知財みちしるべロゴマーク
知財みちしるべトップページへ

更新メール
購読申し込み
購読中止

知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

使用による識別性

◆平成19(行ケ)10127 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年11月22日 知的財産高等裁判所

   使用による識別性獲得(商標法3条2項)を使用しましたが、裁判所は、このような使用形態では出所を表示するとは認められないと判断しました。
 「前記2の認定事実によれば,本願商標は,原告が営業する全国各地における多数の「白木屋」,「笑笑」の各店舗の看板に表示して使用されており,そのため,本願商標における「新しいタイプの居酒屋」との表\示は,同店舗のある地域を往来する人や同店舗の利用者にとって目立つものということができる。しかし,本願商標の内容は,赤地に白抜きの文字で「新しいタイプの居酒屋」と記載してなるものであり,それ自体からは,当該商標が付された飲食店である居酒屋が既存の居酒屋とは異なる新手のものであることを需要者に説明ないしアピールするという観念を想起するにとどまり,これが直ちに特定の出所を表示したものとは通常観念され難いものといわざるを得ない。のみならず,上記看板における本願商標の使用態様は,いずれも「白木屋」,「笑笑」の店舗名に併記されたものであり,それ自体が店舗名から切り離された単独のものとして使用された例は見当たらない(上記2(2)エ)のであって,本願商標の指定役務である飲食物の提供を行う店舗等において,他店と差別化するため,「新しいタイプの○○」という文句が宣伝等に用いられることは多く見られるところであること(上記2(2)ク)をも併せ考慮すると,本願商標における「新しいタイプの居酒屋」との語は,一般に居酒屋である「白木屋」や「笑笑」が,メニューやサービスの内容,店舗の内装等において,既存の居酒屋と異なる新しいタイプを採用しているという役務の特徴を表した宣伝文句と理解され,本願商標はいわばキャッチフレーズとしてのみ機能\するといわざるを得ないのであるから,それ自体に独立して自他識別力があるということはできない。したがって,本願商標は法3条1項6号に該当し,商標登録を受けることができないというべきである。」

◆平成19(行ケ)10127 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年11月22日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 使用による識別性

▲ go to TOP

◆平成18(行ケ)10441 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年03月29日 知的財産高等裁判所

  「お医者さんのひざベルト」が品質を表すとした審決が維持されました。
  また、審判段階においては全く主張しなかった商標法3条2項の適用について、審決取消訴訟で新たに主張することも認められると判断されました。
  「以上のイ〜エを総合すると,本願商標は「お医者さん」が開発・考案し た「ひざベルト」の意味に理解されるものと認められるところ,「お医者さん」が開発・考案したことによって,その「ひざベルト」が,高品質の信頼性が高いものという認識が生ずるということができるから,誰が製造したかが商品の品質と密接に関連しており,本願商標を本願の指定商品である「保温用サポーター」に使用した場合は,商品の「品質」を表したものと理解されるにとどまるものというべきである。・・・商標法3条2項は上記のとおり商標法3条1項3号を前提としてこれに対する例外を規定したものであるから,審判手続段階において商標法3条2項のいわゆる特別顕著性に該当する事実について主張立証がなされていなかったとしても,その後の審決取消訴訟段階において,原告は,商標法3条1項3号によって本願が拒絶されるべきでないことについての主張立証として,商標法3条2項に該当することを主張立証することができると解するのが相当である。」

◆平成18(行ケ)10441 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年03月29日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 商3条1項各号
 >> 識別性
 >> 使用による識別性
 >> 審判手続

▲ go to TOP

◆平成18(行ケ)10374 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年03月28日 知的財産高等裁判所

 使用による顕著性(商標法3条2項)は認められないとした審決が維持されました。
  「上記のとおり,確かに,原告は,原告商品の販売開始時以降,原告商品及びその宣伝広告媒体で,「本生」の文字を含む標章を大量に表示してきた経緯があるものの,他方,?@原告は,原告が作成,公表したニュースリリース等ですら,原告商品を表\記する場合には,「本生」ではなく,「アサヒ本生」を用いてきたこと,?A原告商品の缶,瓶,その他の包装,商品案内,カタログ,広告等において,「本生」の文字を単独で使用する例は,ほとんどなく,「アサヒ」等の文字と併せて表記してきたこと,?B原告は,「発泡酒の本格派『生』」などの例にみられるように,むしろ,「本」及び「生」の語を原告商品の特徴を説明する目的で,宣伝広告に使用していたことなど,「本生」の文字を含む標章の使用態様に係る諸事情に照らすならば,原告商品又はその宣伝広告媒体に接した取引者・需要者は,「本生」の文字のみによって,商品の出所が原告であると認識することはなく,「アサヒビール株式会社」,「アサヒビール」又は「アサヒ」等の文字に着目して,商品の出所が原告であると認識すると解するのが自然である。すなわち,原告商品を他社商品から識別する機能を有する標章部分は,「本生」ではなく,「アサヒ」,「Asahi(アサヒ)を併記した本生」又は「アサヒ本生」にあるというべきである。そうすると,「本生」の文字が相当程度使用されてきたものであって,新聞等の記事において,原告商品を単に「本生」とのみ称呼している例が存在することを勘案したとしても,「本生」の文字は,審決の時点までに,「本生」の文字のみで需要者が原告の業務に係る商品であることを認識できるほどに広く知られるに至っていたとは認められない。」

◆平成18(行ケ)10374 審決取消請求事件 商標権行政訴訟 平成19年03月28日 知的財産高等裁判所

関連カテゴリー
 >> 使用による識別性

▲ go to TOP