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弁理士育成塾2024

電気・ソフトウエアクラス
    弁理士 古谷栄男


■弁理士育成塾2024 電気・ソフトウエアクラス

 このページは、2024年度の弁理士育成塾(電気・ソフトウエアクラス)への参加を検討されている方のためのものです。

・この講座は、以下のような弁理士の方を対象としています。
・明細書のスキルを磨きたいが、その機会が無い方
・聞くだけでなく、実習を通じて、明細書作成を学びたい方
・発明者・クライアントさんに納得してもらって、満足いただく出願をしたい方

 なお、明細書作成経験の無い方を対象としていますので、初歩的なことから学ぶコースとなっています。また、電気・ソフトウエア分野の技術になじみのない方でも学んでいただけるようにしております。
 機械や化学など他の分野での明細書作成経験が十分あって、ソフトウエア・電気分野の経験が少ない方も参加することができますが、他の塾生と一緒になって(課題提出も含めて)基礎から学んでいただく必要がありますので、ご了承の上参加してください。
■基本的な考え方(各クラスの先生により指導方針が異なります。以下は、あくまでも私のクラスの考え方ですので)
 明細書作成のプロフェッショナルとは、どんな能力があり、どんな仕事ぶりの人をいうのでしょうか。
(1)発明内容が明確であれば、適切な明細書を仕上げる力
 まず、この力を養うことが重要です。そのためには、与えられた発明を、適切に請求項にて限定し、詳細な説明にて表現することが求められます。権利範囲の考え方、実施可能要件やサポート要件の考え方、間接侵害や均等侵害の考え方など、基本知識はお持ちのはずですから、その知識を現実の事例にあてはめて、明細書に仕上げる力が必要です。審査基準は、重要な資料となります。

(2)進歩性のある発明を抽出する力
 発明内容を明確にする力といってもいいでしょう。発明者自身も、混乱している場合や誤解している場合もあります。また、発明者自身が素晴らしいと思っている点と、進歩性がありそうな点がずれている場合もあります。進歩性のありそうな発明を見いだす力があると、クライアントさんを助けることができます。

(3)経営戦略・事業戦略を考えて明細書を設計できる力
 いくら素晴らしい明細書であっても、経営戦略や事業戦略から外れていると、もったいないです。クライアントさんがクラウド(サーバからプログラムを提供)にてビジネス展開を考えているのに、端末装置側のプログラムにのみ力を入れて請求項を作成しても、ビジネス上使えるかどうか疑問です。特許がとれるから出願をするのではなく、経営戦略や事業戦略に生かされるからこそ出願をするという視点を、明細書に反映するのがよいでしょう。

(4)クライアントさんに説明できる力
 ところで、皆さんが病気になってお医者さんに診察してもらうことになったと、仮定してみて下さい。そのお医者さんが、治療方針を上手く説明できなかったら、どうでしょうか。幾ら腕が良くても、何だか不安ですよね。我々、弁理士も同じです。
 なぜその発明が進歩性ありといえるのか、なぜそのような請求項を作ったのか・・等々、我々がクライアントさんに説明してあげることはたくさんあります。この説明能力があると、クライアントさんに安心感を与えることができます。塾生同士で互いに説明したり、私自身が素人さんになって質問したりしながら進めますので、自然と説明能力も身につきます。

 上記のことは、実務経験を積みながら身につけていくものです。この塾では、まず(1)ができるようになることを目指しています。その中で、将来ご自分で身につけていただく指針とするため、(2)(3)(4)についても少し盛り込んでいます。初心者を想定していますので、あまり難しいことはせず段階を追って一つずつ進めていく予定ですが、上記(1)(2)(3)(4)は、明細書作成の大きな考え方として意識していただけるといいかなと思っております。

 明細書を作成するために必要な15の力をまとめると以下の図のようになります。

15の力について詳しく解説したのが下記のPDFです(パテント誌掲載分に加筆訂正したものです)。参考にして下さい。
明細書力


■電気・ソフトウエアクラス(大阪)の進め方
・第1クール
第1回〜第3回では、明細書作成のための講義と並行して、演習に取り組んでもらいます。発明者インタビュー、出願方針決定、請求項方針決定、請求項作成、明細書作成の順で、取り組んでいきます。発明者による発明届出書を事前に提示し、塾当日に受講生同士での討論を行って、請求項作成まで行います。講師による請求項の添削を経て、添削済請求項に基づいて、明細書の作成を自宅課題とします。塾生全員が提出した明細書を読んで各人の参考にしてもらいます。それぞれの塾生に対しては、作成された明細書について、私の方で簡単な添削を行って返却します。次の回の塾当日には、私の方で明細書についての総評を行います。第1クールでは、明細書作成に慣れてもらうために1回の講座日程にて1つの明細書を完成させる程度のペースで進める予定です。日用品、電気回路、ソフトウエアなどを題材とします。

第1クールでは、明細書作成の基本的考え方、技術的ソフトウエアの明細書、非技術的ソフトウエアの明細書、ネットワーク化への対応、コンビネーションとサブコンビネーション、ユーザインターフェイスなどについて考慮しつつ、以下の分野の明細書の作成を行います。
・日用品(コーヒー用液体ミルク容器)
・マイクロコンピュータ応用発明(懐中電灯)
・ソフトウエア発明(来場者数予測)
・ビジネスモデル(逆オークション、アンケートシステム)など
 ※扱う題材は変更する可能性があります。

明細書の自宅課題とは別に、明細書作成に必要な15の力のうち、特に、クライアントへの説明力をつけるための小問課題を提出してもらいます。
例えば次のようなテーマです。
・独立従属請求項についてクライアントさんへの説明
・外国出願についての考え方
・審査請求のタイミングについてのアドバイス等



・第2クール
第2クールでは、実務をされておられない方のために中間処理の講義(進行の度合いにより動画配布とするかもしれません)を行い、AI関連発明についての講義を行います。第1クールと同じように進行しますが、発明者インタビュー、発明の抽出などに少し力点を置いて実施いたします。課題内容によっては、2回の講義日程で、1つの明細書を作成する場合もあります。
第2クールにて扱う予定の題材は以下のとおりです。
・ソフトウエア発明(コメントシステム)
・AI関連発明(車両サイズ推定)
・センサ関連発明(自動調整型レベルセンサ)
・ソフトウエア発明(音楽再生システム)
・通信関連発明(通信プロトコル)など
 ※扱う題材は変更する可能性があります。

第1クールと同じように小問課題を提出してもらいます。作成した明細書に関連して、請求項の作成などの小問も織り交ぜる予定です。

全体のスケジュールは以下のとおりです(変更する可能があります)。
私のクラスは、実施日が第1・第2クールを通して「日曜日」ですので、ご注意ください。


また、第1クールでは、課題としての明細書を仕上げるまでの流れは以下のとおりです(変更する可能性があります)。3回目以降も同様の流れになります。

第2クールでも第1クールと基本的な流れは同じです。ただし、以下のように進行する場合もあります(変更する可能性があります)。


■弁理士育成塾全体の説明は、下記URLから参照して下さい。機械・化学・電気(ソフト)の各クラスがあります。
弁理士育成塾の案内

電気・ソフトウエアに関しては、私のクラス以外に、川井先生のクラス(土曜日開催)もあります。併せてご検討ください。

■お聞きになりたいことがありましたら、下記アドレスまでご連絡ください。

 

 

MAIL TO
furutani@furutani.jp