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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

商品形態

最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、裁判所がおもしろそうな(?)意見を述べている判例を集めてみました。
内容的には詳細に検討していませんので、詳細に検討してみると、検討に値しない案件の可能性があります。
日付はアップロードした日です。

平成28(ワ)9003  意匠権等侵害差止等請求事件  平成30年9月7日  東京地方裁判所

 意匠権侵害および不競法の商品形態模倣かが争われました。裁判所(40部)は、前者については無効、後者については商品の形態は実質的に同一ではないと判断しました。
 原告は,原告商品の形態と被告商品の形態との間の他の共通点(形態 IV(ア),(オ)及び(コ))も創作的であると主張するが,これらの共通点に係る 形態は,女性用コートとして一般的なものであり,特に特徴的なもので あるということはできない。 また,原告商品と被告商品は,いずれもビジューの付いた装身具が設 けられ,その装着位置,形状において共通すると認められるが,女性用 コートにおいてビジューの付いた装身具を設けること自体が特徴的であ るということはできず,また,原告商品のビジューブローチは取り外し 可能であるのに対し,被告商品のビジューボタンがコートに縫い付けら\nれているという相違点も存在するので,この点をもって原告商品と被告 商品が実質的に同一であるということもできない。 以上によれば,原告商品と被告商品との間の上記各共通点をもって両 商品の実質的に同一であるということはできないというべきである。
ウ 原告商品と被告商品の相違点は,上記(3)イ記載のとおりであると認め られるが,このうち,ポケットは,原告商品においては,コート胴部の 両側に水平状に形成され,略横長長方形状のフラップが取り付けられて おり,コート前面において需要者の目を引くアクセントとなっていると いうことができる。 これに対し,被告商品においては縦の切替え線に沿って布部材がコー ト本体に縫い付けられ,フラップが形成されていないので,ポケットは それほど目立たず,コート前面は比較的シンプルで縦に流れる線が需要 者の目を惹く態様となっているということができる。 以上によれば,原告商品と被告商品の前面については,ポケットの形 状の差異により,需要者が受ける印象が相当程度異なるというべきであ る。
エ また,原告商品と被告商品とは,背面における飾りベルトの有無が相 違することは,前記のとおりである。 原告商品における飾りベルトは,腰部に水平方向に設けられ,その幅 も太い上,原告商品の背面には同ベルトに匹敵する目立つ構成部分は存\n在しないことから,当該飾りベルトは,コート背面において特に需要者 の注目を惹くものであるということができる。そして,この点において は,原告自身も,そのウェブサイトにおいて,「バックスタイルのベル トがポイント!!」(乙6),「バックウエストには飾りベルトを効か せて,後ろ姿にもメリハリをプラス」(甲7の2)などと強調しており, このことは,原告自身も飾りベルトが原告商品のデザイン上の特徴点で あるとの認識を有していたことを示している。 これに対し,被告商品では,飾りベルトが設けられておらず,切替え 線が設けられているにとどまることから,その背面は比較的シンプルで 目立つ構成部分が存在せず,すっきりした印象を与えるということがで\nきる。
以上によると,原告商品は,その胴部のほぼ同じ高さに飾りベルトと ポケットが取り付けられていることから,コートの正面視,側面視,背 面視ともに,横方向に流れる強い印象を与える構成が需要者の目を惹く\nのに対し,被告商品は,その前面及び背面ともに需要者の目を惹く態様 の構成が設けられていないため,全体としてシンプルな印象であり,身\n体のラインに沿った縦の線が需要者の目を惹く態様となっているという ことができる。このため,原告商品と被告商品は,コートの正面視,側 面視,背面視ともに,需要者に異なる印象を与えるというべきである。
オ 原告商品と被告商品のフードとを対比すると,原告商品に取り付けら れたフードは,背面視においてその横幅が肩口に及ばず,側面視におい て膨らみの少ないものであるのに対し,被告商品に取り付けられたフー ドは,背面視においてその横幅がが肩口まで及び,側面視において膨らみ の多い大きさである点で異なると認められる。このようなフードの大き IVさや形状の差違は,コート背面における美感に影響を与えるものであり, 飾りベルトの有無やフードとコート本体の色合いの違い(形態(サ))もあ いまって,需要者に背面におけるデザインが異なるとの印象を与えるも のであるということができる。
カ 以上のとおり,原告商品と被告商品との形態の相違点は,需要者の注 目を集める形態についての差違であり,その美感に対して異なる印象を 与えるものであるから,両者を実質的に同一の形態ということはできな い。
(5) 原告の主張について
これに対し,原告は,被告商品のポケットやベルト等の形態は,女性用 コートとしてありふれたものにすぎず,原告商品の形態をこれに置き換え ることは極めて容易である上,その相違点は,部分的かつ些細なものであ り,全体の形態に影響を与えないと主張する。 しかし,被告商品のポケットやベルト等の形態が特に特徴的なものでな く,置換が容易であるとしても,被告商品において飾りベルトやポケット の形状が需要者の目を惹き,コート全体の美感に影響を及ぼすものである ことは前記判示のとおりであり,その相違点が部分的かつ些細なものであ るということはできない。 また,原告は,平成28年から平成29年にかけて雑誌に掲載された女 性用コートの説明文から着目点を抽出したところ,ベルトやポケット等に 注目した記載は非常に少ないとの結果を得たと主張する。 しかし,上記の結果においてもポケットやベルトが着目点として一定程 度挙げられているように,女性用コートのポケットやベルトはコートの胴 部という目につき易いところに配置され,そのデザインも多様であること から,需要者がコートを選択する際の着目点となることは否定し難い。ま た,商品の形態が実質的に同一かどうかは,事案ごとに個別的に判断すべ IVきところ,本件においては,被告商品における飾りベルトやポケットの形 状が需要者の目を惹き,コート全体の美感に影響を及ぼすものであること は前記判示のとおりである。

◆判決本文

前者の関連事件はこちらです。

◆平成29(行ケ)10234

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平成28(ワ)6539  意匠権侵害差止等請求事件  意匠権  民事訴訟 平成30年10月18日  大阪地方裁判所

 ゴミ箱について、意匠権侵害、著作権侵害、不競法違反、不法行為などを主張しました。裁判所は、意匠権侵害については認め(被告自認)、差止・損害賠償を認めました。ただ、その他に請求は棄却しました。
 被告ごみ箱の意匠は本件意匠に類似する(争いがない)から,被告ごみ箱を販売 する行為については,本件意匠権を侵害する行為である。
・・・
被告ごみ箱の形態が原告ごみ箱のそれと実質的に同一であり(争いがない),こ の形態同一性は依拠の事実も推認させるところ,この推認を覆す事情は認められな いから,被告ごみ箱は原告ごみ箱の形態を模倣した商品であると認められる。した がって,被告が平成27年1月31日までに被告ごみ箱を販売した行為(被告ごみ 箱販売1)については,不正競争防止法2条1項3号所定の不正競争行為に当たる。 他方,被告が同年2月1日以降に被告ごみ箱を販売した行為(被告ごみ箱販売2及 び3)については,原告ごみ箱が最初に販売された日から3年が経過しており,同 号所定の不正競争行為に当たらない(同法19条1項5号イ)。
上記(1)イのとおり,被告が平成27年2月1日から同年6月14日まで の間に被告ごみ箱を販売した行為(被告ごみ箱販売2)については,不正競争行為 に当たらないし,本件意匠権侵害について過失があったとは認められないところ, 原告は,被告ごみ箱販売2については公正な自由競争秩序を著しく害するものであ るから,一般不法行為を構成すると主張する。\nしかし,現行法上,創作されたデザインの利用に関しては,著作権法, 意匠法及び不正競争防止法等の知的財産権関係の各法律がその排他的な使用権等の 及ぶ範囲,限界を明確にしていることに鑑みると,創作されたデザインの利用行為 は,各法律が規律の対象とする創作物の利用による利益とは異なる法的に保護され た利益を侵害するなどの特段の事情がない限り,不法行為を構成するものではない\nと解するのが相当である。 したがって,原告の主張が,被告が原告ごみ箱の商品形態を模倣した被告ごみ箱 を販売したことが不法行為を構成するという趣旨であれば,不正競争防止法で保護\nされた利益と同様の保護利益が侵害された旨を主張しているにすぎないから,採用 することはできない。
ウ また,これと異なり,原告の主張が,被告が被告ごみ箱を販売すること によって原告の原告ごみ箱に係る営業が妨害され,その営業上の利益が侵害された という趣旨であれば,上記の知的財産権関係の各法律が規律の対象とする創作物の 利用による利益とは異なる法的に保護された利益を主張するものであるということ ができる。しかし,我が国では憲法上営業の自由が保障され,各人が自由競争原理 の下で営業活動を行うことが保障されていることからすると,他人の営業上の行為 によって自己の営業上の利益が害されたことをもって,直ちに不法行為上違法と評 価するのは相当ではなく,他人の行為が,殊更に相手方に損害を与えることのみを 目的としてなされた場合のように,自由競争の範囲を逸脱し,営業の自由を濫用し たものといえるような特段の事情が認められる場合に限り,違法性を有するとして 不法行為の成立が認められると解するのが相当である。 そして,本件では,原告の主張を前提としても上記特段の事情があるとは認めら れない。
・・・
被告は,上記(1)アのとおり,平成27年10月8日頃,原告から,被告ごみ箱を 輸入,販売する行為が本件意匠権を侵害するとの指摘を受けたことから,同月22 日付けで,被告に対し,被告ごみ箱を販売する行為は本件意匠権を侵害する可能性\nがあると判断して直ちに販売を中止した旨回答した(甲5)だけでなく,現に販売 を中止し,本件訴訟においても被告ごみ箱を販売する行為が本件意匠権を侵害する ことになることを争っていない(弁論の全趣旨)。したがって,被告がさらに被告 ごみ箱を輸入するおそれは認められず,また,被告は中国の業者から被告ごみ箱を 輸入して販売しているにすぎない(乙19)から,被告ごみ箱を自ら製造するおそ れも認められない。 しかし,被告は,被告ごみ箱を平成26年7月に合計3024個輸入し(乙1 6),それを平成27年10月22日の販売中止までに合計774個販売した(乙 10)と認められるから,多数の在庫を保有していると推認されるところ,被告が それら在庫を廃棄したことをうかがわせる証拠はない。そうすると,被告は,現在 も被告ごみ箱の在庫を保有していると考えざるを得ず,そうである以上,被告が被 告ごみ箱を販売するおそれを否定することはできない。したがって,被告ごみ箱の 差止請求については,その販売及び広告宣伝の差止めを求める限度で理由がある。
・・・
a 被告の過失ある本件意匠権侵害行為の期間は,被告ごみ箱販売1に 係る平成27年6月15日から同年10月21日までと認められるところ,被告ご み箱の単位数量当たりの仕入原価が205.543円であることは当事者間に争い がなく,この期間の被告による被告ごみ箱の合計販売数量は前記のとおり666個 と認められる。そして,被告がこの期間に被告ごみ箱を666個販売して得た売上 高が16万0380円であること(乙11)に照らせば,被告ごみ箱の販売の単位 数量当たりの売上高は240.811円(小数点第4位以下四捨五入)である。した がって,被告が被告ごみ箱を666個販売して得た利益は,2万3488円(1円 未満四捨五入)であると認められる。
(240.811−205.543)×666≒23,488
そうすると,2万3488円が意匠権者である原告の受けた損害の額と推定され るところ,上記推定を覆滅する事由に関する主張,立証はないから,原告の損害額 は,2万3488円であると認められる。
b これに対し,原告は,被告の平成27年7月及び同年10月におけ るインテリア計画メガマックス千葉NT店に対する販売については,販売額が仕入 原価を下回っており,独占禁止法第2条第9項に基づく不公正な取引方法第6項に 規定する不当廉売に当たるから,被告ごみ箱の販売の単位数量当たりの売上高を算 定するに当たっては,上記販売における売上額に基づくべきではなく,平成26年 8月における販売の売上額に基づくべきである(これに従えば,単位数量当たりの 売上高は540円となる。)と主張する。 しかし,販売額が仕入原価を下回るからといって直ちに独占禁止法が禁止する不 当廉売に当たるわけではない上,意匠法39条2項は,侵害者が実際に得た利益の 額をもって意匠権者の損害の額と推定する規定であるから,侵害者が原価以下で販 売した場合でも,それが実質的に見て侵害物の廃棄処分と同視し得るといった事情 のない限り,実際の販売額に基づいて侵害者の利益を算定すべきものである(意匠 権者がそれにとどまらない損害額の賠償を求めるためには,同条1項による損害額 を主張立証する道が用意されている。)。そして,上記で原告が指摘するインテリ ア計画メガマックス千葉NT店に対する販売のうち平成27年7月のものについて は,被告が原告から通知書(甲4)を受領する前の時期であるから,通常の取引行 為によるものと見るべきであり,その販売単価と同年10月の販売単価は同額であ る(甲10)から,それらの販売を実質的に見て侵害物の廃棄処分と同視すること はできない。 また,原告が被告ごみ箱の販売の単位数量当たりの売上高を算定するに当たって 基礎とすべきであるという平成26年10月における被告の販売(被告ごみ箱販売 1における販売)については,上記(1)イのとおり,被告が不法行為(本件意匠権侵 害)に基づく損害賠償責任を負うものではない。

◆判決本文

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平成28(ワ)35026  損害賠償請求事件 平成30年8月30日  東京地方裁判所

 被服について、不競法の商品形態模倣が認められました。判決文の最後に両当事者の商品が掲載されています。
 不競法2条1項3号は,他人の商品の形態を模倣した商品の譲渡等を不正 競争行為とするところ,同号によって保護される「商品の形態」とは,「需要 者が通常の用法に従った使用に際して知覚によって認識することができる商 品の外部及び内部の形状並びにその形状に結合した模様,色彩,光沢及び質 感」(同条4項)をいい,商品の個々の構成要素を離れた商品全体の形態をい\nう。また,特段の資力や労力をかけることなく作り出すことができるありふ れた形態は,同号により保護される「商品の形態」に該当しないと解すべき である。
・・・
ア 原告各商品(14FW)と被告商品の形態を比較すると,別紙対比表の\nとおり,次の共通点があることが認められる(甲3,21,乙9)。 すなわち,基本的形態については,1)正面視において,全体が裾広がり 略Aライン形状であること(構成A),2)側面視において,全体が略Aライ ン形状であるが,前丈より後ろ丈の方が長いため,ブルゾンの裾が前身頃 から後ろ身頃に向かって下り傾斜していること(構成B),3)背面視におい て,全体が裾広がりの略Aライン形状であること(構成D)が,それぞれ\n共通している。
また,具体的形態については,1)前身頃において,比翼仕立てになって いることから,裾部から襟部までにかけて,中央部やや左側に,縦に一本 線が入っており,中央部やや右側に,これに略平行な薄い一本線が入って いること(構成E),2)フードにおいて,見頃部から取り外し可能なフード\nが襟部に沿って設けられ(構成F),当該フードの前部分略中央に,約11\ncm程度のファスナーが縦方向に付され(構成G),当該ファスナーを覆うよ\nうに縦長の比翼が設けられ,当該比翼の内側には,前記ファスナーの左わ き上下に設けられた2つのドットボタンに対応する2つのドットボタンが 付されており(構成H),ファスナー引手の開口部には,平面状の黒色の紐\nが通され,フード左右端部から下方へ垂れており,紐の先端には略細長円 筒状の金色の金具が付され(構成I),フードの前側端部分において,三角\n形状が連続するステッチが施されていること(構成J),3)ポケットにおい て,裾から少し上の部分より胴体部の中間あたりにかけて,縦長形状のポ ケットのフラップが形成されていること(構成K),4)後身頃において,両 肩の内側部分に肩部から裾部へ向かって縦方向にダーツが施されることに より,2本の縦線が生じており(構成L),裾は円弧を描き,円弧が最も膨\nらむ後裾の略中央部が略縦長三角形状に切欠かれ(構成M),当該切欠きの\n上に,横長長方形状のステッチが存在すること(構成N),5)袖部において, 端が三角形状のベルトが設けられ(構成O),当該ベルト三角形状部の裏側\nにはドットボタンが付され(構成P),袖部下方中央部の左側及び右側にも\nこれに対応するドットボタンが付されていること(構成Q)が,それぞれ\n共通している。
イ 原告各商品(14FW)と被告商品の形態を比較すると,次の2点にお いて,一応相違すると認められる。 まず,原告各商品(14FW)のフードには,フード端に弾力のあるワイ ヤーが縫い込まれているため,側面視において,同フードが身頃部分から 立ち上がって立体的な略正三角形状となるのに対し(構成C),被告商品の\nフードには,前記のワイヤーが使用されておらず,側面視において,同フ ードが身頃部分に折り重なる形状となる(構成C’,甲1,2,乙9)。\n また,原告各商品(14FW)の素材はポリエステル65%及びナイロ ン35%であるのに対し,被告商品の素材はポリエステル100%であり, それぞれの素材や加工方法に応じた質感を有する(甲1,争いのない事実)。
(3)1960年代にアメリカ軍によって開発,使用された防寒服であるM65パ ーカは,1)前身頃において比翼仕立てになっている点(構成E),2)身頃部か ら取り外し可能なフードが設けられている点(構\成F),3)縦長形状のポケッ トのフラップが形成されている点(構成K)において,原告各商品と共通し\nている(乙1)。 また,原告各商品が発売された平成26年より前から,M65パーカ等のア メリカ軍が使用した防寒服の形態をベースにデザインされた,ミリタリーパ ーカ,ミリタリージャケット,モッズコート等と呼ばれるファッションのカ テゴリーが存在して,複数の製品が存在し,原告各商品もこれに含まれる(甲 1,9,15)。
(4) 以上を踏まえ,原告各商品(14FW)と被告商品の形態が実質的に同一と いえるかどうかについて検討する。
ア 原告各商品(14FW)と被告商品とは,前記(2)アで述べたとおり,そ の基本的な形態から具体的な細部の形態に至るまで多数の共通点が認めら れ,その形状はほぼ同一であるといえる。 一方,原告各商品(14FW)と被告商品には,前記(2)イで述べた2つ の点において一応相違すると認められるが,これらは,フードの立体感や 生地の質感に若干の相違を与えることがあったとしても,その違いは大き いものではなく,需要者が通常の用法に従った使用に際してその違いを直 ちに認識することができるとまではいえないものであり,原告各商品(1 4FW)と被告商品の全体の印象を異なったものとするものとはいえない。 イ 前記(3)のとおり,原告各商品とM65パーカには複数の共通点があるが, M65パーカが,兵士が野外における活動の際に身につける防寒着である のに対し,原告各商品は,女性がファッションとして身につける上着とし てデザインされたもので,基本的形態が略Aラインで,全体として女性的 かつ都会的な印象を与えるものであって,M65パーカと異なる形態を有 するものといえる。
また,原告各商品が発売された平成26年以前において,ミリタリーパー カなどと呼ばれるファッションの一形態として複数の製品が販売されてお り,原告各商品もその範疇に入る商品であると認められる。しかし,原告各 商品は,基本的な形態が略Aラインであること(構成AないしD),身頃部\n分から取り外し可能なフードがあること(構\成F),フードの右左端部から 黒色の紐が下方へ垂れ下がり,紐の先端に細長円筒状の金色の金具が付さ れていること(構成I),フードの前側端部分に三角形状が連続するステッ\nチが施されていること(構成J),フード部分に本体と独立したファスナー\nが設けられていることにおいて特徴を有しているところ,ミリタリーパー カなどと呼ばれる製品において,これら原告各商品の特徴的な形態を全て 備え,商品全体の形態において原告各商品と酷似する商品が他に存在した ことを認めるに足りる証拠はない(甲2,乙13)。そうすると,原告各商 品の形態が,個々の形態の組み合わせとして個性を有しないということは できず,他の商品に見られるありふれたものということはできない。
ウ 以上によれば,原告各商品の形態はありふれたものではなく,「商品の形 態」(不競法2条1項3号)に該当するところ,原告各商品(14FW)と 被告商品は,基本的な形態から具体的な細部の形態に至るまで多数の共通 点が認められる一方,相違する点は需要者が通常の用法に従った使用に際 してこれらの違いを直ちに認識することができるとまではいえないもので あって,原告各商品(14FW)と被告商品の形態は実質的に同一であると 認められる。
2 争点(1)イ(被告商品の形態が原告各商品に依拠したものであるか)について 前記1のとおり,原告各商品のうち14FWと被告商品の形態は,実質的に同 一であるところ,同じミリタリーパーカに属するコートであっても,フード,襟 部,袖部といった相当数の個別の部分があり,全体的形態においても各個別的形 態においても,それぞれ相当数の選択肢が存在するのであるから,これらが偶然 に一致することは考えがたい。
また,前記前提事実(2)及び(3)のとおり,14FWが発売されたのは平成26 年8月から平成27年1月頃までであるのに対し,被告商品の発売は,それから 1年以上が経過した平成28年2月26日であり,被告商品の製造者において, 市場において14FWを入手するなどの何らかの方法によって,その形態を把 握することは十分に可能\であったといえる。 したがって,被告商品は,原告各商品のうち14FWの形態に依拠して製作さ れたものと認めるのが相当である。

◆判決本文

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平成29(ワ)30499  不正競争行為差止等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成30年7月30日  東京地方裁判所

 婦人服について、商品形態模倣を主張しましたが、模倣とは認められませんでした。判決文の最後に原告・被告のブラウスの写真が掲載されています。
 上記イのとおり,原告各商品は,裾に向かって若干広がったノースリーブブラウス にフリル袖を縫い付けたブラウスであるが,ノースリーブブラウスの部分には特徴的 な点はないから,原告各商品のうち,特徴的であり需要者の目を引く部分は,フリル 袖であるといえる。 そこで,袖について検討すると,原告各商品と被告各商品は,いずれもノースリー ブに縫い付けられフリルを設けたものである点で共通するものの,上記相違点1)のと おり,フリル袖の広がり及びフリルのボリュームの相違という袖形状の相違は,袖全 体の形状であり着用時も含めて需要者の印象を大きく左右するものであるから,その 相違の程度が些細なものであるとはいえず,形態の全体的な印象に影響を及ぼすもの といえる。また,原告各商品と被告各商品には,黒いリボンの有無という相違がある。 原告各商品の黒いリボンは,正面から見たときに見える部分に付されており,袖の長 さからはみ出す長さであるから,ブラウスの装飾として存在感があり,フェミニンさ を強調するものである。さらに,地色が淡い原告商品3(オフホワイト色)及び原告 商品4(白地に黒のギンガムチェック)においては,黒いリボンの存在は更に印象的 である。したがって,リボンの有無は,全体的な印象を左右するものであるといえる。 以上によれば,需要者の着目するフリル袖の部分に上記相違(相違点1))があるか ら,商品全体の形態として対比した場合に,原告各商品と被告各商品が全体として酷 似しているということはできない。よって,被告各商品の形態は,原告各商品の形態 と実質的に同一であると認めることはできず,これに反する原告の主張はいずれも採 用できない。

◆判決本文

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平成30(ネ)10009  損害賠償等請求控訴事件  不正競争  民事訴訟 平成30年6月7日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 不競法の商品形態模倣、著作権侵害などが争われました。知財高裁は、不競法については特徴部分は異なる形状であり、また、著作物性なしとして、1審の判断を維持しました。
 控訴人は,原告商品は,直針状の出口ノズルがフィーダ本体部の先端か ら突き出た形状で,配線チューブ等がフィーダ本体上部後端からまっすぐ に伸びている上,小型かつ軽量である点に特徴があるところ,被告各製品 もこの点において共通する形態及び構成を有していると主張する。\n この点につき検討するに,半田フィーダは,径の小さい半田(直径が1 ミリメートルに満たないものもある)を,半田付けしようとする位置に案 内するために用いられるものであるから,正確に位置決めをしたり,他の 機器との干渉を防いだりするために,供給する半田の出口に当たる出口ノ ズルを細長い直針状の形態とすることは,半田フィーダとしての機能を確\n保するために不可欠な形態というべきである。このことは,他社の半田フ ィーダが同様の形態を採用していることからも明らかである(乙11,1 2)。 また,出口ノズルに向けて半田を供給する際には,チューブ等の供給・ 支持部材と半田とが接触して,半田が曲がったり,摩擦による抵抗が生じ たりすることをできるだけ抑制し,安定して半田を供給する必要があると 考えられるところ,そのために,半田フィーダにおいて,半田の供給口に 当たる部材を出口ノズルの反対側の位置に出口ノズルに対してまっすぐに 取り付ける構成を採用することは,ごく自然な着想といえる。このことは,\n同様の構成を有する他社の半田フィーダが存在することによっても裏付け\nられているというべきである(乙12,15〜17)。 さらに,配線チューブがフィーダ本体上部後端からまっすぐに伸びてい る点についても,ある機器に何らかのチューブが取り付けられている場合 に,取り回し等の観点から複数のチューブをまとめて同方向に取り出すこ とは,他社の半田フィーダにおいても同様の構成が採用されていることが\n認められるように(乙15〜17),極めて容易に着想し得る一般的な構\n成というべきである。 なお,商品の重量そのものは,不競法2条4項が定める「商品の形態」 に当たるとはいえない。 以上によれば,控訴人が原告商品の特徴的形状であると主張する形態は, いずれも半田フィーダという商品が通常有する形態にすぎないというべき である。
・・・
著作権法上の美術の著作物として保護される ためには,仮にそれが産業用の利用を目的とするものであったとしても, 美的観点を全く捨象してしまうことは相当でなく,何らかの形で美的鑑賞 の対象となり得るような創作的特性を備えていなければならないというべ きである。 控訴人が主張するように,原告商品は,ステッピングモータの一部分が 飛び出している点を除き,出口ノズルから配線チューブ等に至るまで,各 構成が概ね直線状にコンパクトにまとめられた形態を有していることが認\nめられる。しかし,原告商品の外観からは,社会通念上,この機器を動作 させるために必要な部材を機能的観点に基づいて組み合わせたもの,すな\nわち技術的思想が表現されたものであるということ以上に,端整とか鋭敏,\n優雅といったような何かしらの審美的要素を見て取ることは困難であると いわざるを得ず,原告商品が美的鑑賞の対象となり得るような創作的特性 を備えているということはできない。

◆判決本文

原審はこちら。

◆平成27(ワ)33412

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平成29(ワ)21107  不正競争行為差止等請求事件 平成30年3月19日  東京地方裁判所

 不競法2条1項3号の商品形態模倣には該当しないと判断されました。なお、争点の1つとして、旧製品を変更した新製品について、販売開始時期は新製品の販売時期かが争われました。裁判所は新製品の販売時期と判断しました。新旧でどの程度違うのかについては、判決文の後ろに写真があります。
 原告商品と旧原告商品のV型プレートは,中央下部の幅,4個の穴の位置,そ れぞれの穴の距離,中央下部の窪みの位置・角度,両翼下部の角度,両翼の長さ,両 翼の穴の位置が共通するが,両翼の上部が削られてその形状及び幅が両翼にかけて細 長く変更されている。上記変更により,原告商品のV型プレートの美観から受ける印 象は旧原告商品のV型プレートとは相当に異なるものといえる。そうすると,上記変 更は,V型プレートの形態としてはその美観において実質的に変更されたと評価し得 る変更であって,しかも,V型プレートはサックス用ストラップの美観における特徴 的部分であり需要者が着目する部分であるといえるから,V型プレートの変更後の形 態は,美観の点において保護されるべき形態であると認められる。もっとも,V型プ レートを有するサックス用ストラップは,旧原告商品はもとより他にも同種商品が存 在し(乙1,2),細長形状の形態も公開されているところであるから(乙4),ここ で保護されるのは,V型プレートの中央部の形状や両翼の角度・形状等を総合した特 有の形状に限られるというべきである。
・・・
以上のとおり,原告商品のV型プレートの変更部分は,商品の形態において実 質的に変更されたものであり,その特有の形状が美観の点において保護されるべき形 態であると認められるから,原告商品が「日本国内において最初に販売された日」は, 旧原告商品が最初に販売された日ではなく,原告商品が最初に販売された日である平 成28年3月頃であると認められる。

◆判決本文

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平成28(ワ)298等  特許権侵害差止等請求事件,債務不存在確認等請求事件  特許権  民事訴訟 平成29年4月20日  大阪地方裁判所(21民)

 特許権侵害事件で、新規性喪失の例外主張における証明書では提出されていなかった証拠がある(関連したものでない)として、無効(特104-3)と判断されました。商品形態模倣(不競法2条1項3号)も否定されました。よって、取引先への告知は、営業誹謗行為(不競法2条1項15号)が成立すると判断されました。
 1 争点2(本件特許は特許無効審判により無効とされるべきものか)について
(1) 証拠(乙2の1ないし4)及び弁論の全趣旨によれば,本件発明の実施品で ある原告製品は,本件発明の原出願である実用新案の出願日(平成26年11月2 6日)より前である同年9月22日以前に,Q2コープ連合に対して納品され,ま たQ2コープ連合においてそのチラシに掲載されて販売され,さらに同年10月1 0日には,被告において市場で取得された事実が認められるから,本件発明は,出 願前に日本国内において公然実施された (特許法29条1項2号)というべきこと になる。
(2) 上記(1)の事由は,本件特許を特許無効審判により無効とすべき事由となるが, 原告は,本件発明の原出願において原告が行った手続により,特許法30条2項に 定める新規性喪失の例外が認められる旨主張する。 そこで検討するに,特許法30条2項による新規性喪失の例外が認められるため には,同条3項により定める,同法29条1項各号のいずれかに該当するに至った 発明が,同法30条2項の規定を受けることができる発明であることを証明する書 面(以下「証明書」という。)を提出する必要があるところ,証拠(甲3)によれば, 原告は,本件発明の原出願(実願2014−6265,出願日:同年11月26日) の手続において,同年12月2日,実用新案法11条,特許法30条2項に定める 新規性喪失の例外の適用を受けるための証明書を提出した事実が認められる(特許 法46条の2,44条4項の規定により,特許出願と同時に提出されたものとみな される。)。 しかし,同証明書は,公開の事実として,平成26年6月2日,原告を公開者, Q1生活協同組合を販売した場所とし,原告が一般消費者にQ1生活協同組合のチ ラシ記載の「ドラム式洗濯機用使い捨てフィルタ(商品名:「ドラム式洗濯機の毛ゴ ミフィルター」)を販売した事実を記載しているだけであって,上記Q2コープ連合 における販売の事実については記載されていないものである。 この点,原告は,上記Q2コープ連合における販売につき,実質的に同一の原告 製品についての,日本生活協同組合連合会の傘下の生活協同組合を通しての一連の 販売行為であるから,新規性喪失の例外規定の適用を受けるために手続を行った販 売行為と実質的に同一の範疇にある密接に関連するものであり,原告が提出した上 記証明書により要件を満たし,特許法30条2項の適用を受ける旨主張する。 しかし,同項が,新規性喪失の例外を認める手続として特に定められたものであ ることからすると,権利者の行為に起因して公開された発明が複数存在するような 場合には,本来,それぞれにつき同項の適用を受ける手続を行う必要があるが,手 続を行った発明の公開行為と実質的に同一とみることができるような密接に関連す る公開行為によって公開された場合については,別個の手続を要することなく同項 の適用を受けることができるものと解するのが相当であるところ,これにより本件 についてみると,証拠(乙16の1,2)によれば,Q2コープ連合及びQ1生活 協同組合は,いずれも日本生活協同組合連合会の傘下にあるが,それぞれ別個の法 人格を有し,販売地域が異なっているばかりでなく,それぞれが異なる商品を取り 扱っていることが認められる。すなわち,上記証明書に記載された原告のQ1生活 協同組合における販売行為とQ2コープ連合における販売行為とは,実質的に同一 の販売行為とみることができるような密接に関連するものであるということはでき ず,そうであれば,同項により上記Q1生活協同組合における販売行為についての 証明書に記載されたものとみることはできないことになる。
・・・・
上記検討した両製品において同一といえる形態的特徴のうち,本体部の形態 が長方形であるという点は,ドラム式洗濯機のリントフィルタに装着して用いる商 品である原告製品及び被告製品にとっては,リントフィルタの内面に沿って装着す るために必然的にもたらされる形態であるといえ,したがってこれは,その機能を\n確保するために不可欠なことであると認められる。また,もう一つの同一といえる 形態的特徴である本体部にスリットが存在するという点も,本件発明の効果をもた らすことに直接関係した形態であることからすると(上記第2の2(2)(10)),これも 両製品に共通する機能を確保するために不可欠な形態であるといえる。\nしたがって,これらの基本的形態で両製品の形態の同一性が認められたとしても, これによって両製品の形態が実質的に同一ということはできないというべきである (なお被告は,これらの形態の特徴をとらえて原告製品はありふた形態であって保 護されないと主張するが,原告製品が市販される以前に,同種の製品が市場に存し た事実は認められないから,商品の形態がありふれていることで保護されないわけ ではなく,機能確保に不可欠な形態として保護の限界が検討されるべきである。)。\n他方,上記検討したとおり,原告製品と被告製品は,機能確保のため必要とされ\nる形態的特徴以外の部分の細部における特徴的な形態というべき部分において形態 の差異が多数あるというのであるから,両製品の形態が酷似しているとはおよそい えず,結局,原告製品と被告製品は形態が実質的に同一であるとはいえないという べきである。
(5) これに対して原告は,両製品は主として通信販売されており,需要者が商品 を手に取って詳細に観察することがなければ両者の違いを認識し得ないから,両製 品の形態の差異は微細な差異で形態が実質的に同一であるということを妨げないよ うに主張するが,不正競争防止法2条4項に「商品の形態」は「需要者が通常の用 法に従った使用に際して知覚によって認識することができる商品の外部及び内部の 形状並びにその形状に結合した模様,色彩,光沢及び質感をいう。」と定義されてい ることに明らかなように,本件で問題とすべき原告製品及び被告製品の形態とは, 上記検討したような包装袋から取り出された商品そのものの形態であって,これと 異なる前提に立つ原告の主張は失当である。 さらに,原告は,両製品の包装におけるチラシが共通することも指摘するが,原 告製品及び被告製品は,包装と一体となって切り離し得ないものではないから,原 告が指摘する包装のチラシは「商品の形態」とはいえず,原告の指摘は当たらない。
(6) 以上からすると,原告製品と被告製品とは,その形態が実質的に同一とはい えないから,被告製品は原告製品を模倣した商品とはいえず,被告が不正競争防止 法2条1項3号の不正競争をしたことを前提とする原告の請求はその余の判断に及 ぶまでもなく理由がない。
・・・・
(1) 原告は,平成27年6月11日頃,被告の取引先であるP1に対し,被告製 品は原告製品の形態を模倣した商品であり被告製品を販売する行為は不正競争防止 法2条1項3号に該当するとして,被告製品の販売の停止及び廃棄を求める内容を 記載した「申入書」と題する書面を内容証明郵便で送付している(本件告知行為)。\n上記2のとおり,被告製品は原告製品の模倣商品でないから,上記「申入書」の\n記載内容は虚偽の事実であるとともに,被告の営業上の信用を害する事実であると いうべきである。そして,原告と被告は競争関係にあるから,本件告知行為は,「競 争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知」する行為といえ,不 正競争防止法2条1項15号所定の不正競争に該当する。
(2) そのほか被告は,原告がした不正競争防止法2条1項15号該当の不正競争 行為として,原告が生活協同組合に対して被告の権利侵害の事実を理由として被告 製品の取扱いをすべきでない旨申し入れた旨主張する。\n確かに証拠(乙14の1ないし3,乙15,乙30)によれば,被告は,P2か ら被告製品の販売を中止された事実,及び,P2が被告に対し,被告製品の販売を 中止する理由として,原告の営業担当者から被告製品の販売企画を中止した方がよ いとの要望を受けたという生活協同組合のバイヤーから,そのことを理由に被告製 品の差替えの要望を受けたことを挙げていたことが認められる。 したがって,これらの事実によれば,P2における被告製品の販売中止が,原告 の営業担当の従業員がもたらした行為に起因することが認められそうであるが,前 掲証拠によれば,原告の営業担当者が生活協同組合のバイヤーに伝えた内容という のは「企画を中止した方が良い的な要望」というにとどまるというのであって,そ れだけでは原告が被告の権利を侵害したといった虚偽の事実が告知されたと認める に足りないものである。また,そもそも原告の営業担当の従業員が何らかの接触を したという生活協同組合のバイヤーは,どの生活協同組合であるかを含めて特定さ れておらず,その生活協同組合のバイヤーが実際に原告の営業担当の従業員から直 接働きかけを受けたのかを確かめようがないものである。これらのことからすれば, 原告の営業担当者の行為に起因してP2が被告製品の販売を中止したとしても,そ れをもって原告の不正競争行為を認定することは困難であるといわなければならな い。
(3) したがって,被告主張に係る原告がした不正競争防止法2条1項15号該当 の不正競争については,原告が,平成27年6月11日頃,被告の取引先であるP 1に対し,被告製品は原告製品の形態を模倣した商品であり被告製品を販売する行 為は不正競争防止法2条1項3号に該当する旨記載した「申入書」と題する書面を\n内容証明郵便で送付した事実の限度で認めるのが相当であって,それ以外の生活協 同組合に対する関係では同号の不正競争のみならず不法行為を構成する事実は認め\nられない。

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平成27(ワ)21853  不正競争行為差止等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成29年2月24日  東京地方裁判所

 3号の商品形態模倣における3年の開始日について、第1世代の商品を販売した日とすると判断されました。
このことからすれば,不競法19条1項5号イの「最初に販売された日」 に係る「商品」とは,保護を求める商品の形態を具備した最初の商品を意味 するのであって,このような商品の形態を具備しつつ若干の変更を加えた後 続商品を意味するものではないと解すべきである。
(2) これを本件についてみるに,原告は,原告テントの第2世代を第1世代と 比較すると,1)高さ調節を変更した点,2)シルバーコーティングによるUV カット加工を施した点,3)支柱を覆う細長い天幕のデザインを変更した点, 4)収納バッグの色を変更した点,5)耐水圧及びシームシーリングを施した点 で異なるから,上記「商品」とは第2世代の原告テントを指し,その販売開 始日である平成25年10月15日を「最初に販売された日」とすべき旨主 張する。 しかし,本件全証拠を精査しても,そもそも原告テントに第1世代と第2 世代があり,第2世代は第1世代と上記1)ないし5)の全ての点で異なってい ることを示すに足りる的確な証拠は見当たらない。 この点に関して原告は,「タープテント史」と題する書面(甲13の1) にその旨記載されているかのように主張するが,原告作成の証拠説明書3に よれば,同書面は本訴係属中の平成27年12月に原告自身によって作成さ れたものというのであって,その形式に照らし,証明力は極めて低いといわ ざるを得ない上,その内容をみても,「第1世代」や「第2世代」という用 語は直接的には記載されていない。しかも,同書面には,原告テントについ て,高さ調節の変更(上記1))を平成25年10月15日生産開始分から施 した旨の記載があり,この点は原告の主張とも符合しているものの,他方で, シルバーコーティングによるUVカット加工(上記2)),支柱を覆う細長い 天幕のデザインの変更(上記3))及び耐水圧(上記5))を施したのは同年4 月18日生産開始分からという記載もあって,これらは原告の主張する時期 とは必ずしも整合するものではないし,収納バッグの色の変更(上記4))に ついては記載すらされていない。 また,原告は,「ワンタッチタープテント取扱説明書」と題する2通の書 面(甲22,23)の記載に関し,原告作成の証拠説明書4において,この うち前者が第1世代の,後者が第2世代のものであると説明する。しかし, これらの書面にも「第1世代」や「第2世代」との用語はなく,各書面の作 成時期も必ずしも判然としない(甲23には「2013.0731」との記 載があり,これは2013年〔平成25年〕7月31日を意味するものと解 されるが,原告の主張する第2世代の販売開始日〔平成25年10月15 日〕と整合しない。)。しかも,上記各書面からは,原告テントにおいて3 段階調節から2段階調節への変更(上記1))及び支柱を覆う細長い天幕のデ ザインの変更(上記3))がされたことはうかがえるものの,その余の変更点 (上記2),4)及び5))は書面上直ちに確認することができない。 以上からすれば,原告の上記主張は,そもそもその前提を欠くものといわ ざるを得ない。
(3) 仮に原告の主張するとおり,原告テントに第1世代と第2世代があり,第 2世代は第1世代と上記1)ないし5)の全て点で異なっているとしても,以下 のとおり,原告が保護を求める商品の形態は第1世代から具備されていたも のというべきである。
ア 原告は,第2世代の原告テントの構成態様が次の(ア)及び(イ)のとおり であるとし,この形態が不競法2条1項3号により保護される「商品の 形態」である旨主張している。
・・・
イ 他方,原告が第1世代と第2世代の相違点として指摘するのは,上記 (2)のとおり,1)高さ調節を変更した点,2)シルバーコーティングによる UVカット加工を施した点,3)支柱を覆う細長い天幕のデザインを変更 した点,4)収納バッグの色を変更した点,5)耐水圧及びシームシーリン グを施した点という5点でしかない。そして,このうち1)は原告のいう 基本的構成態様F(具体的構\成態様のF−1及びF−2)に,2)ないし 5)は原告のいう具体的構成態様のA−7(2)),A−8(5)),B−4 (4))及びE−3(3))に相当するものと解されるとしても,その余の 構成態様,すなわち基本的構\成態様のA,B,C,D及びEと,具体的 構成態様のA−1,A−2,A−3,A−4,A−5,A−6,B−1,\nB−2,B−3,C−1,D−1,E−1及びE−2は,いずれも第1 世代と第2世代とで共通する構成態様ということになる。\nそうすると,原告が不競法2条1項3号により保護されるべき商品の 形態として主張する構成態様の大部分は,第1世代の当時から存在して\nいたものというべきである。
ウ 次に,原告の主張する上記1)ないし5)の各相違点について,以下検討 を加える。
(ア) 高さ調節
原告は,第1世代では高さ調節が3段階であったところ,第2世代で はこれを2段階に変更したと主張する。 しかし,「商品の形態」とは,「需要者が通常の用法に従った使用に 際して知覚によって認識することができる商品の外部及び内部の形状並 びにその形状に結合した模様,色彩,光沢及び質感をいう」(不競法2 条4項)ものであって,商品の機能及び性能\それ自体は不競法2条1項 3号で保護される「商品の形態」には当たらないと解されるところ,高 さ調節を「3段階」で行うのか,それとも「2段階」で行うのかという 点は,まさに原告テントの機能ないし性能\それ自体の違いをいうものに すぎず,「商品の形態」には当たらないといわざるを得ない。 また,原告は,支柱の長さを変更し,テントを展開したときの高さが 8.5cm小さくなったと主張する。 しかし,証拠(甲13の1)によれば,この変更は,従前の支柱の長 さが198.6cmであったものを190.1cmに縮めたというものにす ぎず,その割合からすれば,わずかな相違点であるといわざるを得ない。 なお,原告は,原告テントを発送する場合には梱包サイズ(3辺の合 計)が160cmを超えるか否かで送料が変わるところ,上記各変更によ り梱包サイズが166cmから158cmになったため,送料が安くなり, その結果,売れ行きが伸びたなどとも主張するが,そのこと自体は形態 を変更した理由若しくは目的や効果にすぎず,結局,その外観上は大き さに関するわずかな変更がされたというにとどまるから,この点をもっ て,不競法2条1項3号で保護される「商品の形態」において顕著な変 更がされたとはいえない。
(イ) シルバーコーティングによるUVカット加工
原告は,第2世代ではテントの生地にシルバーコーティングを施して UVカットを実現した旨主張する。 しかし,この点は,需要者が通常の用法に従った使用に際して知覚に よって認識することができるものとはいい難く,商品の機能及び性能\そ れ自体の変更をいうものにすぎないから,不競法2条1項3号の「商品 の形態」には当たらない。 この点に関して原告は,従前はテントの中にいても太陽が透けて見え ていたのが,シルバーコーティングを施したことによりまぶしくなくな り,もって見た目や色が変化したなどとも主張するが,これを裏付ける 証拠は存在しないし,仮にそのような変化が生じたとしても,基本的に は商品の機能及び性能\の変化の範囲を超えるものではないか,外観にお いてわずかな差異を生じさせるものにすぎないから,原告の上記主張は 採用することができない。
(ウ) 支柱を覆う細長い天幕のデザイン
原告は,第1世代では支柱を覆う細長い天幕にストライプ状の柄が入 っていたのを,第2世代ではテント本体の天幕と同じ無地の色に変更し たと主張する(別紙「天幕デザイン変更図」参照)。 しかし,上記変更は,原告も自認するとおり,支柱を覆う細長い天幕 の部分にプリントされた色彩及び図柄の変更にすぎず,支柱を覆う細長 い天幕の外形的な形状自体には何ら変更がないのであるから,仮に上記 デザインが不競法2条1項3号の「商品の形態」に該当するとしても, テント全体からみればわずかな変更にすぎないといわざるを得ない。
(エ) 収納バッグ
原告は,収納バッグの色を黒色に統一したと主張するが,これを裏付 ける証拠はない上,そもそもこの主張自体はテント本体の形態の変更を いうものでもないし,その変更点も,色を変更したというものにすぎな い。 なお,原告は,収納バッグの色を統一したことにより在庫リスクが減 ったとも主張するが,具体的に在庫リスクが減ったことを裏付ける証拠 は存在しないし,そもそも在庫リスクが減ったかどうかは「商品の形態」 の問題ではない。
(オ) 耐水圧及びシームシーリング
原告は,第2世代では防水処理を施した上,シームシーリングという 方法で天幕の裏側から縫い目を保護し,より防水機能を高めたと主張す\nる。 しかし,これらはいずれも需要者が通常の用法に従った使用に際して 知覚によって認識することができるものとはいい難く,商品の機能及び\n性能それ自体の変更をいうものにすぎないから,不競法2条1項3号の\n「商品の形態」には当たらないし,仮に天幕の裏側から縫い目を保護し たことにより外観に変更が生じているとしても,テント全体からみれば わずかな差異にすぎない。
(カ) 小括
以上からすれば,原告の主張する原告テントの第2世代における変更 点は,そもそも不競法2条1項3号の「商品の形態」を変更するもので はないか,仮に「商品の形態」を変更するものであるとしても,原告テ ントの第1世代の商品形態を具備しつつ若干の変更を加えたものにすぎ ないというべきであるから,第1世代と第2世代は実質的に同一の形態 であるものといわざるを得ない。
(4) 以上によれば,原告の主張を前提としても,原告が保護を求める商品の形 態を具備した最初の商品は,第2世代の原告テントではなく,第1世代の原 告テントであるというべきである。そして,第1世代の原告テントが日本国 内で最初に販売されたのは平成22年10月頃というのであるから(前記第 2,2(2)),被告テントの販売開始時点である平成27年5月2日時点で は,既に3年が経過していることになる。 したがって,被告による被告テントの販売には,不競法19条1項5号イ の適用除外事由があり,そもそも同法3条及び4条の適用がない。

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平成28(ネ)10084  不正競争行為差止等請求控訴事件  不正競争  民事訴訟 平成28年12月22日  知的財産高等裁判所(第1部)  東京地方裁判所(47民)

 フェイスマスクの包装が似ているとして不競法の商品等表示と類似または商品形態模倣であると主張しましたが、1審と同様に該当しないと判断されました。
「そして,不正競争防止法にいう「商品の形態」とは,需要者が通常の用法に従 った使用に際して知覚によって認識することができる商品の外部及び内部の形状並 びにその形状に結合した模様,色彩,光沢及び質感をいうところ(不正競争防止法 2条4項),前記1の認定事実によれば,控訴人商品の外面包装は,光沢のあるロー ズピンクであって,伏し目のまつ毛のデザイン及び「LuLuLun」という大き な文字等が付されていることが認められることからすると,外面包装全体が立方体 であるなどという控訴人主張に係る形態よりも,かえって,外装包装に結合した模 様,色彩,光沢及び質感が,需要者に対し強い印象を与えるものとして出所識別機 能を有するというべきであって(ただし,控訴人は,「LuLuLun」等の記載を\n控訴人商品の形態の特徴として主張するものではない(原審第1回口頭弁論調書参 照)),もとよりこれらが不正競争防止法2条1項1号にいう「商品等表示」に該当\nするとしても,被控訴人商品が控訴人商品と類似するものではないことは明らかで ある。
・・・
控訴人は,控訴人商品の外面包装の上面及び下面,フラップラベル,その下の切 込み部分は概ね正方形であって,控訴人商品のような外面包装全体が立方体である というシンプルなデザインを採用した商品は他に存在しなかったのであり,控訴人 商品の形態は,他の商品とは異なる顕著な特徴を有するものであり,不正競争防止 法2条1項1号にいう「商品等表示」に該当し,これと実質的に同一の形態の被控\n訴人商品は同項3号にいう控訴人商品の「模倣」に該当する旨主張する。 しかしながら,前記のとおり,商品の形態は,顕著な特徴を有しない限り,そも そも本来商品の出所を表示するものではなく,控訴人商品の外面包装全体が立方体\nであるなどという形態は,極めてシンプルなものであって,上記にいう顕著な特徴 であると認めることはできない。かえって,前記認定事実によれば,控訴人商品と 被控訴人商品は,外面包装に結合した模様,色彩,光沢及び質感が需要者に対し明 らかに異なる印象を与えているのであるから,上記立方体等の形態が商品等表示で\nあると認めることはできず,控訴人商品と被控訴人商品が類似するということもで きない。そのほかに控訴人の当審における主張を改めて十分検討しても,その実質\nは,同種の主張を縷々繰り返すものであって,結局のところ,不正競争防止法2条 1項1号又は3号の規定の意義を正解しないものに帰するというほかない。 したがって,控訴人の上記主張は,採用することができない。

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◆原審はこちらです。平成27(ワ)33398

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平成28(ネ)10018  不正競争差止等請求控訴事件  不正競争  民事訴訟 平成28年11月30日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 加湿器に関して、1審は不競法の商品形態模倣(3号)における商品でないと判断しましたが、知財高裁2部は、流通過程に置かれていなくても商品であるとと判断しました。 なお、量産品について著作物ではないとの判断は維持されています。
 不正競争防止法1条は,「事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確 な実施を確保するため,不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置 等を講じ,もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」と定め,同 法2条1項3号は,「他人の商品の形態(当該商品の機能を確保するために不可欠な\n形態を除く。)を模倣した商品を譲渡し,貸し渡し,譲渡若しくは貸渡しのために展 示し,輸出し,又は輸入する行為」を不正競争と定めている。 不正競争防止法が形態模倣を不正競争であるとした趣旨は,商品開発者が商品化 に当たって資金又は労力を投下した成果が模倣されたならば,商品開発者の市場先 行の利益は著しく減少し,一方,模倣者は,開発,商品化に伴う危険負担を大幅に 軽減して市場に参入でき,これを放置すれば,商品開発,市場開拓の意欲が阻害さ れることから,先行開発者の商品の創作性や権利登録の有無を問うことなく,簡易 迅速な保護手段を先行開発者に付与することにより,事業者間の公正な商品開発競 争を促進し,もって,同法1条の目的である,国民経済の健全な発展を図ろうとし たところにあると認められる。 ところで,不正競争防止法は,形態模倣について,「日本国内において最初に販売 された日から起算して3年を経過した商品」については,当該商品を譲渡等する行 為に形態模倣の規定は適用しないと定めるが(同法19条1項5号イ),この規定に おける「最初に販売された日」が,「他人の商品」の保護期間の終期を定めるための 起算日にすぎないことは,条文の文言や,形態模倣を新設した平成5年法律第47 号による不正競争防止法の全部改正当時の立法者意思から明らかである(なお,上 記規定は,同改正時は同法2条1項3号括弧書中に規定されていたが,同括弧書が 平成17年法律第75号により同法19条1項5号イに移設された際も,この点に 変わりはない。)。また,不正競争防止法2条1項3号において,「他人の商品」とは, 取引の対象となり得る物品でなければならないが,現に当該物品が販売されている ことを要するとする規定はなく,そのほか,同法には,「他人の商品」の保護期間の 始期を定める明示的な規定は見当たらない。したがって,同法は,取引の対象とな り得る物品が現に販売されていることを「他人の商品」であることの要件として求 めているとはいえない。 そこで,商品開発者が商品化に当たって資金又は労力を投下した成果を保護する との上記の形態模倣の禁止の趣旨にかんがみて,「他人の商品」を解釈すると,それ は,資金又は労力を投下して取引の対象となし得ること,すなわち,「商品化」を完 了した物品であると解するのが相当であり,当該物品が販売されているまでの必要 はないものと解される。このように解さないと,開発,商品化は完了したものの, 販売される前に他者に当該物品の形態を模倣され先行して販売された場合,開発, 商品化を行った者の物品が未だ「他人の商品」でなかったことを理由として,模倣 者は,開発,商品化のための資金又は労力を投下することなく,模倣品を自由に販 売することができることになってしまう。このような事態は,開発,商品化を行っ た者の競争上の地位を危うくさせるものであって,これに対して何らの保護も付与 しないことは,上記不正競争防止法の趣旨に大きくもとるものである。 もっとも,不正競争防止法は,事業者間の公正な競争を確保することによって事 業者の営業上の利益を保護するものであるから(同法3条,4条参照),取引の対象 とし得る商品化は,客観的に確認できるものであって,かつ,販売に向けたもので あるべきであり,量産品製造又は量産態勢の整備をする段階に至っているまでの必 要はないとしても,商品としての本来の機能が発揮できるなど販売を可能\とする段 階に至っており,かつ,それが外見的に明らかになっている必要があると解される。 以上を前提に控訴人加湿器1及び控訴人加湿器2が,「他人の商品」であるか否か を検討する。 (2) 控訴人加湿器1について
前記第2,2(3)1)のとおり,控訴人らは,平成23年11月,商品展示会に控訴 人加湿器1を出展している。商品展示会は,商品を陳列して,商品の宣伝,紹介を 行い,商品の販売又は商品取引の相手を探す機会を提供する場なのであるから,商 品展示会に出展された商品は,特段の事情のない限り,開発,商品化を完了し,販 売を可能とする段階に至ったことが外見的に明らかになったものと認めるのが相当\nである。なお,上記商品展示会において撮影された写真(甲3の2,25)には, 水の入ったガラスコップに入れられた控訴人加湿器1の上部から蒸気が噴き出して いることが明瞭に写されているから,控訴人加湿器1が,上記商品展示会に展示中, 加湿器としての本来の機能を発揮していたことは明白である。\nところで,前記第2,2(2)3)のとおり,控訴人加湿器1は,被覆されていない銅 線によって超音波振動子に電力が供給されており,この形態そのままで販売される ものでないことは明らかである。 しかしながら,商品としてのモデルが完成したとしても,販売に当たっては,量 産化などのために,それに適した形態への多少の改変が必要となるのは通常のこと と考えられ,事後的にそのような改変の余地があるからといって,当該モデルが販 売可能な段階に至っているとの結果を左右するものではない。\n上記のような控訴人加湿器1の被覆されていない銅線を,被覆されたコード線な どに置き換えて超音波振動子に電源を供給するようにすること自体,事業者にとっ てみれば極めて容易なことと考えられるところ,控訴人加湿器1は,外部のUSB ケーブルの先に銅線を接続して,その銅線をキャップ部の中に引きこんでいたもの であるから(甲24),商品化のために置換えが必要となるのは,この銅線から超音 波振動子までの間だけである。そして,実際に市販に供された控訴人加湿器3の電 源供給態様をみると,USBケーブル自体が,キャップ部の小孔からキャップ部内 側に導かれ,中子に設けられた切り欠きと嵌合するケーブル保護部の中を通って, 超音波振動子と接続されているという簡易な構造で置換えがされていることが認め\nられるから(乙イ4,弁論の全趣旨),控訴人加湿器1についても,このように容易 に電源供給態様を置き換えられることは明らかである。そうすると,控訴人加湿器 1が,被覆されていない銅線によって電源を供給されていることは,控訴人加湿器 1が販売可能な段階に至っていると認めることを妨げるものではない。\n以上からすると,控訴人加湿器1は,「他人の商品」に該当するものと認められる。 (3) 控訴人加湿器2について 控訴人加湿器2は,控訴人加湿器1よりもやや全長が短く,円筒部が,控訴人加 湿器1よりもわずかに太いという差異があるほかは,控訴人加湿器1と同様の形態 を有するところ,実質的に同一の形態を有する控訴人加湿器1が「他人の商品」で ある以上,その後に開発され,国際見本市に出展された控訴人加湿器2が,販売可 能な状態に至ったことが外見的に明らかなものであることは,当然である。\nしたがって,控訴人加湿器2は,「他人の商品」に該当するものと認められる。
(4) 被控訴人の主張について
被控訴人は,控訴人加湿器1及び控訴人加湿器2が未完成であり,また,商品化 する具体的な開発についても未着手の状態である,そもそも,電源の供給方法も定 まっておらず商品として販売できないものであるなど,るる主張する。 しかしながら,上記(2)にて説示のとおり,控訴人加湿器1及び控訴人加湿器2は, そのままの形態で販売することが想定されておらず,電源供給部分の具体的な形状 についての改変は必要であるとしても,商品化は完了しているといえ,未完成であ るわけではない。その電源供給の具体的手段について将来的な変更の余地はあった としても,控訴人加湿器1及び控訴人加湿器2自体は,実際の形態どおりに外部電 源を引きこむものとして確定している。 そして,控訴人X1は,平成24年7月,雑貨店の店舗経営等を業とするスタイ リングライフにおいて商品仕入れを担当しているA(A)から,メールにて,控訴 人加湿器2の製品化の具体的な日程を問い合わせられた際,Aに対し,次のような メールを返信している(甲7)。 「 『Stick Humidifier』の製品化につきましては,具体的な日程は決まっており ません。製品化のお話はいくつかのメーカーさんから頂いてはおりますが,我々 の考えと合致するパートナーさんが見つかっておらず,開発がやや順延している のが現状です。購入や買い付けに関する問い合わせを多数頂いている故,1日も 早く開発を行いたいところです。」 上記記載の「製品化」は,量産のことを意味していることは明らかであり,「開発」 はそれに応じた設計変更をいうものと解され,上記記載が,控訴人加湿器2や控訴 人加湿器1が未完成で販売可能な状態ではないことをいう趣旨とは解されない。い\nったん商品化が完了した商品について,販売相手に応じて更なる改良の余地があっ たとか,その意図を有していたからといって,遡って,当該商品が商品化未了とな るものではない。上記メールの内容は,控訴人加湿器1が商品化されていないこと を裏付けるものではない。 そのほかに被控訴人がるる主張するところも,上記(1)(2)の認定判断に照らして, 採用することができない。

◆判決本文

◆1審はこちらです。平成27(ワ)7033

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平成28(ネ)10051  不正競争行為差止等請求控訴事件  不正競争  民事訴訟 平成28年10月31日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 包装箱及び銀包の形状について、商品形態模倣(不競法2条1項3号)ではないと判断されました。判決文の最後に双方の形状が記載されています。
 そうすると,被控訴人商品の商品名及び「80種類の酵素と青汁」という表示を\n含む包装箱表面の模様は,緑色の背景に白抜きで商品名が記載されており,「80種\n類の酵素と青汁」という文字列が記載されているという点において,控訴人商品の 包装箱表面の模様と類似するということができるものの,商品名が配置されている\n位置や背景の形状,同一の背景の中に描かれた他の模様が著しく相違しているし, 「80種類の酵素と青汁」という文字列が配置されている位置,背景及び文字色も 大きく異なっており,その余の部分も含めた包装箱表面の模様全体としてみると,\nその類似性は低いものと認められる。 また,甲3の2,甲4の2及び弁論の全趣旨によれば,控訴人主張の控訴人商 品及び被控訴人商品の各裏面の栄養成分表示と商品説明文は,配置や記載内容は類\n似するものの,いずれも青汁という製品に共通する格別の特徴がないありふれた形 態であると認められる。 以上によれば,控訴人主張の控訴人商品の形態のうち,包装箱及び銀包の形状並 びに包装箱裏面の栄養成分表示と商品説明文については,同種の製品に共通する特\n徴のないごくありふれた形態であって,「商品の形態」を構成するものとはいえない\nし,包装箱表面の商品名及び「81種類の酵素と青汁」という文字を商品の形状に\n結合した模様として参酌しても,それらを含む包装箱表面の模様全体の類似性は低\nく,実質的に同一の形態ということはできないから,被控訴人商品が控訴人商品の 「商品の形態を模倣した商品」であると認めることはできない。

◆判決本文

◆原審はこちら。平成27(ワ)29222

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平成28(ネ)10059  著作権侵害行為差止等請求控訴事件  著作権  民事訴訟 平成28年10月13日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 練習用箸について、著作物性が否定されました。判断としては1審と同じですが理由が詳細になっています。
 第三に,原告各製品は,幼児が食事をしながら正しい箸の持ち方を簡 単に覚えられるようにするための練習用箸であって,その目的を実現す るために,2本の箸を連結する,あるいは,箸を持つ指の全部又は一部 を固定するというのは,いずれもありふれた着想にすぎず,このことは 甲16〜26の各製品や,乙5〜12の各公報に描かれたデザインを見 ても明らかである。また,かかる着想を具体的な商品形態として実現し ようとすれば,箸という物品自体の持つ機能や性質に加え,練習用箸と\nしての実用性が求められることからしても,選択し得る表現の幅は自ら\n相当程度制約されるのであって,美術の著作物としての創作性を発揮す る余地は極めて限られているものといえる。 (エ) 以上に基づいて検討するに,まず,箸を連結すること自体はアイデア であって表現ではない(なお,連結部分にキャラクターを表\現すること も,それ自体はアイデアであって,著作権法上保護すべき表現には当た\nらない。)し,その具体的な連結の態様を見ても,原告各製品が他社製 品(甲16〜26)と比較して特徴的であるとまではいえず,まして美 的鑑賞の対象となり得るような何らかの創作的工夫がなされているとは 認め難い。よって,前記1)の点に美術の著作物としての創作性を認める ことはできない。 次に,箸を持つ指やその位置が決まっている以上,これを固定しよう と考えれば,固定部材を置く位置は自ずと決まるものであるし,人差し 指,中指,親指の3指を固定することや固定部材として指挿入用のリン グを設けることも,例えば,原告各製品が製造販売されるより前に刊行 された乙5,7,8の各公報においても類似の構成が図示されている(す\nなわち,乙5及び乙7には,一対の箸のうち1本が人差し指と中指を入 れる2つのリングを有し,他方の1本が親指と薬指を入れる2つのリン グを有するものが図示されている。乙8には,一対の箸のうち1本が人 差し指と中指を入れる2つのリングを有し,他方の1本が薬指を入れる 1つのリングを有するものが図示されている。)ように,特段目新しい ことではない。原告各製品も通常指を置く位置によくあるリングを設け たにすぎず,その配置や角度等に実用的観点からの工夫があったとして も,美的鑑賞の対象となり得るような何らかの創作的工夫がなされてい るとは認め難い。よって,前記2)の点についても,美術の著作物として の創作性を認めることはできない。

◆判決本文

◆1審はこちらです。平成27(ワ)27220

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平成27(ワ)29222  不正競争行為差止等請求事件  不正競争 民事訴訟 平成28年4月28日  東京地方裁判所

 包装箱の表面及び裏面の記載は、不競法の商品形態模倣(2条1項3号)には該当しないと判断されました。
   「商品の形態」とは需要者が通常の用法に従った使用に際して知覚によって認識することができる商品の外部及び内部の形状並びにその形状に結合した模様,色彩,光沢及び質感をいうところ(不正競争防止法2条4項),原告商品の包装箱の表面及び裏面の記載のうち被告商品と共通する部分はいずれも原告商品を説明した文章にすぎないから,商品の形状に結合した模様には当たらないというべきである。これらのことからすれば,原告商品の包装箱及び銀包の形状及び寸法,包装箱の表\面及び裏面の記載はいずれも同条1項3号により保護されるべき「商品の形態」に当たらないと解されるから,被告商品が原告商品の「商品の形態を模倣した商品」であると認めることはできない。したがって,不正競争防止法に基づく原告の請求はその余の点を判断するまでもなく理由がない。

◆判決本文

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平成27(ワ)7033  不正競争差止等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成28年1月14日  東京地方裁判所

 対象の加湿器の形状は不競法の商品でない、著作物でもないと判断されました。
 原告らの不正競争防止法2条1項3号に基づく請求に対し,被告らは,原告加湿器1及び2は同号により形態が保護される「商品」に当たらない旨主張する。 そこで判断するに,同号が他人の「商品」の形態の模倣に係る不正競争を規定した趣旨は,市場において商品化するために資金,労力等を投下した当該他人を保護することにあると解される。そして,事業者間の公正な競争を確保するという同法の目的(1条参照)に照らせば,上記「商品」に当たるというためには,市場における流通の対象となる物(現に流通し,又は少なくとも流通の準備段階にある物)をいうと解するのが相当である。 論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ア 原告加湿器1及び2は加湿器として開発されたものであり,使用するためには電源が必要になるところ,原告が平成23年11月及び平成24年6月に展示会に出品した際には,いずれも加湿器の本体を外部電源に銅線で接続することにより電気の供給を受ける構成となっていた。(甲3,5,20)\n
イ 原告らは,平成24年7月,被告スタイリングライフの担当従業員から原告加湿器2の製品化について問合せを受けたのに対し,原告らと考えの合致する製造業者が見つかっておらず,製品化の具体的な日程は決まって いない旨回答した。(甲7)
ウ 原告らは,平成27年1月5日頃,原告らのウェブサイトで原告加湿器3の販売を開始した。原告加湿器3は,加湿器本体とUSB端子がケーブルで接続され,これにより電気の供給を受ける構成となっている。(甲16,17)\n上記事実関係によれば,原告加湿器1及び2は,上記各展示会の当時の構成では一般の家庭等において容易に使用し得ないものであって,開発途中の試作品というべきものであり,被告製品の輸入及び販売が開始された平成25年秋頃の時点でも,原告らにおいて原告加湿器1及び2のような形態の加湿器を製品化して販売する具体的な予\\定はなかったということができる。そうすると,原告加湿器1及び2は,市場における流通の対象となる物とは認められないから,不正競争防止法2条1項3号にいう「商品」に当たらないと解すべきである。
・・・
そこで判断するに,同法2条1項1号は「著作物」とは「思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するものをいう」旨,同条2項は「この法律にいう『美術の著作物』には,美術\n工芸品を含むものとする」旨規定している。これらの規定に加え,同法が文化の発展に寄与することを目的とするものであること(1条),工業上利用することのできる意匠については所定の要件の下で意匠法による保護を受けることができることに照らせば,純粋な美術ではなくいわゆる応用美術の領域に属するもの,すなわち,実用に供され,産業上利用される製品のデザイン等は,実用的な機能を離れて見た場合に,それが美的鑑賞の対象となり得るような創作性を備えている場合を除き,著作権法上の著作物に含まれないものと解される。
(3)これを本件についてみるに,証拠(甲3,5,20)及び弁論の全趣旨によれば,原告加湿器1及び2は,試験管様のスティック形状の加湿器であって,本体の円筒状部の下端に内部に水を取り込むための吸水口が,本体の上部に取り付けられたキャップの上端に噴霧口がそれぞれ取り付けられており,この吸水口から内部に取り込んだ水を蒸気にして噴霧口から噴出される構造となっていることが認められる。そして,以上の点で原告加湿器1及び2が従来の加湿器にない外観上の特徴を有しているとしても,これらは加湿器としての機能\\を実現するための構造と解されるのであって,その実用的な機能\\を離れて見た場合には,原告加湿器1及び2は細長い試験管形状の構造物であるにとどまり,美的鑑賞の対象となり得るような創作性を備えていると認めることはできない。\n

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平成25(ワ)11486  不正競争行為差止等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成27年10月29日  大阪地方裁判所  棄却

 不競法の商品形態模倣について、似ている部分は本件商品の通常の形態であるとして、該当せずと判断されました。
 これに対して原告は,上記のような原告商品と被告商品の形態の特徴の相違は,些細なもの,あるいは僅かな違いであるなどとし,原告主張に係る形態の対比だけで商品形態の実質的同一性の判断に十分なように主張するところ,確かに両商品を対比して観察すると,原告主張に係る形態の特徴が共通することから,一見してよく似ているとの印象が与えられ,それに比較すると,上記(5)で認定した相違点は微細なものであるように思えないではない。
イ しかし,証拠(乙9,18,甲60)によれば,回転式草刈機の刃の下側に装着することを特徴とする刃の保護カバーは,原告商品の日本国内販売開始当時,日本国内においてはほとんど存しなかったものの,韓国においては一般的であったものと認められ,そして,それらの保護カバーにおいては,以下1)ないし4)の形態の特徴が認められるものが多く,またそれらは,この種の商品において機能を発揮するための構\造であるとも認められる。 1) 保護プレートが回転式草刈機の円盤形カット刃の下部に位置する。 2) 保護プレートは,複数の突出部と溝部が円周方向に沿って交互に形成された放射形状となっている。 3) 上記放射形状の突出部の一部は,他に比して大きく,同所に回転式草刈機(竿)のハンドルと固定する支持部材の下端が連続している。 4) 上記支持部材の上端には,回転式草刈機のハンドル(竿)を挟み込んで固定するための固定部が設けられている。 ウ そして,これらの点を踏まえて,改めて原告主張に係る原告商品及び被告商品の形態の特徴を検討すると,原告商品及び被告商品を一見して似ていると感じさせる上記AないしF及びaないしfの形態の特徴は,韓国において同種商品に多く見られる上記1)ないし4)の形態の特徴に,機能部分として突出部の折曲(C,c)や,保護カバー中心部に付加した形態的特徴(F,f)が加わったものにすぎないといえ,これらからすると,原告商品と被告商品との形態が似ているとの印象を与える原告主張に係る両商品の形態の特徴の共通点は,少なくとも韓国においては,同種商品の間において,よく見られた形態の一態様にすぎないものであったと認められる。 そうすると,上記形態の特徴の共通点が被告主張のように「当該商品の機能を確保するための不可欠な形態」とまではいえないとしても,原告商品及び被告商品がいずれも韓国で開発製造され日本国内に輸入された商品であることを考慮するならば,先行開発者の開発利益を保護するという不正競争防止法2条1項3号の趣旨に照らし,そのような形態の特徴の共通性に重きをおいて両商品の形態が酷似していると評価して原告商品の形態に保護を与えることは相当ではないというべきである。\n

◆判決本文

◆原告商品です。

◆原告商品です。

◆被告商品です。

◆被告商品です。

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平成26(ワ)17832  損害賠償等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成27年9月30日  東京地方裁判所

 デザイン画に基づいて製造された商品について、不競法2条1項3号の商品形態模倣とは認められませんでした。
 不競法2条1項3号は,「他人の商品の形態(・・・)を模倣した商品を譲渡」等する行為を不正競争として規定するところ,同条4項に「この法律において『商品の形態』とは,需要者が通常の用法に従った使用に際して知覚によって認識することができる商品の外部及び内部の形状並びにその形状に結合した模様,色彩,光沢及び質感をいう。」と,同条5項に「この法律において『模倣する』とは,他人の商品の形態に依拠して,これと実質的に同一の形態の商品を作り出すことをいう。」とそれぞれ定めているところからすると,同条1項3号にいう「商品の形態」とは,これに依拠して実質的に同一の形態の商品である「模倣した商品」を作り出すことが可能となるような,商品それ自体についての具体的な形状をいうものと解される。\nこれを本件についてみると,原告が「商品の形態」に該当すると主張するのは別紙衣料品目録の別紙デザイン図に示される本件デザイン画であり,これを「模倣した商品」であるとして,原告がその販売等の差止めを求めるものは被告が販売するパーカ,ジャケット等の衣料品である(甲20,21の1,2)ところ,本件デザイン画は,衣料品の観念的・概略的なデザインにすぎず,いずれもその品目に示された衣料品等の具体的な形状を示すものではないから,被告の販売する衣料品等は,不競法2条1項3号にいう「他人の商品の形態・・・を模倣した商品」には当たらないというべきである。
したがって,不競法2条1項3号についての原告の主張は理由がない。
(2)ア この点に関して原告は,不競法2条1項3号の不正競争は,実際に商品の販売が開始される以前にも成立するものと解されているから,本件においても不競法2条1項3号に基づく保護が認められるべきであると主張する。 なるほど不競法2条1項3号の商品形態の保護が,実際に商品の販売が開始される前には一切及ばない趣旨とまでは解されないものとしても,そこでいう商品の形態は,前記のとおり具体的なものであることが前提であるものと解される。原告の本件デザイン画は,前記(1)で検討したとおり,その前提を満たすものとはいえない。原告の主張は前提を欠き,採用することができない。
イ 原告は,本件デザイン画は,具体的であり,これに従って衣料品を製造することが可能なものである旨も主張する。\nしかし,原告の本件デザイン画は別紙衣料品目録の別紙デザイン図のとおりであるところ,これによれば,本件デザイン画は,およそこれに従って衣料品が製造できるというほどに具体化されたものとはいえないというべきである。

◆判決本文

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平成25(ワ)28365  不正競争行為差止等請求事件  不正競争  民事訴訟 平成27年7月16日  東京地方裁判所

 婦人服について、商品形態模倣(不競法2条1項3号)として、1300万円超の損害賠償が認められました。
 原告は,デザイナーを従業員として複数雇用し,商品のデザインに当たらせている。そして,デザイナーが作成したデザイン画を企画会議で検討して商品化するか否かを決定し,商品化を決めたデザインについては,原告の従業員であるパターンナーが型紙を作成する。商品を製造するに際しては,株式会社みのり(以下「みのり」という。)に対し,製品番号,商品コード,サイズ及びデザイン(イラスト)と,サンプル発注が先行している場合はサンプル番号等を記載した注文書及び上記型紙等を送付して製造を発注する。みのりは,これに従って,また,製法等につき原告と詳細な打合せをした上で,中国にある縫製工場で商品を製造し,我が国に輸入して原告に納品している。 イ 原告は,原告商品3〜5,7〜11に係る各デザイン画(最終的な商品形態と異なるものを一部含む。),デザイン資料,刺繍パターン等と,原告商品3〜11の型紙を所持している。また,原告は,原告商品3〜11に係るみのりへの注文書の控え及び商品の品番,総枚数,色ごとの枚数等を記載した内訳指示書を,みのりは,上記注文書に対応する生産台帳及び上記縫製工場への発注書を所持している。さらに,原告は,みのりに与えたデザイン変更やピンタックに関する指示書等の控え,原告商品10につきみのりから送付されたピンタック見本の現物を保管している。 上記認定事実によれば,原告は,原告各商品について企画から製造販売に至る関係書類を所持しており,これらはいずれも原告がデザインを確定して製造を発注したこと(すなわち,他社がデザインした商品を購入したのではないこと)を裏付けるものと認められる。そうすると,原告各商品の形態は原告がその資本及び労力により開発したとみることができるから,原告は,法2条1項3号の「他人」に当たり,同号所定の不正競争行為をした者に対し損害賠償等の請求をする主体になると解すべきである。

◆判決本文

◆被告商品の写真です

◆原告・被告商品の対比表です

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平成25(ワ)7604  不正競争行為差止等請求事件  不正競争  民事訴訟  平成26年8月21日  大阪地方裁判所

 原告から購入して販売していた被告が、自ら中国のメーカーに依頼してぬいぐるみを製造させました。裁判所は、不競法2条1項3号の商品形態模倣であるとして、差し止め損害賠償が認められました。損害賠償額は被告の利益から計算されました。
 被告は,原告商品の特徴が,他の市場に存在する類似商品と概ね一致するもので,「当該商品の機能を確保するために不可欠な形態」として,クマのぬいぐるみを制作販売する場合,その外見的特徴として似てしまうのもやむを得ないものである旨主張する。しかし,被告が類似商品と指摘するものが原告商品より以前に存在したと認めるに足る証拠はなく,また,熊のぬいぐるみであれば,上記で認められる原告商品の形態を備えることが不可欠といえるものではないことは明らかであり,原告商品の具体的形態からしてもありふれたものとまではいえず,前記(2)で認定した開発の経緯に照らしても,原告商品の形態は,不正競争防止法2条1項3号の保護の対象となるものといえる。 イ 原告商品と被告商品とは,上記(5)のとおり,その形態全体にわたり多数の共通点が認められ,できあがった原告商品と被告商品の全体の寸法もほぼ同じであることからすれば,本体の形状はほぼ同一であるとい える。原告商品及び被告商品のいずれも,ぬいぐるみ全体の印象を決める毛の形状や長さは,約10〜12mmの緩い巻が入ったもので,顔の印象を決める目や口鼻部の作りは,口鼻部が毛の短い乳白色の布で顔から約30mm突出して作られ,目と目の間隔は41から43mm,目鼻として用いられている部材の形状,黒色の刺繍により鼻の部材の下側中央部分から左右下方にそれぞれ伸びる逆U字形状(左右全体にはW字形状)に形成されている口など,ほぼ共通しており,乳白色の布の大きさ,毛の長さがわずかに異なるものの,被告が指摘する鼻の刺繍の長さはその差異を認識することは困難であり(甲34ないし36),いずれも些細な違いといえ,ぬいぐるみの顔の印象がこれにより異なるものではなく,原告商品と被告商品とは,全体のつくり,顔のつくりにおいて酷似している。 上記以外の原告商品と被告商品の相違点として,・・・その違いが全体の印象を相違ならしめるものではない。 したがって,原告商品と被告商品の形態は,全体のつくり及び顔のつくりにおいて酷似しており,その相違点を考慮しても,実質的に同一であるといえる。
・・・・
被告商品1個あたりの販売価格は平均1107円(小数点以下切捨て),仕入価格は1個735円であると認められる(乙16,弁論の全趣旨)。仕入価格には,2.8%の関税,さらに4%の消費税,消費税額の25%の地方消費税が課せられること(争いがない)からすれば,仕入原価に関税を加え(小数点以下切り上げて1個756円),消費税を加え(小数点以下切り上げて1個787円),地方消費税額を加えた(小数点以下切上げ)1個あたりの原価は,795円と認められる。 そうすると,被告商品1個あたりの利益額は,1107円から795円を控除した312円である。 被告の販売数量は8万1025個であることからすれば(弁論の全趣旨),これに1個あたりの利益額を乗ずると,利益額は合計2527万9800円となる。

◆判決本文

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平成19(ワ)19275 損害賠償等請求事件 著作権 民事訴訟 平成20年07月04日 東京地方裁判所 

 かなり前の事件ですが、あげておきます。動物のぬいぐるみと小物入れを組み合わせた「プチホルダー」という名称のシリーズ商品について、不競法2条1項3号の商品形態模倣であるとは認められましたが、善意かつ無重過失として損害賠償は否定されました。著作物かについても争われましたが著作物性なしと判断されました。
 前記認定に係る事実によれば,被告における商品の仕入れは,商品の仕入れを担当する部門に所属するバイヤーが,仕入先が行う多数の企画提案の中から,特定の商品の企画提案を採用し,その販売数量や価格等を決定して行うというものであり,また,被告商品の仕入れを担当する部門が1年間に取り扱う商品数だけでも約12万点に及び,仕入先が被告に対して行う企画提案の数も極めて多数に及ぶものと推測されることからすると,被告は,被告商品の仕入れを行うに当たり,被告商品の企画や生産の過程に関与することはなく,被告商品の選定やその販売数量及び価格等の決定のみを行っていたものと認められる。また,上記の膨大な数量の商品すべてについて,その開発過程を確認するとともに,形態が実質的に同一である同種商品がないかどうかを調査することは,著しく困難であるということができる。一方,原告商品は,これまでの販売金額が合計19万0487円,販売数量も合計330個にとどまり,その宣伝,広告も,原告ベストエバージャパンのウェブページや商品カタログに写真が掲載されている程度であって,一般に広く認知された商品とは認められないことからすると,被告は,被告商品を平成化成から購入するに当たり,取引上要求される通常の注意を払ったとしても,原告商品の存在を知り,被告商品が原告商品の形態を模倣した事実を認識することはできなかったものというべきである。以上によれば,被告は,被告商品の購入時にそれが原告商品の形態を模倣したものであることを知らず,かつ,知らなかったことにつき重大な過失はなかったものと認められる。
・・・
 これらの規定は,意匠法等の産業財産権制度との関係から,著作権法により著作物として保護されるのは,純粋美術の領域に属するものや美術工芸品であり,実用に供され,あるいは産業上利用されることが予定されているものは,それが純粋美術や美術工芸品と同視することができるような美術性を備えている場合に限り,著作権法による保護の対象になるという趣旨であると解するのが相当である。原告商品は,小物入れにプードルのぬいぐるみを組み合わせたもので,小物入れの機能\を備えた実用品であることは明らかである。そして,原告が主張する,ペットとしてのかわいらしさや癒し等の点は,プードルのぬいぐるみ自体から当然に生じる感情というべきであり,原告商品において表現されているプードルの顔の表\情や手足の格好等の点に,純粋美術や美術工芸品と同視することができるような美術性を認めることは困難である。また,東京ギフトショーにおいて審査員特別賞を受賞した事実が,原告商品の美術性を基礎付けるに足るものでないことは明らかである。したがって,原告商品は,著作権法によって保護される著作物に当たらない。

◆判決本文

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平成25(ワ)18665 損害賠償請求事件 不正競争 民事訴訟 平成26年04月17日 東京地方裁判所 

不競法2条1項1号および3号を主張しましたが、周知性および類似性いずれも否定されました。対象商品は下記にあります。

◆添付資料1

◆添付資料2
 以上を前提に検討すると,原告各商品の発売時から原告が周知の商品等表示性を獲得したと主張する平成23年9月末日までの原告各商品の販売期間は,原告商品6については約半年,その余の商品については約2か月であるにとどまり,原告が長期間独占的に原告各商品の形態を使用していたとはいえない。また,原告の主張するチラシ掲載や雑誌掲載等の多くは平成23年9月末日より後のものであり,同日までのウェブサイトの閲覧者数等も明らかではないから,これらは同日までに周知の商品等表\\\示性を獲得したとの原告の主張を裏付けるには足りない。さらに,被告が被告各商品の販売を開始したとされる平成24年12月までの宣伝広告等の実績及び原告の主張するウェブサイトの閲覧者数を考慮するとしても,まず,原告各商品のうちマスメディアに取り上げられたのは原告商品1,5及び6のみであるというのであるから(別紙「各マスメディアに取り上げられた実績」参照),原告商品2〜4についてはその形態が周知であると認めることはできない。また,原告商品1が雑誌に取り上げられたのは1回のみであり(甲42),周知性を認めることは困難である。さらに,原告商品6は平成23年12月から平成24年11月までの間に7回,原告商品5は同年3月から8月までの間に4回,それぞれ雑誌に取り上げられているが,いすれも他社の商品が同一頁で紹介されていること,パスタの保存やオムレツの作成の簡易化という機能面を重視した記事となっていること(甲33〜42)からすれば,読者に対してこれら商品の形態を印象付けるものとは解し難い。これに加え,これらの雑誌の発行部数は明らかにされていないこと,原告が上記ウェブサイト以外に原告各商品の宣伝広告を行ったとの立証がないことを勘案すると,原告各商品の形態が客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有しているとしても,平成23年9月末日ないし被告各商品の販売開始までの間に,原告の商品等表\\\示として周知になったと認めることはできない。
(2) さらに,原告各商品の形態と被告各商品の形態の類似性について検討しても,後記2(1)イ及びウにおいて認定判断するとおり,原告各商品と被告各商品の形態には明らかな相違点が複数あり,需要者に対し異なる印象を与えるものである。したがって,原告各商品と被告各商品の形態が類似するということはできない。
・・・・
以上によれば,原告各商品と被告各商品の形態は,基本的な部分(上記イに丸付き数字で摘示した部分)に共通点があるものの,これらの点は,電子レンジで半熟卵を作る,レモンを搾るなどの機能を果たすためにそのような形態が選択されたとみることができる。他方,両商品には,例えば,原告商品1と被告商品1であれば蓋部材の形状や底面側の脚部の有無,原告商品2と被告商品2であれば半円形がキノコ形かという側面側から観察した形状,原告商品3と被告商品3であれば平面体の形状及び指サックの有無など,具体的な形態において一見して識別することのできる明らかな相違点が複数ある。そして,これらの相違点は全体的形態に与える変化が乏しいささいな相違にとどまるとは到底いえないものであるから,両者の形態が類似するとはいえないと判断するのが相当である。したがって,被告各商品が原告各商品の形態を模倣した商品であるということはできない。\nエ これに対し,原告は,被告各商品の販売を許容することは新商品の開発者を保護するという不正競争防止法2条1項3号の趣旨に照らし許されないと主張するが,同号は商品の具体的形態を保護するものであって商品の機能やアイデアを保護するものではないから,具体的形態に大きな相違点があると認められる本件において,同号の不正競争行為を認めることはできない。\n

◆判決本文

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平成25(ネ)10075等 不正競争行為差止等請求控訴,同附帯控訴事件 不正競争 民事訴訟 平成26年02月26日 知的財産高等裁判所

 アダルトグッズについて、不競法の商品形態模倣について2000万円を超える損害賠償が認められました。
 そもそも,模倣品を規制することにより,市場における先行者の利益を保護し,先行者の商品開発及び市場開拓のインセンティブを確保し,公正な競業秩序を維持するとの不正競争防止法の趣旨に照らせば,同法2条1項3号によって保護される「商品の形態」とは,広く商品全体の形態をいうものであって,商品の機能を確保するために不可欠の形態及びありふれた形態は除外されるものの,形態自体が高い独創性を有することが必要とされるものではない。そして,原告商品が,手持ちの電機マッサージ器としての機能\を確保する上で不可欠な形態に該当するものでないことは明らかであるし,従来の同種品との比較においてありふれた形態ともいえないことは,以下のとおりである。すなわち,原告商品と,被告らが,当審において提出するピンクローター(検乙5ないし8)とを比較すると,電気的振動部分であるピンクローター本体の全体としての形態は,原告商品と全く異なっている上(被告ら自身,これらのピンクローターと原告商品の形態の類似性を主張するものでない。),ストラップ部分に関しても,原告商品のストラップは,携帯電話機に設けられたストラップを連結する穴に繋止するのに適した細い紐で構成されているのに対し,上記のピンクローターのストラップ紐は,布紐をビニールでコーティングした,原告商品のストラップ紐よりも相当に太い形状であり,携帯電話機に通常設けられた携帯ストラップを連結するための穴に挿入するのに適した形状ではなく,その形態は大きく異なっている。そうすると,前記のとおり,原告商品は,電気マッサージ器としてのみならず携帯ストラップとしても使用できることを目的として,その全長を極端に小さくした構\成を採用したことに形態的特徴を有するものであり,全体的観察において,そのような形態的特徴を有する商品が原告商品の開発前に存在したとは認められない。

◆判決本文

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平成25(ネ)10062等 不正競争行為差止等請求控訴事件,同附帯控訴事件 不正競争 民事訴訟 平成25年12月26日 知的財産高等裁判所

 不競法の商品形態について、原審の損害認定が維持されました。不競法19条の適用除外については除外されないと判断されました。ただ、50%の商品について、いわゆる「販売不可事情」が認められました。
 そこで検討するに,一審被告は,インテリア用品の輸入販売業者として,他人の商品の形態を模倣した商品を輸入し,これを販売することにより他人の営業上の利益を侵害してはならない義務を負うというべきであるから,一審被告がティファニー社から被告各商品を輸入するに当たり,ティファニー社に対し,被告各商品のデザイン完成に至る開発経緯等を問い合わせるなどして被告各商品が他人の商品の形態を模倣した商品ではないことを調査確認すべき注意義務を負っていたものと解するのが相当である。しかるところ,前記(1)の認定事実によれば,一審被告は,被告各商品を輸入するに当たり,ティファニー社に対し,被告各商品が被告各商品が他人の商品の形態を模倣した商品ではないことを調査確認したことがなかったことが認められ,また,平成23年9月27日に一審原告の代理人弁護士から被告商品1ないし5が楽天市場の原告ショップで販売されている原告商品1ないし5の形態を模倣した商品である旨の本件警告を受けた後も,原告ショップを調査することなく,被告商品1ないし5の販売を継続するとともに,原告商品6の形態を模倣した被告商品6の販売を行っていたのであるから,一審被告には,被告各商品が他人の商品の形態を模倣した商品ではないことを調査確認しようとする意思もなかったものと認められる。加えて,楽天市場は,大手のインターネットショッピングモールであり,一審原告が楽天市場の原告ショップで販売するステンドグラスの各商品は,平成20年5月ころ以降,楽天市場の洋風ペンダントライト,シャンデリア,壁掛け照明の各部門の「ランキング市場」でしばしば1位等のランキング上位を獲得していたこと(前記(1)ア)からすると,一審被告において,被告各商品のデザイン完成に至る開発経緯等をティファニー社に問い合わせていれば,楽天市場の原告ショップを調査することに格別の困難はなかったものと認められる。そして,原告ショップには,ステンドグラスのペンダントランプが原告各商品を含めて100種類程度展示されていたが(前記(1)ア),原告各商品の形態と被告各商品との形態は酷似していること(前記(2)アの(ア)ないし(カ))に照らすと,一審被告が原告ショップを調査すれば,被告各商品が原告各商品の形態を模倣した商品であることを容易に認識し得たものと認められる。以上を総合すると,一審被告において被告各商品の輸入時に被告各商品が原告各商品の形態を模倣した商品であることを知らなかったとしても,それは,被告各商品が他人の商品の形態を模倣した商品ではないことを調査確認すべき注意義務を怠ったことによるものであり,しかも,上記調査確認をすることにより被告各商品が原告各商品の形態を模倣した商品であることを容易に認識し得たにもかかわらず,一審被告には調査確認をしようとする意思すらなかったのであるから,一審被告において被告各商品の輸入時に被告各商品が原告各商品の形態を模倣した商品であることを知らなかったことにつき重大な過失がなかったものと認めることはできない。したがって,一審被告は,本件警告の前後を通じて,被告各商品について不競法19条1項5号ロの「他人の商品の形態を模倣した商品を譲り受けた者(その譲り受けた時にその商品が他人の商品を模倣した商品であることを知らず,かつ,知らないことにつき重大な過失がない者に限る。)」に該当しないから,一審被告の上記主張は,採用することができない。
・・・・
一審被告は,一審原告が製造販売するステンドグラスのランプシェードの種類は非常に多く,実際の原告各商品の販売数は年間数個から十数個程度と考えられること,原告各商品の価格は1個4万円台が主流であるのに対し,被告各商品の小売価格(参考上代)は1万円以下であって,その価格差は4倍程度あり,被告各商品を購入した顧客層が高価な原告各商品を購入するとは考えられないことからすると,一審被告が販売した被告各商品の販売数量の全部に相当する数量について一審原告が「販売することができないとする事情」(不競法5条1項ただし書き)がある旨主張する。そこで検討するに,1)原告各商品及び被告各商品は,ステンドグラスのペンダントランプという照明器具の一種であり,同様の照明器具には多種多様なものが存在すること,2)原告各商品及び被告各商品は,それぞれ原告ショップ又は被告ショップで販売されており,ネットショップで販売されていたという点では共通するが,原告各商品については,その販売価格が4万円台(4万0950円ないし4万7250円の範囲)であるのに対し,被告各商品については,一審被告によって業者に対して卸売りがされたものであり,その販売価格(卸売価格)は2000円台(2300円ないし2900円の範囲)であり,その価格差は20倍程度あり,また,被告ショップ掲載の被告各商品の参考上代は1万円前後(9200円ないし1万1600円の範囲)であり,この参考上代と対比しても,その価格差は4倍程度あったことからすると,一審被告から被告各商品を購入する顧客層と一審原告から原告各商品を購入する顧客層には重なり合わない部分がかなりあるものといえること,3)一審原告が楽天市場の「ランキング市場」で1位等のランキング上位を獲得したステンドグラスのペンダントランプは,原告各商品とは別商品であり,原告各商品がとりわけ人気が高い商品であったことをうかがわせる事情を認めるに足りる証拠はないこと,4)一審被告の取引先の業者のネットショップにおいて,被告商品2が2万4000円,被告商品3が2万4000円,被告商品4が2万3000円,被告商品5が2万5000円などの小売価格で掲載されている例(甲21ないし24)があるが,当該業者と一審被告とを同一視し得るような事情を認めるに足りる証拠はなく,また,この小売価格と対比しても,原告各商品との価格差は1.6倍程度あったこと,以上の1)ないし4)の事情を総合考慮すると,前記ア認定の被告各製品の販売数量のうち,50%に相当する数量については,原告各商品と被告各商品の価格差及び顧客層の相違等に起因して,一審被告による不正競争行為がなくとも,一審原告が原告各商品を「販売することができないとする事情」があったものと認めるのが相当である。したがって,前記アの被告商品の譲渡数量のうち,50%に相当する数量(被告商品1につき23個,被告商品2につき30個,被告商品3につき20個,被告商品4につき25個,被告商品5につき16個,被告商品6につき16個)に応じた額を,原告の損害額から控除すべきである。この限度において一審被告の上記主張は,理由がある。(イ) これに対し一審原告は,不競法2条1項3号の形態模倣の不正競争行為は,被侵害者の商品の形態に依拠し,これと実質的に同一の形態を持つ商品を販売する行為であり,被侵害者の商品と侵害品とが市場において完全に補完関係に立つから,被侵害者の商品と侵害品との価格差等は,そもそも被侵害者が「販売することができないとする事情」に該当しないし,また,被告商品2が2万4000円,被告商品3が2万4000円,被告商品4が2万3000円,被告商品5が2万5000円であるなどの小売価格の例があることや,現実に被告商品4は2万3000円でも売れており,原告各商品及び被告各商品は,一般家庭や店舗等におけるインテリアとして使用されるランプであり,いわゆる消耗品等は異なり,若干の価格差によって購買層が分断されるような性質の商品ではなく,原告各商品と被告各商品との価格差が需要者の購買意欲に与える影響は極めて小さいから,上記事情は存在しない旨主張する。しかしながら,前記(ア)で述べたように,原告各商品は,ステンドグラスのペンダントランプという照明器具の一種であって,同様の照明器具には多種多様なものが存在する一方で,原告各商品が価格の多寡にかかわらず,需要者が購入を求めるような特に人気の高い商品であったものとまでは認められないことからすると,原告各商品と被告各商品との価格差が需要者の購買意欲に与える影響を軽視することはできない。そして,前記(ア)の1)ないし4)の事情に鑑みると,被告各商品の形態が原告各商品の形態と酷似していることなどを考慮してもなお,原告各商品と被告各商品とが市場において完全に補完関係に立つものとはいえず,一審原告の上記主張は,理由がない。

◆判決本文

◆原審はこちら。平成24(ワ)4229

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平成24(ワ)8972 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成25年05月30日 大阪地方裁判所

 不競法の商品形態模倣(3号)について、差止および損害賠償が認められました。
 被告らは,バッグ業界において,バッグの形態における外形上の設計的事項や内部構造は適宜選択・変更されるのであって,これらを外形上の基本的形態と組み合わせることは慣行化され,一般的に行われていることであるとした上で,原告各商品は,その構\成の各部分の形態がありふれていて,かつ,それらの組み合わせによって生じた商品全体の形態もありふれたものであり,開発者の特段の努力や時間・費用を要したものであるとは認められないことから,原告各商品の「商品の形態」は不正競争防止法2条1項3号により保護されない旨主張する。しかしながら,前記(1)で述べたとおり,同号が保護する商品の形態は,外部及び内部の形状並びにその形状に結合した模様等からなる商品全体の形態をいうのであって,創作性,独創性は求められないから,その商品の形態を構成する個々の要素が従来の商品形態に見られる特徴の組み合わせであったとしても,全体として新たな商品形態となる以上は,同号による保護を否定する理由はないというべきである。特に,婦人用バッグを需要者が選択する場合,基本的な形状と大きさ,施されたデザイン,持ち手等の形状や位置,付加的装飾の有無形状,素材の選択や加工といった点が嗜好又は用途に合致するかといった観点のみならず,収納部の設け方や容量,あるいは開閉の方法といった内部の形状に属する点が嗜好又は用途に合致するかといった観点から検討がなされると考えられるから,これらの点について,個別にみると同一の部分的形態を有する商品が,原告各商品の販売以前に存在したことが認められるとしても,全体としての形態において,これらを組み合わせた商品が存在していなかった以上,当該商品を初めて市場に出した者は,その形態を模倣する者との間では,先行者として保護されるべきである。\n

◆判決本文

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平成23(ワ)36736 不正競争防止法4条に基づく損害賠償請求事件 不正競争 平成24年12月25日 東京地方裁判所

 携帯ゲームに用いるタッチペンについて、不競法2条1項3号の商品形態模倣が認められました。
 不競法2条1項3号の規定の趣旨は,他人が資金,労力を投下して商品化した商品の形態を他に選択肢があるにもかかわらずことさら模倣した商品を,自らの商品として市場に提供し,その他人と競争する行為は,模倣者においては商品化のための資金,労力や投資のリスクを軽減することができる一方で,先行者である他人の市場における利益を減少させるものであり,事業者間の競争上不正な行為として位置付けるべきものであるから,これを「不正競争」として規制することとしたものと解される。このような不競法2条1項3号の規定の趣旨に照らすならば,同号によって保護される「商品の形態」とは,商品全体の形態をいい,その形態は必ずしも独創的なものであることを要しないが,他方で,商品全体の形態が同種の商品と比べて何の特徴もないありふれた形態である場合には,特段の資金や労力をかけることなく作り出すことができるものであるから,このようなありふれた形態は,同号により保護される「商品の形態」に該当しないと解すべきである。そして,商品の形態が,不競法2条1項3号による保護の及ばないありふれた形態であるか否かは,商品を全体として観察して判断すべきであり,全体としての形態を構成する個々の部分的形状を取り出してそれぞれがありふれたものであるかどうかを判断し,その上で,ありふれたものとされた各形状を組み合わせることが容易かどうかによって判断することは相当ではない。以上を前提に,被告の主張について具体的に検討することとする。\n
・・・
以上によれば,被告が挙げる同業他社の各商品(前記aないしc)の形態は,いずれも原告商品2及び3の形態と全体としての形態が相違するものであるから,上記各商品が原告商品2及び3の販売開始前から市場に存在していたからといって,原告商品2及び3の形態が同種の商品と比べて何の特徴もないありふれた形態であることの根拠となるものではないというべきである。
・・・
被告は,原告各商品の機能は,1)タッチペンの紛失・落下を防止すること,2)ストラップが操作の妨げにならないように伸縮すること,3)タッチペンがゲーム機本体に収納可能であることにあるところ,上記1)の機能を確保するために「タッチペンにストラップを連結する形態」を,上記2)の機能を確保するために伸縮性のあるストラップとして「コイル状ストラップ」を,上記3)の機能を確保するために「純正タッチペンに類する形態」を採用することは不可欠であるから,原告各商品の形態は,不競法2条1項3号括弧書きの「商品の機能\を確保するために不可欠な形態」であり,同号の「商品の形態」に該当しない旨主張する。しかしながら,前記イ(ウ)で述べたとおり,ゲーム機本体に収納可能なタッチペンをコイル状ストラップと結合させたことを特徴とする商品には,タッチペンを構\成するペン先,ペン胴及びペン尻,コイル状ストラップのコイル部を構成するコイル,接合部等の形状,材質等において多様な選択肢があり得るものであって,被告が主張するところの上記1)ないし3)の機能を確保するための具体的な形態として,原告各商品の形態を必然的に採用せざるを得ないものと認めることはできないから,被告の上記主張は,採用することができない。\n

◆判決本文

◆当事者の商品はこちら

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平成24(ワ)3604 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成24年12月20日 大阪地方裁判所 

 自動車のホイールについて、不競法2条1項1号の商品等表示ではないと判断されました。商品形態模倣(同3号)についても否定されました。
 証拠(甲4〜甲83の1・2)によれば,平成22年3月以降,自動車用品に関する複数の月刊誌において,原告商品を紹介する1〜4頁の記事や,原告商品に関する2又は4頁の自社広告及び他社による原告商品を含む商品広告が掲載されたものと認めることができる。しかしながら,月刊誌に数頁の紹介記事や広告が掲載されたからといって,そのことのみをもって,商品表示として需要者の間に広く認識されているなどとは到底いうことができない。上記各雑誌の発行部数,販売地域等に関する主張立証も全くない上,上記各雑誌には,原告商品以外にも被告商品を含む多数の同種商品が掲載されている。他に,原告商品の販売数量,売上高,同種商品の市場における原告商品の市場占有率など,この点に関する原告の主張を裏付ける主張立証は全くない。したがって,原告商品の形態が,商品表\示として需要者の間に広く認識されているとは認めることができないから,その余の点について判断するまでもなく,法2条1項1号に基づく原告の請求にも理由がない。

◆判決本文

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平成23(ワ)5010 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成24年12月25日 大阪地方裁判所

 不競法2条1項3号の商品の開発主体ではないと判断されました。
 以上を踏まえて不正競争防止法2条1項3号の適用の可否につき検討するに,上記認定したところによれば,原告商品1を構成する重要な要素である素材や柄,色の商品形態を決定したのはリーグ社であって,原告はリーグ社から注文があった数量だけを製造し,その全数をリーグ社に納入することが予\定され,原告が原告商品1をリーグ社以外に販売することは,およそ予定されていなかった。また,デザイン料やプリント加工のための型出し費用といった,原告商品1の開発に要した費用についても,原告が受注した際に新規デザイン分とリピート分とを区別していることに照らすと,商品を発注したリーグ社が,原告への新規デザイン分にかかる代金の支払によって,実質的に負担したと解するのが合理的である。エ 以上によれば,原告商品1について,費用と労力を投下して,その形態を含め商品として開発したのはリーグ社であって,原告は,リーグ社の委託を受けて生地等を調達し,他の業者等にリーグ社の指示を取り次いで,その製造を受託した立場に過ぎず,原告商品1の開発主体ということはできない。に納品したことは,不正競争防止法2条1項3号の不正競争行為には該当しない。

◆判決本文

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平成23(ワ)9404 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成24年06月07日 大阪地方裁判所

 車のドアミラー用の飾りについて、商品形態模倣であると判断されました。
 6/12現在は、別紙1〜3が見れません。原告製品は、◆こちらです。 判決文中に出てくる「MIYAMA 商品」は、◆こちらです。

 上記相違点に係る被告各商品の溝部は,深さが浅く,幅も狭いものであり,証拠(甲15の2・3)によれば,ドアミラーにウィンカーが設けられている自動車において,そのウィンカーの周囲に取り付けられて実際に使用された際には,識別することができない程の微細な形状の差違であることが認められる。そうすると,被告各商品は,原告各商品と実質的に同一の形態の商品であるというべきである。
(2)被告は,原告各商品と同種の商品として株式会社MIYAMA の製造販売する商品(乙1,4及び5。以下「MIYAMA 商品」という。)があり,これは原告各商品の形態と同様の形態である旨主張する。そこで検討すると,そもそもMIYAMA 商品の製造販売の開始時期は明らかではなく,少なくとも原告各商品に先行して販売されていたものであると認めるに足りる証拠はない。また,別紙原告商品目録1の商品は,三角形状部材(別紙原告商品形態1〔具体的構成態様〕(d))を有しており,底辺と斜辺の交差する先端部分が鋭角であるのに対し,証拠(乙1,4,5)によれば,上記原告商品に対応するMIYAMA 商品(商品名(TOYOTA「キラ・メッキ」ウィンカーリング【T−A タイプ】)は,三角形状部材に対応する部分の面積が上記原告商品の半分以下の大きさであり,底辺と斜辺の交差する先端部分も角が丸くなっており,一見して異なる形状であることが認められる。これらの差違からすると,上記原告商品と上記MIYAMA 商品の形態が実質的に同一のものであるということはできない。他に,原告各商品とMIYAMA 商品とが実質的に同一の形態であることを認めるに足りる証拠はない。加えて,原告各商品の形態と自動車メーカーの純正品の形態が大きく異なること(甲16,17,弁論の全趣旨)も考慮すると,原告商品の形態について,自動車のドアミラー及びそれに備え付けられたウィンカーの形状によっておおよそ決定されるものであるとか,同種の商品に共通するありふれた形状であるなどということはできない。

◆判決本文

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平成21(ワ)43952 損害賠償等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成24年03月28日 東京地方裁判所

 不競法2条1項3号(商品形態模倣)については、独自の費用,労力を掛けて商品化したものではないとして、請求は認められませんでした。
 不競法2条1項3号は,商品化のために資金や労力を投下した者の開発利益を,当該商品の形態を模倣するという行為を競争上不正な行為とすることにより保護することを目的とするものであり,このような目的からすれば,本号の不正競争につき損害賠償を請求することができる者は,当該商品を自ら開発,商品化した者又はこれと同様の固有かつ正当な利益を有する者と解すべきである。これを本件についてみるに,本件ジュースは,サンシーロが南アフリカから輸入していたデノーバ・ジュースの供給が不安定になったことから,その代替品として,同ジュースの内容物の再現を目指して開発,商品化されたものであり,原告は被告Y2を通じてサンシーロから提供を受けたデノーバ・ジュースのサンプルを基にタイのメーカーであるマリーバンコク社に本件ジュースの試作,製造を委託したにすぎない。しかも,原告が,マリーバンコク社と本件ジュースの取引を開始するに際し支出したのは,デポジット(預託金)40万バーツ(約148万4000円)のみであるが,同金員は,マリーバンコク社との継続的売買契約における原告の買掛金債務を担保するための預託金であって(甲21),これを本件ジュースの開発,商品化に関する費用と認めることはできない。そして,原告は,ほかに本件ジュースの開発費用等を何ら負担していない(原告は,試作の段階で負担した費用として,被告Y3に対する貸付けや出張旅費の支出を挙げるが,これらの貸付けや支出が本件ジュースの開発,商品化に充てられたことを認めるに足りる証拠はない。)。また,「Gentire」(ジェンティーレ)の商品名は,当時サンシーロの従業員であった被告Y2が選択したものであること,容器デザインも,サンシーロから無償で提供を受けたデータを利用して作成したにすぎず,実際に出来上がった本件ジュースの容器デザインはもととなったデューフレッシュ・ジュースの容器デザインと酷似していることは,いずれも上記認定のとおりである。以上によれば,本件ジュースについては,その内容物,商品名,容器デザインのいずれについても,原告が独自の費用,労力を掛けてこれを開発,商品化したということはできない(原告は,本件ジュースが原告の開発,商品化した商品であることの根拠として,原告によるJANコード等の取得や,食品衛生法に基づく輸入届出,関税の納付をも主張するが,これらはいずれも本件ジュースの開発,商品化に関するものとはいえず,採用することができない。)。したがって,本件ジュースについて,原告は,自ら開発,商品化した者と認めることはできず,また,これと同様の固有かつ正当な利益を有する者と認めることもできないから,不競法2条1項3号の不正競争につき損害賠償を請求することができる者ということはできない。

◆判決本文

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平成22(ワ)145等 損害賠償等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成24年03月21日 東京地方裁判所

 虚偽の事実の流布として、営業誹謗行為と認定されました。
 証拠(甲11,40の1〜4,乙74,75,83,検証の結果)によれば,被告製品の車種別専用ハーネスのうち,1Aタイプ,1Bタイプ,1Cタイプ,1Dタイプ,2Aタイプ,THR−BM用,THR−VW用の車種別専用ハーネスのオスコネクターは,端子の数,形状,設置位置,端子保護部材の形状,寸法,材質,色及び質感において,自動車メーカーの純正品として自動車のアクセル部に設置されているオスコネクターとほぼ同一であると認められる。両者は,寸法において数mm程度の若干の相違は認められるものの,形状の同一性を否定するほどのものではない。したがって,被告製品の車種別専用ハーネス(1Aタイプ,1Bタイプ,1Cタイプ,1Dタイプ,2Aタイプ,THR−BM用,THR−VW用)のオスコネクターの上記各点は,自動車のアクセル部に接続して使用するという商品の機能及び効用を確保するために選択された不可欠な形態というべきであり,不競法2条1項3号の「商品の形態」には当たらない。また,被告製品の6Aタイプの車種別専用ハーネスのオスコネクターについては,端子の数,形状及び設置位置は,自動車メーカーの純正品として自動車のアクセル部に設置されているオスコネクターとほぼ同一であると認められる(乙75,83)。したがって,同形態は,自動車のアクセル部に接続して使用するという商品の機能\を確保するために不可欠な形態と認められ,不競法2条1項3号の「商品の形態」には当たらない。端子保護部材の形状,材質,色及び質感は,純正品のオスコネクターとは異なるものの,同業他社の同種製品のオスコネクターの端子保護部材とほぼ同一であり(甲11,乙84,91),同種製品における標準的な形態の一つであると認められる。したがって,同形態は,同種製品の一般的な形態の一つにすぎず,被告独自の形態と認めることはできないから,不競法2条1項3号の「商品の形態」には当たらない。さらに,被告製品のTHR−VW用の車種別専用ハーネスのメスコネクターについては,端子の数や形状,設置位置については,市販品の端子を使用しているため(争いのない事実),また,端子保護部材の形状,寸法,材質,色,質感については,同業他社の同種製品のメスコネクターの端子保護部材と類似していると認められるため(甲14,乙30,93),いずれも同種製品における標準的な形態の一つであると認められる。したがって,上記各形態は,同種製品の一般的な形態の一つにすぎず,被告独自の形態と認めることはできないから,不競法2条1項3号の「商品の形態」には当たらない。・・・・
上記1,2で説示したとおり,原告製品は被告製品の形態を模倣したものと認めることはできず,原告製品の販売は不競法2条1項3号,1号の不正競争には該当しないのであるから,本件文書1,2記載の上記事実は,虚偽の事実である。そして,前記第2の2(1),(3)の事実によれば,原告は,被告にとって,「競争関係にある他人」に当たると認めることができ,被告が,原告製品は被告製品の形態を模倣した違法なものである旨記載した本件文書1を,ホームページに掲載した本件掲載行為は,競争関係にある他人である原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を流布する行為(不競法2条1項14号)に,原告製品は被告製品の形態を模倣した違法なものである旨記載した本件文書2を原告の取引先である多数の販売店等にファクシミリ送信するなどした本件送信行為は,競争関係にある他人である原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知する行為(不競法2条1項14号)に,それぞれ該当する。したがって,本件掲載行為及び本件送信行為は,いずれも不競法2条1項14号に該当する。

◆判決本文

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平成22(ワ)9684 不正競争行為差止等 平成23年10月03日 大阪地方裁判所

 シリコン製のざるについて、不競法の商品形態に該当するとして、3年間の販売数に対して、損害賠償が認められました。原告の単位数利益*被告の販売数に基づき、販売不可事情を考慮して損害額が決定されました。
 法2条4項によれば,「商品の形態」とは,需要者が通常の用法に従った使用に際して知覚によって認識することができる商品の外部及び内部の形状並びにその形状に結合した模様,色彩,光沢及び質感をいう被告は,原告商品の使用時形態は需要者が通常の用法に従った使用に際して認識することができる形状には当たらないとして,その他のざるとしての形態的特徴は,いずれも乙2ないし8に記載された原告商品に先行するざる又は水切りざるが備えている構成であるか又は周知の形態若しくはざる一般にみられるありふれた形態であると主張する。しかしながら,原告商品の使用時形態それ自体が,法2条4項により保護される商品の形態(形状)であるかはおいても,使用時形態のように変形自在であるという原告商品の特性は,少なくとも需要者が通常の用法に従った使用に際して知覚によって認識することができる質感等に反映されることは明らかであり,法2条1項3号により保護されるべき商品の形態として十\分に考慮されるべきものである。被告らが主張する上記各書証に記載されたざる等のうち,乙2に記載されたシラスティック製水切りボールはシリコンゴム材料を素材とするものであるが,取っ手部分があり,ざるの部分にもリムがないなど,原告商品の形態と大きく異なるものである。乙3に記載された合成樹脂製ざるについても,二個のざる体をセットにしたものであり,原告商品のように変形自在にしたものでもなく,質感についても大きく異なる。また,乙4,5,7及び8に記載されたざるについても,原告商品のように変形自在のものはない。被告らは,原告商品の形態は,パヴォーニ商品(乙45ないし48,53)と実質的に同一の形態であるとも主張する。確かに,パヴォーニ商品は,多少の柔軟性があることが認められるものの,原告商品と比べるとかなり肉厚で柔軟性に乏しく,原告商品と異なり,折りたたんだり,絞り込んだりすることはおよそできないものであって,形態の大きく異なるものであるというほかない。他に,原告商品と同様に変形自在であって,しかも原告商品と同一の形態の先行商品が存在することを認めるに足りる証拠はない。なお,乙6には,網袋に野菜などを入れ,容器自体を絞り込む使用形態が開示されているが(乙6の図3),この網袋状の容器は,ざるに似た形状をしているものの,布製の袋であり,原告商品の材質とは全く異なる。また,乙6の容器は,単体のままではその形状を維持することはできず,上記袋に野菜を入れる場合は,袋の上周縁に固定具を備え,硬質ボールの縁に固定具を掛け,ボールの内側に上記袋を入れて使用することが予定されており,原告商品の形態とは異なる。(2) 技術的構成に由来する必然的な形態被告らは,原告商品の形態は,シリコン素材を使用したという技術的構\成から必然的に由来するものであり,商品の機能を発揮するために不可欠な形態であるとも主張する。しかしながら,ざるの素材を変形自在なものにしたとしても,ざるとしての基本的形態だけを取っても,材質の選択,肉厚幅,底面突起の数,底面突起の有無及び数,表\面上の穴の大きさ及び数など,その形態選択には無数の選択肢があることからすれば,原告商品の形態を全体として評価したときに,それが商品の機能を発揮するために不可欠な形態のものであるということはできない。
・・・・
 平成20年8月から平成21年8月までの13か月間における原告商品の譲渡数量は合計5万2477個であるのに対し,これと時期を接した期間における被告ら商品の譲渡数量が合計39万7348個と約8倍であることは当事者間で争いがない。また,原告商品の小売単価が2835円である(税込み,甲15の5・7〜10)のに対し,被告ら商品の小売単価は853円(税込み,甲50)ないし980円(税込み,甲49)であることが認められる。このように近接した期間における譲渡数量において約8倍もの差があることや,小売単価をみても約3倍の価格差があることなどからすると,譲渡数量のうち少なくとも2分の1に相当する数量を被侵害者である原告が販売することができないとする事情があったと認めるのが相当である。

◆判決本文

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平成22(ワ)2723 損害賠償請求事件 平成23年08月25日 大阪地方裁判所 

 商品形態模倣(不競法2条1項3号)が認められました。損害額も原告の1台あたりの利益*被告の実施数および販売不可事情から決定されました。
 研ぎ器には,多種多様な形態の刃部及び柄部並びにその組合せが考えられ,実際にも,多種多様な形態の商品が市場に流通している(甲43,44,46,甲47の2・3,乙6の1・2,乙16の1・2の別紙,乙21)。そして,各研ぎ器は,いずれも,研ぎ器としての機能が確保されているからこそ市場に流通していると考えられるのであって,被告商品の形態のみが,商品の機能\を確保するために不可欠な形態であるということはできない。なお,被告は,原告商品の形態は,ありふれたものであると主張するが,証拠上,原告商品の販売開始時において,原告商品の形態がありふれたものであった事実は窺われない。・・・・
 被告は,原告商品と被告商品とは大きな価格差があるところ,包丁研ぎ器は生活必需品ではなく,価格差が需要量に決定的影響を与えるから,原告は被告商品の譲渡数量分の原告商品を販売することができなかったと主張するので,この点について検討する。被告商品の小売価格は,税込み940円から2079円であるところ(甲24の1〜11,甲28の1〜3,甲29,30),原告商品の小売価格は,税込み2394円から3990円である(甲23の1〜4)。したがって,被告商品の販売価格帯は,原告商品の販売価格帯の4割ないし5割程度といえる。また,原告商品の競合品(被告商品以外で,原告商品の形態を模倣したと思われる商品は除く。)も相当数販売されていたことが窺われる(前記2)。一方,原告商品は,研ぎ器において,多種多様な形態の商品が存在し(前記2),原告商品とは異なる形態の売れ筋商品も存在した中で(前記1(1)ア(ア)),前記アのとおり3年間で約20万個を販売している。特に,被告商品の販売先の1つである株式会社セシールについては,原告商品の販売先でもあったところ,安価な被告商品に乗り換えられたことが認められる(甲44)。このような市場の状態を前提とすれば,上記程度の価格差や競合品の存在をもって,「販売することができないとする事情」を認めることができるが,これを過大に評価することはできず,多くともその3割程度を越えることはないというべきである。
(3) 損害額
 以上のとおりであるから,原告の損害は,被告商品の譲渡数量9万7808個(前記(1))に,販売することができないとする事情を考慮して,7割を乗じた数量に,原告商品の単位数量当たりの利益742.5円(前記(2))を乗じた5083万5708円と認められる。

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平成22(ワ)15903 損害賠償請求事件 平成23年06月17日 東京地方裁判所 

 歩数計について、不競法2条1項3号の商品形態模倣で損害賠償が認められました。
 原告商品(検甲1)の形態と被告商品(検甲2)の形態とを対比すると,両者は,「全体を四隅が丸い薄厚長方板状ケースにしたデザインである」点(A,A’),「ケースの周全体にR(丸み)を持たせている」点(B,B’),「外装の上側(上ケース)は,製品内側面を黒色印刷した透明のプラスチック素材を用い,外装の下側(下ケース)は,黒色のプラスチック素材を用いている」点(C,C’),「厚みとなる四周側面全周をシルバーのベルトが回り,四隅の一つにストラップ挿入孔が形成されている」点(D,D’),「正面左方に液晶表示部が設けられ,該液晶表\\示部は3画面に分割表示している」点(E,E’),「正面右方には,中央大きめのシルバーのボタンと,同中央ボタンから三方に放射状に並べた三つの楕円形のシルバーのボタンが配され,該三つの楕円形ボタンの周囲には,隅丸矩形の稜線が表\\れる凹陥部が設けられている」点(F,F’)といった基本的な構成において共通し,全体サイズ(幅×高さ×厚さ)及び液晶表\\示部のサイズ(幅*高さ)も,被告商品が「0〜2mmの範囲内」で大きいだけで(A,A’,E,E’),ほとんど同一であることによれば,被告商品と原告商品は,商品全体の形態が酷似し,その形態が実質的に同一であるものと認められる。

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平成21(ワ)26662 不正競争行為差止等請求事件 平成23年04月26日 東京地方裁判所

 不競法2条1項3号の商品形態模倣は認められませんでした。
 このように,被告商品は,総柄のデニムパンツの図柄に米国の交通標識様のものを用い,この図柄を不規則に隙間なく重なり合わせて配するという,商品の形態の特徴の一部について,原告商品と共通する点があるものの,スマイリーマークの図柄の有無,パンツのシルエット,オーバーダイ加工の採否という特徴については,共通するものではなく,交通標識様の図柄の大きさや,ボタンやリベットの色彩等についても,原告商品と相違する。そして,これらの相違点が存在することにより,被告商品の形態は,全体として,需要者に対して原告商品とかなり異なる印象を与えるものと認められる。また,証拠(乙3,4,5の1・2)及び弁論の全趣旨によれば,総柄のデニムパンツは,原告商品以外にも,ヒステリックグラマーやオゾンコミュニティというブランドによって,原告商品の発売される以前である平成12年ころに販売されていたこと, パンツの表面に,円形,三角形,四角形及び六角形の交通標識様の図柄を不規則に隙間なく重なり合わせて配するというデザインも,原告商品の製造,販売に先立ち,ジェレミースコットというブランドによって,世界的に著名なコレクションの一つである2008年春夏のパリコレクションにおいて発表\され(ただし,同ブランドの交通標識様の図柄は,原告商品よりもカラフルなものである。),日本にも紹介されていたこと,が認められるものであり,原告商品の特徴とされる総柄のデニムパンツであるという点や,米国の交通標識を想起させる図柄をパンツの表面に不規則に隙間なく重なり合って配するというデザイン自体は,いずれも,先行商品にもみられるものであって,原告商品独自のものではないと認められる。上記の事情等を総合的に考慮すると,原告商品の形態と被告商品の形態とは,これらが実質的に同一といえるほどに酷似していると認めることはできないというべきである。したがって,被告商品の形態が原告商品の形態と実質的に同一であるということはできない。\n

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平成21(ワ)17435 売買代金請求事件 平成23年03月31日 東京地方裁判所

 OEM供給業者の製造した商品が、「他人の商品」(不競法2条1項3号)に該当するかが争われました。裁判所は該当すると判断しました。
 また,原告は,被告商品1の開発において,OEM製造供給業として,「生地リスク」(取引先業者から発注があった場合に速やかに商品化を実現できるように,あらかじめ,取引先業者が欲するであろう生地を予測して,当該生地を大量に購入し,提案した生地による商品開発において,最終的に商品化に至らなかった場合に負担する生地代金相当額のリスク)を負い,被告はかかる原告の生地リスクの下で商品開発を行うことができるというメリットを享受していること,原告は,生地の事前購入,生地提案,サンプルの製造,受注後の協力工場への製造依頼,納品,その他被告商品1の商品化において必要不可欠な役割を果たしており,被告の独力により被告商品1を製造しているとはいえないことからすると,原告は,被告商品1の開発において,被告の共同開発者として,費用と労力を負担しているといえるから,被告商品1は,原告にとって「他人の商品」(不正競争防止法2条1項3号)に該当しない旨主張する。しかし,被告商品1の生地の代金は製造代金に含まれており,原告が事前に当該生地を購入し,原告主張の「生地リスク」を負っているからといって原告が被告商品1の開発費用を負担したことにはならない。また,被告商品1のデザインは被告が独自に行い,原告は被告の指示に従って被告商品1を製造したにすぎず,そのデザインの創作に関与したものとはいえない。この点について証人A1の供述中には,2種類の生地の組合せが売れるということで,シフォンとサテンの2種類の生地を1枚の台紙に貼\ったものを被告に送付して生地の提案をした旨の供述部分があり,これと同旨の陳述書(甲24)の記載部分がある。しかし,証人C1及び証人B1は,原告から送付のあったのは1枚の台紙に生地のサンプルが1枚付いたもの(生地スワッチ)であり,1枚の台紙に2種類の生地を貼ったものが送付されたことはない旨供述していること,原告が被告に対し2種類の生地を1枚の台紙に貼\った生地サンプルを作成し,これを送付したことを客観的に裏付ける証拠は提出されていないことに照らし,証人A1の上記供述部分及び上記陳述書の記載部分は措信することはできない。さらに,原告による被告商品1の製造及び被告への納品は,被告との間の本件製造物供給契約に基づくものであり,原告は,その製造及び納品の対価として,被告商品1の製造代金を被告に請求できることに照らすと,原告が被告商品1の製造及び納品を行ったからといって,被告商品1の開発について被告と共同して費用と労力を負担しているとはいえない。したがって,被告商品1が原告にとって「他人の商品」に該当しないとの原告の上記主張は,理由がない。
(4) 小括
以上によれば,第1商品は被告商品1に依拠して作成された実質的に同一の形態の商品であると認められるから,第1商品は,被告商品1の形態を模倣した商品に該当するというべきである。したがって,原告のアルファベット社に対する第1商品の販売は,不正競争防止法2条1項3号の不正競争行為に該当する。

◆判決本文

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平成20(ワ)26698 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成23年02月25日 東京地方裁判所

 不競法2条1項3号の商品形態の模倣かが争われました。裁判所は、販売日から3年経過しているとして請求を棄却しました。
 原告装置2の形態は,原告装置1の形態と実質的に同一であるというべきであるから,原告装置1が最初に販売された平成18年11月をもって,原告装置2が「日本国内において最初に販売された」日であると解すべきである。そうすると,原告装置2についても,本件口頭弁論が終結された日(平成22年12月21日)の時点で,3年の保護期間が既に経過していたことになるから,原告は,原告装置2の形態を模倣した商品の譲渡等の行為について,不正競争防止法3条1項に基づく差止請求権を行使することはできない。オ 仮に,原告装置2が原告装置1の単なる後継機種ではなく,両者の形態が相違するものであるとみるのであれば,原告が,原告装置2の商品形態として,その模倣について不正競争防止法2条1項3号による保護を求め得るのは,原告装置2の形態のうち,原告装置1の形態と実質的に異なる部分に基礎を置くものでなければならないというべきである。前記認定のとおり,原告装置2の形態と原告装置1の形態とが相違するのは,操作パネルの位置・形状,カップ・ホースユニットのホース接続口の位置,洗浄水タンクと汚物タンクの収納位置といった本体の部分的な形態にすぎず,これらの点は,他社の同種商品においても適宜用いられるありふれた形態にすぎないというべきであるか(甲10,乙20ないし22),あるいは,そうでなくても,被告装置においては,操作パネルの位置・形状,カップ・ホースユニットのホース接続口の位置,洗浄水タンクと汚物タンクの収納位置は,いずれも原告装置2とは異なるから,両者が実質的に同一の形態であるということはできない(検証1,2)。(4)したがって,いずれにせよ,被告が不正競争防止法2条1項3号所定の不正競争行為を行ったことを理由として,同法3条1項に基づき,被告装置の譲渡等の差止めを求め,同条2項に基づき,被告装置の廃棄を求める原告の請求は理由がない。

◆判決本文

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平成21(ワ)1193  著作権 民事訴訟 平成22年11月18日 東京地方裁判所

 赤ん坊の椅子について、著作物性は否定されましたが、不競法の商品形態に該当するとして請求が認められました。
 著作権法2条1項1号は,著作物を,「思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と規定し,同条2項において,「この法律にいう「美術の著作物」には,美術工芸品を含むものとする。」と規定する。これらの規定は,意匠法等の産業財産権制度との関係から,著作権法により美術の著作物として保護されるのは,純粋美術の領域に属するものや美術工芸品であり,実用に供され,あるいは産業上利用されることが予\定されているもの(いわゆる応用美術)は,それが純粋美術や美術工芸品と同視することができるような美術性を備えている場合に限り,著作権法による保護の対象になるという趣旨であると解するのが相当である。本件デザインは,いすのデザインであって,実用品のデザインであることは明らかであり,その外観において純粋美術や美術工芸品と同視し得るような美術性を備えていると認めることはできないから,著作権法による保護の対象とはならないというべきである(なお,原告らは,ベルヌ条約加盟国では応用美術が保護されるから,本件デザインは我が国においても著作権法による保護の対象となる旨主張する。しかしながら,同条約は,応用美術の著作物に関する法令の適用範囲及び保護の条件について各国の法令の定めるところによるとしており(同条約2条7項,我が) 国の著作権法における応用美術の保護の範囲の解釈は上記のとおりであるから,我が国以外のベルヌ条約加盟国中に応用美術を保護の対象とする国があったとしても,本件デザインは我が国の著作権法による保護の対象とはならないというべきである。)。・・・・
 被告は,原告製品の形態のうち,特に,脚板と側面板との角度が約66度であることと,側面板に彫られた多数の溝があることは,技術・機能に由来するものであるから,これらの形態に自他識別力や出所表\示力を認めるのは相当でないと主張する。しかし,そもそも,原告製品が側面部分について側面板と脚板とから成る形態を採用していること自体は,何ら技術・機能に由来するものではなく,子供用のいすの側面部分の構\成としては様々な形態が採用可能であるから(甲12,27参照),原告製品のような形態を採用した結果として,側面板と脚板とが形成する角度を70度前後に設計することが適切となる(乙18)としても,そのことによって,上記形態自体が技術・機能\に由来するものとなるわけではない。また,座板や足のせ板の位置を調節する方法としては,ねじ等の留め具で留めたり,バネで調節したりするなど様々な方法が考えられるのであるから,側面板に多数の溝を設けることが技術・機能に由来するものであるとはいえない。\n

◆判決本文

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◆平成19(ワ)8262 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成21年06月09日 大阪地方裁判所

 不競法の商品形態に該当する部分は、形状に結合した模様,色彩,光沢及び質感から構成されるものと認定して、実質的に同一ではないと判断されました。
 「原告商品の商品形態は,容器の形状・寸法のほか,模様(ワンポイント色等),色彩,光沢及び質感を中心に観察し,素材や「アト」を含む商品名が使用されていること,容器に記載された文字列は,それが商品形態を構成する模様と認められる限度においてこれを参酌するのが相当である。したがって,原告商品において「商品の形態」と認められるものは,容器の形状・寸法のほか,これと結合した容器の色彩・光沢・質感,模様としてのワンポイント色「アト」の, 文字及びその他の文字列というべきである。このことを前提に,原告商品と被告商品の各商品形態の実質的同一性について検討する」

◆平成19(ワ)8262 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成21年06月09日 大阪地方裁判所

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◆平成20(ワ)15970 損害賠償請求事件 不正競争 民事訴訟 平成21年06月04日 大阪地方裁判所

 不競法の商品形態の模倣に該当しないとの判断がなされました。
 原告は,仮に被告物件と同一の中国商品が,原告物件が日本国内で販売されるより先に,中国国内において製造販売されていたとしても,かかる商品を原告物件の販売後に日本国内に輸入して市場に置く行為は,不正競争防止法2条5項における「同一の形態の商品を作り出すこと」に当たると主張する。しかし,市場に置く行為を同項の「同一の形態の商品を作り出すこと」に含めることは,「作り出す」の語義から乖離する上,そもそも同条1項3号が「他人の商品の形態(中略)を模倣した商品を譲渡し,貸し渡し,譲渡若しくは貸渡しのために展示し,輸出し,又は輸入する行為」を「不正競争」と定義し,模倣行為と輸入等の行為とを分けて規定した上で,後者のみを「不正競争」として規制対象としていることに照らし,輸入等の市場に置く行為を「模倣」に含めることは,同号の規定の構造からしても採用することのできない解釈である。」

◆平成20(ワ)15970 損害賠償請求事件 不正競争 民事訴訟 平成21年06月04日 大阪地方裁判所

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◆H17. 3.30 東京地裁 平成16(ワ)12793 不正競争 民事訴訟事件

 洋服について、不競法2条1項3号に規定する商品形態かが争われました。
 裁判所は、「そうすると,既に市場に存在するありふれた形態であるA”ないしJ”を単に組み合わせたにすぎない原告商品は,前身頃にフリルの配されたノースリーブ型のカットソーとしてありふれた形態であって,原告商品の形態は,同種商品が通常有する形態であるといわなければならない。・・・被告商品の販売行為は,不正競争防止法2条1項3号所定の不正競争行為に該当するものではない。」と判断しました。

◆判決本文

なお、控訴審(平成17(ネ)10083)では、不正競争行為に該当すると判断されました。   上記2において認定した原告商品の形態と被告商品の形態を比較すると, 両者は,1) 後襟ぐりよりも前襟ぐりの方が開いている丸首ネックであり(A”, a”),前襟ぐりの中央に取り外し可能なヒモが付いており,当該ヒモを首の後方\nで結ぶようになっていて(B”,b”),前身頃に4段のフリルが配され(E”, e”),着丈は腰骨ないしヒップラインに達する程度の長さであり(G”, g”),裾は中央部分から両脇部分にかけて曲線を描いて下降する(H”, h”),ノースリーブ型のカットソー(J”,j”)という基本的な構\成において 共通するほか,2) 個々の具体的形状の多くが共通しており(C”,F”,H”, c”,f”,h”),また,3) 全体の形状もほとんど同一である(甲8,11ない し19,検甲1,2)。 そうすると,原告商品と被告商品は,基本的構成を共通にするほか,個々\nの特徴的形状の多くを共通にし,全体の形状もほとんど同一であるから,両者の形 態は,実質的に同一というべきである。

◆判決本文

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◆H16. 9.13 大阪地裁 平成15(ワ)8501 不正競争 民事訴訟事件

  不競法2条1項3号について、独占販売業者も3号による保護の主体となり得るとの判断がなされました。
 裁判所は「3号は、その主要な要件が、「形態の模倣」という比較的簡易な要件であり、安易に適用を拡大すると、かえって自由な市場活動が妨げられるおそれがあるとも考えられる。しかし、商品化を行った先行者のほかに、独占的販売権者のように商品形態の独占について強い利害関係を有する者に限定した範囲で3号の保護の主体を考えるならば、そのような弊害を生ずることはないというべきである」と述べました。  

◆H16. 9.13 大阪地裁 平成15(ワ)8501 不正競争 民事訴訟事件

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