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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

不使用

平成25(行ケ)10032 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年09月25日 知的財産高等裁判所

 不使用であるとした審決が取り消されました。本件商標は「グラム」の片仮名と「GRAM」の欧文字とを二段表記したものであるのに対して使用商標は「Gram」でした。
 被告は,本件商品にマックハウス商標が付されていることなどから,東麗商事,サン・メンズウェア及びマックハウスの間の取引について,内部的な下請け又は製造委託に基づく行為であって,通常の譲渡には該当しない旨主張する。しかし,本件商品はODM型生産という,委託者のブランド名での販売を前提に,受託先である東麗商事が商品企画から生産,その後の流通まで行い,委託先であるサン・メンズウェア,更にはマックハウスに商品(完成品)を提供するという形態で取引がなされているものと認められるのであり(甲15の2,甲29,30,弁論の全趣旨),また,本件商品には,東麗商事により,本件使用商標(本件下げ札)も付されているのであるから,本件商品にマックハウス商標が付されていることをもって,東麗商事,サン・メンズウェア及びマックハウスの間の取引について,商標法2条3項2号にいう「譲渡」に該当しないということはできず,被告の上記主張を採用することはできない。
・・・
 以上によれば,本件商品がマックハウスの「navy natural」ブランドの製品であること,また,東レ(原告)の繊維である特殊な素材を使用することにより本件商品が上記の特徴を有することが認識され得るものといえる。しかし,他方で,本件商品は,上記認定のとおり,東麗商事によりODM型生産され,サン・メンズウェアに譲渡されたものであり,本件下げ札は,その際に本件商品に付されたものである上,東麗商事がODM型生産をした本件商品に使用した東レの素材が非常に軽いため,ダウンジャケットである本件商品が,軽量感のあるソフトな風合いの機能\性,快適性に優れるものであることを示すものであるとも解することができ,本件商品が東レの素材を使用した,「Gram」ブランドの衣類であるなどというように,被服である本件商品の出所及び品質等を示すものとして用いられているものとも理解し得るものである。このように,本件商品は,マックハウスの商品として,マックハウス商標が付されると共に,東麗商事により東レの特殊軽量素材の生地を使用してODM型生産された,軽量感のあるソフトな風合いの機能\性,快適性に優れた衣類であることも表示するものとして,本件使用商標が付されて販売されたものであり,単に,本件商品に使用された素材を示すために,本件使用商標が本件商品に付されたものとみることは相当ではない。\n

◆判決本文

◆関連事件です。こちらは商標が「グラム」ですがアルファベットの使用も社会通念上同一と認定されています。平成25(行ケ)10031

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 >> 不使用
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平成24(行ケ)10442 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年07月17日 知的財産高等裁判所

 2段併記の登録商標について、不使用ではないとした審決が維持されました。
 本件商標は,「SAMURAI」と「サムライ」の文字を上下2段に表記したものであるのに対し,使用商標はいずれも,「SAMURAI」又は「Samurai」の文字を単独で表\記したものである。また,本件商標は標準の活字体が使用され,使用商標は概ね標準の活字体又は筆記体が使用されていること等に照らすならば,使用商標は,本件商標と社会通念上同一と認められる商標に該当するというべきである。 (2) これに対し,原告は,使用商標はいずれも,「SAMURAI」又は「サムライ」の文字を2段併記ではなく1段に表記され,相当にデザイン化された書体に変更され,また,「GENUINE JEANS」の文字が併記されており,本件商標と社会通念上同一とはいえないと主張する。しかし,使用商標は,様々な絵柄や「侍」「刃」「零」「極」などの文字や「GENUINE JEANS」の文字と併記されている例があるが,いずれも「SAMURAI」「Samurai」との欧文字が,概ね標準の書体により,明瞭に表示されており,社会通念上同一といえる範囲に含まれるものというべきであり,この点の原告の主張は採用の限りでない。また,原告は,使用商標は,「SAMURAI」ないし「サムライ」という社名と同一の文字をデザイン化した,多数の異なる標章が用いられており,被告商品の出所を示すものと認識されない態様で用いられていると主張する。しかし,使用商標は,工夫が施された図柄とともに使用されているが,前記のとおり,フラッシャーに「SAMURAI」「Samurai」との欧文字が,概ね標準の書体で表\示されている使用状況に照らすならば,取引者,需要者は,商品の出所を示すための表示と認識することは明らかである。さらに,原告は,登録商標に大幅な変更を加えた標章の使用を当該登録商標の使用として認めることは,商標権者に不当に広い権利を与えることとなるとともに,国民一般の利益を不当に侵害するなどと主張する。しかし,前記のとおり,使用商標は登録商標に大幅な変更を加えたものであるとはいえず,原告の主張はその前提において失当である。\n

◆判決本文

◆関連事件です。平成24(行ケ)10441

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平成25(行ケ)10010 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年07月04日 知的財産高等裁判所

 不使用であるとした審決が取り消されました。
(1) 原告が平成23年10月21日に本件商標を使用した証拠として提出している甲6の請求書の「品番」には「VIRUS 84002」とあるところ,甲34の品番・型番一覧表によれば,これが型番「PRVCA84002」のジーンズパンツで,・・・・と記載されており,本件商標と社会通念上同一の商標が付された商品であると認められる。そして,甲6の請求書の宛名は「有限会社ズーティック」であり,単価5000円,数量3で税込み価格が1万5750円,作成日付は平成23年10月21日であるところ,原告の保有する甲7の1の領収書(控)には「(有)ズーティック様」「商品代として」「¥15,750−」「入金日 2011年10月21日」と記載されており,両書類の記載は,品番や色などが書かれているか否かにおいて違いがあるが,宛先,商品代金及び日付で一致している。甲35の履歴全部事項証明書及び甲36のホームページによれば,ズーティックは衣料品の販売等を行う実在の会社と認められるところ,同社社長のAは平成23年10月21日に48サイズのインディゴのジーンズパンツを1万5750円で購入した事実を陳述書において自認している(甲24)。同陳述書で,各ジーンズパンツは平成24年3月20日に実施された展示会で社員が譲り受けたと記載されているところ,同社の社員であるBは同譲受けの事実を認めているし(甲25),実際に原告ブランドが参加したか否か,本件ジーンズパンツが使用されたか否かは必ずしも明らかではないものの,少なくとも同日に合同展示会があったことは客観的な事実である(甲37)。以上の事実によれば,原告が平成23年10月21日にズーティックに対して型番「PRVCA84002」のジーンズパンツを3枚合計1万5750円で売却したことを推認することができる。そして,甲26の写真及び甲33の領収書綴りによれば,領収書の控えは時系列順に並んでいて,上記甲7の1の領収書もそのように編綴されているうちの1枚として,後から偽造,加工した形跡は認められないし,未使用の領収書には原告の記名印が押捺されたものもあるが,領収書の控えだけが残っているものも多数存在し,全体を概観すると,実際に使用されたもの,未使用のものが混在していると認められるのであって,後日体裁を整えたものとはうかがわれない。また,その領収書綴りの1枚の領収書(控)(甲7の2)には,「(株)リバースプロジェクト様」「お品代として」「¥44,856−」「入金日 2011年10月15日」と記載されているところ,同社の代表取締役であるCは原告の東京事務所において原告の在庫(商標は本件とは別のもの)を半額で買い取った事実を認めており(甲38),この点でも領収書綴りが後日作成されたものでないことが裏付けられる。
(2) この点,原告の提出する証拠の中には,逆に原告が宛名になったり,本来領収書本体を原告が所持すべきなのに控えだけが残っているものが散見される(甲41の1ないし41の4)。しかしながら,ただし書部分を見るとモデル代,アルバイト代金等であり,モデルやアルバイトをした人物が領収書を手元に持ち合わせておらず,代金を支払った際に原告の領収書綴りを用い支払者の原告が控えを所持することになったとしても事実としてあながち不自然とまではいえない。また,一般的に控えの方は切り取れるようになっていないから,領収書と控えを厳密に使い分けなかった点をもって不自然ともいえない。甲41の1の領収書を受け取ったDがモデルをしていたことについては裏付けがあり(甲42,43),このことからしても,宛名が逆である点をもって領収書の信用性を覆すには至らない。また,原告の提出する領収書綴り(甲33)は枚数にしてみれば使用期間があまりに長い点において不自然さが看取される。しかしながら,この点,原告は,原告の東京事務所において販売した際に使用していた領収書綴りであると説明しているところ,現に記名印の住所は,原告の本店のある横浜市戸塚区ではなく「」となっており(甲33),東京事務所で受け取ったとする上記Cの陳述内容(甲38)とも合致している。また,原告は,大口の取引については銀行振込を利用しており(甲45),必ずしも領収書を発行する必要がなかった取引があったと認められる上に,甲33の領収書綴り以外の領収書を使用していた事実(甲48の1,48の2。甲48の2の取引については裏付けのメモ〔甲50〕や,取引された商品の売却に関するホームページ〔甲51の1,51の2〕が存在する。)もまた認められるから,この点をもって必ずしも不自然とはいえない。さらに,本件取引では定価である1万2800円を大幅に下回る5000円で3本売却されたことになる。しかしながら,本件取引以外にも,原告の東京事務所で行われた上記Cに対する売却代金は半額であったというし(甲38),原告の主張するように値下げの理由が在庫処分ということであれば,値下げの動機はあり,3本というまとめ買いであったことも合わせ考えると,売却価格の点においても不自然とはいえない。被告は,甲6の請求書控えが,被告による無効審判請求以降に出力されたことをもって,後日新たに作成した可能性を指摘するが,請求書の原本は,請求を受けたズーティックの手元に渡っていて原告が所持していなくても不自然ではないし,後日にデータの内容を書き換えたないし新たに作成したという具体的根拠を欠く。いずれにせよ被告の批判は当たらない。\n

◆判決本文

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平成24(行ケ)10411 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年05月30日 知的財産高等裁判所

 登録商標の使用かが争われました。裁判所は使用を認めた審決を維持しました。「ただ1回の広告・宣伝の事実だけはかろうじて認定が可能」と言及している点が気になります。
 商標使用は,商標権者が登録商標管理として入念に配慮しなければならず,その関係の内部資料を保管しているべきであって,たやすく立証可能な事実であるのに,被告はネットの掲載などの断片的な証拠を提出するのに甘んじている。しかし,上記1認定の各事実を総合すると,レイラニ社は「2012−02−06」すなわち平成24年2月6日に「ALL STATE」の文字を含む本件標章を取り入れた革製ジャケットについてネット上で広告・宣伝したことはかろうじて認めることができる。同社のこの行為自体は,商標法2条3項8号に規定する「商品に関する広告・・・を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当するというべきである。なお,アメーバブログの登録者である会員が個人であってもリンク元は当該個人の所属する会社のショップサイトであるから,リンク元のショップで販売している商品の広告・宣伝をしていることに何ら変わりはない。商品の宣伝・広告を目的としたショップスタッフによるブログが利用規約に違反するとしても,それは利用者と管理者の間の問題にすぎないから上記認定を左右しない。
(3) なお,上記1(4)の認定事実によれば,在庫商品の「ALL STATE」の革製ジャケットに本件商標が付されていたのか不明であり,商標法2条3項1号に該当する使用の事実があったか必ずしも明らかではないといわざるを得ない。ただし,上記1(1)の認定事実によれば,レイラニ社の在庫商品として刻印,下げ札等により商品に本件商標を付していたことがうかがわれ,かかる行為自体は,商標法2条3項1号に該当するといってよい。もっとも,その時期は特定されておらず,本件審判請求の登録前3年以内であるか否かは必ずしも明らかではないといわざるを得ない。また,レイラニ社の本件商標の付いた在庫商品の数は平成23年7月10日分しか判明しておらず,その前後の変動は不明であり,在庫商品が実際に販売に供されて譲渡されていたかもまた不明といわざるを得ず,商標法2条3項2号に該当する行為があったとは認められない。
 以上のとおり,本件商標使用の事実立証は極めて雑ぱくなものといわざるを得ないが,当裁判所は,上記(2)におけるただ1回の広告・宣伝の事実だけはかろうじて認定が可能と評価したものである。\n

◆判決本文

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平成24(行ケ)10382 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年03月21日 知的財産高等裁判所 

 商標「RHYTHM」について、不使用取消請求がなされました。商標権者が使用していたのは、「NEO RHYTHM」です、特許庁は、使用と認めましたが、裁判所は、これを取り消しました。使用形態としては、「NEO」の文字は白抜きで籠字風に表され,「RHYTHM」の文字は塗り潰しのゴシック体風の文字で表\されていました。
 本件商標は,「rhythm」の文字からなり,「リズム」という称呼を生じ,「リズム」,「調子」という観念を生じるのに対し,使用商標は,いずれも,「NEO」の文字を伴って,「NEORHYTHM」又は「NEO RHYTHM」の文字からなり,「ネオリズム」という称呼を生じ,「新しいリズム」,「新しい調子」という観念を生じる。そして,使用商標は,「NEORHYTHM」又は「NEO RHYTHM」の文字からなり,「NEO」の文字は白抜きで籠字風に表され,「RHYTHM」の文字は塗り潰しのゴシック体風の文字で表\されているところ,1)本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標とはいえないし,2)本件商標のローマ字の文字の表示を平仮名や片仮名に変更して同一の称呼及び観念を生ずる商標でもなく,また,3)外観において本件商標と同視される図形からなる商標でもなく,これらと同程度のものということもできない。よって,使用商標は,本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標ということはできない。なお,前記1(3)認定のとおり,被告自ら,本件商標とは別個に,同様の指定商品(第25類「履物,乗馬靴」)について,「neorhythm」又は「neo rhythm」という別件登録商標の登録出願をした上でその商標登録を得ていることに照らしても,本件商標と使用商標とが社会通念上同一であると認めることはできない。 イ 被告の主張について
(ア) 被告は,使用商標において「RHYTHM」の部分が要部となっているから,本件商標と社会通念上同一であると主張する。しかしながら,前記1(1)認定の使用商標の態様並びに同(2)認定の被告の婦人靴の取引の実情を総合すると,同一の大きさ,同一の書体で表された「NEORHYTHM」又は「NEO RHYTHM」の文字からなる使用商標において,「RHYTHM」の部分が取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとまではいうことはできない。また,「NEO」の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないともいうことはできない。よって,使用商標から「RHYTHM」の部分のみを抽出し,この部分だけを本件商標と比較して商標そのものの同一性を判断することは,許されない。(イ) 被告は,籠字風に表示された「NEO」の文字部分は,塗り潰された状態で表\示された「RHYTHM」の文字部分とは,視覚上異なり,その背景に埋没するような表示態様であって,看者をして「RHYTHM」の部分が強く印象づけられると主張する。しかし,使用商標の文字は,いずれも同一の大きさ,同一の書体で表\され,外観上まとまりよく一体的に表示されているのであって,籠字風に表\示されたからといって,「NEO」の部分が捨象されるとはいえない。(ウ) 被告は,「NEO RHYTHM」又は「NEORHYTHM」全体が既成の観念を有する成語として親しまれていないと主張する。しかし,「NEO」は「新,新しい」なる意味を有する英語に通じ,また「RHYTHM」は「リズム,調子」なる意味を有する英語に通じる既成語として一般に親しまれている。したがって,これらを結合した「NEO RHYTHM」又は「NEORHYTHM」については,それ自体が既成の成語として認識されていないとしても,「新しいリズム」,「新しい調子」なる意味合いのものとして理解することは容易であり,そこから「ネオリズム」という称呼が生じる。(エ) 被告は,「NEO」が接頭辞であり,自他商品の識別力がないか極めて弱いと主張する。しかし,接頭語として使用されるからといって,直ちに使用商標と本件商標とが社会通念上同一であるということはできない。

◆判決本文

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平成24(行ケ)10310 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年03月25日 知的財産高等裁判所

 不使用請求を棄却(使用されていたと認定)した審決が、維持されました。
 商標法50条1項には,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者(以下「商標権者等」という。)のいずれもが,同項に規定する登録商標の使用をしていないときは,取消しの審判により,その商標登録は取り消される旨規定されている。ここで,商標権者等が登録商標の使用をしている場合とは,特段の事情のある場合はさておき,商標権者等が,その製造に係る商品の販売等の行為をするに当たり,登録商標を使用する場合のみを指すのではなく,商標権者等によって市場に置かれた商品が流通する過程において,流通業者等が,商標権者等の製造に係る当該商品を販売等するに当たり,当該登録商標を使用する場合を含むものと解するのが相当である。このように解すべき理由は,今日の商品の流通に関する取引の実情に照らすならば,商品を製造した者が,自ら直接消費者に対して販売する態様が一般的であるとはいえず,むしろ,中間流通業者が介在した上で,消費者に販売することが常態であるといえるところ,このような中間流通業者が,当該商品を流通させる過程で,当該登録商標を使用している場合に,これを商標権者等の使用に該当しないと解して,商標法50条の不使用の対象とすることは,同条の趣旨に反することになるからである。
 本件においてこれをみると,1)アイ・ティ・エム・ユーは,グンゼが製造し,本件商標が付されたパンティストッキングを仕入れ,楽天株式会社の運営に係るウエブサイト(楽天市場,本件サイト)において,上記パンティストッキングを表示して,販売を継続しており,平成21年5月,同年8月,平成22年3月,同年6月,同年7月,同年10月,平成23年9月頃,本件サイトを利用して,一般消費者に上記パンティストッキングを販売していることが確認できること,2)本件サイトには,本件使用商標の表示されたグンゼの製造に係るパンティストッキングの包装の写真が掲載されており,その掲載態様に照らすならば,本件使用商標は,その商品の出所がグンゼであることを示しているといえること,3)グンゼの製造に係るパンティストッキングは,流通業者を介して,消費者に販売することを前提として,市場に置かれた商品であることが明確に理解でき,グンゼも,そのことを念頭に置いた上で,パンティストッキングを販売し,アイ・ティ・エム・ユーはこれを仕入れていると解されること等の事実が認められる(甲18の1ないし18の3,乙19)。
以上のとおり,本件商標の通常使用権者であるグンゼは,流通業者を介して,本件審判請求の予告登録前3年以内に,指定商品である「靴下」に該当するパンティストッキングに,本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたと認めることができる。\n

◆判決本文

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平成24(行ケ)10250 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年01月10日 知的財産高等裁判所

 不使用であるとした審決が取り消されました。
 前記のとおり,イタリア法人である原告は,平成21年5月15日,日本における独占的販売店であるドウシシャに対し,本件使用商標を付した時計を輸出し,ドウシシャがこれを取引書類に付して展示していたものである。
・・・
商標権は,国ごとに出願及び登録を経て権利として認められるものであり,属地主義の原則に支配され,その効力は当該国の領域内においてのみ認められるのが原則である。もっとも,商標権者等が商品に付した商標は,その商品が転々流通した後においても,当該商標に手が加えられない限り,社会通念上は,当初,商品に商標を付した者による商標の使用であると解される。そして,外国法人が商標を付した商品が,日本において独占的販売店等を通じて輸入され,国内において取引される場合の取引書類に掲載された商品写真によって,当該外国法人が独占的販売店等を通じて日本における商標の使用をしているものと解しても,商標法50条の趣旨に反することはないというべきである。
ウ よって,本件においては,商標権者である原告が,原告の時計に本件使用商標を付し,日本国内において,独占的販売店であるドウシシャを通じて上記時計に関する取引書類に本件使用商標を付した商品写真を掲載してこれを展示したものであるから,本件商標と社会通念上同一の商標を使用(商標法2条3項8号)していたということができる。

◆判決本文

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