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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

商標の使用

◆平成18(ワ)4029 商標権侵害差止等請求事件 商標権民事訴訟 平成19年05月16日 東京地方裁判所

   著名商標「ELLE 」を含む名称のロックバンド名「ELLEGARDEN」を付したTシャツ等について一部の使用態様は商標権侵害であると認定されました。
   「被告標章は,それぞれ具体的なデザインに相違はあるものの,いずれも「ELLEGARDEN」の10文字の欧文字から成る。このうち,「ELLE 」の部分は,上記のとおり我が国において著名な商標である本件ELLE 商標と同じ綴りから成る。また,「GARDEN 」の部分は,我が国における英語教育の水準からすると,それに接した需要者により,「庭,庭園」等の意味を有する普通名詞であると理解されるため,被告標章は,同需要者により,「ELLE 」と「GARDEN 」の2つの単語より成るものとして理解されるものと認められる。なお,我が国におけるドイツ語教育の水準からすると,同需要者により,「ELLE 」がドイツ語において長さの単位を意味する単語であると理解されることはないと認められる。著名商標は,その著名性故に看者の強い注意を惹き,結合商標の中に著名商標と同じ綴りが含まれる場合,当該著名商標と同じ綴りの部分に看者の注意が向くと考えられるところ,「ELLEGARDEN 」のうち「ELLE 」の部分は,著名な本件ELLE 商標と同じ綴りから成るから,当該部分は極めて強い出所表示機能\を有すると認められる。他方,「GARDEN 」の部分は,著名商標と同じ綴りの「ELLE 」部分に比し,出所表示機能\が弱いというべきである。したがって,被告標章の要部は,「ELLE 」の部分であると認められる。・・・前記1(3)アに述べたことに加え,被告標章(10)が本件ELLE 商標に極めて類似したデザインを採用していることからすると,被告標章(10)の要部は「ELLE 」の部分であると認められる。このため,前記1(3)イ〜エで述べたと同様に,本件ELLE 商標と被告標章(10)とは,外観,称呼及び観念において類似する。b 前記1(3)オで述べたとおり,原告はファッション関係の事業を行うものであり,音楽関連事業その他のエンタテインメント関連事業を行っていないが,弁論の全趣旨によれば,音楽はファッションに関心のある人々が現代における生活の一部として関心を持つ分野であると認められるから,ファッションと音楽とは,商品又は役務の類似性の観点から見ても,類似性のある分野であると認められる。c しかも,前記(1)セ(ア)のとおり,その使用態様及び本件ELLE 商標に極めて類似した本件標章(10)の字体等から,使用態様(10)に接した需要者が被告標章(10)から本件CD のミュージシャンを想起するものではない。d よって,被告標章(10)を使用態様(10)で使用した被告商品が原告又は原告と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であると誤認混同されるおそれがあると認められる。」

◆平成18(ワ)4029 商標権侵害差止等請求事件 商標権民事訴訟 平成19年05月16日 東京地方裁判所

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