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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

限定的減縮

平成25(行ケ)10292 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成26年04月23日 知的財産高等裁判所

 補正が限定的減縮には該当しないと審決が維持されました。
 そこで,検討するに,本件補正は,補正前の請求項1(甲1)の末尾の「発光装置」を「光源」と補正するとともに,「一の方向に隣接して配置された複数の発光装置を有する光源であって」を追加する補正をして,補正後の請求項1(甲7)とする補正事項を含むものであるから,補正前発明における「発光装置」を「一の方向に隣接して配置された複数の発光装置を有する光源」とするものである。補正前発明における「発光装置」は,本願明細書に示されるように,長尺状の基板と,前記基板上に当該基板の長手方向に沿って一直線状に配列された複数の半導体発光素子と,光波長変換体を含み,前記複数の半導体発光素子を封止する封止部材と,を備え,前記封止部材は,前記複数の半導体発光素子を一括封止するとともに,前記複数の半導体発光素子の配列方向に沿って直線状に前記基板の長手方向の両端縁まで形成され,前記封止部材を平面視した場合,前記封止部材の端部の輪郭線は曲率を有するもの(請求項1,段落【0010】,【0022】,【0027】,【0042】,【0100】,【0105】)である。そして,実施例において,発光装置100につき,以下の図1が示され,さらに,「本発明1の第1の実施形態に係る発光装置を複数個並べる場合」(段落【0095】)として,「発光装置100A」と「発光装置100B」を隣接配置する,以下の図6が示されている。これに対して,補正後の請求項1の「光源」は,「一の方向に隣接して配置された複数の発光装置を有する光源」であり,補正前発明の「発光装置」を一の方向に隣接して複数配置するものである。そうすると,補正前の請求項1の「発光装置」を補正後の請求項1の「一の方向に隣接して配置された複数の発光装置を有する光源」とすることは,特許請求の範囲を減縮することにはなるものの,補正前の「発光装置」を,より下位の発明の構成に限定するものではないから,本件補正は,補正前の請求項1における,発明を特定するために必要な事項を限定するものであるということはできない。よって,本件補正に係る請求項1の補正事項は,特許法17条の2第5項2号にいう,特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものとはいえない。したがって,本件補正は,特許法17条の2第5項2号の要件を満たしておらず,その他同項に定める要件に該当しないことは明らかであるから,本件補正を却下した審決に誤りはない。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 補正・訂正
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