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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

リパーゼ認定

◆平成18(行ケ)10537 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年12月18日 知的財産高等裁判所

  審決は、「該当する構成部品の前記駆動手段からの解除」という構\成要件について、単に、「装置を停止させることのみ」を意味しているとして、引用例から進歩性無しと主張しましたが、裁判所は、クレームの記載だけでは不明瞭なので、明細書を参酌して、「構成部品が駆動手段からの接続を解かれて容易に動くことができる状態にすること」であると認定して、拒絶審決を取り消しました。
 「審決の上記認定判断によれば,審決は,その認定した相違点にいう「該当する構成部品の前記駆動手段からの解除を制御する第1の駆動解除信号を発生する」こと及び「駆動解除」を「装置の作動を停止させること」と限定的に理解し,その点(「装置の作動を停止させること」)についてのみ,「格別の技術的意義を見いだすことはできず,設計的事項にすぎない」と判断したものと解されるところ,上記(1)において説示したとおり,請求項1中の「該当する構成部品の前記駆動手段からの解除」との要件は,「構\成部品が駆動手段からの接続を解かれて容易に動くことができる状態にすること」を意味するものであるから,審決には,相違点1について,判断を遺脱した違法があるものといわざるを得ない。
 イ(ア) 被告は,「仮に,請求項1中の『該当する構成部品の前記駆動手段からの解除』との要件が,『停止後に容易に動き得る』ことまでを含むものであるとしても,安全の観点からは,装置の停止後,そのままの状態で放置しておくことは,通常あり得ず,復旧作業を行うことが一般的である。復旧,すなわち,元に戻すためには,停止後に逆方向に動き得るものが望ましいことは明らかであり,乙2公報にも記載されたとおり,ごく自然なことにすぎない」旨主張するので,以下,検討する。・・・しかしながら,乙2公報に開示された上記のサーボモータへの電力供給を遮断し,モータフリー状態にする構\成は,前記(1)において説示した本願発明の構成とは技術的に異なるものであるといわざるを得ないから,乙2公報に上記構\成が開示されているからといって,当業者が,相違点1に係る本願発明の構成に容易に想到することができたものと認めることはできない。(エ) また,仮に,被告が主張するように,「安全の観点からは,・・・停止後に逆方向に動き得るものが望ましいことは明らかであり,・・・ごく自然なことにすぎない」ということが一般的にいえるとしても,そのためにどのような技術的構成を具体的に採用するかが問題なのであるから,そのような一般論をもって,当業者が,相違点1に係る本願発明の構\成に容易に想到することができたものと認めることはできず,その他,そのような事実を認めるに足りる証拠はない。」

◆平成18(行ケ)10537 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年12月18日 知的財産高等裁判所

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◆平成17(行ケ)10680 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年04月25日 知的財産高等裁判所

  侵害系事件でなく、査定系事件において、詳細な説明を参酌して本件発明の要旨認定を行いました。ただ、審決も同じ判断をしていると述べていますので、リパーゼ最高裁判決との関係は明確ではありません。
  「以上のとおり,請求項1には,「該CPUボードが,該投入紙幣識別機構と該販売品管理機構\との間に介在され同一のマイクロプロセッサー制御器にて一元化され」ること及び「前記マイクロプロセッサー制御器が,前記入力信号系からのデータを基に前記紙幣を適正と判断したときに,前記販売品管理機構が前記販売品を払い出してなること」が記載され,また,本願明細書の発明の詳細な説明には,投入紙幣識別機構\と販売品管理機構との双方のマイクロプロセッサー制御器を搭載したCPUボードを一元化し,同一のマイクロプロセッサー制御器で,投入紙幣識別機構\と販売品管理機構を制御することが開示されている。そうすると,本願発明では,同一のマイクロプロセッサー制御器にて,CPUボードを一元化しているのであるから,投入紙幣識別機構\と販売品管理機構とを制御するマイクロプロセッサー制御器は,CPUボード上に1個だけ搭載されていると認定するのが相当である。」

◆平成17(行ケ)10680 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成19年04月25日 知的財産高等裁判所

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