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ビジネスモデル特許の事例
(C)1999.12 弁理士 古谷栄男
'99夏〜'99年末にかけて行った講演の配付資料に、最新情報を加えて、加筆訂正したものです。


(7-2)ソフトウエアの超流通システム特許(特許出願1984年、話題1996年)

権利者など
 日本特許   1912248
 権利者    森亮一

特許の概要
 ソフトウエアが無断で複製されることによる権利者の不利益を解消できるシステムに関する特許である。特許された仕組みの概要は、次のとおりである。

 @ソフトウエアの権利者は、管理協会に対し、自己のIDと支払いを受け取るための銀行口座を登録する。A権利者は、権利者IDを付して、ソフトウエアを市場に流通させる。このソフトウエアは、コピーフリーとする。Bしたがって、このソフトウエアを使用するユーザは、権利者から直接取得するだけでなく、他のユーザを介して、そのコピーを取得することができる。Cただし、このソフトウエアを使用するためには、特別な制御回路をユーザパソコンに組み込んでおく必要がある。この制御回路は、当該ユーザにおけるソフトウエアの使用時間と権利者IDを管理協会システムに報告する。

 管理協会は、これに基づいて、ユーザにソフトウエアの使用料金を請求し、徴収する。管理協会は、徴収した使用料金を、権利者の振込先口座に送金する。

 この特許の仕組みを利用すれば、市場におけるコピーを許し、ソフトウエアを実際に使用した分に対して、権利者が料金を受け取ることができる。




話題の概要
 発明者である森亮一氏は、筑波大学教授(当時)であり、この方式は、超流通(Superdistribution)として、日本のみならず、米国においても話題となった。不正コピー防止にのみ着目されていた状況において、コピーフリーとしつつ権利者の利益を守るという新しい発想が、話題を呼んだ。


クレーム
1.識別符号と販売価格等を含むソフトウェア固有データを付加して提供されたソフトウェアを有償で利用可能にするデータ処理システムにおいて,
 上記ソフトウェアの利用者に対応した利用可能金額を含む利用者固有データを格納した利用者固有データ格納手段と,
 利用可能なソフトウェア毎に識別符号と販売価格等を含む上記ソフトウェア固有データを個々のソフトウェアに対応付けて格納したソフトウェア固有データ格納手段と,提供されたソフトウェアに付加されている上記ソフトウェア固有データ中の販売価格が上記利用者固有データ中の利用可能金額以内であるかどうかにより,当該ソフトウェアの購入の可否を判定し,可と判定した場合に該ソフトウェアに付加されているソフトウェア固有データをソフトウェア固有データ格納手段に格納するとともに利用者固有データ中の利用可能金額から当該販売価格を減額して当該ソフトウェアの購入処理を行う判定処理手段とを備え,
 上記提供されたソフトウェアを利用する際,上記判定処理手段は,当該ソフトウェアのソフトウェア固有データが上記ソフトウェア固有データ格納手段にすでに登録されているか否かを調べ,格納されている場合には当該ソフトウェアを利用可能とし,格納されていない場合には上記購入処理を行ってのちに利用可能とすることを特徴とするソフトウェア利用管理方式。


関連文献・サイト
・日経産業新聞96年9月18、19日「新産業技術 2010年への挑戦」

川原正治教授のホームページ
  超流通に関する最新情報が掲載されている。

 


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この資料は、下記の著作権表示さえしていただければ、
複製して配布していただいて結構です(商業的用途を除く)。
(c)1999 Hideo FURUTANI / furutani@furutani.co.jp

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