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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

その他特許

◆H14.12.17 東京地裁 平成13(ワ)22452 特許権 民事訴訟事件

  特許権者が、差し止めについて仮処分決定を得て,その後当該特許を無効とする審決が確定した場合に、これらに基づく権利行使に過失が認められるかが争われました。
裁判所は、「特許権に基づく差止請求権を被保全権利とする仮処分命令について,後に当該特許を無効とする旨の審決が確定した場合においても,他に特段の事情のない限り,債権者において過失があったものと推定するのが相当である。そして,この場合に,過失の推定を覆すに足りる特段の事情の存否を判断するに当たっては,当該特許発明の内容,無効事由及びその根拠となった資料の内容等を総合考慮して検討するのが相当である。・・・本件特許の出願前に先行技術を調査することにより,本件主引用例を始めとする上記各引用例の存在を知り得たものであり,これらの先行技術の存在を知ったならば,そもそも本件発明が特許を受けられないものであると判断することができたはずであり,本件発明が特許査定されて設定登録された後においても,本件仮処分決定を得るまでの間に被告において先行技術を調査するなどしていれば,本件審決が認定したのと同様の無効事由の存在を認識することが可能であったというべきである。これらの点に照らせば,本件特許の出願の経過,すなわち,本件特許の出願に対して審査官がいったん進歩性を欠く旨の拒絶理由を通知したものの,被告がこれに対し意見書を提出すると同時に補正書を提出したところ,新たな拒絶理由の通知もなく,特許査定がされたという経過を考慮しても,被告に,過失の推定を覆すに足りる特段の事情が存在したと認めることはできない。」との判断をしました。

 

◆H14.12.17 東京地裁 平成13(ワ)22452 特許権 民事訴訟事件

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◆H14.11.27 東京高裁 平成14(行ケ)392 特許権 行政訴訟事件

  特許取消決定に対する取消請求事件ですが、めずらしく、”訴えを却下する”というものです。理由は原告適格無しです。事案としては、取消審決がなされた後、特許権の移転登録申請とともに取消訴訟を提起したが、上訴期間内には移転登録手続きが完了しなかったために、原告適格を有しないという判断となりました。法的には正しいのでしょうが、すこし形式的にすぎると感じました。裁判所は、「代理人がついた訴訟事件にもかかわらず、何をやっているのか」と考えたのでしょうか?
  「原告は,・・・取消決定がされた後に特許権の譲渡を受けた譲受人は,その旨の移転登録申請をしていても,特許庁内部の事務処理の結果その登録がされまでの間は,上記取消決定に対する訴えを提起することができない・・・旨主張する。しかしながら,・・・・その取消決定に対する訴えの出訴期間内にその旨の移転登録ができる見込みがない場合には,譲渡人において上記取消決定に対する訴えを提起し,権利を保全する措置を講ずることができるのであり,当事者が上記譲渡契約の締結にあたってそのような権利保全の措置について合意をしておくことに何らの不都合もないから,上記取消決定に対する訴えの原告適格について上記(1)のような解釈をとっても,・・・上記譲受人がその不利益を甘受せざるを得ない結果になるということはないというべきである。 ・・・もっとも,特許法178条3項は,取消決定に対する訴え等は,決定等の謄本の送達があった日から30日を経過した後は提起することができない旨規定しているから,原告適格を有しない者が特許異議申立てに基づく取消決定に対する訴えを提起したとしても,上記出訴期間内にその者が原告適格を備えるに至れば,原告適格を有しない者により提起されたという手続上の瑕疵は治癒され,上記訴えは適法になるものと解される。・・本件特許権の原告への移転の効力が生じたのはその旨の移転登録がされた同年8月16日であるから,本件決定に対する訴えの出訴期間内・・・に原告が原告適格を具備したとは認められず,・・・本件訴えの手続上の瑕疵が治癒されたということはできない。」

 

◆H14.11.27 東京高裁 平成14(行ケ)392 特許権 行政訴訟事件

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◆H14.11.20 東京高裁 平成13(行ケ)134 特許権 行政訴訟事件

 事件の経緯が結構複雑です。平成6年以前の出願について「元出願のクレームと同一でない」として分割が認められず、出願日が繰り下げになり、その後に行った補正が要旨変更として補正却下されたのは違法だと争いました。
  裁判所は、分割要件が平成6年前後で異なるのかについては判断せず、「出願日が繰り下がったのであるから補正却下したのは違法」と審決を審決を取消しました。H6前後の分割要件の変更について裁判所の判断がなされるとおもしろかったのですが・・・

 

◆H14.11.20 東京高裁 平成13(行ケ)134 特許権 行政訴訟事件

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