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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

意匠その他

平成21(ワ)37962  商標権 平成25年10月10日 東京地方裁判所 

 ディアンジェリコ・ギターのレプリカバージョンの製造販売について、商標,意匠に関する権利を有するか否かが争われました。裁判所は原告にそのような権利を有していないと判断しました。
 ディマール・ギターズ社がAの死後に商標,意匠に関する権利を含むディアンジェリコ・ギターについての諸権利を有していたことは当事者間に争いがないが,原告が平成元年にディマール・ギターズ社の代表者Dから全世界に及ぶディアンジェリコ・ギターのブランド,デザインの全ての権利を取得したことについては,これを認めるに足りる証拠がない。もっとも,証拠(甲57,58)によれば,原告は,平成元年頃に,Dとの間で,D’Angelicoの標章の使用について交渉をしたことが認められるところ,原告は,そのころから原告レプリカモデルを製造販売しているものである。しかしながら,標章の使用について,両者間で合意したことを証するような契約書等が作成された形跡はないし,証拠(甲1,乙2)及び弁論の全趣旨によれば,原告の会長であったF(以下「F」という。)は,1993年(平成5年)2月11日,D夫人との間で,同人をディマール・ギターズ社の権利承継人であるとして,Fがロイヤリティを支払って,D’Angelicoの商標権,ロゴ及び意匠権等を譲り受けるとの内容の契約を締結したこと,原告は,1999年(平成11年)4月27日頃,GHS社との間で,同社が米国でのD’Angelicoの名称を保有していることを認めて,同社から北米でのD’Angelicoの名称をギター等の楽器に使用することのライセンスの供与を受けたことが認められ,これらの事実によると,Fや原告は,原告が平成元年にDから全世界に及ぶディアンジェリコ・ギターのブランド,デザインの全ての権利を取得したことと相容れない行動に出ているのであるから,上記事実をもって,原告がディアンジェリコ・ギターのブランド,デザインの全ての権利を取得したと認めることはできない。\n

◆判決本文

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平成23(ワ)14336 意匠権侵害行為差止等請求事件 意匠権 民事訴訟 平成25年09月26日 大阪地方裁判所

 販売不可事情があるとして、意匠法39条1項(特102条1項に対応)の損害額が85%控除されました。
 意匠法39条1項を適用して損害額を算定するに当たっては,侵害品の譲渡数量の全部又は一部に相当する数量を意匠権者が販売することができないとする事情があるときは,当該事情に相当する数量に応じた額を控除するものとされる(意匠法39条1項但し書)上,意匠権者の実施品の利益に対する登録意匠の寄与した度合によっては,損害額の全部又は一部を減額すべきものと解される。ア そこで検討するに,前記3において,本件意匠部分2の要部に関して論じたとおり,原告製品は,「正面視が略横長長方形状で,平面視で右辺から左辺に背面側へ傾斜」(構成態様A2)し,その「傾斜する角度が前後方向の直線に対して約75°」(構\成態様C2)であることにより,正面からだけでなく,左側面からもその表示を視認しやすい点に特徴があり,その広告宣伝においても,「横から見てもこんなに見やすい!!」「横顔に自信アリ。」などと強調されている(甲141,乙24)。しかし,前記2及び3で論じたとおり,構\成態様A2及びC2は,乙7意匠によって公然知られた形態をありふれた手法で若干変更したにとどまるもので,この部分が原告製品の売上げや利益に寄与していたとしても,これをもって本件意匠部分2の寄与と見ることはできない。本件意匠部分2の創作性が肯定されるのは,あくまで上記態様に,「7個のセグメントが略8の字状に2個横並びで突出して配置」(構成態様E2)(構\成態様E2)との形状を組み合わせているからであり,本件意匠部分2の寄与度としても,このような組み合わせの形態であることによる寄与度を考えるべきである。この点,構成態様A2及びC2に,略8の字状のセグメントが突出する形状を組み合わせることで,数値等の情報表\示部の視認性がより高められており(甲141,乙24),一定の需要喚起効があるものといえるが(甲111),上記のとおり,構成態様A2及びC2は公然知られた形態をありふれた手法で若干変更したにとどまること,本件意匠部分2は正面視で左側部分のみの部分意匠であること,原告製品の広告宣伝(甲141,乙24)において,本件意匠部分2に係る部分とは異なるスイッチ部や液晶のデータ表\示部の機能なども強調されており,意匠のみを差別化要因とする製品ではないことからすれば,本件意匠部分2の寄与度は,相当限定的に見ざるを得ない。イ また,被告製品は,遊技機に関する数値情報等を表示し,遊技者などに伝達するとの用途及び機能\を備える点において,原告製品と共通するとはいえ,被告の販売する呼出ランプ「エレクスランプ」が遊技機に接続されていることを前提として設置される付属品である(乙3,25〜27,37)。この点において,他の機器を前提とすることなく遊技機と接続可能な呼出ランプである原告製品(甲141,乙24)との違いがあり,被告製品3996台の販売がなかったとしても,その前提となる「エレクスランプ」の販売台数も同台数だけ連動して減少し,同じく呼出ランプである原告製品の販売が同台数増加することまではなかったといえる。ウ 以上の事情に照らし,意匠法39条1項による原告の損害額算定としては,同項本文に従って求められた1924万0740円から,その85%に当たる1635万4629円を控除するのが相当であり,288万6111円と算定される。

◆判決本文

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平成24(ワ)6771 意匠権侵害差止等請求事件 意匠権 民事訴訟 平成25年08月22日 大阪地方裁判所

墓の意匠について、非類似を理由に、意匠権侵害なしと判断されました。
ア 共通点
本件意匠と被告意匠を対比すると,矩形部分と庇部分とで構成されていること,矩形部分の上面には,前方に向かって開口するオメガ状の縁取りが設けられており,オメガ状の縁取りの内側は隆起していること,庇部分が重層構\造であること,右側面視では,向かって左下(前方の庇部分)から右上(後方の矩形部分)に傾斜していることが共通である。
イ 差異点
本件意匠の庇部分は,左右両端が亀の甲羅の形状をした隆起部の周囲(底辺)の線と連続している(したがって,庇部分の横幅は,上記隆起部の横幅と変わらない。)のに対し,被告意匠の庇部分は,その横幅が後方の矩形部分よりも長い。庇部分の形状を比べると,本件意匠ではその中央のみが湾曲しているのに対し,被告意匠では庇部分の全幅にわたって全体的に湾曲している。また,被告意匠の庇部分は,矩形部分の横幅よりも相当程度外方に延伸しており,両端の先端部が上方に向かって尖っている。本件意匠の庇部分が3層構造であるのに対し,被告意匠の庇部分は2層構\造である。被告意匠のオメガ状の縁取りの先端には,本件意匠にはない半球状の突起物が付されており,本件意匠のオメガ状の縁取りが幅広で扁平な印象を与えるのに対し,被告意匠の縁取りは,細く,高い印象を与える。亀の甲羅の形状をした隆起部について,その隆起の程度は,本件意匠よりも被告意匠の方が相当に大きく,球体により近いものである。
ウ 判断
前記(3)ウで検討したところによれば,前記アの共通点に係る構成は,亀甲墓の屋根が一般的に備える構\成である。しかも,これらの構成の範囲でみても,前記イのとおり,被告意匠のオメガ状の縁取りの先端には,本件意匠にはない半球状の突起物が付されており,オメガ状の縁取りの幅も本件意匠と比べて細く,亀の甲羅の形状をした隆起部についても,隆起の程度,形状が異なるという差異点があり,これらの差異点は本件意匠と被告意匠とを対比した場合に明らかなものである(これらの差異点に係る被告意匠の具体的構\成態様及びそこから生じる美感は,本件意匠よりも各公知意匠に共通するものである。)。次に,前記イの差異点についてみると,被告意匠は,本件意匠の要部である,庇部分の左右両端がオメガ状の縁取りに囲まれた亀の甲羅の形状をした隆起部の周囲(底辺)と連続していること(その結果,庇部分の横幅が,上記隆起部の横幅と同程度となる。),庇部分の中央が上方に湾曲した(唐破風様)3層構造であることの2構\成を備えていない。したがって,両意匠が要部において構成態様を共通にするものであるとはいえない。また,前記(3)ウで述べたとおり,正面視の意匠は,需要者の注意を相当惹き付けるものであり,全体の美感に大きく影響するところであるが,被告意匠の庇部分は矩形部分の幅よりも相当程度外方に延伸しており,両端の先端部が上方に向かって尖っている点において,本件意匠の庇部分と対比すると,正面視の美感が一見して異なっている。これらのことからすれば,被告意匠と本件意匠は,要部において構成態様を共通にするものであるとはいえないし,上記のとおり矩形部分の構\成についても看過できない差異点があり,全体として美感を共通にするものであるともいえない。したがって,被告意匠は,本件意匠に類似するものであるとは認めることができない。

◆判決本文

◆関連事件です。平成24(ワ)6772

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平成23(ワ)10389  意匠権 民事訴訟 平成25年01月24日 大阪地方裁判所

 冒認の意匠出願に基づくロイヤリティーの支払いの争いです。経緯は複雑です。原告によって被告の意匠は無効とされましたが、原告に対するロイヤリティーの支払いは認められませんでした。
 原告は,同年8月,本件意匠の基となる道路灯の意匠をいくつかのパターンで被告に提供した(甲5・A−1〜5,C−1〜5)。被告は,前記第2の1(3)のとおり,原告から提供を受けた意匠を基にした本件意匠について,被告従業員を創作者,被告を権利者とする意匠登録出願を行ったが,原告は,被告に提供した意匠と実質的に同一の意匠について,平成11年10月5日,知的所有権協会の「知的所有権(著作権)登録」制度への登録を行った(乙6)。なお,原告が被告に提供した意匠について,被告は原告に道路灯のデザインの委託,参考資料の提供を行ったものの,具体的な意匠の指示をしたとまでは認められず,その創作者は原告というべきである。また,本件意匠は,原告が被告に提供した意匠と完全に同一ではないものの,同意匠の持つ独自の形態的特徴をそのまま有する実質的に同一の意匠であるから,その創作者は原告というべきである。
・・・・
 (ア) 原告は,平成18年1月30日,被告に対し,本件意匠の創作者は原告であるとして金銭の支払を求めたところ,被告は,同年2月,本件意匠につき原告が最初にデザイン製作にかかわったのは事実であるが,最終形のデザインは複数の設計担当者による検討過程から生まれており,創作者は開発に主に携わった被告担当者であること,仮に原告が創作者であるとしても,実施品の販売実績は伸びておらず,本件意匠の販売実績への寄与度も低いため,既払いの委託業務料に付加するには及ばない旨回答した(甲6)。(イ) 原告は,平成19年6月,被告に対し,本件意匠権を含む4件の意匠権について,創作者は原告であって冒認出願である旨主張して,権利の持分譲渡及びロイヤリティーの支払を検討するよう申し入れ(乙10),その後,前記第2の1(3)ウのとおり,本件意匠登録を無効とする審決を得た。
・・・
 原告は,本件条項について,被告の冒認出願により登録されていた本件意匠を念頭にロイヤリティーの支払を規定したものである旨主張する。しかしながら,前記認定したところによれば,原被告間の契約は雇用契約ではなく請負契約であり,原告が成果物を被告に引き渡し,被告が定められた報酬を原告に支払えば,被告は成果物についての権利を取得し,これを実施して利益を得たとしても原告にさらに報酬やロイヤリティーを支払う関係にはない。また,平成3年頃から平成13年頃までの間,被告は毎月一定の委託業務料を支払っていたところ,配線用ダクト及び光害対策型街路灯については,原被告間での個別の協議により,被告が特許出願,意匠登録出願を行い,当該意匠,発明が将来被告の業績に大きく貢献した場合には,原被告間の請負契約の条件で考慮する旨の合意がなされたが,その趣旨は,月額の委託業務料とは別に,原告に報酬やロイヤリティーを支払うとの趣旨ではなく,原告の創作等が被告の業績に大きく貢献した場合には,次期の契約における月額の委託業務料の定め方において考慮する旨を定めたものと解するのが合理的である。
・・・
 以上の事実関係によれば,被告は,配線用ダクトの意匠,発明及び光害対策型街路灯の意匠について,被告の業績に大きく貢献した場合には次期の契約条件で考慮する旨を約したにもかかわらず,契約関係の解消により,次期の委託業務料等に反映することができなくなるため,契約終了後も,これら意匠等が被告の業績に大きな貢献をしたことが具体的に検証できる場合には,何らかの金員の支払を検討することとし,これをロイヤリティーと表現したものと解するのが相当である。したがって,本件条項は,本来,配線用ダクト及び光害対策型街路灯に関するものであって本件意匠に関するものではなく,仮にその趣旨が本件意匠に及ぶとしても,そこにいう「具体的に検証できる場合」について,原告が主張するように,被告が実施する意匠の創作者が原告であると立証された場合のことであると解すべき理由はない。また,前記認定のとおり,原告のした創作,発明等の成果物について,請負契約の趣旨により,被告は当然にこれを実施する権利を有すると解されるから,被告が本件意匠の実施品を販売した数量に応じて,原告にロイヤリティーを支払うべき理由もないといわざるを得ない。\n

◆判決本文

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