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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

数値限定

平成21(行ケ)10085 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年11月30日 知的財産高等裁判所

 数値限定発明について、設計事項であるとして進歩性なしとした審決が維持されました。
 原告は,本願補正発明は,第1伸縮域の最大伸長時における伸長応力を0.2〜2.0N/25mmの範囲に,第2伸縮域の最大伸長時における伸長応力を0.1〜0.6N/25mmの範囲に,それぞれ設定したことにより格別の効果を奏するものであるから,伸長応力をこれらの範囲に設定することは,当業者が適宜決め得る設計的事項ではない,と主張する。しかし,原告の上記主張は,理由がない。すなわち,本願補正発明が,第1伸縮域の最大伸長時における伸長応力を0.2〜2.0N/25mmの範囲に,第2伸縮域の最大伸長時における伸長応力を0.1〜0.6N/25mmの範囲に,それぞれ設定するのは,おむつのずれ落ちや,必要以上の強い締め付けを効果的に防止し,締め付け力を局所的に集中させず,漏れを防ぎ,吸収性コアがしわになりにくくするためであり(甲4,段落【0024】),引用例1記載の発明も,使い捨てパンツ型おむつのずれ落ちを効果的に防止し,締め付け力を局所的に集中させず,漏れを防ぎ,吸収性コアがしわになりにくくするためのものである(甲1,段落【0006】,【0007】)。そして,パンツ型の使い捨ておむつのずれ落ちや,締め付け力,漏れ,吸収性コアのしわのより方は,その用途(幼児用か大人用か,失禁用か)や素材によっても相違すると考えられるから,当業者であれば,ずれ落ちを効果的に防止し,締め付け力を局所的に集中させず,漏れを防ぎ,吸収性コアがしわになりにくくするため,使い捨てパンツ型おむつの用途や吸収性コアの素材などの相違に対応して,締め付け機能を有する弾性体の伸長応力を適宜調整することは当然に行うと予\想される事項であり,その調整による効果も当業者の予想の範囲内であるといえるから,第1伸縮域,第2伸縮域の伸長応力を本願補正発明で特定した範囲内の伸長応力とすることは,当業者が適宜決め得る設計的事項であるということができる。よって,これと同旨の審決の判断に誤りがあるとはいえない。\n

◆判決本文

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 >> 新規性・進歩性
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平成20(ワ)25354 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟

 数値限定発明について、104条の3で権利行使不能と判断されました。\n  「・・・乙1発明の「軽量微小素材粉末」として適当な含水のもの(WEタイプ)を使用した場合の水の添加量「52.1〜78重量%」を,本件特許発明の「65〜85重量%」と変更することについての格別の技術的意義は,本件明細書からは見い出せない。そうすると,本件特許発明において水の添加量を「65〜85重量%」としたことは,乙1発明の「軽量微小素材粉末」として適当な含水のものの添加量の数値範囲を好適なものに変更したにすぎず,当業者が適宜行う範囲内のことというほかない。」

◆平成20(ワ)25354 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟 平成21年09月11日 東京地方裁判所

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 >> 技術的範囲
 >> 104条の3
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平成20(行ケ)10490 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年09月17日 知的財産高等裁判所

 数値限定発明について、進歩性なしとはいえないとして無効審決(特許維持)がなされましたが、これが取り消されました。  「本件明細書には,本件発明1における数値範囲の臨界的意義についての具体的な記載はされておらず,また,塩素原子含有量は,上限値である10ppm以下だけが記載され,下限値が特定されていないものであって,これらによれば,本件発明1における塩素原子含有量の数値限定の意義は,塩素原子がポリカーボネート樹脂中に少なければ少ないほど,塩素原子の影響による半導体ウエーハの汚染を低減でき,本件発明1の目的達成に適しているというものにすぎないといわざるを得ない。」

◆平成20(行ケ)10490 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年09月17日 知的財産高等裁判所

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