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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

要旨変更

◆H15.10.16 東京地裁 平成14(ワ)15810 特許権 民事訴訟事件

技術的範囲に属しないと判断した上、さらに、補正が要旨変更として、出願日が繰り下げられる結果、進歩性欠如されるものであり、また、特許出願前に頒布された刊行物から進歩性がないので、明かな無効理由があり、権利濫用であると判断されました。
裁判所は以下のように述べました。「原告は,上記構成要件Dは,出願当初明細書に記載された発明の詳細な説明及び図面の記載から当業者が明らかに理解できると主張するが,大きな空間があれば毛細管現象を防止できることは当業者にとって自明な事項であるといえても,大きな毛細管現象防止用の空間が,本来の軒側成形部が有する空間の略1/3以上の容積を占めることは明らかとはいえないし,特許図面は,設計図面や製造図面とは異なり,発明の理解を助ける概念図に過ぎないのであるから,本件明細書の図面の各部材の寸法等から空間の容積比率を割り出すこともできないのであって,構\成要件Dが出願当初明細書の説明及び図面から明らかであるということはできない。・・・本件発明は,本件リーフレットに記載された発明及び上記実公昭52−10190号公報に記載された発明に基づき,本件特許に関する当初出願時において当業者が容易に発明をすることができたものであるものと認められる。」

      

◆H15.10.16 東京地裁 平成14(ワ)15810 特許権 民事訴訟事件

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◆H15. 9.29 東京高裁 平成14(行ケ)408 特許権 行政訴訟事件

  「電源投入時にその日の番組表の表\示及び録画予約を行うことの記載に基づき電源投入後の任意の時間にその日の番組表\を取り出す」とする補正が当初明細書等の要旨を変更するか否かが争われました。特許庁では要旨変更と認定されましたが、裁判所はこれを取消しました。
     「当初明細書等における請求項1には、・・・電源の投入と番組表示の時期との関連については、特に開示されていないことが明らかである。また、当初明細書等の、「発明が解決しようとする課題」、「課題を解決するための手段」、「発明の実施の形態」及び「発明の効果」の各項目においても、電源の投入と番組表\示の時期との関連についての記載はなく、発明の効果において、・・・と記載されるように、番組が録画予約のためテレビ受像機に表\形式で表示されることが、本願発明1の重要な特徴と認められるが、電源の投入と番組表\示の時期との関係は、当初明細書等において問題とされていないものと解するのが相当である。   他方、当初明細書等の段落【0008】から【0027】には、本願発明1の実施例が記載されており、・・・・記載されている。これらの記載によれば、本願発明1の実施例では、電源投入を最初の処理ステップとする、あるいは、使用者の行う一連の処理・操作において、電源を投入した日の番組表を表\示し、録画予約を行うことが開示され、電源が投入されると自動的に初期画面表\示としてその日の番組表が表\示されるものと認められるが、電源投入後の任意の時間経過後に番組表を表\示させたり、予約を行うこと、例えば、再生や録画を行った後の処理や操作については記載されていない。
  しかし、上記記載はあくまで本願発明1の実施例に関するものであり、当初明細書等の段落【0028】に「以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、・・・本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。」と記載されるように、前記の本願発明1の発明の要旨から逸脱したり、当初明細書等の他の記載に反したりするものでない実施例としての事項は、当初明細書等の要旨に含まれるものと解するのが相当といえるから、電源の投入とテレビ受像機に表形式で番組を表\示する時期との時間的関係については、当初明細書等において限定がなされていないものと認められる。  また、被告は、本件決定における補正後各発明の認定に関して、補正後各請求の特許請求の範囲には、電源を投入した日のテレビの番組内容を取り出して表示することは示されているが、電源投入後のどの時点でテレビの番組内容を取り出して表\示するかについては何ら規定されていないことを理由に、電源投入時を含む電源投入後の任意の時間にその日の番組表を取り出して表\示する構成であると主張するものであるところ、そうであるとすれば、当初明細書等の特許請求の範囲においても、電源の投入とテレビ受像機に表\形式で番組を表示する時期との時間的関係については、全く規定するところがないことが明らかであるから、同様の理由により、電源投入時を含む電源投入後の任意の時間にその日の番組表\を取り出して表示する構\成が開示されているものと認定すべきものといえる。」

 なお、本件については、兄弟出願(同じ親出願から分割された出願)についても同様に判断されています。

◆H15. 9.29 東京高裁 平成14(行ケ)409 特許権 行政訴訟事件

◆H15. 9.29 東京高裁 平成14(行ケ)410 特許権 行政訴訟事件

◆H15. 9.29 東京高裁 平成14(行ケ)411 特許権 行政訴訟事件

◆H15. 9.29 東京高裁 平成14(行ケ)412 特許権 行政訴訟事件

◆H15. 9.29 東京高裁 平成14(行ケ)413 特許権 行政訴訟事件
 

◆H15. 9.29 東京高裁 平成14(行ケ)408 特許権 行政訴訟事件

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◆H15. 7. 8 東京高裁 平成13(行ケ)461 特許権 行政訴訟事件

補正が要旨変更か否かが争われました。裁判所は、要旨変更とした特許庁の判断を取り消しました。
  「以上によれば,当初明細書には,沈降物と上澄水の全部を合わせた組成のもの,すなわち槽内の生コンスラッジと同じ成分割合のものをセメントの練り水として使用することが記載されていたことが明らかである。  そして,骨材を分離した後の生コンスラッジは,練り混ぜに使用する時まで何らかの槽で保管する必要があるが,骨材を分離した後の生コンスラッジで成分の分離をする必要がないものをセメントの練り水として再使用するとき,そのような生コンスラッジを保管するための槽としては,「必ずしも沈降を目的としない貯めるための槽」であれば足りることは明らかである。  また,本件発明の属する技術分野において,「必ずしも沈降を目的としない(液体を)貯めるための槽」としては,貯留槽はごく普通に用いられている槽であると認められ(乙2,115頁の図-4.2.3「スラッジ水槽」等),当業者であれば,そのような用途に使用する槽として,貯留槽が当初明細書に記載されているのと同視できるものである。したがって,骨材を分離した後の生コンスラッジを次いで「必ずしも沈降を目的としない生コンスラッジを貯めるための槽」すなわち「生コンスラッジ貯留槽」に導くことは,当初明細書に記載した事項の範囲内のものということができる。」

◆H15. 7. 8 東京高裁 平成13(行ケ)461 特許権 行政訴訟事件

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◆H15. 5.29 東京高裁 平成13(行ケ)420 特許権 行政訴訟事件

   当初明細書に記載されてた発明が、第3種パチンコ遊技機(図柄がそろった後,権利が発生して権利発生中に始動口に入賞すると大当たり状態となる)のみなのか、それとも、第1種パチンコ遊技機(図柄がそろうと大当たり状態となるパチンコ遊技機)を含むものなのかが争われました。
  「先願明細書には、乱数情報に基づく配当テーブルのアドレスから「絵柄の組合せ及び配当」を読み取り、読み取った情報に基づいてリールの停止位置を制御することしか記載されておらず、また、作用効果についても、「以上のように、本発明においては絵柄の組合せを乱数によって決定するので、完全に確率に基づく絵柄の組合せをうることができ、しかもその組合せで正確にリールを停止することができる。」(3頁右上欄7〜11行)と記載されるのみである。・・・・先願明細書には、本件発明のように、乱数情報(値)と「絵柄の組合わせ及び配当」との間に「入賞ランク」を決定するための「入賞確率テーブル」を介在させることにより両者の対応関係を可変なものとする技術思想は、何ら開示されていないというべきである。」と判断しました。

 

◆H15. 5.29 東京高裁 平成13(行ケ)420 特許権 行政訴訟事件

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◆H15. 5.22 東京高裁 平成14(行ケ)138 特許権 行政訴訟事件

本件補正後の請求項の記載を機械的に分割して得た各構成要素が出願当初の明細書に記載されている場合に、本件補正後の発明が出願当初の明細書に記載されていることになるかが争われました。裁判所は、特許庁の要旨変更であるとの認定を肯定しました。発明が技術思想であることからすると、当然といえますが,もし、積極的な排除がない場合には同じように認定されたのでしょうか。興味があるところです。
裁判所は、以下のように述べました。
 「上記(?@)の一般論はそのとおりであるが,本件補正後の発明についての認定,並びに,出願当初の明細書及び図面に記載された発明の認定は,前判示のとおりであって,本件補正後の「モジュレータ」の構成は,出願当初の明細書又は図面に開示されているとはいえないことが明らかである(むしろ積極的に排除されているのである。)。・・・・・補正が発明の構\成要素を削除するものであっても,補正後の発明が出願当初の明細書等に記載した事項の範囲内であれば要旨変更にならないことは当然である。そして,前判示のとおり,本件補正後の発明は,モジュレータへの冷媒の流入量について何らの限定がないので,冷媒のうち一部のみ流入するものも,冷媒の全量が流入するものも包含する発明であると解される。このような冷媒の流入量の限定のないモジュレータが,出願当初の明細書又は図面に開示されていれば要旨変更にはならないのであるが,本件の場合,前判示のとおり,出願当初の明細書には,「冷媒の全量がモジュレータに流入する」という構成が記載されていなかったのみならず,「冷媒の全量が流入するモジュレータ」を積極的に排除するものであるから,冷媒の流入量を限定しない単なるモジュレータを構\成とする発明が記載されていたと認めることはできないのである。したがって,本件の場合には,本件補正は,要旨の変更に当たるものといわざるを得ない。」

 

◆H15. 5.22 東京高裁 平成14(行ケ)138 特許権 行政訴訟事件

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◆H15. 4. 9 東京高裁 平成13(行ケ)369 特許権 行政訴訟事件

 審査中に行った補正が、要旨変更に該当するか否かが争われました。
裁判所は、「当初明細書等には第5図の説明として「電極20にテフロン等のフランジ82を固定し」と記載されていることは上記d.の記載のとおりであり,フランジ82が電極に移動できるように嵌合されたものであるとは認められない。したがって,本件補正後の「一方の電極に移動出来るように嵌合したテフロン等電気絶縁性のフランジ」を当初明細書等の「第5図のフランジ82」に記載した事項の範囲内のものということはできず,原告の上記主張は理由がない。」と認定しました。

 

◆H15. 4. 9 東京高裁 平成13(行ケ)369 特許権 行政訴訟事件

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