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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

裁判管轄

最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、裁判所がおもしろそうな(?)意見を述べている判例を集めてみました。
内容的には詳細に検討していませんので、詳細に検討してみると、検討に値しない案件の可能性があります。
日付はアップロードした日です。

平成28(ワ)25969  債務不存在確認請求事件  特許権  民事訴訟 平成29年7月27日  東京地方裁判所

 日本の裁判所に対する米国特許に基づく損害賠償請求不存在の確認訴訟です。東京地裁(47部)は、訴えの管轄が日本の裁判所にないと請求を却下しました。
 また,別件米国訴訟の訴状の記載を検討しても,被告の上記主張が裏付 けられる。すなわち,上記(1)アのとおり,別件米国訴訟の訴状の「管轄区 域および裁判地」欄には,「オリオン電機は米国内および本地区内で過去 に事業を営んでおり現在も日常的に事業を営んでいる。」とか,「特許侵害 に関する原告の訴因は本地区でのオリオン電機の活動に直接起因してい る。」として,不法行為地を本地区(デラウェア地区)に限定するものと 解される記載がある。また,上記(1)イのとおり,「B.被告の侵害行為」 欄には,「被告は訴訟対象の特許が取り扱う基盤技術を組み込んでいるデ ィスプレイ製品を米国内で製造し,使用し,使用されるようにし,売り出 し,販売しており,米国に輸入している(またはいずれか1つ)。」とか, 「被告は本地区を含めて米国でオリオン電機ならびに第三者の製造業者, 販売店,および輸入業者(またはいずれか1つ)により製造される,使用 される,使用されるようにしている,売り出される,販売される,または 米国に輸入される特許を侵害しているディスプレイ製品を購入している。」 として,「本地区を含めて米国で」の行為を侵害行為として整理している。 そうすると,別件米国訴訟で不法行為として主張されている対象行為は, 米国内における原告の行為であると認められる。
ウ この点につき,原告は,別件米国訴訟の訴状の「管轄区域および裁判地」 欄における「オリオン電機は本地区で特許侵害の不法行為をして本地区で 他の人が特許侵害を行うよう仕向けている(またはいずれか一方)。」との 記載等を指摘するが,上記イ説示の記載など別件米国訴訟の訴状全体の記 載を総合すれば,上記イのように認めるのが相当である。 エ したがって,民訴法3条の3第8号に基づき,本件訴えの管轄が日本の 裁判所にあると認めることはできない。 (なお,念のため付言すると,この点を措いても,被告が「別件米国訴訟に おいて本件米国特許権の侵害行為として日本国内における原告の行為は対象 としていない」旨主張している以上,本件訴えのうち,当該行為に基づく損 害賠償請求権の不存在確認を求める部分は,訴えの利益を欠くことになる。)

◆判決本文

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平成28(ネ)10020等  特許権移転登録手続請求控訴,同附帯控訴事件  特許権  民事訴訟 平成29年1月25日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 知財高裁第3部は、特許移転請求の裁判管轄がない国での判決は、無意味と判断しました。
 しかしながら,一審原告が一審被告らに対して本件各特許権の移転登録手 続を求める訴訟が日本国の専属管轄に属し,韓国に国際裁判管轄が認められ ないことは,前記のとおりである。したがって,専属管轄に違背する以上, 本件韓国訴訟(専属管轄に反する部分)は不適法であったといわざるを得な いのであるから,そのような不適法な訴訟において,いかに本件契約の成否 が争われ,この点について確定的な判断がなされたとしても,それは意味の ないものであったというほかはなく(これは,本来審理判断をすることがで きないはずの裁判所が審理判断を行ったという重大な瑕疵に関わる問題なの であるから,これを単なる形式論として軽視しようとする一審原告の主張は 到底採用できない。),信義則により主張を制限する前提を欠く。また,一 審原告の提訴の負担についても,そもそも日本国の裁判所において提訴する 必要があったのであるから,理由にならないというべきである。
(3) 以上によれば,争点1に関する一審原告の主張は,採用することができな い。
3 争点2(本件合意書に関する紛争の準拠法は韓国法か,日本国法か)につい て
(1) 前記認定のとおり,本件合意書9条において,本件合意書に関して紛争が 生じた場合,その準拠法は韓国法と指定されているところ,本件サインペー ジには一審被告Y及びAの署名があること,本件サインページを返送する際 にAが作成した本件カバーレター(乙9)には,「1点を除いて,貴殿の申\nし入れを全て受け入れたい」との文言があり,一審被告らは,準拠法につい ては特に異議を述べる意思はなかったと認められること等の事情からすれば, 本件合意書による契約(本件契約)の成立及び効力については韓国法による というのが,当事者の合理的意思であったと推認するのが相当であり,かか る推認を覆すに足りる証拠はない。 したがって,本件の準拠法は,韓国法であるというべきである(法の適用 に関する通則法附則3条3項,旧法例7条1項)。
(2) これに対し,一審被告らは,準拠法の指定合意が無効であるとか,取り消 されるべきであるなどと主張する。 しかしながら,ここでは,本件契約に関する合意の成否や効力を問題とし ているのではないことはもとより,準拠法に関する合意の成否や効力を問題 にしているのでもなく,飽くまで本件契約の成否について争いが生じたとき に,いずれの国の法律によってこれを判断するのが当事者の合理的意思に合 致するかを探求しているにすぎないのであるから,かかる主張は失当である。 また,一審被告らは,1)本件合意書においては日本国の特許権及び特許出 願が対象となっていること,2)本件合意書が日本語で作成されていること, 3)A及び一審被告Yは日本で本件合意書に署名したことなどからして,本件 合意書に関して紛争が生じた場合の準拠法は,日本国法とされるべきである 旨主張する。 しかしながら,1)については,日本国の特許権等が対象であるとしても, 譲渡契約自体は国外でもできる以上,譲渡契約を締結する当事者の合理的意 思が必ず準拠法は日本国法によるとの意思であると解すべき根拠はないとい うべきであるし,2)についても,本件合意書は日本語(和文)のみならず英 文でも作成されているのであるから,必ずしも決め手となるものではない。 3)についても然りであり,A及び一審被告Yが日本で本件合意書に署名して いるとの点は,合理的意思解釈を行う際の一つの要素にはなり得ても,それ だけで決め手になるものではない。 結局,前記(1)で説示した事情によれば,本件の準拠法に関する当事者の 合理的意思解釈としては韓国法によるものと解するのが相当であり,一審被 告らの主張はかかる認定を覆すに足りないというべきである。
・・・・
以上によれば,一審原告が主張するその余の点,すなわち,Aには,本 件サインページに署名するに当たり,本件米国訴訟を解決する(本件米国 訴訟を取り下げてもらう)という明確な動機があったとする点や,Aは, 本件特許権1及び同3に係る発明を完成させる能力を有しておらず,同人\nはこれらの発明の発明者ではなかったとする点を考慮しても,一審被告ら による本件サインページの返送により,平成16年4月3日の時点で直ち に本件契約が成立したと認定することは困難というべきである。 したがって,主位的主張に関する一審原告の主張は,採用することがで きない。

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平成28(ラ)10013  移送決定に対する抗告事件 平成28年8月10日  知的財産高等裁判所

 特許権が絡む詐欺事件が、「特許権に関する訴え」に該当するかが争われました。知財高裁は、該当しないと判断し、1審判断を取り消しました。
 同法6条1項が,知的財産権関係訴訟の中でも特に専門技術的要素が強い事件類型 については専門的処理体制の整った東京地方裁判所又は大阪地方裁判所で審理判断 することが相当として,その専属管轄に属するとした趣旨からすれば,「特許権に 関する訴え」は,特許権侵害を理由とする差止請求訴訟や損害賠償請求訴訟,職務 発明の対価の支払を求める訴訟等に限られず,特許権の専用実施権や通常実施権の 設定契約に関する訴訟,特許を受ける権利や特許権の帰属の確認訴訟,特許権の移 転登録請求訴訟,特許権を侵害する旨の虚偽の事実を告知したことを理由とする不 正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟等を含むと解するのが相当である。 他方,基本事件は,抗告人らの共同不法行為(詐欺)又は会社法429条に基づ\nく損害賠償請求訴訟であるから,抽象的な事件類型が特許権に関するものであると いうことはできない。そして,相手方の欺罔行為に関する主張は変遷しているもの\nの,相手方は,抗告人X1による消火器販売事業への勧誘に際し,抗告人X1の開 発した消火剤が,同人は技術やノウハウを有していないのに,同人が特許を持って おり,これまでの消火剤より性能がよいと述べたことや,他社メーカーの特許を侵\n害しないと述べたことが,詐欺に当たるなどと主張するものと解される。しかし,\n事業の対象製品が第三者の特許権を侵害するというだけで,当該事業への勧誘が詐 欺に当たるとか,取締役の任務を懈怠したということはできないから,欺\罔行為の 内容として「特許」という用語が使用されているだけで,このことをもって,基本 事件が専属管轄たる「特許権に関する訴え」(民事訴訟法6条1項)に当たるとい うことはできない。また,知的財産高等裁判所設置法2条3号は,「前2号に掲げ るもののほか,主要な争点の審理に知的財産に関する専門的な知見を要する事件」 を知的財産高等裁判所の取り扱う事件の1つとしており,第三者の特許権の侵害の 有無が争点の1つとなる場合には,専門的処理体制の整った東京地方裁判所又は大 阪地方裁判所で審理判断することが望ましいとしても,それが全て専属管轄たる「特 許権に関する訴え」に当たるということもできない。基本事件のように,審理の途 中で間接事実の1つとして「特許」が登場したものが専属管轄に当たるとすると, これを看過した場合に絶対的上告理由となること(民事訴訟法312条2項3号) からしても,訴訟手続が著しく不安定になって相当でないというべきである。
3 したがって,基本事件は,「特許権に関する訴え」(民事訴訟法6条1項) に当たらないというべきであり,東京地方裁判所の専属管轄とは認められない。

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平成27(ワ)10913  債務不履行損害賠償請求  特許権  民事訴訟 平成28年5月23日  大阪地方裁判所

 米国での手続きを適切に行わなかったとして、債務不履行に基づく損害賠償請求がなされました。一度神戸地裁で判決がなされていますが、控訴された、控訴審では、管轄違いとして大阪地裁に差し戻されました。判断としては請求棄却です。
2 被告らが,審査官からのクレーム補正の電話連絡に対し,補正の書面を提出すべき義務を負うか否か
(1) 前記認定事実等(1)ア(ア)のとおり,米国特許出願手続における補正は,書類 を提出することによって行われるが,審査官補正の場合には,米国特許商標庁(審 査官)が審査官補正書を発行して行われると認められる。そして,前記認定事実等 (1)ア(イ)c及びdのとおり,審査官補正は,出願人が電話又は個人面接にて権限を授 与した場合に許されることから,審査官補正の場合には,出願人が補正の書面を提 出する必要はないと認められ,前記認定事実等(4)のとおり,578出願での審査官 補正でも電話面接による権限授与が行われているにとどまる。そこで,本件で,被 告らが審査官からの連絡に対して補正の書面を提出すべき義務を負うといえるため には,審査官からの連絡が審査官補正の提案でなく,出願人による補正の促しであ ったことが必要となるので,まずこの点を検討する。
ア 前記認定事実等(2)アのとおり,被告P2は,P4に対する電子メールに おいて,審査官からの補正提案を許容する旨を審査官に伝えれば,審査官は審査官 による補正を用意すると連絡しており,これによれば,被告P2は,審査官からの 連絡を審査官補正の提案であると理解したと認められる。そして,同電子メールに 記載された審査官の提案は,クレームを提案のように補正すれば,特許可能である\nという内容を電話で伝えてきたものであるところ,これは,審査官補正が,「出願を 特許として通す場合」(又は「特許申請登録の段階に於いて」),「電話又は個人面接\nにてかかる変更について権限を授与した場合に」許されるものである(前記認定事 実等(1)ア(イ)c)との定めにも適合している。そうすると,本件での審査官の提案は, 審査官補正の提案であったと認めるのが相当である。

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平成22(ワ)39627  商標権 民事訴訟 平成26年03月26日 東京地方裁判所

 契約書に、フランスの裁判管轄についての規定があっても、それは、「付加的合意管轄についての定めである」として、我が国の裁判管轄を認めました。また、損害額について、過去の判例に基づき、「外国の通貨をもつて債権額が指定された金銭債権について,最終口頭弁論期日の外国為替相場によって日本の通貨に換算した額とする」と判断されました。
 本件契約における裁判管轄の合意は,解除による契約終了後においても効力を失わない,いわゆる訴訟契約として有効であることにつき,当事者間に争いがない。その上で,被告は,本件契約第14条における管轄合意は,国際的専属管轄の合意である旨主張する。国際的裁判管轄の合意の訴訟法上の効力については,法廷地である我が国の法律における解釈を前提とすべきであり,その合意は特定国の裁判所を管轄裁判所として明示的に指定する少なくとも当事者の一方が作成した書面に基づいて締結されれば足りるところ,ある訴訟事件について我が国の裁判権を排除し特定の外国の裁判所を第一審の専属的管轄裁判所と指定する国際的専属的裁判管轄の合意は,当該事件が我が国の裁判権に専属的に服するものではなく,かつ,指定された外国の裁判所がその外国法上当該事件につき管轄権を有する場合には,原則として有効であると解される(最高裁判所第三小法廷昭和50年11月28日判決・昭和45年(オ)第297号・民集29巻10号1554頁参照)。これを本件についてみると,本件契約における管轄合意条項は,「本契約に関する紛争又は本契約から生じる紛争は,本契約の当事者において友好的に解決するものとする。かかる解決が出来なかったときは,両当事者間の紛争は,フランス国パリの商事裁判所に提起するものとする。」とするものであり,本件訴訟における未払ロイヤルティの支払を含む債務不履行責任に関する紛争は我が国の裁判所が専属管轄を有するものではなく,かつ上記管轄合意条項により指定された裁判所が当該事件につき管轄権を有していると認めることができるから,本件契約における上記管轄合意条項は,裁判管轄の合意として有効であると解される。しかし,上記管轄合意条項が国際的専属管轄の合意であるか否かに関しては,上記管轄合意条項の規定は,文言上,フランス国パリの商事裁判所のみを残して,これを専属管轄裁判所とするものとも,また,我が国の裁判権を排除するなど他の裁判所の管轄権を排除するものともなっていないこと,原告は個人であるものの,商人間のフランチャイズ契約と認められる本件契約に関する紛争について,フランス国パリの商事裁判所は法定管轄を有する裁判所の一つであると解されるところ,フランス国においては,通常裁判所として我が国の地方裁判所に相当する大審裁判所のほかに,我が国に存しない商事紛争を管轄する特別の裁判所である商事裁判所が存することもあって,法定管轄裁判所の一つであるパリの商事裁判所にあえて付加的な裁判管轄の合意をしたものと解しても,当事者の合理的意思解釈として不相当とはいえないこと,さらに,本件契約の準拠法であるフランス法においても,フランス民事訴訟法48条は,「直接的又は間接的に土地管轄に関する定めに抵触するすべての条項は,記載なきものと見なす。ただし,その条項が商人の資格で契約したものの間で合意されており,かつ,それをもって対抗される当事者の契約書において非常に明白に特記されているときは,このかぎりではない。」と規定しており,本件契約の管轄合意について付加的合意管轄の定めであると解しても,特段問題は生じない。以上の点を総合考慮すると,本件契約における管轄合意は,我が国の裁判管轄を排除するものではなく,付加的合意管轄についての定めであると解するのが相当である。以上の検討によれば,原告の主張する管轄利益の放棄の点について判断するまでもなく,本件は,被告の普通裁判籍所在地を管轄する東京地方裁判所に提起されたものであるから,適法であるということができる。
・・・
以上のとおり,被告は,原告に対し,まず,平成22年1月分までの未払ロイヤルティとして17万4680.91ユーロの支払義務を負うが,外国の通貨をもって債権額が指定された金銭債権については,債権者は債務者に対して外国の通貨又は日本の通貨のいずれによってもこれを請求することができるところ,外国の通貨をもつて債権額が指定された金銭債権について日本の通貨により裁判上の請求がされた場合,その債権額は,事実審の最終口頭弁論期日の外国為替相場によって外国の通貨を日本の通貨に換算した額とするのが相当である(最高裁判所第三小法廷昭和50年7月15日判決・昭和48年(オ)第305号・民集29巻6号1029頁参照)。これを本件において検討すると,本件においては,上記のとおり債権はユーロ建てであり,本件口頭弁論終結時の円の対ユーロレートは約142円であると認められる(甲42,平成26年1月15日のレート)から,原告が平成22年1月分までの未払ロイヤルティとして請求する額である2240万6320円を下回ることはない。よって,上記金額を認容することとし,遅延損害金の起算点については,催告後相当期間を経過した,原告の請求する平成22年4月23日とすべきである。

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平成22(ワ)28813 特許権移転登録請求権不存在確認請求事件 特許権 民事訴訟 平成25年02月19日 東京地方裁判所

 日本国における特許を受ける権利の移転請求権不存在の確認訴訟について、裁判所は、訴えの利益無しと判断しました。
 ア そこで検討するに,前記前提事実によれば,原告らは,被告が,原告らと被告間の本件権利移転合意(本件合意書2条の合意)に基づいて,原告大林精工に対し,目録1の各特許権及び韓国,米国等の対応特許権の特許権移転登録手続等の履行を,原告Aに対し,目録2の各出願について被告を出願人とする出願人名義変更手続等の履行を求めた本件韓国訴訟において,被告の請求を全部認容するソウル高等法院判決の言渡しがあった後に,原告らの本件権利移転合意の意思表\示の錯誤無効又は詐欺による取消しを主張して,被告が本件権利移転合意に基づいて目録1及び2の各特許権の移転登録手続を求める権利並びに目録3の各出願の特許を受ける権利について移転手続を求める権利を有しないことの確認を求める本件訴訟を提起したものであり,本件訴訟の提起時までに,原告Aが目録2の各出願の分割出願として目録3の各出願を行った後,目録2の各出願の特許権の設定登録を受けていたことからすると,本件韓国訴訟と本件訴訟(本件訴え)とは,目録1及び2の各特許権並びに目録3の各出願の特許を受ける権利に関し,被告の原告らに対する本件権利移転合意に基づく特許権移転登録手続等請求権に基づく給付の訴えと原告らの被告に対する上記請求権と同一の請求権又は実質的に同一の請求権が存在しないことの確認を求める消極的確認の訴えの関係にあるものと認められる。
イ また,前記前提事実によれば,被告は,本件韓国訴訟のソウル高等法院判決が平成23年4月28日に確定したことから,同年7月29日,民事執行法24条に基づき,外国裁判所の判決であるソ\ウル高等法院判決の主文第2項(目録1の各特許権の移転登録手続の履行を命じた部分及び目録2の各出願の出願人名義変更手続の履行を命じた部分)等についての執行判決を求める別件訴訟1)及び2)を名古屋地方裁判所豊橋支部及び水戸地方裁判所下妻支部にそれぞれ提起したところ,両支部は,いずれもソウル高等法院判決の主文第2項に係る訴訟の国際裁判管轄は,日本の裁判所に専属し,韓国の裁判所に国際裁判管轄が存しないとして,ソ\ウル高等法院判決の主文第2項は,民事訴訟法118条1号所定の要件を欠くことを理由に,被告の請求を棄却する旨の別件判決1)及び2)をそれぞれ言い渡し,これらを不服とする被告が控訴をし,別件訴訟1)及び2)の控訴事件が名古屋高等裁判所及び東京高等裁判所にそれぞれ係属中であることが認められる。そして,外国裁判所の判決について執行判決を求める訴えにおいては,外国裁判所の判決が確定したこと及び民事訴訟法118条各号所定の要件を具備することについて審理をし(民事執行法24条3項),その裁判の当否を調査することなく,執行判決をしなければならないこと(同条2項),執行判決が確定した場合には,当該外国裁判所の判決は執行判決と合体して債務名義となること(同法22条6号)に照らすならば,別件訴訟1)及び2)は,ソウル高等法院判決の主文第2項に係る本件権利移転合意に基づく特許権移転登録手続等請求権についての債務名義の取得を目的とするものであり,実質上,ソ\ウル高等法院判決に係る給付の訴え(本件韓国訴訟)の日本国内における事後的継続であるということができる。このような債務名義の取得という観点からみると,別件訴訟1)及び2)と本件訴訟(本件訴え)との関係は,本件韓国訴訟と本件訴訟との関係と同様に,実質上,給付の訴えと消極的確認の訴えの関係にあるものということができる。次に,別件訴訟1)及び2)と本件訴訟の国際裁判管轄に係る当事者の主張をみると,被告は,本件管轄合意(本件合意書9条の合意)は,本件合意書に関する紛争の第一審はソウル中央地方法院の専属的管轄とすることを定めた専属的管轄の合意であること,平成23年法律第36号による改正後の民事訴訟法(「平成23年改正法」)3条の5第2項は,登記又は登録に関する訴えの管轄権は登記又は登録をすべき地が日本国内にあるときは日本の裁判所の専属管轄に服する旨規定するが,平成23年改正法が施行された平成24年4月1日の時点で,本件訴えは東京地方裁判所に現に係属していたのであるから,平成23年改正法の附則2条1項により,本件訴えに民事訴訟法3条の5第2項が適用されないことなどを根拠として,別件訴訟1)及び2)においては,ソウル高等法院判決の主文第2項に係る給付請求について,ソ\ウル高等法院に民事訴訟法118条1号所定の「裁判権」,すなわち国際裁判管轄(間接管轄)が認められ,本件訴訟においては,原告らの消極的確認請求について,日本の裁判所に国際裁判管轄(直接管轄)が認められない旨主張するのに対し,他方で,原告らは,本件管轄合意及び本件権利移転合意は,原告らの錯誤無効又は詐欺による取消し等により効力を有しないこと,平成23年改正前の民事訴訟法の下においても,登記又は登録に関する訴えの管轄権は登記又は登録をすべき地が日本国内にあるときは日本の裁判所の専属管轄に服すると解すべきであることなどを根拠として,別件訴訟1)及び2)においては,ソウル高等法院判決の主文第2項に係る給付請求について,ソ\ウル高等法院に国際裁判管轄(間接管轄)が認められないので,民事訴訟法118条1号所定の要件を欠くものであり,本件訴訟においては,原告らの消極的確認請求について,日本の裁判所に国際裁判管轄(直接管轄)が認められる旨主張している(甲32ないし35,乙21ないし25,弁論の全趣旨)。このように別件訴訟1)及び2)において,ソウル高等法院判決の主文第2項に係る給付請求についてソ\ウル高等法院に国際裁判管轄(間接管轄)が認められるかどうかと,本件訴訟において,原告らの消極的確認請求について日本の裁判所に国際裁判管轄(直接管轄)が認められるかどうかとは表裏一体の関係にある。
ウ 前記ア及びイの諸点を踏まえると,外国裁判所の確定した給付判決であるソウル高等法院判決の執行判決を求める訴えである別件訴訟1)及び2)が現に係属している場合に,給付判決の基礎とされた同一の請求権又は実質的に同一の請求権が存在しないことの確認を求める消極的確認の訴えである本件訴訟を許容するならば,執行判決の要件である民訴法118条1号の外国裁判所における国際裁判管轄の有無と表裏一体の関係にある消極的確認の訴えの国際裁判管轄の有無について,執行判決を求める訴えの係属する裁判所の判断と消極的確認の訴えの係属する裁判所の判断とが矛盾抵触するおそれが生じ得るのみならず,請求権の存否についても,外国裁判所の確定判決の判断内容の当否を再度審査して,それと矛盾抵触する判断がされるおそれが生じ得ることとなり,裁判の当否を調査することなく,執行判決をしなければならないとした民事執行法24条2項の趣旨に反するのみならず,当事者間の紛争を複雑化させることにつながりかねないものと認められる。また,仮に外国裁判所の確定判決の執行判決を求める訴えに係る請求が認容され,その判決が確定した場合には,同一の請求権について消極的確認請求を認容する判決が確定したとしても,当該判決には,前に確定した判決(外国裁判所の確定判決)と抵触する再審事由(民事訴訟法338条1項10号)が存することとなり,他方で,外国裁判所の確定判決の執行判決を求める訴えに係る請求が棄却され,当該判決が確定した場合には,日本において同一の請求権に基づく給付の訴えが提起される可能\性があり,その場合には,同一の請求権についての消極的確認の訴えは訴えの利益を欠く関係にあるから,いずれの事態も消極的確認の訴えにより紛争の解決に直結するものとは認め難い。以上を総合すると,ソウル高等法院判決の執行判決を求める訴えである別件訴訟1)及び2)が現に控訴審に係属している状況下において,本件訴訟(本件訴え)により被告が目録1及び2の各特許権の移転登録手続を求める権利並びに目録3の各出願の特許を受ける権利について移転手続を求める権利を有しないことの確認を求めることは,原告らと被告間の上記各特許権及び特許を受ける権利の帰属に関する紛争の解決のために必要かつ適切なものであるとはいえないから,本件訴えは,いずれも確認の利益を欠く不適法なものであるというべきである。これに反する原告らの主張は,採用することができない。

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平成23(ワ)32584 損害賠償等請求事件 著作権 民事訴訟 平成24年12月21日 東京地方裁判所

 著作権侵害について、準拠法は日本と判断し、約7万円の損害賠償を認めました。弁護士費用は一般的には10%ですが、今回は5万円です。
1 準拠法について
(1) 本件では,本件写真の著作物性,著作者及び著作権者について争いがあるが,文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約(以下「ベルヌ条約」という。)5条(2)によれば,著作物の保護の範囲は,専ら,保護が要求される同盟国の法令の定めるところによるから,我が国における著作権の帰属や有無等については,我が国の著作権法を準拠法として判断すべきである。我が国とアメリカ合衆国は,ベルヌ条約の同盟国であるところ,本件写真は,アメリカ合衆国において最初に発行されたものと認められ(前提事実(2)),後記2のとおり,その著作物性と同国の国民である原告Aが著作者であることが認められるから,同国を本国とし,同国の法令の定めるところにより保護されるとともに(ベルヌ条約2条(1),3条(1),5条(3)(4)),我が国においても著作権法による保護を受ける(著作権法6条3号,ベルヌ条約5条(1))。(2) また,本件では,原告Aは,原告会社に対し,本件独占的利用許諾権を付与した(前提事実(3))のであるから,このような利用許諾契約の成立及び効力については,当事者が契約当時に選択した地の法を準拠法とし(法の適用に関する通則法7条),他方,選択がないときは,契約当時において契約に最も密接な関係がある地の法が準拠法である(法の適用に関する通則法8条1項)。そして,本件独占的利用許諾権の付与が譲渡と同じ法的性質であると解したとしても,譲渡の原因関係である債権行為については同様に解するのが相当である。そこで検討するに,本件独占的利用許諾権の付与は,原告Aがハワイ州公証人の面前において自ら署名した宣誓供述書をもって行ったものであり(前提事実(3)),その相手方である原告会社が同州に所在する会社であることも併せると,アメリカ合衆国ないしハワイ州の法を選択したものと解するのが相当である。そして,アメリカ合衆国著作権法101条は,「『著作権の移転』とは,著作権または著作権に含まれるいずれかの排他的権利の譲渡,モゲージ設定,独占的使用許諾その他の移転,譲与または担保契約をいい,その効力が時間的または地域的に制限されるか否かを問わないが,非独占的使用許諾は含まない。」と規定するから,本件独占的利用許諾権の付与は同条にいう「著作権の移転」に含まれる。また,同法204条(a)は,「著作権の移転は,法の作用によるものを除き,譲渡証書または移転の記録もしくは覚書が書面にて作成され,かつ,移転される権利の保有者またはその適法に授権された代理人が署名しなければ効力を有しない。」と規定するが,原告Aは,自ら署名した宣誓供述書をもって,本件独占的利用許諾権を付与したのであるから(前提事実(3)),本件独占的利用許諾権の付与は効力を有すると解される。加えて,原告Aは,本件独占的利用許諾権の付与以前に,原告会社との間で非独占的代理店契約を締結しており(前提事実(3)),前同様にアメリカ合衆国ないしハワイ州の法を選択したものと解されるが,これらの法に照らし,非独占的代理店契約の成立及び効力を否定する根拠は見当たらないから,本件独占的利用許諾権によって変更された非独占的利用許諾権以外の条項については,なお効力を有するものと解される。(3) そして,著作権侵害を理由とする損害賠償請求の法律関係の性質は,不法行為であるから,その準拠法は法の適用に関する通則法17条によるべきであり,「加害行為の結果が発生した地」は,我が国における著作権侵害による損害が問題とされているのであるから,我が国と解するのが相当である。
・・・
被告は,本人尋問において,本件写真をダウンロードした経緯について,概ね次のとおり供述する。まず,インターネットの検索サイトであるYahoo!から「ハワイ」を入力して画像を検索し,その検索結果(乙25)から本件写真を選択した。本件写真(1)を選択すると,新しい画面(乙28)が表示されたので,その画面下部に記載された壁紙LinkのURLをクリックした。そうすると,壁紙Linkのサイトの画面(乙29)が表\\示され,その下部のURLをクリックすると,別の画面(乙30)が表示された。そして,その画面に表\\示された本件写真(1)をクリックすると,更に別の画面(乙31)が表示され,そこには「デザイナーズ壁紙は海外のショップでフリーの素材として販売していたものを収集したもの,及び,海外のネット上で流通しているものを収集したものです。無料ダウンロードした写真壁紙は個人のデスクトップピクチャーとしてお楽しみください。また,掲載の作品をホームページ素材として,お使いいただく場合にはリンクをお願い致します。」と記載されていたので,フリー素材,無料であると誤信した。本件写真(2)も同様の手順であり,上記の記載と同様の記載があった。(2) しかしながら,被告は,本件提起前の永田弁護士との交渉において,永田弁護士に送付した文書には,「この写真の提供先は,ヤフーの画像からハワイと入力して,頂きました。写真には,名前のサインも入力されていないことを確認して『一期一会』のポエムにのせました」(甲13の1),「ヤフーを検索し,画像から趣味のブログ更新の為,ハワイのキーワードを入力しました。画像も持ち主が写真家様と知らず,(サインの記入もなかった為)写真家様の画像との認識もないまま 軽率にも 趣味のブログにて写真家様の画像を掲載してしまった事を心から謝罪させて頂きます。」(甲19の1),「私も2度とYahoo!画像から趣味のブログへの写真を掲載致しません。」(甲21)と記載しているのみであって,永田弁護士に対し,本件写真が壁紙Linkの記載からフリー素材であると誤信した旨を述べていない(被告本人)。そうすると,被告が上記(1)の手順で本件写真をダウンロードしたとは容易に認めることができないし,上記の各記載に照らすと,被告は,壁紙Linkの記載を閲覧することなく,Yahoo!の画像検索結果から本件写真をダウンロードした蓋然性が高いというべきである。(3) もっとも,被告が上記(1)の手順で本件写真をダウンロードしたとしても,上記(1)の「海外のショップでフリーの素材として販売していたもの」あるいは「海外のネット上で流通しているもの」との記載は,一定程度の注意をもって読めば,壁紙Linkが本件写真の利用許諾を受けていないことについて理解ができるものである。(4) そうすると,被告は,本件写真の利用について,その利用権原の有無についての確認を怠ったものであって,本件写真をダウンロードして複製したこと及びアップロードしてブログに掲載し公衆送信したこと(複製権及び公衆送信権の侵害)について,過失があると認められる。

◆判決本文

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平成22(ネ)10003 特許侵害予防等請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成22年09月15日 知的財産高等裁判所

 外国法人に対する裁判管轄を否定した1審判決が取り消されました。
 日本国裁判所たる当裁判所が審理判断するに当たり,本件のような渉外的要素を含む事件に我が国の国際裁判管轄を肯定すべきかどうかは,これに関する我が国の成文の法律や国際的慣習法が認められない現時点(口頭弁論終結時たる平成22年7月7日)においては,当事者間の公平や裁判の適正・迅速の理念により,条理に従って決定するのが相当と解される(日本の裁判所の管轄権に関する民訴法の改正案が先の国会に提出されたことは当裁判所に顕著であるが,未だ成立に至っていない)。そして,上記条理の内容としては,我が国の民訴法の規定する国内裁判籍のいずれかが我が国内にあるときは,原則として,我が国の裁判所に提起された訴訟事件につき,被告を我が国の裁判権に服させるのが相当であるが,我が国で裁判を行うことが当事者間の公平,裁判の適正・迅速を期するという理念に反する特段の事情があると認められる場合には,我が国の国際裁判管轄を否定すべきものと解される(最高裁昭和56年10月16日第二小法廷判決・民集35巻7号1224頁,同平成9年11月11日第三小法廷判決・民集51巻10号4055頁等参照)。(3) 一方,本件訴えは,前記のとおり,特許権に基づく差止請求及び不法行為に基づく損害賠償請求であり,これらは特許権又は金銭債権という財産権上の訴えであるが,これらについて,国内管轄に関する民訴法5条(財産権上の訴え等についての管轄)との関係を検討すると,次のとおりである。すなわち,上記不法行為に基づく損害賠償請求は,その文言解釈として民訴法5条9号にいう「不法行為に関する訴え」に該当することは明らかであり,また,の特許権に基づく差止請求は,被控訴人(一審被告)の違法な侵害行為により控訴人(一審原告)の特許権という権利利益が侵害され又はそのおそれがあることを理由とするものであって,その紛争の実態は不法行為に基づく損害賠償請求の場合と実質的に異なるものではないことから,裁判管轄という観点からみると,民訴法5条9号にいう「不法行為に関する訴え」に含まれるものと解される(最高裁平成16年4月8日第一小法廷決定・民集58巻4号825頁参照)。そして,本件訴えの国際裁判管轄の有無に関して斟酌される民訴法5条9号の適用において,不法行為に関する訴えについて管轄する地は「不法行為があった地」とされているが,この「不法行為があった地」とは,加害行為が行われた地(「加害行為地」)と結果が発生した地(「結果発生地」)の双方が含まれると解されるところ,本件訴えにおいて控訴人(一審原告)が侵害されたと主張する権利は日本特許第3502266号であるから,不法行為に該当するとして控訴人が主張する,被控訴人(一審被告)による「譲渡の申出行為」について,申出の発信行為又はその受領という結果の発生が客観的事実関係として日本国内においてなされたか否かにより,日本の国際裁判管轄の有無が決せられることになると解するのが相当である。
(4) そこで,以上の見地に立って,以下,本件訴訟について検討する。
・・・・
3 特段の事情の有無
進んで,前記1(2)にいう特段の事情の有無について検討する。本件請求は,我が国に所在し日本法人である控訴人が,日本国特許権である本件特許権に基づいて,裁判を受ける権利の行使として,我が国において被控訴人が被告物件の譲渡の申出を行うことの差止めと損害賠償を求めているのであり,その準拠法も本件特許権の登録国法である日本国特許法になると解される(最高裁平成14年9月26日第一小法廷判決・民集56巻7号1551頁参照)。したがって,我が国の裁判所が,本件請求を審理判断することは,裁判の適正・迅速を期する理念に沿うものといえるのに対し,控訴人が被控訴人の本店が存する大韓民国において差止請求等を提起したとしても,上記認定事実に鑑みれば,同国の裁判所が国際裁判管轄を肯定する可能性は必ずしも高くはないものと解される。他方,被控訴人は,東京都において販売の拠点を設けそのことを自らウエブサイトにおいて開示するとともに,英語表\\\記のウエブサイトにおいて被告物件について製品紹介を行い,当該製品が日本にも流通していることを認識しているだけでなく,日本語表記のウエブサイトにおいて被告物件を含むODD モータの購入問い合わせを可能としているのであるから,当該物件に関して我が国において侵害訴訟等が提起されることは予\\\想の範囲内のことということもできる。さらに,被控訴人は,全世界に展開する大韓民国屈指の大企業であるサムスングループに所属する企業であって,自らも海外に多数の支店を設けている(甲4−4,甲10,弁論の全趣旨)。これらの事情からすれば,我が国の裁判所において本件請求に応訴することを被控訴人に求めることは,当事者間の公平,裁判の適正・迅速を期するという理念に反するとはいえないものであり,国際社会における裁判機能の分配の観点からみても,我が国の裁判権の行使を正当とするに十\\\分な法的関連性があるから,我が国の国際裁判管轄を否定すべき特段の事情があると認めることはできない。

◆判決本文

◆関連事件です。平成22(ネ)10001

◆関連事件です。平成22(ネ)10002

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平成20(ワ)9742 特許侵害予防等請求事件 特許権 民事訴訟 平成21年11月26日 大阪地方裁判所

 外国法人について、ウェブサイトに該当商品が掲載されていることが、販売の申し出に該当するのかが争われました。
 たしかに,原告は,日本国特許権である本件特許権に基づいて,我が国における被告物件の譲渡の申出の差止めを求めているのであり,準拠法も本件特許権の登録国法である日本国特許法になると解される(最高裁判所平成12年(受)第580号同14年9月26日第一小法廷判決・民集56巻7号1551頁)。したがって,我が国における譲渡の申出の事実が証明されなかった場合であっても,そのおそれを具体的に基礎づける事実(そのおそれが抽象的なおそれでは足りず,具体的なものであることを要するのは当然である。)が証明された場合には,条理により,我が国の国際裁判管轄を肯定する余地もある。しかしながら,前記2(1)で認定・説示したとおり,本件においては,我が国において被告物件の譲渡の申出がなされたとは認められず,また,同認定事実からは,被告が我が国において被告物件の譲渡の申\出をする具体的なおそれがあると推認することもできず,他にそのおそれがあることを具体的に認定し得る証拠はない。2 よって,特許権侵害の差止請求についても,我が国の国際裁判管轄を肯定することはできない。」

◆判決本文

関連事件です。◆平成20年(ワ)第9736号

関連事件です。◆平成20年(ワ)第9732号

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◆平成16(ワ)10667 損害賠償等請求事件 特許権民事訴訟 平成19年11月28日 東京地方裁判所

  民訴法5条9号の不法行為地の裁判籍の規定に依拠して我が国の国際裁判管轄が肯定されました。ただ、技術的範囲に属さないので請求は棄却されました。
  「本件においては,上記(1)で判示したように,住友電工及びNECは,被告製品又は被告製品を組み込んだADSLモデムを輸入し,同ADSLモデムをNTTに販売しているのであるから,仮に,本件特許が無効とならず,被告製品の輸入,販売等が本件特許権の侵害行為に該当するのであれば,住友電工及びNECの上記行為は,本件特許権を侵害する不法行為を構成し,また,本件特許権を有している原告に,我が国において,損害は発生しているものと認められる。次に,客観的関連共同性の存否又は幇助・教唆行為の客観的事実の存否については,・・・・いることからすると,同被告は,自社が住友電工及びNECアメリカに対して販売した被告製品が,そのままで又はADSLモデムに組み込まれて,住友電工及びNECによって輸入され,さらに,ADSLモデムに組み込まれた形でNTTに譲渡されることを認識しており,そのような認識の下に,住友電工及びNECに対して,積極的に被告製品の販売のための活動を行ったものと推測されるから,被告CCIには,住友電工及びNECの上記不法行為について,少なくとも客観的関連共同性が認められ,また,被告CCIの住友電工及びNECに対する被告製品の販売行為及びその前提としての営業行為は,住友電工及びNECの上記不法行為の幇助ないし教唆行為と評価できるというべきである。したがって,原告の主位的主張に係る訴えについては,我が国の裁判所に管轄を肯定するに足る上記の客観的事実及び日本国内での損害の発生を認めることができる」

◆平成16(ワ)10667 損害賠償等請求事件 特許権民事訴訟 平成19年11月28日 東京地方裁判所

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