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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

営業誹謗

平成22(ワ)18769等 特許権差止請求権本訴事件,損害賠償等請求反訴事件 特許権 民事訴訟 平成22年09月17日 東京地方裁判所

 1つの争点が、特許権侵害であるとの取引先への警告が不競法の営業誹謗行為(2条1項14号)に該当するか否かでしたが、裁判所はこれを認めました。
 本件特許発明は,当業者が引用発明,甲18の2刊行物及び甲19の2刊行物の記載に基づき容易に発明することができたものであって進歩性を欠くものであるが,i)引用発明が記載された甲22刊行物は,本件特許出願の3年以上前の平成11年1月に旭化成建材がパワーボードの施工をする業者向けに発行した技術情報パンフレットであり,相当の部数が当業者に配布されたことが推認できること,ii)副引用例である甲18の2刊行物及び甲19の2刊行物は本件特許権の出願審査の過程でされた平成19年4月24日付け拒絶理由通知において引用文献として指摘されていたこと(乙5),iii)それにもかかわらず,被告が甲3及び甲4の書面を送付するに当たり,本件特許の無効事由の有無につき検討したのか否か,したとすればどのような検討を行ったのかについて,被告は何ら主張立証をしていないこと等に照らすと,被告が本件告知行為を行うに当たって上記注意義務を尽くしたと認めることはできず,被告には過失があるというべきである。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 104条の3
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平成20(ワ)10879 損害賠償請求事件 不正競争 民事訴訟 平成22年01月28日 大阪地方裁判所

 被告製品と原告製品の費用と機能を比較した比較表\を配布したことが不正競争行為に(2条1項14号)に該当するのかが争われました。裁判所は、機能変更があったことにより、事実と反することになったとして、損害賠償を認めました。
 商品の需要者等に配布された文書の記載内容が不正競争防止法2条1項14号の「虚偽」にあたるかどうかは,文書の受け手が,記載された事実について真実と反するような誤解をするかどうかによって決すべきであり,具体的には,受け手がどのような者であって,どの程度の予備知識を有していたか,当該文書の記載内容をどのような状況の下で了知したか等の点を踏まえつつ,当該受け手の普通の注意と読み方を基準として判断されるべきである。以下,本件について検討する。・・・他社の製品と自社の製品の性能\や機能を比較する文書を配布する場合には,虚偽の記載をすることのないよう,十\分に他社の製品の性能や機能\を調査すべきであるところ,被告は,前記(1)イのとおり,原告サービスに含まれる「クラリネット」に「ネットde 明細」が備わり,本件機能が備わることとなったことを容易に知ることができたにもかかわらず,リリースの事実や時期を十\分確認することなく,本件比較表を作成し,被告製品の説明会において,来場者に配布したのであって(前提事実(4)),被告が,前記1(1)ア(イ)のとおり,平成20年3月17日以降,事実と符合しなくなった本件比較表を配布したことについては,少なくとも過失があったというべきである。被告は,原告が給与明細インターネット配信システムを平成20年3月17日にリリースすると告知していたため,本件比較表\の配布を開始する同月5日の直前に,上記リリース予定について問い合わせたが,同月17日のリリースについて,原告からの宣伝・告知はなかったと主張する。しかし,この主張は,被告が,上記リリース予\定を知りながら,同月5日の直前に問い合わせをしたのみで,その後は,リリースの実施について調査・確認をしていなかったことを意味しており,調査の不十分性を示すものといえる。(3) したがって,被告は,平成20年3月17日以降,虚偽の内容を含む本件比較表を配布することについて,少なくとも過失があったものと認められる。\n

◆判決本文

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