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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

サポート要件

平成20(行ケ)10423 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年09月17日 知的財産高等裁判所

 36条4項(実施可能性違反)を理由に拒絶審決が維持されました。
 「上記第4項は特許出願における実施可能要件と称されているものであるが,特許制度は,発明を公開する代償として,一定期間発明者に当該発明の実施につき独占的権利を付与するものであるから,明細書に記載される発明の詳細な説明は,当業者(その発明の属する分野における通常の知識を有する者)が容易にその実施をすることができる程度に発明の構成が記載されていることを要するとしたものであるところ,上記のような法の趣旨に鑑みると,明細書の発明の詳細な説明の欄に当業者が実施をすることができる程度に明確かつ十\分に記載されていること,ひいては当該発明が実施可能であることは,出願人が特許庁長官に対し立証する責任があると解される。」\n

◆平成20(行ケ)10423 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年09月17日 知的財産高等裁判所

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平成20(行ケ)10304 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年08月18日 知的財産高等裁判所

実施可能性違反ではないとした無効審決が取り消されました。
 「特許法36条4項は,「前項第三号の発明の詳細な説明には,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易にその実施をすることができる程度に,その発明の目的,構成及び効果を記載しなければならない。」と定めるところ,本件発明のように,特定の用途(樹脂配合用)に使用される組成物であって,一定の組成割合を有する公知の物質から成るものに係る発明においては,一般に,当該組成物を構\成する物質の名称及びその組成割合が示されたとしても,それのみによっては,当業者が当該用途の有用性を予測することは困難であり,当該組成物を当該用途に容易に実施することができないから,そのような発明について実施可能\要件を満たすといい得るには,発明の詳細な説明に,当該用途の有用性を裏付ける程度に当該発明の目的,構成及び効果が記載されていることを要すると解するのが相当である。さらに,本件発明は,その用途として,単に「樹脂配合用」と規定するのみであるから,本件発明について実施可能\要件を満たす記載がされるべきである以上,発明の詳細な説明に,酸素吸収剤を適用する樹脂一般について,本件発明の酸素吸収剤を適用することが有用であること,すなわち,当該樹脂一般について,本件発明が所期する作用効果を奏することを裏付ける程度の記載がされていることを要すると解すべきである。そこで,以下,上記観点に立ち,発明の詳細な説明に,本件発明の酸素吸収剤を適用する樹脂一般について,本件発明が所期する作用効果を奏することを裏付ける程度の記載があるか否かについて検討する。・・・しかしながら,i),iii)及びvi)の各記載の実質は,単に結論(相違点に係る構成を採用した本件発明が本件作用効果を奏する旨)を述べるものすぎない。また,ii)iv)及びv)の各記載をみても,これを,酸素吸収剤を適用する樹脂の特性(化学構造等)を念頭に置いたものとみることはできないから,当業者において,これらの記載の内容が,エチレン−ビニルアルコール共重合体以外の樹脂一般についても,そのまま妥当するものと容易に理解することができるとみることはできない。さらに,発明の詳細な説明には,当業者において,銅及び硫黄が過大に存在することによる樹脂のゲル化及び分解並びに異味・異臭成分の発生を考える上で,エチレン−ビニルアルコール共重合体とそれ以外の樹脂一般とを同視し得るものと容易に理解することができるような記載は全くない。以上からすると,発明の詳細な説明に,エチレン−ビニルアルコール共重合体以外の樹脂一般について,本件発明が本件作用効果を奏することを裏付ける程度の記載がされているものと認めることはできず,その他,そのように認めるに足りる証拠はない。」

◆平成20(行ケ)10304 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年08月18日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10286 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年06月30日 知的財産高等裁判所

 サポート要件違反とした審決が維持されました。
   特許請求の範囲の記載が特許法36条6項1号に規定するいわゆるサポート要件に適合するものであるか否かについては,特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し,発明の詳細な説明に,当業者において,特許請求の範囲に記載された発明の課題が解決されるものと認識することができる程度の記載ないし示唆があるか否か,又は,その程度の記載や示唆がなくても,特許出願時(優先権主張があるときは優先日当時)の技術常識に照らし,当業者において,当該発明の課題が解決されるものと認識することができるか否かを検討して判断すべきものと解するのが相当である。そこで,上記観点に立って,以下,本件について検討することとする。・・・・イ そこで,発明の詳細な説明に,当業者において,本願発明の上記課題が解決されるものと認識することができる程度の記載ないし示唆があるか否かについて検討すると,前記(3)のとおり,発明の詳細な説明には,金属層を透明にするため,これを,下部の有機層を保護することができる程度の十分な厚さを保ちつつ,できる限り薄くすることにより,所望の透明度を得た上,さらに,金属層を保護し,また,電気抵抗を減少させるため,金属層の上部に,許容される透明度を保持しつつ,できる限り厚いITO層(本願発明の「第2の導電性層」に相当する。)を付着する旨の記載はみられるものの,この層(「ITO層312」)がITO以外の透明導電性酸化物である場合に上記課題が解決されることについての記載ないし示唆は一切みられないから,発明の詳細な説明に,当業者において,本願発明の上記課題が解決されるものと認識することができる程度の記載ないし示唆があるとまで認めることはできない。

◆平成20(行ケ)10286 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年06月30日 知的財産高等裁判所

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◆平成20(行ケ)10286 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年06月30日 知的財産高等裁判所

 サポート要件違反とした拒絶審決が維持されました。
  「特許請求の範囲の記載が特許法36条6項1号に規定するいわゆるサポート要件に適合するものであるか否かについては,特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し,発明の詳細な説明に,当業者において,特許請求の範囲に記載された発明の課題が解決されるものと認識することができる程度の記載ないし示唆があるか否か,又は,その程度の記載や示唆がなくても,特許出願時(優先権主張があるときは優先日当時)の技術常識に照らし,当業者において,当該発明の課題が解決されるものと認識することができるか否かを検討して判断すべきものと解するのが相当である。そこで,上記観点に立って,以下,本件について検討することとする。・・・・発明の詳細な説明に,当業者において,本願発明の上記課題が解決されるものと認識することができる程度の記載ないし示唆があるか否かについて検討すると,前記(3)のとおり,発明の詳細な説明には,金属層を透明にするため,これを,下部の有機層を保護することができる程度の十分な厚さを保ちつつ,できる限り薄くすることにより,所望の透明度を得た上,さらに,金属層を保護し,また,電気抵抗を減少させるため,金属層の上部に,許容される透明度を保持しつつ,できる限り厚いITO層(本願発明の「第2の導電性層」に相当する。)を付着する旨の記載はみられるものの,この層(「ITO層312」)がITO以外の透明導電性酸化物である場合に上記課題が解決されることについての記載ないし示唆は一切みられないから,発明の詳細な説明に,当業者において,本願発明の上記課題が解決されるものと認識することができる程度の記載ないし示唆があるとまで認めることはできない。」

◆平成20(行ケ)10286 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 平成21年06月30日 知的財産高等裁判所

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