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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

発明該当性

◆平成19(行ケ)10327 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年08月28日 知的財産高等裁判所 

  CS関連発明について、成立性違反、進歩性違反で拒絶した審決を維持しました。ただ、29条1項柱書違反について、「当裁判所は,本願補正発明が法2条1項に規定する発明に該当しないとした審決の判断を正当とするものではないが,事案にかんがみ,まず,原告ら主張の取消事由1のうち,進歩性がないとした判断(理由(1)イ)の誤りの有無について検討する。」としたのが気になります。
  補正却下されたクレームです。
【請求項1】商品の販売元が彩色商品カタログのデジタル・データ情報を,インターネット通信販売システムを介して送信し,この商品カタログのデジタル・データを受信した消費者が自己のパソコンのモニタに表\示された商品カタログのデジタル画像を見て,その中から購買希望の商品を選択して,販売元にその選択された商品の注文情報を送信することにより所望の商品を購入するインターネット通信販売システムを介 する商品の販売方法であって, (イ)販売元が少なくとも一つの彩色商品の見本画像と色変化尺度としての基準色画像を組込んだ商品カタログを作成し,この商品カタログのカラー画像データをデジタル商品カタログとしてインターネット通信販売システムを介して消費者に送信し, (ロ)このデジタル商品カタログを受信した消費者が,受信データをパソコンのモニタにデジタル画像として表\示し, (ハ)この消費者が,パソコンを操作してモニタに表\示されたデジタル商品カタログの基準色画像の色を自己が所有する印刷された前記基準色画像の色に実質的に合致させ,同時に色が調整されたモニタ表示のデジタル商品カタログの彩色商品画像の中から所望の商品を選択して,販売元にその選択された商品の注文情報を送信することを特徴とするインターネット通信販売システムを介する商品の販売方法。」

◆平成19(行ケ)10327 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年08月28日 知的財産高等裁判所 

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◆平成20(行ケ)10001 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年08月26日 知的財産高等裁判所

   発明成立性なしとして拒絶された審決が取り消されました。審決はCS基準における成立性を満たしていないので成立性無しと判断しましたが、裁判所は、CS基準における成立性の是非については検討することなく、成立性ありと判断しました。
 「のみならず,前記のとおり,本願の特許請求の範囲の記載においては,対象となる対訳辞書の特徴を具体的に摘示した上で,人間に自然に具わった能力のうち特定の認識能\力(子音に対する優位的な識別能力)を利用することによって,英単語の意味等を確定させるという解決課題を実現するための方法を示しているのであるから,本願発明は,自然法則を利用したものということができる。」

◆平成20(行ケ)10001 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年08月26日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10429 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年07月23日 知的財産高等裁判所

   CS関連発明に関して、発明の成立性、記載不備および進歩性を理由になされた拒絶審決の取り消し訴訟について、裁判所は、周知技術から進歩性なしとして審決を維持しました。
 「審決は,上記第2の3のとおり,請求項1の発明は,?@「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当せず,?A明確であるとも認められず,?B本願明細書の発明の詳細な説明が,当業者が容易に実施できる程度に明確かつ十分に記載されているとは認められないとしたほか,?C本願発明は,引用例に記載された発明及び周知技術等に基づいて当業者が容易に発明をすることができたと判断したものであるところ,審決の上記?@〜?Cの判断の関係については,審決が「仮に,請求項1に係る発明が,特許法上の発明である『自然法則を利用した技術思想の創作』に該当し,かつ,明確であるとしても,・・・請求項1に係る発明は,引用例1に記載された発明,引用例2に記載された事項,上記周知技術,上記周知事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない」としているところから明らかなように,上記?Cの判断は,上記?@〜?Bの判断を前提としないものであり,仮に上記?@〜?Bの判断の誤りをいう取消事由1〜3に理由があったとしても,取消事由4に理由がなければ,本訴請求は棄却されるべき性質のもの,すなわち,審決の取消しに至るためには,上記?Cの判断が誤りであることが不可欠であるという関係にある。そこで,まず,取消事由4について検討する。」

◆平成19(行ケ)10429 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年07月23日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10369 審決取消請求事件 特許権 平成20年06月24日 知的財産高等裁判所

 裁判所は、コンピュータ診断(CS関連発明(?))について、発明ではないとした審決を取り消しました
 「ウ ところで,特許の対象となる「発明」とは,「自然法則を利用した技術的思想の創作」であり(特許法2条1項),一定の技術的課題の設定,その課題を解決するための技術的手段の採用及びその技術的手段により所期の目的を達成し得るという効果の確認という段階を経て完成されるものである。したがって,人の精神活動それ自体は,「発明」ではなく,特許の対象とならないといえる。しかしながら,精神活動が含まれている,又は精神活動に関連するという理由のみで,「発明」に当たらないということもできない。けだし,どのような技術的手段であっても,人により生み出され,精神活動を含む人の活動に役立ちこれを助け,又はこれに置き換わる手段を提供するものであり,人の活動と必ず何らかの関連性を有するからである。そうすると,請求項に何らかの技術的手段が提示されているとしても,請求項に記載された内容を全体として考察した結果,発明の本質が,精神活動それ自体に向けられている場合は,特許法2条1項に規定する「発明」に該当するとはいえない。他方,人の精神活動による行為が含まれている,又は精神活動に関連する場合であっても,発明の本質が,人の精神活動を支援する,又はこれに置き換わる技術的手段を提供するものである場合は,「発明」に当たらないとしてこれを特許の対象から排除すべきものではないということができる。・・・・カ 以上によれば,請求項1に規定された「要求される歯科修復を判定する手段」及び「前記歯科修復の歯科補綴材のプレパラートのデザイン規準を含む初期治療計画を策定する手段」には,人の行為により実現される要素が含まれ,また,本願発明1を実施するためには,評価,判断等の精神活動も必要となるものと考えられるものの,明細書に記載された発明の目的や発明の詳細な説明に照らすと,本願発明1は,精神活動それ自体に向けられたものとはいい難く,全体としてみると,むしろ,「データベースを備えるネットワークサーバ」,「通信ネットワーク」,「歯科治療室に設置されたコンピュータ」及び「画像表示と処理ができる装置」とを備え,コンピュータに基づいて機能\する,歯科治療を支援するための技術的手段を提供するものと理解することができる。キ したがって,本願発明1は,「自然法則を利用した技術的思想の創作」に当 たるものということができ,本願発明1が特許法2条1項で定義される「発明」に該当しないとした審決の判断は是認することができない。」

◆平成19(行ケ)10369 審決取消請求事件 特許権 平成20年06月24日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(行ケ)10239 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年02月29日 知的財産高等裁判所

  ハッシュ法によりコンピュータ処理を高速に行うための計算手法(アルゴリズム)に関する発明が,29条1項柱書にいう「発明」に該当するかが争われました。
 裁判所は、CS基準に合致しないとして発明に該当しないとした審決を維持しました。
 「上記数学的課題の解法ないし数学的な計算手順(アルゴリズム)そのものは,純然たる学問上の法則であって,何ら自然法則を利用するものではないから,これを法2条1項にいう発明ということができないことは明らかである。また,既存の演算装置を用いて数式を演算することは,上記数学的課題の解法ないし数学的な計算手順を実現するものにほかならないから,これにより自然法則を利用した技術的思想が付加されるものではない。したがって,本願発明のような数式を演算する装置は,当該装置自体に何らかの技術的思想に基づく創作が認められない限り,発明となり得るものではない(仮にこれが発明とされるならば,すべての数式が発明となり得べきこととなる。)。この点,本願発明が演算装置自体に新規な構成を付加するものでないことは,原告が自ら認めるところであるし,特許請求の範囲の記載(前記第3,1(2))をみても,単に「ビットの集まりの短縮表現を生成する装置」により上記各「演算結果を生成し」これを「出力している」とするのみであって,使用目的に応じた演算装置についての定めはなく,いわば上記数学的なアルゴリズムに従って計算する「装置」という以上に規定するところがない。そうすると,本願発明は既存の演算装置に新たな創作を付加するものではなく,その実質は数学的なアルゴリズムそのものというほかないから,これをもって,法2条1項の定める「発明」に該当するということはできない。」

◆平成19(行ケ)10239 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年02月29日 知的財産高等裁判所

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