知財みちしるべロゴマーク
知財みちしるべトップページへ

更新メール
購読申し込み
購読中止

知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

その他特許

◆H16. 7.26 大阪地裁 平成14(ワ)13527 特許権 民事訴訟事件

  少し前の事件です。被告の過失責任が認められる始期についての判断がなされました。本件は、補償金請求権の警告後、登録、公報発行の間に、登録料を納付し、登録査定のなされたクレームを被告に通知し、という当事者間のやりとりがなされました。公報発行後の過失が推定されるのは当然ですが、公報発行前の過失があるのかが1つの争点でした。
  裁判所は、「原告が、本件特許の出願公開後である平成13年7月27日、被告に対し、公開特許公報を添えて、警告書を送付し、これが同月30日に被告に到達したこと、及び、原告が、本件特許出願について、補正後の特許請求の範囲で特許すべきものとする旨の審決を受け、最初の特許料を納付した後である平成14年9月26日、被告に対し、補正後の特許請求の範囲と共にその旨を記した通告書を送付し、これがそのころ被告に到達したことは、前記「前提となる事実」(5)のとおり当事者間に争いがなく、甲第2及び第3号証の各1、第6号証によれば、上記警告書及び通告書は、いずれも原告から委任を受けた弁理士が原告を代理して発したものであることが認められる。・・・したがって、上記警告書及び通告書の送付を受けた被告は、通告書が到達した時点(発送日からすると、遅くとも平成14年9月30日には到達していたものと推定すべきである。)においては、本件特許出願について、通告書に記載された補正後の特許請求の範囲で特許とすべき旨の審決がされ、最初の特許料も納付されたことを知っていたと認められる。そして、一般に、特許査定ないし特許審決がされ、特許料が納付されれば、特段の事情がない限り、早晩特許権の設定登録がされるのであるから、被告は、上記通告書の到達時において、本件特許出願についても、数日間ないし遅くとも数週間のうちには、特許権の設定登録がされるであろうことを、高い確度をもって予見することができたものと認めることができる。」と登録日以降については過失ありと認定しました。

◆H16. 7.26 大阪地裁 平成14(ワ)13527 特許権 民事訴訟事件

関連カテゴリー
 >> その他特許

▲ go to TOP

◆H16. 4.28 東京地裁 平成15(ワ)26297 特許権 民事訴訟事件

 ちょっと前のケースです。通常実施権者が訂正の同意をしなかったことが、契約違反でも信義則違反でもないので、実施検討録抹消請求は認められないと判断されました。実務的には、通常実施権を設定する場合(特に登録する場合)には、特許権者は実施権契約の条項を詳細にチェックしておく必要がありそうです。
 この通常実施権者はもともと警告を受けて実施料を支払っていた者でした。別途訴外Aから無効審判を請求され、この状態が、実施権契約の第11条にいう、「第三者が侵害し又は侵害のおそれがあるとき」に該当するかが争われました。裁判所は、無効審判が請求されているだけでは、協力義務がない、また、信義則上も協力する必要はないと判断しました。

 

◆H16. 4.28 東京地裁 平成15(ワ)26297 特許権 民事訴訟事件

関連カテゴリー
 >> その他特許

▲ go to TOP

◆H16. 3.29 東京地裁 平成15(行ウ)514 特許権 行政訴訟事件

 年金管理会社が期限を入力する際に、月と日を逆に入力して期限内に追納できなかったことが、「責めに期すことのできない」に該当するかが争われました。
裁判所は、「CPA担当者には,本件特許料等の追納期限の徒過について,重大な過失があったものと認められるところ,原告は,本件特許料等の追納事務をその専門家であるパトラフィー担当者及びCPA担当者に委任したのであるから,同委任事務の遂行におけるCPA担当者の上記の過失は原告の過失と同視すべきである。この点,原告は,仮に,CPAの担当者やデータ入力スタッフに過失があったとしても,これを原告の過失と同視できない旨主張するが,同主張は採用できない。したがって,原告は,本件特許料等をその追納期間内に追納しなかったことについて,重大な過失が認められるから,原告には,法112条の2第1項の「その責めに帰することができない理由」があったということはできない」と述べました。

◆H16. 3.29 東京地裁 平成15(行ウ)514 特許権 行政訴訟事件

関連カテゴリー
 >> その他特許

▲ go to TOP

◆H16. 3.11 大阪地裁 平成14(ワ)6845 特許権 民事訴訟事件

日本の弁理士Aは、企業Bから米国における特許紛争に関し米国の特許弁護士との連絡調整等の委任を受けました。米国特許弁護士の費用については弁理士Aが立替払いしました。この費用につき、弁理士Aは企業Bにその請求を求めました。裁判所はこれを認めましたが、専門家としての説明責任を果たしているという立証責任が今後問題となるかもしれません。

◆H16. 3.11 大阪地裁 平成14(ワ)6845 特許権 民事訴訟事件

関連カテゴリー
 >> その他特許

▲ go to TOP

◆H16. 2.26 東京地裁 平成15(ワ)15702 不正競争 民事訴訟事件

争点の1つが、国内優先権の主張が有効か否かです。
裁判所は、「本件特許明細書記載の第1,第2及び第4実施例について本件発明の技術的事項が記載されていないから本件発明の実施例とは認められず,したがって,優先権主張が認められるかどうかは,第3実施例の要件が先の出願で開示されているかどうかによって決するべきと主張する。しかしながら,本件発明についての優先権主張が認められるかどうかは,先に述べたとおり,本件発明の構成要件(特許請求の範囲に記載されたもの)が,先の出願に添付された明細書又は図面に記載されているかどうかによって判断すべきものであるから,本件特許明細書に記載されている実施例がどのようなものであるかは,優先権主張が認められるかどうかに関係ないことである。なお,仮に,原告らの主張が,本件発明の技術的範囲につき,第3実施例に限定して解釈すべきことをいうものであるとしても,そのように限定して解釈すべき理由は認められない。」として、構\成要件Fが基礎出願でも開示があったと判断しました。

◆H16. 2.26 東京地裁 平成15(ワ)15702 不正競争 民事訴訟事件

関連カテゴリー
 >> その他特許

▲ go to TOP

◆H16. 2.27 東京高裁 平成15(ネ)1323 特許権 民事訴訟事件

 専用実施権が全範囲について設定されている場合でも、特許権者による差し止め請求が認められるとの判断がなされました。
 東京高裁は、「原判決は,特許法100条に基づく権利は,特許発明を独占的に実施する権利を全うさせるために認められたものであるから,専用実施権を設定したことにより実施権を有しない特許権者については,その行使を認めることができない,また,その権利の行使を認めるべき実益もない,と判断した。しかし,特許法100条は,明文をもって「特許権者又は専用実施権者は,自己の特許権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し,その侵害の停止又は予防を請求することができる。」と規定している。しかも,専用実施権を設定した特許権者にも,次のとおり,上記権利を行使する必要が生じ得るのであり,上記権利の行使を認めないとすると,不都合な事態も生じ得る。これらのことからすれば,専用実施権を設定した特許権者も,特許法100条にいう侵害の停止又は予\防を請求する権利を有すると解すべきである。専用実施権を設定した特許権者といえども,その実施料を専用実施権者の売上げを基準として得ている場合には,自ら侵害行為を排除して,専用実施権者の売上げの減少に伴う実施料の減少を防ぐ必要があることは明らかである。特許権者が専用実施権設定契約により侵害行為を排除すべき義務を負っている場合に,特許権者に上記権利の行使をする必要が生じることは当然である。特許権者がそのような義務を負わない場合でも,専用実施権設定契約が特許権存続期間中に何らかに理由により解約される可能性があること,あるいは,専用実施権が放棄される可能\性も全くないわけではないことからすれば,そのときに備えて侵害行為を排除すべき利益がある。そうだとすると,専用実施権を設定した特許権者についても,一般的に自己の財産権を侵害する行為の停止又は予防を求める権利を認める必要性がある,というべきである」と判断しました。

 以下は原審です。

◆ H15. 2. 6 東京地裁 平成13(ワ)21278 特許権 民事訴訟事件
 

◆H16. 2.27 東京高裁 平成15(ネ)1323 特許権 民事訴訟事件

関連カテゴリー
 >> その他特許

▲ go to TOP

◆H16. 1.28 東京地裁 平成14(ワ)28097 特許権 民事訴訟事件

 美術館の構築方法(特許3113833号)が対象特許で、かかる特許権の侵害が争点である点が興味深いです。 

     

◆H16. 1.28 東京地裁 平成14(ワ)28097 特許権 民事訴訟事件

関連カテゴリー
 >> その他特許
 >> 技術的範囲

▲ go to TOP