部を安定的に保持させるという技術的課題に対応しようとするものではない。(3) 小括以上の検討によれば,引用発明1と引用発明2の組合せに周知技術を考慮したとしても,本件肘掛部上面に膨縮袋からなるマッサージ部を配置し,膨縮袋により肘掛け部全面を持ち上げてマッサージし,かつ,手部を立上り壁に配置された膨縮袋との間で挟持して保持する構成とすることには想到し得たとしても,膨縮袋を手部の安定的保持の機能\のための構成とし,「肘掛部の上面に配設した膨縮袋群は,圧縮空気給排装置からの給気によって膨縮袋群の肘幅方向の外側一端よりも内側他端が立ち上がるように配設され,前記膨縮袋の内側他端の立ち上がりによって肘掛部上面の肘幅方向の先端部を隆起させて肘掛部上に人体手部を安定的に保持させ」る構\成とすることには当業者が容易に想到し得ないものというべきである。」

◆平成20(行ケ)10345 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年08月31日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10396 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年06月30日 知的財産高等裁判所

 進歩性なしとした無効審決が、引用文献との相違点の認定誤りを理由として取り消されました。
  「前記2のとおり,本件発明1における「破砕片」は,表面に表\飾のための凹凸が施された塩化ビニールシートに紙製シートを貼り合わせて成る壁紙の廃材を細かく破砕したものであって,表\面に上記凹凸を残存する塩化ビニール片と紙片の貼り合わせ構\造を有し,塩化ビニール片の上記凹凸面が対面して通水路を形成し,該通水路内に繊維状吸水材又は粉粒状吸水材を保持した構造を有するものであるから,シート形態を残存するものである。そして,前記2(2)カのとおり,本件特許明細書(段落【0037】〜【0039】)には,破砕機を用いて壁紙を破砕することが記載されており,このような方法が本件発明1の技術分野で通常用いられる破砕方法と考えられる。一方,前記3(2)のとおり,甲第1号証発明は「3mm以下の粒度の表面がプラスチック材料被膜で覆われているラミネート加工紙廃材の粉砕物」を含むものであるが,証拠(牛乳パックの外観写真と拡大断面写真[甲29],技術説明資料[甲35])及び弁論の全趣旨によれば,表\面がプラスチック材料被膜で覆われているラミネート加工紙である紙製牛乳パックを,破砕機で3mm以下に粉砕した粉砕物は,紙の部分がプラスチックフィルムの部分よりもはるかに厚いため,短繊維状に離解されて,シート原形を留めない粉末状又は綿状のものになり,シート形態を残存しないものと認められる。そうすると,本件発明1における「破砕片」と甲第1号証発明における「粉砕物」とは,上記のとおりシート形態を残存するかどうかという点に違いがあるということができる。・・・・(3) 審決は,<相違点2>として,「本件発明1は,粗粒状体が『壁紙を細かく破砕し形成した表面に上記凹凸を残存する塩化ビニール片と紙片の貼\り合わせ構造を有する破砕片を組成材とする』のに対し,甲第1号証発明は,粒体が『粉砕物を含有』するものであり,かかる『粉砕物』について,表\面に凹凸を残存する塩化ビニール片と紙片の貼り合わせ構\造を有する破砕片であることの特定がない点。」と認定し,<相違点3>として,「本件発明1は,『粗粒状体中の塩化ビニール片の上記凹凸面が対面して通水路を形成し,該通水路内に上記繊維状吸水材又は粉粒状吸水材を保持した構造を有する』のに対し,甲第1号証発明は,かかる構\造の特定がない点。」と認定しているが,上記(1)(2)で述べたところからすると,単に特定がないというにとどまらず,上記(1)(2)認定のような形状の違いがあることを認定すべきであったということができる。」

◆平成20(行ケ)10396 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年06月30日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10444 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年07月30日 知的財産高等裁判所

 相違点の認定誤りを理由として、進歩性なしとした審決が取り消されました。
     「本願補正発明に係る請求項の記載によれば,「内面シート」,「外面シート」及びこれらに挟まれた「液吸収体」とを有する「積層体」によって「袋体」が形成されるとともに,当該「袋体」は「身体装着側」と「身体装着側に対向する裏側」とを有し,「身体装着側」には「開口部」が形成され,「開口部を囲む領域」と「これ以外の領域」との境に,液吸収体を薄くし又はこれを除去した「変形境界部」が形成されるものである。以上からすれば,「開口部を囲む領域」は,当然に,上記「袋体」の一部と解されるため,「内面シート」,「外面シート」及び「液吸収体」を有する「積層体」で形成されていることになる。(イ) 他方で,被告が主張するとおり,液吸収体を有する積層体において,端部にシール部がないと液が端部から漏れるおそれがあることは技術常識といえるため,このような積層体はシール部を有することが通常であるものと解される。そして,本願補正発明においても,「開口部」を囲む部位は積層体の端部となるので,「袋体」の「開口部」を囲む部位にはシール部が必要であると解され,現に,開口部20の周囲には「縁部17」(シール部)が存在する(前記(2)ク,ケ参照)。しかし,前記(ア)で検討したとおり,本願補正発明の請求項の記載によれば,「開口部を囲む領域」は,「内面シート」,「外面シート」及び「液吸収体」を有する「積層体」で形成されるものである。仮に,シール部が「開口部を囲む領域」の一部に該当すると解する余地があるとしても,被告が主張するように,「開口部を囲む領域」が,液吸収体が全く存在しない単なるシール部でもよいと解するのでは,特許請求の範囲の請求項に「『開口部を囲む領域』が『液吸収体』を有する『積層体』によって形成される」旨が記載されていることが無意味になるから,被告の上記主張は採用できない。(ウ) 以上のとおり,本願補正発明に係る尿取りパッドにはシール部が存在するが,本願補正発明における「開口部を囲む領域」とは,液吸収体を有する積層体で形成されている領域であって,基本的にシール部以外の領域を指す(仮に「開口部を囲む領域」がシール部を含むとしても,少なくともシール部以外の「液吸収体を有する積層体」で形成される部分を主たる構成部分とする。)ものと解するのが相当である。

◆平成20(行ケ)10444 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年07月30日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10305 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成21年03月25日 知的財産高等裁判所

  進歩性なしとした無効審決を取り消しました。
   「引用発明は,シール帯域内に合成樹脂溜まり部を設けて,熱融着に寄与するポリエチレン樹脂の量を確保することにより,「接合強度を維持」するようにしたものであるから,単に,「溝を設けた部分に形成される合成樹脂溜まり部を非溶着の熱シールされない部分とする」ことを開示する周知例(甲2,3)を指摘することによって,その周知の技術を適用して,引用発明とは異なる解決課題と解決手段を示した本願発明の構成に至ることが容易であるということはできない。引用発明は,接合強度維持を目的とした技術であるのに対し,周知技術は,接合強度維持に寄与することとは関連しない技術であるから,本願発明と互いに課題の異なる引用発明に周知技術を適用することによって「本願発明の構\成に達することが容易であった」という立証命題を論理的に証明できたと判断することはできない。」

◆平成20(行ケ)10305 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成21年03月25日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10064 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成21年03月11日 知的財産高等裁判所

  進歩性なしとした無効審決を取り消しました。
  「以上のとおり,本件発明は,内側の液体用供給路を形成する供給管及びその先端部に設けられた液体供給孔が主軸と同体に回転するように構成し,これによって液体供給孔から供給された液体が遠心力で外方に噴出して微細化することとなり,さらに,気体がこの液体供給孔の外周囲に設けられた狭窄部を経て噴出されることにより,液体と気体が激しく攪拌混合してミストを発生するようにしたもので,このようにして発生したミストは,工具ホルダ及び工具内の通路を分離することなく通過して,被加工物の比較的深い箇所にも供給されるものである。そして,その結果,ミスト発生装置の設置箇所は,主軸の先端部内又は工具ホルダ内とすることが可能\となっている。これに対し,甲2発明は,本件発明と異なり,パイプ(19)をスピンドルと同体にして回転させるものではなく,また,液体供給孔の外周に狭窄部を設けて空気を噴出させて積極的に液体と気体が激しく攪拌混合してミストを発生するようにするものではなく,噴霧を切削領域に放出させるためには,パイプ(19)は,ドリル工具又はフライス工具(10)の出口(31)のすぐ上流側まで延びて配置する必要があるものである。
 エ そうすると,本件発明と甲2発明とは,同じ工作機械の主軸装置に関する発明において,主軸装置側にミスト発生装置を設け,そのミスト発生装置は,気体と液体を同時かつ別々に供給するための2系統の供給路を備え,2系統の供給路のうち内側に液体用供給路を形成する供給管を設けて切削液を液体供給孔から供給し,気体をこの液体供給孔の外周囲に設けられた供給管から供給して,液体と気体を混合してミストを発生する構成とし,発生したミストは,工具内通路を通じて切刃近傍から噴出され,被加工物に供給されるようにした点で共通するものであるが,本件発明は,混合したミストが分散しないことを解決課題としているという点で,甲2発明とは異なる課題を有するものである。そして,?@本件発明における上記課題を解決するため,本件発明1のミスト発生装置の構成は,甲2発明のミスト発生装置の構\成とは上記のとおりの相違点を有することになり,その結果,?Aミスト発生装置の設置位置につき,甲2発明は工具の出口のすぐ上流側であるのに対し,本件発明は主軸の先端部又は工具ホルダ内とすることができるとの相違点を生じさせ,さらに,?Bミスト発生位置からミストを供給する加工部までの噴霧状態を保つ必要がある距離も,両者を比較すると,本件発明は長い距離であるのに対し,甲2発明は短い距離であるとの相違点を生じさせたものである。このように,本件発明は,本件発明が有し,甲2発明が有しない上記課題を解決するために,ミストを発生する機構,ミスト発生装置の設置箇所及び噴霧状態を保つ距離において異なることとなったものであって,これらについては,甲2発明から容易に想到し得るものではないと認められる。
 したがって,審決が,甲2発明の構成につき,「ミスト発生のための機構\が,工具の中央ボア孔(22)と,パイプ(19)からなっているのであるから,工具そのものが,その中央ボア孔がパイプを通し,更に必要な量の圧縮空気を流すことのできるというような,ミスト発生のための専用の形状を採らざるを得ないことは明らかである。」(20頁11〜15行)としながら,「しかしながら,切削液通路を備えただけの通常の形状の工具を用いるというような要求は一般的なものであるから,この要求に応えるならば,ミスト発生のための機構を,工具内に設けることはできなくなり,工具の手前,つまり『主軸の先端部或いは工具ホルダ内』に設けざるを得ないのは,当然である。」(20頁16〜20行)として,「相違点1に係る本件発明の発明特定事項は,当業者が適宜採用できた設計的事項である。」(20頁21,22行)としたことは是認することができない。」

◆平成20(行ケ)10064 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成21年03月11日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10026 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成21年02月17日 知的財産高等裁判所

     進歩性なしとした審決が取り消されました。
    「ア 上記(1)によれば,相違点1に係る本願発明3の構成は,乗物の実際の前進加速により乗客が経験する加速度の感覚を強調するために,乗物を更に加速することに代えて,前進中の乗物に加速度感を生起させる動きを加え,それによるシミュレーション効果により擬似的に実際の加速以上の加速度感を乗客に体験させるとともに,安全性を十\分に確保するという点に技術的意義があるものと認められる。これに対し,上記(2)のとおり,刊行物記載発明は,カプセル内部のスクリーン上の映像に対応して座席等に動きを与え,乗客に映像上の出来事を擬似的に体感させるというものであり,同発明におけるシミュレーション効果は,乗物の実際の動きがもたらす乗客の感覚とは無関係である。また,引用刊行物には,設計技術上及び安全性の問題から乗物の急激な加・減速や急速度での急カーブの曲がりなどの実際の動きが制限されるという事情の下で,動的な乗物に臨場感や大きなスリルなどを求める乗客に対して急激な加速や減速,高速での急カーブの曲がりの感覚を提供するという本願発明3の課題についての記載も示唆もなく,シミュレーション効果の利用という点においては,引用刊行物が従来技術として記載している「従来のシミュレーション式遊戯装置」と同一の技術的思想であるといえる。したがって,刊行物記載発明は,動的な乗物においてシミュレーション効果を利用するという点では本願発明3と共通するものの,シミュレーション効果の利用状況についての着想及びそれにより実現される効果の点で本願発明3とは技術的思想を異にするものというべきであって,刊行物記載発明と本願発明3とでは,シミュレーションを利用することの技術的意義が相違するものと認められる。そして,本願発明3におけるシミュレーションの利用の技術的意義については,引用刊行物に記載も示唆も認め難いところ,本願発明3におけるシミュレーションの利用の点が,相違点1に係る構成に当たるから,結局,引用刊行物には,相違点1に係る構\成の技術的意義について,記載及び示唆があるものと認めることはできない。以上によれば,引用刊行物には,相違点1に係る本願発明3の構成を想到する契機ないしは動機付けとなる記載や示唆があるものと認めることはできない。・・・
  (エ) 上記(ア)ないし(ウ)によれば,乗物を実際には移動させることなく(上記(ア),(ウ)),あるいは乗物の実際の動きとは異なる態様で(上記(イ)),乗物を運転する際に感じる運転感覚や体感を擬似的に体験させるシミュレーション装置はよく知られた技術であると認められる。しかしながら,周知例甲2ないし5には,乗物が実際に前進加速している時に,乗客が経験する加速度感を更に強調するために,当該乗物に加速度感を生起させる実際の動きを加え,乗客の前進加速感を擬似的に強調し高めるシミュレーションを行うとの技術的事項が記載されているとは認められないし,これを示唆する記載も見い出すことがことができない。そうすると,周知例甲2ないし5によって,擬似的な前進加速感を乗客に与えるシミュレーションを行うことが周知技術であることは認められるものの,前記アに認定した本願発明3におけるシミュレーション利用の技術的意義についてまで周知であったと認めることはできず,また,これが当業者にとって技術常識であったことを認めるに足りる証拠もない。さらに,前記アに説示したところに照らせば,上記周知のシミュレーション技術は,本願発明3におけるシミュレーション利用の技術的意義を示唆するものとは認め難いから,相違点1に係る本願発明3の構成を示唆するものとも認められない。(オ) 以上のとおり,引用刊行物には,相違点1に係る本願発明3の構成を想到する契機ないしは動機付けとなる記載も示唆もないこと,また,周知例甲2ないし5によっては,単に擬似的な前進加速感を乗客に与えるシミュレーションを行うことが周知技術であったと認められるにすぎず,同シミュレーション技術は相違点1に係る構\成を示唆するものでもないこと等に照らすならば,刊行物記載発明において上記周知技術を考慮したとしても,当業者において,本願発明3におけるシミュレーション利用の技術的意義を容易に着想し,また,それによる効果を容易に想到し得たとは認められないから,当業者が相違点1に係る本願発明3の構成を容易に想到し得たとは認められない。」

◆平成20(行ケ)10026 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成21年02月17日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10386 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成21年01月29日 知的財産高等裁判所

 請求理由なしとした(進歩性)審決が取り消されました。 
 「このようにしてエアシリンダ13は,第2のアーム8が目標の設定位置P2に到達する以前から起動し始めるため,エアシリンダ13の順次プログラム上での実質的な作動時間は,第2のアーム8の移動完了後に起動する場合と比較して短縮している。」との記載に照らしてみれば,甲第7号証記載の動作制御装置は,第2のアームが移動中にエアシリンダの移動を開始することで作動時間を短縮するものであるが,最も作動時間が短縮されるのは,第3図に記載の円弧に沿って動作が完了する場合,すなわち,第2のアームの旋回運動が停止した時点でエアシリンダの下降動作が完了する場合であることはきわめて容易に理解し得るところである。(ウ) そうすると,甲第7号証に接した当業者であれば,ロボットにおいて同時に複数の動作を行うように動作制御する場合に,一方の動作の終了時点と他方の動作の終了時点が一致するように制御すれば,最も動作時間を短縮できることを容易に理解し得るものと認められるから,甲第7号証には,「ロボットにおいて同時に複数の動作を同時に行うように動作制御する場合に,一方の動作の終了時点において他方の動作を終了するように重ねて制御すれば,最も動作時間を短縮することができる」との技術事項が開示されているといえる。(エ) そして,前記ア(ア),(イ)の甲第3号証の記載事項及び当業者が技術常識から当然に認識し得た事項を考慮すれば,甲第3号証記載の考案に甲第7号証記載の上記(ウ)の技術事項を適用して,相違点10に係る本件考案の構成とすることは,当業者がきわめて容易に想到し得たことというべきである。」

◆平成19(行ケ)10386 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成21年01月29日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10176 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成21年01月29日 知的財産高等裁判所

 ゲーム装置(CS関連発明?)について、進歩性なしとした審決が取り消されました。 
  「審決は,引用発明の電子チップが本願発明のゲーム的メリットと共通する(実質的具備事項5)とした上で,引用発明と本願発明とが「電子データであるメリットをネットワークを介して端末装置に送信する送信手段」を有する点で一致すると認定している。しかしながら,上記ア及びイに認定説示したところによれば,本願発明は,ゲーム的メリットをネットワークを介して端末装置に送信するものであるのに対し,引用発明は,電子チップを端末装置に送信するものではないから,引用発明の電子チップが本願発明のゲーム的メリットと共通するかについても争いのあるところであるが,仮にこれが認められるとしても,引用発明が「電子データであるメリットをネットワークを介して端末装置に送信する送信手段」を有するとした審決の認定は誤りというべきである。(イ) この点について,被告は,引用発明においては,電子チップ情報をクライアント装置に送信して供給することにより,消費あるいはゲームの進行に従った電子チップ数の演算及び表示をクライアント装置に実施させ,ひいてはユーザが電子チップを消費し,あるいはゲームの進行に従って電子チップ数を変化させることを可能\としているから,電子チップ情報の供給は,実質的には,クライアント装置に対して利用可能な形態で電子チップを送信して供給するものであるということができると主張する。しかしながら,引用発明において,ユーザがクライアント装置を使用してその保有する電子チップに関する情報を確認できたり,電子チップを使用できたりしたとしても,そのような機能\を実現するための具体的構成は複数存在するのであって,引用発明と本願発明とでは同じ機能\を実現するための具体的な構成が異なるのであるから,単に実現される機能\が同一であるという理由から,両者の具体的な構成を同一視することはできないというべきである。したがって,被告の上記主張は採用することができない。」

◆平成20(行ケ)10176 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成21年01月29日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10062 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年07月30日 知的財産高等裁判所 

  進歩性なしとした拒絶審決が、引例との一致点・相違点の認定が異なるものの結論に影響がないとして維持されました。 
  「本願発明は,「自動車運転用の模擬教習機器」に関するものであるところ,前記2で述べたところによると,ここでいう「自動車運転用の模擬教習機器」とは,実際に自動車の運転をすることができるように教習するために用いる機器という意味であると認められる。これに対し,引用発明は,上記のとおり,子供が遊ぶための玩具であるから,この点において,本願発明と引用発明は相違するということができる。審決は,本願発明と引用発明は,「自動車運転用の模擬機器」という点で一致すると判断しているが,本願発明において「自動車運転用の模擬教習機器」は,上記のような一つの技術的な意義を有するものと認められるのであり,これを「自動車運転用の模擬機器」と「学習」とに分けて引用発明と対比することは相当でないというべきである。引用発明が「自動車運転用の模擬機器」でない旨の原告の主張(取消事由1)は,上記の限度では理由があり,相違点3は,「本願発明が自動車運転用の模擬教習機器であるのに対して,引用発明はハンドル玩具である点。」と認定すべきである。しかし,後記7のとおり,この一致点認定の誤りは,結論に影響するものではない。・・・・前記4(2)のとおり,相違点3は,「本願発明が自動車運転用の模擬教習機器であるのに対して,引用発明はハンドル玩具である点。」と認定すべきであるが,この相違点は,次のとおり当業者が容易に想到することができるというべきである。ア 前記5及び6で述べたところからすると,当業者は,引用発明に相違点1,2に係る本願発明の発明特定事項を採用したもの,すなわち,助手席の前面に取り付けまたは取り外しができるように配置される支持体に対して,模造ハンドル,模造ブレーキ,模造アクセル及び模造方向指示器(MT車の場合は,以上に加えて,模造クラッチ)が取り付けられており,これらは,実際のものと同一サイズであって,支持体を助手席の前面に配置したとき,運転席における実際のものが占めるべき位置と同じところに位置するように,かつ実際のものの動きに類似した動きができるように,支持体に取り付けられており,さらに,これらの動きは,運転席に配備された実際のものの動きとは,何らの関係をも持たないように構成されたハンドル玩具を容易に想到することができるというべきである。イ 上記アのものは,玩具である点で本願発明とは異なるが,運転者の運転をまねして同様の操作をすることができる点では,本願発明の自動車運転用の模擬教習機器と共通する。そして,次のとおり,自動車運転を指導者から学ぶ目的又は運転教習の目的で用いられるものが,遊戯装置としても用いられることが知られている。・・・ウ 以上によると,当業者は,上記アのものを自動車運転用の模擬教習機器として使用することを容易に想到することができるのであって,上記相違点3に係る本願発明の構\成は,当業者が容易に想到することができるというべきである。」

◆平成20(行ケ)10062 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年07月30日 知的財産高等裁判所 

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◆平成18(行ケ)10174 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年09月26日 知的財産高等裁判所

 新たなステップを追加することは、限定的減縮に該当しないとの考え方についてはこれを維持しましたが、相違点を看過しているとして、拒絶審決が取り消されました。
 「・・?Dのステップの後に,新たに「前記安定した基板を上記物体に付属させるステップ」を追加するものである。ところで,上記追加に係る「前記安定した基板を上記物体に付属させるステップ」は,?@ないし?Dのステップとは無関係であり,請求項11の全体を減縮するものではあるが,?@ないし?Dのいずれかのステップを減縮するものではない。そうすると,本件補正は,平成18年法律第55号による改正前の特許法17条の2第4項2号に規定する「特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」にいう「第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定する」場合には当たらないと解するのが相当である。したがって,本件補正を却下すべきものとした審決の判断に誤りはない。」 
  「結局,審決は,刊行物1記載の発明を基本としつつ,被告が自ら認めるとおり,刊行物1,3記載の発明が「光硬化性流動物質」又は「液体,粉末等の材料」を使用するものであるとすることによって,「光硬化性流動物質」と「液体,粉末等の材料」とを一つのまとまりとして取り扱い,「材料」の上位概念をもって一致点とした際に,その「材料」の中に,「光硬化性流動物質」のみならず「材料粉末」をも含めてしまったため,本願発明について,進歩性の有無を判断すべき相違点を看過する結果となったものといわざるを得ない。」 

◆平成18(行ケ)10174 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年09月26日 知的財産高等裁判所

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◆平成17(行ケ)10677 審決取消請求事件 平成18年08月31日 知的財産高等裁判所

  相違点1,2とも判断を誤っているとして、進歩性無しとした審決を取り消ししました。
 

◆平成17(行ケ)10677 審決取消請求事件 平成18年08月31日 知的財産高等裁判所

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◆H15. 6.17 東京高裁 平成14(行ケ)322 特許権 行政訴訟事件

 ちょっとややこしい事例ですが、特許無効と判断した第1次審決が東京高裁にて取り消され、これが確定しました。特許庁はさらに審理したところ、最終的に無効と判断しました。権利者が拘束力違反として審決取消を求めた事件です。
 裁判所は、「審決には,第1次取消判決の拘束力に反して一致点の認定をした誤りがあり,審決がこの一致点のあることを前提にして結論に至っていることは明らかであるから,この誤りは審決の結論に影響を及ぼすものである。したがって,審決は,この点において,既に取消しを免れない。」と取り消した上、補足的判断として、「補足するに,当裁判所は,本件発明は,審判甲第4号証記載の発明及び審判甲第3号証記載の発明から容易に発明することができないものと判断するものである。その理由は以下のとおりである。」と裁判所としての判断も下しました。

 

◆H15. 6.17 東京高裁 平成14(行ケ)322 特許権 行政訴訟事件

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