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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

発明該当性

◆H15.11.18 東京高裁 平成15(行ケ)218 特許権 行政訴訟事件

裁判所は、無効理由無しとした審決を取り消しました。争点は、進歩性(29条2項)と記載不備(36条)です。当該特許は、無効審判中の訂正により「伴奏に合わせて歌詞を歌うために、文字情報としてあらかじめ記録された歌詞の文字を表示器の画面に表\示しておき、この文字情報と同期するようにあらかじめ記録された音声情報からの伴奏の進行に伴って、この文字情報としての歌詞の歌うべき文字の色を変化させることを特徴とする歌唱個所指示方法。」とされています。
 裁判所は、「伴奏の進行に伴って映像と共に表示されている歌詞の文字の中の歌うべき部分の光強度を変化させることにより歌唱個所を表\示(指示)するという、歌唱個所指示方法の従来技術を基礎とし、歌唱個所の指示を文字の明暗(白黒)ではなく色の変化によって行うこととし(この点が容易に想到し得ることは審決も認めるとおりである。)、これを、その後に普及して周知となったカラオケビデオの「文字情報と同期するようにあらかじめ記録された音声情報からの伴奏の進行に伴って、文字情報としての歌詞を表示する」という技術と組み合わせることによって、「文字情報と同期するようにあらかじめ記録された音声情報からの伴奏の進行に伴って、文字情報としての歌詞を表\示し、その表示された歌詞の歌うべき文字の色を変化させる」歌唱個所指示方法とすることは、当業者が容易に考えつく程度のことというべきである。そして、映像に重ねて表\示される文字に着色をすることが本件特許出願当時、ビデオ編集における周知技術であったことは前示のとおりであるから、文字情報と音声情報とを同期させて記録したものにおいて表示される文字が適切なタイミングで着色される(変わる)ようにすることも、上記周知技術を前提とするとき、当業者であれば容易になし得たことであるということができる。 (7) 以上によれば、文字情報と同期するようにあらかじめ記録された音声情報からの伴奏の進行に伴って、歌詞の歌うべき文字の色を変化させる、という被告主張の相違点Aに関わる本件発明の構成は、その着想及び実現手段のいずれの点からみても、当業者が容易に想到し得たものというべきである」と取消理由を述べました。

      

◆H15.11.18 東京高裁 平成15(行ケ)218 特許権 行政訴訟事件

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 >> 記載要件

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◆H15. 1.28 東京高裁 平成13(行ケ)361 特許権 行政訴訟事件

  永久機関についての進歩性が争われました。
裁判所は認めませんでしたが、一度公報を見てみたいですね

 

◆H15. 1.28 東京高裁 平成13(行ケ)361 特許権 行政訴訟事件

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◆H15. 1.20 東京地裁 平成14(ワ)5502 実用新案権 民事訴訟事件

   特別な項目を有する貸借対照表について実用新案権に対して、裁判所は、「本件考案は,”自然法則を利用した技術的思想”に該当しないから,本件実用新案登録には,法3条1項柱書きに反する無効理由の存することが明らかである」と権利行使を認めませんでした。
 問題となった実案のクレームは以下の通りです。
  A)資金別の貸借対照表であって,この表\は,損益資金の部の欄と,固定資金の部の欄と,売上仕入資金の部の欄と,流動資金の部の欄とを含み,これらの欄は縦方向または横方向に配設してあり,B)上記損益資金の部の欄,固定資金の部の欄,売上仕入資金の部の欄,流動資金の部の欄の各欄は貸方・借方の欄に分けてあり,更に貸方・借方の欄に複数の勘定科目が設けてあり,C)上記損益資金の部の欄,固定資金の部の欄,売上仕入資金の部の欄,流動資金の部の欄の各欄に対応して現在の現金預金の欄が設けてあるD)資金別貸借対照表。

 

◆H15. 1.20 東京地裁 平成14(ワ)5502 実用新案権 民事訴訟事件

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 >> 発明該当性
 >> 104条の3

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