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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

均等

◆平成19(ネ)10096 不正競争行為差止等請求控訴事件 不正競争民事訴訟 平成20年04月23日 知的財産高等裁判所

   予備的主張として、均等による特許権侵害を主張しましたが、「本質的要件」および「置換可能\性」を有していないとして、認められませんでした。
 「以上を総合すると,?@上記cのとおり,本件特許明細書には,カキ殻を利用したことによる利点が具体的に記載されていること,?A本件特許出願前には,「プラスチック製筺体を枠状に組んで連結した人工漁礁」(乙17公報)や「カキ殻を利用した人工魚礁」(乙16公報)は知られていたものの,本件特許発明のようなものは知られていなかったこと,?Bそのため,控訴人は,上記eのとおり,本件特許の出願経過において,本件特許発明について,乙16公報記載の発明との関係では,枠体に通水性ケースを取り付ける形状に特徴があることを,乙17公報等記載の発明との関係では,カキ殻を利用したことに特徴があることを主張していたことが認められる。そうすると,本件特許発明については,通水性ケースを複数個集合して壁又は柱を構築するとともに,鋼製又はコンクリート製の枠体(3),板体又はブロック体の構造物で補強結合したという点のみならず,カキ殻を利用したという点についても,本件特許発明に特有の課題解決手段を基礎付ける特徴的な部分であるということができる。h 以上のとおり,被告製品21M型の「ホタテ貝殻」は,本件特許発明の構成要件Aの「カキ殻」とは,本件特許発明の本質的部分において相違しており,上記(ア)の均等が認められる要件のうち?@は認められない。・・・(エ) 以上のとおりであるから,その余の均等が認められる要件(上記(ア)?B〜?D)について判断するまでもなく,被告製品21M型の「ホタテ貝殻」は,本件特許発明の構成要件Aの「カキ殻」の均等物であるということはできない。」h 以上のとおり,被告製品21M型の「ホタテ貝殻」は,本件特許 発明の構成要件Aの「カキ殻」とは,本件特許発明の本質的部分において相違しており,上記(ア)の均等が認められる要件のうち?@は認められない。 ・・・(エ) 以上のとおりであるから,その余の均等が認められる要件(上記 (ア)?B〜?D)について判断するまでもなく,被告製品21M型の「ホ タテ貝殻」は,本件特許発明の構成要件Aの「カキ殻」の均等物であるということはできない。」

◆平成19(ネ)10096 不正競争行為差止等請求控訴事件 不正競争民事訴訟 平成20年04月23日 知的財産高等裁判所

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 >> 均等
 >> 第1要件(本質的要件)
 >> 第2要件(置換可能性)

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◆平成19(ワ)12631 特許権侵害差止等請求事件 特許権民事訴訟 平成20年03月28日 東京地方裁判所

   一部の発明について、均等侵害が争われました。裁判所は第1要件、第3要件を満たしていないとして これを否定しました。
  「(ア) 本件実用新案権2明細書の・・・の記載によれば,本件考案2は,リフト部材と支持部 材との間にリフト部材の高さを調節する調節手段を設け,この調節手段を調節する ことにより,リフト部材の自由端側が支持部材に対する軸支個所を支点に上下して その高さが変化し,リフト部材にその後部を取り付けた原稿圧着板の取付位置を変 化させ,もって,従来のような煩雑な手段によらずに原稿圧着板とコンタクトガラ スとの間の浮きを調節することができるという作用効果を奏するものと認められる。 (イ) そうすると,本件考案2の本質的部分は,リフト部材と指示部材との間に 設けた調節手段によってリフト部材の高さを調節することにより,原稿圧着板とコ ンタクトガラスの浮きを調節することができるようにした点にあると認められる。 (ウ) 原告は,高さ調節手段を取り付ける位置は本件考案2の本質的部分ではな い旨主張するが「リフト部材の高さ, を調節する調節手段」というだけでは,従来 の調節作業に用いられていたとされる「調節プレート」(本件実用新案権2明細書 【0003】)との差異が明らかでなくなるから,その取付位置を除外しようとす る原告の上記主張は,採用することができない。 ・・・ (ア) 本件実用新案権2明細書には,リフト部材にくの字形状の取付板を固着し, それに調節手段であるエキセンピンを設ける実施例(【0011】)や,リフト部材 又は支持部材の背板に調節手段を設ける実施例(【0013】)が記載されているが, ヒンジピンに着目して,同所に高さ調節手段を設けることを示唆する記載は見いだ せない。 (イ) 支持部材やリフト部材は,板状の材料で構成されていると認められるから,そこに高さ調節手段を設置するには,くの字形状の取付板のような取付手段を介在\nさせたり,雌ねじ部分の厚さを確保するために板状の材料を厚くするなどの工夫が 必要であると認められる。(ウ) これに対し,ヒンジピンに高さ調節手段を設けるとすれば,その直径の大 きさから,取付手段などを要することなく,雌ねじ部分の厚さを確保することは容 易ではある。 (エ) しかし,ヒンジピンは本来自由に回転するものであるから,ヒンジピンに 高さ調節手段を設けるとすれば,ヒンジピンの一端部側に角状部6aを設け,この 角状部6aを支持部材5の一方の側板5bに形成された角孔5dに係合させること により,回転しないようにするなどの工夫が必要となる。 ウ まとめ これらの事実によれば,高さ調節手段をヒンジピン6に設けた被告製品(3)及び (4)は,本件考案2とは技術思想を異にし,均等の第1要件(本質的部分)を欠き, しかも,均等の第3要件(置換容易性)を欠くと認められる。」 

◆平成19(ワ)12631 特許権侵害差止等請求事件 特許権民事訴訟 平成20年03月28日 東京地方裁判所

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 >> 第3要件(置換容易性)

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