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 著作権法には『舞踊の著作物』が著作物の一例として明記されています(著10条1項3号)。ダンスの振付も、振付者の個性が表れていれば、著作物として保護されるわけです。たとえば日舞やパレエの振付はなどは、創作性が認められれば、著作物として保護されます。

 ◆Shall we ダンス事件では、社交ダンスの振り付けについて、「・・・の部分の振り付けは,単純な動きや基本ステップ及びアレンジを加えた基本ステップから構成され,・・・の振り付けの流れもありふれたものであることからすると,全体としてみても,この振り付けには社交ダンスの振り付けとしての独創性が認められるほどの顕著な特徴があるとはいえないというべきである。 」と創作性が否定されました。
 その意味では、フラダンスの場合も同じです。ひとつひとつの動きは決められているのを、どう、組み合わせるのかが、勝負なので、選択の余地無しとして、著作物とならないと判断されそうです。

 しかし、今回、◆フラダンス事件では、大阪地裁は一部について、著作物性ありとして、以下のように著作権侵害を認めました。
 「まず,1)の動作についてみると,原告は,右回りに回転しながら両腕を下ろし胸の前で交差させることで,暗い夜が続き,暗く寒くなっていることを表していると主張する。この点,甲25の他の振付け及び乙12の他の振付けはいずれも,手の動きについては本件振付け6と同様の動きをしているものの,その際にターンするものはない。ターンは通常のステップの一種ではある(乙5のスピンターン)が,「夜」や「寒い」といった静的な歌詞からターンすることはが通常想定されない上,両腕を降ろしながらターンすることによって体全体の躍動感を高めていることから,なお有意な差異があるというべきである。・・・2)の動作について見ると,原告は,聴衆と反対(後ろ)に向かって歩いていくことで彼が孤独であることを表し,両腕を下ろすことで抱きしめる者がおらず一人で寒い夜を過ごしていることを表\していると主張する。そして,この動作は,ここでの歌詞から想定されるものでない上,これと同様の動作を行っている類例は認められないから,本件振付け6独自のものであると認められる。」

個性とは何か?を考えさせられる事件ですね。

◆時計修理規約事件では、「疑義が生じないよう同一の事項を多面的な角度から繰り返し記述するなどしている点(例えば,腐食や損壊の場合に保証できないことがあることを重ねて規定した箇所がみられる原告規約文言4と同7,浸水の場合には有償修理となることを重ねて規定した箇所が見られる原告規約文言5の1の部分と同54,修理に当たっては時計の誤差を日差±15秒以内を基準とするが,±15秒以内にならない場合もあり,その場合も責任を負わないことについて重ねて規定した箇所がみられる原告規約文言17と同44など)において,原告の個性が表れていると認められ,その限りで特徴的な表\現がされているというべき」 と判断されてます。

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