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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

肖像権等

◆平成16(ワ)25672 営業行為差止等請求事件 平成18年07月25日 東京地方裁判所

 プロ野球の選手が、肖像権に基づき、プロ野球ゲームソフト及びプロ野球カードについて,同各原告らの氏名及び肖像を第三者に対し使用許諾する権限を有しないことを確認を求めました。
  裁判所は、球団側に宣伝目的の使用権限があると認めました。 「本件契約条項は,その1項において,具体的であれ包括的であれ球団が指示する場合に所属選手の撮影の応諾義務があることを定めるとともに,それにより撮影された選手の写真の肖像及び選手の氏名について,球団において,球団ないしプロ野球の知名度の向上に資する目的である限りいかなる方法によって使用したとしても,選手は異議を述べない義務を定めたものと解される。また,その2項において,球団がライセンシーから使用の対価を受けた場合に選手が適当な対価の分配を受け得る権利を定め,その3項において,選手が球団の承諾なく公衆の面前に出演 しない等の不作為義務を定めたものである。 よって,本件契約条項により,商業的使用ないし商品化型使用の場合を含め,球団ないしプロ野球の知名度の向上に資する目的の下で,選手が球団に対してその氏名及び肖像の使用を独占的に許諾したものと解するのが相当である。 そして,このように解することで,球団が多大な投資を行って自己及び所属選手の顧客吸引力を向上させている状況に適合し,投資に見合った利益の確保ができるよう,かかる顧客吸引力が低下して球団又は所属選手の商品価値が低下する事態の発生を防止すべく選手の氏名及び肖像の使用態様を管理するという球団側の合理的な必要性を満たし,交渉窓口を一元化してライセンシーの便宜を図り,ひいては選手の氏名及び肖像の使用の促進を図ることができるものである。」
 なお、契約条項については「なお,長年にわたって変更されていない本件契約条項は,時代に即して再検討する余地のあるものであり,また,分配金についても各球団と選手らが協議することにより明確な定めを設ける必要があることを付言する。」と付け加えています。

◆平成16(ワ)25672 営業行為差止等請求事件 平成18年07月25日 東京地方裁判所

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