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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

要旨変更

平成24(ネ)10049 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟 平成26年01月27日 知的財産高等裁判所 

 出願中の補正が要旨変更であるとして出願日が繰り下がり、これにより、新規性無しとして無効理由ありとした1審の判断が維持されました。
 上記(3)アのとおり,本件発明と乙54発明とは,X枠の長さを変えずに,かつ,左右側枠に対するX枠上端部の上下位置を変えずに車椅子の巾を調節可能にするための構\成として,下側杆(軸受パイプ41)に軸を挿通しこれを支持するための軸穴を下側杆取付部(軸受ブロック42)に相対して設けるとともに,下側杆の支持部を複数設けるとの点で一致している。また,上記(3)イによれば,乙54発明の軸受パイプ41の支持構造は,本件発明に相当する構\成でいえば,下側杆に挿通され左右側枠に沿う方向に配設されている枢軸が,左右側枠に沿う方向を向く下側杆取付部の軸穴に支持され,下側杆取付部が左右側枠に複数個上下に配列して設けられたねじ穴に支持されるとの一連の技術的機構を備えていたものと理解できる。上記の点にかんがみると,結局,相違点2)´に係る本件発明の構成とは,本件発明の技術課題と直接的な関連を有するものではなく,軸,軸受ブロック,ねじなどを用いた軸受支持構\造に代えて,部材の数を低減させ,軸と両端取付部を用いた軸受支持構造を採用したものであるといえる。しかるに,上記アの認定によれば,乙63文献及び乙5文献には,両端部に縦貫する穴を有する部材を穴を有する対向二片部間に配置するとともに,対向二片部の穴に軸を通してナット等で着脱可能\に接続することで,対向二片部の穴がその間に挿入された穴を有する部材を回動可能に支持する構\造が開示されている。このことからも明らかなように,穴のある軸受部材に着脱可能な軸を接続して軸受部材間に配置された別部材を回動可能\に支持する構造は,本件特許の出願当時,広く一般的に用いられている周知技術であると認められる。そうすると,乙54発明における軸受支持構\造に代えて,部材数を低減させて同等の構成を実現した上記周知技術の軸受支持構\造を採用し,相違点2)´に係る本件発明の構成とすることは,当業者が容易に想到し得るものといえる。ウ 控訴人の主張に対して控訴人は,本件発明は車椅子の巾調節に当たって工具が不要である効果を有する旨を主張するが,本件発明は,その特許請求の範囲の記載において枢軸の抜止め手段を限定しておらず,ナット等で枢軸の抜止めをする構成も排除されていない。なお,枢軸に抜止め手段を施さないことは,車椅子が通常有すべき安全性の観点からみて,技術上想定し難い(本件発明は枢軸の構\造も限定しておらず,単なる棒状のものとする構成も排除されていない。)。そのほか控訴人がるる主張するところも,本件明細書に記載のない効果をいうものか,乙54発明に前記周知技術を適用して得られた結果から当業者が予\測可能な範囲内のものである。\n

◆判決本文

◆原審はこちらです。平成21(ワ)6273

◆関連事件はこちらです。平成25(行ケ)10155

関連カテゴリー
 >> 補正・訂正
 >> 新規事項
 >> 要旨変更
 >> 104条の3

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平成25(ネ)10055 損害賠償請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成26年01月29日 知的財産高等裁判所

 特許権侵害事件です。1審では、審査中に行った補正が特許後に要旨変更と認定され、出願日が繰り下がり、特許無効と判断されました。知財高裁もこれを維持しました。
 控訴人は,発明の要旨認定において,明細書の発明の詳細な説明や図面に記載された発明の技術内容を理解した上で,当該技術分野の技術常識に照らし,出願当時の当業者が特許請求の範囲の記載をどのように理解するかを考慮することが当然の前提となるところ,当業者は,「交換システム」が「送信」の主体として記載されている場合,「交換システムの出口」のような頭脳を有しない,出線の一点が送信の具体的な主体であるとは考えないから,「交換システムが送信する」「交換システムから送信される」「交換システムで受信」との文言について,「交換システムの出口(外部との境界点)から送信する」「交換システムの入口(外部との境界点)で受信」することを意味すると,当業者が第一義的に理解することはあり得ないし,「受信」についても,当業者が「受信」の厳密な意味を理解しようとする場合,受信が望まれる「所定のウィンドウ時間」がいかなるものかについての検討が不可避となるから,「交換システムで受信」という文言に接した当業者が,「交換システムの入口」が受信場所になるなどと第一義的に理解することはあり得ないなどと主張する。しかしながら,引用にかかる原判決第4の1アないしオのとおり,本件発明の特許請求の範囲の記載の「交換システム」という文言は,これらの機能を担う手段が一定の形状や構\造を有する実体を伴う意義を有すること,本件発明における「送信」及び「受信」という文言も,「外へ(送信)」及び「外から(受信)」という意義を当然に含んでいるということができることなどからすると,「交換システム」による「送信」及び「受信」とは,「交換システム」の内部手段と区別された外への出口及び外からの入口において行われることを示すことは明らかであって,本件特許の出願人が,「送信」及び「受信」の主体を,あえて「交換システム」であるとした以上,上記解釈が技術常識を無視したものということはできない。したがって,控訴人の上記主張は採用することができない。
イ 控訴人は,当業者はトラヒックが「決定論的」に送られるボコーダ以降の場所のような,全く本件発明の課題が生じ得ないような場所での制御を構成要件F2が規定するものではないことを自然に理解すること,バッファは常に交換システムの内部に設置されるものであること,「個々の呼のトラヒック」についてされる送信時刻の制御は,「複数の呼のトラヒック」が既に多重化されている交換システムの出口では行うことができないし,エコー・キャンセラーの後の「出口」においても同様に制御を行うことはできないことから,当業者は構\成要件F2が規定する制御が「出口」における制御を含むと理解するとは考え難いなどと主張する。しかしながら,控訴人の上記主張は,本件発明の特許請求の範囲の記載が,送信時刻について,交換システムのいずれの部分における送信時刻であるかについて限定していないことを前提とするものであるが,本件発明では,「交換システム」が備える「第2の手段」において,入トラヒックを運ぶパケットが当該交換システムの出口から送信される時刻の前の所定のウィンドウ時間内に当該交換システムの入口で受信されるように入トラヒックを当該交換システムの出口が送信する時刻を制御するものであると認められること,本件発明の特許請求の範囲の記載において,バッファ,エコー・キャンセラー及びマルチプレクサが必須の構成であるとはされていないことからすると,控訴人の主張はその前提を欠き理由がないというべきである。\n

◆判決本文

◆関連事件はこちらです。平成20(ワ)38602

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 >> 補正・訂正
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