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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

冒認(発明者認定)

◆平成19(ワ)1623 実用新案権確認反訴請求事件 実用新案権民事訴訟 平成19年07月26日 東京地方裁判所

  実用新案登録を受ける権利の共有者が、単独名義で登録したと主張して,共有持分を2分の1とする共有持分権移転登録手続を請求しました。裁判所は、これを認めませんでした。
  「実用新案法は,考案者がその考案について実用新案登録を受ける権利を有するとし(法3条1項柱書),また,冒認出願は先願としては認めず(法7条6項),冒認出願者に対して実用新案登録がされた場合,その冒認出願は無効理由となる(法37条1項5号)と規定している。また,法は,考案者が冒認出願者に対して実用新案権の移転登録手続請求権を有する旨の規定をおいていない。そして,実用新案権は,出願人(登録後は登録名義人となる。)を権利者として,実用新案権の設定登録により発生するものであり(法14条1項),たとえ考案者であったとしても,自己の名義で実用新案登録の出願をしその登録を得なければ,実用新案権を取得することはない。このような法の構造にかんがみれば,法は,実用新案権の登録が冒認出願によるものである場合,実用新案登録出願をしていない考案者に対し実用新案登録をすることを認める結果となること,すなわち,考案者から冒認出願者に対する実用新案権の移転登録手続請求をすることを認めているものではないと解される。」

◆平成19(ワ)1623 実用新案権確認反訴請求事件 実用新案権民事訴訟 平成19年07月26日 東京地方裁判所

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 >> 冒認(発明者認定)
 >> 特許庁手続

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◆平成17(ワ)8359等 損害賠償請求事件 その他民事訴訟 平成19年03月23日 東京地方裁判所

 共同発明者として記載されなかったことを理由に、不法行為に基づく損害賠償請求と、発明者名誉権の侵害に基づく慰謝料が請求された事件です。裁判所は、前者については認めず、後者については、学会発表による名誉も考慮して、計100万円の損害を認定しました。
 「発明者は,発明完成と同時に,特許を受ける権利を取得するとともに,人格権としての発明者名誉権を取得するものと解される。また,上記?A及び?Bのとおり,願書及び公開特許公報に発明者の氏名等を掲載すべきとされていることは,発明者名誉権を具体化した規定であると解されること,出願に係る発明につきたとえ特許がされても,後に無効審判請求等によって無効とされる可能性があることを考慮すると,特許要件ないし無効理由の有無によって発明者名誉権の保護の有無を決することは,同権利の保護を不安定なものにするものというべきことなどを考えると,いまだ登録されず,出願手続が特許庁に係属中のものであっても,又は当該出願に係る発明が特許要件を満たさない可能\性があるとしても,発明者名誉権の法的保護は及ぶと解すべきである。これに反する被告の主張は,採用することができない。」

◆平成17(ワ)8359等 損害賠償請求事件 その他民事訴訟 平成19年03月23日 東京地方裁判所

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