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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

第1要件(本質的要件)

平成29(ネ)10038  損害賠償請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成29年11月28日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 CS関連発明について、1審と同じ理由で、技術的範囲に属しない、均等侵害も否定されました。
 前記イを踏まえて,構成要件Eの「入力手段を介してポインタの位置を\n移動させる命令を受信すると…操作メニュー情報を…出力手段に表示する」を検討\nすると,「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信する」とは,タ ッチパネルを含む入力手段から,画面上におけるポインタの座標位置を移動させる 命令(電気信号)を処理手段が受信することである。そして,利用者がマウスにお ける左ボタンや右ボタンを押す操作に対応する電気信号ではなく,マウスにおける 左ボタンや右ボタンを押したままマウスを移動させる操作(ドラッグ操作)に対応 する電気信号を,入力手段から処理手段が受信することを含むものである。また, 本件発明1は,利用者が入力手段を使用してデータ入力を行う際に実行される入力 支援コンピュータプログラムであり,利用者が間違ってマウスの右クリックを押し てしまった場合等に利用者の意に反して画面上に操作コマンドのメニューが表示さ\nれてしまう等の従来技術の課題を踏まえて,システム利用者の入力を支援するため, 利用者が必要になった場合にすぐに操作コマンドのメニューを画面上に表示させる\n手段を提供することを目的とするものである。 そうすると,「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信する」と は,タッチパネルを含む入力手段から,画面上におけるポインタの座標位置を,入 力支援が必要なデータ入力に係る座標位置(例えば,ドラッグ操作を開始する座標 位置)からこれとは異なる座標位置に移動させる操作に対応する電気信号を,処理 手段が受信することを意味すると解するのが相当である。 そして,前記第2の1(3)イのとおり,本件ホームアプリにおいて,控訴人が「操 作メニュー情報」に当たると主張する左右スクロールメニュー表示は,利用者がシ\nョートカットアイコンをロングタッチすることにより表示されるものであるが,ロ\nングタッチは,ドラッグ操作などとは異なり,画面上におけるポインタの座標位置 を移動させる操作ではないから,入力手段であるタッチパネルからロングタッチに 対応する電気信号を処理手段が受信することは,「入力手段を介してポインタの位置 を移動させる命令を受信する」とはいえない。 したがって,ロングタッチにより左右スクロールメニュー表示が表\示されるとい う本件ホームアプリの構成は,構\成要件Eの「入力手段を介してポインタの位置を 移動させる命令を受信すると…操作メニュー情報を…出力手段に表示する」という\n構成を充足するとは認められない。\n
エ 控訴人は,本件ホームアプリでは,タッチパネルに指等が触れると,「ポ インタの座標位置」の値が変化し,「カーソル画像」もこの位置を指し示すように移\n動するところ,ロングタッチは,タッチパネルに指等が触れるといった動作を含む から,被控訴人製品の処理手段はロングタッチにより「『ポインティングデバイスに よって最後に指示された画面上の座標』を移動させる命令」を受信するといえ,本 件ホームアプリは,「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信する」 という構成を有していると主張する。\nしかし,本件ホームアプリにおいて,ロングタッチに含まれるタッチパネルに指 等が触れることに対応して,ポインタの座標位置を,「ポインティングデバイスによ って最後に指示された画面上の座標」位置から,指等がタッチパネルに触れた箇所 の座標位置に移動させることを内容とする電気信号が生じる(甲7の1・2)とし ても,前記ウのとおり,ロングタッチは,画面上におけるポインタの座標位置を移 動させる操作ではないから,上記電気信号は,画面上におけるポインタの座標位置 を移動させる操作に対応する電気信号とはいえない。また,「ポインティングデバイ スによって最後に指示された画面上の座標位置」は,ロングタッチの直前に行って いた別の操作に係るものであり,入力支援が必要なデータ入力に係る座標位置では ないから,上記電気信号は,画面上におけるポインタの座標位置を,入力支援が必 要なデータ入力に係る座標位置からこれとは異なる座標位置に移動させることを内 容とするものでもない。 そうすると,本件ホームアプリのロングタッチ又はこれに含まれるタッチパネル に指等が触れることに対応して,ポインタの座標位置を,「ポインティングデバイス によって最後に指示された画面上の座標」位置から,指等がタッチパネルに触れた 箇所の座標位置に移動させることを内容とする電気信号が生じることをもって,構\n成要件Eの「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信する」とい う構成を充足するとはいえない。\n オ 控訴人は,タッチパネルでは,指等が触れていれば継続的に「ポインタ の位置を移動させる命令」である「ポインタの位置を算出するためのデータ」を受 信し,「ポインタの位置」が一定時間,一定の範囲内に収まっている場合にはロング タッチであると判断されるから,ロングタッチを識別するために入力されるデータ 群には「ポインタの位置を移動させる命令」が含まれると主張する。 しかし,前記第2の1(3)イのとおり,本件ホームアプリは,ロングタッチにより 左右スクロールメニュー表示がされる構\成であるところ,ロングタッチは,継続的 に複数回受信するデータにより算出された「ポインタの位置」が一定の範囲内で移 動している場合だけでなく,当初の「ポインタの位置」から全く移動しない場合を 含むことは明らかであり(甲8),ロングタッチであることを識別するまでの間に「ポ インタの位置」を一定の範囲内で移動させることを内容とする電気信号は,前者に おいては発生しても,後者においては発生しないのであるから,そのような電気信 号をもって,構成要件Eの「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を\n受信する」という構成を充足するとはいえない。\n カ 以上によると,本件ホームアプリが構成要件Eを充足すると認めること\nはできない。
(2) 均等侵害の成否
ア 控訴人は,本件ホームアプリにおける「利用者がタッチパネル上のショ ートカットアイコンを指等でロングタッチする操作を行うことによって操作メニュ ー情報が表示される」という構\成は,「利用者がタッチパネル上の指等の位置を動か して当該ショートカットアイコンを移動させる操作を行うことによって操作メニュ ー情報が表示される」という本件発明1の構\成と均等であると主張する。 そこで検討すると,前記(1)ア及びイによると,本件発明1は,コンピュータシス テムにおけるシステム利用者の入力行為を支援する従来技術である「コンテキスト メニュー」には,マウスの左クリックを行う等するまではずっとメニューが画面に 表示され続けたり,利用者が間違って右クリックを押してしまった場合等は,利用\n者の意に反して画面上に表示されてしまうので不便であるという課題があり,従来\n技術である「ドラッグ&ドロップ」には,例えば,移動させる位置を決めないで徐々 に画面をスクロールさせていくような継続的な動作には適用が困難であるという課 題があったことから,システム利用者の入力を支援するための,コンピュータシス テムにおける簡易かつ便利な入力の手段を提供すること,特に,1)利用者が必要に なった場合にすぐに操作コマンドのメニューを画面上に表示させ,2)必要である間 についてはコマンドのメニューを表示させ続けられる手段の提供を目的とするもの\nである。 そして,本件発明1は,上記課題を解決するために,本件特許の特許請求の範囲 請求項1の構成,すなわち,本件発明1の構\成としたものであるが,特に,上記1) を達成するために,「入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことに よる開始動作命令を受信した後…において」(構成要件D),「入力手段を介してポイ\nンタの位置を移動させる命令を受信すると…操作メニュー情報を…出力手段に表示\nする」(同E)という構成を採用し,上記2)を達成するために,「利用者によって当 該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を受信するまで」(同 D),「操作メニュー情報を…出力手段に表示すること」(同E,F)を「行う」(同\nD)という構成を採用した点に特徴を有するものと認められる。\nそうすると,入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すること によってではなく,タッチパネル上のショートカットアイコンをロングタッチする ことによって操作メニュー情報を表示するという,本件ホームアプリの構\成は,本 件発明1と本質的部分において相違すると認められる。
イ 控訴人は,利用者がドラッグ&ドロップ操作を所望している場合に操作 メニュー情報を表示することが本質的部分であると主張する。\nしかし,前記(1)ア及びイのとおり,マウスが指し示している画面上のポインタ位 置に応じた操作コマンドのメニューを画面上に表示すること自体は,本件発明1以\n前から「コンテキストメニュー」という従来技術として知られていたところ,前記 (2)アのとおり,本件発明1は,この「コンテキストメニュー」がマウスを右クリッ クすることにより上記メニューを表示することに伴う課題を解決することをも目的\nとして,利用者が必要になった場合にすぐに操作コマンドのメニューを画面上に表\n示させるために,「入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによ る開始動作命令を受信した後…において」(構成要件D),「入力手段を介してポイン\nタの位置を移動させる命令を受信すると…操作メニュー情報を…出力手段に表示す\nる」(同E)という構成を採用した点に特徴を有するものと認められる。したがって,\n本件発明1において,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部\n分は,利用者がドラッグ&ドロップ操作といった特定のデータ入力を所望している 場合にその入力を支援するための操作メニュー情報を表示すること自体ではなく,\n従来技術として知られていた操作コマンドのメニューを画面に表示することを,「入\n力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令を受 信した後…において」(構成要件D),「入力手段を介してポインタの位置を移動させ\nる命令を受信する」(同E)ことに基づいて行うことにあるというべきである。 そうすると,入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すること によってではなく,タッチパネル上のショートカットアイコンをロングタッチする ことによって操作メニュー情報を表示するという,本件ホームアプリの構\成は,既 に判示したとおり,本件発明1と本質的部分において相違するというべきである。

◆判決本文

◆1審はこちら。平成28(ワ)10834


 

◆関連事件はこちら。平成29(ネ)10037

◆1審はこちら。平成28(ワ)13033

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平成29(ネ)10066  特許権侵害行為の差止等請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成29年12月5日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 知財高裁も、第1要件を満たさないとして均等侵害が否定されました。原審維持です。
 ア 第1要件について
(ア) 控訴人は,本件発明1の本質的部分は,本件各作用効果を奏する上で重要 な部分であるピンの前方部が後方部から斜め前方向に方向づけられ,第2壁面の前 方部に向かって延在している点にあるところ,ピンの前方部7aが第2壁面9の前 方部9aに接触することの有無は,本件各作用効果を奏するための必須の構成では\nないから,ピンの前方部7aが第2壁面9の前方部9aに接触している否かという, 本件発明1と被告製品の相違点は,本件発明1の本質的部分ではなく,被告製品は 均等の第1要件を充足する旨主張する。
(イ) 特許発明における本質的部分とは,当該特許発明の特許請求の範囲の記載 のうち,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分であると解\nすべきであり,特許請求の範囲及び明細書の記載に基づいて,特許発明の課題及び 解決手段とその効果を把握した上で,特許発明の特許請求の範囲の記載のうち,従 来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分が何であるかを確定す\nることによって認定されるべきである。 ・・・のとおり,本件発明1は,従来の固定手段では, ピンが作動可能位置から移動してしまうことで側面開口部を通る出口を見つけられ\nずにスリーブ内部で変形する危険性や,周囲の骨物質に移動するピンの前端部の部 分が有利に曲がった状態へ変形しない危険性があったことを従来技術における課題 とし,これを解決することを目的として,特許請求の範囲請求項1記載の構成,具\n体的には,ピン7の前方部7aが,ピンの後方部7eから第2壁面9に向かって斜 め前方向に延びて湾曲前端部7fに至り,案内面12に近接する第2壁面9の前方 部9aに至るようにすることを定めており,この点は,従来技術には見られない特 有の技術的思想を有する本件発明1の特徴的部分であるといえる。
(エ) 被告製品は,前記2(2)のとおり,構成要件Fの「(前方部(7a)は,)\nピンの後方部(7e)から斜め前方向に方向づけられて前記湾曲前端部(7f)に 至り,前記案内面(12)に近接する前記第2壁面(9)の前方部(9a)まで延 在する」との文言を充足しないから,本件発明1とは,その本質的部分において相 違するものであり,均等の第1要件を充足しない。
(オ) 控訴人の主張について
控訴人は,本件発明1の本質的部分は,本件各作用効果を奏する上で重要な部分 であるピン7の前方部7aが後方部7eから斜め前方向に方向づけられ,第2壁面 9の前方部9aに向かって延在している点にあり,ピン7の前方部7aの第2壁面 9の前方部9aへの接触の有無は本件各作用効果を奏するための必須の構成ではな\nく,上記相違点は本件発明1の本質的部分ではないと主張する。 しかし,本件発明1において,本件各作用効果を奏するのは,ピン7の前方部7 aが,ピンの後方部7eから第2壁面9に向かって斜め前方向に延びて湾曲前端部 7fに至り,案内面12に近接する第2壁面9の前方部9aに至ることで,ピン7 の前方部7aと第2壁面9との間の遊びがなくなり,ピン7の第2壁面に向かう方 向の移動が抑制されることによるものであり,ピン7の前方部7aが前方部9aの 付近に位置しているだけでは,本件各作用効果を奏するものとは認められないこと については,前記2(1)イ(イ)のとおりである。よって,ピン7の前方部7aが第2 壁面9の前方部9aに接触していることは,本件発明1の本質的部分であると解さ れる。したがって,控訴人の上記主張は採用できない。

◆判決本文

◆原審はこちら。H27(ワ)11434号

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平成28(ワ)35182 特許権 平成29年10月30日  東京地方裁判所(29部)

 サイバーエージェントに対するCS関連特許侵害事件です。裁判所は文言・均等侵害を否定しました。均等の第1、第5要件を満たさないと判断されています。
 これを本件について見ると,前記2で詳述したとおり,本件発明は,「その決定 したキャラクターに応じた情報提供料を通信料に加算する課金手段を備え」(構成\n要件C)ており,また,「表示部に仮想モールと,基本パーツを組み合わせてなる\n基本キャラクターとを表示させ」(構\成要件F),「基本キャラクターが,前記仮 想モール中に設けられた店にて前記パーツを購入する」(構成要件G)構\成を有し ているのに対し(なお,「仮想モール」は,内部に複数の仮想店舗と遊歩のための 空間とが表示されるものをいい,「基本キャラクター」と同時に表\示される必要が あると解すべきこと,「仮想モール中に設けられた店」で「パーツ」を購入する際 にも「基本キャラクター」が表示される必要があると解すべきことも,前記2のと\nおりである。),被告システムは,少なくとも,「キャラクターに応じた情報提供 料」を「通信料」に「加算」する構成を備えていない点,「仮想モール」に対応す\nる構成を有していない点において,それぞれ本件発明と相違するところ,以下のと\nおり,これらの相違部分は,本件発明の本質的部分に当たるというべきであるから, 被告システムは,均等の第1要件(非本質的部分)を満たさない。
イ 本件明細書の前記1(2)アないしエの各記載によれば,本件発明は,携帯端末 の表示部に気に入ったキャラクターを表\示させることができる携帯端末サービスシ ステムに関するものであって(【0001】),あらかじめ携帯端末自体のメモリ ーに保存してある複数のキャラクター画像情報から,気に入ったものを選択して, その携帯端末の表示部に表\示するなどの従来技術では,携帯端末自体のメモリーに 保存できる情報量には限りがあるため,キャラクター選択にあまり選択の幅がなく, ユーザーに十分な満足感を与え得るものではなく,サービス提供者にとっても,キ\nャラクター画像情報により効率良く利益を得るのは困難であったことから(【00 02】,【0003】),同問題点を解決し,「ユーザーが十分な満足感を得るこ\nとができ,且つ,サービス提供者は利益を得ることができる携帯端末サービスシス テムを提供する」ため(【0004】),本件特許請求の範囲の請求項1記載の構\n成(構成要件Aないし同Hの構\成)を備えることにより,ユーザーにとっては,キ ャラクター選択をより楽しむことができ,また,サービス提供者にとっては,キャ ラクター画像情報の提供により効率良く利益を得ることができ(【0005】), さらに,ユーザーは,種々のパーツを組み合わせてキャラクターを創作するという ゲーム感覚の遊びをすることができ,十分な満足感を得ることができ,また,「仮\n想モールと,基本キャラクターとが表示された表\示部を見ながら,基本キャラクタ ーを自分に見立て,さながら自分が仮想モール内を歩いているようなゲーム感覚で, その仮想モール内に出店された店に入り,パーツという商品を購入することで,基 本キャラクターを気に入ったキャラクターに着せ替えて,楽しむことができ,新た な楽しみ方ができて十分な満足感を得ることができる」(【0006】)というも\nのとされていることが理解できる。 そうすると,本件明細書では,本件発明は,サービス提供者がキャラクター画像 情報により効率良く利益を得るのは困難であったという従来技術の問題点を解決し て,サービス提供者が画像情報の提供により効率良く利益を得ることができる携帯 端末サービスシステムを提供することを目的の一つとするものであって,構成要件\nCの「その決定したキャラクターに応じた情報提供料を通信料に加算する課金手段 を備え」るとの構成は,まさに,従来技術では達成し得なかった技術的課題の解決\n(サービス提供者がキャラクター画像情報により効率良く利益を得ることができる 携帯端末サービスシステムを提供すること)を実現するための,従来技術に見られ ない特有の技術的思想に基づく解決手段(課金手段)としての具体的な構成として\n開示されているものいうべきである。また,本件発明は,ユーザーに十分な満足感\nを与え得るものではなかったという従来技術の問題点を解決して,ユーザーが十分\nな満足感を得ることができる携帯端末サービスシステムを提供することを他の目的 とするものであって,「表示部に仮想モールと,基本パーツを組み合わせてなる基\n本キャラクターとを表示させ」るとの構\成を含む構成要件F及び「基本キャラクタ\nーが,前記仮想モール中に設けられた店にて前記パーツを購入する」との構成を含\nむ構成要件Gは,さながら自分が仮想モール内を歩いているようなゲーム感覚で商\n品を購入するなどして十分な満足感を得ることができるという本件発明に特有な作\n用効果に係るものであって,構成要件A,同B,同D及び同Eとともに,まさに,\n従来技術では達成し得なかった技術的課題の解決(ユーザーが十分な満足感を得る\nことができる携帯端末サービスシステムを提供すること)を実現するための,従来 技術に見られない特有の技術的思想に基づく解決手段(ゲーム感覚の実現)として の具体的な構成として開示されているものというべきである。\n他方で,後述する引用例1(乙6)の開示(iモード上に用意された複数のキャ ラクタ画像を受信し,これを待受画面として利用することができる携帯電話機)及 び引用例2(乙7)の開示(画像情報の提供に係る対価の課金を通話料金に含ませ るもの)に照らすと,本件明細書において従来技術が解決できなかった課題として 記載されているところは,客観的に見て不十分であるといい得るが,本件明細書の\n従来技術の記載に加えて,引用例1及び同2の開示を参酌したとしても,本件発明 は,ユーザーが十分な満足感を得ることができ,かつ,サービス提供者が利益を得\nることができる携帯端末サービスシステムを提供するものであり,従来技術では達 成し得なかった技術的課題の解決を実現するための具体的な構成として,構\成要件 AないしHを全て備えた構成を開示するものであるから,これら全てが従来技術に\n見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分に当たるというほかない。\n以上によれば,本件発明と被告システムとの相違部分は,いずれも本件発明の本 質的部分に係るものと認めるのが相当である(なお,上記認定判断は,後述する本 件特許の出願経過とも整合するところである。)。
・・・・
上記アの出願経過に照らせば,原告は,構成要件A,同B,同C及び同Hからな\nる発明(出願当初の特許請求の範囲の請求項1に係る発明)及び構成要件A,同B,\n同C,同D,同E及び同Hからなる発明(出願当初の特許請求の範囲の請求項2に 係る発明)については,特許を受けることを諦め,これらに代えて,構成要件A,\n同B,同C,同D,同E,同F,同G及び同Hからなる発明(出願当初の特許請求 の範囲の請求項1に同2及び同5を統合した発明,すなわち本件発明)に限定して, 特許を受けたものといえる。 そうすると,原告は,構成要件F(「表\示部に仮想モールと,基本パーツを組み 合わせてなる基本キャラクターとを表示させ」)及び同G(「基本キャラクターが,\n前記仮想モール中に設けられた店にて前記パーツを購入する」)の全部又は一部を 備えない発明については,本件発明の技術的範囲に属しないことを承認したか,少 なくともそのように解されるような外形的行動をとったものといえる。 したがって,「仮想モール」に対応する構成を有していない被告システムについ\nては,均等の成立を妨げる特段の事情があるというべきであり,同システムは,均 等の第5要件(特段の事情)を充足しない。

◆判決本文

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平成28(ワ)24175  特許権侵害差止等請求事件  特許権  民事訴訟 平成29年9月21日  東京地方裁判所(46部)

 技術的範囲に属しないと判断されました。均等侵害も否定されました。
 前記1(2)で述べたとおり,本件明細書の記載によれば,従来技術には, 気体を過飽和の状態に液体へ溶解させ,過飽和の状態を安定に維持して外 部に提供することが難しく,ウォーターサーバー等へ容易に取付けること ができないという課題があった。本件発明1は,このような課題を解決す るために,水に水素を溶解させる気体溶解装置において,水素水を循環さ せるとともに,水素水にかかる圧力を調整することにより,水素を飽和状 態で水素水に溶解させ,その状態を安定的に維持し,水素水から水素を離 脱させずに外部に提供することを目的とするものである。 本件発明1では,水素を飽和状態で水に溶解させ,その状態を安定的に 維持するために,加圧型気体溶解手段で生成された水素水を循環させて, 加圧型気体溶解手段に繰り返し導いて水素を溶解させることとし,「前記 溶存槽に貯留された水素を飽和状態で含む前記水素水を加圧型気体溶解 手段に送出し加圧送水して循環させ」る(構成要件F)という構\成を採用 している。また,気体溶解装置において,気体が飽和状態で溶解した状態 を安定的に維持し,水素水から水素を離脱させずに外部に提供するために は,水素を溶解させた状態の水素水が気体溶解装置の外部に排出されるま での間に,水素水にかかる圧力の調整ができなくなることを避ける必要が ある。このため,本件発明1では「前記溶存槽及び前記取出口を接続する 管状路」(構成要件E)という構\成を採用し,水素を溶解させた水素水が 導かれる溶存槽と水素水を気体溶解装置外に吐出する取出口との間を管 状路で直接接続し,水素水にかかる圧力の調整ができなくなることを避け ているものと解される。 以上のような本件発明1の課題,解決方法及びその効果に照らすと,生 成した水素水を循環させるという構成のほか,管状路が溶存槽と取出口を\n直接接続するという構成も,本件発明1の本質的部分,すなわち従来技術\nに見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分に該当するというべ\nきである。 被告製品は,管状路が溶存槽と取出口を接続するという構成を採用して\nいないことは前記4のとおりであるから,被告製品の構成は,本件発明1\nと本質的部分において相違するものと認められる。
イ これに対し,原告は,本件発明1の本質的部分は,生成された水素水が 大気圧に急峻に戻るのを防ぐため,管状路を加圧状態から大気圧状態まで の圧力変動があり得る構成と構\成の間に接続することであり,被告製品で は,冷水タンクにおいて水素水にかかる圧力が大気圧となるから,カーボ ンフィルタと冷水タンクを細管で接続する構成は本件発明1と本質的部分\nにおいて相違しない旨主張する。 しかし,被告製品のように,溶存槽から取出口までの間に水素水にかか る圧力が大気圧となる構成を設けた場合には,被告製品の取出口から水素\n水が取り出される前に,生成された水素水に対する圧力の調整ができなく なって水素が離脱し得ることになってしまい,「水素水から水素を離脱させ ずに外部に提供する」という効果を奏することができない。したがって, 本件発明1において,溶存槽と大気圧状態までの圧力変動があり得る構成\nの間に管状路を接続することが本質的部分であると解することはできず, 原告の主張は採用することができない。
エ したがって,被告製品は,均等侵害の第一要件を満たさない。
第二要件及び第三要件
ア 原告は,第二要件につき,被告製品と本件発明1とは,管状路を通して 徐々に生成した水素水を大気圧に降圧することにより,水素濃度を維持す る点が共通するから,「管状路に当たる細管が,カーボンフィルタの出口と 気体溶解装置内に設けられた冷水タンクの入口を接続する」という被告製 品の構成を,管状路が溶存槽と取出口を接続するという本件発明1の構\成 に置換することができると主張する。 しかし,前記 で判示したとおり,被告製品の上記構成では,装置の内\n部において水素水にかかる圧力の調整ができなくなり,「水素水から水素を 離脱させずに外部に提供する」という効果を奏することができず,被告製 品の構成と本件発明1の構\成は作用効果が同一であるとはいえない。した がって,被告製品は,均等侵害の第二要件も満たさない。
イ 原告は,第三要件につき,取出口の前に冷水タンクを設け,この冷水タ ンクに管状路を接続することは容易であると主張する。しかし,取出口の 前に大気圧となる冷水タンクを設けることは,「水素水から水素を離脱させ ずに外部に提供する」という本件発明1の課題解決原理に反するものであ るから,当業者としては,本件発明1に被告製品の上記構成を採用するこ\nとの動機付けを欠くものといえる。したがって,被告製品は,均等侵害の 第三要件も満たさない。 以上で述べたとおり,「管状路に当たる細管が,カーボンフィルタの出口と 気体溶解装置内に設けられた冷水タンクの入口を接続する」という被告製品 の構成は,均等侵害の第一要件,第二要件及び第三要件を満たさないから,\n被告製品の上記構成が本件発明1の構\成要件Eと均等であるとは認められ ない。

◆判決本文

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平成29(ネ)10041  特許権侵害に基づく損害賠償請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成29年8月29日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

 知財高裁4部は、均等の第1要件を満たさないとして、技術的範囲に属しないと判断しました。1審では均等主張はされていませんでした。
 本件発明では,近用アイポイントから近用中心までの距離を小さくしているため, 近用アイポイントから近用部にかけて発生する収差が比較的小さく,良好な視覚特 性が得られ,視線を大きく下げることなく中間視から近用視へ移行することができ るとともに,近用部において広い明視域を確保することができる。 また,特定中心を基準とした近用アイポイントでの屈折力増加量(KE−KA)を 加入度(KB−KA)の60%〜90%に設定すると,近用アイポイントから近用部 に至る領域の側方領域における非点収差の集中が軽減され,像の揺れや歪みなどが 抑えられ,近用部及び中間部において広い明視域を実現することができ,さらに, 近用アイポイントから特定視部にかけて加入度の60%〜90%だけ屈折力を低下 させるとの構成により,近用アイポイントから特定視部にかけて視覚特性が改良さ\nれ,主子午線曲線の側方領域における収差集中が緩和される結果,像の揺れや歪み を軽減することができ,広い明視域を確保することができ,また,屈折力の変化の 度合いが比較的小さいため,近用アイポイントと特定視部との接続が連続的で滑ら かになるように構成することができ,特定視部の明視域を大きく確保することがで\nきる(【0018】【0019】)。
(エ) 以上によれば,本件発明は,「近用視矯正領域」と,「特定視距離矯正領 域」と,「近用視矯正領域と特定視距離矯正領域との間において両領域の面屈折力 を連続的に接続する累進領域」とを備えた累進多焦点レンズを前提に,目の調節力 の衰退が大きい人が長い時間にわたって快適に近方視を継続することを目的として, 近用アイポイントから近用中心までの距離を2mmから8mmと設定するとともに, 条件式(1)(2)の条件を満足することを特徴とする累進多焦点レンズを提供し た結果,視線を大きく下げることなく中間視から近用視へ移行することができ,近 用部において広い明視域を確保するとともに,特定視部の明視域を大きく確保する ことを実現したものであるから,本件発明の本質的部分は,近用アイポイントから 近用中心までの距離を2mmから8mmと設定したことと,条件式(1)(2)を 設定したことにあると認められる。 そして,条件式(1)(2)では,「近用視矯正領域の中心での屈折力」である KBと「特定視距離矯正領域の中心での屈折力」であるKAとの差(KB−KA)が用 いられているところ,「特定視距離矯正領域」の範囲を特定できなくては,「特定 視距離矯正領域の中心」が特定できず,その屈折力KA を求めることができない上, 条件式(2)では,前記(2)イのとおり,「特定視距離矯正領域」の範囲を特定する ことができなければ,「特定視距離矯正領域」の明視域の最大幅WFを特定すること ができない。したがって,条件式(1)(2)を満足させるためには,「特定視距 離矯正領域」の範囲を特定できることが必要であるから,「特定視距離矯正領域」 が,屈折力が一定ないしほぼ一定の領域を有する,ある程度広がりを持った領域で あることも,本件発明の技術的思想を構成する特徴的部分であり,本質に係る部分\nである。したがって,控訴人の主張は,採用できない。
(オ) 被告製品は,前記(1)(2)のとおり,いずれも「特定視距離矯正領域」,「特 定視距離矯正領域の中心」を充足せず,条件式(1)(2)を満足させるものでは ないから,本件発明とは,その本質的部分において相違することが明らかであり, 均等の第1条件を充足しない。

◆判決本文

◆1審はこちらです。平成26(ワ)8134

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平成28(ワ)35763  特許権侵害差止請求事件  特許権  民事訴訟 平成29年7月27日  東京地方裁判所(47部)

 CS関連発明の特許侵害事件です。当事者は、FREEとマネーフォワードです。均等の主張もしましたが、第1、第5要件を満たさないと判断されました。
 本件明細書の従来技術として上記ウの公知文献は記載されておらず,同記 載は不十分であるため,上記公知文献に記載された発明も踏まえて本件発明\nの本質的部分を検討すべきである。 そして,上記公知文献の内容を検討すると,上記ウ1),2)から,取引明細 情報は,取引ごとにマッチング処理が行われることからすれば,乙4に記載 されたSaaS型汎用会計処理システムにおいても,当該取引明細情報を取 引ごとに識別することは当然のことである。 また,上記ウ3)の「取得明細一覧画面上」の「各明細情報」は,マッチン グ処理済みのデータであるから,「取得明細一覧画面」は「仕訳処理画面」 といえる。 さらに,上記ウ3)の「仕訳情報入力画面」は,従来から知られているデー タ入力のための支援機能の一つに過ぎず(段落【0002】,【0057】),表示され\nた取引一覧画面上で各取引に係る情報を当該画面から直接入力を行うこと及 び該入力の際プルダウンメニューを使用することも普通に行われていること (特開2004-326300号公報(乙5)段落【0066】-【0081】)から すれば,「取引明細一覧画面」に仕訳情報である「相手勘定科目」等を表示\nし変更用のプルダウンメニューを配置することは当業者が適宜設計し得る程 度のことである。 以上によれば,本件発明1,13及び14のうち構成要件1E,13E及\nび14Eを除く部分の構成は,上記公知文献に記載された発明に基づき当業\n者が容易に発明をすることができたものと認められるから,本件発明1,1 3及び14のうち少なくとも構成要件1E,13E及び14Eの構\成は,い ずれも本件発明の進歩性を基礎づける本質的部分であるというべきである。 このことは,上記イの本件特許に係る出願経過からも裏付けられる。 原告は,構成要件1E,13E及び14Eの構\成について均等侵害を主張 していないようにも見えるが,仮に上記各構成要件について均等侵害を主張\nしていると善解しても,これらの構成は本件発明1,13及び14の本質的\n部分に該当するから,上記各構成要件を充足しない被告製品1,2並びに被\n告方法については,均等侵害の第1要件を欠くものというべきである。
・・・
(なお,本件においては,原告から「被告が本件機能につき行った特許出願にか\nかる提出書類一式」を対象文書とする平成29年4月14日付け文書提出命令の 申立てがあったため,当裁判所は,被告に対し上記対象文書の提示を命じた上で,\n特許法105条1項但書所定の「正当な理由」の有無についてインカメラ手続を 行ったところ,上記対象文書には,被告製品及び被告方法が構成要件1C,1E,\n13C,13E,14C又は14Eに相当又は関連する構成を備えていることを\n窺わせる記載はなかったため,秘密としての保護の程度が証拠としての有用性を 上回るから上記「正当な理由」が認められるとして,上記文書提出命令の申立て\nを却下したものである。原告は,上記対象文書には重大な疑義があるなどとして, 口頭弁論再開申立書を提出したが,そのような疑義を窺わせる事情は見当たらな\nいから,当裁判所は,口頭弁論を再開しないこととした。)

◆判決本文
 

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平成28(ネ)10096  損害賠償請求控訴事件  特許権  民事訴訟 平成29年5月23日  知的財産高等裁判所  東京地方裁判所

知財高裁(4部)も、1審と同じく均等侵害を否定しました(第1、第4要件不備)。
 ア 均等の第1要件における本質的部分とは,当該特許発明の特許請求の範囲の 記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分であり,\n上記本質的部分は,特許請求の範囲及び明細書の記載に基づいて,特許発明の課題 及び解決手段(特許法36条4項,特許法施行規則24条の2参照)とその効果(目 的及び構成とその効果。平成6年法律第116号による改正前の特許法36条4項\n参照)を把握した上で,特許発明の特許請求の範囲の記載のうち,従来技術に見ら れない特有の技術的思想を構成する特徴的部分が何であるかを確定することによっ\nて認定されるべきである。ただし,明細書に従来技術が解決できなかった課題とし て記載されているところが,出願時(又は優先権主張日)の従来技術に照らして客 観的に見て不十分な場合には,明細書に記載されていない従来技術も参酌して,当\n該特許発明の従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分が認定\nされるべきである。
イ 本件明細書によれば,本件発明は,従来技術では経路探索の終了時にいくつ かの経由地を既に通過した場合であっても,最初に通過すべき経由予定地点を目標\n経由地点としてメッセージが出力されること(【0008】)を課題とし,このよ うな事態を解決するために,通過すべき経由予定地点の設定中に既に経由予\定地点 のいずれかを通過した場合でも,正しい経路誘導を行えるようなナビゲーション装 置及び方法を提供することを目的とし(【0011】),具体的には,車両が動く ことにより,探索開始地点と誘導開始地点のずれが生じ,車両が,設定された経路 上にあるものの,経由予定地点を超えた地点にある場合に,正しく次の経由予\定地 点を表示する方法を提供するものである(【0018】【0038】)。また,前\n記2(1)エ(ア)のとおり,本件特許出願当時において,ナビゲーション装置が,距離 センサー,方位センサー及びGPSなどを使って現在位置を検出し,それを電子地 図データに含まれるリンクに対してマップマッチングさせ,出発地点に最も近い ノード又はリンクを始点とし,目的地に最も近いノード又はリンクを終点とし,ダ イクストラ法等を用いて経路を探索し,得られた経路に基づいて,マップマッチン グによって特定されたリンク上の現在地から目的地まで経路誘導するものであった ことは,技術常識であったと認められる。 このように,本件発明は,上記技術常識に基づく経路誘導において,車両が動く ことにより探索開始地点と誘導開始地点の「ずれ」が生じ,車両等が経由予定地点\nを通過してしまうことを従来技術における課題とし,これを解決することを目的と して,上記「ずれ」の有無を判断するために,探索開始地点と誘導開始地点とを比 較して両地点の異同を判断し,探索開始地点と誘導開始地点とが異なる場合には, 誘導開始地点から誘導を開始することを定めており,この点は,従来技術には見ら れない特有の技術的思想を有する本件発明の特徴的部分であるといえる。 したがって,探索開始地点と誘導開始地点とを比較して両地点の異同を判断する 構成を有しない被控訴人装置が本件発明と本質的部分を異にすることは明らかであ\nる。

◆判決本文

◆1審はこちらです。平成26(ワ)25928

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平成27(ワ)4461  特許権侵害差止請求事件  特許権  民事訴訟 平成29年2月10日  東京地方裁判所

 CS関連発明の特許権侵害訴訟です。東京地裁は、均等侵害も第1、第2、第3要件を満たさない、分割要件違反、および一部のクレームについてサポート要件違反があるとして請求棄却しました。
 特許発明における本質的部分とは,当該特許発明の特許請求の範囲の 記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的\n部分であると解すべきである。 そして,上記本質的部分は,特許請求の範囲及び明細書の記載に基づ いて,特許発明の課題及び解決手段とその効果を把握した上で,特許発 明の特許請求の範囲の記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的 思想を構成する特徴的部分が何であるかを確定することによって認定さ\nれるべきである。すなわち,特許発明の実質的価値は,その技術分野に おける従来技術と比較した貢献の程度に応じて定められることからすれ ば,特許発明の本質的部分は,特許請求の範囲及び明細書の記載,特に 明細書記載の従来技術との比較から認定されるべきである。 ただし,明細書に従来技術が解決できなかった課題として記載されて いるところが,出願時の従来技術に照らして客観的に見て不十分な場合\nには,明細書に記載されていない従来技術も参酌して,当該特許発明の 従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分が認定さ\nれるべきである。 また,第1要件の判断,すなわち対象製品等との相違部分が非本質的 部分であるかどうかを判断する際には,上記のとおり確定される特許発 明の本質的部分を対象製品等が共通に備えているかどうかを判断し,こ れを備えていると認められる場合には,相違部分は本質的部分ではない と判断すべきであり,対象製品等に,従来技術に見られない特有の技術 的思想を構成する特徴的部分以外で相違する部分があるとしても,その\nことは第1要件の充足を否定する理由とはならないと解すべきである (知的財産高等裁判所平成28年3月25日(平成27年(ネ)第100 14号)特別部判決参照)。
イ 原告は,本件発明1の本質的部分は「一の注文手続で,同一種類の金 融商品について,複数の価格にわたって一度に注文を行うこと」及び 「その注文と約定を繰り返すようにしたこと」にとどまると主張する。 この点,確かに,本件明細書等1には,本件発明1の課題として, 「本発明は・・・システムを利用する顧客が煩雑な注文手続を行うこと なく指値注文による取引を効率的かつ円滑に行うことができる金融商品 取引管理方法を提供することを課題としている。」(段落【0006】) との記載がある。この記載に,「請求項1・・・に記載の発明によれば, ・・・一の注文手続きを行うことで,同一種類の金融商品を複数の価格 にわたって一度に注文できる。」(段落【0017】),「請求項1・ ・・に記載の発明によれば,・・・約定した第一注文と同じ第一注文価 格における第一注文の約定と,約定した第二注文と同じ前記第二注文価 格における前記第二注文の約定とを繰り返し行わせるように設定するこ とにより,第一注文と第二注文とが約定した後も,当該約定した注文情 報群による指値注文のイフダンオーダーを繰り返し行うことが可能にな\nる。」(段落【0018】)との各記載も併せれば,原告の主張する 「一の注文手続で,同一種類の金融商品について,複数の価格にわたっ て一度に注文を行うこと」及び「その注文と約定を繰り返すようにした こと」との部分が本件発明1の本質的部分,すなわち従来技術に見られ ない特有の技術的思想を構成する特徴的部分であるように見えなくもな\nい。 しかし,本件発明1に係る特許(本件特許1)の出願時の従来技術に 照らせば,本件明細書等1に本件発明1の課題として記載された「シス テムを利用する顧客が煩雑な注文手続を行うことなく指値注文による取 引を効率的かつ円滑に行うことができる金融商品取引管理方法を提供す ること」(段落【0006】)は,本件発明1の課題の上位概念を記載 したものにすぎず,客観的に見てなお不十分であるといわざるを得ない。\n以下,詳述する。
以上の各記載に,上記エのとおり,引用文献1には既に「一の注文手 続で,同一種類の金融商品について,複数の価格にわたって一度に注文 を行う」という技術が開示されていたことも併せれば,本件発明1は, 単に一の注文手続で複数の価格にわたって一度に注文を行うだけではな く,「請求項1・・・の発明」による「売買注文申込情報」,すなわち,\n「金融商品の種類」(構成要件1B−1),「注文価格ごとの注文金額」\n(構成要件1B−2),「注文価格」(構\成要件1B−3),「利幅」 (構成要件1B−4)及び「値幅」(構\成要件1B−5)を示す各情報 に基づいて,同一種類の金融商品を複数の価格について指値注文する注 文情報からなる注文情報群を生成することにより,金融商品を売買する 際,一の注文手続きを行うことで,同一種類の金融商品を複数の価格に わたって一度に注文できるという点にその本質的部分があるというべき である。
カ これを被告サービス1についてみると,被告サービス1では「利幅」 (構成要件1B−4)及び「値幅」(構\成要件1B−5)を示す情報が 入力されないのであるから,本件発明1と被告サービス1の相違点が特 許発明の本質的部分ではないということはできない。 したがって,被告サービス1については,均等の要件のうち第1要件 を満たさない。
(4) 第2要件(置換可能性)について
次に,均等の第2要件について検討する。 原告は,本件発明1の課題は「専門的な知識がなく,必ずしも正確に相場 変動を予測することができなくても,また,常に相場に付ききりとならなく\nても,FX取引により所望の利益を得ること」にある旨主張している。 しかし,仮に本件発明1の課題が原告の主張するところにあるとしても, 本件発明1と被告サービス1とは,課題解決原理が全く異なる。 すなわち,本件発明1では,顧客に利幅(構成要件1B−4)及び値幅\n(構成要件1B−5)をはじめとして全ての注文を直接的かつ一義的に導き\n出すに足りる情報を入力させた上,これにより,買いの指値注文及び売りの 指値注文からなる注文のペアを複数生成させ,この複数の注文のペアからな る注文を行うことで,上記課題を解決している。 一方,被告サービス1では,顧客が3)「参考期間」を選択しさえすれば, 4)「想定変動幅」を提案し,専門的な知識が必要である利幅(構成要件1B\n−4)及び値幅(構成要件1B−5)を顧客に入力させることなく,複数の\n注文のペアからなる注文を行うことで,上記課題を解決している。すなわち, 被告サービス1では,顧客に全ての注文を直接的かつ一義的に決定させるの ではなく,顧客には専門的な知識が必要とされる情報を入力させないまま, 注文を行わせるものである。 このように,本件発明1と被告サービス1は,金融商品の相場変動を正確 に予測することができなくてもFX取引による所望の利益を得るという課題\nを,顧客に利幅(構成要件1B−4)及び値幅(構\成要件1B−5)という 専門的な知識が必要である情報を入力させることで解決するか(本件発明 1),それともこれらの情報を入力させないまま解決するか(被告サービス 1)という課題解決原理の違いがあり,そのため作用効果も異なってくるも のといわざるを得ない。 したがって,均等の第2要件に関する原告の主張は理由がない。
(5) 第3要件(容易想到性)について
さらに,均等の第3要件について検討する。
ア 原告は,甲15公報及び甲17公報並びに他の証券会社の提供した 「クイック仕掛け(買いゲリラ100pips)」という機能に照らせば,値幅\nを直接入力せずに他の情報を入力してこれらの情報から値幅を算出して 決定するという構成や,あらかじめ設定された値を用いるという構\成は, 被告サービス1の提供開始時において既に公知の構成であったと主張す\nるので,以下検討する。
イ まず,甲15公報の「要約」欄には,以下の記載がある。
・「注文情報生成部は,取り引きの上限価格と,取り引きの下限価格と, 同時に生成される注文情報群の数とを取得し,取得された値に基づいて, 第一注文どうしの価格差が一定となり,第二注文どうしの価格差が一定 となり,かつ,同一の注文情報群に属する第一注文と第二注文との価格 差が一定となるように,第一注文及び第二注文の価格をそれぞれ演算す る。」 また,甲17公報には,以下の記載がある。
・「前記表示手段における上側の接触位置に対応して表\示された前記価 格情報に基づいて上限価格を設定すると共に前記表示手段における下側\nの接触位置に対応して表示された前記価格情報に基づいて下限価格とを\n設定させると共に,前記注文発注手段に対し,前記上限価格と前記下限 価格との間に形成された前記発注価格帯において前記注文情報を発注さ せることを特徴とする金融商品取引システム。」(【請求項1】)
・「前記注文発注手段は,前記任意の発注条件として,前記金融商品の 注文個数情報を備え,前記発注価格帯において,前記注文個数情報に基 づく複数の前記注文情報を,それぞれの価格差が均等な指値注文を発注 するように生成することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一つに記 載の金融商品取引システム。」(【請求項7】)
・「ポジション・ペアの数は,第一形態注文入力画面33(図8)で注文個 数入力欄(図示せず)に入力された注文個数情報の数値,又は,発注価 格帯の数値を値幅入力欄(図示せず)に入力された数値で割った値のう ちの整数値と同じ個数に等しく設定される。」(段落【0082】)
ウ 上記各記載を踏まえ,原告は,甲15公報にはトラップを仕掛ける範 囲(「取引の上限価格」と「取引の下限価格」)と,トラップの本数 (「同時に生成される注文情報群の数」)を入力し,これらの情報に基 づいて値幅及び利幅(「第一注文どうしの価格差」及び「同一の注文情 報群に属する第一注文価格と第二注文価格との差」)を一定となるよう に演算して決定する構成が開示されており,また,甲17公報にも,ト\nラップを仕掛ける範囲(タッチパネルの上下の接触位置に対応する「発 注価格帯」)と,トラップの本数(「注文個数情報」)を入力し,これ らの情報に基づいて,値幅が均等となるように演算して決定する構成が\n開示されていると主張する。 しかし,被告サービス1においては,そもそも注文情報群の数(原告 の主張する「トラップの本数」)を顧客が入力する構成とはなっていな\nい。すなわち,原告の主張によっても,被告サービス1では,顧客は6) 「対象資産(円)」欄に金額を入力するのみであり,被告サーバにおい てその額の証拠金で生成可能な数の注文情報群を生成するというのであ\nる。 加えて,前述のとおり,本件発明1(構成要件1B)と被告サービス\n1の相違点は,本件発明1では構成要件1B−4(利幅を示す情報)及\nび構成要件1B−5(値幅を示す情報)を入力するのに対し,被告サー\nビス1では2)「注文種類」ないし6)「対象資産(円)」の五つの情報を 入力する点にあるところ,甲15公報及び甲17公報にはこれらの五つ の情報の入力については何ら開示されていない。 エ さらに,他の証券会社の提供した「クイック仕掛け(買いゲリラ 100pips)」という機能についてみても,原告によれば,同機能\では利幅 及び値幅はあらかじめ設定されていて,顧客が入力するものではないと いうのである。そうすると,利幅(構成要件1B−4)及び値幅(構\成 要件1B−5)が顧客の入力に係る本件発明1に対し,利幅(構成要件\n1B−4)及び値幅(構成要件1B−5)があらかじめ設定されている\n「クイック仕掛け(買いゲリラ100pips)」の技術を適用する基礎がそも そも存在しないものといわざるを得ない。 オ 以上によれば,本件発明1の構成を被告サービス1のものに置換する\nことについて,当業者が被告サービス1の開始時点において容易に想到 することができたとはいえない。 したがって,均等の第3要件に関する原告の主張は理由がない。
・・・・
原出願である本件特許2に係る本件明細書等2の段落【0005】ないし 【0008】の記載によると,本件特許2は,従来技術の課題として,取引 開始直後の注文が成行注文のイフダンオーダーをすることができなかったこ と及びイフダンオーダーを繰り返し行えなかったことを技術課題として設定 している。 この課題を解決する手段として,本件明細書等2では,取引開始直後に約 定する成行注文の約定価格を基準として,注文情報群を生成し,これに基づ いて,決済注文である指値注文及び逆指値注文を行い,当該指値注文が約定 すると,新たな注文情報群を生成させ,これに基づいて,先行する成行注文 の約定価格と同一の価格の指値注文を行い,当該指値注文が約定すると,当 該新たな注文情報群に基づいて,当該指値注文の決済注文であって,先行す る決済注文である指値注文及び逆指値注文と同一の価格の指値注文及び逆指 値注文を行うことが開示されている。 すなわち,本件明細書等2の段落【0044】では,「・・・成行リピー トイフダンでは,一回目のイフダンでは,第一注文で買い注文または売り注 文の一方を成行で行ったのち,第二注文で買い注文または売り注文の他方を 指値で行う。・・・この第二注文の約定の後,指値の第一注文(このときの 指値価格は一回目の成行注文での約定価格とする)と指値の第二注文とから なるイフダンが,複数回繰り返される。」とされ,段落【0062】では 「ここで,本実施形態の第一注文は,一回目は成行注文で行われるが,二回 目以降は指値注文で行われる。このため,約定情報生成部14は,当該成行 注文の約定価格を,二回目以降の第一注文の指値価格に設定する。」とされ た上,【図7】においても,2回目以降の指値の第一注文の価格を1回目の 成行注文の約定価格とする旨の記載がある。そして,証拠(乙11,13) 及び弁論の全趣旨によれば,これらの段落【0044】及び【0062】並 びに【図7】は,出願当初の明細書等から補正がされていないものと認めら れる。
(4) そこで,構成要件3F−2の「前記指値注文」の構\成と,本件明細書等2 の記載とを比較すると,本件明細書等2には2回目以降の指値の第一注文の 価格を1回目の成行注文の約定価格とすることしか開示されておらず,2回 目以降の指値の第一注文の価格を任意の価格にできるといった記載はない。 また,2回目以降の指値の第一注文の価格をどのような価格にするのか,言 い換えると,1回目の成行注文の約定価格以外のどのような価格に設定する のか,そのための方法等は一切開示されていない。 そうすると,本件明細書等2の出願当初及び分割直前の明細書等には,そ の技術課題及び課題を解決するための手段からみて,2回目以降の指値の第 一注文の価格を任意の価格に設定できることが形式的にも実質的にも記載さ れていないものといわざるを得ない。 したがって,本件発明3の構成要件3F−2は,分割出願の出願日が原出\n 願の出願日へ遡及するための要件である,上記1)及び2)の要件のいずれも満 たさないから,本件発明3に係る特許出願には特許法44条2項の適用がな く,分割要件違反となるものというべきである。
(5) 原告の主張に対する判断
この点に関して原告は,本件発明2及び3の技術思想は「顧客が煩雑な注 文手続を行うことなく複数のイフダンオーダーを繰り返し行うことができて, システムを利用する顧客の利便性を高めると共にイフダンオーダーを行う際 に顧客が被るリスクを低減させることができる。」ことにあり,2回目以降 の第一注文の指値価格をどのようなものにするのかは,上記技術思想とは直 接の関係がないため,当業者において適宜選択・決定すれば足りる事項であ ると主張する。 しかし,上記(3)において引用したところからすれば,本件発明2の技術 思想は,先行する成行注文の約定価格と同一の価格の指値注文を行うところ にもあるということになる。そうすると,本件明細書等2に対し,システム が2回目以降の指値の第一注文の指値価格を決定するという構成を追加する\nことは,新たな技術的事項を導入するものというべきであるから,原告の上 記主張はその前提を欠き,採用することができない。 (6) 以上によれば,本件発明3に係る特許出願の出願日は,原出願の出願日ま で遡及せず,現実の出願日である平成26年11月13日となるところ,本 件発明2に係る特許出願の出願公開の公開日は平成25年7月11日である から(甲4の2),本件発明3の新規性は,本件発明3を下位概念化した本 件発明2によって,否定されることになる。 したがって,本件発明3に係る特許は,特許法29条1項3号に違反して されたものであるから,同法123条1項2号によって特許無効審判により 無効にされるべきものである。
・・・・
(1) 特許制度は,明細書に開示された発明を特許として保護するものであり, 明細書に開示されていない発明までも特許として保護することは特許制度の 趣旨に反することから,特許法36条6項1号のいわゆるサポート要件が定 められたものである。 したがって,同号の要件については,特許請求の範囲に記載された発明が, 発明の詳細な説明の欄の記載によって十分に裏付けられ,開示されているこ\nとが求められるものであり,同要件に適合するものであるかどうかは,特許 請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し,特許請求の範囲に 記載された発明が発明の詳細な説明に記載された発明であるか,すなわち, 発明の詳細な説明の記載と当業者の出願時の技術常識に照らし,当該発明に おける課題とその解決手段その他当業者が当該発明を理解するために必要な 技術的事項が発明の詳細な説明に記載されているか否かを検討して判断すべ きものと解される。
(2) これを本件についてみるに,原告の主張によれば,構成要件3F−2の\n「前記指値注文」とは,その価格については何の限定もなく,任意の指値価 格をその指値価格とする指値注文ということになる(前記10(3))。しかる に,前記10(3)で引用した本件明細書等2の段落【0044】及び【006 2】並びに【図7】は,本件明細書等3の段落【0042】及び【0060】 並びに【図7】に相当するところ,これらの段落等にも,その技術課題及び 課題を解決するための手段からみて,2回目以降の指値の第一注文の価格を 任意の価格に設定できることが形式的にも実質的にも記載されているとはい えない。 そうすると,当業者において,本件発明3の解決手段その他当業者が当該 発明を理解するために必要な技術的事項が,本件明細書等3の発明の詳細な 説明に記載されているものと認めることはできない。
(3) したがって,本件発明3は特許法36条6項1号に規定するサポート要件 を満たしていないことになるから,本件発明3に係る特許は同法123条1 項4号によって特許無効審判により無効にされるべきものである。

◆判決本文

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