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いきなりステーキのステーキ提供システム
ビジネスモデル特許の事例

(C)1999-2020 弁理士 古谷栄男


(33)いきなりステーキのステーキ提供システム(出願2010年、話題2012年)

権利者など
 日本特許   5946491
 権利者    ペッパーフードサービス(株)

特許の概要
 レストランにおいてステーキを量って提供するシステムに関する特許である。ビジネスモデルとしての面白さもあるが、この内容が発明に該当するがどうか(発明該当性の特許要件を満たすかどうか)について、裁判所の判断が示されたという点で興味深い。
 いきなりステーキでは、テーブルに案内された後、お客さん自身が肉をカットする職人さんのところに行って希望するグラム数を告げる。職人さんはこれを聞いて肉をカットし、調理場にその肉を回す。焼き上がった肉は、そのお客さんのテーブルまで届けられる。
 この際、カットした肉とお客さんとの対応づけを確実に行う必要がある。この特許では、職人さんがカットした肉に、テーブル番号を印字したシールを付けて、調理場に回すようにしている。これにより、肉の取り違えを防ぐことができる。
 特許庁は、当初、特許査定を行ったものの、第三者の異議申立を受けてこれを翻し、発明該当性がないとして特許を取り消した。ペッパーフードサービス(いきなりステーキ)はこれに不服として、知的財産高等裁判所に訴え出たものである。裁判所は、特許庁の判断を翻し、発明該当性があるとして特許を有効とした。




日本特許5946491の請求項
【請求項1】
 お客様を立食形式のテーブルに案内するステップと、お客様からステーキの量を伺うステップと、伺ったステーキの量を肉のブロックからカットするステップと、カットした肉を焼くステップと、焼いた肉をお客様のテーブルまで運ぶステップとを含むステーキの提供方法を実施するステーキの提供システムであって、
上記お客様を案内したテーブル番号が記載された札と、上記お客様の要望に応じてカットした肉を計量する計量機と、上記お客様の要望に応じてカットした肉を他のお客様のものと区別する印しとを備え、上記計量機が計量した肉の量と上記札に記載されたテーブル番号を記載したシールを出力することと、上記印しが上記計量機が出力した肉の量とテーブル番号が記載されたシールであることを特徴とする、ステーキの提供システム。






関連文献・サイト
いきなりステーキの判決について(知財みちしるべ)

   

 


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複製して配布していただいて結構です(商業的用途を除く)。
(c)2020 Hideo FURUTANI /
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