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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

周知表示(不競法)

平成22(ワ)38566 不正競争行為差止請求事件 平成23年06月30日 東京地方裁判所

 所定のフォームが印刷された薬袋は、不競法の商品等表示には該当しないと判断されました。
 薬袋の表面の上部ないし上端部を除いた部分に,内用薬,外用薬ないし頓服薬の別,患者名,薬名,薬の用法,病院名等を記載することや,横書きの薬袋の場合に,「内用薬」,「外用薬」,「頓服薬」などと記載されたすぐ下の部分に,患者名を記載する欄を設け,その下の部分に,薬名や薬の用法等を記載する欄を設けること,さらに,これらの記載欄が目立つように,患者名の記載欄を四隅の角が丸みを帯びた横長の略長方形の枠で囲んだり,薬袋の横幅にあわせた略正方形の枠で薬の用法等の記載欄を囲み,その枠内を網掛け技法によって着色したりすることなどは,原告が原告製プリンター用の薬袋を販売する以前ないし原告が同薬袋の販売を始めたのと同時期のころから,しばしば見られたものであり,その後も,現在に至るまで,複数の会社から,これらと同様の多数の種類の薬袋が販売されていることは前記認定のとおりである。このように,原告製品模様は,他社製品にも多く見られるありふれた形態であるというべきであり,原告製品サイズと原告製品模様とを合わせても,ありふれたものというほかない。したがって,原告製品サイズ及び原告製品模様は,不競法2条1項1号の「商品等表\示」には該当しない。

◆判決本文

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平成22(ワ)13602 損害賠償請求事件 平成23年06月23日 大阪地方裁判所

 半紙について不競法2条1項1号の周知商品等表示性はないと判断されました。
 「一葉」(半懐紙版,半紙版)の商品形態が,上記の観点から商品等表示性を取得しているか検討すべきところ,以下のとおり「一葉」(半懐紙版,半紙版)の商品形態として原告の主張する色彩や模様の選択,50枚を一組として販売している点については,いずれも独自の特徴であるとはいえず,その商品形態に商品等表\示性を認めることはできない。ア すなわち,「一葉」(半懐紙版,半紙版)には,原告の主張するとおり比較的落ち着いた色合いの色彩(小豆色,灰色,緑灰色,橙色及び濃緑灰色)が選択されているといえるが,証拠(乙10ないし12)によれば,市販されている他の書道用和紙(商品名「蜻蛉」,「花衣」,「草まくら」)においても,全く同一ではないにせよ,概ね同じ系統の色彩が選択されていると認められる(商品名「蜻蛉」[乙10]では,灰色系,緑色系,橙色系の色彩が,商品名「花衣」[乙11]では,緑色系の色彩が,商品名「草まくら」[乙12]では,緑色系の色彩がそれぞれ選択されている。)。したがって「一葉」(半懐紙版,半紙版)に用いられた色彩は,書道用和紙としては一般的なものといえ,これらの色彩の選択をもって,他の同種商品と比較して独自の特徴であると認めることはできない。・・・・したがって,「一葉」(半懐紙版,半紙版)の商品形態には商品等表示性があるものと認めることはできないから,原告の不正競争防止法に基づく請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がない。\n

◆判決本文

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