CADファイルをGIFファイルにダイレクトに変換する


スキャナを介さずに、CADファイルを変換して、出願に耐えうる精度のGIFファイルを得ることができましたので、報告します。

パソコン出願における図面データ作成の現状

 昨年より、特許庁へのオンライン出願がパソコンでできるようになりました。このパソコン出願の導入によって、願書、明細書、図面等の作成から出願、その後の管理までをデジタルで処理できる完全なペーパーレスが実現されると思われました。

 しかし、実際にはそううまくはいかず、特に図面の取り扱いに問題が生じているようです。現在、パソコン出願に対応する図面形式は、「GIF(ノンインタレース)形式」および「BMP形式」です。したがって、CAD図面を「GIF(ノンインタレース)形式」または「BMP形式」に変換することが必要です。

 CADソフトによってはBMP形式の出力を行うことができるものもありますが、ドットが粗くなる等の問題が生じ、実用には至っていないようです。また、データ変換ソフトを用いて、CADソフトの出力データをBMPやGIFに変換することも可能ですが、この場合も、ドットが粗くなる等の問題があって実用できませんでした。このため、CAD用ソフトウェアで作成したCADファイルをプリンタやプロッタで紙に出力し、紙に出力した図面をさらにスキャナで読み込み、GIF形式またはBMP形式に変換するという方法がと一般的に行われているます。

 今回、スキャナを使用しないでCADの出力ファイルを、出願に耐えうる精度を保持しつつGIF形式に変換することに成功しましたので、その方法を報告します。

使用ソフトウェア

 ・CADソフトウエア
    Vector Works Windows版 (A&A)定価198,000円

 ・データ変換のために必要なソフトウエア
    PAINT SHOP Ver4.2J (MET'S CORPORATION)定価 14,800円
    Quick Time 3.0.2 (Apple)
    Quick Draw 3D (Apple)
注:Quick Time、Quick Draw 3D については Apple社のホームページよりダウンロードできます

動作環境(ハードウエア)

   ・GateWay
    CPU : Pentium2 233MHz
     OS : Windows 95

変換方法
1.Vector Worksにて「JPEG形式」にて図面ファイルを出力する。
2.「JPEG形式」の図面ファイルをPAINT SHOP PROにより、「GIF形式」に変換する。
※なお、Quick Time 3.0.2 (Apple)とQuick Draw 3D (Apple)をインストールしておかないと、Vector Worksから「JPEG形式」の出力ができないので注意が必要。

詳しい手順はこちら

 このようにして得られた「GIF形式」のファイルは、精度も落ちることなく、実務上使えそうです。他のCADソフト、変換ソフトの組み合わせでも試してみましたが、精度が落ちる(特に文字の精度が落ちるケースが多い)ため、実用に耐えるものはありませんでした。

 「もっと簡単にやってるよ!」という方がおられましたら、お教えください。以上



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