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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

104条の3

◆H15. 7.30 東京地裁 平成14(ワ)2473 特許権 民事訴訟事件

 裁判所が侵害事件にて無効と判断した事例です。ただ、同時継続の無効審判では、侵害訴訟と逆の判断をしました。キルビー事件の最高裁は「明らかな無効理由があるとき」と条件を付けていたので、特許庁で無効理由無し、裁判所で無効と判断されることは、現実にはないのでは?と考えてましたが、現実にはあるんですね。
  裁判所は、「本件は,平成15年4月7日に口頭弁論を終結し,判決言渡日を,当初,6月25日と指定した。この間に,本件特許に係る無効審判事件(無効2002−35245号)について,6月17日付けで,「本件審判請求は,成り立たない。」旨の審決がされた。これを受けて,原告から,口頭弁論再開の申立てがされたため,当裁判所は,原告,被告双方から,審理に関する意見を聴取した上で,本件については弁論を再開をしないが,他方,念のため,当事者からの事実上の主張を確認するために,判決言渡日を7月30日に延期することとした。 本件のような事案において,特許権侵害事件を審理する裁判所が,権利濫用の抗弁を肯定して,本件請求を棄却すべきか,無効審判事件における審決が確定するまで中止すべきかは,事案の性質及び審理の進行状況によって異なる対応が考えられ,一様ではないというべきである。本件においては,当裁判所の本件特許の有効性に関する判断を示した上で,控訴審において,審決と本件判決の両者を,一回的に審理し,結論を出すのが,最も,紛争の迅速な解決に資するものと解したため,本判決を言い渡すこととした。」と述べました。

 

◆H15. 7.30 東京地裁 平成14(ワ)2473 特許権 民事訴訟事件

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◆H15. 4.16 東京地裁 平成13(ワ)15719 特許権 民事訴訟事件

  パソコンの画面上でウィンドウを複数重ね合わせて表\示する特許が侵害されたとして、差止および損害賠償を求めていた裁判で、東京地裁は、出願前の公知文献に記載された発明から進歩性がないとして、権利行使を認めませんでした。
主な争点としては、1)出願日前(86/2/15)より以前の(86/1/16)に当該マニュアルが配布されたか、2)当該配布がされているとして、容易想到性があるかが争われました。
上記争点1)について、裁判所はいろいろな資料から見て、86/1/16に当該マニュアルが配布されたと認定しました。たしかに、86/1/16に当該マニュアルが存在したことは立証できていると思われますが、86/1/16に当該マニュアルが配布されたかというと疑問がないわけではありません。当該マニュアルは、配布物としての保護を受けるために、訴外第三者によって米国政府へ著作権登録がなされています。そのときの申請内容では86/1/16発行となっていたことが、決め手になったのでしょうか?、確かに第三者がわざわざ嘘をつくことはないのですが、特許法における文献公知の認定としては少し甘いのではないでしょうか?。この点は控訴審で争われるかもしれません。もしかすると、裁判所は、訴外の第三者が86/1/16からショーで展示即売してと意思表示している以上、見ようと思えば見れる状態で展示されたので、販売されたという事実がやや疑問でも、文献公知と考えて差し支えないと考えたのでしょうか?
 争点2)については、当該マニュアルには、「表示優先順位が決められた」複数のウインドウを”その表\示優先順位に従って”重ね合わせることまでは開示されていない」と判断したものの、当該マニュアルと、Macintosh Revealedに記載されている技術を組み合わせることによって,容易に想到し得たものということができると容易であると認定しました。

 

◆H15. 4.16 東京地裁 平成13(ワ)15719 特許権 民事訴訟事件

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◆H15. 2.26 東京地裁 平成14(ワ)6241 特許権 民事訴訟事件

  冷凍枝豆の侵害訴訟について、無効か否かが争われました。なお、本件特許については別途特許庁審判にて無効と判断されています。
  裁判所は「緑色を維持しながらもそのような構成を達成できることは,格別の証拠の検討をするまでもなく,健全な社会通念ないし経験則上明らであるということができるから,本件発明出願当時の当業者にとって容易であったものといえる。・・・ブランチングの際の塩分濃度を高くしたり,加熱時間を長くしたり,加熱温度を高めたりすれば,緑色を維持しながらも「豆の中心まで薄塩味が浸透している」という構\成を容易に達成することができたことは,証拠上も認めることができる。」と権利行使を認めませんでした。

 

◆H15. 2.26 東京地裁 平成14(ワ)6241 特許権 民事訴訟事件

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◆H15. 1.20 東京地裁 平成14(ワ)5502 実用新案権 民事訴訟事件

   特別な項目を有する貸借対照表について実用新案権に対して、裁判所は、「本件考案は,”自然法則を利用した技術的思想”に該当しないから,本件実用新案登録には,法3条1項柱書きに反する無効理由の存することが明らかである」と権利行使を認めませんでした。
 問題となった実案のクレームは以下の通りです。
  A)資金別の貸借対照表であって,この表\は,損益資金の部の欄と,固定資金の部の欄と,売上仕入資金の部の欄と,流動資金の部の欄とを含み,これらの欄は縦方向または横方向に配設してあり,B)上記損益資金の部の欄,固定資金の部の欄,売上仕入資金の部の欄,流動資金の部の欄の各欄は貸方・借方の欄に分けてあり,更に貸方・借方の欄に複数の勘定科目が設けてあり,C)上記損益資金の部の欄,固定資金の部の欄,売上仕入資金の部の欄,流動資金の部の欄の各欄に対応して現在の現金預金の欄が設けてあるD)資金別貸借対照表。

 

◆H15. 1.20 東京地裁 平成14(ワ)5502 実用新案権 民事訴訟事件

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