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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

要旨認定

◆H16. 6.16 東京高裁 平成14(行ケ)638 特許権 行政訴訟事件

 裁判所は、引用例の認定が誤っているとして、拒絶審決を取り消しました。
「引用例1の記載は「信頼性の向上等により弾性表面波フィルタのチップ実装が可能\になった場合には」というものであり,・・・チップ実装においては,アイソレーションやチップ表\面へのごみの付着等,種々の解決すべき技術的課題があることが認められるところ,本件全証拠によっても,引用例1の刊行物頒布当時の技術水準において,引用例1がいう「信頼性の向上等により弾性表面波フィルタのチップ実装が可能\になった」状況にあったことを認めるには足りない。したがって,引用例1の上記記載によって,引用例1に「チップ上に設けられ,それぞれ異なる帯域通過特性を有し,かつ,それぞれ信号入出力端子及び接地端子の設けられた第1及び第2の弾性表面波フィルタと,前記第1及び第2の弾性表\面波フィルタを同一キャビティに収納する一つの長方体のパッケージ」という本願発明の構成が記載されているものと認めることはできない。」と述べました。

 

◆H16. 6.16 東京高裁 平成14(行ケ)638 特許権 行政訴訟事件

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◆H16. 4.20 東京高裁 平成14(行ケ)393 特許権 行政訴訟事件

 先願発明の製造工程に関する開示では当該物が製造できないという場合でも、物の発明については、先願(特29条の2)としての記載があると判断されました。
「先願明細書に,シアノ体からアミド体を硫酸存在下で加熱加水分解で製造することが記載され,そしてその具体的反応条件,さらに生成物の分離手段,そして生成物の融点が数値を伴って記載されているのであるから,当業者であれば,シアノ体からアミド体を製造することができるものであることを理解でき,その記載のまま実施して反応が進行しないときであっても,そこに記載された反応条件を適宜強める調整をすることによりアミド体を製造することができると認められる。以上のとおりであるから,先願明細書の参考例1の(?A)の反応工程は,アミド体を製造することができることを理解し得る程度に記載されているということができる。原告らは,特許法29条の2の後願排除効が認められる先願発明というためには,当該発明が「完成された発明」として先願明細書に記載されていなければならないとし,先願明細書には,これをそのまま追試しても,本件生成物を全く得ることができないから,完成された発明として,先願明細書に記載されているということはできない,と主張する。しかしながら,先願明細書について,これをそのまま追試することによっては本件生成物が得られなかったとしても,当業者が本件生成物を得られないということはできないことは,上に説示したところから明らかである。」

 

◆H16. 4.20 東京高裁 平成14(行ケ)393 特許権 行政訴訟事件

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