「怪獣ウルトラ図鑑 [復刻版]」のイラストについて、使用許諾があったと判断しました。
控訴人は,原書籍の存在すら知らず,被控訴人の担当者から本件書籍の内容の提
示も受けていないから,原書籍に掲載され,本件書籍での使用許諾を求められてい
るのが本件イラストであるとは知らなかった,むしろ,本件書籍での使用について
許諾を求められているイラストは,本件イラストのような「特集ページ」に掲載さ
れたものではなく,「記事ページ」に掲載されたものであると理解していたなどと
して,控訴人と被控訴人との間では,前提とする許諾の目的物が異なっていたから,
意思の合致はなく,控訴人と被控訴人との間で本件イラストの使用につき許諾が成
立することはない旨主張する。
しかし,前記(1)のとおり,被控訴人が,本件書籍が秋田書店が発行した「怪獣ウ
ルトラ図鑑」の復刻版であることを明示した上で,控訴人に対し,原書籍に収録さ
れたイラストの本件書籍における再使用についての許諾を求めたのに対し,控訴人
が,原書籍に収録されたイラストの内容,あるいは本件書籍に収録される予定のイラストの内容について何らの質問も確認もすることなく,被控訴人に対し,本件書
籍におけるイラスト使用許諾料の振込口座を指定し,その支払を受けたことからす
れば,控訴人は,原書籍に収録された控訴人作成に係るイラストについて使用を許
諾したものと認められるから,被控訴人と控訴人との間において,許諾の対象が一
致していなかったということはできない。
◆判決本文
◆原審はこちらです。平成26年(ワ)第34145号