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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

不正競争(その他)

平成19(ワ)11489等 損害賠償請求事件 不正競争 民事訴訟 平成23年12月15日 大阪地方裁判所 

 経緯からして「他人の商品等表示」ではないとしたものの、不法行為による損害賠償が認められました。また、一部の表\示(被告表示1−5及び1−7)を付して販売する行為は不競法2条1項13号の不正競争に該当すると認定されました。
 以上のような原告,被告ら及び協和興材の関係並びに需要者の認識を踏まえると,本件商品に付された原告表示1ないし4は,本件商品の製造販売に関与する原告,被告ら及び協和興材の三者の出所表\示として,需要者の間に広く認識されていたものと認められる。
エ これに対し,原告は,被告らは,原告が協和興材を通じて本件商品を販売するための中間業者として中間マージンを得ていただけの存在にすぎないから,原告表示1ないし4の各表\示に被告ら独自の業務上の信用が化体する余地はなく,これらの表示が被告らの出所表\示となることはあり得ないかのように主張する。しかし,本件外箱の表示,広告宣伝時の表\示など,需要者が直截,目にする部分において,被告らが本件商品の製造販売において独立した商品等主体として関わっている旨が表示されているのであるから,需要者としては,当然,被告らも本件商品の出所の主体であると理解するであろうし,現実の取引においても,本件商品の総発売元である協和興材と直接の取引関係にあるのは原告ではなく被告らであって,被告らが,本件商品の販売において独立した主体的立場を有していることは明らかである。また,被告P1は,その屋号を「グリッタージャパン」とし,「GOLD Glitter」の文字商標の登録までしていたことからしても,本件商品の販売において,積極的な役割を果たしていたといえる(なお,原告は,これらについて被告P1が原告に無断で行ったと主張するが,これらの事実から,少なくとも,被告P1が,本件商品の販売において,自らの屋号を「グリッタージャパン」とし,対外的にそのような屋号の事業体として認識されるだけの利害関係を有していたことは否定できないから,無断であったか否かは,この場面では問題とならないというべきである。)。よって,原告表示1ないし4が被告らの出所表\示となることはあり得ないとする原告の主張は失当である。
オ 以上によれば,原告表示1ないし4は,不正競争防止法2条1項1号の周知商品表\示であると認められるものの,その出所識別機能は原告,被告P1(被告会社設立以降は被告会社)及び協和興材の三者について生じており,被告会社にとって「他人の」周知商品表\示であるとは認められないから,被告会社が,その製造販売する商品に原告表示1ないし4と同一ないし類似する被告表\示1−1ないし1−4,1−6を付したとしても,これをもって,不正競争防止法2条1項1号の不正競争を構成するものと認めることはできないというべきである。\n

◆判決本文

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