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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

意匠認定

 平成20(ワ)8761 意匠権侵害差止等請求事件 意匠権 民事訴訟 平成22年08月26日 大阪地方裁判所

 登録意匠と類似するとして意匠権侵害が認定されました。最近は判決文にイ号とともに登録意匠も表示されるのでわかりやすいですね。
 前記アのとおり,本件登録意匠2と被告旧座金意匠は,上下面の中央を貫通して略円筒状にくり抜かれたICタグの収容孔を形成している点,収容孔の一端から外側面へ通じる垂直状の細幅の切り込み部を形成している点,収容孔の上面の口径を小さくしている点,外側面に略コ字状に凹む細溝を水平状に周回させている点で共通している。そして,これらの共通点は,いずれも本件登録意匠2を特徴づけるものであり,その視覚的効果は,意匠全体として,両意匠に共通した美感を起こさせるものである。
(イ) 差異点について
一方,前記イのとおり,両意匠は,収容孔の縮径の程度(差異点(ア)),上面側における収容孔と切り込み部分からなる形状(差異点(イ)),外側面の溝の位置(差異点(ウ))を異にする。しかしながら,差異点(ア)は,視覚的に十分識別できる程度の違いであるとはいえ,上面と底面を同時に見ることはできないから,看者はこれを,収容孔の縮径として捉える以上に,上面における収容孔と切り込み部の形状,底面における収容孔と切り込み部の形状として,それぞれ独立して認識すると考えられる。そうすると,前者は差異点(イ)に収斂されるし,後者は,通常の観察方向である斜め上方から観察た場合に得られる印象と比べ,看者に与える印象の度合いが小さいため,全体的な美感に影響を及ぼさないといえる。そして,差異点(イ)は,結局のところ,上下面を貫通する収容孔においてICタグが上に抜け出ないように段差を設けた結果,収容孔上面における口径の大きさを異にし,切り込み部との組み合わせにおける大きさの比率を異にしているものに過ぎず,むしろ,上下面の中央を貫通して略円筒状にくり抜かれた収容孔を形成している点(共通点(ア))や,収容孔の一端から外側面へ通じる垂直状の細幅の切り込み部を形成している点(共通点(イ))が,その新規性と相まって,看者に強い印象を与えているといえ,収容孔と切り込み部の大きさの比率及びその結果としての上面における形状の差異(鍵穴型をイメージするか否か)が,この印象を凌駕するほど大きなものであるとは認めがたい。さらに,差異点(ウ)も,視覚的に識別できる程度の違いとはいえ,外側面に細溝を水平状に周回させるという点(共通点(エ))の方がより特徴的で,需要者の注意を惹く態様であり,この共通点を超えて,上記差異点(ウ)が格別異なる印象を看者に与えるものではない。なお,被告が主張する,ICタグの存在により,原告座金と被告旧座金の混同が生ずるおそれがないとの点は,意匠自体の類否を判断するにあたって考慮されるべき要素ではない。

◆判決本文

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平成21(行ケ)10208 審決取消請求事件 意匠権 行政訴訟 平成22年06月30日 知的財産高等裁判所 

 ディンプルが六角形のゴルフボールについての意匠登録を無効とした審決が維持されました。被告(審判請求人)は、その商品を販売しているキャロウェイゴルフです。意匠権者は警告等したのでしょうか。

◆判決本文

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