知財みちしるべロゴマーク
知財みちしるべトップページへ

更新メール
購読申し込み
購読中止

知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

周知表示(不競法)

◆H15.11.11 東京地裁 平成14(ヨ)22155 不正競争 民事仮処分事件

 「マクロスゼロ」などの標章を付したアニメDVD,ビデオの販売差し止めの仮処分事件です。争点は、「超時空要塞マクロス」等の表示が商品等表\示(不競法2条1項1,2号)に該当するかです。裁判所は、「商品等表示」に該当しないと判断しました。
 「(2) テレビ放映用映画ないし劇場用映画については,映画の題名(タイトル)は,不正競争防止法2条1項1号,2号所定の「商品等表示」に該当しないものと解するのが相当である。けだし,映画の題名は,あくまでも著作物たる映画を特定するものであって,商品やその出所ないし放映・配給事業を行う営業主体を識別する表\示として認識されるものではないから,特定の映画が人気を博し,その題名が視聴者等の間で広く知られるようになったとしても,当該題名により特定される著作物たる映画の存在が広く認識されるに至ったと評価することはできても,それにより特定の商品や営業主体が周知ないし著名となったと評価することはできないからである。本件において,債権者は,本件テレビアニメの題名「超時空要塞マクロス」及び本件劇場版アニメの題名「超時空要塞/マクロス」が周知ないし著名となり,その結果,本件各表示が債権者の商品等表\示として周知ないし著名となったと主張するが,これらの題名は,著作物であるアニメーション映画自体を特定するものであって,商品やその出所ないし放映・配給事業を行う営業主体としての映画製作者等を識別する機能を有するものではないから,不正競争防止法2条1項1号,2号にいう「商品等表\示」に該当しない。」

      

◆H15.11.11 東京地裁 平成14(ヨ)22155 不正競争 民事仮処分事件

関連カテゴリー
 >> 周知表示(不競法)
 >> 著名表示(不競法)

▲ go to TOP

◆H15. 7.24 名古屋地裁 平成15(ワ)828 不正競争 民事訴訟事件

 刺繍糸の色番号が商品表示に当たるかが争われました。裁判所は、これを認めませんでした。
  「原告は,長年,原糸の製造販売を業としているところ,かねてから多種類の色の刺しゅう糸を番号によって容易に特定,識別し得るように,色の種類ごとに4桁の数字から成る色番号(本件色番号)を付し,それを刺しゅう糸を巻いた紙管に表示し,さらに本件色番号を同系色が近い位置になるように配列した色見本帳を作成している事実が認められ,これによれば,原告の刺しゅう糸を購入しようとする需要者は,原告(若しくは原告の商品のみを取り扱う業者)に対して,ある色番号を示すことにより,必要な色の刺しゅう糸を特定,識別することが可能\となっていると推認できる。 しかしながら,他方,前掲各証拠等によれば,原告が用いている本件色番号は,原告が製造販売する刺しゅう糸の色の種類ごとに付された4桁の数字(700種類)であって,その前後に何らの表記がなく,その字体にも格別特色があるわけではなく,その配列等についても同系色についておおよそ近似した数字を付してあるにとどまり,その表\示に独特の工夫をこらして案出されたものとはいえないことが認められる。そうすると,本件色番号は,つまるところ,単なる4桁の数字が色の種類に応じて付されているに止まるから,両者の対応関係には取引上の有用性が存在するものの,個々の色番号自体にいわゆる特別顕著性を認めることはできない。したがって,本件色番号について,他の第三者の商品とを区別するに足りる自他識別力(特別顕著性)ないし出所表示機能\を有すると認めることはできない。」

◆H15. 7.24 名古屋地裁 平成15(ワ)828 不正競争 民事訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 周知表示(不競法)

▲ go to TOP

◆H15. 2.20 東京地裁 平成13(ワ)2721 不正競争 民事訴訟事件

  登録商標「マイクロシルエット」の使用は、周知標章である「マイクロダイエット」との混同が生ずるとして不競法2条1項1号、2号にて、差止、損害賠償を求めていた事件で、その主張が認められました。
 被告は登録商標の使用であると抗弁しましたが、裁判所は、「訴外Aは,原告サニーヘルスに従業員として在職中に,原告商品が好調な売れ行きを示し,原告標章が周知の商品等表示となっていることを認識しながら,これと類似する被告登録商標につき商標登録出願をしたものであり,原告標章の周知性にただ乗りする意図の下に上記商標登録出願をしたものと認められる。そして,被告ホルスは,原告標章が周知の商品等表\示となっていることを認識しながら,訴外Aからこれと類似する被告登録商標の商標登録を受ける権利を譲り受けたものであり,また,その際,同被告は,原告標章が周知の商品等表示となった後に被告登録商標が出願されたことを認識していたか,又は知り得べきものでありながら過失によって知らなかったものと認められる。上記のような各事情に照らせば,被告ホルスが商標権者として被告登録商標を使用する行為は権利濫用に該当するものであり,本件訴訟において,不正競争防止法2条1項1号,2号を理由とする原告らの請求に対し,登録商標使用の抗弁を主張することもまた,権利の濫用に当たるものとして許されないというべきである。」として、かかる抗弁を認めませんでした。
 同じ様な判断が、◆H12.10.12 大阪地裁 平成10(ワ)9655 商標権 民事訴訟事件
にありました。こちら4条1項11号違反です。

 

◆H15. 2.20 東京地裁 平成13(ワ)2721 不正競争 民事訴訟事件

関連カテゴリー
 >> 周知表示(不競法)
 >> 著名表示(不競法)

▲ go to TOP