知的財産用語辞典
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●早期審査(そうきしんさ)−特許、意匠、商標関係−

 ”早期審査”とは、所定の要件を満たす出願について、出願人の申し出により通常の出願よりも優先して審査する制度のことをいう。この制度は、1986年に特許庁の運用によって開始されたものであり、法令上に規定されている制度ではない。

 出願審査制度(特許法第48条2)は、出願審査請求のあったものについて、その出願審査請求がされた順番で審査することとしている。早期審査は、その順番を変えて、所定の出願について通常の出願よりも先に審査するものである。

 具体的には、出願審査請求(特許法第48条3)のあった後、出願人の申し出(早期審査の事情説明書の提出)により早期審査が行われる。早期審査が認められる出願対象をおおまかに説明すると、(1)出願人等がその出願に係る発明を実施している場合(実施関連出願)、(2)出願人がその発明を外国にも出願している場合(外国関連出願)、(3)出願人が中小企業。個人、大学や公的研究機関などである場合などのいずれかである。

 早期審査の申し出のための具体的な手続きについては、特許庁のWebページに紹介されている。特許庁の統計データ(PDF形式)によると、早期審査の申し出件数は年々増加しており、2012年には約14000件の申し出がされている。また、申し出から審査結果の最初の通知が発送されるまでの期間の平均は、特許出願の場合で約1.9ヶ月という結果が出ている。

 なお、早期審査に類似の制度として、「優先審査」(特許法第48条の6)がある。優先審査は、法令上の制度であり、他人がその特許出願に係る発明を実施している場合などの紛争の早期解決を図ることを目的として、優先的に審査を行うものである。

米国でも、出願は出願日の順に審査されるのが通常であるが、わが国同様、早期審査(加速審査)(Accelerated Examination)が認められており、申請が有料の場合と無料の場合とがある。無料の早期審査の対象は、例えば発明者が高齢である場合などがある。一方、有料の早期審査の対象は、ガン関連発明などがある。

(弁理士 古谷栄男)

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