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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

著作権(ネットワーク関連)

◆H17.10.24 大阪地裁 平成17(ワ)488 著作権 民事訴訟事件

 マンション内にサーバ設置し、ユーザの指示によってテレビ番組を録画しておきユーザからリクエストがあるとこれを配信する装置が著作隣接権侵害であるとして当該装置の販売差し止めが認められました。
 裁判所は、複製権侵害および公衆送信権侵害の予防のために被告の商品の販売行為の差止めを請求することができると判断しました。
  「被告商品の販売は、これが行われることによって、その後、ほぼ必然的に原告らの著作隣接権の侵害が生じ、これを回避することが、裁判等によりその侵害行為を直接差し止めることを除けば、社会通念上不可能であり、?A裁判等によりその侵害行為を直接差し止めようとしても、侵害が行われようとしている場所や相手方を知ることが非常に困難なため、完全な侵害の排除及び予防は事実上難しく、?B他方、被告において被告商品の販売を止めることは、実現が容易であり、?C差止めによる不利益は、被告が被告商品の販売利益を失うことに止まるが、被告商品の使用は原告らの放送事業者の複製権及び送信可能化権の侵害を伴うものであるから、その販売は保護すべき利益に乏しい。このような場合には、侵害行為の差止め請求との関係では、被告商品の販売行為を直接の侵害行為と同視し、その行為者を「著作隣接権を侵害する者又は侵害するおそれのある者」と同視することができるから、著作権法112条1項を類推して、その者に対し、その行為の差止めを求めることができるものと解するのが相当である」

◆H17.10.24 大阪地裁 平成17(ワ)488 著作権 民事訴訟事件

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◆H17.10. 6 知財高裁 平成17(ネ)10049 著作権 民事訴訟事件

  新聞記事の見出しが著作物かどうか、著作物でないとしても不法行為として損害賠償が認められるかが争われました。
  知財高裁は、著作物でないとしても、不法行為として損害賠償が認められると判断しました。
  著作物性については、「上記365個のYOL見出しは,その性質上,表現の選択の幅は広いとはいい難く,創作性を発揮する余地が比較的少ないことは否定し難いところである上,個別にみても,・・いずれも事実関係を客観的にありふれた表\現で構成したものであり,見出しに対応するYOL記事本文との関係をも考慮しつつ検討するとしても,これらのYOL見出しの表\現に創作性があるとは到底いえない。」と判断しました。
 一方、「とりわけ,本件YOL見出しは,控訴人の多大の労力,費用をかけた報道機関としての一連の活動が結実したものといえること,著作権法による保護の下にあるとまでは認められないものの,相応の苦労・工夫により作成されたものであって,簡潔な表現により,それ自体から報道される事件等のニュースの概要について一応の理解ができるようになっていること,YOL見出しのみでも有料での取引対象とされるなど独立した価値を有するものとして扱われている実情があることなどに照らせば,YOL見出しは,法的保護に値する利益となり得るものというべきである。」と不法行為であることを認めました。

   原審です。H16. 3.24 東京地裁 平成14(ワ)28035 著作権 民事訴訟事件

◆H17.10. 6 知財高裁 平成17(ネ)10049 著作権 民事訴訟事件

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◆H17. 3. 3 東京高裁 平成16(ネ)2067 著作権 民事訴訟事件

 刊行された書籍について、インターネット上の電子掲示板「2ちゃんねる」に,上記対談記事が無断で転載されて自動公衆送信されたとして、書籍の著作権者が、掲示板運用者に差止及び損害賠償を求めていました。東京高裁は、請求棄却した原審を破棄し、差止および損害賠償を認めました。
 インターネット上においてだれもが匿名で書き込みが可能な掲示板を開設し運営する者は,著作権侵害となるような書き込みをしないよう,適切な注意事項を適宜な方法で案内するなどの事前の対策を講じるだけでなく,著作権侵害となる書き込みがあった際には,これに対し適切な是正措置を速やかに取る態勢で臨むべき義務がある。掲示板運営者は,少なくとも,著作権者等から著作権侵害の事実の指摘を受けた場合には,可能\ならば発言者に対してその点に関する照会をし,更には,著作権侵害であることが極めて明白なときには当該発言を直ちに削除するなど,速やかにこれに対処すべきものである。

(原審・東京地方裁判所平成15年(ワ)第15526号,平成16年3月11日判決)  

◆H17. 3. 3 東京高裁 平成16(ネ)2067 著作権 民事訴訟事件

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