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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

汎用品

最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、裁判所がおもしろそうな(?)意見を述べている判例を集めてみました。
内容的には詳細に検討していませんので、詳細に検討してみると、検討に値しない案件の可能性があります。
日付はアップロードした日です。

平成20(ワ)10819 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟 平成25年02月21日 大阪地方裁判所

 イ号製品は,本件特許発明2による課題の解決に不可欠なものとして、間接侵害が認められました。
 イ号製品は,「混合」を行うか否か(構成要件E及びF),「一時貯留ホッパー」を備えているか否か(構\成要件C)という点を除き,本件特許発明2の構成要件を充足している(被告は争うことを明らかにしない。)。そして,次のとおり,イ号製品は,本件特許発明2の装置生産に用いることができる。すなわち,イ号製品は,後記4−1のとおり,ロ号製品の一部(たとえば,ロ1−1・2号)として用いられる結果,本件特許発明2の構\成要件を充足すると認めることができる。また,前記1−1によると,イ号製品は,ロ号製品の構成をとらなくても,混合にも用いることが可能\な構成といえる。なお,このときでも,一時貯留ホッパー(本件特許発明2の構\成要件C)の具備が求められるが,イ号製品の延伸部(47)は,一時貯留ホッパーの用を果たしているということができるだけでなく,前記1−2のとおり,一時貯留ホッパーを延伸部に置き換えることによる均等侵害の要件についても,これを認めることができる。
(2)本件特許発明2の課題の解決に不可欠なものであることア「発明による課題の解決に不可欠なもの」とは,特許請求の範囲に記載された発明の構成要素(発明特定事項)とは異なる概念であり,当該発明の構\成要素以外の物であっても,物の生産や方法の使用に用いられる道具,原料なども含まれ得る。他方において,特許請求の範囲に記載された発明の構成要素であっても,その発明が解決しようとする課題とは無関係に従来から必要とされていたものは,「発明による課題の解決に不可欠なもの」には当たらない。すなわち,それを用いることにより初めて「発明の解決しようとする課題」が解決されるような部品,道具,原料等が「発明による課題の解決に不可欠なもの」に該当するものというべきである。換言すれば,従来技術の問題点を解決するための方法として,当該発明が新たに開示する,従来技術に見られない特徴的技術手段について,当該手段を特徴付けている特有の構\成ないし成分を直接もたらす,特徴的な部材,原料,道具等が,これに該当するものと解される。したがって,特許請求の範囲に記載された部材,成分等であっても,課題解決のために当該発明が新たに開示する特徴的技術手段を直接形成するものに当たらないものは,「発明による課題の解決に不可欠なもの」には当たらない
・・・・
紙イ号製品目録記載のとおり,イ号製品の構成eは,「横向き管(4B)より上側に,縦向き管(4A)内の樹脂材料のレベルを,該吸引空気源を停止している場合に計測するレベル計(70)が設けられている。」というものである。これは,本件特許発明2に係る上記「従来技術に見られない特徴的技術手段」と同一であるから,イ号製品は課題解決のために本件特許発明2が新たに開示する特徴的技術手段を直接形成するものに当たるというべきである。したがって,イ号製品は,本件特許発明2による課題の解決に不可欠なものであると認めることができる。
・・・
特許法101条2号所定の「日本国内において広く一般に流通しているもの」とは,典型的には,ねじ,釘,電球,トランジスター等のような,日本国内において広く普及している一般的な製品,すなわち,特注品ではなく,他の用途にも用いることができ,市場において一般に入手可能な状態にある規格品,普及品を意味するものと解するのが相当である。本件では,イ号製品の構\成(特に構成e)を備えたホッパーが,日本国内において広く普及している一般的な製品又は市場において一般に入手可能\な状態にある規格品,普及品であること(及びその裏付けとなる事実)を認めるに足りる主張立証はない。

◆判決本文

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平成23(ワ)19435等 特許権侵害行為差止等請求事件 特許権 民事訴訟 平成25年02月28日 東京地方裁判所

 被告の行為は間接侵害(特101条2号)に該当しない、と判断されました。
 以上の本件各明細書の発明の詳細な説明の記載によれば,2型糖尿病に対しては,個々の患者のそのときの症状に最も適した薬剤を選択する必要があるが,個々の薬剤の単独使用においては,症状により十分な効果が得られなかったり,投与量の増大や長期化により副作用が発現する等の問題があり,臨床の場でその選択が困難であったこと,本件各発明は,これを解決するために,インスリン感受性増強剤であり副作用のほとんどないピオグリタゾンと消化酵素を阻害して澱粉や蔗糖の消化を遅延させる作用を有するα−グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース,ボグリボース,ミグリトール),嫌気性解糖促進作用等を有するビグアナイド剤(フェンホルミン,メトホルミン,ブホルミン),膵β細胞からのインスリン分泌を促進するSU剤であるグリメピリドのいずれかとを組み合わせ,これにより,薬物の長期投与においても副作用が少なく,かつ多くの2型糖尿病患者に効果的な糖尿病の予\防や治療を可能にしたことが認められる。これによると,本件各発明が,個々の薬剤の単独使用における従来技術の問題点を解決するための方法として新たに開示したのは,ピオグリタゾンと本件各併用薬との特定の組合せであると認められる(ピオグリタゾンや本件各併用薬は,それ自体,本件各発明の国内優先権主張日より前から既に存在して2型糖尿病に用いられていたのであり,本件各発明がピオグリタゾンや本件各併用薬自体の構\成や成分等を新たに開示したということができないのは当然である。)。そうすると,ピオグリタゾン製剤である被告ら各製剤は,それ自体では,従来技術の問題点を解決するための方法として,本件各発明が新たに開示する,従来技術に見られない特徴的技術手段について,当該手段を特徴付けている特有の構成ないし成分を直接もたらすものに当たるということはできないから,本件各発明の課題の解決に不可欠なものであるとは認められない。
(4) 原告は,ピオグリタゾンが公知であったとしても,これが「その発明による課題の解決に不可欠なもの」に該当することを否定すべき理由はないし,ピオグリタゾンは,これを用いることによって本件各発明の課題を解決することができる重要な成分であり,ピオグリタゾンがなければ本件各併用薬との組合せという従来技術には見られない特徴的技術手段をもたらすことはできず,これを他の有効成分に置き換えることもできないから,当該手段を特徴付けている特有の成分に当たると主張する。しかしながら,本件各発明は,ピオグリタゾンと本件各併用薬という,いずれも既存の物質を組み合わせた新たな糖尿病予防・治療薬の発明であり,このような既存の部材の新たな組合せに係る発明において,当該発明に係る組合せではなく,単剤としてや,既存の組合せに用いる場合にまで,既存の部材が「その発明による課題の解決に不可欠なもの」に該当すると解するとすれば,当該発明に係る特許権の及ぶ範囲を不当に拡張する結果をもたらすとの非難を免れない。このような組合せに係る特許製品の発明においては,既存の部材自体は,その発明が解決しようとする課題とは無関係に従来から必要とされていたものに過ぎず,既存の部材が当該発明のためのものとして製造販売等がされているなど,特段の事情がない限り,既存の部材は,「その発明による課題の解決に不可欠なもの」に該当しないと解するのが相当である。被告ら各製剤の添付文書には,前記前提事実のとおり,【効能\・効果】,【用法・用量】欄に,食事療法と運動療法,又は,食事療法と運動療法に加え,本件各併用薬等を使用する治療で十分な効果が得られずインスリン抵抗性が推定される2型糖尿病に対して被告ら各製剤が効能\,効果を有することやそれらの場合における被告ら各製剤の用量や投与回数及び時期等についての記載があるほか,薬剤の併用投与の場合の注意事項等についての記載はあるが,本件各併用薬との併用投与を推奨するような記載や被告ら各製剤が本件各併用薬との組合せのためのものであるとの趣旨の記載はないから,添付文書の記載内容をもって,被告ら各製剤が本件各発明のためのものとして製造販売等されているということはできず,その他,特段の事情があることを認めるに足りる証拠はない。

◆判決本文

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平成21(ワ)3527等 特許権侵害差止請求事件 特許権 民事訴訟 平成22年06月24日 東京地方裁判所

 少し前の事件ですが、最高裁で上告棄却され、確定しましたのでアップしておきます。
 インクタンクの販売が、本件液体インク供給システムの特許権侵害か争われました。 争点は、技術的範囲、無効、間接侵害等です。
 特許法101条2号所定の「日本国内において広く一般に流通しているもの」とは,より広い用途を有するねじや釘のような普及品を想定して制定されたものである。原告製プリンタにしか使用することができない被告製品2は,発光と受光という本件発明の特徴的機能を有しない機種計67機種の他の原告製プリンタにも使用することができるとしても,汎用品ということは到底できず,「日本国内において広く一般に流通しているもの」とは認められない。上記「日本国内において広く一般に流通しているもの」とは,汎用の部品や材料が,特許発明の侵害する製品の製造に用いられたとしても,間接侵害とならないように設けられた規定であり,被告製インクタンクは,原告製プリンタ専用のインクタンクであるから,到底,汎用の部品とはいえない。したがって,被告製品2は,「日本国内において広く一般に流通しているもの」とは認められない。\n

◆判決本文

◆控訴審はこちらです。平成22年(ネ)10064
 

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 >> 104条の3

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