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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

商3条1項各号

平成25(行ケ)10158 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年12月17日 知的財産高等裁判所

 商標「LADY GAGA」を指定商品「レコードなど」に使用する場合、識別性が無いとした審決が維持されました。出願人はアーチスト自身の会社ですので、4条1項8号は問題になっていません。
 以上によれば,「LADY GAGA」(レディ(ー)・ガガ)は,アメリカ合衆国出身の女性歌手として,我が国を含め世界的に広く知られており,「LADY GAGA」の欧文字からなる本願商標に接する者は,上記歌手名を表示したものと容易に認識することが認められる。そうすると,本願商標を,その指定商品中,本件商品である「レコード,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」に使用した場合,これに接する取引者・需要者は,当該商品に係る収録曲を歌唱する者,又は映像に出演し歌唱している者を表\示したもの,すなわち,その商品の品質(内容)を表示したものと認識するから,本願商標は,自他商品の識別標識としての機能\を果たし得ない。したがって,本願商標は,商標法3条1項3号に該当する。また,本願商標を,本件商品である「レコード,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」のうち「LADY GAGA」(レディ(ー)・ガガ)が歌唱しない品質(内容)の商品に使用した場合,「LADY GAGA」(レディ(ー)・ガガ)が歌唱しているとの誤解を与える可能性があり,商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。したがって,本願商標は,商標法4条1項16号に該当する。\n

◆判決本文

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平成25(行ケ)10254 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年11月27日 知的財産高等裁判所

 商標「お客様第一主義の」が識別力なしとした審決が維持されました。
 本願商標「お客様第一主義の」(標準文字)は,「お客様第一主義」と「の」の各文字から構成される商標である。本願商標中「お客様第一主義」との文字部分は,顧客(役務の提供先)を大切にし,満足度を高めるとの基本理念や姿勢等を表\\した語であると理解される。同文字部分は,自己を犠牲にしてまで,顧客に尽くすとの印象を与える語であることから,別紙2「『お客様第一主義』の使用事例」のとおり,宣伝,広告等において数多く用いられている。また,本願商標中「の」との文字部分は,前の語句の内容を後続する名詞等に繋げ,後続する名詞等の内容を限定する働きを有する助詞と解される。また,後続する名詞等が省略される場合においては,名詞等の意味を漠然と示唆する代用語として使われることもある(乙31参照)。イ そうすると,本願商標は,指定役務に使用する場合,これに接する需要者は,顧客を大切にするとの基本理念や姿勢等を表わした語であり,場合によっては,宣伝・広告的な意図をも含んだ語であると認識するものと認められ,これを超えて,何人かの業務に係る役務表\\示であると認識することはないと認められ,自他役務識別力を有しない商標と解するのが相当である。なお,本願商標は,商標法3条1項3号に該当すると解する余地もなくはないが,本願商標には「の」の文字部分が含まれ,同文字部分は,普通に用いられる方法で表示する標章とは必ずしもいえないことに照らすと,「お客様第一主義の」からなる本願商標は,同項同号所定の,普通に用いられる方法で表\\示する標章「のみ」から構成される商標とまではいえない。\n

◆判決本文

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平成25(行ケ)10188 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年11月27日 知的財産高等裁判所

商標「美ら島」は識別性なしと判断されました。
 「美ら島」は,沖縄の方言で「美しい島」を意味する語であるが,食品等を中心とする商品等の宣伝広告及び紹介記事において,商品の原産地等が「沖縄」であることを指すものとして,「美ら島」が使用される例が数多く存在すること,また,各種記念行事,時事の報道,特産品,観光名所を報道・紹介等する新聞記事等において,「美ら島」が「沖縄」の県名ないし地域を指すものして使用される例も数多く存在すること等から,「美ら島」は,「沖縄」の県名ないし地域を指す語として,広く認識されるに至ったということができる。そうすると,「美ら島」との本願商標に接した取引者・需要者は,本願商標を沖縄を意味するものと理解すると解するのが相当である。

◆判決本文

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平成25(行ケ)10142 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年11月14日 知的財産高等裁判所

 商標「エコライフ」が識別性無しとした拒絶審決が維持されました。
 「エコライフ」の語は,インターネットや新聞記事等において,「日常生活をする上で環境にやさしい暮らし方」(乙10),「環境に配慮した生活」(乙11),「環境に優しい生活を実施していくこと」(乙16),「地球環境に優しい暮らしを心がけるライフスタイルのこと」(乙15),「環境への負荷を減らし,環境保全を心がけた暮らし(ライフスタイル)」(乙9)等の意味合いを有するものとして用いられている。・・・ 以上のとおり,「ECOLIFE」の称呼である「エコライフ」の語について,エコ(eco)の語が「環境に優しい…」程度の意味を表すものとして,普通名詞である「ライフ」の前に置かれ当該普通名詞と組み合わせて使用されている。
2 商標法3条1項6号の該当性
(1) 前記認定事実によれば,本願商標は,「環境に優しい生活」を表す広く一般的・日常的に使用される成語として認識される「エコライフ」と称呼される「ECOLIFE」の欧文字を標準文字で表\してなるものであり,「エコライフ」の語は,本件指定役務と関連の深い建物の建築,管理又は売買等の分野においては,「太陽光発電パネルや断熱性能の高い建築や二酸化炭素(CO2)排出量の削減等,環境に配慮した建物」といった特定の意味合いを表\すものとして一般的に使用されていることが認められるから,本願商標を本件指定役務に使用する場合には,これに接する取引者,需要者に,上記意味合いを有する「エコライフ」を目的とする建物の管理,貸借の代理又は媒介,貸与,売買,売買の代理又は媒介,鑑定評価,情報の提供に係る役務であることを表したものと認識させるにすぎず,自他役務の識別標識としての機能\を有しないものというべきである。以上のとおり,本願商標は,これを本件指定役務に使用する場合には,自他役務の識別力を欠くために,商標としての機能を果たし得ないから,「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」として,商標法3条1項6号に該当する。\n

◆判決本文

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平成25(行ケ)10060 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年09月30日 知的財産高等裁判所

 商標「RAGAZZA」について、識別性ありとした審決が維持されました。
 本件商標「RAGGAZZA」は,特定の意味を有しない語であるから,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標に該当することはない。また,本件商標「RAGGAZZA」は,イタリア語「RAGAZZA」に近似した文字から構成されることから,本件商標から,「RAGAZZA」の文字を想起させることがあり得たとしても,本件証拠によれば,そもそも「RAGAZZA」の意味を認識,理解できる需要者は,多いとは認められない。さらに,仮に,本件商標から,イタリア語「RAGAZZA」の意味である「少女,(未婚の)若い女性,娘,女の子,恋人,彼女,子供」を想起する需要者がいたとしても,それらの意味と本件商標の指定商品との関係を考慮すると,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であると判断することもできない。\n

◆判決本文

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平成24(行ケ)10352 商標登録取消決定取消請求事件  商標権 行政訴訟 平成25年08月28日 知的財産高等裁判所

 商標「ほっとレモン」について、異議申立があり、審決は識別性無しと判断しました。裁判所はこれを維持しました。使用による識別性獲得(3条2項)も否定されました。
 本件文字部分のうち,片仮名「レモン」部分は,指定商品(第32類「レモンを加味した清涼飲料,レモンを加味した果実飲料」)を含む清涼飲料・果実飲料との関係では,果実の「レモン」又は「レモン果汁を入れた飲料又はレモン風味の味付けをした飲料」であることを意味し,また本件文字部分のうち,平仮名「ほっと」部分は,上記指定商品との関係では,「熱い」,「温かい」を意味すると理解するのが自然である(上記1(3)及び同(4)参照)。また,本件輪郭部分については,上辺中央を上方に湾曲させた輪郭線により囲み枠を設けることは,清涼飲料水等では,比較的多く用いられているといえるから(上記1(6)参照),本件輪郭部分が,需要者に対し,強い印象を与えるものではない。さらに,「ほっとレモン」の書体についても,通常の工夫の範囲を超えるものとはいえない。この点,原告は,「ほっと」は,「人をほっとさせる」「人がほっとしたいとき」を意味し,「温かい」を意味するものではないかのような主張をする。しかし,1)「温かいレモン風味の味付け等をした飲料」を総称する名称(称呼)としては,「ほ」「っ」「と」「れ」「も」「ん」があり,それ以外の名称(称呼)を一般的に確認することはできないこと,2)「温かいレモン風味の味付け等をした飲料」としての「ほ」「っ」「と」「れ」「も」「ん」の表記は,「ホットレモン」のみならず片仮名と平仮名の組合せである「ほっとレモン」も用いられていたこと(上記1(3)参照),3)「レモン」以外の果実等の風味を付加し,温かい状態で飲まれることを想定した清涼飲料水等においても,平仮名「ほっと」の文字が使用される例は,少なくないこと(上記1(4)参照)等に照らすならば,原告の上記主張を採用することはできない。すなわち,本件に現れたすべての証拠によるも,本件商標について,「熱い」,「温かい」との観念が生じることを否定する事実は認められない。

◆判決本文

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平成24(行ケ)10346 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年06月27日 知的財産高等裁判所

 立体商標について識別性なし、使用による顕著性無しとした審決が維持されました。
 しかしながら,他のジョイントボックスの形状等を見ても,電気配線の結合部分を覆うためにボックス部分の形状が円筒形のものが多く,より詳細に観察した際には,上部に向かってやや広がっていき,最上端部には縁部が設けられているものが多数存在し,色は透明なものがある上に,本体のカバー部分内部は,結線束を入れるために空洞となっており,本体の上面縁部には,本体を造営材(固定できる部材)に固定するための固定孔が設けられ,本体下方には,汚水の排水用の突起部が存在することは,ジョイントボックスにとって一般的に採用された極めてありふれた形状であるといえる(甲1ないし7,乙1ないし5)。開口部の弁についても,使用商品にのみ取り付けられているわけではなく,他にもワンタッチでかぶせるジョイントボックスが実際に存在するから(乙4。ただし,弁は2枚である。もっとも,使用商品同様に位置としては開口部に有する。),本願商標の弁自体は機能に資する目的のための形状であるといってよい。弁自体は,電気配線の結束部分にかぶせることによって配線の結束部分が弁体を通過し,弁体が戻ろうとする働きによりジョイントボックスが固定されるという,正に機能\に資するための形状にほかならないのであって,当該形状は商品の機能向上の観点から選択されたものであり,機能\について特許を受けるのは別として,自他商品を識別するための標識としては認識し得ないものというべきである。本願商標の弁体の並びがグレープフルーツを切断したような形状を有している点も,結線束を保護するためにカバー内に固定するという機能を果たすために弁がカバー全体にわたって整然と並んでいるにすぎず,機能\に資する目的の形状であることを超えるものではない。とりわけ,結線束をカバー内に収納した後はジョイントボックスの円筒部分を上向きにして使用することが一般的であることをふまえると,設置後に特別な印象を与えるものとはいえない。審決の上記判断に誤りはなく,この判断を前提にして本願商標は法3条1項3号に該当するとした審決の判断にも誤りはない。この誤りをいう取消事由1は理由がない。
・・・
エ 使用商品の販売数量及び販売金額は,平成8年度は455万個で約7700万円に始まり,最も多いときは,平成16年度ないし平成18年度は約920万個で約1億5700万円であって,平成23年度は約675万個で約1億4800万円である(甲9,40,44)。5 使用商品の販売数量については,上記認定事実のとおり,それ相当の数量が製造,販売されていることは認められるものの,業界におけるジョイントボックスに相当する商品の総販売数量についての立証がないので,使用商品の市場シェアは明らかであるとはいえない。この点につき,原告は,木造住宅一戸当たり平均20個のジョイントボックスが使用されるとの前提で,電気事業者の証言書を提出し(甲53ないし57),使用商品は主に木造住宅に使用されると述べ,これを国土交通省資料による木造住宅着工数(平成22年度であれば46万4140戸)を基礎数値として算出すれば,使用商品の市場シェアは70%以上になるし(甲9,40),仮に誤差が±20%あったとしても市場シェアは50%を下らないことは明白であると主張する。しかしながら,使用商品に係るリーフレット(甲1,2)ですら,主たる用途が木造住宅用とは記されておらず,むしろ,雑誌の記事(甲17)には「ジョイントボックスは,木造,鉄骨住宅などの電気工事において,・・・結線部分を絶縁するときに使う。」との記載があるし,また,原告のウェブサイト(乙12)にある「よくある質問」の中にも,「Q:ナイスハットHタイプとMタイプどう違いますか?」(判決注:ナイスハットHタイプは,甲1のとおり,使用商品である。)との質問に対し,「A:Hタイプは主に木造住宅用。Mタイプは主に鉄筋・鉄骨の二重天井の先行配線用に開発しましたが,用途は同じですので状況に応じて選んで下さい。」との回答があり,これらのことからすれば,使用商品の開発時の意図はともかくとして,実際に使用される使用商品の用途が木造住宅用に限定されるものでないことは明らかである。原告は,主として木造住宅に利用されていると主張しているが,原告作成の納入実績表(甲10)の中には,工場,官庁の合同庁舎,学校,ビル,病院,ごみ焼却場といったように,明らかに木造とは考えられず,鉄筋造りでしかも巨大な建造物も含まれているのであって,鉄筋造りの建造物用を除外して市場占有率を算定することについては疑問がある。そして,鉄筋造りの巨大な建造物には大量のジョイントボックスが使用されることが想定されるから,この場合には,原告が主張するように市場占有率の誤差が10%や20%にとどまらず,原告商品の市場占有率の数値がかなり小さくなることが十\分考えられる。そうすると,需要者が本願商標につき原告商品との認識を持つことが可能という法3条2項の要件を充足することは困難である。\n

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平成24(行ケ)10359 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年05月29日 知的財産高等裁判所

 商3条2項の主張を認めなかった審決が維持されました。
 上記認定事実によれば,「マッサージクッション」の文字からなる本願商標について,「使用された結果,需要者において,原告の業務に係る商品であると認識することができるもの」と判断することはできない。その理由は,以下のとおりである。すなわち,(1) 一般の家庭用電気マッサージ器等の製造,販売に係る取引者,需要者において,「マッサージクッション」の語は,「手軽に持ち運べて,クッションとしても使えるマッサージクッション。」等の用例にみられるように,「クッション形状のマッサージ器」を意味する普通名詞として用いられている。また,各製造者等において自社製品を宣伝広告する場合,及びネット販売業者において各社の商品を紹介する際に,当該商品の出所を示す必要がある場合には,「マカロンマッサージクッション・MC−301」,「オムロン クッションマッサージャHM−341−BW ブラウン」,「クロシオ マッサージクッション シフォン チョコレート CH−301−CH」など,商標等の出所表示を付加して使用することが通例である。(2) 本件商品に関する原告の宣伝広告及びテレビ,雑誌,新聞等における商品紹介をみると,「ルルド マッサージクッション」と表示される例が多い。また,原告は,「ルルド」シリーズで本件商品を含む各種家庭用マッサージ器のほか,バランスツール,ベッド等を販売しているが,本件商品の包装箱,取扱説明書,カタログや原告のウェブサイトには,四角で囲まれた図形及び欧文字「Lourde」の組合せからなり登録商標を示す「R」を併記した「ルルド標章」も表\示されている。(3) 以上の事実経緯に照らすならば,本件商品の包装箱,取扱説明書,カタログや原告のウェブサイトにおける本件商品の表示に接した需要者は,「ルルド」ないし「ルルド マッサージクッション」等により,本件商品の出所が原告であると認識しているのであって,「マッサージクッション」のみによって,出所が原告であると認識することはないと解するのが合理的である。なお,本件商品の包装箱やカタログには,「Massage」及び「CUSHION(Cushion)」と表示されているが,包装箱やカタログにはルルド標章も付されていることや,包装箱とカタログ以外では,欧文字の表\示はほとんど使用されていないことからすると,このことから,「マッサージクッション」の表示のみで本件商品の出所を認識することができるということはできない。原告は,本件商品の販売数及び小型マッサージ機器のマーケットシェアが50パーセントを超えること等の点を主張する。しかし,そのような事実から,「マッサージクッション」の語が,使用された結果,需要者において,原告の業務に係る商品であると認識することができるものと解することは到底できず,この点の原告の主張は採用の限りでない。その他,原告は縷々主張するが,いずれも理由がない。以上のとおり,本願商標は商標法3条1項3号に該当し(当事者に争いがない。),同条2項に該当するとは認められない。\n

◆判決本文

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平成24(行ケ)10317 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年04月24日 知的財産高等裁判所

 指定商品・サービスとの関係で、商標「MOKUMEGANEKOUBOU」は、3条1項3号違反である(識別性なし)とした審決が維持されました。
 認定した事実に基づいて,商標法3条1項6号への該当性について判断する。(1)以上の事実認定を踏まえると,本願商標に接した需要者は,指定商品及び指定役務(14類「キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾品,イヤリング,ペンダント,指輪,宝石ブローチ,宝玉及びその模造品」,40類「金属の加工,身飾品の加工」)との関係では,本願商標から,「木目金・杢目金(色の異なる金属を幾重にも重ね合わせたものを彫って鍛えた金属工芸品)の仕事場」程の意味を想起すると解するのが自然である。そうすると,本願商標は,指定商品及び指定役務の内容を説明する語によって構成された商標であると解されるから,商標法3条1項6号所定の「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することはできない商標」に該当するというべきである\n

◆判決本文

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平成24(行ケ)10285 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年01月24日 知的財産高等裁判所

 商標「あずきバー」について、使用による識別性が認められました。また、使用していた商品がアイス菓子で、指定商品が「あずきを加味してなる菓子」についても問題なしと判断されました。
 ある標章が商標法3条2項所定の「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるもの」に該当するか否かは,出願に係る商標と外観において同一とみられる標章が指定商品とされる商品に使用されたことを前提として,その使用開始時期,使用期間,使用地域,使用態様,当該商品の販売数量又は売上高等,当該商品又はこれに類似した商品に関する当該標章に類似した他の標章の存否などの事情を総合考慮して判断されるべきである。イ これを本件についてみると,原告は,昭和47年に,「あずきバー」という商品名のあずきを加味してなる棒状の氷菓子(本件商品)の販売を開始し,本件審決の時点に至るまで,全国の小売店等でその販売を継続しており,その販売数量も,平成17年度に1億3700万本,平成19年度に1億7700万本,平成21年度に1億9700万本,平成22年度に2億5800万本となっている。また,原告は,毎年7月1日を「井村屋あずきバーの日」と定め,平成元年以来,本件商品について中断を挟みながらも本件審決の時点に至るまでテレビコマーシャルを放映しており,その放映料は,少なくとも平成20年以降,毎年1億2000万円を超えているほか,新聞その他の媒体等を通じて全国で広告を実施している。原告は,本件商品の発売以来,本件商品の包装に原告の会社名とともに,本件ロゴ書体,これを横書きにしたもの又はこれと社会通念上同一と見られる標章を付しており,上記の宣伝広告等においても当該包装が映った写真又は映像を使用することが少なくなく,当該宣伝広告等においては,ほぼ常に原告の会社名を重ねて紹介している。このような本件商品の販売実績及び宣伝広告実績により,本件審決の時点までには,「あずきバー」との語でインターネット上の検索を行うと,表示される多数のウェブページではいずれも本願商標が原告の製造・販売に係る本件商品を意味するものとして使用されているほか,原告とは直接の関係が認められない著者により,「あずきバーはなぜ堅い?」との表\題の書籍(平成22年7月16日刊行)が執筆・出版されるに至っている。以上のような本件商品の販売実績及び宣伝広告実績並びにこれらを通じて得られた知名度によれば,本件商品の商品名を標準文字で表す「あずきバー」との商標(本願商標)は,本件商品の販売開始当時以来,原告の製造・販売に係る本件商品を意味するものとして取引者,需要者の間で用いられる取引書類等で全国的に使用されてきたことが容易に推認され,本件審決当時でも,本件商品を意味するものとして価格表\や取引書類等で現に広く使用されている。(以上につき,甲1〜31,33〜35,37〜57,63〜67)
ウ なお,「あずきバー」との商標は,証拠上確認できる範囲内では,原告以外に3社が自社の商品に使用しているが,いずれも,「玄米あずきバー」(乙20),「十勝あずきバー」(乙21)及び「セイヒョー金太郎あずきバー」(乙22)という各商品の名称の一部として使用されているものである。しかも,これらのうち,「セイヒョー金太郎あずきバー」も,自社名を商品に付していることで差別化を図っていることがうかがえるばかりか,「玄米あずきバー」の広告ウェブページには,「ライバルは井○屋!!」との大きな記載があり,原告と本件商品との関係を強く意識した内容となっており,このことは,とりもなおさず本件商品が原告の製造・販売に係る商品として高い知名度を獲得していることを裏付けるものであるといえる。エ 以上のとおり,本件商品は,「あずきを加味してなる菓子」に包含される商品であるところ,遅くとも本件審決の時点において,我が国の菓子の取引者,需要者の間で原告の製造・販売に係る商品として高い知名度を獲得しているものと認められ,これに伴い,本件商品の商品名を標準文字で表す「あずきバー」との商標(本願商標)は,「あずきを加味してなる菓子」(指定商品)に使用された結果,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものと認められる。\n
・・・
イ 被告は,本願商標の指定商品がアイス菓子に限定されないのに,原告がアイス菓子以外の「あずきを加味してなる菓子」について本願商標を使用していないから,本願商標が実際に使用している商品と指定商品が同一ではないと主張する。しかしながら,本願商標の指定商品は,「あずきを加味してなる菓子」として特定されているところ,本件商品は,アイス菓子ではあるものの,「あずきを加味してなる菓子」であることに変わりはなく,かつ,本願商標は,前記に認定のとおり,使用をされた結果需要者が原告の業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものと認められるから,商標法3条2項の要件を満たすといって妨げはないのであって,上記のように特定された本願商標の指定商品を更にアイス菓子とそれ以外に区分して判断すべき理由はない。
・・・・
被告は,本願商標が「あずきを原材料とするアイス菓子」を認識させるから,それ以外の商品に使用するときにはその商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあると主張する。しかしながら,ある商標が品質について誤認を生じさせるおそれがあるか否かは,当該商標の構成自体によって判断すべきところ,本願商標は,それ自体から「あずきを原材料とするアイス菓子」を直ちに認識させるものではないから,被告の上記主張は,失当である。\n

◆判決本文

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平成24(行ケ)10323 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成25年01月10日 知的財産高等裁判所

 識別性無しとした審決が維持されました。
 本願商標は,指定商品「スプレー式の薬剤」において,右手にスプレーを持ち,首筋から背中にかけてスプレーを噴霧して,薬剤を使用している人物の様子を表した図形である。前記(3)認定のとおり,薬剤及び薬剤と需要者の共通性が高い化粧品や衛生用品等の分野において,その商品の用途や使用方法等を説明するために,商品の包装用箱等に商品を身体の特定の部位に使用している人物を示す図を用いることは,広く一般的に行われており,このことはスプレー式の商品についても同様である。そうすると,本願商標をスプレー式の薬剤に使用する場合に,商品の用途や使用方法等を説明するための記述的な表示と理解されることがあり得るから,そもそも,本願商標が自他商品の識別標識として機能\するとは限らない。イ スプレー式の薬剤を使用している様子を図示する方法は,多様にあり,人物の描写,背中等身体の部位の見せ方,スプレーの噴射方法等において差異があり得るものの,現に,背中に生じるニキビ用の薬用化粧品について,手にスプレーを持ち,首筋から背中にかけてスプレーを噴霧して,薬剤を使用している人物の様子を表した図形からなるものが存在することは,前記(3)ア認定のとおりである。そのうち,背中に生じるニキビ用の薬用化粧品である「アクネスラボ ボディローション」の包装用箱に付された図形は,本願商標と同様に,人物の顔の表情は見えず,胸から上の上半身を背中側から表\し,その首筋から背中にかけて手に持ったスプレーを噴霧する様子が描かれており,スプレーを持つ手が右手か左手かが異なり,顔の一部が切れている等の相違はあるものの,本願商標に類似するものである(乙31)。また,背中に生じるニキビ用の薬用化粧品である「プロフェール 薬用ゴールデンスムーサー」の容器に付された図形は,人物の頭部の下方部分から,腰より上の上半身を,背中側から表し,その肩から下の背中にかけて手に持ったスプレーを噴霧する様子が描かれており,スプレーの持ち方や表\現された身体の部位等が異なるものの,全体として,本願商標に類似するものである(乙32)。ウ 以上のように,スプレー式の薬剤及び薬剤と需要者の共通性が高い化粧品や衛生用品等の分野において,その商品の用途や使用方法等を説明するために,商品の包装用箱等に,商品を身体の特定の部位に使用している人物を示す図を用いることは,広く一般的に行われていること,上記のような図は,現に,背中に生じるニキビ用の薬用化粧品について,本願商標に類似の図形からなるものが存在するなど,一般的に使用される標章であることに照らすと,本願商標は,「スプレー式の薬剤」について特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに,自他商品の識別力を欠き,商標としての機能を果たし得ないものであるといわざるを得ない。\n

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